JP2014166666A - 磁気研磨バイト - Google Patents

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輝久 中村
Toshitaka Hashimoto
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Abstract

【課題】 磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を用いて対象物の表面を研磨する際に、耐久性に優れ、かつリユースが可能な磁気研磨バイトを提供する。
【解決手段】 軸回転する円柱状のバイト本体6の先端7から突出して設けられる三次元凸曲面が形成された磁場発生源2に、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を磁気吸着させて研磨対象物の表面を研磨する磁気研磨バイトにおいて、磁場発生源2は、少なくとも上記三次元凸曲面上に、シェア硬度がD76以上であってかつガラス転移点が60℃以上の硬化型樹脂4に粒径寸法1〜700μmの砥粒5または磁性粉5を内包させた膜厚寸法0.1〜1.0mmの保護膜3が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液(ペースト材料)を用いて、金属材料や樹脂材料などの表面を処理する表面処理装置に用いられる磁気研磨バイトに関するものである。
一般に、精密機械部品や金型および樹脂製品などの複雑な凹凸形状を有する表面を処理する場合、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液(ペースト材料)を用いた磁気研磨方法が用いられる。
この磁気研磨方法には、非接触方式のほかに、磁気研磨バイトの先端に直接ペースト材料を磁気吸着させる研磨方法がある。この磁気吸着させる研磨方法においては、磁気研磨バイトの先端にある磁場発生源(電磁石の場合、鉄心および永久磁石など)が、使用頻度に応じて次第に削られ、先端部形状が徐々に形状変化してしまうという問題がある。
なお、下記特許文献1は、本出願人が先に提案したこの種の磁気研磨バイトを示すものである。
この磁気研磨バイトの先端が削られてしまう要因には、上記ペースト材料の研磨効果によるもののほかに、研磨対象物に磁性がある場合や、上記磁場発生源の磁力と回転の周速との総合作用が上記磁気研磨バイトの一部分に集中した場合などが考えられる。また、上記磁場発生源が削られて形状変化した場合には、磁力低下または磁場分布が変化して、結果的に研磨力低下などの研磨作用に悪影響が生じて研磨バイトが使用不可能となってしまう。
例えば、図7は、SUS304やSUS303など非磁性金属からなる円柱状のバイト本体30に対し、直径寸法20mmの球体の永久磁石20を回転軸方向にN極およびS極となるように、当該バイト本体30の先端に半径寸法10mm程突出させて装着した従来の磁気研磨バイト10により、研磨対象物のSKD11(合金工具綱)材を上記ペースト材料を用いて4時間に亘り研磨した場合の永久磁石20の先端形状を模したものである。
なお、上記ペースト材料の主な組成は、粒径寸法が100〜700μmの磁性粉および砥粒と潤滑溶剤からなり、研磨力の非常に高いものを使用した。
この図7に示す従来の磁気研磨バイト10においては、永久磁石20のN極側の先端部周辺に、最大−0.7mmの形状変化k1、k2が確認された。特に、上記磁気研磨バイトの先端部は、磁石の磁力と回転の周速とが総合作用して、集中的に削られ易い(k1)。また、磁気研磨バイト10の側面部は、磁力が高くないものの、N極側に引き寄せられた上記ペースト材料が溜まり易く、さらに回転周速が最も高い箇所になるため、当該ペースト材料の潤滑(対流)が生じたことにより削られたものである(k2)。
このように、従来の磁気研磨バイト10は、研磨力の高い(磁性材および砥粒粒径が100μmを超える)ペースト材料を用いて鉄系鋼材を研磨した場合、短時間(数時間)で永久磁石20の先端部および側面部が削られて、形状変化k1、k2が生じてしまう。
これは、研磨力の低い(磁性材および砥粒粒径が100μm未満)ペースト材料を用いた場合でも、長時間使用することにより同様の現象が生じてしまう。また、この磁石の形状変化k1、k2は、研磨後半になるほど、対象物と永久磁石20のクリアランス距離(研磨ギャップ)が広がることから、研磨力が不安定となり、研磨品質のムラおよび磁気研磨バイトの摩耗に繋がり、磁気研磨バイト10が使用不能となってしまう。
そこで、上記従来の磁気研磨バイト10の永久磁石20の摩耗を防止する手段として、一般的に当該永久磁石20を保護するカバーを設けるなどが容易に考えられる。例えば、上記研磨ギャップが1.0mmの場合、当該カバーの厚み寸法は、当該研磨ギャップ以内およびペースト材料が入り込む隙間を最大0.3mm考慮すると、0.7mm以内に制御することになる。
