JP2014169981A - 表面汚染測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出器を対象表面に向けるだけで表面汚染密度を測定する。
【解決手段】表面汚染測定装置1は、測定対象物9の表面の放射能汚染を検出する表面汚染検出ヘッド5と、測定対象物9の表面の放射能汚染を評価する汚染評価処理部22とを備えている。表面汚染検出ヘッド5は、長手方向の一端にコリメータ57a,57bが設けられ、長手方向の他端が放射線の遮蔽材で閉ざされている中空の放射線の遮蔽体55と、遮蔽体55内部の長手方向の各位置に於いて放射線を検出するγ線検出器51a〜51cと、測定対象物9との距離センサ52とを備えている。汚染評価処理部22は、遮蔽体55内部の長手方向の各位置に於ける各線量率、これら線量率を検出した長手方向の各位置と測定対象物9との距離から、測定対象物9の表面の放射能汚染を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力プラントなどの高汚染区域で汚染量を測定する表面汚染測定装置に関する。
人間が近づけないほど高い放射能によって汚染された区域に於いて、測定対象物の表面汚染を迅速かつ高精度に測定することが喫緊の課題となっている。従来の放射線管理区域内で、放射能による表面汚染密度を測定する場合には、スミヤ法、ダイレクト法、サンプル法などが行われていた(非特許文献1参照)。
スミヤ法とは、対象物の表面の所定面積(通常100平方センチメートル)を、濾紙や化学雑巾などで拭き取り、この濾紙や化学雑巾などに付着した放射性物質の量を測定して間接的に非固定性の表面汚染を評価(測定)する方法である。ここで、非固定性の表面汚染とは、容易に表面から剥離して空気汚染などに移行可能なものである。
ダイレクト法とは、対象物表面を直接に汚染検査用サーベイメータで走査しながら測定する方法である。ダイレクト法によれば、非固定性汚染量と固定性汚染量との和、すなわち全汚染量を測定することができる。
サンプル法とは、対象物をサンプルとして採取して、このサンプルの放射性物質の量を測定する方法である。非固定性の表面汚染と固定性の表面汚染の両方を評価することができる。
財団法人原子力安全技術センター、「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル(2007年度版)」、双文社、2007年、1−6〜1−9頁
しかし、人間が近づけないような高汚染区域に於いて、ロボットを用いて測定対象物の表面汚染を測定するには、前記したスミヤ法、サンプル法、ダイレクト法は、以下のような問題を有しており、実用的ではない。
スミヤ法は、濾紙などで表面を拭き取って別室で計測するという2段階処理であり、時間が掛かる欠点がある。更に人間が近づけないような高汚染区域では、ロボットがアームによって測定対象物の表面を濾紙で拭き取ることが必要となり、複雑な構造を有する高機能なロボットが必要である。更にスミヤ法は、対象表面内に浸みこんだ汚染までは測定できない欠点を有している。
ダイレクト法は、一般的にバックグラウンド放射線の低い場所で用いられるものであり、高汚染区域では様々な影響因子からの影響を受けるため、対象物表面の線量率だけを評価することが困難という欠点がある。また、仮にバックグラウンド放射線の影響が評価できたとしても、対象物の表面汚染と、対象物の表面より奥からの放射線とを区別することはできない。
サンプル法は、スミヤ法と同様にサンプルを取得して別室で計測するという二段階処理であり、時間が掛かるという欠点がある。人間が近づけないような高汚染区域では、ロボットがアームによって測定対象物を削り取ることが必要となり、スミヤ法に適用するロボットよりも更に複雑な構造を有する高機能なロボットが必要である。
そこで、本発明は、検出器を対象表面に向けると表面汚染を測定することができる表面汚染測定装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、測定対象物の表面の放射能汚染を検出する表面汚染検出ヘッドと、前記測定対象物の表面の放射能汚染を評価する汚染評価処理部と、を備え、前記表面汚染検出ヘッドは、長手方向の一端にコリメータが設けられ、長手方向の他端が放射線の遮蔽材で閉ざされている中空の放射線の遮蔽体と、前記遮蔽体内部の長手方向の各位置に於いて放射線を検出する放射線検出器と、前記測定対象物との距離測定手段とを備え、前記汚染評価処理部は、前記遮蔽体内部の長手方向の各位置に於ける各線量率、前記線量率を検出した長手方向の各位置と前記測定対象物との距離から、前記測定対象物の表面の放射能汚染を評価する、ことを特徴とする表面汚染測定装置とした。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、検出器を対象表面に向けると表面汚染密度が測定できる表面汚染測定装置を提供することができる。
