JP2014181878A - 空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】R32冷媒を使用した場合に、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度を1未満にすることなく冷媒吐出温度の上昇が抑えられる空調装置を提供する。
【解決手段】制御装置19は、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度よりも高い場合に、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように潤滑オイルの流量を制御する。このため圧縮機12で圧縮された冷媒が潤滑オイルによって十分に冷却される。このような潤滑オイルの冷却効果によって、R32冷媒を用いた場合であっても冷媒吐出温度Tdの過剰な上昇が抑えられ、冷媒の熱による圧縮機12の各部品の劣化を防止することができる。また、潤滑オイルを冷媒の冷却に用いて冷媒吐出温度を下げるので、冷媒吐出温度を下げるために冷媒の乾き度を1未満にする必要もない。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調装置に関する。
冷凍サイクルを利用した空調装置に用いられる冷媒として、従来はフロン冷媒(CFC)が用いられていたが、フロン規制が開始されたことにより、フロン冷媒に代えてオゾン破壊係数が小さいR410A等の代替フロン冷媒が用いられるようになった。現在ではさらに、温室効果ガスの削減への取り組みにより、地球温暖化係数(GWP)が低い代替フロン冷媒の使用が促進されている。このような流れの中で、R32冷媒は、オゾン破壊係数が0であって、且つ地球温暖化係数がR410Aの1/3程度であることから、空調装置への利用が期待されている。
R32冷媒を使用する場合、圧縮機の吐出口における冷媒温度(冷媒吐出温度)が他の冷媒を使用する場合に比べて15℃〜20℃程度高いため、冷媒の熱により圧縮機の各部位(例えばシール部材等)が熱劣化する可能性が高い。そこで、特許文献1は、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度を0.75〜0.85の範囲に制御して冷媒吐出温度を低下させることによって圧縮機の各部位の熱劣化を防止する技術を開示している。つまり吸入過熱度を低下させて冷媒吐出温度を低下させている。このため圧縮機の熱劣化が起こり難くされて、R32冷媒を用いた場合における圧縮機の信頼性が向上する。
また、特許文献2は、R32を用いるにあたり、圧縮機を潤滑するための潤滑オイルの冷媒回路への循環率が0〜1%の範囲内に制御するように構成された空調装置を開示する。潤滑オイルの冷媒回路への循環率を上記の範囲内に制御することにより、R32冷媒を用いた場合に冷凍効率(COP)が向上する。
特開2001−194015号公報 特許第3468174号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載の空調装置によれば、冷媒吐出温度の上昇を防ぐために圧縮機の吸入口での冷媒の乾き度を1未満にしているので、湿り状態の冷媒が圧縮機に吸入される。圧縮機には圧縮機を潤滑するための潤滑オイルも吸入されるため、乾き度が1未満の冷媒が圧縮機に吸入された場合、潤滑オイルが液冷媒(あるいは蒸気冷媒)で希釈されるために潤滑オイルの粘度が低下して潤滑能力が低下する。また、未蒸発の冷媒が圧縮機に吸入されるために冷凍効率の低下を招く。
特許文献2に記載の空調装置によれば、オイル循環率を制御して熱交換器内の伝熱管の管内熱伝達率を改善することによって効率を向上させているが、オイル循環率を制御するに当たって圧縮機に吸入される冷媒の温度(冷媒吸入温度)や圧縮機から吐出される冷媒の温度(冷媒吐出温度)を見ていない。このため循環する潤滑オイルが少なすぎて圧縮機に吸入される冷媒が潤滑オイルで十分に加熱されない場合が生じ得る。すると、冷媒吸入温度が低下して冷媒の乾き度が1未満になり上記した問題が発生するおそれがある。
本発明は、R32冷媒を使用した場合に、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度を1未満にすることなく冷媒吐出温度の上昇が抑えられる空調装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、吸入口および吐出口を有し、駆動源からの動力を受けて作動して吸入口から潤滑オイルが混入した冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して吐出口から吐出する圧縮機と、吐出口から吐出された冷媒をガス冷媒と潤滑オイルとに分離するオイルセパレータと、オイルセパレータで分離されたガス冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器から流出した冷媒を蒸発する蒸発器と、吸入口に接続され、蒸発器から流出した冷媒を圧縮機の吸入口に吸入させる吸入配管と、吸入配管に接続され、オイルセパレータで分離された潤滑オイルを吸入配管に流入させるオイル戻し配管と、吐出口から吐出される冷媒の温度である冷媒吐出温度が予め定められる上限吐出温度よりも高い場合に、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御するオイル流量制御装置と、を備える、空調装置を提供する。
この場合、上記上限吐出温度は、圧縮機の各部品が熱劣化を起こさない上限限界温度(耐熱温度)よりも所定の温度だけ低い温度として予め定められていると良い。特に上限吐出温度は、耐熱温度よりも10〜15℃低い温度として予め定められているとよい。
本発明によれば、冷媒吐出温度が上限吐出温度よりも高い場合に、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加する。オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加すると、圧縮機に吸入される潤滑オイルの流量も増加する。圧縮機に吸入される潤滑オイルの温度は圧縮機で圧縮された冷媒の温度よりも低い。このため潤滑オイルは圧縮機を潤滑する潤滑作用に加え、圧縮機および圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する冷却作用も兼ね備える。よって、圧縮機内に吸入される潤滑オイルの流量が増加すれば、圧縮機および圧縮機で圧縮された冷媒の冷却が促進される。このようにして圧縮機に吸入される潤滑オイルの流量を増加して吐出冷媒の冷却を促進することによって、R32冷媒を用いた場合であっても冷媒吐出温度の過剰な上昇が抑えられる。また、潤滑オイルを冷媒の冷却に用いるために、冷媒の乾き度を1未満にする必要もない。