しかしながら、上記カバーの製作や装着時の許容を考慮すると、当該カバーの厚さ寸法を0.7mmよりも薄い、0.5mm位に制限する必要がある。またそれに加え、各々の磁気研磨バイト10の永久磁石20の大きさごとに、耐摩耗製の高い材料を用いて、上記カバーを厚み寸法0.5mmで成型あるいは削り出すため、そのコストなどを考慮すると実用的ではないという問題がある。
そこで、切削エンドミル工具の摩耗を防ぐ硬度(Hv)2000以上のコーティング材(Tix、TiCN、TiAIN、CrN、DLC、ダイヤモンド)を用いて、磁気研磨バイト10の永久磁石20を保護することも考えられる。しかしながら、上記コーティングは、一般的な膜厚寸法が数ミクロン程度であるため、研磨力の低い(磁性材および砥粒粒径が100μm未満)ペースト材料を用いた場合は有効であるが、研磨力の高い(磁性材および砥粒粒径が100μmを超える)ペースト材料の場合、当該コーティング材が早い段階で剥がれてしまうという問題がある。
また、磁気研磨バイト10の永久磁石20のコーティングに、摩耗係数が低く、摺動特性に優れたフッ素樹脂系コーティング材を用いることも考えられる。このフッ素樹脂系コーティングは、摩擦係数が0.03〜0.1程度であるため、耐摩耗性が高いとされている。しかし、このコーティングも膜厚寸法が数十ミクロン程度と薄いため、上記コーティングと同様に、ダイヤモンドなどの硬質砥粒を含ませた高い研磨力を有するペースト材料に対しては、早い段階でコーティング膜が剥がされてしまうという問題がある。
さらに、磁気研磨バイト10の永久磁石20に、ニッケルメッキなどの電気メッキを施すことが考えられるが、ネオジウム磁石などの永久磁石20には、通常、腐食防止用(数十ミクロン)として、ニッケルや銅のメッキが何層か施されている。しかし、ニッケルや銅のメッキは耐摩耗性が低いため、寿命が低く、電着メッキのみでは磁気研磨により簡単に剥がれてしまうという問題がある。
また、メッキの原理を応用して、切削工具などの表面上に、メッキ層を形成し、そこにダイヤモンド砥粒や立方晶窒化ホウ素(CBN)を固着して製作する電着製法においては、表面を上記メッキ層により厚く形成することが可能であり、使用後のリサイクルとして再電着し、繰り返し使用できる利点がある。しかし、再電着する都度電着メーカーに委託するか、または自前で電着設備を保有するしかならず、製作工数に時間が掛かるとともに、設備導入費用などのコストが掛かるという問題がある。
さらに、その他の方法として、金属粉をボンドとし、大きなダイヤモンドを焼結するメタルボンド接着がある。このメタルボンド接着の場合は、電着と同様に委託費用や設備導入費などコストが掛かるという問題がある。また、高温で焼結することにより、ネオジウム磁石が熱消磁されてしまうため、熱消磁された当該ネオジウム磁石を再着磁する必要があり、製作工数が増えてしまうという問題もある。
特開2010−188494号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を用いて対象物の表面を研磨する際に、耐久性に優れ、かつリユースが可能な磁気研磨バイトを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、軸回転する円柱状のバイト本体の先端から突出して設けられる三次元凸曲面が形成された磁場発生源に、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を磁気吸着させて研磨対象物の表面を研磨する磁気研磨バイトにおいて、上記磁場発生源は、少なくとも上記三次元凸曲面上に、シェア硬度がD76以上であってかつガラス転移点が60℃以上の硬化型樹脂に粒径寸法1〜700μmの砥粒または磁性粉を内包させた膜厚寸法0.1〜1.0mmの保護膜が形成されていることを特徴とするものである。
ここで、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記硬化型樹脂は、1液または2液混合型のエポキシ樹脂であることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記砥粒は、ダイヤモンド粉であることを特徴とするものである。
そして、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記ダイヤモンド粉は、銅、クローム、ニッケル、チタン、銀、コバルトのいずれかの金属によりコーティングされていることを特徴とするものである。