第1の実施形態に於ける表面汚染測定装置を示す概略の構成図である。 第1の実施形態に於ける表面汚染密度評価の概要を示す図である。 第1の実施形態に於ける線量測定処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に於ける汚染評価処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に於ける表面汚染測定装置の出力結果を示す図である。 第2の実施形態に於ける表面汚染測定装置を示す概略の構成図である。 第2の実施形態に於ける線量測定処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態に於ける線量測定器と線量測定回路を示す概略の構成図である。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に於ける表面汚染測定装置1を示す概略の構成図である。
表面汚染測定装置1は、表面汚染評価装置2と、表面汚染検出ヘッド5と、線量率を測定する線量測定回路4とを備えている。表面汚染評価装置2には、プリンタ3が接続されている。
表面汚染検出ヘッド5は、図示しないロボットのロボットアーム6に把持されて、測定対象物9の表面91の汚染と奥部92の汚染とを検出するものである。表面汚染検出ヘッド5は、γ線を検出して電気信号に変換する3個のγ線検出器51a,51b,51c(放射線検出器)と、距離を測定する距離センサ52(距離測定手段)と、γ線を遮蔽する単一の中空の遮蔽体55と、物理的な衝撃を和らげる緩衝材56と、γ線の入射方向を規制するコリメータ57a,57bとを備えている。表面汚染検出ヘッド5は、遮蔽体55の内部の長手方向の少なくとも3箇所に於ける線量率を測定するものである。距離センサ52は、レーザ光を照射して測定対象物9との距離を測定するレーザ距離センサである。以下、各γ線検出器51a,51b,51cを特に区別しないときには、単にγ線検出器51と記載する。
中空の遮蔽体55は、長手方向の一端の開口部にコリメータ57bが設けられ、長手方向の他端が放射線の遮蔽材で閉ざされている。この長手方向の一端の開口部には更に、距離センサ52と、緩衝材56とが設けられている。緩衝材56には更に、コリメータ57aが設けられている。距離センサ52(距離測定手段)は、線量測定部41に接続されており、測定対象物9の表面からの距離を電気信号に変換するものである。緩衝材56は、この表面汚染検出ヘッド5の開口部への物理的衝撃を和らげるものである。
中空の遮蔽体55は更に、内部に3個のγ線検出器51a,51b,51cが設けられており、線量測定部41に接続されている。γ線検出器51aは、コリメータ57bの開口部の近傍、かつ、コリメータ57aの開口部から距離daに設置されている。γ線検出器51bは、中空の遮蔽体55の長手方向の中央部、かつ、コリメータ57aの開口部から距離dbに設置されている。γ線検出器51cは、コリメータ57aの開口部の反対側、かつ、コリメータ57aの開口部から距離dcに設置されている。コリメータ57a,57bは、表面91に於ける放射線および奥部92に於ける放射線を通過させて、中空の遮蔽体55の内部に導くものである。
線量測定回路4は、表面汚染検出ヘッド5によって、線量率を測定するものである。線量測定回路4は、線量測定部41と、測定データ記録部42と、電波によって情報を送受信する無線通信部43とを備えている。
線量測定部41は、γ線検出器51a,51b,51cと、距離センサ52とが接続されている。線量測定部41は、測定対象物9からコリメータ57aまでの距離r0を測定し、測定対象物9からγ線検出器51a,51b,51cまでの各距離ra,rb,rcを算出する。線量測定部41は更に、γ線検出器51a,51b,51cによって各距離に於ける線量率を測定する。