また、オイル流量制御装置は、圧縮機の吸入口における冷媒の過熱度が予め定められる過熱度下限値よりも小さい場合に、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御するとよい。この場合において、過熱度下限値は、3℃以上であるのがよい。
圧縮機の吸入口における冷媒の過熱度が小さい場合、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度が局所的に1未満である可能性が高まる。本発明では、過熱度が過熱度下限値よりも小さい場合にオイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を増加させている。オイル戻し配管から圧縮機の吸入口に吸入される潤滑オイルの温度は、圧縮機に吸入される冷媒の温度よりも高い。このため潤滑オイルは圧縮機を潤滑する潤滑作用に加え、圧縮機に吸入される冷媒を加熱する加熱作用も兼ね備える。よって、圧縮機内に吸入される潤滑オイルの流量が増加すれば、圧縮機に吸入された冷媒の加熱が促進される。このようにして潤滑オイルの流量を増加して吸入冷媒の加熱を促進することによって、過熱度が大きくされ、圧縮機に吸入される冷媒の乾き度を1以上に維持することができる。
また、本発明の空調装置は、オイル戻し配管の途中に介装され、開度の調整が可能なオイル戻し流量制御弁を備えているのがよい。そして、オイル流量制御装置は、オイル戻し流量制御弁の開度を制御することにより、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御するとよい。これによれば、オイル流量制御装置がオイル戻し流量制御弁の開度を制御することにより、オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御することができる。
第1実施形態に係る空調装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る制御装置が実行する開度制御ルーチンを示すフローチャートである。 p−h線図上に表わされた冷凍サイクルを示す図である。 第2実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る制御装置の熱交換温度差出力部が実行する熱交換温度比較ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置の過熱度出力部が実行する過熱度比較ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置の吐出温度差出力部が実行する吐出温度比較ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置の開度制御部が実行する開度制御ルーチンを示すフローチャートである。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係る空調装置1の構成を示す概略図である。この空調装置1は、ガスエンジンにより駆動するエンジン駆動式空調装置である。図1に示すように、この空調装置1は、ガスエンジン11と、圧縮機12と、オイルセパレータ13と、室内に設置される室内熱交換器14と、室外に設置される室外熱交換器15と、冷媒を膨張させる膨張弁16と、四方切換弁17と、冷媒を気液分離させるアキュムレータ18と、制御装置19とを備える。
圧縮機12は、ガスエンジン11の動力を受けて作動する。圧縮機12は吸入口12aと吐出口12bとを有し、吸入口12aから冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して吐出口12bから吐出する。なお、本実施形態では冷媒としてR32冷媒が用いられる。
圧縮機12の吐出口12bに吐出配管121の一方端が接続される。吐出配管121の他方端はオイルセパレータ13の冷媒流入口131に接続される。オイルセパレータ13は、冷媒流入口131から冷媒を流入するとともに、流入した冷媒から潤滑オイルを分離する。分離されたオイルはオイル排出口133から排出される。また、オイルが分離された冷媒は冷媒排出口132から排出される。また、圧縮機12の吸入口12aに吸入配管122の一方端が接続される。
オイルセパレータ13の冷媒排出口132に第1配管21の一方端が接続される。この第1配管21の他方端は四方切換弁17に接続される。四方切換弁17は図1に示すように4つのポート(第1ポート171、第2ポート172、第3ポート173、第4ポート174)を有する。四方切換弁17は、第1ポート171が第2ポート172に接続され且つ第3ポート173が第4ポート174に接続される暖房接続状態と、第1ポート171が第3ポート173に接続され且つ第2ポート172が第4ポート174に接続される冷房接続状態とに、その接続状態を切り換えることができるように構成される。上述の第1配管21は四方切換弁17の第1ポート171に接続される。第2ポート172には第2配管22の一方端が接続される。第3ポート173には第3配管23の一方端が接続され、第4ポート174には第4配管24の一方端が接続される。
第2配管22の他方端に室内熱交換器14が接続される。また、第3配管23の他方端に室外熱交換器15が接続される。室内熱交換器14と室外熱交換器15とは中間配管25で接続される。室内熱交換器14は、第2配管22または中間配管25から内部に冷媒を流入するとともに、流入した冷媒と周囲空気とを熱交換させる。室外熱交換器15は、中間配管25または第3配管23から内部に冷媒を流入するとともに、流入した冷媒と外気とを熱交換させる。図1からわかるように、中間配管25の途中に膨張弁16が介装される。膨張弁16はそこを通る冷媒を膨張させる。
