JP2014172963A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録装置、及びインク記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録装置、及びインク記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】インクの保存安定性が良好で、高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供する。
【解決手段】少なくとも、水、湿潤剤、着色剤を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、前記湿潤剤がイソプロピリデングリセロール及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含有し、前記着色剤がBET比表面積90〜150m/gのカーボンブラックをオゾン酸化して揮発分を10〜20%としたカーボンブラックであるインクジェット記録用インク。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット記録用インクに関し、詳しくは、該インクジェット記録用インク、並びに該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを用いるインクジェット記録方法、記録装置、及びインク記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。
インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて素早く乾燥させることにより(あるいは記録媒体に浸透させることにより)画像を形成する方式である。インクジェット記録方式は、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
インクジェット記録装置には、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは、耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。
しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性が未だ劣る。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。
また、近年特に産業用途としての需要が高まり、高速化印字化が望まれている。高速印字化に伴いラインヘッドを搭載したインクジェットプリンターも提案されてきている。高速印字化のために記録媒体に付着したインクの乾燥速度を速める為に、インクに浸透剤を添加し水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられる。しかしながら、かかる手段では水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうということが起こる。
インクの吐出安定性や保存安定性を改善し画像濃度を向上させる手段として、特許文献1には、湿潤剤がイソプロピリデングリセロール及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含有し、着色剤として分散剤の不存在下で水分散性を示す自己分散性顔料を含有するインクジェット記録用インクが提案されている。
自己分散性顔料は湿式酸化処理する方法により得られるが、カーボンブラックを次亜塩素酸で酸化し(特許文献2)、カーボンブラックの表面官能基量/比表面積の比をコントロールする方法やペルオキソ2硫酸塩を用いた湿式酸化(特許文献3)を行う方法がある。
しかしながら、特許文献2に記載されたインクにおいては、カーボンブラックの次亜塩素酸塩による処理で水を溶媒として使用する為、脱水や洗浄等が必要であり、洗浄において塩等が残留するので、この次亜塩素酸で酸化処理されたカーボンブラックを含有するインクをインクジェット記録に使用した場合、インク保存安定性が十分満足できるものではなく、また普通紙の場合は画像濃度の点でも十分に満足できるものではなかった。
また特許文献3に記載されたインクにおいては、分散安定性を向上させる目的で、カーボンブラックの表面官能基量・比表面積などを規定するものであるが、ペルオキソ2硫酸塩等を用いた湿式酸化であり、前記特許文献2に記載されたインクの場合と同じ理由で、保存安定性及び画像濃度において満足できるものではない。
また、特許文献4には、オゾンにより酸化処理したカーボンブラックの揮発分を25%以上、好ましくは30%に規定したカーボンブラックの使用が提案されている。しかしながら、揮発分が高いと水分散性は向上するが、酸化時の不純物増加による安定性の低下が生じ、水への相溶性が高くなりすぎて、水とともに紙への顔料の浸透が発生し易くなり、十分な画像濃度が得られない。
さらに、特許文献5には、DIN ISO787/5に基づく吸油量が800〜1000g/100gであり且つBET比表面積が250〜500m2 /gであるカーボンブラックの使用が提案されている。しかしながら、BET比表面積が高いと分散が不十分となって、十分な画像濃度が得られない。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、インクの保存安定性が良好で、高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、少なくとも、水、湿潤剤、着色剤を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、前記湿潤剤が下記(式1)で示されるイソプロピリデングリセロール及び下記(式2)で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含有し、前記着色剤がBET比表面積90〜150m/gのカーボンブラックをオゾン酸化して揮発分を10〜20質量%としたカーボンブラックであることを特徴とするインクジェット記録用インクである。
上記のインクジェット記録用インクによれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができる。即ち、本発明は、インクの保存安定性が良好で、高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インクを提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一例を示す説明図である。 本発明のインクカートリッジ(図1)のケース(外装)を含めた説明図である。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略図である。 図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大説明図である。 図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大説明図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
<インクジェット記録用インク>