測定データ記録部42は、例えばフラッシュメモリなどであり、表面汚染検出ヘッド5によって測定した各種データを格納(記録)するものである。格納した各種データは、事後的に解析することが可能である。
無線通信部43は、線量測定部41が測定した距離と線量率の組合せの情報と、ロボットから取得した移動量の情報とを、電波によって表面汚染評価装置2に送信するものである。
表面汚染評価装置2は、電波によって前記した無線通信部43が送信した情報を送受信する無線通信部21と、測定対象物9の汚染を評価する汚染評価処理部22と、情報を記憶(格納)する記憶部23と、文字や図形や画像などを表示する表示部24(表示手段)とを備えている。表面汚染評価装置2は、表面汚染検出ヘッド5によって測定した各種データに基づいて、表面汚染などを評価するものである。
汚染評価処理部22は、測定対象物9の表面からγ線検出器51a,51b,51cまでの距離と、γ線検出器51a,51b,51cが検出した線量率から、測定対象物9の表面汚染などを演算するものである。
記憶部23は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などであり、測定対象物9の表面汚染などの評価結果などを記憶するものである。表示部24は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどであり、測定対象物9の表面汚染などの評価結果などを表示する表示手段である。
表面汚染評価装置2に接続されているプリンタ3は、測定対象物9の表面汚染などの評価結果などを紙媒体に印刷するものである。
図示しないロボットは、ロボットアーム6を備え、このロボットアーム6によって表面汚染検出ヘッド5を把持して測定対象物9の表面に翳す。この状態で、線量測定回路4は、γ線検出器51a,51b,51cによって、γ線の線量率を計測する。表面汚染評価装置2は、得られた3つのγ線線量率データに、3つの検出器の対象表面からの距離情報を加味することにより、表面汚染密度を評価(測定)することができる。
更に、図示しないロボットは、自らが移動することにより表面汚染検出ヘッド5を、対象表面に沿って動かして、連続的に表面汚染を測定することができる。線量測定回路4は、図示しないロボットから、表面汚染検出ヘッド5の短手方向の移動量を取得することができる。
図2は、第1の実施形態に於ける表面汚染密度評価の概要を示すグラフである。
図2の縦軸は、線量率E(mSv/h)を対数で示している。図2の横軸は、測定表面からの距離r(m)を示している。
一点鎖線は、表面汚染による線量率E1と距離rとの関係を示している。この線量率E1と距離rとの関係は、以下の(1)式で示される。ここで、S1は、表面汚染密度であり、C1は定数である。
Figure 2014169981
二点鎖線は、表面より奥の汚染による線量率E2と距離rとの関係を示している。線量率E2と距離rとの関係は、以下の(2)式で示される。ここで、S2は、表面よりも距離Rだけ奥である奥部92の汚染密度であり、C2は定数である。
Figure 2014169981
破線は、バックグラウンド(BG)の線量率E3と距離rとの関係を示している。バックグラウンド(BG)の線量率E3は、距離rに関わらず所定の値である。以下、図面に於いて、バックグラウンドの線量のことを、単に「BG」と記載している場合がある。
実線は、上記の合計値Eと距離rとの関係を示している。このとき、合計値Eは、以下の(3)式によって示される。
Figure 2014169981
よって、測定対象から各γ線測定器までの距離を求める、各γ線測定器によって各距離に於ける線量率を測定することにより、表面汚染密度S1と、表面より奥の汚染による影響と、バックグラウンドの線量率E3とを求めることができる。
図3は、第1の実施形態に於ける線量測定処理を示すフローチャートである。
線量測定回路4は、電源オンによって、線量測定処理を開始する。
ステップS10に於いて、線量測定部41は、所定時間が経過したか否かを判断する。線量測定部41は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS10の処理を繰り返し、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS11の処理を行う。
