JP2014183253A - 基板保持装置、基板ホルダ、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持対象の基板の例えば表面に沿った方向の歪みを補正可能とする。
【解決手段】ウエハWを保持する保持装置であって、ウエハWを保持するためのウエハ保持領域HA1を有する平板状のウエハ保持部材54と、ウエハ保持部材54の側面SP1〜SP4の複数の位置でそれぞれウエハ保持部材54を押し引きする複数のアクチュエータ56XA,57XA,58YA,59YAと、を備え、複数のアクチュエータ56XA,57XA,58YA,59YAを介してウエハ保持部材54のウエハ保持領域HA1を局所的に変形させることで、ウエハ保持部材54に保持されているウエハWを局所的に変形させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板を保持する基板保持装置及び基板ホルダ、その基板保持装置を用いる露光技術、並びにこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を生産するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる、いわゆるステッパー又はスキャニングステッパーなどの露光装置においては、露光対象の基板としての例えば円板状の半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)を安定に保持するために、いわゆるピンチャック式のウエハホルダが使用されている。また、電子デバイスを製造する際のスループット(生産性)を高めるために、ウエハ直径のSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格(SEMI standards)は、数年ごとに125mm、150mm、200mm、300mmとほぼ1.25〜1.5倍の割合で大きくなっている。
ウエハが大型化すると、単に多くの突部(ピン)を介してウエハを保持しているだけでは、ウエハの凹凸が目標とする範囲外に出る恐れがある。そこで、従来、多数の突部の高さを個別に又はグループ別に制御可能とするために、底部にマトリックス状に複数の圧電素子等の駆動素子を設け、これらの駆動素子を介して対応する突部の高さを制御することで、露光対象のウエハの凹凸の状態を制御可能としたウエハホルダも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第03/052804号パンフレット
最近、電子デバイスの製造プロセスが益々複雑化しており、電子デバイスの製造工程中のプロセス歪みを含む例えばウエハの表面に沿った方向のウエハ歪みが、投影光学系の結像特性の制御だけでは補正できない程度に大きくなる恐れが生じている。さらに、ウエハの一層の大型化を図るために、直径450mmのウエハの使用も検討されている。このようにウエハがより大型化すると、プロセス歪みを含むウエハ歪みがより大きくなる恐れがある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、保持対象の基板の例えば表面に沿った方向の歪みを補正可能とすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、基板を保持する基板保持装置であって、その基板を保持するための基板保持領域を有する基板保持部と、その基板保持部の側面の複数の位置でそれぞれその基板保持部を押し引きする複数のアクチュエータと、を備え、その複数のアクチュエータを介してその側面と交差する方向に関してその基板保持部を局所的に変形させることで、その基板保持部に保持されているその基板を局所的に変形させる基板保持装置が提供される。
また、第2の態様によれば、基板を保持する基板保持装置であって、その基板を保持するための基板保持領域を有する基板保持部と、その基板保持領域に二次的に配列されるとともに、それぞれその基板を支持する複数の可動部材と、その複数の可動部材の間に配置されてそれぞれ伸縮可能な複数の第1のアクチュエータと、を備え、その複数の第1のアクチュエータを介してその複数の可動部材のうち少なくとも一つの可動部材を変位させることで、その複数の可動部材を介して保持されているその基板を局所的に変形させる基板保持装置が提供される。
また、第3の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、その基板を保持するために、本発明の態様の基板保持装置を備える露光装置が提供される。
また、第4の態様によれば、基板を保持するための基板保持領域と、その基板保持領域を囲むように配置されて、複数の位置でアクチュエータが接触する側面と、を備え、そのアクチュエータによる力を受けてその側面と交差する方向に関して局所的に変形される基板ホルダが提供される。
また、第5の様態によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、本発明の態様の基板保持装置にその基板を保持することと、その基板の局所的な歪みに関する情報を計測することと、その計測された情報に基づいてその基板保持装置のアクチュエータを駆動してその基板の局所的な歪みを補正することと、を含む露光方法が提供される。
また、第6の様態によれば、本発明の態様の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、アクチュエータを介して基板保持部を局所的に変形させるか、又は複数の可動部材を部分的に変位させることで、その変形又は変位に追従して基板を局所的に変形させることができる。従って、保持対象の基板の例えば表面に沿った方向の歪みを補正可能である。
第1の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図1のウエハステージに設けられた回折格子及び複数の検出ヘッド等の配置の一例を示す平面図である。 図1の露光装置の制御系を示すブロック図である。 (A)は図1の能動型ウエハホルダを示す一部を切り欠いた平面図、(B)は図4(A)の断面及び制御部を示す図である。 (A)はウエハ歪みの一例を示す平面図、(B)はウエハの一部の領域を示す拡大図、(C)はウエハ歪みの別の例を示す拡大図である。 露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は第2の実施形態に係る能動型ウエハホルダを示す平面図、(B)は図7(A)の断面及び制御部を示す図である。 (A)は図7(A)の多数の可動部に設けられたアクチュエータの配列の一例を示す平面図、(B)は図8(A)の一部の拡大図、(C)は図8(A)の一部の断面図である。 (A)はウエハ歪みの一例を示す平面図、(B)は変形例の可動部の配列の一部を示す拡大図、(C)は他の変形例の可動部の配列の一部を示す拡大図である。 (A)は変形例に係る能動型ウエハホルダの断面及び制御部を示す図、(B)は図10(A)の一部を示す拡大断面図、(C)は別の変形例のアクチュエータの配列を示す拡大断面図である。 露光方法の他の例を示すフローチャートである。 (A)は可動部の支持方法の一例を示す拡大断面図、(B)は可動部の支持方法の他の例を示す拡大断面図である。 電子デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るウエハ保持装置(基板保持装置)を備えた露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパーよりなる走査露光型の投影露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えている。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内でレチクルRとウエハ(半導体ウエハ)Wとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をθx、θy、及びθz方向とも呼ぶ。
