JP2014184413A - 水処理方法 - Google Patents

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剣治 堤
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あゆみ 鈴木
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Abstract

【課題】フッ化物イオンを含む廃水から、当該フッ化物イオンを低コストで効率的かつ効果的に除去して回収する。
【解決手段】実施形態の水処理方法は、第1の反応槽中において、廃水中に水に不溶なカルシウム含有無機物を添加し、廃水中に含まれるフッ化物イオンを第1のフッ化カルシウムに転化する。次いで、固液分離装置のフィルターに対して、第1のフッ化カルシウムを含む廃水を通水して固液分離し、フィルター上に第1のフッ化カルシウムのプレコート層を形成するとともに、第1のフッ化カルシウムが除去された1次処理水を得る。次いで、第2の反応槽中において、1次処理水に対して塩化カルシウムを添加し、1次処理水中に含まれるフッ化物イオンを第2のフッ化カルシウムに転化し、固液分離装置のプレコート層に対して、第2のフッ化カルシウムを含む1次処理水を通水して固液分離し、第2のフッ化カルシウムが除去された2次処理水を得る。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、水処理方法に関する。
近時、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められるようになってきている。水資源の有効利用を図るためには、工業廃水や生活廃水などのような各種の廃水を浄化して再利用することが重要である。
廃水を浄化するためには、水中に含まれる水不溶物や不純物を分離除去する必要がある。廃水を浄化する方法として、例えば膜分離法、遠心分離法、活性炭吸着法、オゾン処理法、凝集剤添加による浮遊物質の沈殿除去法がある。これらの水処理方法を用いて、廃水に含まれるリンやフッ素などの環境に及ぼす影響が大きく、また水中に分散した油類やクレイなどを除去することができる。特に、リンやフッ素は肥料や洗浄水として再生利用可能であるため、これら物質の廃水中からの除去は資源の再利用の観点からも重要である。
これらのうち、膜分離は水中の不溶物質を除去するのにもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、膜の保護の観点や、難脱水性の物質を含む水の通水速度を上げる観点から、ろ過助剤を用いた方法がしばしば用いられる。
また、水中からフッ化物イオンを除去する方法として、特許文献1には、水中にフッ化カルシウムを添加してフッ化カルシウムを生成するとともに凝集剤を添加することによりフッ化カルシウム汚泥として析出させる技術が開示されている。特許文献2には、フッ化カルシウムを生成させる反応槽中に当該フッ化カルシウムを粉砕して得た微細なフッ化カルシウムを返送し、これを種晶として大型のフッ化カルシウムを生成、沈殿させて除去する技術が開示されている。特許文献3には、フッ化物イオンをフッ化カルシウム及びリン酸カルシウムとして析出させ、さらに高分子凝集剤を添加し、これら析出物の汚泥として回収する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、析出させたフッ化カルシウムを凝集剤と混合して大きなフロックとして回収しているので、回収するフッ化カルシウムの純度が落ちて有価物として回収が難しく、また凝集剤が混入するため汚泥量が増えてしまう問題がある。また特許文献2では析出したフッ化カルシウムの一部を返送して結晶核とし、大きな粒子として回収しているので、凝集剤未使用による汚泥量増大の問題は回避することができるが、十分な大きさの結晶に成長させるために長時間を要するという問題があった。また特許文献3のように、リン酸カルシウムを生成する場合は、このリン酸カルシウムが水と非常に分離しにくく、高分子凝集剤と併用が必須である。
特開2010−207755号 特開2010−110688号 特許2005−296837号
本発明が解決しようとする課題は、フッ化物イオンを含む廃水から、当該フッ化物イオンを低コストで効率的かつ効果的に除去して回収することである。