第4配管24の他方端はアキュムレータ18の冷媒流入口181に接続される。アキュムレータ18は冷媒流入口181から流入した冷媒を気液分離し、分離したガス冷媒を冷媒排出口182から排出する。冷媒排出口182には吸入配管122の他方端が接続される。
オイルセパレータ13のオイル排出口133にオイル戻し配管26の一方端が接続される。オイル戻し配管26の途中に開度が可変のオイル戻し流量制御弁31が介装される。オイル戻し配管26の他方端は吸入配管122の途中に連通する。
吐出配管121に吐出温度センサ41が取り付けられている。吐出温度センサ41は圧縮機12から吐出されて吐出配管121を流れる冷媒の温度(冷媒吐出温度Td)を検出する。また、吸入配管122に吸入温度センサ42および吸入圧力センサ43が取り付けられている。吸入温度センサ42は、吸入配管122を流れて圧縮機12に吸入される冷媒の温度(冷媒吸入温度Ts)を検出する。吸入圧力センサ43は、吸入配管122を流れて圧縮機12に吸入される冷媒の圧力(冷媒吸入圧力Ps)を検出する。さらに、室内熱交換器14に熱交換温度センサ44が取り付けられている。熱交換温度センサ44は室内熱交換器14内を流れる冷媒の温度(熱交換温度Th)を検出する。なお、その他の部分に温度センサや圧力センサが取り付けられてもよい。
制御装置19は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、空調装置1の運転に関する制御(例えばガスエンジン11の回転数制御など)を行う。また、制御装置19は、各センサ(吐出温度センサ41、吸入温度センサ42、吸入圧力センサ43、熱交換温度センサ44等)に電気的に接続されており、これらのセンサが検出した情報を入力する。また、制御装置19は、オイル戻し流量制御弁31にも電気的に接続されており、各センサから入力した情報等に基づいてオイル戻し流量制御弁31の開度を制御する。
次に、この空調装置1の空調運転(暖房運転、冷房運転)について簡単に説明する。まず、暖房運転について説明する。なお、暖房時には四方切換弁17が暖房接続状態にされる。暖房時にガスエンジン11が駆動して圧縮機12が作動すると、圧縮機12はその吸入口12aから潤滑オイルが混入した低圧ガス冷媒を吸入し、内部でガス冷媒を圧縮する。このとき潤滑オイルが圧縮機12を潤滑する。そして、圧縮された高圧ガス冷媒が潤滑オイルとともに吐出口12bから排出される。
吐出口12bから排出された高圧ガス冷媒および潤滑オイルは吐出配管121を流れ、さらにオイルセパレータ13の冷媒流入口131からオイルセパレータ13に流入する。オイルセパレータ13では潤滑オイルが高圧ガス冷媒から分離される。オイルセパレータ13で分離された潤滑オイルはオイルセパレータ13のオイル排出口133からオイル戻し配管26に流入し、さらに吸入配管122に流入する。そして、圧縮機12の吸入口12aから圧縮機12に再度吸入される。このようにして潤滑オイルは繰り返し圧縮機12を潤滑する。
また、オイルセパレータ13で潤滑オイルが分離された高圧ガス冷媒は冷媒排出口132からオイルセパレータ13を出て第1配管21を流れ、四方切換弁17の第1ポート171から四方切換弁17に入る。暖房時には四方切換弁17の第1ポート171が第2ポート172に接続されており、第2ポート172は第2配管22に接続されているので、第1ポート171から四方切換弁17に入った高圧ガス冷媒は第2ポート172から四方切換弁17を出るとともに第2配管22内を流れて、さらにその先の室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14に流入した高圧ガス冷媒は室内熱交換器14内を流通する間に室内空気に熱を吐き出して凝縮する。このとき高圧ガス冷媒から吐き出された熱によって室内空気が暖められて、室内暖房される。
室内空気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化して室内熱交換器14から流出して中間配管25を流れる。そして、膨張弁16で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化された後に室外熱交換器15に流入する。室外熱交換器15に流入した冷媒は室外熱交換器15内を流通する間に外気の熱を奪って蒸発する。
外気の熱を奪って蒸発した冷媒は一部気化して室外熱交換器15から流出し、第3配管23を流れる。そして、第3ポート173から四方切換弁17に入る。暖房時には四方切換弁17の第3ポート173は第4ポート174に接続されており、第4ポート174は第4配管24に接続されているので、第3ポート173から四方切換弁17に入った冷媒は第4ポート174から四方切換弁17を出て第4配管24に流れる。第4配管24を流れる冷媒はアキュムレータ18の冷媒流入口181からアキュムレータ18に導入される。アキュムレータ18では冷媒が液冷媒と低圧のガス冷媒とに分離される。そして、低圧ガス冷媒のみがアキュムレータ18の冷媒排出口182から排出されて吸入配管122に流れる。吸入配管122内の冷媒はオイル戻し配管26から流れてくる潤滑オイルと合流すし、潤滑オイルとともに圧縮機12の吸入口12aから圧縮機12に吸入される。
次に、冷房運転について説明する。なお、冷房時には四方切換弁17が冷房接続状態にされる。冷房時にガスエンジン11が駆動して圧縮機12が作動すると、圧縮機12はその吸入口12aから潤滑オイルが混入した低圧ガス冷媒を吸入し、内部でガス冷媒を圧縮する。このとき潤滑オイルが圧縮機12を潤滑する。そして、圧縮された高圧ガス冷媒が潤滑オイルとともに吐出口12bから排出される。
吐出口12bから排出された高圧ガス冷媒および潤滑オイルが吐出配管121を流れ、さらにオイルセパレータ13の冷媒流入口131からオイルセパレータ13に流入する。オイルセパレータ13で分離された潤滑オイルがオイルセパレータのオイル排出口133からオイル戻し配管26に流入し、さらに吸入配管122に流入する。そして、圧縮機12の吸入口12aから圧縮機12に再度吸入される。
また、オイルセパレータ13で潤滑オイルが分離された高圧ガス冷媒は冷媒排出口132からオイルセパレータ13を出て第1配管21を流れ、四方切換弁17の第1ポート171から四方切換弁17に入る。冷房時には四方切換弁17の第1ポート171が第3ポート173に接続されており、第3ポート173は第3配管23に接続されているので、第1ポート171から四方切換弁17に入ったガス冷媒は第3ポート173から四方切換弁17を出るとともに第3配管23を流れ、さらにその先の室外熱交換器15に流入する。室外熱交換器15に流入した高圧ガス冷媒は室外熱交換器15内を流通する間に外気に熱を吐き出して凝縮する。
