JP2014181598A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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知靖 高橋
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孝則 寺屋
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Abstract

【課題】ベーンのベーン溝への挿入方向の移動を規制するガイド機構の組み付け時における位置合わせを不要とし、またガイド機構を精度よく形成でき、ベーンとガイド機構との間のクリアランスを精度よく容易に形成してベーンによるチャタリングノイズを低減する。
【解決手段】内周面が真円に形成されたシリンダ形成部12とその一端側を閉塞する第1のサイドブロック形成部13が形成された第1のハウジング部材10と、シリンダ形成部12の他端側を閉塞する第2のサイドブロック形成部21を備えた第2のハウジング部材20とを組み合わせてハウジング9が構成されるベーン型圧縮機1において、第1のサイドブロック形成部13に、シリンダ形成部12の内周面と同心状に、ベーン4のベーン溝5への挿入方向の移動を規制するガイド機構35を設ける。ベーン溝5は、ロータ3の外周面から駆動軸2の軸中心に向けて形成するようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベーン型圧縮機に関し、特に起動時等において発生するベーンの振動に伴うノイズ(チャタリングノイズ)を低減するために有用な構造を備えたベーン型圧縮機に関する。
ベーン型圧縮機の起動時等においては、ベーンに対して十分な背圧力がかからず、ベーンの回転方向前方側の圧縮室で圧縮された流体の圧力がベーンの突出側先端に作用することと相まってベーンの突出力が十分でなくなる。このため、ベーンがロータのベーン溝内で摺動方向に振動を起こし、この振動によってベーンがシリンダの内周面に衝突して異音(チャタリングノイズ)を発生する不都合がある。
そこで、従来においては、このようなチャタリングノイズを低減するため、特許文献1(特開2005−320916)に示されるように、リヤサイドブロックのロータ当接面に、ロータの陥凹部に突入する凸部を形成し、この凸部の外周面を、ロータの回転にしたがってベーンの突出側先端の描く軌跡がシリンダの内周面の輪郭形状に沿った形状となるように、ベーンの埋設側端をベーンの突出方向に押圧する案内面として形成し、ベーンを油圧による背圧のみによってシリンダの内周面に押圧するのではなく、サイドブロックに形成された凸部によって、ベーンをシリンダの内周面方向に押圧することでベーンを強制的に突出させるようにした構成が提案されている。
また、特許文献2(実開昭57−152482)に示されるように、筒状のシリンダ内に偏心してロータを収容し、このロータの径方向に摺動自在に嵌合され、ロータの回転に伴ってシリンダの内周面に摺接しながら回転するベーンを有するベーン式ポンプにおいて、シリンダの開口端に取り付けられるブラケットにシリンダと同心のリング状突起を設け、ロータの回転速度が低くベーンに働く遠心力が小さい時に、ベーンを強制的にロータの半径方向に押し上げ、シリンダの内周に摺接させるようにした構成も公知となっている。
特開2005−320916号公報 実開昭57−152482号公報
ところで、ベーンの動きを規制するガイド機構を設ける場合には、ベーンとガイド機構との間のクリアランスを適切に形成する必要がある。このクリアランスが小さすぎるとベーンの動きが悪くなり、大き過ぎるとチャタリングノイズを十分に低減することができなくなる。
しかしながら、上述した構成においては、ベーンの動きを規制するガイド機構(特許文献1の凸部、特許文献2のリング状突起)が、シリンダに対して別部材(特許文献1のサイドブロック、特許文献2のブラケット)として設けられているので、シリンダとガイド機構が設けられた別部材との組み付け精度を厳格に管理しないとベーンとガイド機構との間のクリアランスを十分に小さくすることができず、チャタリングノイズの発生を十分に低減することができない。