請求項1〜4に記載の発明によれば、磁気研磨バイトのバイト本体の先端から突出して設けられた磁場発生源の三次元凸曲面上に、硬化型樹脂に砥粒または磁性粉を内包させた膜厚寸法0.1〜1.0mmの保護膜が形成されているため、ペースト材料を用いて研磨対象物を磁気研磨した際に、上記磁場発生源が上記ペースト材料の研磨効果によって削られてしまうことを防ぎ、上記磁気研磨バイトの寿命を向上させることができる。これにより、上記磁場発生源の形状変化による研磨ギャップの増大を防いで、研磨力を安定させることができるとともに、寿命により上記保護膜が剥がれた場合でも、新たに保護膜を容易に再生することができ、作業効率の向上および製造コストを抑えることができる。
また、上記砥粒または磁性粉の粒径寸法を100〜700μmとすれば、粒径寸法が100〜700μmの磁性粉および砥粒を含む研磨力の高い上記ペースト材料を用いた場合でも、上記保護膜の強度を保持することができるとともに、上記硬化型樹脂に内包された上記砥粒または磁性粉が脱落して、上記ペースト材料に混入した場合でも、上記研磨対象物にキズを生じさせてしまうことを防ぐことができる。この結果、研磨品質を向上させることができる。
そして、上記硬化型樹脂のシェア硬度がD76以上であるため、上記磁場発生源への固着性を向上させることができるとともに、研磨中に上記保護膜の表層部が剥がれた場合でも、硬質の上記砥粒または磁性粉の根元を支えることができる。これにより、上記保護膜の機能を長時間維持することができる。
さらに、上記硬化型樹脂のガラス転移点が60℃以上であるため、上記保護膜を剥がす際は、ガラス転移点以上に熱を加えることで当該保護膜が適度に剥がれ易くなり、リユースに繋げることができる。
請求項2に記載の発明によれば、上記硬化型樹脂が、1液または2液混合型のエポキシ樹脂であるため、常温〜80℃の範囲において硬化させることができる。これにより、上記磁場発生源に、例えば、100℃以上の高温で熱消磁するネオジウム磁石を用いた場合でも、当該ネオジウム磁石の磁力が低下することを防ぐことができるとともに、磁力低下した上記ネオジウム磁石の再着磁させる工程を減らすことができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記砥粒が、ダイヤモンド粉であるため、上記保護膜の硬度を高めることができる。この結果、上記ペースト材料にダイヤモンド粉を用いて研磨力を高めた場合でも、上記保護膜としの効果を十分に発揮させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、上記ダイヤモンド粉が、銅、クローム、ニッケル、チタン、銀、コバルトのいずれかの金属によりコーティングされているため、上記硬化型樹脂への固着性を向上させることができるとともに、上記保護膜の耐久性をさらに高めることができる。この結果、上記磁場発生源の表面上に形成された上記保護膜の再形成の頻度を少なくすることができ、作業効率を向上させるとともに、製作コストを抑えることができる。
本発明に係る磁気研磨バイトの一実施形態を示し、(a)はバイト本体から突出したネオジウム磁石の全ての表面上に保護膜が形成された磁気研磨バイトの断面図、(b)はバイト本体から突出したネオジウム磁石の先端部の表面のみに保護膜が形成された磁気研磨バイトの断面図である。 図1(a)の磁気研磨バイトのネオジウム磁石の表面上に保護膜を型枠により形成する方法を示した断面図である。 磁気研磨バイトのネオジウム磁石の表面上に本願発明の保護膜を形成した状態を示し、(a)は研磨前の状態を示す断面図、(b)は研磨後の状態を示す断面図である。 磁気研磨バイトのネオジウム磁石の表面上にエポキシ樹脂のみの保護膜を形成した状態を示し、(a)は研磨前の状態を示す断面図、(b)は研磨後の状態を示す断面図である。 磁気研磨バイトのネオジウム磁石に異なる材質の保護膜を形成した実施例1における耐久研磨試験の結果を示す表である。 磁気研磨バイトのネオジウム磁石に異なる材質の保護膜を形成した実施例2における耐久研磨試験の結果を示す表である。 従来の磁気研磨バイトの研磨後の状態を模した概略図である。
図1〜図3は、本発明に係る磁気研磨バイト1の一実施形態を示すもので、三次元凸曲面が形成された磁場発生源2が、軸回転する円柱状のバイト本体6の先端7から突出して一体的に形成されているとともに、バイト本体6から突出した磁場発生源2の三次元凸曲面上に、保護膜3が形成されて概略構成されている。
ここで、バイト本体6は、例えば、非磁性金属のSUS304やSUS303などにより形成されている。このバイト本体6は、その基端8側に、磁気研磨バイト1を回転させる駆動手段のチャックに取り付ける凸状のシャンク部が形成されている。また、先端7側には、磁場発生源2を収納して一体的に取り付ける凹部が形成されている。この凹部は、内周面が球面状に形成されている。