実施形態の水処理方法は、フッ化物イオンを含む廃水の処理方法であって、第1の反応槽中において、前記廃水中に水に不溶なカルシウム含有無機物を添加し、前記廃水中に含まれる前記フッ化物イオンを第1のフッ化カルシウムに転化する第1のステップと、固液分離装置のフィルターに対して、前記第1のフッ化カルシウムを含む廃水を通水して固液分離し、前記フィルター上に前記第1のフッ化カルシウムを含むプレコート層を形成するとともに、前記第1のフッ化カルシウムが除去された1次処理水を得る第2のステップとを具える。また、第2の反応槽中において、前記1次処理水に対して塩化カルシウムを添加し、前記1次処理水中に含まれるフッ化物イオンを第2のフッ化カルシウムに転化する第3のステップと、前記固液分離装置の前記プレコート層に対して、前記第2のフッ化カルシウムを含む前記1次処理水を通水して固液分離し、前記第2のフッ化カルシウムが除去された2次処理水を得る第4のステップとを具える。
実施形態における水処理装置の概略構成図である。
図1は、本実施形態の水処理方法に使用する水処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す水処理装置10は、廃水等の被処理水W0を貯留しておくための貯留槽11と、この貯留槽11の下流側に位置し、被処理水W0中のフッ化物イオン及び炭酸カルシウム含有無機物を反応させて、第1のフッ化カルシウムを生成する(第1のフッ化カルシウムに転化する)第1の反応槽12と、この反応槽12の下流側に位置し、第1のフッ化カルシウムを含む被処理水W0を一時的に貯留する第1の一時貯留槽13と、一時貯留槽13の下流側に位置し、設置面に対して水平な面を有するフィルター141を含み、フィルター141によって内部空間が上下14A及び14Bに分割された固液分離装置(平面ろ過器)14とを有している。
また、固液分離装置14中のフィルター141を設置面と水平とすることにより、通水方向と被処理水W0に負荷される重力の向きとが一致するので、第1の反応槽12で生成した除去対象物である第1のフッ化カルシウムを中心とした固形物の層がフィルター141上に均一に形成されるようになる。この第1のフッ化カルシウムの層は、後に通水される1次処理水W1中の第2のフッ化カルシウムに対してろ過層として機能するので、1次処理水W1中に微細な第2のフッ化カルシウムの析出物(反応生成物)が存在する場合においても、当該析出物を捕捉して除去することができる。
フィルター141は、例えばろ布や金属メッシュ、多孔質セラミック、多孔質ポリマー等から構成することができるが、特にろ布が好ましく、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどの材質で、二重織、綾織、平織、朱子織などで編んだものが用いられる。この中でも、柔らかいろ布や高分子からなる精密ろ過膜(MF膜)などを用いると、以下に説明するように、フッ化物イオンを除去するために生成するフッ化カルシウムを好適に捕獲することができる。
なお、本実施形態の固液分離装置14は上述した構成のものに限定されず、汎用のものから構成することができる。
さらに、固液分離装置14の下流側には1次処理水を一時的に貯留しておくための1次処理水貯留槽18が配設されており、この1次処理水貯留槽18の下流側には1次処理水W1中に残留するフッ化物イオン及び塩化カルシウムを反応させて、第2のフッ化カルシウムを生成する(第2のフッ化カルシウムに転化する)第2の反応槽22と、この反応槽22の下流側に位置し、第2のフッ化カルシウムを含む1次処理水W1を一時的に貯留する第2の一時貯留槽23とが配設されている。また、1次処理水W1を固液分離装置14に供給して通水し、当該固液分離装置14で1次処理水中に含まれる第2のフッ化カルシウムが除去された後の2次処理水W2を貯留するための2次処理水貯留槽28が配設されている。
また、第1の反応槽12中に添加すべき硫酸カルシウム等の硫酸塩あるいは硫酸等の核生成助材を貯留しておくための第1の薬剤タンク15及び炭酸カルシウム含有無機物を貯留しておくための第2の薬剤タンク16が配設されている。なお、第2の薬剤タンク16の下方には定量供給装置17が配設されている。なお、定量供給装置17は、単位時間当たり一定量の炭酸カルシウムを連続的に自動供給できる機能を奏し、例えばスクリューフィーダ等を用いることができる。
