JP2014190306A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DMCを用いる場合において、瞬間的な制約を考慮しつつ入力を最適化可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】燃焼騒音に影響するパラメータをDMCロジックの入力として用いて当該パラメータの目標値を算出し、当該目標値が燃焼騒音の境界凸包モデルの境界外側に属すると判定された場合、当該境界凸包モデルの境界内に存在する要素のうち、上記目標値に最も近い最寄要素の値に変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、エミッションの悪化を最小限に抑えるために、NOxセンサ、PM(Particulate Matter)センサといったエミッションセンサの値を入力として、噴射燃料量や噴射タイミングといった出力を予測するモデル予測制御を行う技術が開示されている。このモデル予測制御では、当該入力および出力に対して制約を設けている。そのため、予測した出力が制約に違反することを避けることができ、また、予測した出力を用いて制約に違反しないような新たな入力を生成することもできる。また、特許文献1には、モデル予測制御を行うコントローラが、DMC(Dynamic Matrices Control)ループを含んでも良いことが開示されている。
特開2009−504988号公報 特開2006−189050号公報 特開2006−189053号公報
DMCによれば、一定区間の出力の積分値(例えばエミッション量)を所望の値に最も近づけることができる入力を、当該入力やその時間勾配の上下限制約を考慮しながら解析的に算出することができる。一方、DMCは、出力の瞬間値を制約として考慮できないという欠点がある。つまり、エミッション量などの時間積分値が重要な項目について最適な入力列を算出することは可能であるが、瞬間的に越えてはならない制約が存在する燃焼騒音などを最適化において考慮することができないという問題がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、DMCを用いる場合において、瞬間的な制約を考慮しつつ入力を最適化可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置において、
内燃機関の燃焼室内の圧力変動に関与するパラメータの現在値を取得する取得手段と、
入力から予測される出力の所定区間における積分値を最小化する当該入力の制御目標値を算出するためのDMCロジックを記憶した記憶手段と、
前記DMCロジックの入力として前記現在値を用い、前記制御目標値としての前記パラメータの目標値を算出する算出手段と、
所定の制約条件を満たす前記パラメータの凸包によって境界が定義された境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合、前記目標値を、前記境界凸包モデルの境界内に属する要素のうち前記目標値に最も近い最寄要素の値に変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合であって、前記最寄要素値と前記目標値との距離が所定の閾値以下のときに、前記目標値を含むように前記境界凸包モデルを修正する修正手段を更に備え、
前記変更手段は、修正後の前記境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合、前記目標値を前記最寄要素値に変更することを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の燃焼室内の圧力変動に関与するパラメータの現在値をDMCロジックの入力として用いて当該パラメータの目標値を算出し、この目標値が境界凸包モデルの境界外にある場合は、この目標値とは異なる最寄要素値に変更できる。この最寄要素値は、所定の制約条件を満たす当該パラメータの凸包によって境界が定義された境界凸包モデルの境界内の値である。そのため、当該所定の制約条件として瞬間的な制約条件を設定することで、当該目標値を常時最適な値とすることが可能となる。よって、DMCロジックを用いて当該目標値を算出する場合においても、燃焼騒音などの瞬間的な制約を考慮できる。
上記境界凸包モデルの境界外に上記目標値が属する場合であって、上記最寄要素値と上記目標値との距離が所定の閾値以下のときは、上記パラメータを指令値とするアクチュエータの経年劣化や、機差によるバラツキの影響が考えられる。この点、第2の発明によれば、このような場合に上記境界凸包モデルを修正できるので、経年劣化や機差によるバラツキの影響を有効に学習して上記目標値に反映させることが可能となる。
実施の形態1の制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。 DMCロジックの概要を説明するための図である。 実施の形態1の制御装置により実行される過渡エンジン制御のためのルーチンを示すフローチャートである。 実施の形態1で用いられる燃焼騒音の境界凸包モデルを説明するための概念図である。 燃焼騒音の境界凸包モデルの最寄要素を選択する方法を説明するための図である。 実施の形態2のエンジンの制御系統を説明するための図である。 実施の形態2の制御装置により実行される過渡エンジン制御のためのルーチンを示すフローチャートである。 ノッキングの境界凸包モデルの最寄要素を選択する方法を説明するための図である。 実施の形態3の制御装置により実行される過渡エンジン制御のためのルーチンを示すフローチャートである。
実施の形態1.