ステップS11に於いて、線量測定部41は、距離センサ52により、測定対象物9からの距離r0を測定する。
ステップS12に於いて、線量測定部41は、各γ線検出器51a〜51cによって、各位置に於ける各線量Ea〜Ecを測定する。
ステップS13に於いて、線量測定部41は、測定対象物9から各γ線検出器51a〜51cまでの距離ra〜rcを算出する。線量測定部41は、距離r0を距離da〜dcに加算することによって、距離ra〜rcを算出する。
ステップS14に於いて、線量測定部41は、移動量データを、図示しないロボットから取得する。
ステップS15に於いて、線量測定部41は、各測定データを測定データ記録部42に格納する。
ステップS16に於いて、無線通信部43は、各測定データを無線で送信し、ステップS10の処理に戻る。以降、線量測定回路4は、所定時間ごとにステップS11〜S16の処理を繰り返して測定対象物9の汚染を測定する。
図4は、第1の実施形態に於ける汚染評価処理を示すフローチャートである。
表面汚染評価装置2は、電源オンによって、汚染評価処理を開始する。
ステップS20に於いて、汚染評価処理部22は、データ受信を待つ。汚染評価処理部22は、線量計のデータを受信したならば、ステップS21の処理を行い、それ以外のデータを受信したならば、ステップS20の処理を繰り返す。
ステップS21に於いて、汚染評価処理部22は、開口部のγ線検出器51aの線量率から中央部のγ線検出器51bの線量率を減算し、第1の勾配を計算する。
ステップS22に於いて、汚染評価処理部22は、中央部のγ線検出器51bの線量率から最奥部のγ線検出器51cの線量率を減算し、第2の勾配を計算する。
ステップS23に於いて、汚染評価処理部22は、表面の汚染密度と、表面より奥の汚染と、バックグラウンドの線量率とを算出する。
ステップS24に於いて、汚染評価処理部22は、線量率の勾配が正常であるか否かを判断する。ここで、線量率の勾配が正常である場合とは、第1の勾配よりも第2の勾配の方が緩やかである(小さい)ことをいう。汚染評価処理部22は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS25の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS28の処理を行う。
ステップS25に於いて、汚染評価処理部22は、算出結果である表面の汚染密度と、表面より奥の汚染と、バックグラウンド(BG)の線量率と、ロボットの移動量データとを記憶部23に格納する。
ステップS26に於いて、汚染評価処理部22は、新たな移動量に係る汚染密度グラフをプロットし、表示部24に表示する。
ステップS27に於いて、汚染評価処理部22は、表面から所定距離に規格化した線量率のグラフをプロットして表示部24に表示し、ステップS20の処理に戻る。
ステップS28に於いて、汚染評価処理部22は、算出結果と移動量と、異常が発生した旨を記憶部23に格納する。
ステップS29に於いて、汚染評価処理部22は、異常発生を表示部24に表示し、ステップS20の処理に戻る。
図5(a),(b)は、第1の実施形態に於ける表面汚染測定装置1の出力結果を示す図である。
図5(a)は、汚染密度(Bq/cm2)と移動量(m)との関係を示すグラフである。縦軸は、汚染密度(Bq/cm2)を示している。横軸は、移動量(m)を示している。実線は、測定対象物9の汚染密度を示している。
図5(b)は、線量率(mSv/h)と移動量(m)との関係を示すグラフである。縦軸は、線量率(mSv/h)を示している。横軸は、移動量(m)を示している。
実線は、表面汚染の線量率を示している。破線は、バックグラウンド(BG)の線量率を示している。一点鎖線は、表面より奥の線量率を示している。表面汚染測定装置1は、測定した汚染密度を、汚染の要因ごとに分けて示すことができる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(F)のような効果がある。
(A) 表面汚染測定装置1は、測定対象物9の表面に表面汚染検出ヘッド5を翳すだけで表面の放射能汚染を測定可能である。これにより、人間が近づけないほど高い放射能によって汚染された区域であっても、表面汚染検出ヘッド5を把持した自走ロボットにより、各部の表面汚染を測定(評価)することができる。
