JP2014174542A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部の熱源により直接定着ベルトを加熱するようにした定着装置において、ジャム処理のために定着ベルトを逆回転させた際における記録媒体の巻き込み等の分離不良を、効果的に解消する。
【解決手段】熱源105を内部に有して回転自在に支持され、且つ該熱源により加熱される無端状の定着部材101と、定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ150と、定着部材を正回転、及び逆回転させる駆動源155と、定着ニップ部に記録媒体が位置している状態で定着部材が逆回転した時に記録媒体の巻き込みを防止する分離手段154と、を備え、記定着部材と分離手段の隙間Sの値を調整する調整機構170を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真式画像形成装置に使用される定着装置に関し、より具体的には無端状の定着部材と加圧部材との間にニップ部を形成し、該ニップ部を通る記録媒体に対し定着処理を行う定着装置、及びその定着装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化、高速化といった市場要求が強くなってきている。
画像形成装置は、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により、未定着トナー画像を記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙などの記録媒体上に形成する。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式による定着装置が広く採用されている。
このような定着装置の一例として、ベルト方式の定着装置(例えば、特許文献1)や、セラミックヒータを用いたサーフ定着(フィルム定着)方式の定着装置(例えば、特許文献2)が知られている。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間(電源投入時等の常温状態から印刷可能なリロード温度までに要する時間)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後で、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化が望まれている(課題1)。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間当たりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷の当初において熱量が不足する不具合、所謂、温度落ち込みが問題となり、解決が望まれている(課題2)。
課題1を解決する方法として、セラミックヒータを用いたサーフ定着が提案されている。このサーフ定着方式によれば、ベルト方式の定着装置に比べて低熱容量化、小型化を可能とすることができる。しかし、ニップ部のみを局所加熱しているため、その他の部分は加熱されておらず、ニップ部の用紙入口においてベルトが最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。
また、ベルト方式の高速機においては無端ベルトの回転が速く、ニップ部以外での無端ベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある(課題3)。
以上のような課題1〜3を解決するために、無端ベルトを用いる構成において、無端ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている(特許文献3)。
図10は特許文献3に記載された定着装置200の概略図である。定着ベルト201の内部に固定されたパイプ状の金属熱伝導体202は、定着ベルト201の回転方向への移動をガイドするように配置されており、金属熱伝導体202内の熱源203により金属熱伝導体202を介して定着ベルト201を加熱する。さらに定着ベルト201を介して金属熱伝導体202に接することにより、ニップ部Nを形成する加圧ローラ204を備え、加圧ローラ204の回転に連れ回りするようにして定着ベルト201を周方向に移動させる。この構成により、定着装置を構成する定着ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
なお、定着装置200の搬送方向上流側には転写ローラ220、レジストローラ対221が配置されている。
更なる省エネ性、及びファーストプリントタイム向上のために、定着ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、金属熱伝導体を無くして定着ベルトを直接加熱する構成が提案されている。この構成では伝熱効率を大幅に向上させることにより消費電力を低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮することが実現できる。また、金属熱伝導体をなくすることによるコストダウンが可能となる。
ところで、定着装置200内で記録媒体がジャムを起こした場合には、加圧ローラを逆回転させて定着ベルトを逆転させるジャム処理のための制御が行われる。
ジャム発生時に加圧ローラ204及び定着ベルト201を逆回転させる理由は次の二つである。