また、ガイド機構は、ロータの回転角によりベーンとガイド機構との間のクリアランスが大きく変化しないように、ベーンが摺動するシリンダの内周面の断面形状と近い形状にする必要があるが、前者の構成においては、ガイド機構を構成する凸部の外周面が、シリンダの内周面の輪郭形状に合わせて楕円形状に形成されているため、精度よくガイド機構を形成することは非常に困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、組み付け時におけるガイド機構の位置合わせが不要となり、また、ガイド機構を精度よく形成できるようにして、ベーンとガイド機構との間のクリアランスを精度よく容易に形成することができ、もって、ベーンによるチャタリングノイズを低減することが可能なベーン型圧縮機を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係るベーン型圧縮機は、内周面が真円に形成されたシリンダ形成部、及び、前記シリンダ形成部の軸方向の一端側を閉塞する第1のサイドブロック形成部が一体に形成された第1のハウジング部材と、前記シリンダ形成部の軸方向の他端側を閉塞する第2のサイドブロック形成部が形成された第2のハウジング部材とを組み合わせてハウジングが構成され、前記第1のサイドブロック形成部と前記第2のサイドブロック形成部とに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸に固装されて前記シリンダ形成部内に回転可能に収容されたロータと、前記ロータに設けられた複数のベーン溝と、前記ベーン溝に摺動自在に挿入されるベーンとを備え、前記シリンダ形成部と前記第1のサイドブロック形成部と前記第2のサイドブロック形成部とにより閉塞された空間に、前記ロータと前記ベーンによって複数の圧縮室が形成されるベーン型圧縮機において、前記第1のサイドブロック形成部に、前記ベーンの前記ベーン溝への挿入方向の移動を規制するガイド機構を一体に設け、このガイド機構を、前記シリンダ形成部の前記内周面と同心状に、且つ、外周面を真円に形成したことを特徴としている。
したがって、ベーンの動きを規制するガイド機構がシリンダ形成部と一体をなす第1のサイドブロック形成部に一体に形成されているので、圧縮機の組み付け時におけるガイド機構の位置合わせが不要となり、また、ガイド機構は、内周面が真円に形成されたシリンダ形成部と同心状に形成されるので、ガイド機構を精度よく形成することが可能となる。このため、組み付け後のベーンとガイド機構との間のクリアランスが精度よく容易に形成され、ベーンによるチャタリングノイズを低減することが可能となる。
ここで、ガイド機構としては、第1サイドブロック形成部からシリンダ形成部内に突設された環状凸部で構成するようにしてもよい。
また、前記ベーン溝は、前記ロータの外周面から前記駆動軸の軸中心に向けて形成されることが好ましい。
ベーンを含む平面とベーンと平行で駆動軸の軸心を含む平面とが一致していない場合(ベーン溝にオフセットがついている場合)には、ガイド機構がシリンダ形成部の内周面と同心状に形成されていると、ベーンとガイド機構との距離(クリアランス)がロータの回転角によって大きく変化するので、ガイド機構のベーンをガイドする機能が不十分になる不都合があるが、ベーンを含む平面とベーンと平行で駆動軸の軸心を含む平面とを一致させることで(オフセットを零とすることで)、ベーンとガイド機構との距離(クリアランス)を幾何学的に小さくすることが可能となり、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
また、以上の前記シリンダ形成部の内周面と摺接する前記ベーンの先端部は、前記ベーンの厚さ方向の中心位置より、前記ロータの回転による前記ベーンの移動方向の前方側部位において、前記ベーンが前記ベーン溝を摺動する方向で最も突出している構成にするとよい。
チャタリングは、ベーンの先端部が受ける圧力が大きくなる位置で発生しやすくなることから、ベーンの先端部において、ベーンの厚さ方向の中心位置より、ロータの回転方向の前方側部位で、最も突出させるようにすることで、圧力が先に高まる前方側の圧縮室圧を受ける面積を小さくしてベーンが押し戻される不都合を抑え、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
また、前記ベーンの前記ガイド機構側の端部は、前記ベーンの厚さ方向の中心位置より、前記ロータの回転による前記ベーンの移動方向の後方側部位において、前記ベーンが前記ベーン溝を摺動する方向で最も突出している構成としてもよい。
ベーンのガイド機構側の端部を、ベーンの厚さ方向の中心位置より、ロータの回転方向の後方側部位で、最も突出させるようにすることで、チャタリングが発生しやすい領域(吐出ポートの付近)でのベーンとガイド機構との間のクリアランスを幾何学的に一層小さくすることができ、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