露光装置EXは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示される照明系ILS、及び照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)IL(例えば波長193nmのArFエキシマレーザ光、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波など)により照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRSTを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRから射出された照明光ILでウエハW(基板)を露光する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハ保持装置50(図3参照)、ウエハ保持装置50のうちの機構部を支持して移動するウエハステージWST、及び制御系等(図3参照)を備えている。
レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面(下面)には、回路パターンなどが形成されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む図3のレチクルステージ駆動系25によって、XY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計24によって、移動鏡22(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計24の計測値は、図3のコンピュータよりなる主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてレチクルステージ駆動系25を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図1において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。照明系ILSからの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域IAR内の回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。ウエハWは、一例としてシリコン等の半導体よりなる直径が300mm又は450mm等の大型の円板状の基材にフォトレジスト(感光材料)を数10〜200nm程度の厚さで塗布したものを含む。
露光装置EXにおいて、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ91を保持する鏡筒40の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置38の一部を構成するノズルユニット32が設けられている。ノズルユニット32は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給するための供給管31A及び回収管31Bを介して、液体供給装置34及び液体回収装置36(図3参照)に接続されている。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置38は設けなくともよい。
さらに、投影光学系PLには、内部の所定の複数のレンズの姿勢を制御してディストーション及び投影倍率等の結像特性を補正する結像特性補正系48(図3参照)が設けられている。そのような結像特性補正系は、例えば米国特許出願公開第2006/244940号明細書に開示されている。
また、露光装置EXは、レチクルRのアライメントを行うためにレチクルRのアライメントマーク(レチクルマーク)の投影光学系PLによる像の位置を計測する空間像計測系(不図示)と、ウエハWのアライメントを行うために使用される例えば画像処理方式(FIA系)のアライメント系ALと、照射系90a及び受光系90bよりなりウエハWの表面の複数箇所のZ位置を計測する斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、多点AF系という)90(図3参照)と、ウエハステージWSTの位置情報を計測するためのエンコーダ8とを備えている。空間像計測系は例えばウエハステージWST内に設けられている。アライメント系ALは、例えばウエハWのショット領域SA間のスクライブライン領域SL(図5(B)参照)に形成された2次元又は1次元のアライメントマーク(以下、ウエハマークという)WMの位置を計測する。
アライメント系ALは、一例として図2に示すように、投影光学系PLに対して+Y方向に離れて配置されたウエハWの直径程度の長さの領域に、X方向(非走査方向)にほぼ等間隔で配列された5眼のアライメント系ALc,ALb,ALa,ALd,ALeから構成され、5個のアライメント系ALa〜ALeで同時にウエハWの異なる位置のウエハマークを検出できるように構成されている。また、多点AF系90の照射系90a及び受光系90bは、一例としてアライメント系ALa〜ALeと投影光学系PLとの間の領域に沿って配置されている。この構成によって、ウエハステージWSTによってウエハWをY方向に移動することによって、多点AF系90によるウエハW表面の複数位置におけるZ位置(フォーカス位置)の分布の計測、及びアライメント系ALa〜ALeによる複数のウエハマーク(例えば計測対象の複数のショット領域(アライメントショット)に付設されたマーク)の位置計測を効率的に行うことができる。多点AF系90の計測結果及びアライメント系ALの計測結果は主制御装置20に供給される。
ウエハステージWSTは、不図示の複数の例えば真空予圧型空気静圧軸受(エアパッド)を介して、ベース盤WBのXY面に平行な上面WBaに非接触で支持されている。ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系18(図3参照)によってX方向及びY方向に駆動可能である。ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体30と、ステージ本体30上に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体30内に設けられて、ステージ本体30に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZステージ機構とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の開口の内側には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するとともに、プロセス歪み等に起因するウエハWの局所的な歪み(ウエハ歪み)を補正可能な能動型ウエハホルダ52(詳細後述)が設けられ、主制御装置20には能動型ウエハホルダ52を駆動するウエハホルダ制御系51が接続されている。能動型ウエハホルダ52及びウエハホルダ制御系51からウエハ保持装置50が構成されている。
また、ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハWの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハWの載置領域よりも一回り大きな円形の開口が形成された高平面度の平板状のプレート体28が設けられている。
なお、上述の局所液浸装置38を設けたいわゆる液浸型の露光装置の構成にあっては、プレート体28は、さらに図3のウエハステージWSTの平面図に示されるように、その円形の開口を囲む、外形(輪郭)が矩形の表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)28a、及びプレート部28aを囲む周辺部28eを有する。周辺部28eの上面に、プレート部28aをY方向に挟むようにX方向に細長い1対の2次元の回折格子12A,12Bが固定され、プレート部28aをX方向に挟むようにY方向に細長い1対の2次元の回折格子12C,12Dが固定されている。回折格子12A〜12Dは、それぞれX方向、Y方向を周期方向とする周期が1μm程度の2次元の格子パターンが形成された反射型の回折格子である。