先ず、本発明の実施の形態1について図1乃至図5を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1の制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。このシステムは、車両等に搭載される内燃機関としてのディーゼルエンジン2を備えている。ディーゼルエンジン2には4つの気筒が直列に備えられている。但し、気筒数および気筒配置は特に限定されない。ディーゼルエンジン2の各気筒には、インジェクタ8が設けられている。また、ディーゼルエンジン2の各気筒は、吸気マニホールド4と排気マニホールド6と連通している。
吸気マニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた新気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボ過給機14のコンプレッサが取り付けられている。コンプレッサ下流の吸気通路10には、コンプレッサで圧縮したガスを冷却するインタークーラ22が備えられている。インタークーラ22下流の吸気通路10には、吸気流量を調節可能なスロットル弁24が設けられている。
排気マニホールド6にはディーゼルエンジン2からの排気を大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボ過給機14のタービンが取り付けられている。ターボ過給機14は可変容量型であって、タービンには可変ノズル16が備えられている。タービン下流の排気通路12には酸化触媒コンバータ40、DPF(Diesel Particulate Filter)42および排気絞り弁44が設けられている。
本システムは、排気系から吸気系へ排気を再循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置を備えている。EGR装置は、スロットル弁24下流の吸気通路10と排気マニホールド6とを接続するEGR通路30を備えている。EGR通路30には、吸気通路10に導入する排気(EGRガス)の流量を調節可能なEGR弁32が設けられている。EGR通路30においてEGR弁32の排気側にはEGRクーラ34が備えられている。
本システムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、システム全体を総合制御する制御装置である。ECU50は、本システムが備える各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサはシステムの各所に取り付けられている。例えば、コモンレール内の燃料の圧力(コモンレール圧)を検出する燃圧センサ54、クランク軸の回転を検出する回転数センサ52や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ56などが取り付けられている。ECU50は、各種センサから取り込んだ信号を処理して所定の制御プログラムにしたがって各種アクチュエータを操作する。ECU50によって操作されるアクチュエータには、インジェクタ8、可変ノズル16、スロットル弁24、EGR弁32などが含まれている。なお、ECU50に接続されるアクチュエータやセンサは図中に示す以外にも多数存在するが、本明細書においてはその説明を省略する。
本実施の形態において、ECU50により実行されるエンジン制御には、可変ターボ制御、EGR制御および噴射系制御が含まれる。これらのエンジン制御では、エミッション(NOx、CO、HC、PM等)、燃料消費量や燃焼騒音に影響する可変ノズル16、スロットル弁24、EGR弁32およびインジェクタ8の各操作量が協調制御される。また、これらの操作量は、ECU50内に記憶したDMCロジックにより決定される。
図2は、DMCロジックの概要を説明するための図である。DMCロジックとは、入力から予測される出力の所定区間における積分値を最小化する当該入力の制御目標値を算出するためのロジックである。なお、簡略化のため、図2では1入力1出力系の例を示すが、多入力多出力系にも拡張が可能である。
図2では、2ステップに亘って入力Δuが変化した場合を示している。具体的に、入力Δuが次ステップ(時刻T)でΔu変化し、その次のステップ(時刻T)で更にΔu変化したとする。そうすると、出力y(予測値)は、時刻T,T,T,・・・,Tで、それぞれ(y+aΔu),(y+aΔu+aΔu),(y+aΔu+aΔu),・・・,(y+aΔu+ap−1Δu)となる。なお、出力yは時刻Tでの出力であり、出力のステップ応答を表す係数a,a,a,ap−1,aは、事前に計測し決定された既知の値である。