そして、三次元凸曲面が形成された磁場発生源2は、球体状のネオジウム磁石2が用いられている。このネオジウム磁石2は、一方側の半球部がN極、他方側の半球部がS極に形成されている。このネオジウム磁石2は、N極側の上記半球部が突出した状態により、S極側の上記半球部がバイト本体6の先端7の上記凹部に収納されて、バイト本体6の軸線方向に沿ってN極とS極が配置されている。なお、上記凹部に収納されたS極側の上記半球部の外周面は、上記凹部の球面状の内周面に密着して一体的に取り付けられている。
さらに、バイト本体6から突出したネオジウム磁石2のN極側の表面上を覆うように、膜厚寸法が0.1〜1.0mmの保護膜が形成されている。この保護膜3は、図3に示すように、硬化型樹脂4に砥粒5または磁性粉5を内包させて形成されたものである。この保護膜3は、硬化型樹脂4と砥粒5または磁性粉5との配合割合が、体積比で1:1である。
また、硬化型樹脂4は、硬化後のシェア硬度がD76以上であるとともに、60℃以上のガラス転移点を有するエポキシ樹脂4である。このエポキシ樹脂4は、1液エポキシ樹脂、または主剤と硬化剤(乳化剤)を混ぜる2液混合型エポキシ樹脂である。とくに、2液混合型エポキシ樹脂が好ましい。その理由は、常温硬化が可能で、80℃程度で硬化するものも多くあるため、高温で熱消磁しやすいネオジウム磁石2の磁力に影響を与えることがなく、後工程において再磁着などの工程を省略することができるとともに、硬化後の常温での硬度が非常に高く、耐衝撃性、耐薬品性、耐せん断性および耐摩耗性に優れているからである。
そして、これらのエポキシ樹脂4は、80℃程度になるとやや軟化する性質もあるため、磁気研磨バイト1のリユース(膜剥がし再生成)を効率的に行うことができる。なお、エポキシ樹脂4のうち、1液エポキシ樹脂は、熱硬化型であるため、100℃以上で硬化させる場合には、ネオジウム磁石2が熱消磁してしまうことにより、再着磁を行う必要がある。さらに、硬化型樹脂4として、2液混合型エポキシ樹脂や1液型エポキシ樹脂のほかに、UV硬化樹脂、フェノール樹脂やポリアミド樹脂などがある。
なお、上記UV硬化樹脂を使用した場合、硬化時間が短時間で済むメリットがあるとともに、製作面でも扱い易く製造コストを抑えることができる。また、レジンボンド砥石に多用される上記フェノール樹脂やポリアミド樹脂は、接着硬度および耐熱性能が高い特性を有する。
また、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類される、ポリフェニレンスルファイド (PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE、一般的にテフロン(登録商標)と称されるフッ素樹脂(フッ化炭素樹脂))、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン (PES))、非晶ポリアリレート(PAR))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI) 、ポリアミドイミド(PAI)なども使用が可能である。これらは、フィラー強化され、ガラス繊維・炭素繊維などを30〜60%程度混合して使用された強度特性の高いものを使用すれることにより、さらに効果が期待できる。
そして、砥粒5または磁性粉5は、粒径寸法が1〜700μmのダイヤモンド粉5である。また、このダイヤモンド粉5のほかに、各々の粒径寸法が1〜700μmのMnZn、NiZnやMgZnフェライト粉、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化珪素、アルミナの粒なども用いることができる。
なお、砥粒5または磁性粉5の粒径寸法は、研磨力の低い(磁性材および砥粒粒径が100μm未満)ペースト材料を用いた場合、1〜700μmが好ましい。また、研磨力の高い(磁性材および砥粒粒径が100μmを超える)ペースト材料を用いた場合、粒径寸法は100〜700μmがより好ましい。
ここで、保護膜3を磁気研磨バイト1のネオジウム磁石2の表面上に形成する方法について、図2を用いて説明する。
まず、先端7側にネオジウム磁石2が一体的に形成された磁気研磨バイト1と、フッ素樹脂製の型枠9を用意する。
次いで、ネオジウム磁石2が一体的に形成された先端7側に、2液混合型エポキシ樹脂4にダイヤモンド粉5を内包させた混合剤を塗布する。そして、上記混合剤を塗布した磁気研磨バイト1の先端7側を型枠9に推し当て、均一の膜厚寸法、例えば、膜厚寸法0.5mmになる位置に制御した状態のまま硬化させる。
その他に、ネオジウム磁石2の先端7側に、2液混合型エポキシ樹脂4を薄く塗布した上で予め隙間なく均一になるようにダイヤモンド粉5を接着および硬化させた後、2液混合型エポキシ樹脂4を追加塗布した磁気研磨バイト1の先端7側を型枠9に推し当て保護膜3を形成する方法もある。これは、ダイヤモンド粉5をより均一に並べ接着することで保護膜3の硬度的に欠損する部分をなくす目的がある。