外気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化して室外熱交換器15から流出して中間配管25を流れる。そして、膨張弁16で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化された後に室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14に流入した冷媒は室内熱交換器14内を流通する間に室内空気の熱を奪って蒸発する。このとき冷媒が室内空気の熱を奪うことによって室内空気が冷やされて、室内冷房される。
室内空気の熱を奪って蒸発した冷媒は一部気化して室内熱交換器14から流出し、第2配管22を流れる。そして、第2ポート172から四方切換弁17に入る。冷房時には四方切換弁17の第2ポート172は第4ポート174に接続されており、第4ポート174は第4配管24に接続されているので、第3ポート173から四方切換弁17に入った冷媒は第4ポート174から四方切換弁17を出て第4配管24に流れる。第4配管24を流れる冷媒はアキュムレータ18の冷媒流入口181からアキュムレータ18に導入される。アキュムレータ18では冷媒が液冷媒と低圧のガス冷媒とに分離される。そして、低圧ガス冷媒のみがアキュムレータ18の冷媒排出口182から排出されて吸入配管122に流れる。吸入配管122内の冷媒はオイル戻し配管26から流れてくる潤滑オイルと合流し、潤滑オイルとともに圧縮機12の吸入口12aから圧縮機12に吸入される。
このように、暖房時には、室内熱交換器14が凝縮器となり室外熱交換器15が蒸発器となる。一方、冷房時には、室外熱交換器15が凝縮器となり、室内熱交換器14が蒸発器となる。なお、圧縮機12の吐出口12bから吐出した冷媒が圧縮機12の吸入口12aに吸入されるまでに流れた部分を冷媒回路と呼ぶ。したがって、圧縮機12から吐出された冷媒は冷媒回路を流れて圧縮機12に帰還する。冷媒が冷媒回路を流れることによって空調(冷暖房)が行われる。
空調装置1の運転中、制御装置19は、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御する。図2は、制御装置19が空調運転中にオイル戻し流量制御弁31の開度を制御するために実行する開度制御ルーチンを示すフローチャートである。
図2に示す開度制御ルーチンは、所定の短時間ごとに繰り返し実行される。この開度制御ルーチンが起動すると、制御装置19は、まず図2のステップ(以下、ステップをSと略記する)11にて、吐出温度センサ41により検出された冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも高いか否かを判断する。上限吐出温度Td0は、圧縮機12の各部品の耐熱温度よりも所定の温度だけ低い値として予め定められる。例えば80℃で圧縮機12の各部品が熱劣化を起こすと予測される場合(圧縮機12の耐熱温度が80℃である場合)、上限吐出温度Td0を80℃よりも10℃程度低い70℃程度に設定することができる。したがって、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも高い場合は、冷媒の熱によって圧縮機12の各部品が熱劣化を起こす可能性が高まる。
S11にて冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも高いと判断した場合(S11:Yes)、制御装置19はS12に処理を進め、開度増加信号をオイル戻し流量制御弁31に出力する。これによりオイル戻し流量制御弁31の開度が増加する。オイル戻し流量制御弁31の開度が増加すると、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加する。なお、既にオイル戻し流量制御弁31が全開であるときは、全開状態を維持する(以下、同様である)。制御装置19は、その後、このルーチンを終了する。
また、S11にて冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0以下と判断した場合(S11:No)、制御装置19はS13に処理を進め、過熱度Tkを計算する。過熱度Tkは、圧縮機12に吸入される冷媒の温度と飽和蒸気温度との差を表し、吸入温度センサ42により検出された冷媒吸入温度Tsと吸入圧力センサ43により検出された冷媒吸入圧力Psに基づいて計算される。具体的には、冷媒吸入温度Tsと、冷媒吸入圧力PsにおけるR32冷媒の飽和蒸気温度T(Ps)との差(Ts−T(Ps))により過熱度Tkが計算される。
次いで、制御装置19は、計算した過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満であるか否かを判断する(S14)。過熱度下限値Tk0は、過熱度が小さいか否かを表す閾値として予め定められる。過熱度Tkが0に近い場合、あるいは負の値である場合(要するに過熱度Tkが小さい場合)、圧縮機12に吸入される冷媒が湿っているおそれが高い。圧縮機12の湿り運転は潤滑オイルの希釈や液圧縮を招くおそれがあるため信頼性の面で好ましくなく、また未蒸発分の冷媒が圧縮機12に戻っているということであるので効率面でも好ましくない。このようなことから、過熱度下限値Tk0は、圧縮機12に吸入される全ての冷媒が湿っているおそれがない値として予め定められる。したがって、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満である場合は、圧縮機12に吸入される冷媒が湿っている可能性が高まる。過熱度下限値Tk0は、例えば3℃程度であるとよい。
S14にて過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満であると判断した場合(S14:Yes)、制御装置19はS12に処理を進め、開度増加信号をオイル戻し流量制御弁31に出力する。これによりオイル戻し流量制御弁31の開度が増加し、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加する。制御装置19は、その後、このルーチンを終了する。