第1の理由は、加圧ローラと定着ベルトとの定着ニップ部に挟まった記録媒体の除去性をよくするためである。加圧ローラと定着ベルトを逆回転させることにより、ニップ部の奥部に入り込んでいた記録媒体を定着ニップ部入口側に引き出すことができ、引き出された記録媒体部分を手で掴んで抜き取る作業が容易になるからである。
第2の理由は、定着部材である定着ベルト201の熱変形による塑性変形(以下、キンク)発生防止のためである。定着ベルト内部の熱源203を構成するヒータのガラス管は、発熱中は非常に高温になる。記録媒体が詰まりを起こしたことにより加圧ローラ及び定着ベルトの回転が停止すると、熱源への電力供給が停止されても、ヒータガラス管表面の余熱により熱源と直近の定着ベルト部分が局部的に高温化する。その結果、熱源から離間した定着ベルト部分との温度差によって高温化した部位に熱変形が生じ、そのままキンク状態となる。また、記録媒体が詰まった際に、記録媒体の先端がこの高温部位に接近していることがあり、その場合には記録媒体の先端が変色したり、焦げたり、発煙する虞がある。
このような場合に、定着ベルトを一定量逆回転させれば、ヒータガラス管の余熱が放熱される時間を稼ぐことができる。
しかし、記録媒体ジャムの発生時に定着ベルト201を逆回転させると、次のような不具合が発生する。即ち、図11(a)乃至(d)は金属熱伝導体を用いないタイプの定着ベルト方式の定着装置におけるジャム処理手順を示す略図である。
図11(a)は通常の定着状態を示し、(b)は記録媒体ジャムが発生したことにより加圧ローラと定着ベルトが停止した状態を示し、(c)はジャム処理のために加圧ローラ、及び定着ベルトを逆回転させている状態を示し、(d)は逆回転により記録媒体が定着ベルトに巻き付いた状態を示している。
図11(a)の状態では、加圧ローラ204と定着ベルト201が通常の定着方向へ回転しているが、(b)のように記録媒体Pがジャムを起こしたことが検知されると図示しない制御手段は加圧ローラを駆動するモータを停止させて両ローラを停止させる。次いで、制御手段は(c)のように両ローラを逆転させることによりニップ部Nに詰まった記録媒体Pをニップ部の入口側へ戻し、手作業によって記録媒体を取出し易くする。また、定着ベルト201が逆転することにより、熱源203からの熱が定着ベルトの局部に加えられることによる定着ベルトのキンク発生を防止することができる。
分離手段210は、ニップ部Nの入口側に先端を突出させることにより、定着ベルトの逆転時に定着ベルトに巻き付いて引き込まれようとする記録媒体を分離する手段である。
分離手段210と定着ベルト201との隙間Sの寸法は、標準の厚さを有した記録媒体(例えば、普通紙)を想定して一定に設定されている。
しかし、金属熱伝導体を用いずに軸方向両端部のみを保持部材により保持した構造の定着ベルトを定着部材として用いる定着装置にあっては、定着ベルトの大半の部分を支える手段がないために、強度不足に陥った定着ベルトが変形し易い構造となっている。このため、定着ベルトを単純に逆回転させただけでは、定着ベルト面に吸着した記録媒体を剥離させることが難しい状況にある。
即ち、定着ベルトは軸方向両端部を保持部材によって回転自在に支持されている構造になっており、軸方向両端部を除いた部位は加圧ローラとの間に定着ニップを形成するニップ部形成部材により部分的に支持されているに過ぎず、拘束されていない箇所が多い。このような支持構造の定着ベルトを回転させると、熱源からの熱付与による熱源回りの膨張、加圧ローラとの連れ回りによる定着ニップ部入口での定着ベルトへの引張り力、定着ニップ部出口での定着ベルトへの押出力などの原因により、定着ベルトは回転時に振れ易くなる。このため、定着ベルトの固体差による変形パターン、変形態様のバラツキが大きくなる。定着ベルトの個体差によって回転時の振れの態様が異なるため、隙間Sが定着ベルトの固体差によって一定とならない。このため、分離手段210を定着ベルト201と接触させることなく、両者間の隙間Sを適切に設定することは難しかった。
このため、同じ普通紙を定着する場合においても、定着ベルトの変形態様の個体差に起因して記録媒体の定着ベルトへの巻き付き易さにバラツキが発生するのが実情である。
更に、記録媒体が薄紙であったり、写真画像のように記録面に多くの未定着トナーが付着している場合には、(d)に示した逆転動作時に定着ベルト201に記録媒体が貼り付いた状態で、分離手段210の先端部をすり抜けて逆回転されてしまう。すると、定着ベルトの高温部位Hに記録媒体が達して、変色、焦げ、発煙などが発生することとなる。
また、このような不具合が発生する確率は、紙厚、サイズ、材質等の記録媒体の種類の違いと、トナー画像面積といった記録媒体の状態の違いにより一様でない。
特許文献4では、用紙詰まりした場合に操作するための逆回転スイッチを設けており、このスイッチを押すことで定着ローラが逆回転し、用紙を取り除き易くしている。
しかし、定着ベルトの回転時における変形態様の個体差を考慮した上で、逆転動作時の巻き付き防止、巻き付きによる変色、焦げ、発煙を的確に防止する提案はこれまでなされていない。
特許文献5には、ジャム処理作業性を向上させるための技術に関して記載されているが、定着部材に巻き付き易い方向に記録媒体をたるませており、上記従来技術の不具合の解決にはならない。特に、ジャム処理性に関してのみ記載されており、定着部材への巻き付きによるジャムを発生しにくくする構成、巻き付いた場合の処理に関する記載はない。