図1において、投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に連結部材(不図示)を介してXY面にほぼ平行な平板状の計測フレーム16が支持されている。計測フレーム16の底面に、投影光学系PLをX方向に挟むように、回折格子12C,12Dに計測用のレーザ光(計測光)を照射して、このX方向、Y方向、Z方向の(3次元の)相対位置を計測するための複数の3軸の検出ヘッド14が固定されている。さらに、計測フレーム16の底面に、投影光学系PLをY方向に挟むように、回折格子12A,12Bに計測用のレーザ光を照射して、この3次元の相対位置を計測するための複数の3軸の検出ヘッド14が固定されている(図2参照)。さらに、複数の検出ヘッド14にレーザ光(計測光及び参照光)を供給するための一つ又は複数のレーザ光源(不図示)も備えられている。
図2において、投影光学系PLを介してウエハWを露光している期間では、Y方向の一列A1内のいずれか2つの検出ヘッド14は、回折格子12A又は12Bに計測光を照射し、回折格子12A,12Bから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。これと並列に、X方向の一行A2内のいずれか2つの検出ヘッド14は、回折格子12C又は12Dに計測光を照射し、回折格子12C,12Dから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。これらの一列A1及び一行A2の計測演算部42では、ウエハステージWST(ウエハW)と計測フレーム150(投影光学系PL)とのX方向、Y方向、Z方向の相対位置(相対移動量)を例えば0.5〜0.1nmの分解能で求め、それぞれ求めた計測値を切り替え部80A及び80Bに供給する。計測値切り替え部80A,80Bでは、回折格子12A〜12Dに対向している検出ヘッド14に対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報を主制御装置20に供給する。
一列A1及び一行A2内の複数の検出ヘッド14、レーザ光源(不図示)、複数の計測演算部42、切り替え部80A,80B、及び回折格子12A〜12Dから3軸のエンコーダ8が構成されている。このようなエンコーダ及び上述の5眼のアライメント系の詳細な構成については、例えば米国特許出願公開第2008/094593号明細書に開示されている。主制御装置20は、エンコーダ8から供給される相対位置の情報に基づいて、計測フレーム16(投影光学系PL)に対するウエハステージWST(ウエハW)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθz方向の回転角等の情報を求め、この情報に基づいてステージ駆動系18を介してウエハステージWSTを駆動する。
なお、エンコーダ8と並列に、又はエンコーダ8の代わりに、ウエハステージWSTの3次元的な位置を計測するレーザ干渉計を設け、このレーザ干渉計の計測値を用いて、ウエハステージWSTを駆動してもよい。
そして、露光装置EXの露光時には、基本的な動作として先ずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンの一部の像をウエハWの表面の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向に移動する動作(ステップ移動)と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、例えば液浸法でかつステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
この際に、エンコーダ8の検出ヘッド14においては、計測光及び回折光の光路長はレーザ干渉計に比べて短いため、検出ヘッド14を用いた計測値に対する空気揺らぎの影響が非常に小さい。従って、エンコーダ8は、レーザ干渉計と比較して、空気が揺らぐ程度の短い期間における計測安定性(短期安定性)が格段に優れているため、レチクルRのパターン像をウエハWに高精度に転写できる。
なお、本実施形態では、計測フレーム16側に検出ヘッド14を配置し、ウエハステージWST側に回折格子12A〜12Dを配置している。この他の構成として、計測フレーム16側に回折格子12A〜12Dを配置し、ウエハステージWST側に検出ヘッド14を配置してもよい。
次に、本実施形態のウエハ保持装置50の構成及び動作につき詳細に説明する。ウエハ保持装置50は、ウエハステージWST内に組み込まれた能動型ウエハホルダ52(機構部)と、主制御装置20の制御のもとで能動型ウエハホルダ52の動作を制御するウエハホルダ制御系51とを有し、プロセス歪み等に起因するウエハWの表面に沿った方向の広範囲及び局所的なウエハ歪みを補正する。
図4(A)は図1の能動型ウエハホルダ52を示す平面図、図4(B)は図4(A)のY方向の中央部における縦断面図及びウエハホルダ制御系51を示す。図4(B)において、ステージ本体30の上面に3箇所のZ方向に変位可能な例えばボイスコイルモータ方式の駆動部(不図示)を介して例えば低膨張率の金属製のZステージ53が保持されている。Zステージ53は、ステージ本体30に保持される矩形の平板部53aと、平板部53aの上面に一体的に設けられてX軸及びY軸に平行な辺部を持つ矩形の枠状の側壁部53bとを有し、平板部53a内にウエハWを真空吸着するための排気路53cが形成されている。側壁部53bの上面にウエハテーブルWTBが固定され、ウエハテーブルWTBの上面に固定されたプレート体28の周縁部に回折格子12C,12D等が保持されている。ウエハテーブルWTB及びプレート体28の中央部に、それぞれ保持対象のウエハWを所定のギャップを隔てて収容するための円形の開口が形成されている。なお、図4(A)では、プレート体28に設けられた開口だけを2点鎖線で示している。
また、Zステージ53の平板部53aの上面に一例として僅かな間隔を隔てて、矩形の平板状のウエハ保持部材54の平板部54aが配置され、平板部54aの上面にリング状の閉じた側壁部54cが一体的に形成されている。側壁部54cの大きさは、保持対象のウエハWの周縁のエッジ部よりも僅かに小さい程度であり、側壁部54cでウエハWの周縁部が支持される。ウエハWの直径が300mm又は450mmであれば、側壁部54cの外径は300mm又は450mmより僅かに小さく形成される。ウエハ保持部材54は、一例として例えば熱膨張率が非常に小さく、かつ剛性が比較的小さく或る程度歪ませることが可能な材料から形成されている。そのような材料としては、超低膨張ガラス(例えばコーニング社のULE(商品名))、超低膨張率のガラスセラミックス(例えばショット社のゼロデュア (Zerodur) (商品名))、又は炭化ケイ素(SiC)などが使用できる。
さらに、図4(A)に示すように、ウエハ保持部材54の平板部54a上の側壁部54cで囲まれたウエハ保持領域HA1に、一例として正三角形を基本形状とする2次元格子の各格子点となる位置に多数のピン状の突部54bが一体的に形成されている。隣接する複数の突部54bの間隔は例えば数mm(例えば3mm程度)であり、多数の突部54b及び側壁部54cの上面は同一の平面(XY平面)に接するように極めて高い平面度に仕上げられている。露光対象のウエハWは、多数の突部54b及び側壁部54cの上面に載置される。ウエハ保持部材54は、例えば一体成形した後に、突部54b等の表面の研磨等を施すことで製造できる。
ウエハ保持領域HA1内の多数の突部54b間に例えば中心から等角度間隔で3列の複数の排気口(図4(B)にそのうちの1列の排気口を示す)が形成され、これらの排気口がウエハ保持部材54の平板部54a内の排気路54dに連通している。なお、平板部54aの中心部には、ウエハWをZ方向に昇降させるために上下する例えば3本のセンターピン(不図示)が通る貫通孔が形成され、Zステージ53はそれらのセンターピンの昇降機構(不図示)を有する。その排気路54dは、可撓性を持つ排気管61Aを介してZステージ53内の排気路53cに連通し、排気路53cは可撓性を持つ排気管62Bを介してウエハステージWSTの外部にある真空ポンプ62に接続されている。真空ポンプ62の動作はウエハホルダ制御系51によって制御される。側壁部54cを覆うようにウエハWが載置されている状態で、真空ポンプ62を動作させて排気路54dを通して多数の突部54bとウエハWとの間の空間の気体を吸引することで、ウエハWは多数の突部54b及び側壁部54cの上面に真空吸着で安定に保持される。なお、ウエハWは静電吸着で保持することも可能であり、静電吸着する場合には、多数の突部54bの代わりに平坦部でウエハWを支持することも可能である。