本発明のインクジェット記録用インク(以下「インク」ということもある)は、少なくとも、水、湿潤剤及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。具体的には、前記湿潤剤が下記(式1)で示されるイソプロピリデングリセロール及び下記(式2)で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含有し、かつ前記着色剤がBET比表面積90〜150m/gのカーボンブラックをオゾン酸化して揮発分を10〜20質量%としたカーボンブラックであるとするものである。
〔水〕
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の配合量はインク総量に対して20〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
〔湿潤剤〕
本発明のインクには湿潤剤として、前記式1で示されるイソプロピリデングリセロール及び前記式2で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含む。イソプロピリデングリセロールと3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとが併用される場合には、それらの混合割合は任意に採用することができる。
前記湿潤剤が含有されることの効果の理由は必ずしも明らかにされていないが、色材(着色剤)と共に紙中に浸透しにくく、色材が紙表面に留まり高い画像濃度が得られるものと考えられる。
上記本発明の湿潤剤は、好ましくは、以下の(1)、(2)、(3)、(4)から選択されるいずれかである。
(1)イソプロピリデングリセロールとグリセリンの組合せからなる湿潤剤
(2)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリンを含有する湿潤剤
(3)次の(i)と(ii)の組合せからなる湿潤剤
(i)イソプロピリデングリセロールとグリセリン
(ii)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種
(4)次の(iii)と(iv)の組合せからなる湿潤剤
(iii)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリン
(iv)1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種
前記(1)、(2)の湿潤剤に対して、前記(3)及び(4)の湿潤剤は、イソプロピリデングリセロール又は3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリン以外に、更に別の湿潤剤を組み合わせることにより、各々の湿潤剤の特徴を活かすことができ、粘度調製が容易に可能となるという利点がある。
これらの中でも、イソプロピリデングリセロールとグリセリンとの組み合わせ、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリンとの組み合わせ、イソプロピリデングリセロールと、グリセリンと、2−ピロリドンとの組み合わせ、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと、グリセリンと、2−ピロリドンとの組み合わせ、などが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクには、上記湿潤剤以外にも、必要に応じて所定の湿潤剤を併用することもできる。
前記所定の湿潤剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤、などが挙げられる。
(多価アルコール類)
前記多価アルコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、などが挙げられる。
(多価アルコールアルキルエーテル類)
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
(多価アルコールアリールエーテル類)
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
(含窒素複素環化合物)
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
(アミド類)
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
(アミン類)
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
(含硫黄化合物類)
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
(その他の湿潤剤)
前記その他の湿潤剤としては、糖類を含有してなるのが好ましい。該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
前記湿潤剤のインク中における含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。前記含有量が20質量%未満であると、インク吐出安定性が低下することがあり、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
ただし、前記湿潤剤に占める前記(式1)で示されるイソプロピリデングリセロール及び/又は前記(式2)で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの量は、10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%が適当である。
顔料と前記湿潤剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。従って、本発明にインクにおいては、湿潤剤100質量部に対して、顔料5〜60質量部、好ましくは顔料10〜40質量部の配合割合が適当である。
〔着色剤〕
本発明のインクでは、BET比表面積が90〜150m/g、好ましくは80〜130m/gのカーボンブラックを、オゾン処理により酸化して揮発分を10〜20質量%、好ましくは12〜18質量%に調整したカーボンブラック(以降、オゾン処理により酸化したカーボンブラックを「オゾン酸化カーボンブラック」ということがある)を使用する。
原料のカーボンブラックのBET比表面積が90m/g未満のものでは画像濃度が低くなる。一方、BET比表面積が150m/gを超えるとオゾン酸化カーボンブラック分散液及び該オゾン酸化カーボンブラック分散液を使用したインクジェット記録用インクにおける高温保存時のカーボンブラック粒子径及び/又は粘度の変化が大きくなる。
なお、本発明におけるBET比表面積は、DIN 66132記載の測定方法による値である。
また、オゾン酸化カーボンブラックの揮発分を10質量%以上とすることにより、染料インクを用いた場合に比べて同等、あるいはそれ以上の高い印字濃度が得られる。しかし、揮発分が20質量%を超えると、インクジェット記録装置で吐出させた場合に印字不良発生率が高くなり易い。
なお、本発明における揮発分は、DIN 53 552記載の測定方法による値である。