以上のように、従来、省エネ性、及びファーストプリントタイムを向上させて、熱効率を更に高める方法として、無端状の定着部材、即ち定着ベルトを、その内側に配置した金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、金属熱伝導体を介さずに定着ベルトを直接加熱する構成が提案された。しかし、金属熱伝導体により支持されていない定着ベルトは変形し易いため、ジャム処理のために定着ベルトを逆転させただけでは、トナー画像を介して定着ベルト面に吸着した記録媒体が簡単に剥離しない現象が起きている。
また、記録媒体の厚さ、サイズ、材質、トナー画像面積によって、記録媒体の巻き込みを解消する条件が異なっているにも拘わらず、これまではこれらの条件の違いを配慮した対策はなされていなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、定着部材として低熱容量化された無端状の定着ベルトを用いると共に、内部の熱源により直接定着ベルトを加熱するようにした定着装置において、ジャム処理のために定着ベルトを逆回転させた際における記録媒体の巻き込み等の分離不良を、効果的に解消することができる定着装置を提案することを目的としている。
特に、本発明では、逆回転時の定着ベルトの変形パターンの個体ばらつきや、記録媒体の性質、状態等に起因した、定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを抑制することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、熱源と、該熱源を内部に有して回転自在に支持され、且つ該熱源により加熱される無端状の定着部材と、前記定着部材と接して定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着部材を正回転、及び逆回転させる駆動源と、前記定着ニップ部に記録媒体が位置している状態で前記定着部材が逆回転した時に前記記録媒体の巻き込みを防止する分離手段と、を備えた定着装置であって、前記定着部材と前記分離手段の隙間の値を調整する調整機構を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、内部の熱源により直接定着ベルトを加熱するようにした定着装置において、ジャム処理のために定着ベルトを逆回転させた際における記録媒体の巻き込み等の分離不良を、効果的に解消することができる。
特に、本発明では、逆回転時の定着ベルトの変形パターンの個体ばらつきや、記録媒体の性質、状態等に起因した、定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを抑制することができる。
本発明の定着装置を備えた画像形成装置の一例の構成について説明する図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を示す構成図である。 ジャム処理時に定着ベルトに加わる負荷についての説明図である。 ジャム処理時における調整機構の操作方法を説明する図である。 (a)及び(b)は可動側分離手段を進退自在に構成した構成例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る定着装置の構成説明図である。 ジャム処理のために定着ローラを逆回転させる時に記録媒体を正規の搬送経路Rよりも加圧ローラ側に移動させるための構成例を示した図である。 定着ベルトを逆回転させる際にエアー噴射手段を作動させる場合の手順(ジャム処理手順)を示したフローチャートである。 図7の変形実施形態を示す図である。 特許文献3に記載された定着装置の概略図である。 (a)は通常の定着状態を示し、(b)は記録媒体ジャムが発生したことにより加圧ローラと定着ベルトが停止した状態を示し、(c)はジャム処理のために加圧ローラ、及び定着ベルトを逆回転させている状態を示し、(d)は逆回転により記録媒体が定着ベルトに巻き付いた状態を示した図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の定着装置を備えた画像形成装置の一例の構成について説明する図である。
画像形成装置1は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタあるが、本発明はこの方式に限ることはなく、またプリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置などを対象とすることも可能である。
画像形成装置1は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したタンデム構造が採用されている。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成されたトナー像が、各感光体ドラムに対峙しながら矢印A1方向に移動する無端ベルトである中間転写体(以下、転写ベルトという)11に対して1次転写されて夫々のトナー像が重畳転写される。その後、記録紙等の記録媒体Pに対して一括転写(1次転写)される。
各感光体ドラムの周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。ブラック画像形成を行う感光体ドラム20Bkを対象として説明すると、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後に行われる書き込み(静電潜像形成)には、光書込装置8が用いられる。
転写ベルト11は、駆動ローラ72及び従動ローラ73により支持されている。