また、S14にて過熱度Tkが過熱度下限値Tk0以上であると判断した場合(S14:No)、制御装置19はS15に処理を進め、目標熱交換温度Th*と熱交換温度センサ44により検出された熱交換温度Thとの差の絶対値を熱交換温度差ΔThとして計算する。目標熱交換温度Th*は、室内熱交換器14が空調負荷に応じた能力を発揮するために必要とされる室内熱交換器14内を流れる冷媒の温度の目標値である。目標熱交換温度Th*は例えば室内空間の設定温度、室内温度、空調負荷、冷媒回路内の冷媒の状態等に基づいて計算される。したがって、熱交換温度差ΔThは、目標と現状の状態との偏差を表し、この熱交換温度差ΔThが大きい場合は、室内熱交換器14の能力を制御する必要があることを示す。
制御装置19は、S15で熱交換温度差ΔThを計算した後は、計算した熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいか否かを判断する(S16)。上限熱交換温度差ΔTh0は、熱交換温度差ΔThが大きいか否かを表す閾値として任意に設定できる。上限熱交換温度差ΔTh0は、例えば5℃程度に予め設定しておくことができる。
S16にて熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0以下であると判断した場合(S16:No)、制御装置19はこのルーチンを終了する。一方、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいと判断した場合(S16:Yes)、制御装置19はS17に処理を進め、熱交換温度差ΔThが小さくなるように、熱交換温度差ΔThに基づいて、オイル戻し流量制御弁31の開度の目標値である目標開度α*を計算する。なお、オイル戻し流量制御弁31の開度を増加させた場合には、潤滑オイルが冷媒回路内に流れ出て冷媒回路を循環する流量(循環オイル流量)が増加する。循環オイル流量が増加した場合は、冷媒回路内を流れる冷媒の流量が相対的に減少するため、室内熱交換器14が発揮する空調能力が低下する。一方、オイル戻し流量制御弁31の開度を減少させた場合には、循環オイル流量が減少する。循環オイル流量が減少した場合は、冷媒回路内を流れる冷媒の流量が相対的に増加するため、室内熱交換器14が発揮する空調能力が増加する。このようなことを踏まえ、制御装置19はS17にて、熱交換温度差ΔThに基づいて目標開度α*を計算する。
S17の計算では、例えば、暖房運転時において、熱交換温度Thが目標熱交換温度Th*よりも低い場合は室内熱交換器14の能力を増加させる必要があるため、オイル戻し流量制御弁31の開度が減少するように目標開度α*が計算される。また、暖房運転時において、熱交換温度Thが目標熱交換温度Th*よりも高い場合は室内熱交換器14の能力を低下させる必要があるため、オイル戻し流量制御弁31の開度が増加するように目標開度α*が計算される。さらに、冷房運転時において、熱交換温度Thが目標熱交換温度Th*よりも高い場合は室内熱交換器14の能力を増加させる必要があるため、オイル戻し流量制御弁31の開度が減少するように目標開度α*が計算される。また、冷房運転時において、熱交換温度Thが目標熱交換温度Th*よりも低い場合は室内熱交換器14の能力を低下させる必要があるため、オイル戻し流量制御弁31の開度が増加するように目標開度α*が計算される。
制御装置19は、S17にて目標開度α*を計算した後は、計算した目標開度α*に対応する制御量(例えば開度変更量)をオイル戻し流量制御弁31に出力する。これによりオイル戻し流量制御弁31の開度が制御される。制御装置19は、その後、このルーチンを終了する。
制御装置19が上記に示した開度制御ルーチンを実行することにより、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも大きいとき、および、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0よりも小さいときに、オイル戻し流量制御弁31の開度が増加する。このためオイル戻し配管26内の潤滑オイルの流量が増加するように制御される。また、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0以下であり、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0以上であり、且つ、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいときに、熱交換温度差ΔThに基づいてオイル戻し流量制御弁31の開度が制御装置19により制御される。
図3は、本実施形態に係る空調装置1を運転した場合における、p−h線図上に表された冷凍サイクルを示す図である。図3において、圧縮機12に吸入される低圧ガス冷媒の状態が点Aに示す位置で表される。点Aに示す位置で表される状態の冷媒が、圧縮機12で圧縮されることにより、点Bに示す位置で表される高温高圧ガス冷媒に変化する。点Bに示す位置で表される状態の冷媒は、凝縮器(暖房時は室内熱交換器14、冷房時は室外熱交換器15)で凝縮されることにより、点Cに示す位置で表される低温高圧液冷媒に変化する。点Cに示す位置で表される状態の冷媒は、膨張弁16を通る際に膨張されることにより、点Dに示す位置で表される低温低圧液冷媒に変化する。そして、点Dに示す位置で表される状態の冷媒は、蒸発器(暖房時は室外熱交換器15、冷房時は室内熱交換器14)で蒸発されることにより、点Aに示す位置で表される低温ガス冷媒に変化する。このような冷凍サイクルが繰り返されることにより空調運転が継続される。