以上のガイド機構は、シリンダ形成部と一体に形成された第1のサイドブロック形成部に設けられる点に特徴を有するが、このような構成を前提として、同様のガイド機構を第2のサイドブロック形成部にも設けるようにしてもよい。
このような構成によれば、第1のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構と第2のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構とによってベーンを両端部で支持することが可能となるので、ベーンが傾くことによる引っ掛かり等を防止することが可能となる。
なお、前記ガイド機構は、前記ベーンの前記ベーン溝からの突出量が最も大きくなる付近で前記ベーンの前記ベーン溝への挿入方向への移動を許容する欠け部を設けるようにしてもよい。
ガイド機構を設けたことでベーンの動きが規制されていると、液圧縮時にベーンやロータに過負荷がかかるため、ベーンとガイド機構との厳格なクリアランスが要求されないベーンがロータのベーン溝から最も突出する近傍でガイド機構によるガイド機能をキャンセルすることで液圧縮による過負荷を避けるようにすることが望ましい。このため、このような構成とすることで、圧縮室に液媒体が流入する場合でも過剰な負荷がベーンやロータに掛かることを防止することが可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、周面が真円に形成されたシリンダ形成部とその軸方向の一端側を閉塞する第1のサイドブロック形成部とが一体に形成された第1のハウジング部材に、シリンダ形成部の内周面と同心状にベーンのベーン溝への挿入方向の移動を規制するガイド機構を一体に設けたので、圧縮機の組み付け時において、ベーンの動きを規制するガイド機構の位置合わせが不要となり、また、ガイド機構は、シリンダ形成部の内周面と同心状に形成されているので、ガイド機構を精度よく形成することが可能となる。このため、ベーンとガイド機構との間のクリアランスが精度よく容易に形成され、ベーンによるチャタリングノイズを低減することが可能となる。
そして、以上の構成を前提として、ベーンとガイド機構との間のクリアランスをさらに小さくするために、以下の構成のいずれか、または、複数を組み合わせて用いるようにしてもよい。
先ず、ベーン溝をロータの外周面から駆動軸の軸中心に向けて形成し、ベーンを含む平面とベーンと平行で駆動軸の軸心を含む平面とを一致させる(オフセット0とする)。このような構成を採用することで、ガイド機構がシリンダ形成部の内周面と同心状に形成されている場合でも、ベーンとガイド機構との距離(クリアランス)がロータの回転角によって大きく変化することを回避することができ、チャタリングノイズをより低減することが可能となる。
また、シリンダ形成部の内周面と摺接するベーンの先端部について、ベーンの厚さ方向の中心位置より、ロータの回転によるベーンの移動方向の前方側部位において、ベーンがベーン溝を摺動する方向で最も突出させる。このような構成とすることで、圧力が先に高まる前方側の圧縮室圧を受ける面積を小さくして、ベーンが押し戻される不都合を抑えることができ、これによりチャタリングの発生を抑えてチャタリングノイズを低減することが可能となる。
さらに、ベーンのガイド機構側の端部においても、ベーンの厚さ方向の中心位置より、ロータの回転によるベーンの移動方向の後方側部位において、ベーンがベーン溝を摺動する方向で最も突出させる。このような構成とすることで、チャタリングが発生しやすい領域(吐出ポートの付近)でのベーンとガイド機構との間のクリアランスを小さくでき、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
以上の構成は、シリンダ形成部と第1のサイドブロック形成部とが一体に形成された第1のハウジング部材にガイド機構を一体に設けた例を示したが、このような構成を前提として、ガイド機構を第2のサイドブロック形成部にも設けるようにしてもよく、このような構成とすることで、ベーンを第1のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構と第2のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構とによって両側から支持することが可能となり、ベーンが傾くことによる引っ掛かり等を防止することが可能となる。
また、ガイド機構に、ベーンのベーン溝からの突出量が最も大きくなる付近にベーンのベーン溝への挿入方向への移動を許容する欠け部を設けるようにすることで、縮室に液媒体が流入する場合でも過剰な負荷がベーンやロータに掛かることを防止することが可能となる。