オゾン処理の方法は特に限定されないが、カーボンブラックにオゾンガスを流通させる乾式方法が、酸化処理能力が高いので好ましい。水を介した処理では、水とオゾンの反応が発生する為、十分な酸化が出来ない場合がある。オゾンは、オゾン発生装置に空気又は酸素を通すことにより得られる。
揮発分の調整は、オゾン量と処理時間を調整すれば制御でき、オゾン量を上げるか又は処理時間を長くすれば、揮発分の多いカーボンブラックが得られる。処理時間と揮発分はほぼ比例関係にあるが、ある時間を越えると揮発分が飽和に達するので、揮発分を確認しながら調整する必要がある。また酸化処理する前のカーボンブラックの特性や不純物等により上記条件を適宜調整すればよい。
具体的には、オゾン濃度は3〜20g/m3 、処理時間は0.5〜20時間、圧力は加圧、減圧も考えられるが、経済上、安全上の点で、常圧で行うのが好ましい。反応容器のタイプとしては、固定床、流動床を問わず、温度については、粉塵爆発が起こらない程度の温度管理を行うこととする。
原料のカーボンブラックは、BET比表面積が90〜150m/g、好ましくは100〜130m/gであればよいが、画像濃度の面で吸油量(DIN ISO 787/5法)が230g/100g以上、好ましくは100〜800g/100gのものが好ましい。またファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ガスブラック等の種々のカーボンブラックが使用可能であるが、画像濃度の面でガスブラックが好ましい。また平均一次粒子径が13〜30nmのものが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真を用いて粒子を撮影し、撮影画像の粒子の径と数から算出することができる。
本発明の着色剤には、上記オゾン酸化カーボンブラックに加えて、表面を酸化処理やアルカリ処理したもの、樹脂で被覆したもの、グラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも併用可能である。しかしながら、分散剤で表面を覆う為には、樹脂被覆等の処理をされていないものが好ましい。併用するカーボンブラックの平均一次粒子径は10〜50nm、BET比表面積は50〜400m/g、DBP吸収量は40〜500mL/100g、揮発分は0.5〜20質量%、pHは2〜9が好ましい。
ただし、本発明のインクにおいては着色剤に占める上記オゾン酸化カーボンブラックの量は、50〜100質量%、好ましくは60〜100質量%が適当である。
前記着色剤のインク中における含有量は、1〜20質量%が好ましく、2〜16質量%がより好ましい。前記含有量が2質量%未満であると印字濃度が不十分であり、またインク吐出安定性が低下することがある。一方、16重量%を超えて使用しても印字濃度の大幅な向上が図れない虞れがあり、また紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。このため、着色剤のインク中における含有量は上記範囲内とすることが好ましい。
本発明のオゾン酸化カーボンブラックを含有するインクが画像濃度と保存安定性を両立できる理由は必ずしも明らかにされていないが、以下のように推測される。
即ち、本発明者らが湿式酸化のカーボンブラックの揮発分について検討した結果、揮発分が高くなると紙表面へのカーボンブラックの留まる傾向となり画像濃度が高くなる。画像濃度は揮発分が約20質量%を超えると向上するが、更に高くなると飽和傾向となり十分な画像濃度が得られないことが分かった。また揮発分が高くなるにつれカーボンブラックの親水性が高くなり分散性が向上するが、酸化による不純物が増えるため、インクの経時安定性が悪くなることも分かり、画像濃度とインクの保存安定性の両立できず、更に比表面積と揮発分の比率を検討したが両立できなかった。
そこで、本発明者らは更なる検討を行い、酸化方法をオゾン処理で行うことで、揮発分が10〜20質量%であってもBET比表面積を90〜150m/gにすることで画像濃度と保存性安定性の両方を満足することができる結果に至った。更に顔料を水中で分散した顔料分散液のpHを6〜8に調整することにより画像濃度を向上させることができることも判った。pH調整には金属水酸化物を用いることが好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
実際に本発明のインクを調製するには、オゾン酸化カーボンブラックを水に分散しpH調整して顔料分散液とし、この顔料分散液(カーボンブラック分散液)を湿潤剤、水等とともに混合して行なわれる。この際の顔料分散液中の顔料濃度は0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%が特に好ましい。
更に、顔料分散液に酸価40〜100mgKOH/gのエーテル型ポリウレタン樹脂を含有させると、画像濃度を維持したまま、保存安定性を向上させることができる。なお、酸価はJIS K0070に準拠した方法により測定した値である。
〔分散剤〕
また、顔料分散液には、本発明の効果を損なわない範囲で分散剤を使用してもよい。分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(アニオン界面活性剤)
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
(カチオン界面活性剤)
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
(ノニオン界面活性剤)
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤。
〔その他の成分〕
その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、浸透剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などの公知の各種添加剤が挙げられる。
(浸透剤)
前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物及び炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は、前記湿潤剤と別なものであり、前記湿潤剤よりも湿潤性が比較的少ないので、非湿潤剤性ものということができるが、ここで、非湿潤剤性とはこのような意味である。これらは、25℃の水中において0.2質量%〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては例えば2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤のインク中における含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがある。一方、前記含有量が、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが8.5未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えばpHメータHM−30R(TOA−DKK社製)により測定することができる。
(アルコールアミン類)