転写ベルト11に対する各色トナー像の重畳転写では、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの上方には、転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkを備えた転写ベルトユニット10が対向配設される。更に、転写ベルト11に従動し、連れ回りする2次転写ローラ5と、転写ベルト11に対向配設され転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13が配置されている。
更に、各感光体ドラムと転写ベルト11との間の2次転写部に向けて搬送される記録媒体を積載した給紙カセットとしてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録媒体を、トナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラムと転写ベルト11との間の2次転写部に向けて繰り出すレジストローラ対4と、記録媒体の先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとが設けられている。
更に、画像形成装置1には、トナー像が転写された記録媒体Pにトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置100と、定着済みの記録媒体を画像形成装置1の本体外部に排出する排紙ローラ7と、画像形成装置1の本体上部に配設されて排紙ローラ7により排出された記録媒体を積載する排紙トレイ17と、排紙トレイ17の下側に位置し、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkとが備えられている。
シート給送装置61は、最上位の記録媒体の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録媒体をレジストローラ対4に向けて給送する。
図2は本発明の一実施形態に係る定着装置を示す構成図である。
定着装置100は、そのケーシング内部に無端状(環状)の定着部材としての定着ベルト101と、ハロゲンヒータ等から成る熱源105と、加圧部材としての加圧ローラ150と、を有し、熱源105により定着ベルト101が内周側から直接加熱される。
無端状の定着ベルト101の内部には、定着ベルト101を介して対向する加圧ローラ150とニップ部Nを形成するニップ形成部材120があり、定着ベルト内面と直接(若しくは、図示しない摺動シートを介して間接的に)摺動する。
図2ではニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状であっても良い。ニップ部の形状は凹形状の方が、記録媒体先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
定着ベルト101は、ニッケルやSUSなどの金属薄板や、ポリイミドなどの樹脂材料から成る薄板を基材として用いた無端ベルト(或いは、フィルム)である。定着ベルトの基材表層には、PFA層、PTFE層などの離型層を形成し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。定着ベルトの基材と離型層との間にはシリコーンゴムの層などで形成する弾性層があっても良い。シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じる。これを改善するにはシリコーンゴム層を100[μm]以上設ける必要がある。シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
定着ベルト101の内部にはニップ形成部材120を支持するための支持部材122(ステー)を設け、加圧ローラ150により圧力を受けるニップ形成部材120の撓みを防止し、軸方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。支持部材122は軸方向両端部を、定着ベルトの両端部を回転自在に保持する保持部材125(フランジ)により保持固定され位置決めされている。また、熱源105と支持部材122との間に反射部材127を備え、熱源105からの輻射熱などにより支持部材122が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。ここで反射部材127を備える代わりに、支持部材122表面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることか可能となる。
定着ベルト101の外径方向にはベルト保護部材129が配置されており、定着ベルトが加圧ローラ150からの駆動によって外径方向へ変形したときに、ベルト保護部材129と突き当たる。なお、保護部材129は定着ベルトの回転に伴って連れ回りしてもよいし、静止し続ける構成でも良い。
熱源105は、図示したハロゲンヒータでも良いが、IH(Induction Heating)であっても良いし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であっても良い。