図3の点Bの位置における冷媒の温度は、冷媒吐出温度Tdとして吐出温度センサ41で検出される。冷媒吐出温度Tdが高すぎると、圧縮機12の各部品(特にシール部材等の樹脂製部品)が熱劣化するため圧縮機12の信頼性が低下する。この点に関し、本実施形態では、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0を越えているときに、オイル戻し流量制御弁31の開度を増加してオイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量を増加させている。このため圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加する。ここで、圧縮機12に吸入される潤滑オイルの温度は圧縮機12で圧縮された冷媒の温度よりも低い。このため、潤滑オイルは圧縮機12を潤滑する潤滑作用に加えて圧縮機12および圧縮機12で圧縮された冷媒を冷却する冷却作用も兼ね備える。したがって、圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加した場合、潤滑オイルによって圧縮機12および圧縮機12で圧縮された高温のガス冷媒の冷却が促進される。その結果、圧縮機12から吐出された冷媒の状態が点Bの位置で表わされる状態から図3の左方にシフトして点B’の位置で表わされる状態に変化する。すなわち冷媒吐出温度Tdが低下する。このようにして潤滑オイルの戻り量を増やして冷媒吐出温度Tdの過剰な上昇を抑えることにより、R32冷媒を用いた場合であっても圧縮機12の熱劣化が防止され、その結果、圧縮機12の信頼性が向上する。
また、図3の点Aの位置で表わされる冷媒の過熱度Tkが0に近い場合、あるいは負の値である場合、圧縮機12に吸入される冷媒が湿っているおそれがある。圧縮機12に湿った冷媒が吸入された場合、冷媒とともに圧縮機12に吸入される潤滑オイルが液冷媒で希釈されて潤滑オイルの粘度が低下する。このため潤滑オイルの潤滑性能が悪化する。また、圧縮機12に湿った冷媒が吸入されると液圧縮の発生等が懸念されるため機器の信頼性が低下する。さらに、未蒸発分の液冷媒が圧縮機12に吸入されることになり、冷凍サイクルの効率が悪い。この点に関し、本実施形態では、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満であるときに(つまり過熱度Tkが小さいときに)、オイル戻し流量制御弁31の開度を増加してオイル戻し配管26を流れる潤滑オイルの流量を増加させている。このため圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加される。ここで、圧縮機12に吸入される潤滑オイルの温度は圧縮機12で圧縮される前の冷媒、すなわち圧縮機12に吸入された冷媒の温度よりも高い。このため潤滑オイルは圧縮機12を潤滑する潤滑作用に加え、圧縮機12に吸入される冷媒を加熱する加熱作用も兼ね備える。したがって、圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加した場合、圧縮機12に吸入されて圧縮される前の低温のガス冷媒の潤滑オイルによる加熱が促進される。そのため圧縮機12に吸入される冷媒が点Aの位置で表わされる状態から図3の右方にシフトして点A’の位置で表わされる状態に変化する。すなわち冷媒吸入温度Tsが上昇し、これに伴い過熱度Tkも大きくされる。このようにして潤滑オイルの戻り量を増やして圧縮機12に吸入される冷媒の加熱を促進することで、圧縮機12への湿った冷媒の吸入が防止される。その結果、圧縮機12に吸入される冷媒の乾き度を1以上に維持することができるとともに、圧縮機12が保護される。
また、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度以下であり、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0以上であっても、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0以上であるときは、熱交換温度差ΔThが小さくなるようにオイル戻し流量制御弁31の開度が制御される。このようにオイル戻し流量制御弁31の開度を制御して冷媒回路内を流れる潤滑オイルの流量を制御することで、室内熱交換器14の能力を必要な空調負荷に見合った能力に補正することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態で説明した制御装置19の構成および制御装置19によるオイル戻し流量制御弁31の開度制御方法が異なり、その他の部分は第1実施形態と同一である。したがって、同一部分については同一の符号で示してその具体的説明は省略する。
図4は、第2実施形態に係る制御装置19の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、第2実施形態に係る制御装置19は、熱交換温度差出力部191と、過熱度出力部192と、吐出温度差出力部193と、開度制御部194とを備える。
熱交換温度差出力部191は、熱交換温度Thを入力するとともに、図5に示す熱交換温度差出力処理ルーチンを実行する。過熱度出力部192は、吸入温度センサ42から冷媒吸入温度Tsを、吸入圧力センサ43から冷媒吸入圧力Psを入力するとともに、図6に示す過熱度出力処理ルーチンを実行する。吐出温度差出力部193は、吐出温度センサ41から冷媒吐出温度Tdを入力するとともに、図7に示す吐出温度差出力処理ルーチンを実行する。開度制御部194は、図8に示す開度制御ルーチンを実行することにより、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御する。
図5に示す熱交換温度差出力処理ルーチンが起動すると、熱交換温度差出力部191は、まず図5のS21にて、目標熱交換温度Th*と熱交換温度Thとの差の絶対値を熱交換温度差ΔThとして計算する。次いで、演算した熱交換温度差ΔThと上限熱交換温度差ΔTh0とを比較し、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいか否かを判断する(S22)。熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0以下である場合(S22:No)、このルーチンを終了する。一方、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きい場合(S22:Yes)、演算した熱交換温度差ΔThを表す信号を開度制御部194に出力する(S23)。その後、熱交換温度差出力部191は、このルーチンを終了する。