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
(アンモニウムの水酸化物)
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。
インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
上記平均粒子径(D50)は常法により測定することができ、例えば、日機装社製の粒度分析計UPA150を使用して測定できる。また、平均粒子径(D50)は、分散機を用いて水分散性樹脂を分散する際に、分散機回転部周速、分散時間、分散液流量、分散液温度によって制御することが可能である。
前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(キレート試薬)
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム、等が挙げられる。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、等が挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、等が挙げられる。
<インクジェット用インクの製法>
本実施形態のインクジェット用インクは、少なくとも水分散性着色剤、湿潤剤及び水、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクジェット記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット記録用インクの25℃での粘度は3〜20mPa・sが好ましく、3〜15mPa・sがより好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。インク粘度の調整は、界面活性剤、溶剤により行なうのが好ましい。
なお前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業社製)を使用して、25℃で測定することができる。
また、前記インクジェット記録用インクの表面張力としては、25℃で、40mN/m以下が好ましく、10〜35mN/mがより好ましい。インクの表面張力が10〜30mN/mである場合には、インクの浸透性が高められて普通紙に記録した場合にも乾燥性が良好となり、ブリードが低減される。前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリング(記録媒体表面に均一にインクを濡らし広げること)が起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。インクの表面張力の調整は、界面活性剤により行なうのが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインクカートリッジの一態様について、図1および図2を参照して説明する。
図1は本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
<インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。
具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なる。飛翔の態様として例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略図である。この図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。また、インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。
サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ200から前記インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備える。また、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。
この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。
なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。
そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ200中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ200における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。
また、インクカートリッジ200は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。
したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
<インク記録物>
本発明のインクジェット記録方法により記録されたものが本発明のインク記録物である。具体的には、本発明のインク記録物は、記録用メディア上に本発明のインクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。
前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。これまでにおいては、印刷用塗工紙は乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない
実施例及び比較例では、カーボンブラック分散液を調製し、これを用いてインクを作成した。なお、例中の「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
(調製例1)カーボンブラック分散液A
デグサ社製カーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))
200gを筒状のオゾン処理器に入れ、オゾン発生器(コトヒラ工業社製:KQS−120)によりオゾン6g/hを発生させ、オゾン雰囲気下、処理温度を約30℃に保ってオゾン酸化処理を行い、オゾン酸化カーボンブラックaを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックaの揮発分は13%、BET比表面積は110m/gであった。
上記オゾン酸化カーボンブラック20.0部と蒸留水70.0部にNaOHの20%水溶液を加え、pHを7.0に調整した後、全量で100部になるよう蒸留水を加えた。
次いで、上記pH調整した材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製:KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した。遠心分離機(久保田商事社製:Model−3600)により粗大粒子(粒径3000nm以上の粒子)を分離し、カーボンブラック分散液Aを得た。
なお、前記の“吸油量”は「DIN ISO 787/5法」で求めたものである(以下同じ)。