図1(a)は、本発明にかかるベーン型圧縮機の全体構成を示す断面図であり、図1(b)は、(a)のベーン型圧縮機に用いられる駆動軸に取り付けられたロータとこのロータに取り付けらえるベーンとを示す斜視図であり、図1(c)は、本発明に係るベーン型圧縮機の第1のハウジング部材を示す斜視図である。 図2は、図1で示すベーン型圧縮機のロータの回転に伴うベーンとガイド機構との関係を示す図である。 図3は、ベーンのオフセットを零とした場合のロータに設けられたベーンとガイド機構との関係を示す図であり、(a)は、ベーンがベーン溝に最も入った状態とベーン溝から最も突出した状態を示す図、(b)は、ロータの回転に伴うベーンの動きを示す図である。 図4(a)は、ベーンのオフセットを零とした場合のベーンの先端部の形状例を説明する図であり、図4(b)は、図4(a)のベーンを用いた場合のベーンとガイド機構との関係を説明する図である。 図5(a)は、ベーンのオフセットを零とした場合のベーンの基端部の形状例を説明する図であり、図5(b)は、図5(a)のベーンを用いた場合のベーンとガイド機構との関係を説明する図である。 図6(a)は、本発明にかかるベーン型圧縮機の他の構成例を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線から見たシリンダ形成部と第2のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構とを示す図、図6(c)は、図6(a)のB−B線から見たシリンダ形成部と第1のサイドブロック形成部に形成されたガイド機構とを示す図である。 図7は、ガイド機構の一部に欠き部を設けた例を示す説明図である。
以下、本発明のベーン型圧縮機について図面を参照しながら説明する。
図1において、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに適したベーン型圧縮機が示されている。このベーン型圧縮機1は、駆動軸2と、駆動軸2に固定されて当該駆動軸2の回動に伴い回転するロータ3と、このロータ3に取り付けられるベーン4と、駆動軸2を回転自在に支持すると共にロータ3及びベーン4を収容するハウジング9とを有して構成されている。なお、図1(a)において、左側をフロント側、右側をリア側とする。
ハウジング9は、第1のハウジング部材10と第2のハウジング部材20との2つの部材を組み合わせて構成されているもので、第1のハウジング部材10は、ロータ3を収納するためのシリンダ孔11を有するシリンダ形成部12と、このシリンダ形成部12の軸方向の一端側(リア側)を閉塞するように一体に形成された第1のサイドブロック形成部13とから構成されている。シリンダ形成部12に形成されたシリンダ孔11は、断面が真円に形成され(シリンダ形成部12は内周面が断面真円に形成され)、軸方向の長さが後述するロータ4の軸方向の長さに等しく形成されている。
第2のハウジング部材20は、シリンダ形成部12の軸方向の他端側(フロント側)の端面に当接してこの他端側を閉塞する第2のサイドブロック形成部21と、この第2のサイドブロック形成部21に一体に形成されて駆動軸2の軸方向に延設され、前記シリンダ形成部12及び第1のサイドブロック形成部13の外周面を包囲するように形成されたシェル形成部22とを有して構成されている。
そして、これら第1のハウジング部材10と第2のハウジング部材20とは、ボルト等の連結具8を介して軸方向に締結され、第1のハウジング部材10の第1のサイドブロック形成部13と第2のハウジング部材20のシェル形成部22との間は、図示しないOリング等のシール部材が介在されて気密よくシールされている。
また、第2のハウジング部材20には、第2のサイドブロック形成部21からフロント側に延設されたボス部23が一体に形成されている。このボス部23には、駆動軸2に回転動力を伝えるプーリ(図示せず)が回転自在に外装され、このプーリから図示しない電磁クラッチを介して回転動力が駆動軸2に伝達されるようになっている。
前記駆動軸2は、第1のサイドブロック形成部13と第2のサイドブロック形成部21とにベアリング14,24を介して回転自在に支持されているもので、先端部が第2のハウジング部材20のボス部23内に突出し、ボス部23との間に設けられたシール部材25を介して該ボス部23との間が気密よくシールされている。
前記ロータ3は、断面が真円状に形成され、その軸中心に設けられた挿通孔3aに前記駆動軸2が挿通され、互いの軸中心を一致させた状態で駆動軸2に固定されている。また、図2に示されるように、シリンダ形成部12の軸中心O‘とロータ3(駆動軸2)の軸中心Oとは、ロータ3の外周面とシリンダ形成部12の内周面12aとが周方向の一箇所で当接するようにずらして設けられている(シリンダ形成部12の内径とロータ3の外径との差の1/2だけずらして設けられている)。そして、シリンダ形成部12と第1のサイドブロック形成部13及び第2のサイドブロック形成部21とにより閉塞された空間には、シリンダ形成部12の内周面12aとロータ3の外周面との間に圧縮空間30が画成されている。