また、図4(A)において、Zステージ53の側壁部53bの−X方向の辺部にY方向に所定間隔で、対向する位置のウエハ保持部材54の平板部54aの−X方向の側面SP1をX方向に押し引きする互いに同じ構成の複数のX軸のアクチュエータ56XA,56XB,56XC,56XD,56XE,56XF,56XG,56XH,56XIが設けられ、側壁部53bの+X方向の辺部のアクチュエータ56XA〜56XIに対向する位置に、平板部54aの+X方向の側面SP2をX方向に押し引きするX軸のアクチュエータ57XA〜57XIが設けられている。側面SP1,SP2はほぼZY平面に平行であり、アクチュエータ56XA,57XA等が押し引きする方向は側面SP1,SP2に垂直な方向である。図4(A)では、アクチュエータ56XA〜56XI,57XA〜57XI(以下、56XA,57XA等という)は9対であるが、その個数は任意である。アクチュエータ56XA,57XA等のY方向の間隔は、一例としてウエハWの一つのショット領域SA(図5(B)参照)のY方向の長さ程度でもよい。
同様に、Zステージ53の側壁部53bのY方向の対向する2つの辺部に、X軸のアクチュエータ56XA,57XA等を90度回転したような配置で、対向する位置のウエハ保持部材54の平板部54aのY方向の側面SP3,SP4をY方向(側面SP3,SP4に垂直な方向)に押し引きする複数対のY軸のアクチュエータ58YA〜58YI及び59YA〜59YI(以下、58YA,59YA等という)が設けられている。ただし、アクチュエータ58YA,59YA等のX方向の間隔は、一例としてウエハWの一つのショット領域SA(図5(B)参照)のX方向の幅程度でもよい。この場合、Y軸のアクチュエータ58YA,59YA等の個数はX軸のアクチュエータ56XA,57XA等の個数よりも多くなる。
アクチュエータ56XA,57XA等及び58YA,59YA等は、それぞれ平板部54aの側面SP1,SP2及びSP3,SP4にY方向及びX方向に所定間隔で固定された可動子56aと、側壁部53bに固定されて可動子56aを±X方向及び±Y方向に変位させる固定子56bとを有する。固定子56bによる可動子56a(ひいては側面SP1〜SP4の局所領域)のX方向又はY方向の変位がウエハホルダ制御系51によって個別に制御される。アクチュエータ56XA,58YA等としては、例えば複数の圧電素子(例えばピエゾ素子)を組み合わせることによって、可動子56aをX方向又はY方向に例えば数nm程度の分解能で、かつ大きな力で逐次変位させるいわゆるインチウォーム方式の駆動素子を使用できる。なお、この駆動素子の代わりに例えば超音波モータ等も使用可能である。
アクチュエータ56XA,57XA等及び58YA,59YA等がウエハ保持部材54の側面SP1〜SP4をX方向及びY方向に押し引きする力の中心に沿った直線をその力の作用線と呼ぶものとする。このとき、図4(A)に対向配置されている2対のアクチュエータ56XF,57XF及び58YC,59YCによるそれぞれ共通のX方向及びY方向に平行な作用線WLXF及びWLYCで示すように、対向配置されている複数対のアクチュエータ56XA,57XA等及び58YA,59YA等の作用線はそれぞれ同じ直線上にある。また、アクチュエータ56XA,57XA等の作用線WLXF等は、それぞれほぼウエハ保持領域HA1の近傍の底部を通るように設定されている。
さらに、代表的にアクチュエータ56XF,57XF,58YC,59YCで示すように、アクチュエータ56XA,58YA等の可動子56aの近傍の平板部54aに、それぞれウエハ保持部材54のX方向又はY方向の歪み量(対応する可動子56a又は側面の変位にほぼ対応している)を計測するための歪みゲージ60が固定され、歪みゲージ60の計測値がウエハホルダ制御系51に供給されている。ウエハホルダ制御系51は、個々の歪みゲージ60の計測値からウエハ保持領域HA1内の個々の突部54bのX方向及びY方向の変位、ひいては各突部54bで支持されている部分のウエハWの変形量(局所的に付与した歪み量)をモニタできる。ウエハホルダ制御系51は、歪みゲージ60の計測値から求められるウエハWの局所的な変形量が、プロセス歪み等に起因するウエハ歪みを相殺するようにアクチュエータ56XA,58YA等の駆動量を制御する。
Zステージ53、ウエハ保持部材54、アクチュエータ56XA,58YA等、歪みゲージ60、及び真空ポンプ62を含んで能動型ウエハホルダ52が構成されている。
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、ウエハ保持装置50を用いてウエハ歪みを補正しながらウエハWを露光する露光方法の一例につき図6のフローチャートを参照して説明する。この露光方法の動作は主制御装置20によって制御される。まず、図6のステップ102において、図1のレチクルステージRSTにレチクルRがロードされ、それに続くステップ104において、図4(B)のウエハステージWSTのウエハ保持部材54の側壁部54c及び多数の突部54b上に未露光のウエハWがロードされ、真空ポンプ62の排気(吸引)が開始されて、図5(A)に示すように、ウエハWが吸着保持される。ウエハWの表面は、X方向及びY方向にスクライブライン領域SLを挟んで多数のショット領域SAに区画され、それまでのデバイス製造プロセスによって各ショット領域SAに例えば複数層の回路パターンが形成されるとともに、各ショットSAにウエハマークWMが付設されている(図5(B)参照)。ショット領域SAの大きさは一例としてX方向の幅が25mm程度、Y方向(走査方向)の長さが33mm程度である。
そして、図2に示すように、ウエハWの表面がアライメント系ALa〜ALeの検出領域及び多点AF系90の検出領域をY方向に横切るようにウエハステージWSTをY方向に駆動しながら、多点AF系90でウエハW表面の全面の複数の計測点のZ位置を計測し、計測値を主制御装置20に供給する(ステップ106)。この動作とほぼ並行して、アライメント系ALa〜ALeによって、ウエハWの全部のショット領域SAから選択された所定個数(例えば20個程度)のアライメントショットに付設されたウエハマークWMの位置を計測し、計測値を主制御装置20に供給する(ステップ108)。なお、ショット領域SA内に形成されたウエハマーク(ショット内マーク)(不図示)がある場合、アライメント系ALa〜ALeはショット内マークをも計測してもよい。以下、説明の便宜上、ステップ108のマーク計測をラフ計測とも呼ぶ。そして、主制御装置20は、ウエハマークの計測値に基づいて、例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式でウエハWの全部のショット領域SAの配列座標及び各ショットSAの形状の歪み(ショット歪み)を算出する(ステップ110)。ショット歪み(例えばディストーション、スケーリング(倍率)、ローテーション等)がプロセス歪み等に起因するウエハWの局所的な歪み(ウエハ歪み)に相当する。全部のショット領域SAの配列座標には、ウエハ全体の歪みの情報も含まれている。
次に、主制御装置20は、算出されたショット歪みが予め定められている基準値以上であるかどうかを判定する(ステップ112)。その基準値は、一例として、結像特性補正系48によって投影光学系PLの結像特性を補正することで補正可能な上限程度である。そのショット歪みがその基準値以上である場合には、ステップ114に移行して、アライメント系ALa〜ALeによって、ウエハWのショット歪みが基準値を超える領域の全部のショット領域SAのウエハマークWMの位置を計測させる。そして、この計測結果を用いてそのショット歪みの正確な形状を算出する。このようにある領域内の全部のウエハマークの位置を計測することをウエハマークの詳細な計測とも呼び、この計測値からショット歪みを算出することをウエハマークのファイン計測とも呼ぶ。その後、動作はステップ116に移行する。ステップ112で、ショット歪みがその基準値より小さい場合には、ステップ112から直接ステップ116に移行する。