そして、上記混合剤が硬化した後に、型枠9から磁気研磨バイト1を引き離す。この際、硬化時間が短いものが好ましいが、エポキシ樹脂の場合の硬化時間は、数十分〜24時間様々であり、さらに完全硬化時間は、10〜24時間以上かかるため、硬化後に型枠から外してからも、念のため一日放置する。
なお、上記膜厚調整は、専用の位置決め治具を製作して用いる。また、数値制御装置(NC加工機)上で、固まりから切削し、そのままの状態で用いれば膜厚寸法を均一に成型できる。この製法を用いれば、早いもので製作期間が1日となり、大掛かりな製造設備が不要となり、製造コストを抑えることができる。
次に、ペースト材料を用いて、上記構成の磁気研磨バイト1により研磨対象物を磁気研磨する際の保護膜3の作用について、図3および図4を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、ネオジウム磁石2の表面上に保護膜3を形成する。この保護膜3は、エポキシ樹脂4にダイヤモンド粉5を内包させて硬化させたものである。
そして、ダイヤモンド粉が含まれた研磨力の高いペースト材料を用いて、研磨対象物を磁気研磨すると、図3(b)に示すように、表層部分のエポキシ樹脂4が当該ペースト材の研磨作用により削り取られる。しかし、硬度の高いダイヤモンド粉5は、突出した状態でネオジウム磁石2の表面上に、当該ダイヤモンド粉5の根元がエポキシ樹脂4により支持されて残る。また、硬度の高いダイヤモンド粉5が残ることにより、当該ダイヤモンド粉5を支持しているエポキシ樹脂4も削り取られることなく、ネオジウム磁石2の表面上に残ることになる。この結果、保護膜3はネオジウム磁石2の表面上を長時間に亘り保護することができる。
なお、図4(a)に示すように、エポキシ樹脂4のみの保護膜3をネオジウム磁石2の表面上に硬化させて形成した場合には、ダイヤモンド粉が含まれた研磨力の高いペースト材料を用いて、研磨対象物を磁気研磨すると、図4(b)に示すように、当該ペースト材料の研磨作用により、保護膜3が削り取られるとともに、ネオジウム磁石2の表面も削り取られてしまう。これにより、エポキシ樹脂4のみの保護膜3では、効果が低く、短時間で当該保護膜3が削られてしまうことになる。
(実施例1)
ここで、バイト本体6の先端7から突出したネオジウム磁石2の表面上に形成する保護膜3について、発明者が行った実験をもとに説明する。
まず、実施例1として、2液混合型エポキシ樹脂4に異なる砥粒5または磁性粉5の混入物を内包させた保護膜3を各々ネオジウム磁石2に形成して耐久摩耗試験を行った。
この耐久研磨試験に用いられた磁気研磨バイト1は、外径寸法20mmの円柱状のバイト本体6の先端7に、この先端7から球体状のネオジウム磁石2を半径寸法10mmほど突出させて形成したものである。そして、図1(b)に示すように、研磨時に負荷の掛かる磁気研磨バイト1の突出したネオジウム磁石2の先端部周辺に、図5の表に示す1〜7の保護膜3を形成した。
また、保護膜3を構成する硬化型樹脂4としては、シェア硬度(D85)、硬化条件(80℃ 1時間+25℃ 24時間)、2液混合比(主剤10:硬化剤1)、ガラス転移点(66℃)の2液混合エポキシ樹脂aと、シェア硬度(D76)、硬化条件(25℃ 24時間)、2液混合比(主剤1:硬化剤1)、ガラス転移点(60℃)の2液混合エポキシ樹脂bを用いた。
一方、保護膜3を構成する砥粒5または磁性粉5としては、粒径寸法1μmの鉄粉、粒径寸法25μmの鉄粉、粒径寸法100〜500μmの鉄粉、粒径寸法100〜700μmの鉄粉、粒径寸法100〜500μmのMnZnフェライト粉、粒径寸法60〜100μmのダイヤモンド粉を用いた。
また、耐久研磨試験に用いられる試験装置における研磨条件は、研磨ギャップ(1.0mm<膜無しの場合>)、回転数(1200rpm)、送り(500mm/min)、走査線刻み<ピッチ>(0.1mm)である。
そして、ペースト材料は、粒径寸法100〜700μmの磁性粉(80wt%)、粒径寸法40〜300μmのダイヤモンド砥粒(5wt%)、油性溶媒(15wt%)からなる研磨力の高いものを使用して、3D形状(SDK11)を最初30分研磨して初期確認し、以後は1時間単位で研磨し、その都度、各々の保護膜の剥がれ程度を確認して、図5の表にまとめた。
上記耐久研磨試験の結果、3aの保護膜(鉄粉100〜500μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)が、8時間後に剥がれて長寿命であった。これは、シェア硬度D85という高い硬度の2液混合型エポキシ樹脂を使用したことと、鉄粉を上記ペースト材料に含まれる磁性粉および砥粒の粒径寸法と同等にしたことにより、当該鉄粉の間に存在する当該2液混合型エポキシ樹脂の体積が増えるとともに、個々の当該鉄粉の接着面積が増えて、接着強度が増加したためである。