なお、第2のハウジング部材20には、図示されていないが、作動流体(冷媒ガス)を外部から吸入する吸入口および外部へ吐出する吐出口が形成され、第1のハウジング部材10のシリンダ形成部12には、ロータ3の外周面がシリンダ形成部12の内周面12aと当接する部位に対して、ロータ3の回転方向の前方側近傍に前記吸入口と連通する吸入ポート15が形成され、また、ロータ3の回転方向の後方側直近に前記吐出口と連通する吐出ポート16が形成されている。
前記ロータ3の外周面には、複数のベーン溝5が形成され、それぞれのベーン溝5には、ベーン4が摺動自在に挿入されている。ベーン溝5は、ロータの外周面のみならず第1のサイドブロック形成部13及び第2のサイドブロック形成部21と対峙する端面にも開口されており、底部には背圧室5aが形成されている。このベーン溝5は、周方向に等間隔に複数形成されているもので、この例では、180度位相が異なる2箇所に形成されており、ベーン4を含む平面と、ベーン4と平行をなし駆動軸2の軸心Oを含む平面とが所定の距離αだけ離れた状態(オフセットαの状態)で形成されている。
また、ロータ3のリア側及びフロント側の端面には、駆動軸2を挿通させる挿通孔3aを中心として同心状に形成された断面円形状の陥凹部3bが形成されている。
ベーン4は、駆動軸2の軸方向に沿った幅が前記ロータ3の軸方向幅に等しく形成され、ベーン溝5への挿入方向(摺動方向)の長さは、ベーン溝5の同方向の長さに略等しく形成されている。このベーン4は、ベーン溝5の背圧室5aに供給される背圧により、ベーン溝5から突出されて先端部がシリダ形成部12の内周面12aに当接可能となっている。
したがって、前記圧縮空間30は、ベーン溝5に摺動自在に挿入されたベーン4によって複数の圧縮室31に仕切られ、それぞれの圧縮室31の容積は、ロータ3の回転によって変化するようになっている。また、それぞれのベーン4の駆動軸2の軸方向に沿った長さは、ロータ3の軸方向幅と等しく形成されているので、ベーン4の基端部(埋設側端部)のフロント側とリア側との側縁部は、ロータ3の端面に形成された陥凹部3bに表出されるようになっている。
そして、第1のサイドブロック形成部13のロータ3の端面と対峙する面には、シリンダ形成部12の内周面と同心状に、ベーン4のベーン溝5への挿入方向の移動を規制するガイド機構35が一体に形成されている。このガイド機構35は、第1のサイドブロック形成部13からシリンダ形成部12内に突設されると共にシリンダ形成部12の内周面と同心状の外周面(真円の外周面)を有する環状凸部で構成されており、前記ロータ3の端面に形成された陥凹部3bに収容され、ベーン4の陥凹部3bに表出している基端部(埋設側端部)の部分が外周面に当接するようになっている。
なお、吐出ポート16と吐出口との間には図示しないオイル分離器が配置されており、このオイル分離器によって作動流体から分離されたオイルは、第1のハウジング部材10と第2のハウジング部材20との間に形成されるオイル溜まり室17に一時的に溜められる。そして、吐出圧が高くなる定常運転時には、オイル溜まり室17から高圧の冷媒ガス又は高圧オイルが高圧導入通路18を介して前記背圧室5aに送り込まれ、これにより、ベーン4はシリンダ形成部12の内周面12aに安定して押し付けられ、安定した圧縮が確保されるようになっている。
したがって、以上の構成においては、十分な背圧が得られない起動初期においては、ベーンの回転方向前方側の圧縮室で圧縮された流体の圧力がベーンの突出側先端に作用するため、突出ポート16の近傍においてベーンがチャタリングを起こすことが懸念されるが、ベーンは、第1のサイドブロック形成部13に形成されたガイド機構35によって、シリンダ形成部12の内周面12a方向に押圧されてベーンを強制的に突出させるようにするので、シリンダ形成部12の内周面12aに摺接させることが可能となり、又は、内周面12aから離れたとしても僅かに離れるだけとなり、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