(調製例2)カーボンブラック分散液B
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック(PRINTEX140(吸油量450g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックbを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックbの揮発分は10%、BET比表面積は90m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックbを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Bを得た。
(調製例3)カーボンブラック分散液C
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック(PRINTEX140(吸油量450g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックcを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックcの揮発分は20%、BET比表面積は90m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックcを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Cを得た。
(調製例4)カーボンブラック分散液D
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック:NIPEX160(吸油量620g/100g)を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックdを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックdの揮発分は10%、BET比表面積は150m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックdを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Dを得た。
(調製例5)カーボンブラック分散液E
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック(NIPEX160(吸油量620g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックeを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックeの揮発分は20%、BET比表面積は150m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックeを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Eを得た。
(調製例6)カーボンブラック分散液F
調製例1と同じオゾン酸化カーボンブラックを用い、NaOH 20%水溶液の量を変えてpH6とした以外は調製例1と同様にして、カーボンブラック分散液Fを得た。
(調製例7)カーボンブラック分散液G
調製例1と同じオゾン酸化カーボンブラックを用い、NaOH 20%水溶液の量を変えてpH8とした以外は調製例1と同様にして、カーボンブラック分散液Gを得た。
(比較調製例1)カーボンブラック分散液H
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック(PRINTEX35(吸油量42g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックhを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックhの揮発分は13%、BET比表面積は65m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックhを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Hを得た。
(比較調製例2)カーボンブラック分散液I
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))の代わりにデグサ社製カーボンブラック(NIPEX170(吸油量760g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックiを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックiの揮発分は13%、BET比表面積は200m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックiを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Iを得た。
(比較調製例3)カーボンブラック分散液J
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックjを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックjの揮発分は7%、BET比表面積は110m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックjを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Jを得た。
(比較調製例4)カーボンブラック分散液K
調製例1のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))を用い、オゾン発生量及び処理時間を調整したこと以外は調製例1と同様にして、オゾン酸化カーボンブラックkを得た。得られたオゾン酸化カーボンブラックkの揮発分は28%、BET比表面積は110m/gであった。
次いで、上記のオゾン酸化カーボンブラックkを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Kを得た。
(比較調製例5)カーボンブラック分散液L
デグサ社製のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))100gを蒸留水500gに混合し、撹拌しながら次亜塩素酸Na水溶液(12%)を1000g滴下し、6時間煮沸して湿式酸化を行った。次いで、ガラス繊維でろ過し、蒸留水で洗浄した後、100℃の高温槽で乾燥させた。得られた酸化カーボンブラックlの揮発分は13%、BET比表面積は110m/gであった。
次いで、上記の酸化カーボンブラックlを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Lを得た。
(比較調製例6)カーボンブラック分散液M
デグサ社製のカーボンブラック(PRINTEX−U(吸油量460g/100g))100gを蒸留水500gに混合し、撹拌しながらペルオキソ2硫酸Na水溶液(10%)を600g滴下し、6時間煮沸して湿式酸化を行った。次いで、ガラス繊維でろ過し、蒸留水で洗浄した後、100℃の高温槽で乾燥させた。得られた酸化カーボンブラックmの揮発分は13%、BET比表面積は110m/gであった。