ステップ116において、主制御装置20はウエハホルダ制御系51にウエハWの全体の歪みの情報を供給し、ショット歪みが許容値を超えている部分がある場合、その正確なショット歪みの情報をウエハホルダ制御系51に供給する。これに応じて、ウエハホルダ制御系51は、能動型ウエハホルダ52のアクチュエータ56XA,58YA等を駆動して、その全体の歪みを低減させるようにウエハ保持部材54の平板部54aを全体として歪ませる。このとき、平板部54a上の多数の突部54bの位置も変位し、これに追従して突部54bで支持されているウエハWも局所的に変位するため、ウエハWを全体として歪ませることができる。その後、ウエハステージWSTの駆動によってウエハWの露光対象のショット領域(露光対象ショット)が走査開始位置に移動(ステップ移動)する(ステップ118)。この動作とほぼ並行して、その露光対象ショットのショット歪みが基準値以上である場合に、ウエハホルダ制御系51は、能動型ウエハホルダ52のアクチュエータ56XA,58YA等をさらに駆動して、そのショット歪みを低減させるようにウエハ保持部材54の平板部54aの側面SP1〜SP4、ひいては平板部54aのウエハ保持領域HA1を局所的に歪ませる。このとき、ウエハ保持領域HA1の歪んだ部分にある突部54bの位置も変位し、これに追従してこの突部54bで支持されているウエハWも局所的に変位するため、ウエハWを局所的に歪ませることができる(ステップ120)。
具体的に、図5(A)において、本来の形状よりも大きくなるように歪んだショット領域SA1を補正するには、ショット領域SA1の(底面の)近傍を通るX軸の作用線WLXFに沿ってアクチュエータ56XF,57XFからウエハ保持部材54の側面(ひいてはウエハW)を圧縮する方向の力を加え、ショット領域SA1の近傍を通るY軸の作用線WLYCに沿ってアクチュエータ58YC,59YCからウエハ保持部材54の側面(ウエハW)を圧縮する方向の力を加えてもよい。一方、本来の形状よりも小さくなるように歪んだショット領域SA2を補正するには、ショット領域SA2の近傍を通るX軸、Y軸の作用線WLXC,WLYFに沿ってアクチュエータ56XC,58YF等からウエハ保持部材54の側面(ウエハW)を伸張する方向の力を加えもよい。
さらに、図5(C)のように平行四辺形状に歪んだショット領域SA3を補正するには、ショット領域SA3のY方向の2つの辺の近傍を通る2つのX軸の作用線WLX1,WLX2に沿って、アクチュエータ56XA,57XA等からそれぞれ互いにX方向に逆方向の力をウエハ保持部材54の側面(ウエハW)に加えてもよい。なお、上述のショット領域SA1〜SA3の形状を補正する際に、例えば同じ列又は行上の隣接するショット領域が同様に歪んだとしても、これらのショット領域を露光する際には形状の補正量が異なるため、特に問題はない。さらに、ステップ120で残存したショット歪みは結像特性補正系48によって補正される。
そして、ステップ116及び120におけるウエハWの歪みによる露光対象ショットの中心のX方向、Y方向の位置ずれを相殺するように、ウエハステージWSTの位置を補正し(ステップ122)、レチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でその露光対象ショットを走査露光する(ステップ124)。その後、次のショット領域を露光する場合には(ステップ126)、動作はステップ118に戻って、ウエハWのステップ移動、ショット歪みの補正、及び露光等が繰り返される。そして、ステップ126で露光対象のショット領域が尽きた場合には、動作はステップ128に移行して、ウエハWの真空吸着の解除及び能動型ウエハホルダ52からのアンロードが行われる。その後、次のウエハに対する露光を行う場合には、ステップ104からの動作が繰り返される。
この露光方法によれば、例えばプロセス歪みによってウエハ歪み(ショット歪み)が基準値を超えて残存していても、能動型ウエハホルダ52によってそのウエハ歪みを低減させるようにウエハWを局所的に歪ませることによって、露光対象ショットの歪みを結像特性補正系48で補正可能な範囲まで低減させることができる。従って、大型のウエハWを使用してウエハ歪みが大きくなっていても、レチクルRのパターンの像をウエハWの各ショット領域に高精度に、かつ高い重ね合わせ精度で露光することができる。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、ウエハW(基板)を保持するウエハ保持装置50を備えている。そして、ウエハ保持装置50は、複数の突部54bが二次元的に配列されたウエハ保持領域HA1を有し、複数の突部54bを介してウエハWを保持する平板状のウエハ保持部材54と、ウエハ保持部材54の平板部54aの側面SP1〜SP4の複数の位置でそれぞれ側面SP1〜SP4に垂直な方向にウエハ保持部材54を押し引きする複数のアクチュエータ56XA,57XA,58YA,59YA等と、を備えている。そして、ウエハ保持装置50は、複数のアクチュエータ56XA〜59YA等を介してウエハ保持部材54のウエハ保持領域HA1を局所的に変形させることで、複数の突部54bを介して保持されているウエハWを局所的に変形させることができる。
ウエハ保持装置50によれば、アクチュエータ56XA〜59YA等を用いてウエハ保持部材54を局所的に変形させることで、この変形に追従してウエハWを局所的に変形させることができる。従って、保持対象のウエハWの例えば表面に沿った方向(X方向、Y方向)の歪みを補正できる。従って、レチクルRのパターンをウエハWの各ショット領域に高い重ね合わせ精度で露光できる。
なお、要は側面SP1〜SP4の押し引きによってウエハ保持部材54のウエハ保持領域HA1が変形できればよいため、アクチュエータ56XA〜59YA等が押し引きする方向は側面SP1〜SP4に垂直な方向から斜めに傾いていてもよい。従って、アクチュエータ56XA〜59YA等が押し引きする方向は側面SP1〜SP4に交差する方向であればよい。
また、ウエハWは複数の突部54bを介してウエハ保持部材54Aに支持されているが、複数の突部54bを設けることなく、平板部54aで直接ウエハWを支持して、静電吸着等でウエハWを保持してもよい。この場合にも、アクチュエータ56XA〜59YA等が側面SP1〜SP4を押し引きすることで、ウエハWを局所的に変形できる。
また、ウエハ保持部材54(基板ホルダ)は、ウエハWを保持するためのウエハ保持領域HA1(基板保持領域)と、ウエハ保持領域HA1を囲むように配置されて、複数の位置でアクチュエータ56XA〜59YA等が接触する側面SP1〜SP4と、を備え、そのアクチュエータによる力を受けてその側面と交差する方向(垂直な方向を含む)に関して局所的に変形可能である。ウエハ保持部材54を用いることで能動型ウエハホルダ52が構成できる。
また、露光装置EXを用いた露光方法は、照明光IL(露光光)でレチクルRのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する方法である。そして、その露光方法は、本実施形態のウエハ保持装置50の能動型ウエハホルダ52にウエハWを保持するステップ104と、アライメント系ALa〜ALeを用いてウエハWの局所的な歪みに関する情報を計測するステップ108,114と、その計測された情報に基づいて主制御装置20の制御のもとで、能動型ウエハホルダ52のアクチュエータ56XA,57XA等を駆動してウエハWの局所的な歪みを補正するステップ120とを有する。