さらに、第2の反応槽22中に添加すべき塩化カルシウムを貯留しておくための第3の薬剤タンク25が配設されている。
なお、貯留槽11、反応槽12、第1の一時貯留槽13、第2の反応槽22及び第2の一時貯留槽23内には、それぞれ攪拌機111、121、131、221及び231が配設されている。
本実施形態において、貯留槽11、第1の一時貯留槽13及び第2の一時貯留槽23は必須の構成要素ではなく、適宜省略することもできる。しかしながら、貯留槽11を配設することによって、当該貯留槽11中には常に所定量の被処理水W0を貯留しておくことができるので、第1の反応槽12に供給する被処理水W0の供給量の制御が容易になる。また、第1の一時貯留槽13及び第2の一時貯留槽23を配設することにより、それぞれの槽中には所定量の第1のフッ化カルシウムを含む被処理水W0及び第2のフッ化カルシウムを含む1次処理水W1を貯留しておくことができるので、これらの槽から固液分離装置14に供給する被処理水W0及び1次処理水W1の供給量の制御が容易になる。
また、1次処理水貯留槽18及び2次処理水貯留槽28も必須の構成要素ではなく、適宜省略することもできる。しかしながら、1次処理水貯留槽18を配設することにより、第2の反応槽22に供給する1次処理水W1の供給量の制御が容易になる。また、2次処理水貯留槽28を配設することにより、2次処理水W2の排出等の制御が容易になる。
本実施形態における“フッ化物イオン”とは、F−で示される陰イオンを意味するものである。
また、上述した記載から明らかなように、“第1のフッ化カルシウム”は、被処理水W0中のフッ化物イオン及び炭酸カルシウム含有無機物を反応させることによって得た比較的粒子径の大きい、例えば0.1μm〜5μmのフッ化カルシウムを意味するものである。また、“第2のフッ化カルシウム”は、1次処理水W1中に残留したフッ化物イオン及び塩化カルシウムを反応させることによって得た比較的粒子径の小さい、例えば0.01μm〜0.1μmのフッ化カルシウムを意味するものである。
また、本実施形態における“プレコート層”とは、上述した第1のフッ化カルシウムが固液分離装置14のフィルター141上に堆積することによって形成されたろ過層を意味するものである。これは、フッ化カルシウムが積層して層を形成した場合において、当該層中に多くの空洞が形成されるため、当該層に対して析出物等が分散した溶液を通水した場合において、上記空洞内に析出物等が捕捉されるような機能を奏することに起因する。
さらに、固液分離装置14のフィルター141の孔径の最頻値Aに対する、第1のフッ化カルシウムの平均粒子径Bの比(B/A)が0.2〜10の範囲であることが好ましい。B/Aが0.2より小さいと、第1のフッ化カルシウムがフィルター141で捕捉されないか、又は緻密に積層して後の第2のフッ化カルシウムを含む1次処理水W1の固液分離が困難になる場合がある。B/Aが10より大きいと第1のフッ化カルシウムが、目詰まりを起こしたりして、プレコート層142を形成することが困難になる場合がある。
上記平均粒子径は、レーザー回折法により測定した結果に基づいて算出されたものであって、具体的には、レーザー回折法を利用した機器として株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)を用いて得た体積換算平均粒子径を意味するものである。
また、フィルター141の孔径は、金属メッシュの篩のようにあらかじめ既知でない場合は、水銀圧入法により測定する。この方法は、水銀の表面張力が大きいことを利用して粉体の細孔に水銀を浸入させるために圧力を加え、圧力と圧入された水銀量から比表面積や細孔分布を求める方法であり、例えば島津製作所製の自動ポロシメータオートポアIV9500シリーズを用いて求めることができる。なお、上記最頻値Aは、このようにして求めた際の孔径分布のピーク値に相当する。
貯留槽11及び第1の反応槽12は配管32によって接続されており、配管32にはポンプ51が配設されている。第1の反応槽12及び第1の一時貯留槽13は配管33によって接続されており、配管33にはポンプ52が配設されている。第1の一時貯留槽13及び固液分離装置14は配管34で接続されており、配管34にはポンプ53が配設されている。固液分離装置14及び1次処理水貯留槽18は配管37及び38で接続されている。