特に、上述の構成においては、ベーン4の動きを規制するガイド機構35がシリンダ形成部12と一体をなす第1のサイドブロック形成部13に一体に形成されているので、圧縮機の組み付け時においてガイド機構35の位置合わせが不要となり、また、ガイド機構35は、シリンダ形成部12の内周面と同心状に形成されると共に外周面が真円に形成されているので、ガイド機構35を精度よく形成することが可能となり、ベーンとガイド機構との間のクリアランスが精度よく容易に形成されるので、ベーンによるチャタリングノイズを低減することが可能となる。しかも、ガイド機構35は、サイドブロック形成部13と一体に、且つ、シリンダ形成部の内周面と同心状に形成されるので、シリンダ形成部12の加工と同時に、又は、シリンダ形成部12の加工に連続して加工することが可能となり、容易に形成することが可能となる。
図3において、上述した構成の他の構成例が示されている。上述した構成においては、シリンダ形成部12の内周面を真円に形成すると共に、ガイド機構35をシリンダ形成部12の内周面と同心状に第1のサイドブロック形成部13に一体形成することで、チャタリングノイズの低減を図ろうとするものであるが、ガイド機構35(シリンダ形成部12)の軸中心O’と、ロータ3(駆動軸2)の軸中心Oとがずれていることから、ベーン4の基端部(埋設側端部)とガイド機構35との間のクリアラスは一定にならず、ベーン4が一回転する間に変化が生じる。
このクリアランスの変化は、ベーン4(ベーン溝5)がオフセットして設けられている場合に大きくなることから、この例においては、ベーン4を含む平面と、ベーン4と平行をなし駆動軸2の軸心Oを含む平面とを一致させる(オフセット0にする)ようにしている。すなわち、ベーン溝5をロータ3の外周面から駆動軸2の軸中心Oに向けて放射状に形成し、特にベーン溝5が2つの場合であれば、2つのベーン溝5は、両ベーン溝を含む面が駆動軸2の軸心Oを含むように、軸心に対して反対側に(180度位相をずらして)形成されている。
なお、他の構成は、前記構成例と同様であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
このような構成によれば、ベーン4(ベーン溝5)のオフセットが零となっているので、ベーン4の基端(埋設側端)とガイド機構との間のクリアランスを幾何学的に小さくすることが可能となり、チャタリングノイズをより低減することが可能となる。
以上の構成においては、ベーン4の基端(埋設側端)とガイド機構との間のクリアランスを小さくするために、ガイド機構に対してベーンの最適なレイアウトを提案するものであるが、図2や図3の構成を前提として、ベーンの形状自体を改良することでベーン4の基端(埋設側端)とガイド機構との間のクリアランスをさらに小さくするようにしてもよい。
例えば、図4に示されるように、ベーン4の厚さ方向の中心位置:βより、ロータ3の回転によるベーン4の移動方向の前方側部位:γにおいて、ベーン4がベーン溝5を摺動する方向で最も外側に突出する形状としてもよい。
このような構成とすることで、チャタリングが発生しやすい吐出ポート16の付近において、ベーン4の先端部とシリンダ形成部12の内周面12aとの当接部分がベーン4の厚さ方向の中心位置:βより、ロータ3の回転方向の前方側部位となるので、ベーン4とガイド機構35との間のクリアランスを小さくすることができ、また、圧力が先に高まる前方側の圧縮室31の圧力を受けるベーン4の先端部の面積を小さくすることができるので、ベーン4が押し戻される力を小さくでき、チャタリングノイズを低減することが可能となる。
また、ベーン4のガイド機構35側の端部を、図5に示されるように、ベーン4の厚さ方向の中心位置:βより、前記ロータの回転によるベーン4の移動方向の後方側部位:δにおいて、ベーン4がベーン溝5を摺動する方向で最も内側に突出する形状としてもよい。ベーン4のガイド機構側のこのような形状は、少なくともベーン4がガイド機構35と当接する両端部において形成されていればよいが、ベーン4の全幅に亘って形成するようにしてもよい。
このような構成とすることで、チャタリングが発生しやすい吐出ポート16の付近でベーン4とガイド機構35との間のクリアランスをさらに小さくすることが可能となり、チャタリングノイズの一層の低減を図ることが可能となる。
なお、以上の構成においては、第1のハウジング部材10を構成する第1のサイドブロック形成部13にガイド機構35を一体に形成した構成例を示したが、第1のハウジング部材10と第2のハウジング部材は、軸中心を一致させて精度良く組み付けられるものであるため、図6に示されるように、上述したガイド機構35と同形状のガイド機構36を第2のハウジング部材20の第2のサイドブロック形成部21にも一体に形成するようにしてもよい。