本実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、例えばウエハWの大型化によってプロセス歪み等に起因するウエハ歪みが生じていても、このウエハ歪みを補正することによって、レチクルRのパターンをウエハWに高い重ね合わせ精度で露光できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき図7(A)〜図9(A)を参照して説明する。本実施形態の露光装置の基本的な構成は図1の露光装置EXと同様であるが、ウエハ保持装置50の構成が異なっている。なお、図7(A)〜図9(A)において、図4(A)〜図5(A)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7(A)は、本実施形態のウエハステージのステージ本体30に搭載された能動型ウエハホルダ52Aを示す平面図、図7(B)は、本実施形態のウエハ保持装置50Aを示す。図7(B)には、図7(A)の能動型ウエハホルダ52AのY方向の中央の断面図も示されている。ウエハ保持装置50Aは、ウエハWが載置される能動型ウエハホルダ52Aと、能動型ウエハホルダ52Aの動作を制御する第1制御系51A及び第2制御系51Bとを有する。なお、図7(A)においては、能動型ウエハホルダ52Aで保持されたウエハWの外形を2点鎖線で表している。図7(B)において、Zステージ53の平板部53aの上面に、矩形の平板状のウエハ保持部材54Aが固定され、ウエハ保持部材54Aの上面にウエハWの周縁部を支持するためのリング状の閉じた側壁部54Acが一体的に形成されている。ウエハ保持部材54Aは、第1の実施形態のウエハ保持部材54と同様に熱膨張率が非常に小さい材料から形成されている。
図7(A)に示すように、ウエハ保持部材54A上の側壁部54Acで囲まれたウエハ保持領域HA2に、一例として正三角形を基本形状とする2次元格子の各格子点に位置するように多数のピン状の突部64aが配列され、多数の突部64a及び側壁部54AcによってウエハWが支持される。一例として、多数の突部64aは、3個ずつがそれぞれ互いに独立にX方向、Y方向に移動可能な可動部材64の正三角形状の上部64bの表面に一体的に形成されている。また、3個ずつの突部64aをできるだけ近接して配置できるように、一例としてY方向の一列の複数の可動部材64は同じ方向に配列され、その一列の可動部材64にX方向に隣接する一列の複数の可動部材64は180度回転した方向に配列されている。なお、隣接する複数の突部64aの間隔は例えば数mm(例えば3mm程度)であり、ウエハWの直径は例えば300mm又は450mmである。また、可動部材64に形成される突部64aの個数は任意であり、可動部材64に一つの突部64aを形成してもよい。
そして、個々の可動部材64は、一例として図8(C)に拡大して示すように、複数(ここでは3個)の突部64aが形成された正三角形状の上部64bと、上部64bとほぼ同じ形状の下部64dと、上部64b及び下部64dを連結するほぼ小さい正方形状の断面を持つ軸部64c(図8(A)参照)とを有する。可動部材64の重心は軸部64c内にある。各可動部材64の下部64d(実際にはこの底面の凸部)がウエハ保持部材54Aの上面に載置され、各可動部材64の複数の突部64aの上面が側壁部54Acの上面と同じ高さになるように、突部64a及び側壁部54Acの上面は高い平面度に仕上げられている。可動部材64は、それぞれウエハ保持部材54Aと同様に熱膨張率が非常に小さい材料から一体成形によって形成されている。なお、可動部材64は変形しなくともよいため、可動部材64の材料は剛性が高くともよい。また、図7(A)のウエハ保持領域HA2の周縁部には、上部の形状が正三角形状ではなく、形成された突部64aが2個の可動部材64Aも配置されている。
図7(A)において、ウエハ保持部材54Aの側壁部54Acの周囲に等角度間隔で、Z方向の位置が可変でウエハWの側壁部54Acからはみ出した周縁部を支持可能なピン状の突部が形成された複数の突部材68が配置され、ウエハ保持部材54Aと各突部材68との間に、突部材68のZ方向の位置を制御するための例えば積層型の圧電素子(例えばピエゾ素子)からなるZ軸のアクチュエータ66Zが設けられている。アクチュエータ66Zの動作は第1制御系51Aによって制御される。複数の突部材68でウエハWの周縁部の垂れを補正するようにウエハWをZ方向に押し上げることで、ウエハWが大型化した場合でもウエハWの垂れを抑制して、ウエハWの周縁部に近いショット領域にもレチクルRのパターンの像を高精度に露光できる。
ウエハWの直径が例えば450mmである場合、隣接する突部材68の円周方向のピッチを3mmとして、突部材68のZ位置を複数個、例えば2個単位で制御してもよい。このとき、アクチュエータ66Zの個数はほぼ236個(=450mm・π/6mm)となる。
その他に、突部材68のZ位置を例えば9個単位のグループ69毎に制御してもよい。このとき、グループ69の円周方向の長さはほぼ30mmとなるため、グループ69の個数、ひいてはアクチュエータ66Zの個数はほぼ47個(=450mm・π/30mm)となる。
また、ウエハ保持部材54Aのウエハ保持領域HA2内の多数の可動部材64(64Aを含む)間に第1の実施形態と同様に複数列の複数の排気口(図7(B)にそのうちの1列の排気口を示す)が形成され、これらの排気口がウエハ保持部材54A内の排気路54Adに連通している。なお、ウエハ保持部材54Aの中心部には、ウエハWをZ方向に昇降させるために上下する例えば3本のセンターピン(不図示)が通る貫通孔が形成され、Zステージ53はそれらのセンターピンの昇降機構(不図示)を有する。その排気路54Adは、Zステージ53内の排気路53cに連通し、排気路53cは可撓性を持つ排気管62Bを介してウエハステージWSTの外部にある真空ポンプ62に接続されている。真空ポンプ62の動作は第2制御系51Bによって制御される。側壁部54Acを覆うようにウエハWが載置されている状態で、真空ポンプ62を動作させて排気路54Adを通して多数の可動部材64とウエハWとの間の空間の気体を吸引することで、ウエハWは多数の可動部材64の突部64a及び側壁部54Acの上面に真空吸着で安定に保持される。なお、各可動部材64は突部64aではなく平坦部でウエハWを支持することも可能である。
また、図8(A)は、図7(A)の各可動部材64の軸部64cに沿った平面断面図、図8(B)は、図8(A)の一部を示す拡大平面図、図8(C)は図8(A)の一部のXZ面に沿った拡大断面図である。図8(A)において、X方向に隣接する2つの位置P(i,j)(i,jは1以上の整数)及びP(i+1,j)の可動部材64の軸部64c間にX方向に伸縮可能なX軸のアクチュエータ66Xが設置され、Y方向に隣接する2つの位置P(i,j)及びP(i,j−1)(図8(B)参照)の可動部材64の軸部64c間にY方向に伸縮可能なY軸のアクチュエータ66Yが設置されている。アクチュエータ66X,66Yとしては例えば積層された圧電素子(例えばピエゾ素子)が使用できる。
この場合、ウエハ保持領域HA2の中央部の可動部材64は、図8(B)に示すように、その軸部64cがX方向の両側面で2つのX軸のアクチュエータ66Xに挟まれ、Y方向の両側面で2つのY軸のアクチュエータ66Yに挟まれる。従って、2対のX軸のアクチュエータ66X及びY軸のアクチュエータ66Yの伸縮量を制御することで、その可動部材64をX方向及びY方向に変位させて、可動部材64で支持されている部分のウエハWを局所的に歪みませることができる。圧電素子の最大変形量は長さの0.1%程度であるため、例えば長さ1mmのアクチュエータ66X,66Yを使用することで、可動部材64をX方向及びY方向に1μm程度の範囲内で変位できる。また、ウエハ保持領域HA2の側壁部54Acに近い領域にある可動部材64(又は64A)の中には、軸部64cのX方向及び/又はY方向の一方の側面が側壁部54Acの段差部で直接支持されているものがあってもよい。
このように側壁部54Ac内の多数の可動部材64は、多数のX軸及びY軸のアクチュエータ66X,66YによってX方向、Y方向の位置、及びこの位置からの変位が互いに独立に制御される。個々のX軸及びY軸のアクチュエータ66X,66Yの伸縮量は図7(B)の第1制御系51Aによって制御される。また、アクチュエータ66X,66Yにはそれぞれ伸縮量を計測する歪みゲージ70X,70Yが内蔵されており、歪みゲージ70X,70Yの計測値が第1制御系51Aに供給され、この計測値に基づいて第1制御系51Aは各アクチュエータ66X,66Yの伸縮量を制御する。本実施形態では、多数のX軸、Y軸のアクチュエータ66X,66Yを制御するための配線はかなり複雑になるため、一例として第1制御系51Aは、ウエハ保持部材54Aのウエハ保持領域HA1の可動部材64の底面部にマザーボードとして配置されている。そして、ウエハステージの外部にある第1制御系51Aが、主制御装置20の制御のもとでウエハWの補正すべき局所的な歪み(ウエハ歪み)の情報を第2制御系51Bに供給し、これに応じて第2制御系51Bがそのウエハ歪みを補正するようにアクチュエータ66X,66Yを駆動して可動部材64を変位させる。