1次処理水貯留槽18及び第2の反応槽22は配管41で接続されており、配管41上にはポンプ55が配設されている。第2の反応槽22及び第2の一時貯留槽23は配管42で接続されており、配管42上にはポンプ56が配設されている。第2の一時貯留槽23及び固液分離装置14は配管44で接続されており、配管44にはポンプ57が配設されている。なお、配管34及び44の接続部には三方バルブ61が配設されている。固液分離装置14及び2次処理水貯留槽28は配管37及び48で接続されている。なお、配管37と配管38及び48の接続部には三方バルブ62が配設されている。
次に、図1に示す水処理装置10を用いた水処理方法について説明する。
最初に、貯留槽11内に給水ラインである配管31からフッ化物イオンを含む廃水から構成される被処理水W0を供給し、当該被処理水W0の所定量を貯留する。貯留槽11内に貯留された被処理水W0は、撹拌機111によって当該被処理水W0中のフッ化物イオン濃度が均一となるように撹拌する。
次いで、貯留槽11内に貯留された被処理水W0の所定量を、ポンプ51を駆動させることにより配管32を介して第1の反応槽12内に導入する。その後、第1の薬剤タンク15に貯留された核生成助剤を、ポンプ54を駆動させることにより配管35を介して第1の反応槽12内に導入し、第2の薬剤タンク16に貯留されたカルシウム含有無機物を、定量供給装置17を駆動させることにより配管36を介して第1の反応槽12内に導入し、撹拌機121によって撹拌する。
すると、第1の反応槽12内では、フッ化物イオンとカルシウム含有無機物とが反応して、フッ化カルシウムの微細な核が形成され、その後、核生成助剤を中心として粒成長が生じ、所定の大きさの第1のフッ化カルシウムの析出物が形成される。具体的には、例えば0.1μm〜5μmの平均粒子径を有する第1のフッ化カルシウムの粒子が生成される。このような大きさの第1のフッ化カルシウムは、以下に説明する固液分離装置14におけるプレコート層(ろ過層)142の形成による第2のフッ化カルシウムの捕捉を効率的に行うことができる。
なお、当該平均粒子径は、レーザー回折法を利用した機器として株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)を用いて得た体積換算平均粒子径を意味するものである。
また、核生成助剤の添加量は、例えば被処理水W0中のフッ化物イオン量に対して、モル比で0.25倍とし、カルシウム含有無機物の添加量は、例えば被処理水W0中のフッ化物イオン量に対して、カルシウム換算においてモル比で0.75倍とする。
核生成助剤としては、当該核生成助剤が、被処理水W0中のフッ化物イオンとカルシウム含有無機物のカルシウムとが反応して生成される第1のフッ化カルシウム(第1のフッ化カルシウムに転化される)の粒成長が行われるものであれば特に限定されないが、好ましくは硫酸カルシウムに代表される硫酸塩や硫酸を用いることができる。硫酸の場合、後に添加されるカルシウム含有無機物のカルシウムと反応して生成される硫酸カルシウムが実際には核生成助剤として機能する。
カルシウム含有無機物は、水に不溶なものであることが好ましく、具体的には、アラゴナイト、ウレキサイト、メリライト、オンファサイト、ウバロバイト、灰重石、ベロブスカイト、ヘデンバージャイト、ゾイサイト、魚眼石、ドロマイト、クリード石、ピーモンタイト、スパー石、二水石膏、チタナイト、チャロアイト、灰長石、透輝石、灰鉄輝石、ヨハンセン輝石、トレモライト、ロードナイト、ピジョン輝石、ホルンブレンド、オージャイト、ベクロタイト、ベスビアナイト、逸見石、カルサイト、霰石、モンモリロナイト、アクチノライト、エピドート、クリノゾイサイト、アパタイトなどの天然鉱石の他、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、タングステン酸カルシウムなどの化合物を挙げることができる。
これらの中でも、特に水への溶解度が小さい炭酸カルシウムや、炭酸カルシウムを主成分とする鉱石(例えばアラゴナイト、ドロマイト)が好ましい。
なお、“水に不溶”とは、水への溶解度が、1000ml辺り10g以下(25℃)と定義する。