(B) 表面汚染測定装置1は更に、測定対象物9の表面に表面汚染検出ヘッド5を翳すだけで、測定対象物9の表面からの線量と、バックグラウンドの影響による線量とを区別して測定(評価)することができる。
(C) 表面汚染測定装置1は更に、測定対象物9の表面よりも奥からの汚染の影響を算出することができる。これにより、表面汚染測定装置1は、隣室からの影響に関する情報や、高線量タンクの内壁に高汚染物質が付着しているか否かの情報を取得することができ、よって、施設を安全に解体できるか否かを判断することができる。
(D) 表面汚染検出ヘッド5は、複数のγ線検出器51a〜51cによって、中空の放射線の遮蔽体55の内部の長手方向の各位置に於ける線量率を検出している。表面汚染検出ヘッド5は、定期的なメンテナンスを要する可動部分を備えていないので、故障率を低くすることができる。
(E) 表面汚染測定装置1は、線量率の勾配が異常ならば、その旨を表示部24に表示している。これにより、γ線検出器51が故障した場合や、極めて高い線量によってγ線検出器51が飽和した場合などを検知することができ、測定結果の信頼性が向上する。
(F) 汚染評価処理部22は、移動量と測定対象物9の表面の放射能汚染との関係、移動量と測定対象物9の表面より奥の放射能汚染との関係、および、移動量とバックグラウンドの線量率との関係のうち1つ以上の関係を表示している。これにより、単なる線量率にとどまらず、汚染の詳細な状況を容易に把握することができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に於ける表面汚染測定装置1aを示す概略の構成図である。図1に示す第1の実施形態の表面汚染測定装置1と同一の要素には同一の符号を付与している。
表面汚染測定装置1aは、第1の実施形態とは異なる線量測定装置4aと、表面汚染検出ヘッド5aとを備えている。線量測定装置4aは、第1の実施形態の線量測定装置4に加えて更に、検出器駆動部44を備えている。検出器駆動部44は、アクチュエータ58によりγ線検出器51を任意の位置に駆動制御するものである。
表面汚染検出ヘッド5aは、第1の実施形態とは異なり、単一のγ線検出器51と、アクチュエータ58(駆動手段)とを備えている。表面汚染検出ヘッド5aは、遮蔽体55の内部の長手方向の少なくとも3箇所に於ける線量率を測定するものである。アクチュエータ58は、γ線検出器51を長手方向の任意に位置に駆動する駆動手段である。
距離daは、コリメータ57aから開口部までの距離を示している。距離dbは、コリメータ57aから中央部までの距離を示している。距離dcは、コリメータ57aから最奥部までの距離を示している。
図7は、第2の実施形態に於ける線量測定処理を示すフローチャートである。
線量測定回路4aは、電源オンによって、線量測定処理を開始する。
ステップS40に於いて、検出器駆動部44は、γ線検出器51を開口部に移動させる。開口部とコリメータ57aとの間は、距離daである。
ステップS41に於いて、線量測定部41は、所定時間が経過したか否かを判断する。線量測定部41は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS41の処理を繰り返し、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS42の処理を行う。
ステップS42に於いて、線量測定部41は、距離センサ52により、測定対象物9からの距離r0を測定する。
ステップS43に於いて、線量測定部41は、γ線検出器51によって開口部の線量率Eaを測定する。
ステップS44に於いて、検出器駆動部44は、γ線検出器51を中央部に移動させる。中央部とコリメータ57aとの間は、距離dbである。
ステップS45に於いて、線量測定部41は、γ線検出器51によって中央部の線量率Ebを測定する。
ステップS46に於いて、検出器駆動部44は、γ線検出器51を最奥部に移動させる。最奥部とコリメータ57aとの間は、距離dcである。
ステップS47に於いて、線量測定部41は、γ線検出器51によって最奥部の線量率Ecを測定する。
ステップS48に於いて、線量測定部41は、開口部、中央部、最奥部から測定対象物9までの各距離ra,rb,rcを算出する。
ステップS49に於いて、線量測定部41は、移動量データを図示しないロボットから取得する。