DMCロジックの制御則は、出力予測値yとその目標値ytargetの一定区間(T〜T)における誤差E=e+e+e+…+eを最小化する入力Δu,Δuを求めることにある。ここで、目標値ytarget=0とすると、当該制御則は、出力予測値yの積分値を最小化することと同義となる。
未来誤差e,e,e,…,eは次式(1)で表される。
Figure 2014190306
上記式(1)を定式化すると、次式(2)となる。
Figure 2014190306
目的関数Jは、次式(3)で表される。
Figure 2014190306
なお、上記式(3)中のλおよびλΔuは、重み付け係数である。
ここで、目的関数Jを最小化するΔu,Δuは次式(4)を満たす。
Figure 2014190306
上記式(3),(4)から入力Δuの制御目標値Δutargetが導出される。制御目標値Δutargetは、次式(5)で表される。
Figure 2014190306
本実施の形態で実行されるエンジン制御は、過渡状態で実行される過渡エンジン制御の方法に特徴を有している。以下、図3を参照しながら、本実施の形態で実行される過渡エンジン制御の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
図3のフローチャートは、実施の形態1でECU50により実行される過渡エンジン制御ルーチンを示している。このルーチンのステップS2では、イグニッション(IG)がオンにされたかどうか判定される。車両の運転者により所定の操作(例えば、イグニッションキーを所定位置まで回す等の操作)がなされた場合、イグニッションがオンにされる。イグニッションがオンにされるまでは本ステップにて待機状態となり、イグニッションがオンにされたら次のステップS4に進む。
ステップS4では、アクセル開度センサ56の信号から計算されたアクセルペダル開度の勾配、すなわち、時間微分値Psが取得される。アクセルペダル開度勾配Psは運転者が車両の加速或いは減速を開始したかどうかを判断するための情報として用いられる。
次のステップS6では、ステップS4で取得されたアクセルペダル開度勾配Psの絶対値が所定の開始基準値を上回ったかどうかによって、過渡エンジン制御の実行条件が満たされたかどうか判定される。アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値以下である間は、ステップS2からS6までの処理が繰り返し実施されることで、過渡エンジン制御の実行は保留される。アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値を上回った時点で過渡エンジン制御が開始され、次のステップS8からS22までの処理が順に実行される。
ステップS8では、各種制御量の現在値が取得される。具体的に、スロットル弁開度THR、EGR弁開度θEGR、可変ノズル開度VNおよびコモンレール圧FPが各種センサから取得されるとともに、他のルーチンにより算出されたメイン噴射時期Tm、パイロット噴射量Mp、パイロット噴射時期Tpが取得される。
ステップS10では、回転数センサ52の信号から計算されたエンジン回転数NEが取得されるとともに、他のルーチンにより算出されインジェクタ8に対して指示されている燃料噴射量Qが取得される。
ステップS12では、DMCロジックを用いて、スロットル弁開度THR、EGR弁開度θEGR、可変ノズル開度VN、メイン噴射時期Tm、パイロット噴射量Mp、パイロット噴射時期Tpおよびコモンレール圧FPの次ステップにおける目標値が算出される。具体的に、ステップS8で取得した各種制御量と、ステップS10で取得したエンジン回転数NEおよび燃料噴射量Qを入力とし、出力である一定区間の累積エミッション、燃料消費量を最小化するための当該各種制御量の次ステップにおける目標値THR、θEGRt、VN、Tm、Mp、TpおよびFPが算出される。
ステップS14では、スロットル弁24、EGR弁32および可変ノズル16の各操作量と、EGR率との関係を模擬した簡易モデル或いはこれらの関係を関連付けたマップを用いて、過渡時のEGR率REGRが算出される。具体的には、ステップS12で取得されたスロットル弁24、EGR弁32および可変ノズル16の各操作量の目標値(すなわち、THR、θEGRtおよびVN)が当該簡易モデルまたはマップに適用され、過渡時のEGR率が予測される。
ステップS16では、燃焼騒音の境界凸包モデルが呼び出される。図4は実施の形態1で用いられる燃焼騒音の境界凸包モデルを説明するための概念図である。本実施の形態で用いられる境界凸包モデルは、燃焼騒音の観点からエンジンの運転状態が最適か否かを判別するための境界モデルである。境界凸包モデルは、定常状態において燃焼騒音が閾値となる運転条件(すなわち、Tm、Mp、TpおよびFP)を予め複数点計測しておき、それらの点群の凸包によって境界が定義されたものである。なお、凸包とは、空間内にばら撒かれた点群の任意の2点を結ぶ線分全てが点群の集合の内側に含まれるときの点群(凸集合)のうちの最小のものをいう。