また、図6に示す過熱度出力処理ルーチンが起動すると、過熱度出力部192は、まず図6のS31にて、入力した冷媒吸入温度Tsおよび冷媒吸入圧力Psに基づいて過熱度Tkを計算する。次いで、計算した過熱度Tkと過熱度下限値Tk0とを比較し、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満であるか否かを判断する(S32)。過熱度Tkが過熱度下限値Tk0以上である場合(S32:No)はこのルーチンを終了する。一方、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満である場合(S32:Yes)、計算した過熱度Tkを表す信号を開度制御部194に出力する。その後、過熱度出力部192はこのルーチンを終了する。
また、図7に示す吐出温度差出力処理ルーチンが起動すると、吐出温度差出力部193は、まず図7のS41にて、入力した冷媒吐出温度Tdと上限吐出温度Td0とを比較し、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも大きいか否かを判断する。冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0以下である場合(S41:No)はこのルーチンを終了する。一方、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも大きい場合(S41:Yes)、吐出温度差出力部193は、冷媒吐出温度Tdと上限吐出温度Td0の差(Td−Td0)を吐出温度差ΔTdとして計算し(S42)、計算した吐出温度差ΔTdを表す信号を開度制御部194に出力する(S43)。その後、吐出温度差出力部193はこのルーチンを終了する。
また、図8に示す開度制御ルーチンが起動すると、開度制御部194は、まず図8のS51にて、所定時間の間に、熱交換温度差ΔThを表す信号、過熱度Tkを表す信号、吐出温度差ΔTdを表す信号のいずれか1つまたは2つ、あるいはこれらの全ての信号が入力されたか否かを判断する。1つの信号も入力されていない場合(S51:No)、このルーチンを終了する。一方、1つでも信号が入力されている場合(S51:Yes)、開度制御部194はS52に処理を進め、入力された1つまたは複数の信号により表わされる温度差のうち最大の温度差を示す信号を選択し、選択した信号により表わされる温度差を最大温度差ΔTmaxに設定する。
次いで、開度制御部194は、S52にて設定した最大温度差ΔTmaxに基づいたオイル戻し流量制御弁31の開度のフィードバック制御を実行する(S53)。この場合、設定された最大温度差ΔTmaxが過熱度Tkあるいは吐出温度差ΔTdである場合、開度増加信号をオイル戻し流量制御弁31に出力する。これによりオイル戻し流量制御弁31の開度が増加して、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加する。また、設定された最大温度差が熱交換温度差ΔThである場合、熱交換温度差ΔThが小さくなるように、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御する。
本実施形態における開度制御において、最大温度差ΔTmaxが吐出温度差ΔTdであるときは、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように制御される。このため圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加し、圧縮機12から吐出される冷媒の潤滑オイルによる冷却が促進される。これにより冷媒吐出温度Tdの上昇が抑えられ、圧縮機12が冷媒の熱によって劣化することが防止される。また、最大温度差ΔTmaxが過熱度Tkであるときも、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように制御される。このため圧縮機12に吸入される潤滑オイルの流量が増加し、圧縮機12に吸入される冷媒の潤滑オイルによる加熱が促進される。その結果、過熱度Tkが大きくされて、圧縮機12に湿った冷媒が吸入されることが防止される。また、最大温度差ΔTmaxが熱交換温度差ΔThである場合、熱交換温度差ΔThが小さくなるように、オイル戻し流量制御弁31の開度が制御される。これにより、室内熱交換器14の能力が空調負荷に見合った能力に補正される。
以上のように、第1および第2実施形態に係る空調装置1は、圧縮機12と、オイルセパレータ13と、凝縮器(暖房時は室内熱交換器14、冷房時は室外熱交換器15)と、蒸発器(暖房時は室外熱交換器15、冷房時は室内熱交換器14)と、吸入配管122と、オイル戻し配管26と、制御装置19とを備える。圧縮機12は、吸入口12aおよび吐出口12bを有し、駆動源としてのガスエンジン11からの動力を受けて作動して吸入口12aから潤滑オイルが混入したR32冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して吐出口12bから吐出する。オイルセパレータ13は、圧縮機12の吐出口12bから吐出された冷媒をガス冷媒と潤滑オイルとに分離する。凝縮器は、オイルセパレータ13で分離されたガス冷媒を凝縮する。蒸発器は凝縮器から流出した冷媒を蒸発する蒸。吸入配管122は、圧縮機12の吸入口12aに接続されるとともに、蒸発器から流出してアキュムレータを経たガス冷媒を圧縮機12の吸入口12aに吸入させる。オイル戻し配管26は、吸入配管122に接続されるとともに、オイルセパレータ13で分離された潤滑オイルを吸入配管122に流入させる。そして、制御装置19は、圧縮機12の吐出口12bから吐出される冷媒の温度である冷媒吐出温度Tdが予め定められる上限吐出温度Td0よりも高い場合に、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量を制御する。
上記第1および第2実施形態によれば、制御装置19は、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも高い場合に、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように潤滑オイルの流量を制御する。このため圧縮機12で圧縮された冷媒(吐出冷媒)の潤滑オイルによる冷却が促進される。このような潤滑オイルによる冷却の促進によって、R32冷媒を用いた場合であっても冷媒吐出温度Tdの過剰な上昇が抑えられ、冷媒の熱による圧縮機12の各部品の劣化を防止することができる。また、潤滑オイルを冷媒の冷却に用いて冷媒吐出温度を下げるので、冷媒吐出温度を下げるために冷媒の乾き度を1未満にする必要もない。