一方、1の保護膜(鉄粉1μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)、2の保護膜(鉄粉25μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)、6の保護膜(ダイヤモンド粉60〜100μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)、7の保護膜(2液混合型エポキシ樹脂aのみ/膜厚寸法0.5mm)は、保護膜に使用した各々の混入物(砥粒または磁性粉)が、ペースト材料のものより細かい粒であるため、接着強度が低下して各々の保護膜の耐久性が低く短命となる傾向が見られた。
ただし、上記1、2、6、7の保護膜は、実施例1に使用した研磨力の高い(磁性材および砥粒粒径が100μmを超える)ペースト材料に対し、耐久性が不足し使用に適さないだけであり、それより研磨力の低い(磁性材および砥粒粒径が100μm未満)ペースト材料に対し、粒径が同等であれば保護膜としての効果が期待できるものである。
他方、同等レベルの粒径寸法を用いた3aの保護膜(鉄粉100〜500μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)、3bの保護膜(鉄粉100〜500μm+2液混合型エポキシ樹脂b/膜厚寸法0.5mm)、4の保護膜(鉄粉100〜700μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.8mm)、5の保護膜(MnZnフェライト粉100〜500μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)は、上記3aの保護膜と同様に接着強度が増加して3時間以上耐える事ができ、ツール交換などの手間など実用面を考慮した場合の耐久性を得ることができた。
なお、上記4の保護膜は、当該保護膜の混入物に、粒径寸法の上限が700μmの鉄粉を含めたため、研磨ギャップを0.2mmと狭く設定しなければならず、さらにペースト材料の粒径寸法が最大700μmであるため、当該ペースト材料の粒が保護膜(または対象物)へ物理的に接触し、磁気研磨バイト1の保護膜3へ大きな負荷が加わり耐久性が3aの保護膜よりも低下した。
以上の結果から、使用するペースト材料に応じて、保護膜3の混入物である砥粒5または磁性粉5を当該ペースト材料と同等レベルの材質および粒径寸法とすることにより、耐久性に優れ、かつ研磨中に上記混入物が脱落した場合でも、研磨仕上がりに悪影響を与えない磁気研磨バイト1を製作することが可能であることが判明した。
なお、上記実施例1においては、磁気研磨バイト1のバイト本体6から突出したネオジウム磁石2の先端部周辺のみに保護膜3を形成したため、バイト本体6から突出したネオジウム磁石2の側面上には保護膜3がなく、当該保護膜3のないネオジウム磁石2の側面が集中的に削られていた。この結果、磁場が低いネオジウム磁石2の上記側面部分にも保護膜3を形成することが好ましいことが判明した。
(実施例2)
次に、実施例2として、2液混合型エポキシ樹脂4にダイヤモンド粉5の混入物を内包させた保護膜3およびその他の硬化型樹脂4を各々ネオジウム磁石2に形成して耐久摩耗試験を行った。
この耐久研磨試験に用いられた磁気研磨バイト1は、実施例1と同様に、外径寸法20mmの円柱状のバイト本体6の先端7に、この先端7から球体状のネオジウム磁石2を半径寸法10mmほど突出させて形成したものである。そして、図1(a)に示すように、磁気研磨バイト1のバイト本体6の先端7側を覆うことにより、当該バイト本体6から突出したネオジウム磁石2の表面上に、図6の表に示す8〜13の保護膜3を形成した。
また、保護膜3を構成する硬化型樹脂4としては、シェア硬度(D85)、硬化条件(80℃ 1時間+25℃ 24時間)、2液混合比(主剤10:硬化剤1)、ガラス転移点(66℃)の2液混合エポキシ樹脂aと、シェア硬度(D76)、硬化条件(25℃ 24時間)、2液混合比(主剤1:硬化剤1)、ガラス転移点(60℃)の2液混合エポキシ樹脂bと、膜厚寸法(14μm)、硬化条件(230℃ 40分)、鉛筆硬度(H/3H<JIS K 5400 試験機法荷重1.0kg 表面キズ/下地キズ>)、摩擦係数(0.03〜0.1)のフッ素系樹脂コートと、膜厚寸法(3μm)、成膜温度(500℃)、膜硬さ(3100Hv)、摩擦係数(0.25)のCr系コーティングを用いた。
一方、保護膜3を構成する砥粒5または磁性粉5としては、粒径寸法300μmのダイヤモンド粉、粒径寸法300μmのニッケル(Ni)コートしたダイヤモンド粉、粒径寸法300のμmのチタン(Ti)コートしたダイヤモンド粉、粒径寸法300μmの銅(Cu)コートしたダイヤモンド粉を用いた。