なお、燃焼騒音は下記式(6)の構造減衰CNで代表する。
CN=EN/Pcyl ・・・(6)
上記式(6)において、ENはエンジン放射音であり、Pcylは筒内圧代表値(例えば筒内圧の最大値)である。
ステップS18では、上記ステップS12で取得された運転条件(すなわち、Tm、Mp、TpおよびFP)が、上記ステップS16で呼び出された境界凸包モデルの境界の外側か否かが判定される。その結果、現運転条件が境界凸包モデルの境界内側に属すると判定された場合には、現運転条件を修正する必要はないと判断されるので、本ルーチンは終了される。
一方、上記ステップS18において、上記ステップS12で取得された運転条件が境界凸包モデルの境界外側に属すると判定された場合には、現運転条件では燃焼騒音が閾値を超えてしまうと判断することができる。この場合、次のステップS20に移行し、現運転条件の最寄りとなる境界凸包モデルの要素(最寄要素)が選択される。図5は、燃焼騒音の境界凸包モデルの最寄要素を選択する方法を説明するための図である。図5に示すように、先ず、燃焼騒音の境界凸包モデルの全要素の重心と上記ステップS12で取得された運転条件の点との距離dcを算出する。そして、次式(7)に示すように、2点間の最短距離が得られる最寄要素の重心G(Tm,Mp,Tp,FP)を最寄値として選択する。
dc={(Tm−Tm+(Mp−Mp+(Tp−Tp+(FP−FP1/2 ・・・(7)
ステップS22では、現運転条件が上記ステップS20にて選択された最寄値に修正される。具体的に、上記ステップS12で取得された運転条件がステップS20で選択された最寄値に修正される。
ECU50は、図3のフローチャートに従って求めた各種制御量の次ステップにおける目標値を指令値としてドライバにセットする。これにより、燃焼騒音を考慮しつつエミッションや燃費の悪化を最小限に留めるように、インジェクタ8、可変ノズル16、スロットル弁24およびEGR弁32の各動作を制御することができる。
なお、上述した実施の形態1では、メイン噴射時期Tm、パイロット噴射量Mp、パイロット噴射時期Tpおよびコモンレール圧FPが上記第1の発明における「パラメータ」に、燃焼騒音の境界凸包モデルが同発明における「境界凸包モデル」に、ECU50が同発明における「記憶手段」に、それぞれ相当している。
また、ECU50が、図3のステップS8の処理を実行することにより上記第1の発明における「取得手段」が、ステップS12の処理を実行することにより同発明における「算出手段」が、ステップS18〜S20の処理を実行することにより同発明における「変更手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図6乃至図8を参照しながら説明する。
上記実施の形態1においては、ディーゼルエンジン2を備えるシステムにおいて、燃焼騒音の境界凸包モデルを用いて過渡エンジン制御を行った。本実施の形態2においては、ガソリンエンジンを備えるシステムにおいて、ノッキングの境界凸包モデルを用いて過渡エンジン制御を行うことを特徴とする。そのため、以下においては、当該特徴点を中心に説明し、DMCロジックなどの上記実施の形態1と共通する点については、その説明を省略する。
図6は、実施の形態2のエンジンの制御系統を説明するための図である。図6に示すように、ECU60の入力側には、EGR弁80の開度に応じた信号を出力するEGR弁開度センサ62、デリバリパイプ内の燃料の圧力に応じた信号を出力する燃圧センサ64、クランク軸の回転を検出する回転数センサ66、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ68、吸気通路を流れる吸入空気量Gaを検出するエアフロメータ70などが接続されている。ECU60の出力側には、吸気弁のバルブタイミングVTiを変更可能な可変動弁機構72、排気弁のバルブタイミングVTeを変更可能な可変動弁機構74、混合気に点火する点火プラグ76、インジェクタ78、EGR弁80などが接続されている。
本実施の形態において、ECU60により実行されるエンジン制御には、吸気系制御、点火時期制御および噴射系制御が含まれる。これらのエンジン制御では、エミッション、燃料消費量やノッキングに影響する可変動弁機構72,74、点火プラグ76、インジェクタ78およびEGR弁80の各操作量が協調制御される。本実施の形態で実行されるエンジン制御は、過渡状態で実行される過渡エンジン制御の方法に特徴を有している。以下、図7を参照しながら、本実施の形態で実行される過渡エンジン制御の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