例えば図9(A)に示すように、ウエハWの本来の形状よりも大きくなったショット領域SA1の歪みを補正するためには、ショット領域SA1にY方向に隣接する領域の底面の2つの位置P1,P2の可動部材64を近づけて、ショット領域SA1にX方向に隣接する領域の底面の2つの位置P3,P4の可動部材64を近づけるようにアクチュエータ66X,66Yを駆動すればよい。一方、ウエハWの本来の形状よりも小さくなったショット領域SA2の歪みを補正するためには、ショット領域SA2に斜めに隣接する領域の底面の4つの位置P5,P6,P7,P8の可動部材64が離れるようにアクチュエータ66X,66Yを駆動すればよい。
このように本実施形態の露光装置は、ウエハW(基板)を保持するウエハ保持装置50Aを備えている。そして、ウエハ保持装置50Aは、ウエハWを保持するためのウエハ保持領域HA2を有するウエハ保持部材54Aと、ウエハ保持領域HA2に二次的に配列されるとともに、それぞれウエハWを支持する複数の可動部材64と、複数の可動部材64の間に配置されてそれぞれ伸縮可能な複数のX軸のアクチュエータ66X及びY軸のアクチュエータ66Yとを備えている。そして、ウエハ保持装置50Aは、アクチュエータ66X,66Yを介して複数の可動部材64のうち少なくとも一つの可動部材64を変位させることで、複数の可動部材64を介して保持されているウエハWを局所的に変形させている。
ウエハ保持装置50Aによれば、アクチュエータ66X,66Yを用いて少なくとも一つの可動部材64を変位させることで、この変位に追従してウエハWを局所的に変形させることができる。従って、保持対象のウエハWの例えば表面に沿った方向(X方向、Y方向)の歪みを補正できる。従って、レチクルRのパターンをウエハWの各ショット領域に高い重ね合わせ精度で露光できる。
なお、本実施形態に関して、図9(B)の変形例に示すように、ウエハWを支持する複数の突部65aを正方形を基本形状とする2次元格子の各格子点に配置し、複数個(例えば4個)の突部65aをそれぞれ1つの可動部材65に形成してもよい。この場合、各可動部材65を四角柱状として、X方向に隣接する2つの可動部材65間にX方向に伸縮するX軸のアクチュエータ67Xを設置し、Y方向に隣接する2つの可動部材65間にY方向に伸縮するY軸のアクチュエータ67Yを設置してもよい。この構成によれば、複数の可動部材65が同じ方向を向いているため、多数の可動部材65の配置及び位置の制御が容易である。また、アクチュエータ67X,67Yの伸縮量を制御して可動部材65を変位させることで、上記の実施形態と同様にウエハ歪みを補正できる。
また、図9(C)に示すように、平板状のウエハ保持部材54Bの上面に例えば正方形を基本形状とする2次元格子の各格子点の位置にピン状の突部54Bbを設け、ウエハ保持部材54Bの上面にX方向及びY方向に2つの突部54Bb毎に溝部54Bc,54Bdを設けてもよい。この場合、溝部54Bc,54Bd間の複数の凸部54Baの表面にそれぞれ4個の突部54Bbが形成されるようになる。そして、X方向に隣接する2つの凸部54Ba間の溝部54BcにX軸のアクチュエータ67Xを設置し、Y方向に隣接する2つの凸部54Ba間の溝部54BdにY軸のアクチュエータ67Yを設置し、アクチュエータ67X,67Yを伸縮させることで、所定の凸部54Baの上面(ひいてはこの面にある4個の突部54Bb)をX方向、Y方向に変位させて、この部分のウエハ歪みを補正できる。
また、図10(A)〜(C)の別の変形例のウエハ保持装置50Bで示すように、各可動部材64をZ方向に変位させる例えば積層型の圧電素子よりなるZ軸のアクチュエータ67Zを設けてもよい。なお、図10(A)〜(C)において図7(B)、図8(C)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10(A)はウエハ保持装置50Bの能動型ウエハホルダ52Bの断面図を示し、図10(B)は図10(A)の一部の拡大断面図を示す。図10(A)、(B)において、ウエハWを支持する多数の可動部材64は、それぞれウエハ保持部材54Aのウエハ保持領域にZ軸のアクチュエータ67Zを介して載置されている。Z軸のアクチュエータ67Zの伸縮量は第1の制御系51Aによって制御される。Z軸のアクチュエータ67Zにも伸縮量を計測する歪みゲージ(不図示)が設けられており、この計測値に基づいて各アクチュエータ67Zの伸縮量が制御される。これ以外の構成は図7(B)の第2の実施形態と同様である。
図1の露光装置EXにおいて、ウエハ保持装置50の代わりにこの変形例のウエハ保持装置50Bを用いた場合の露光方法の一例につき図11のフローチャートを参照して説明する。図11において、ステップ102A〜114Aの動作は図6のステップ102〜114と同様であり、ステップ118A,122A,124A〜128Aの動作は図6のステップ118,122,124〜128と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図11のステップ102A(レチクルRのロード)、ステップ104A(ウエハWのロード、及び真空ポンプ62の吸引によるウエハWの吸着保持)、ステップ106A(多点AF系90によるZ位置計測)、ステップ108A(アライメント系ALa〜ALeによるウエハWのアライメントショットのウエハマークの計測(ラフ計測))、ステップ110A(ショット配列及びショット歪みの算出)、及びステップ114A(アライメント系ALa〜ALeによるショット歪みがある部分のウエハマークの詳細な計測及び歪みの算出(ファイン計測)が実行される。次のステップ132において、図10(A)の能動型ウエハホルダ52BのX軸、Y軸、Z軸のアクチュエータ66X,66Y,67Zを用いて、ウエハWの局所的なX方向、Y方向、Z方向の歪みを補正する。Z方向の歪みはステップ106Aで多点AF系90によって計測されている。さらに、側壁部54Acの外側のZ軸アクチュエータ66Zを介して突部材68のZ方向の位置を制御することで、ウエハWのエッジ部の曲がり(側壁部54Acの外側の部分の垂れ)を補正する。
その後、多点AF系90でウエハWの補正後の表面のZ位置を複数の位置で計測し(ステップ106B)、アライメント系ALa〜ALeで例えばアライメントショットのウエハマークを再計測する(ステップ108B)。そして、最終的なウエハWのショット領域の配列座標及びショット歪みを算出する(ステップ134)。その後、ウエハステージWSTによって露光対象のショットSAを走査開始位置に移動し(ステップ118A)、ウエハステージWSTによる露光位置を補正し(ステップ122A)、ショット歪み中のディストーションを補正するように結像特性補正系48で投影光学系PLのディストーションを補正し(ステップ136)、同様に結像特性補正系48で投影光学系PLの倍率を補正し(ステップ138)、当該ショット領域SAを走査露光する(ステップ124A)。
このように変形例のウエハ保持装置50Bを用いた露光方法によれば、例えばプロセス歪みによってウエハ歪み(ショット歪み)が基準値を超えて残存していても、能動型ウエハホルダ52Bによってそのウエハ歪みを低減させるようにウエハWを局所的に歪ませることによって、露光対象ショットの歪みを結像特性補正系48で補正可能な範囲まで低減させることができる。また、Z方向のウエハ歪みも補正できる。従って、大型のウエハWを使用してウエハ歪みが大きくなっていても、レチクルRのパターンの像をウエハWの各ショット領域に高精度に、かつ高い重ね合わせ精度で露光することができる。