また、耐久研磨試験に用いられる試験装置における研磨条件は、実施例1と同様に、研磨ギャップ(1.0mm<膜無しの場合>)、回転数(1200rpm)、送り(500mm/min)、走査線刻み<ピッチ>(0.1mm)である。
そして、ペースト材料は、実施例1と同様に、粒径寸法100〜700μmの磁性粉(80wt%)、粒径寸法40〜300μmのダイヤモンド砥粒(5wt%)、油性溶媒(15wt%)からなる研磨力の高いものを使用して、3D形状(SDK11)を最初30分研磨して初期確認し、以後は1時間単位で研磨し、その都度、各々の保護膜の剥がれ程度を確認して、図6の表にまとめた。
上記耐久研磨試験は、まず、図6の表の8〜11の保護膜3の砥粒である各々のダイヤモンド粉について耐久性を確認した。これは、金属コートの有無により接着固着性に差が見られるか、また金属コート材質による耐久性の差異が無いかを確認したものである。
その結果、11aの保護膜(Cu(銅)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)が、最も長い10時間以上の耐久性を示し、11bの保護膜(Cu(銅)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂b/膜厚寸法0.5mm)においても、5時間の耐久性を示し、十分使用できる耐久性を持つことが判明した。
また、9aの保護膜(Ni(ニッケル)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)が7時間の耐久性を示し、9bの保護膜(Ni(ニッケル)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂b/膜厚寸法0.5mm)が4時間の耐久性を示し、ダイヤモンド粉5にニッケルコートしたものでも、十分使用できる耐久性を持つことが判明した。
さらに、10aの保護膜(Ti(チタン)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)が7時間の耐久性を示し、10bの保護膜(Ti(チタン)コートしたダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂b/膜厚寸法0.5mm)が3時間の耐久性を示し、ダイヤモンド粉5にチタンコートしたものでも、十分使用できる耐久性を持つことが判明した。
なお、8aの保護膜(金属コートなしのダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂a/膜厚寸法0.5mm)が3時間の耐久性を示し、8bの保護膜(金属コートなしのダイヤモンド粉300μm+2液混合型エポキシ樹脂b/膜厚寸法0.5mm)が、3時間の耐久性を示し、いずれも固着性が金属コートしたダイヤモンド粉5を用いた保護膜3よりもやや劣ることが判明した。
さらに、比較対象とした12の保護膜(フッ素樹脂系コーティング)および13の保護膜(Cr系コーティング)が、1時間程度の耐久性を示し、十分な耐久性を得ることができないことが判明した。これは、ペースト材料に含まれる磁性粉及び砥粒の粒径寸法が、100〜700μmと高い研磨力を有するものであるため、膜厚寸法が数〜数十ミクロンと薄い12の保護膜および13の保護膜が、短時間で剥がされてしまったためである。
以上の結果から、保護膜3の混入物であるダイヤモンド粉5に金属コートを施すことにより、硬化型樹脂である2液混合型エポキシ樹脂4との固着性を高め、耐久性を高める効果があることが判明した。
なお、上記実施例2においては、磁気研磨バイト1のバイト本体6から突出したネオジウム磁石2の先端部周辺に加え、側面部も保護膜3を形成したことにより、ネオジウム磁石2の表面のいずれの箇所も削られる事はなかった。よって、ネオジウム磁石2の側面部などペースト材料が吸着する全ての表面上に保護膜3を形成することが必要である。
また、上記実施例1および上記実施例2により、2液混合型エポキシ樹脂aおよびbは、いずれも常温において非常に硬い性質を有しているが、各々がガラス転移点より軟化し始め、80℃以上になるとゴム状に柔らかくなる性質がある。この状態のまま硬く角のあるものを保護膜へ強く押し当てると保護膜3は比較的簡単に剥がれ易くなるが、この軟化する性質を利用することにより、磁気研磨バイト1の保護膜3の再生、再利用を効率良く行うことができる。
なお、発熱が伴う研磨条件下では、ガラス転移点付近やそれ以上となった場合、軟化に伴う強度低下から耐久性が低下するため、常温の硬度のほかに研磨時の発熱温度を考慮し接着剤のガラス転移点を確認しておく必要がある。これは、単に硬度が高くガラス転移点が、例えば、100℃を超えるものを選択した場合には、使用においての耐久性は十分であるが、保護膜3の再生、再利用を考慮した場合に不都合となるためである。
