JP2014163785A - 温度補償型てんぷ、時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法 - Google Patents

温度補償型てんぷ、時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形状精度が優れ、温度補正作業を狙い通りに安定して行うことができると共に、錆び難い、余計な外力(ストレス)が加わることを抑制しながら効率良く製造可能であること。
【解決手段】てん真41と、てん真の回動軸O回りに周方向に並んで配置された複数のバイメタル部50、及び複数のバイメタル部とてん真とを連結する連結部材51を有するてん輪42と、を備え、バイメタル部は、第1部材60と第2部材61とが径方向に重なった積層体とされると共に、周方向の一端部が連結部材に連結された固定端50Aとされ、周方向の他端部が自由端50Bとされ、第1部材はセラミックス材料により形成され、第2部材は第1部材とは熱膨張率が異なる金属材料から形成されている温度補償型てんぷ40を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度補償型てんぷ、時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法に関するものである。
機械式時計の調速機としては、一般的にてんぷ及びひげぜんまいで構成されている。このうちてんぷは、てん真の回転軸回りに周期的に正逆回転して振動する部材であり、その振動周期は予め決められた規定値内に設定されていることが重要とされている。仮に、振動周期が規定値からずれてしまうと、機械式時計の歩度(時計の遅れ、進みの度合い)が変化するためである。ところが、上記振動周期は各種の原因によって変化し易く、例えば温度変化によっても変化してしまう。
ここで、上記振動周期Tは、次式(1)で表される。
Figure 2014163785
上記式(1)において、Iは「てんぷの慣性モーメント」、Kは「ひげぜんまいのばね定数」を示す。従って、てんぷの慣性モーメント、又はひげぜんまいのばね定数が変化すると、振動周期も変化してしまう。
ここで、てんぷに用いられる金属材料としては、一般的に線膨張係数が正の材料とされており、温度上昇によって膨張する。そのため、てん輪が拡径し、慣性モーメントを増加させてしまう。また、ひげぜんまいに一般的に用いられる鋼材料のヤング率は負の温度係数を有しているため、温度上昇によってばね定数を低下させてしまう。
以上のことにより、温度上昇すると、これに伴って慣性モーメントが増加し且つひげぜんまいのばね定数が低下することとなる。従って、上記式(1)から明らかなように、てんぷの振動周期は、低温で短く、高温で長くなる特性となってしまう。そのため、時計の温度特性としては、低温で進み、高温で遅れるという特性になってしまうものであった。
そこで、てんぷの振動周期の温度特性を改善するための対策として、例えば下記の2つの方法が知られている。
第1の方法としては、てん輪を完全な閉ループをなす円形にする代わりに、てん輪を周方向の二か所で分断して円弧状部とすると共に、各円弧状部を熱膨張率が異なる材料からなる金属板を径方向に接合したバイメタルで形成し、且つ円弧状部の周方向の一端部を固定端、周方向の他端部を自由端とする方法が知られている(特許文献1参照)。
通常、上述したように、温度上昇に伴っててん輪は熱膨張により拡径するので、実効的な慣性モーメントを増大させてしまうが、第1の方法によれば、温度上昇時、バイメタルからなる円弧状部は熱膨張率の差により自由端側が径方向の内側に向けて移動するように内向き変形する。これにより、てん輪の平均径を縮径させて、実効的な慣性モーメントを低下させることができ、慣性モーメントの温度特性に負の傾きを持たせることができる。その結果、ひげぜんまいの温度依存性を相殺する程度に慣性モーメントを変化させることができ、てんぷの振動周期の温度依存性を低く抑えることが可能となる。
第2の方法としては、ひげぜんまいの材料としてコエリンバー等の恒弾性材料を採用することにより、時計の使用温度範囲(例えば、23℃±15℃)付近でのヤング率の温度係数を正の特性とする方法である。
この第2の方法によれば、上記使用温度範囲内において、てん輪の線膨張係数とひげぜんまいの線膨張係数とを相殺させることで、温度に対するてんぷの慣性モーメントの変化をキャンセルすることができ、てんぷの振動周期の温度依存性を低く抑えることが可能となる。
特公昭43−26014号公報
ところで、上記した第1の方法では、熱膨張率が互いに異なる、径方向内側の金属板と径方向外側の金属板とを接合することで、バイメタルの円弧状部を形成するものであるが、その接合方法としてはろう付けや圧着等が挙げられる。ところが、これらの方法では、
そのときの接合条件等によって仕上がりが左右されてしまうので、一定の形状精度を確保することが難しい。しかも、2つの金属板で円弧状部を構成するので、ろう付けや圧着時、又は切断によって各円弧状部を形成する際に、2つの金属板が塑性変形するおそれがあった。
これらのことにより、バイメタルである円弧状部を高精度の形状精度で仕上げることが難しく、慣性モーメントの調整及び温度補償量の設定が不安定になり易かった。加えて、径方向内側に配置される金属板の材料としては、インバー等の鉄系材料(低熱膨張材料)を一般的に採用するが、メッキ工程等を施さないと錆びが発生する問題があった。従って、製造に手間がかかってしまい、改善の余地があった。