次いで、上記の酸化カーボンブラックmを調製例1のオゾン酸化カーボンブラックaの代わりに用いた以外は調製例1と同様にしてカーボンブラック分散液Mを得た。
表1に,前記のカーボンブラック調整例及び比較調整例をまとめて示す。なお、表1中、「酸化後CB」は酸化後のカーボンブラックを意味している。
〔実施例1〜30、比較例1〜8〕
前記の調製例1〜7及び比較調製例1〜6のカーボンブラック顔料分散液を用い、これに湿潤剤、水等を加えインクを調製し、1時間30分撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過してインクジェット記録用インクを得た。
以下に、実施例1〜30のインクの構成を表2〜表5に、また比較例1〜8のインクの構成を表6に示す。なお、表中の数値は質量%を示す。
ここで、表2〜表6中の略号などは下記を意味する。
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子社製、ポリゾールROY6312、固形分37.2%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)20℃
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20%、ジプロピレングリコール含有)
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜30及び比較例1〜8の各インクジェット記録用インクを評価した。結果を表7に示す。
<保存安定性評価>
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化を下記基準により評価した。粘度変化率の数値の小さい方が良好である。粘度変化率は、式「粘度変化率(%)=(保存後粘度−保存前粘度)×100/保存前粘度」で求めた。
[評価基準]
○:粘度の変化が±10%以内
△:粘度の変化が±30%以内
×:粘度の変化が30%を超える
<画像濃度>
23℃50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー社製,IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートを用紙(MyPaper、リコー社製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測定し、下記評価基準により判定した。
印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:1.35以上
○:1.25以上
△:1.15以上
×:1.15未満
<インク吐出安定性>
32℃15%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー社製、IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、用紙(MyPaper、リコー社製)に600dpiの解像度で連続して200枚1セットを5セットの印字を行った。このときの吐出乱れや不吐出具合を下記基準により評価した。
なお、印刷パターンは、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
[評価基準]
◎:吐出乱れや不吐出は見られない
○:若干吐出乱れがあるが実使用上可
△:若干不吐出、吐出乱れが見られる
×:著しい不吐出、吐出乱れが見られる
<乾燥性>
前記の画像濃度の場合と同様にチャートを打ち出し、用紙(Type6200、リコー社製)に印写した印字面の「■」部を印字直後にNO.2濾紙を押し当て、転写の有無にて判定した。
〔評価基準〕
◎:転写汚れなし
○:わずかな転写汚れあるが実使用上可
△:転写汚れあり
×:著しい転写汚れあり
表7にみられるように、実施例1〜5と比較例1,2との比較より、本発明の湿潤剤は画像濃度が高く優れていることが分かる。
また、実施例1〜5と比較例7,8との比較より、本発明のオゾン酸化カーボンは、保存性、インク吐出性がよく優れていることが分かる。
また、実施例6〜11と比較例3〜6との比較より、BET比表面積と揮発分が本発明の範囲で、画像濃度と保存性が両立できることが分かる。
また、実施例12〜30と実施例1〜11の比較より、請求項2に記載の湿潤剤の併用は画像濃度が高く優れていることが分かる。
以上より、本発明のオゾン酸化カーボンブラックと湿潤剤の組合せにより、インクの保存安定性が良好で、普通紙で高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することが出来る。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
特開2008−163238号公報 特開2000−319572号公報 特開2004−224955号公報 特開2001−164148号公報 特開平10−251575号公報

Claims (6)

  1. 少なくとも、水、湿潤剤、着色剤を含有してなるインクジェット記録用インクにおいて、前記湿潤剤が下記(式1)で示されるイソプロピリデングリセロール及び下記(式2)で示される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの少なくともいずれかを含有し、前記着色剤がBET比表面積90〜150m/gのカーボンブラックをオゾン酸化して揮発分を10〜20質量%としたカーボンブラックであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記湿潤剤が、以下の(1)、(2)、(3)、(4)から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
    (1)イソプロピリデングリセロールとグリセリンの組合せからなる湿潤剤
    (2)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリンを含有する湿潤剤
    (3)次の(i)と(ii)の組合せからなる湿潤剤
    (i)イソプロピリデングリセロールとグリセリン
    (ii)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種
    (4)次の(iii)と(iv)の組合せからなる湿潤剤
    (iii)3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとグリセリン
    (iv)1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び2−ピロリドンから選択される少なくとも1種
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 記録メディア上に、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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