これにより、発熱が伴う研磨を想定した場合の硬化型樹脂4の選定条件としては、2液混合型エポキシ樹脂aおよびbの実施例1および2により、ガラス転移点60℃以上、シェア硬度D73以上が下限条件となる。発熱が伴わない条件下では、ガラス転移点は考慮する必要はない。
以上の構成からなる磁気研磨バイト1によれば、磁気研磨バイト1のバイト本体6の先端7から突出して設けられたネオジウム磁石2の表面上に、エポキシ樹脂4にダイヤモンド粉5を内包させた膜厚寸法0.1〜1.0mmの保護膜3が形成されているため、ペースト材料を用いて研磨対象物を磁気研磨した際に、ネオジウム磁石2が上記ペースト材料の研磨効果によって削られてしまうことを防ぎ、磁気研磨バイト1の寿命を向上させることができる。これにより、ネオジウム磁石2の表面の形状変化による研磨ギャップの増大を防いで、研磨力を安定させることができるとともに、寿命により保護膜3が剥がれた場合でも、新たな保護膜3を容易に再生することができ、作業効率の向上および製造コストを抑えることができる。
また、ダイヤモンド粉5の粒径寸法を100〜700μmとすれば、粒径寸法が100〜700μmの磁性粉および砥粒を含む研磨力の高い上記ペースト材料を用いた場合でも、保護膜3の強度を高めかつ保持することができるとともに、当該保護膜3に内包されたダイヤモンド粉5が脱落して、上記ペースト材料に混入した場合でも、上記研磨対象物にキズを生じさせてしまうことを防ぐことができる。この結果、保護膜3としの効果を十分に発揮させることができるとともに、研磨品質を向上させることができる。
そして、エポキシ樹脂4のシェア硬度がD76以上であるため、ネオジウム磁石2への固着性を向上させることができるとともに、研磨中に保護膜3の表層部が剥がれた場合でも、硬質のダイヤモンド粉5の根元を支えることができる。これにより、保護膜3の機能を長時間維持することができる。
さらに、エポキシ樹脂4のガラス転移点が60℃以上であるため、保護膜3を剥がす際は、ガラス転移点以上に熱を加えることで当該保護膜3が適度に剥がれ易くなり、リユースに繋げることができる。
また、エポキシ樹脂4が、1液または2液混合型のエポキシ樹脂であるため、常温〜80℃の範囲において硬化させることができる。これにより、ネオジウム磁石2の磁力の低下を防ぐことができるとともに、磁力低下したネオジウム磁石を再着磁させる工程を減らすことができる。
そして、ダイヤモンド粉5が、銅、クローム、ニッケル、チタン、銀、コバルトのいずれかの金属によりコーティングされているため、エポキシ樹脂4への固着性を向上させることができるとともに、保護膜3の耐久性をさらに高めることができる。この結果、ネオジウム磁石2表面上に形成された保護膜3の再形成の頻度を少なくすることができ、作業効率を向上させるとともに、製作コストを抑えることができる。
なお、上記実施の形態においては、磁場発生源をネオジウム磁石2を用いる場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石などを用いても対応可能である。
磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を用いて、金属材料や樹脂材料などの表面を処理する表面処理装置に用いられる磁気研磨バイトに利用することができる。
1 磁気研磨バイト
2 ネオジウム磁石(磁場発生源)
3 保護膜
4 2液型エポキシ樹脂(硬化型樹脂)
5 ダイヤモンド粉(砥粒)
6 バイト本体
7 先端
8 基端
9 型枠

Claims (4)

  1. 軸回転する円柱状のバイト本体の先端から突出して設けられる三次元凸曲面が形成された磁場発生源に、磁界の作用により連動して流動する磁気研磨液を磁気吸着させて研磨対象物の表面を研磨する磁気研磨バイトにおいて、
    上記磁場発生源は、少なくとも上記三次元凸曲面上に、シェア硬度がD76以上であってかつガラス転移点が60℃以上の硬化型樹脂に粒径寸法1〜700μmの砥粒または磁性粉を内包させた膜厚寸法0.1〜1.0mmの保護膜が形成されていることを特徴とする磁気研磨バイト。
  2. 上記硬化型樹脂は、1液または2液混合型のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の磁気研磨バイト。
  3. 上記砥粒は、ダイヤモンド粉であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気研磨バイト。
  4. 上記ダイヤモンド粉は、銅、クローム、ニッケル、チタン、銀、コバルトのいずれかの金属によりコーティングされていることを特徴とする請求項3に記載の磁気研磨バイト。
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