カルシウム含有無機物は、平均粒子径2〜50μmの粒子を用いることが好ましい。平均粒子径が50μmを超えて大きくなると、カルシウム含有無機物の表面積が小さくなり、フッ化物イオンとカルシウムとが反応して第1のフッ化カルシウムが生成される際の反応速度が遅くなる場合がある。平均粒子径が2μmよりも小さいと、生成したフッ化カルシウムの径が小さくなり、固液分離装置14におけるプレコート層142がろ過層としての十分機能せずに、プレコート層142での第2のフッ化カルシウムの捕捉が困難になる場合がある。
上記平均粒子径は、レーザー回折法により測定した結果に基づいて算出されたものであって、具体的には、レーザー回折法を利用した機器として株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)を用いて得た体積換算平均粒子径を意味するものである。
上述した平均粒子径のカルシウム含有無機物を得るには適宜分級を行う。入手したカルシウム含有無機物の粒径が上述した平均粒子径よりも大きい場合は、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ロール等を用いて粉砕する。
なお、本実施形態では、上述のように、第1の薬剤タンク15を準備し、第1の反応槽12内に核生成助剤を添加するようにしているが、核生成助剤は添加しなくてもよい。しかしながら、核生成助剤を添加しない場合は、被処理水W0が酸性でないと第1のフッ化カルシウムの生成反応が促進されないので、例えば被処理水W0が中性の場合には第1のフッ化カルシウムの生成に長時間を要する場合がある。したがって、被処理水W0における第1のフッ化カルシウムの生成を促進させるために、別途pH調整剤等を添加しなければならない場合がある。
次いで、生成した第1のフッ化カルシウムを含むスラリー状の被処理水W0を、ポンプ52を駆動させることにより、配管33を介して第1の一時貯留槽13内に一時的に貯留し、撹拌機131で撹拌させた後、ポンプ53を駆動させることにより、配管34を介して固液分離装置14のフィルター141上に移送し、当該フィルター141を通水させる。本実施形態では、固液分離装置14として、設置面に対して水平な面を有するフィルター141を含む平面ろ過器を用いているので、フィルター141上に除去対象物である第1のフッ化カルシウムを中心とした固形物の層、すなわちプレコート層142が形成されるようになる。
なお、被処理水W0を固液分離装置14に移送する際には、三方バルブ61の第1の一時貯留槽13側及び固液分離装置14側を開とし、第2の一時貯留槽23側を閉とする。
被処理水W0から第1のフッ化カルシウムが除去された後は、1次処理水W1として固液分離装置14の下部より配管37及び38を介して1次処理水貯留槽18内に貯留される。なお、このとき、三方バルブ62は、配管37及び38側を開とし、配管48側を閉とする。
次いで、1次処理水貯留槽18内に貯留された1次処理水W1を、ポンプ55を駆動させることにより、配管41を介して第2の反応槽22内に移送し、第3の薬剤タンク25内に貯留された塩化カルシウムをポンプ58を駆動させることにより、配管46を介して第2の反応槽22内に導入し、撹拌機221で撹拌する。これによって、1次処理水W1中に残留したフッ化物イオンが塩化カルシウムと反応して、微細な第2のフッ化カルシウムの粒子を生成するようになる。なお、上述したように、第2のフッ化カルシウムの平均粒子径は、例えば0.01μm〜0.1μmである。
なお、塩化カルシウムは潮解性が高いので、第3の薬剤タンク25内において塩化カルシウムは予め水溶液として貯留しておく。
また、塩化カルシウムの添加量は、例えば1次処理水W1中のフッ化物イオン量に対し、カルシウム換算においてモル比で1.0倍とすることができる。
次いで、第2のフッ化カルシウムを含むスラリー状の1次処理水W1を、ポンプ57を駆動させることにより、配管44を介して固液分離装置14のプレコート層142上に供給する。上述したように、第2のフッ化カルシウムは微細な粒子と存在するが、プレコート層142は、第1のフッ化カルシウムが固液分離装置14のフィルター141上に堆積することによって、層中に多くの空洞が形成されているため、当該層に対して上記1次処理水W1を通水した場合において、上記空洞内に第2のフッ化カルシウムが捕捉されて除去されるようになる。
1次処理水W1を固液分離装置14、すなわちプレコート層142を通水させた後は、2次処理水W2として固液分離装置14の下部より配管37及び48を介して2次処理水貯留槽28に導入し、貯留する。2次処理水貯留槽28内に貯留された2次処理水W2は、例えば再生処理水として所定の用途に供される。