加圧ローラ150は芯金151の周面に弾性ゴム層152を備えており、離型性を得るために表面に離型層(PFAまたはPTFE層)が設けてある。加圧ローラ150は画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源155からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。また、加圧ローラ150はスプリングなどにより定着ベルト101側に押し付けられており、弾性ゴム層152が押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅を有している。加圧ローラ150は中空のローラであっても良く、加圧ローラ150にハロゲンヒータなどの熱源を有していても良い。弾性ゴム層152はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ150内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いても良い。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着ベルト101は、駆動源155により回転する加圧ローラ150からの駆動力がニップ部Nで定着ベルトに伝達されることにより定着ベルト101が回転する。定着ベルト101は、ニップ部Nでは加圧ローラと支持部材122との間に挟み込まれて回転し、ニップ部以外(軸方向両端部)では両端開口部内周を保持部材125(フランジ)により保持されて回転自在にガイドされる。
上記のような構成により安価で、ウォームアップが速い定着装置を実現することが可能となる。
<本発明の特徴的な構成>
本発明の一つの実施形態に係る定着装置100は、熱源105と、熱源を内部に有して回転自在に支持され、且つ該熱源により加熱される無端状の定着部材101と、定着部材の外周面と接して定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ150と、定着部材101を正回転、及び逆回転させる駆動源155と、定着ニップ部に記録媒体が位置している状態で定着部材が逆回転した時に記録媒体の巻き込みを防止する分離手段154と、駆動源を制御する制御手段160と、定着部材101と分離手段154との間の隙間Sの値を調整する調整機構170と、を備えた構成が特徴的である。
図11に基づいて説明したように、ジャム発生時に定着ベルトを逆回転させると、記録媒体が定着ベルトに巻き付いたまま分離手段154による分離を受けずに定着ニップ部Nとは反対側に巻き込まれる事態を生じることがある。
本実施形態では、定着ベルト101の逆回転時に、調整機構170により定着ベルト101と分離手段154との間の隙間Sの値を調整することにより、逆回転時の定着ベルトの変形パターンの個体ばらつきや、記録媒体の巻き付き易さに起因した定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを抑制する。
即ち、定着装置内での記録媒体ジャムが発生した後に定着ベルトを逆回転させる制御を行うと、定着ニップNに挟まっていた記録媒体が、定着ベルトにそのまま巻き付くことがある。定着ベルトと分離手段154との間隔を狭くすれば記録媒体の巻き付きを抑制することができる。しかし、定着ベルトの形状の個体差により、隙間Sの値にはバラツキがあり、依然として記録媒体の巻き込みは発生する。
本発明では、画像形成装置に搭載された定着装置100を構成する定着ベルト固有の変形パターン、変形態様に応じて最適な分離性能を発揮できるように隙間Sを調整可能としている。
また、ジャム処理のための定着ベルトの逆転時に定着ベルトに巻き付きやすい性質を有した記録媒体を使用する場合には、この記録媒体に応じて隙間Sを広狭調整することにより、巻き付きの発生を事前に防止することが可能となる。
次に、隙間Sを狭くし過ぎると、定着ベルトの逆転によって定着ベルト外周に巻き付いた記録媒体を手作業により引き抜く際に、記録媒体を介して定着ベルトに負荷がかかって定着ベルトを損傷することもある。
本発明の他の実施形態では、隙間Sの値を調整して定着ベルトへの巻き付きを抑制するのみならず、定着ベルトと分離手段との間に入り込んだ記録媒体を抜き取る際に定着ベルトに加わる負荷を減らすことで定着ベルトを保護することができる。
図2の実施形態に係る定着装置100では、調整機構170を、定着ベルトとの位置関係が固定された固定側分離手段171と、固定側分離手段171に沿って進退することにより隙間Sの値を可変にする可動側分離手段(隙間調整手段)175と、から構成している。
可動側分離手段175は先端部を定着ニップ部Nの入口に向けて進退させることができる支持構造であれば、どのように支持されていてもよい。本例では、固定側分離手段171に図示しない複数の長穴を設けると共に、可動側分離手段175にはこれらの長穴と整合する丸穴を設ける。更に、各長穴と各丸穴にビスを挿通することにより、固定側分離手段171によって可動側分離手段175を定着ニップ部Nの入口方向に向けて進退自在に支持する。
このように構成することにより、定着装置毎の特性に合わせて、定着ベルトと分離手段154の先端部との間の隙間Sを最も適した値に調整することができる。
また、調整機構170を用いて分離手段154の先端部と定着ベルト101との間の隙間Sを最適に調整したとしても、記録媒体の紙種や使用環境次第では、定着ベルトの逆転時に定着ベルト側に記録媒体を巻き込む可能性がある。その場合、可動側分離手段175が定着ベルトと接近し過ぎて隙間が狭くなっていると、手作業により記録媒体を抜取り処理する際に定着ベルトに過大な負荷がかかる可能性がある(図3)。
本実施形態によれば、図4に示したように手作業により可動側分離手段175を定着ニップ部Nから離間する方向へ退避させるように構成することにより、隙間Sを拡大し、記録媒体を弛みやすくすることができる。このため、定着ベルトに負荷を掛けることなく、定着ベルトに巻き付いた記録媒体を手作業により分離手段154との間の隙間から容易に抜き取ることができ、定着ベルトの損傷を防止できる。