図7のフローチャートは、実施の形態2でECU60により実行される過渡エンジン制御ルーチンを示している。このルーチンのステップS24〜S28の処理は、図3のステップS2〜S6の処理と同一である。ステップS28において、アクセルペダル開度勾配Psの絶対値が開始基準値を上回った時点で過渡エンジン制御が開始され、ステップS30以降の処理が順に実行される。
ステップS30では、各種制御量の現在値が取得される。具体的に、EGR弁開度θEGR、燃料圧力FPおよび吸入空気量Gaが各種センサから取得されるとともに、他のルーチンにより算出された吸気バルブタイミングVTi、排気バルブタイミングVTe、点火時期SA、燃料噴射時期Tm、燃料噴射量Mmが取得される。
ステップS32では、回転数センサ66の信号から計算されたエンジン回転数NEが取得されるとともに、他のルーチンにより算出された充填効率KLが取得される。
ステップS34では、DMCロジックを用いて、吸気バルブタイミングVTi、排気バルブタイミングVTe、EGR弁開度θEGR、点火時期SA、空燃比AFR(=吸入空気量Ga/燃料噴射量Mm)、燃料噴射時期Tmおよび燃料圧力FPの次ステップにおける目標値が算出される。具体的に、ステップS30で取得した各種制御量と、ステップS32で取得したエンジン回転数NEおよび充填効率KLを入力とし、出力である一定区間の累積エミッション、燃料消費量を最小化するための当該各種制御量の次ステップにおける目標値VTi、VTe、θEGRtSA、AFR、TmおよびFPが算出される。
ステップS36では、可変動弁機構72,74およびEGR弁80の各操作量と、EGR率との関係を模擬した簡易モデル或いはこれらの関係を関連付けたマップを用いて、過渡時のEGR率REGRが算出される。具体的には、ステップS34で取得された可変動弁機構72,74およびEGR弁80の各操作量の目標値(すなわち、VTi、VTeおよびθEGR)が当該簡易モデルまたはマップに適用され、過渡時のEGR率が予測される。
ステップS38では、ノッキングの境界凸包モデルが呼び出される。本実施の形態で用いられる境界凸包モデルは、ノッキングの観点からエンジンの運転状態が最適か否かを判別するための境界モデルである。境界凸包モデルは、定常状態においてノッキングが発生する運転条件(すなわち、SA、AFR、TmおよびFP)を予め複数点計測しておき、それらの点群の凸包によって境界が定義されたものである。
ステップS40では、上記ステップS34で取得された運転条件(すなわち、SA、AFR、TmおよびFP)が、上記ステップS38で呼び出された境界凸包モデルの境界の外側か否かが判定される。その結果、現運転条件が境界凸包モデルの境界内側に属すると判定された場合には、現運転条件を修正する必要はないと判断されるので、本ルーチンは終了される。
一方、上記ステップS40において、上記ステップS34で取得された運転条件が境界凸包モデルの境界外側に属すると判定された場合には、現運転条件ではノッキングが発生してしまうと判断することができる。この場合、次のステップS42に移行し、現運転条件の最寄りとなる境界凸包モデルの要素(最寄要素)が選択される。図8は、ノッキングの境界凸包モデルの最寄要素を選択する方法を説明するための図である。図8に示すように、先ず、ノッキングの境界凸包モデルの全要素の重心と上記ステップS34で取得された運転条件の点との距離dcを算出する。そして、次式(8)に示すように、2点間の最短距離が得られる最寄要素の重心G(SA,AFR,Tm,FP)を最寄値として選択する。
dc={(SA−SA+(AFR−AFR+(Tm−Tm+(FP−FP1/2 ・・・(8)
ステップS44では、現運転条件が上記ステップS42にて選択された最寄値に修正される。具体的に、上記ステップS34で取得された運転条件がステップS42で選択された最寄値に修正される。
ECU60は、図7のフローチャートに従って求めた各種制御量の次ステップにおける目標値を指令値としてドライバにセットする。これにより、ノッキングの発生を考慮しつつエミッションや燃費の悪化を最小限に留めるように、可変動弁機構72,74、点火プラグ76、インジェクタ78およびEGR弁80の各動作を制御することができる。
なお、上述した実施の形態2では、点火時期SA、空燃比AFR、燃料噴射時期Tmおよび燃料圧力FPが上記第1の発明における「パラメータ」に、ノッキングの境界凸包モデルが同発明における「境界凸包モデル」に、ECU60が同発明における「記憶手段」に、それぞれ相当している。