また、制御装置19は、圧縮機12の吸入口12aにおける冷媒の過熱度Tkが予め定められる過熱度下限値Tk0よりも小さい場合に、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量を制御する。このため潤滑オイルによる圧縮機12に吸入される冷媒の加熱が促進される。このような潤滑オイルによる加熱の促進によって、過熱度Tkの低下が抑えられ、圧縮機12に吸入される冷媒の乾き度を1以上に維持することができるとともに、湿り運転を防止して圧縮機12を保護することができる。
また、上記第1、第2実施形態に係る空調装置1は、オイル戻し配管26の途中に介装されて開度の調整が可能なオイル戻し流量制御弁31を備える。そして、制御装置19は、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御することにより、オイル戻し配管26内を流れる潤滑オイルの流量を制御する。これによれば、制御装置19は、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御することにより比較的簡単にオイル戻し配管26内の潤滑オイルの流量を制御することができる。
また、上記第1、第2実施形態によれば、制御装置19は、熱交換温度差ΔThが上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいときに、熱交換温度差ΔThが小さくなるように、オイル戻し流量制御弁31の開度を制御する。これにより、室内熱交換器14の能力が空調負荷に見合った能力に補正される。
また、上記第1実施形態によれば、オイル戻し流量制御弁31の開度の制御の開始条件に優先順位が設定されている。具体的には、冷媒吐出温度Tdが上限吐出温度Td0よりも大きいという吐出温度条件が第1優先であり、過熱度Tkが過熱度下限値Tk0未満であるという過熱度条件が第2優先である。さらに、熱交換温度差が上限熱交換温度差ΔTh0よりも大きいという熱交換温度条件が第3優先である。第1優先の吐出温度条件が成立した場合には、他の開始条件の成立・不成立に係わらず、オイル戻し流量制御弁31の開度が制御(増加)される。また、第1優先の吐出温度条件が成立していない場合であって、第2優先の過熱度条件が成立した場合には、第3優先の熱交換温度条件の成立・不成立に係わらず、オイル戻し流量制御弁31の開度が制御(増加)される。吐出温度条件が最も優先されるため、優先的に冷媒吐出温度Tdの過度の上昇が抑えられる。このため圧縮機12の信頼性、特にR32冷媒を使用した場合における信頼性を高めることができる。
また、上記第2実施形態によれば、最も制御が必要である開始条件に基づいて、オイル戻し流量制御弁31の開度が制御される。具体的には、吐出温度差ΔTdと、熱交換温度差ΔThと、過熱度Tkの大きさが比較され、最も大きい温度差に基づいて、オイル戻し流量制御弁31の開度が制御される。これにより、圧縮機12の信頼性を確保しつつ、室内熱交換器14の能力を最適に補正することができる。
1…空調装置、11…ガスエンジン(駆動源)、12…圧縮機、12a…吸入口、12b…吐出口、13…オイルセパレータ、131…冷媒流入口、132…冷媒排出口、133…オイル排出口、14…室内熱交換器(凝縮器、蒸発器)、15…室外熱交換器(蒸発器、凝縮器)、16…膨張弁、17…四方切換弁、18…アキュムレータ、19…制御装置(オイル流量制御装置)、191…熱交換温度差出力部、192…過熱度出力部、193…吐出温度差出力部、194…開度制御部、21…第1配管、22…第2配管、23…第3配管、24…第4配管、25…中間配管、26…オイル戻し配管、31…オイル戻し流量制御弁、121…吐出配管、122…吸入配管、Td…冷媒吐出温度、Td0…上限吐出温度、Tk…過熱度、Tk0…過熱度下限値

Claims (3)

  1. 吸入口および吐出口を有し、駆動源からの動力を受けて作動して前記吸入口から潤滑オイルが混入した冷媒を吸入するとともに吸入した冷媒を圧縮して前記吐出口から吐出する圧縮機と、
    前記吐出口から吐出された冷媒をガス冷媒と潤滑オイルとに分離するオイルセパレータと、
    前記オイルセパレータで分離されたガス冷媒を凝縮する凝縮器と、
    前記凝縮器から流出した冷媒を蒸発する蒸発器と、
    前記吸入口に接続され、前記蒸発器から流出した冷媒を前記圧縮機の前記吸入口に吸入させる吸入配管と、
    前記吸入配管に接続され、前記オイルセパレータで分離された潤滑オイルを前記吸入配管に流入させるオイル戻し配管と、
    前記吐出口から吐出される冷媒の温度である冷媒吐出温度が予め定められる上限吐出温度よりも高い場合に、前記オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、前記オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御するオイル流量制御装置と、
    を備える、空調装置。
  2. 請求項1に記載の空調装置において、
    前記オイル流量制御装置は、前記吸入口における冷媒の過熱度が予め定められる過熱度下限値よりも小さい場合に、前記オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量が増加するように、前記オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御する、空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の空調装置において、
    前記オイル戻し配管の途中に介装され、開度の調整が可能なオイル戻し流量制御弁を備え、
    前記オイル流量制御装置は、前記オイル戻し流量制御弁の開度を制御することにより、前記オイル戻し配管内を流れる潤滑オイルの流量を制御する、空調装置。
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