このような構成を採用することで、ベーン4を第1のサイドブロック形成部13に形成されたガイド機構35と第2のサイドブロック形成部21に形成されたガイド機構36とによってベーン4のベーン溝5への挿入方向の移動をベーン4の両側において規制することが可能となるので、ベーン4が傾くことによる引っ掛かり等を防止することが可能となる。
また、以上のガイド機構35,36は、シリンダ形成部12の内周面と同心状に形成された外周面を有する環状凸部で構成した例を示したが、図7に示されるように、ベーン4とガイド機構35との厳格なクリアランスが要求されない箇所、即ち、ガイド機構35,36によってベーン4のベーン溝5からの突出量が最も大きくなる箇所の付近でベーン4がシリンダ形成部12の内周面12aから離れ、ベーン溝5への挿入方向への移動を許容する欠け部35aを設けるようにしてもよい。
このような欠け部35aを設けることで、ベーン4が最も突出する近傍でガイド機構35によるガイド機能がキャンセルされるので、液圧縮時に液冷媒をベーン4と内周面12aとの隙間から逃がすことが可能となり、ベーン4やロータ3に過負荷がかかって破損することを防止することが可能となる。
また、前記欠け部35aは駆動軸2の軸中心を中心とする円弧形状としてもよい。この場合、前記欠け部35aはベアリング14が設けられる孔と同心の円弧形状となるので、前記欠け部35aを精度よく容易に形成することが可能となる。
尚、以上においては、ロータ3にベーン4が2枚取り付けられている構成例について説明したが、ベーン4(ベーン溝5)が3つ以上設けられるベーン型圧縮機についても同様の構成を採用するようにしてもよい。
1 ベーン型圧縮機
2 駆動軸
3 ロータ
4 ベーン
5 ベーン溝
9 ハウジング
10 第1のハウジング部材
12 シリンダ形成部
13 第1のサイドブロック形成部
20 第2のハウジング部材
21 第2のサイドブロック形成部
35,36 ガイド機構

Claims (6)

  1. 内周面が真円に形成されたシリンダ形成部、及び、前記シリンダ形成部の軸方向の一端側を閉塞する第1のサイドブロック形成部が一体に形成された第1のハウジング部材と、前記シリンダ形成部の軸方向の他端側を閉塞する第2のサイドブロック形成部が形成された第2のハウジング部材とを組み合わせてハウジングが構成され、
    前記第1のサイドブロック形成部と前記第2のサイドブロック形成部とに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸に固装されて前記シリンダ形成部内に回転可能に収容されたロータと、前記ロータに設けられた複数のベーン溝と、前記ベーン溝に摺動自在に挿入されるベーンとを備え、
    前記シリンダ形成部と前記第1のサイドブロック形成部と前記第2のサイドブロック形成部とにより閉塞された空間に、前記ロータと前記ベーンによって複数の圧縮室が形成されるベーン型圧縮機において、
    前記第1のサイドブロック形成部に、前記ベーンの前記ベーン溝への挿入方向の移動を規制するガイド機構を一体に設け、このガイド機構を、前記シリンダ形成部の前記内周面と同心状に、且つ、外周面を真円に形成したことを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記ベーン溝は、前記ロータの外周面から前記駆動軸の軸中心に向けて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記シリンダ形成部の内周面と摺接する前記ベーンの先端部は、前記ベーンの厚さ方向の中心位置より、前記ロータの回転による前記ベーンの移動方向の前方側部位において、前記ベーンが前記ベーン溝を摺動する方向で最も突出していることを特徴とする請求項1または2に記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記ベーンの前記ガイド機構側の端部は、前記ベーンの厚さ方向の中心位置より、前記ロータの回転による前記ベーンの移動方向の後方側部位において、前記ベーンが前記ベーン溝を摺動する方向で最も突出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記ガイド機構は、前記第2のサイドブロック形成部にも設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のベーン型圧縮機。
  6. 前記ガイド機構は、前記ベーンの前記ベーン溝からの突出量が最も大きくなる付近に前記ベーンの前記ベーン溝への挿入方向への移動を許容する欠け部を設けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のベーン型圧縮機。
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