なお、このとき、三方バルブ62は、配管37及び48側を開とし、配管38側を閉とする。
このように、本実施形態では、被処理水W0中に含まれるフッ化物イオンをカルシウム含有無機物及び塩化カルシウムを用いて2段径で除去するようにしているので、フッ化物イオンを含む廃水から、当該フッ化物イオンを低コストで効率的かつ効果的に除去して回収することができる。
図1に示す水処理装置10を用いて試験を行った。被処理水W0として、pH7及び90mg/Lのフッ化水素酸を含有する模擬廃水を用いた。核生成助剤として硫酸を用い、カルシウム含有無機物として平均粒子径6μmの炭酸カルシウムを用いた。なお、核生成助剤としての硫酸は、模擬廃水中のフッ化物イオンに対してモル比で0.25倍添加して、炭酸カルシウムは、模擬廃水中のフッ化物イオンに対してモル比で0.75倍添加した。第1の反応槽12内で30分攪拌したところ、第1の反応槽12内のpHが7.2まで上昇し、固液分離装置14で固液分離を行ったところ、フッ素濃度が34mg/Lの1次処理水W1を得た。
なお、固液分離装置14のフィルター141は、ポリプロピレンからなるMF膜を用いた。
また、固液分離装置14のフィルター141の孔径の最頻値Aに対する、第1のフッ化カルシウムの平均粒子径Bの比(B/A)は0.86であった。
次いで、第2の反応槽22内で、1次処理水W1に対して、当該1次処理水中のフッ化物イオンに対してモル比で1.0倍の塩化カルシウムを添加し、30分攪拌したところ、第2の反応槽22内のpHが7.8まで上昇した。その後、1次処理水W1を固液分離装置14で固液分離を行ったところ、得られた2次処理水W2中のフッ素濃度が19mg/gにまで低減されていることが確認された。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 水処理装置
11 貯留槽
111 攪拌機
12 第1の反応槽
121 攪拌機
13 第1の一時貯留槽
131 攪拌機
14 固液分離装置
141 フィルター
142 プレコート層
15 第1の薬剤タンク
16 第2の薬剤タンク
17 定量供給装置
18 1次処理水貯留槽
22 第2の反応槽
221 攪拌機
23 第2の一時貯留槽
231 攪拌機
25 第3の薬剤タンク
31〜38,41,42,44,46,48 配管
51〜58 ポンプ
61,62 三方バルブ
W0 被処理水
W1 1次処理水
W2 2次処理水

Claims (4)

  1. フッ化物イオンを含む廃水の処理方法であって、
    第1の反応槽中において、前記廃水中に水に不溶なカルシウム含有無機物を添加し、前記廃水中に含まれる前記フッ化物イオンを第1のフッ化カルシウムに転化する第1のステップと、
    固液分離装置のフィルターに対して、前記第1のフッ化カルシウムを含む廃水を通水して固液分離し、前記フィルター上に前記第1のフッ化カルシウムを含むプレコート層を形成するとともに、前記第1のフッ化カルシウムが除去された1次処理水を得る第2のステップと、
    第2の反応槽中において、前記1次処理水に対して塩化カルシウムを添加し、前記1次処理水中に含まれるフッ化物イオンを第2のフッ化カルシウムに転化する第3のステップと、
    前記固液分離装置の前記プレコート層に対して、前記第2のフッ化カルシウムを含む前記1次処理水を通水して固液分離し、前記第2のフッ化カルシウムが除去された2次処理水を得る第4のステップと、
    を具えることを特徴とする、水処理方法。
  2. 前記第1のステップにおいて、前記第1の反応槽中にカルシウム含有無機物を添加する前に、前記第1のフッ化カルシウムに対する核生成助材を添加することを特徴とする、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記核生成助材は、硫酸カルシウム及び硫酸の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項2に記載の水処理方法。
  4. 前記固液分離装置は、水平ろ過器であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の水処理方法。
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