図5(a)及び(b)は可動側分離手段を進退自在に構成した一例を示している。
この実施形態に係る調整機構170は、固定側分離手段171に複数の丸穴を設けると共に、可動側分離手段175にはこれらの丸穴と整合する位置関係にある長穴175aを設ける。更に、各丸穴と各長穴にビスやピンを挿通することにより、固定側分離手段171によって可動側分離手段175を定着ニップ部Nの入口方向に向けて進退自在、且つ無段階に位置調整可能に支持する。更に、図示のように固定側分離手段171と可動側分離手段175との間に配置した圧縮スプリング(弾性部材)177によって可動側分離手段175を常時定着ベルトへ向かう突出方向へ付勢する。可動側分離手段175に外力を加えない時には、圧縮スプリング177によって突出方向へ付勢された可動側分離手段175が定着ベルトとの間に必要十分な隙間Sを形成する。そして、ジャムが発生したために定着ローラを逆転させた結果として記録媒体が定着ローラに巻き込まれた場合には、圧縮スプリング177に抗して可動側分離手段175を退避させることにより、定着ベルトへの負荷を減らしながら記録媒体を抜き取ることができる。
次に、図6は本発明の他の実施形態に係る定着装置の構成説明図である。
この定着装置100は、定着ベルト101の逆回転時に、加圧ローラ150と定着ベルト101との定着ニップ部Nへ記録媒体Pを搬送する直線的な正規の搬送経路Rよりも、定着ニップ部Nによりニップされた記録媒体の後部が加圧ローラ寄り(定着ベルト101、或いは分離手段154から離間する方向)に偏位するように付勢する付勢手段を設けたことにより、記録媒体の巻き込みを防止している。
具体的には、定着装置の上流側には転写ローラ対(ローラ対)5が配置されているが、定着ベルトの逆回転時に、転写ローラ対5により形成される転写ニップ部Mと定着ニップ部Nとを結ぶ直線(正規の搬送経路)Rよりも、定着ニップ部Nによりニップされた記録媒体Pの後部を加圧ローラ寄りに偏位させる。これを更に言い換えれば、定着ベルトの逆回転時にのみ、定着ニップ部Nにより挟持された部分よりも後方(上流側)の記録媒体部分を、定着ニップ部N入口の最上流点と、転写ニップ部M出口の最下流点を結んだ直線である正規の搬送経路Rよりも加圧ローラ側(定着ベルトとは反対側)に移動(位置)させるようにしている。
このように構成すれば、定着ベルトの逆回転時に、記録媒体は定着ベルトに巻き込まれる方向、即ち分離手段154側には変形せず、定着ベルトから容易に分離させることができる。
図7は、ジャム処理のために定着ローラを逆回転させる時に記録媒体を正規の搬送経路Rよりも加圧ローラ側に移動させるための構成例を示している。
この例では、ジャム処理のために定着ローラを逆回転させる時に記録媒体を正規の搬送経路Rよりも加圧ローラ側に移動させるための付勢手段として、記録媒体に向けてエアーを噴射するエアー噴射手段180を用いている。エアー噴射手段180の噴射口を上記搬送経路Rよりも左側(定着ベルト側)に配置して記録媒体の左側面にエアーを吹き付けて右方向へ付勢して変形させるようにしている。
ジャム発生時に定着ニップ部N入口より上流位置において、分離手段154側から記録媒体後部に向けてエアーを噴射することで、記録媒体を加圧ローラ側に変形させることができる。即ち、ジャム処理のために定着ベルトを逆回転させる際に、定着ベルトに記録媒体が巻き付く方向とは逆方向にエアーを噴射することにより、定着ベルトに巻き付きやすい記録媒体の後部を定着ベルトから離間する方向へ変形させることができる。この結果、分離手段154による分離性能を高めることができる。
また、エアー噴射手段180から噴射したエアーが定着ベルトの外周に沿って流動して行くことにより、間接的にではあるが、熱源105と近接する定着ベルトの部位(定着ニップ部Nと反対領域)の昇温を送風によって低下させて過昇温を抑制することができる。
エアー噴射手段180としては、画像形成装置本体で使用している冷却ファン182を利用することができる。冷却ファン182からのエアーは、ダクト183を通して定着ニップ部によりニップされた記録媒体の後部へ向けて噴射されるように構成する。ダクト183には、図示しないソレノイド等により開閉する開閉弁(或いは、電磁弁)を設けてエアーの供給をオンオフできるように構成する。この場合、制御手段160は、ジャム処理のために定着ベルトを逆回転開始させるのに伴って開閉弁を開放することで、効率良くファンを利用することができる。
また、図7中に示したようにダクト先端に複数の噴射穴183aを記録媒体の搬送方向に沿って配列し、これらの噴射穴から噴射させるようにする。
エアーを噴射する範囲は、記録媒体の幅方向全長に渡ることが好ましいが、巻き込み防止に十分であれば幅方向の一部であってもよい。
なお、上記実施形態では付勢手段として、搬送経路Rよりも左側に配置したエアー噴射装置180を用い、エアー噴射手段によって記録媒体に向けてエアーを噴射するようにしたが、搬送経路Rの右側(加圧ローラ側)に配置した図示しないエアー吸引装置によって記録媒体の後部を右方向に吸引するようにしてもよい。
図8は上記実施形態において定着ベルトを逆回転させる際にエアー噴射手段を作動させる場合の手順(ジャム処理手順)を示したフローチャートである。
画像形成装置1が画像形成動作を開始して定着装置100が定着動作を開始し、定着装置内でジャムが発生した場合には(S1、2、S3 YES)、駆動源155を停止させてから逆転させると共に、エアー噴射手段180を作動させて記録媒体後部に向けてエアーを噴射させる(S4)。その後、画像形成装置本体のドアーをオープンしてのジャム処理を行ってドアーを閉じた後で(S5、6)、ステップ7において定着装置内のジャムが解消したか否かを判定する。ジャムが解消した場合には、ステップ8においてジョブが終了したか否かを判定し、ジョブが終了していない場合にはステップ2に戻って画像形成動作を再開する。