ステップS50に於いて、線量測定部41は、各測定データを測定データ記録部42に格納する。
ステップS51に於いて、線量測定部41は、無線通信部43によって、各測定データを送信し、ステップS40の処理に戻る。以降、線量測定回路4は、所定時間ごとにステップS42〜S51の処理を繰り返して測定対象物9の汚染を測定する。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(G),(H)のような効果がある。
(G) 遮蔽体55の中には、単一のγ線検出器51のみが配置されており、他のγ線検出器51による到達線量の減少が無い。これにより、表面汚染測定装置1aは、各位置と線量との関係を更に正確に求めることができる。
(H) 表面汚染検出ヘッド5aは、アクチュエータ58によってγ線検出器51を駆動しており、任意の位置に於ける線量を測定できる。表面汚染測定装置1aは、固定した数点に限定されず、多くの測定点で線量を測定できるので、更に正確に各汚染を測定(評価)することができる。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に於ける表面汚染検出ヘッド5bを示す概略の構成図である。図1に示す第1の実施形態の表面汚染検出ヘッド5と同一の要素には同一の符号を付与している。
表面汚染検出ヘッド5bは、γ線を遮蔽する中空の遮蔽体55−1〜55−3を備えている。各遮蔽体55−1〜55−3は、それぞれγ線検出器51−1〜51−3を中空部の長手方向の各位置に備え、物理的な衝撃を和らげる緩衝材56と、γ線の入射方向を規制するコリメータ57a,57bとを備えている。遮蔽体55−2は更に、長手方向の一端の開口部に、距離を測定する距離センサ52を備えている。
各遮蔽体55−1〜55−3は、長手方向の一端の開口部にコリメータ57aが設けられ、長手方向の他端が放射線の遮蔽材で閉ざされている。この長手方向の一端の開口部には更に、緩衝材56が設けられている。距離センサ52(距離測定手段)は、線量測定部41に接続されており、測定対象物9の表面からの距離を電気信号に変換するものである。緩衝材56は、この表面汚染検出ヘッド5bの開口部への物理的衝撃を和らげるものである。
遮蔽体55−1は更に、内部に1個のγ線検出器51−1が設けられており、線量測定部41に接続されている。γ線検出器51−1は、コリメータ57bの開口部の近傍、かつ、コリメータ57aの開口部から距離daに設置されている。
遮蔽体55−2は更に、内部に1個のγ線検出器51−2が設けられており、線量測定部41に接続されている。γ線検出器51−2は、中空の遮蔽体55の長手方向の中央部、かつ、コリメータ57aの開口部から距離dbに設置されている。
遮蔽体55−3は更に、内部に1個のγ線検出器51−3が設けられており、線量測定部41に接続されている。γ線検出器51−3は、コリメータ57aの開口部の反対側、かつ、コリメータ57aの開口部から距離dcに設置されている。
第3の実施形態の表面汚染検出ヘッド5bによる線量測定処理は、図3に示す第1の実施形態の線量測定処理と同様である。
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(I),(J)のような効果がある。
(I) 遮蔽体55−1〜55−3の中には、それぞれ単一のγ線検出器51のみが配置されている。これにより、他のγ線検出器51による到達線量の減少が無いので、各位置と線量との関係を更に正確に求めることができる。
(J) 表面汚染検出ヘッド5bは、アクチュエータ58などの可動部を備えていないので、可動部分のメンテナンスが不要となり、かつ、故障率を低くすることができる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 第1の実施形態に於いて、γ線検出器51の数は3個に限られず、2個以上の任意の数でよい。同様に、第2の実施形態に於いて、γ線検出器51の測定点は3点に限られず、2点以上の任意の数でもよい。これにより、例えばバックグラウンドの影響が無視し得るほど小さい場合などにはγ線検出器51の数を2個に省略することができる。更に、4点以上の多くの測定点で測定することにより、多くの汚染源(放射線源)の影響を更に正確に求めることができる。