また、ECU60が、図7のステップS30の処理を実行することにより上記第1の発明における「取得手段」が、ステップS34の処理を実行することにより同発明における「算出手段」が、ステップS40〜S44の処理を実行することにより同発明における「変更手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図9を参照しながら説明する。
本実施の形態3においては、上記実施の形態1のECU50により実行される過渡エンジン制御において、燃焼騒音の境界凸包モデルの学習機能を追加したことを特徴とする。以下、本実施の形態3で実行される過渡エンジン制御の詳細についてフローチャートを用いて説明する。
図9のフローチャートは、実施の形態3でECU50により実行される過渡エンジン制御ルーチンを示している。このルーチンのステップS46〜S64の処理は、図3のステップS2〜S20の処理と同一である。
ステップS66では、上記ステップS64にて選択された最寄要素と現運転条件との距離dcが所定の閾値dよりも小さいか否かが判定される。閾値dは、噴射系システムの経年劣化や機差バラツキにより生じる目標値のズレを判断するための閾値として予め設定された値が使用される。このような判断を可能とするため、閾値dは、小さい値に設定することが好ましい。本実施形態においては、凸包の境界上の要素よりも境界外側5%にある点と、当該要素との間の距離を閾値dとして設定する。ステップS66において、dc<dの成立が認められた場合には、次のステップS68に移行する。
ステップS68では、目標値のズレを学習すべく現運転条件の点を加えた上で境界凸包モデルが再計算される。再計算された境界凸包モデルは、次ステップ以降の判定に用いる境界凸包モデルとして利用される。
上記ステップS68の処理の後、或いは上記ステップS66においてdc<dの成立が認められない場合には、次のステップS70に移行する。ステップS70では、上記ステップS56で取得された運転条件が境界凸包モデルの境界の外側か否かが判定される。その結果、現運転条件が境界凸包モデルの境界内側に属すると判定された場合には、現運転条件を修正する必要はないと判断されるので、本ルーチンは終了される。
一方、上記ステップS70において、現運転条件が境界凸包モデルの外側に属すると判定された場合には、現運転条件では燃焼騒音が閾値を超えてしまうと判断することができる。この場合、次のステップS72に移行し、上記ステップS56で取得された運転条件が上記ステップS64にて選択された最寄値に修正される。
このように、ECU50は噴射系システムの経年劣化や機差バラツキにより生じる目標値のズレを学習して燃焼騒音の境界凸包モデルを再計算する。これにより、噴射系システムの経年劣化や機差バラツキを考慮しつつ、上記実施の形態1同様の効果を得ることが可能となる。
なお、上記実施の形態3で説明した境界凸包モデルの修正手法は、上記実施の形態2の境界凸包モデルに対しても同様に適用が可能である。
なお、上述した実施の形態3では、ECU50が、図9のステップS62〜S68の処理を実行することにより上記第2の発明における「修正手段」が実現されている。
2 ディーゼルエンジン
8,78 インジェクタ
16 可変ノズル
24 スロットル弁
32,80 EGR弁
50,60 ECU
52,66 回転数センサ
54,64 燃圧センサ
56,68 アクセル開度センサ
62 EGR弁開度センサ
70 エアフロメータ
72,74 可変動弁機構
76 点火プラグ

Claims (2)

  1. 内燃機関の燃焼室内の圧力変動に関与するパラメータの現在値を取得する取得手段と、
    入力から予測される出力の所定区間における積分値を最小化する当該入力の制御目標値を算出するためのDMCロジックを記憶した記憶手段と、
    前記DMCロジックの入力として前記現在値を用い、前記制御目標値としての前記パラメータの目標値を算出する算出手段と、
    所定の制約条件を満たす前記パラメータの凸包によって境界が定義された境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合、前記目標値を、前記境界凸包モデルの境界内に属する要素のうち前記目標値に最も近い最寄要素の値に変更する変更手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合であって、前記最寄要素値と前記目標値との距離が所定の閾値以下のときに、前記目標値を含むように前記境界凸包モデルを修正する修正手段を更に備え、
    前記変更手段は、修正後の前記境界凸包モデルの境界外に前記目標値が属する場合、前記目標値を前記最寄要素値に変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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