ステップ3において定着装置内でのジャムが発生したか否かの判断、及びステップ7におけるジャム解消の有無の判断は、周知のジャム検知手段により行う。
次に、図9は図7の変形実施形態であり、この実施形態では付勢手段としてプッシュソレノイド191によって搬送経路Rへ向けて出没する出没部材192を用いている。プッシュソレノイド191と出没部材192は、記録媒体押圧手段190を構成している。
なお、プッシュソレノイド191は、可動鉄心(プランジャー)の一端にプッシュバー193を設け、励磁によって可動鉄心が吸引された時に反対方向へプッシュバー193を突出させる構成を有する。出没部材192はプッシュバー193の先端に固定されている。
この実施形態では、制御手段160は、常時においてはプッシュソレノイド191に通電せずに出没部材192を破線で示した退避位置に保持している。一方、ジャム発生時には、ジャム処理のために駆動源155を制御して定着ベルト101を逆回転させる際に所定のタイミングでプッシュソレノイドを励磁して出没部材192を搬送経路R側に突出させ、その後励磁を切って初期位置に退避させる。出没部材192が定着ニップ部Nによりニップされた記録媒体の後部を押圧して定着ベルトから離間させる方向へ付勢することにより、記録媒体が定着ベルト外面に吸着されて巻き込まれることを防止できる。
出没部材192は、記録媒体の幅方向に長尺な構成を有し、記録媒体の全長、或いは少なくともその一部を押圧するように構成する。
この実施形態におけるジャム処理手順を図8のフローチャートを流用して説明すれば次の通りである。
即ち、画像形成装置1が画像形成動作を開始して定着装置100が定着動作を開始し、定着装置内でジャムが発生した場合には(S1、2、S3 YES)、駆動源155を停止させてから逆転させると共に、プッシュソレノイドを励磁してプッシュバー193を突出させることにより出没部材192により記録媒体後部を押圧する(S4)。押圧後はプッシュソレノイドの励磁を解消して出没部材を初期位置に退避させる。その後、画像形成装置のドアーをオープンしてのジャム処理を行ってドアーを閉じた後で(S5、6)、ステップ7において定着装置内のジャムが解消したか否かを判定する。ジャムが解消した場合には、ステップ8においてジョブが終了したか否かを判定し、ジョブが終了していない場合にはステップ2に戻って画像形成動作を再開する。
次に、本発明の他の実施形態では、上記の各実施形態に係る定着装置100において、ジャム発生時に定着ベルト101を逆回転、正回転させる動作を繰り返して行う。この動作により定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを防止する。
これによれば、ジャム発生時に定着ベルトを逆回転する際に、記録媒体が定着ベルトに巻き付くことを防止でき、定着ニップ部から記録媒体を容易に取り出すことができる。
<本発明の定着装置の構成、作用、効果のまとめ>
第1の本発明に係る定着装置100は、熱源105と、熱源を内部に有して回転自在に支持され、且つ該熱源により加熱される無端状の定着ベルト(定着部材)101と、定着ベルトと接して定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ150と、定着ベルトを正回転、及び逆回転させる駆動源155と、定着ニップ部Nに記録媒体Pが位置している状態で定着ベルトが逆回転した時に記録媒体の巻き込みを防止する分離手段154と、を備え、定着ベルト101と分離手段154との間の隙間Sの値を調整する調整機構170を備えたことを特徴とする。
これによれば、逆回転時における定着ベルトの変形パターン、変形態様の固体バラツキに起因した分離手段154との隙間Sのバラツキを抑え、定着ベルト側への記録媒体の巻き付きを効果的に防止することができる。
また、記録媒体の巻き付き易さに応じて隙間を調整することにより、記録媒体の性質、状態等に起因した定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを抑制することができる。
定着装置内での記録媒体ジャムが発生した後に定着ベルトを逆回転させる制御を行うと、定着ニップNに挟まっていた記録媒体が、定着ベルトにそのまま巻き付くことがある。定着ベルトと分離手段154との間隔を狭くすれば記録媒体の巻き付きを抑制することができる。しかし、定着ベルトの形状の個体差により、隙間Sの値にはバラツキがあり、依然として記録媒体の巻き込みは発生する。
本発明では、隙間Sを調整可能にすることで、逆回転時の定着ベルトの変形パターンの個体ばらつきや、記録媒体の性質、状態等に起因した、定着ベルトへの記録媒体の巻き付きを抑制することができる。
第2の本発明に係る定着装置100では、調整機構170は、定着ベルトとの位置関係が固定した固定側分離手段171と、該固定側分離手段によって定着ベルトに向けて進退自在に支持された隙間調整手段175と、を備えている。
これによれば、隙間調整手段175を操作することにより、定着ベルトと分離手段の隙間Sを拡げ、定着ベルトに巻き付いた記録媒体を容易に引き抜くことができる。更に、記録媒体を引き抜く際に生じる定着ベルトへの負荷を減らすことが可能になり、定着ベルト表層への傷を緩和させることができる。