(b) 第1〜第3の実施形態に於いて、線量測定回路4は、無線でデータを送信している。しかし、これに限られず、線量測定回路4は、測定データ記録部42に記録して、事後的に測定したデータを処理して、放射能汚染の要因を算出してもよい。
(c) 第1〜第3の実施形態の表面汚染検出ヘッド5,5a,5bに、移動量測定センサを設け、短手方向の移動量と表面汚染との関係を直接に測定するように構成してもよい。
(d) 第1の実施形態の距離センサ52は、レーザ光を照射して測定対象物9との距離を測定するレーザ距離センサである。しかし、これに限られず、表面汚染検出ヘッド5に、カメラを設け、撮影した画像を処理することによって、測定対象物9との距離や、表面汚染検出ヘッド5の短手方向の移動量などを測定するように構成してもよい。
1,1a 表面汚染測定装置
2 表面汚染評価装置
21 無線通信部
22 汚染評価処理部
23 記憶部
24 表示部 (表示手段)
3 プリンタ
4 線量測定回路
41 線量測定部
42 測定データ記録部
43 無線通信部
44 検出器駆動部
5,5a,5b 表面汚染検出ヘッド
51,51a〜51c γ線検出器 (放射線検出器)
52 距離センサ (距離測定手段)
55 遮蔽体
56 緩衝材
57a,57b コリメータ
58 アクチュエータ (駆動手段)
6 ロボットアーム
9 測定対象物

Claims (8)

  1. 測定対象物の表面の放射能汚染を検出する表面汚染検出ヘッドと、
    前記測定対象物の表面の放射能汚染を評価する汚染評価処理部と、
    を備え、
    前記表面汚染検出ヘッドは、
    長手方向の一端にコリメータが設けられ、長手方向の他端が放射線の遮蔽材で閉ざされている中空の放射線の遮蔽体と、
    前記遮蔽体内部の長手方向の各位置に於いて放射線を検出する放射線検出器と、
    前記測定対象物との距離測定手段とを備え、
    前記汚染評価処理部は、
    前記遮蔽体内部の長手方向の各位置に於ける各線量率、前記線量率を検出した長手方向の各位置と前記測定対象物との距離から、前記測定対象物の表面の放射能汚染を測定する、
    ことを特徴とする表面汚染測定装置。
  2. 前記遮蔽体は単一であり、
    前記放射線検出器は複数であり、前記遮蔽体内部の長手方向の各位置に設置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面汚染測定装置。
  3. 前記表面汚染検出ヘッドは更に、単一の前記放射線検出器を、前記遮蔽体の長手方向の各位置に駆動する駆動手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面汚染測定装置。
  4. 前記遮蔽体は複数であり、かつ、各前記遮蔽体の長手方向の一端は同一方向に向いており、
    前記放射線検出器は複数であり、かつ、各前記遮蔽体内部の長手方向の各位置にそれぞれ設置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面汚染測定装置。
  5. 前記表面汚染検出ヘッドは、前記遮蔽体内部の長手方向の少なくとも3箇所に於ける各前記線量率を測定する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表面汚染測定装置。
  6. 前記汚染評価処理部は、各前記線量率および前記線量率を検出した長手方向の各位置を評価し、異常を検知したならば、所定の警告表示を表示手段に出力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表面汚染測定装置。
  7. 前記汚染評価処理部は、いずれかの短手方向の移動量と、前記測定対象物の表面の放射能汚染との関係を前記表示手段に表示する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の表面汚染測定装置。
  8. 前記汚染評価処理部は、
    前記移動量と前記測定対象物の表面の放射能汚染との関係、前記移動量と前記測定対象物の表面より奥の放射能汚染との関係、および、前記移動量とバックグラウンドの線量率との関係のうち1つ以上の関係を表示する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の表面汚染測定装置。
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