なお、本実施形態において、可動部材64をZ方向に変位させるZ軸のアクチュエータ67Zを、図10(C)に示すように、例えば三角形の頂点に配置された3つのアクチュエータ67Z1,67Z2,67Z3(67Z3は不図示)から構成してもよい。これら3つのアクチュエータ67Z1等を独立に駆動することによって、点線の姿勢B4で示すように、可動部材64の傾斜角を補正することができる。また、Z軸のアクチュエータ67Zではなく、X軸及びY軸のアクチュエータ66X,66YをそれぞれZ方向に配置された2つのアクチュエータから構成し、これら2つのアクチュエータを独立に駆動して、可動部材64の傾斜角を補正してもよい。
なお、上記の各実施形態において、図12(A)に示すように、例えばウエハ保持部材54Aに可動部材65を支持するときに、ウエハ保持部材54Aの底面からボルト72によって各可動部材65の底面を固定し、各可動部材65の底面付近に可撓性を高めるための凹部よりなるフレキシャー部65Aeを形成しておいてもよい。これによって、各可動部材65を安定にウエハ保持部材54Aで支持できるとともに、アクチュエータ67X等で可動部材65の上部をX方向等に容易に変位させることもできる。
また、図12(B)に示すように、可動部材65の底面を、ウエハ保持部材54Aの裏面側に設けたZ軸のアクチュエータ74によってロッド73を介してZ方向に変位させてもよい。この機構によれば、可動部材65とウエハ保持部材54Aとの間にZ軸のアクチュエータを配置するよりもウエハ保持部材54Aの上面(ウエハ保持領域)の構成が簡素化できる。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図13に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置(露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施例の露光装置EX(露光方法)を用いてレチクルのパターンの像を基板(ウエハ)に転写し、その基板を現像するリソグラフィ工程と、そのパターンの像が転写されたその基板をそのパターンの像に基づいて加工する工程(ステップ224のエッチング等)とを含んでいる。この際に、上記の実施例によれば、露光時の重ね合わせ精度を高めることができるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外のドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、8…エンコーダ、12A〜12D…回折格子、14…検出ヘッド、50…ウエハ保持装置、52…能動型ウエハホルダ、53…ベース部材、54…ウエハ保持部材、56XA〜56XI,57XA〜57XI…X軸のアクチュエータ、58YA〜58YI,59YA〜59YI…Y軸のアクチュエータ、60…歪みゲージ、62…真空ポンプ、64,65…可動部材、66X〜66Z…アクチュエータ

Claims (14)

  1. 基板を保持する基板保持装置であって、
    前記基板を保持するための基板保持領域を有する基板保持部と、
    前記基板保持部の側面の複数の位置でそれぞれ前記基板保持部を押し引きする複数のアクチュエータと、を備え、
    前記複数のアクチュエータを介して前記側面と交差する方向に関して前記基板保持部を局所的に変形させることで、前記基板保持部に保持されている前記基板を局所的に変形させることを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記基板保持部は、対向して配置された第1及び第2の側面と、該第1及び第2の側面の間に対向して配置された第3及び第4の側面とを有する矩形の平板状であり、
    前記複数のアクチュエータは、前記第1及び第2の側面に沿ってそれぞれ互いに対向するように配置された第1組及び第2組の複数のアクチュエータと、前記第3及び第4の側面に沿ってそれぞれ互いに対向するように配置された第3組及び第4組の複数のアクチュエータと、を有し、
    前記第1組及び前記第2組内で対向して配置された第1及び第2のアクチュエータ、並びに前記第3組及び前記第4組内で対向して配置された第3及び第4のアクチュエータを介して前記基板保持部を変形させて、前記基板を2次元的に局所的に変形させることを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 基板を保持する基板保持装置であって、
    前記基板を保持するための基板保持領域を有する基板保持部と、
    前記基板保持領域に二次的に配列されるとともに、それぞれ前記基板を支持する複数の可動部材と、
    前記複数の可動部材の間に配置されてそれぞれ伸縮可能な複数の第1のアクチュエータと、を備え、
    前記複数の第1のアクチュエータを介して前記複数の可動部材のうち少なくとも一つの可動部材を変位させることで、前記複数の可動部材を介して保持されている前記基板を局所的に変形させることを特徴とする基板保持装置。
  4. 前記複数の可動部材と前記基板保持部との間に配置されてそれぞれ伸縮可能な複数の第2のアクチュエータを備え、
    前記複数の第2のアクチュエータを介して前記複数の可動部材のうち少なくとも一つの可動部材を前記基板保持領域の法線方向に変位させることで、前記複数の可動部材を介して保持されている前記基板を前記法線方向に局所的に変形させることを特徴とする請求項3に記載の基板保持装置。
  5. 前記第1及び第2のアクチュエータは、積層して形成された圧電素子であることを特徴とする請求項4に記載の基板保持装置。
  6. 前記基板保持部に前記基板保持領域を囲むように設けられて、前記基板を支持するリング状の側壁部と、
    前記側壁部と前記基板とで囲まれた空間の気体を吸引して前記基板を前記基板保持領域に吸着する吸引装置と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持装置。
  7. 前記基板保持部の前記側壁部の外側の複数の位置に設けられて、前記側壁部の外側に突き出る前記基板の周縁部の前記基板保持領域の法線方向の位置を補正する複数の補正部を備えることを特徴とする請求項6に記載の基板保持装置。
  8. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記基板を保持するために、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板保持装置を備えることを特徴とする露光装置。
  9. 前記基板保持装置に保持されている前記基板の局所的な歪みに関する情報を計測する計測装置と、
    前記計測装置の計測結果に基づいて、前記基板保持装置のアクチュエータを駆動して前記基板の局所的な歪みを補正する制御装置と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記計測装置は、前記基板に形成されている位置合わせ用のマークを検出するためのマーク検出系で兼用されることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  11. 基板を保持するための基板保持領域と、
    前記基板保持領域を囲むように配置されて、複数の位置でアクチュエータが接触する側面と、を備え、
    前記アクチュエータによる力を受けて前記側面と交差する方向に関して局所的に変形されることを特徴とする基板ホルダ。
  12. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板保持装置に前記基板を保持することと、
    前記基板の局所的な歪みに関する情報を計測することと、
    前記計測された情報に基づいて前記基板保持装置のアクチュエータを駆動して前記基板の局所的な歪みを補正することと、
    を含むことを特徴とする露光方法。
  13. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
  14. 請求項12に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
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