第3の本発明に係る定着装置100では、定着ベルト101の逆回転時に、定着ニップ部Nと、定着ニップ部の搬送方向上流に配置されたローラ対との間を結ぶ正規の搬送経路Rよりも、定着ニップ部にニップされた記録媒体Pの後部を定着ベルトから離間する方向へ付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする。
これによれば、ジャム発生後の定着ベルトの逆回転時に、定着ニップ部よりも後方(上流側)に位置する記録媒体の後部を付勢して定着ベルトから離間する方向(加圧ローラ側)へ付勢するので、定着ベルトへの巻き付きを防止できる。即ち、ジャム発生時に記録媒体に巻き付く方向と逆向きに記録媒体後部を押圧、付勢することで、定着ベルトとの分離性を向上させることができる。
第4の本発明では、付勢手段は、前記定着ニップ部にニップされた記録媒体の後部にエアーを噴射するエアー噴射手段180であることを特徴とする。
これによれば、ジャム発生後の転写ベルトの逆回転時に記録媒体の後部に向けてエアーを噴射することで、記録媒体を定着ベルトから離間させる方向へ付勢して定着ベルトへの巻き付きを防止することができる。即ち、ジャム発生時に記録媒体に巻き付く方向とは逆向きにエアーを噴射することで、エアーにより定着ベルトとの分離性能を向上させることができる。また、間接的に定着ベルトにエアーを当てることで、定着ベルトの被加熱部位付近の過昇温の抑制にも繋がる。
エアー噴射手段180としては、画像形成装置内で使用しているファンを利用し、ジャム発生によって定着装置が異常停止した時に、ファンからのエアーをダクトを介して定着ニップ部の下流側に延びる記録媒体部位に向けて噴射させる。ダクトには開閉弁を設け、ジャム発生によりジャム処理が必要となった時にだけ、定着装置の上流側の搬送経路に向けてエアーを噴射するように制御する。これにより、共用されるファンを効率的にジャム処理用に利用することが可能となる。
第5の本発明の定着装置100では、駆動源155を制御する制御手段160を備え、制御手段160は、定着ニップ部Nに記録媒体Pが位置している状態で定着ベルト101を逆回転、正回転させる動作を繰り返すことにより、記録媒体が定着ベルトに巻き付くことを防止することを特徴とする。
これによれば、記録媒体は定着ベルトに巻き付くことなく定着ニップ部から離脱することができる。
1…画像形成装置、3…給送ローラ、4…レジストローラ対、5…2次転写ローラ、7…排紙ローラ、8…光書込装置、9…トナーボトル、10…転写ベルトユニット、11…転写ベルト、13…中間転写ベルトクリーニング装置、17…排紙トレイ、20…感光体ドラム、30…帯電装置、40…現像装置、50…クリーニング装置、61…シート給送装置、72…駆動ローラ、73…従動ローラ、100…定着装置、101…定着ベルト(定着部材)、105…熱源、120…ニップ形成部材、122…支持部材、125…保持部材、127…反射部材、129…ベルト保護部材、150…加圧ローラ、151…芯金、152…弾性ゴム層、154…分離手段、155…駆動源(モータ)、160…制御手段、170…調整機構、171…固定側分離手段、175…可動側分離手段、177…圧縮スプリング(弾性部材)、180…エアー噴射手段(付勢手段)、182…冷却ファン、183…ダクト、190…記録媒体押圧手段(付勢手段)、191…プッシュソレノイド、192…出没部材
特開2004−286922公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205公報 特開平06−191102号公報 特開平08−082968号公報

Claims (6)

  1. 熱源と、該熱源を内部に有して回転自在に支持され、且つ該熱源により加熱される無端状の定着部材と、前記定着部材と接して定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着部材を正回転、及び逆回転させる駆動源と、前記定着ニップ部に記録媒体が位置している状態で前記定着部材が逆回転した時に前記記録媒体の巻き込みを防止する分離手段と、を備えた定着装置であって、
    前記定着部材と前記分離手段の隙間の値を調整する調整機構を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記調整機構は、位置が固定した固定側分離手段と、該固定側分離手段によって前記定着部材に向けて進退自在に支持された隙間調整手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材の逆回転時に、前記定着ニップ部と、該定着ニップ部の搬送方向上流に配置されたローラ対との間を結ぶ正規の搬送経路よりも、前記定着ニップ部にニップされた記録媒体の後部を前記定着ベルトから離間する方向へ付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記付勢手段は、前記定着ニップ部にニップされた記録媒体の後部にエアーを噴射するエアー噴射手段であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記駆動源を制御する制御手段を備え、該制御手段は、前記定着ニップ部に記録媒体が位置している状態で前記定着部材を逆回転、正回転させる動作を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015194579A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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