また、上記した第2の方法では、コエリンバー等の恒弾性材料でひげぜんまいを作製する際、溶解時における組成や熱処理等の各種加工条件によってヤング率の温度係数が大きく変化する恐れがある。従って、厳密な製造管理工程が必要とされ、ひげぜんまいの製造が容易ではなかった。よって、時計の使用温度範囲付近においてヤング率の温度係数を正にすることが難しい場合があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、形状精度が優れ、温度補正作業を狙い通りに安定して行うことができると共に、錆び難く、余計な外力(ストレス)が加わることを抑制しながら効率良く製造することができる温度補償型てんぷ、これを具備する時計用ムーブメント、機械式時計、及び温度補償型てんぷの製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る温度補償型てんぷは、軸中心に回動するてん真と、前記てん真の回動軸回りに周方向に並んで配置され、該回動軸の周方向に沿って円弧状に延びた複数のバイメタル部、及びこれら複数のバイメタル部と前記てん真とをそれぞれ径方向に連結する連結部材を有するてん輪と、を備え、前記バイメタル部は、第1部材と、該第1部材よりも径方向外側に配置された第2部材とが径方向に重なった積層体とされると共に、周方向の一端部が前記連結部材に連結された固定端とされ、周方向の他端部が自由端とされ、前記第1部材は、セラミックス材料により形成され、前記第2部材は、前記第1部材とは熱膨張率が異なる金属材料により形成されることを特徴とする。
本発明に係る温度補償型てんぷによれば、温度変化が生じると、第1部材と第2部材との熱膨張率の差によってバイメタル部が固定端を基点として径方向に屈曲変形するので、バイメタル部の自由端を径方向の内側又は外側に向かって移動させることができる。これにより、バイメタル部の自由端の位置を径方向に変化させることができる。そのため、てん輪の平均径を縮径又は拡径させることができ、てん真の回動軸からの距離を変化させててんぷ全体の慣性モーメントを変化させることができる。これにより、慣性モーメントの温度特性の傾きを変化させることができ、温度補正を行うことができる。
特に、バイメタル部の第1部材がセラミックス材料で形成されているので、バイメタル部の塑性変形を抑制でき、温度補正により自由端の変形が繰り返されたとしても、経時的に安定した精度のバイメタル部を形成することが可能となる。
上記したように、塑性変形を防止しながら優れた形状精度でバイメタル部を形成できるので、温度補正作業を狙い通りに安定して行わせることができ、温度変化によって歩度が変化し難い、温度補償性能に優れた高品質なてんぷとすることができる。
また、バイメタル部の形状を規定できるので、バイメタル部の形状自由度を高めることができ、例えば変位量を大きくする等による温度補償量の制御を容易に行い易い。また、第1部材については、セラミックス材料であるのでメッキ等を施さなくても錆び難い。よって、メッキ工程等が不要であり、効率良く製造することが可能となる。
また、径方向に相互に重なる第1部材と第2部材とにより構成されたバイメタル部において内側の第1部材がセラミックス材で形成されているので、温度変化に伴う第1部材の熱変形が抑制されることになり、温度変化に応じたバイメタル部の変形を小さく抑えつつ所望の慣性モーメント調整量を得ることができるようになる。つまり、バイメタル部の内側部材が金属等ではなくセラミックス材であるので、当該内側部材の熱変形量の大きさを考慮しすぎることなく、バイメタル自由端部の変形量を設計することができるようになる。よって、慣性モーメントの温度補正が容易となり、当該補正精度を向上させることができる。
(2)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記第1部材及び前記連結部材は、セラミックス材料により一体に形成され、前記第2部材は、前記第1部材とは熱膨張率が異なる金属材料からなる電鋳物であることが好ましい。
この場合には、てん輪のうち連結部材及びバイメタル部を構成する第1部材が、セラミックス材料で一体に形成されているので、半導体製造技術(フォトリソグラフィ技術やエッチング加工技術等を含む技術)を利用して、例えばシリコン基板から優れた形状精度で一体に形成することができる。しかも、半導体製造技術を利用するので、連結部材及び第1部材に対して余計な外力を加えることなく所望する微細な形状で形成することができる。
一方、バイメタル部を構成する第2部材は電鋳物であるので、金属材料を電鋳により成長させるだけの簡便な作業で第1部材に対して接合させることができる。従って、従来のろう付けや圧着等による方法とは異なり、やはり第1部材に対して余計な外力を加えることなく、第2部材を接合することができる。そのため、バイメタル部の塑性変形を防止できるうえ、優れた形状精度でバイメタル部を形成することが可能となる。
(3)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記第2部材は、前記第1部材に形成された第1係合部に係合する第2係合部を備え、該係合を維持したまま前記第1部材に対して接合していることが好ましい。
この場合には、第1係合部と第2係合部との係合によって、第1部材と第2部材との接合強度を高めることができるので、バイメタル部としての作動信頼性を向上することができる。また、両係合部の係合によって、第2部材が第1部材に対して周方向に位置決めされるので、第1部材の狙った領域に第2部材を接合できる。この点においても、バイメタル部としての作動信頼性を向上できる。
(4)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記第1部材と前記第2部材は、合金層を介して接合されていることが好ましい。
この場合には、第1部材と第2部材とが合金層を介して接合されているので、両部材の接合強度を高めることができ、バイメタル部としての作動信頼性を向上することができる。
(5)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記バイメタル部の自由端には、錘部が設けられていることが好ましい。
この場合には、錘部によってバイメタル部の自由端の重量を増大させることができるので、自由端における径方向の変化量に対して、より効果的に慣性モーメントの温度補正を行うことができる。従って、温度補償性能をより向上させ易い。
(6)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記第1部材及び前記連結部材は、Si、SiC、SiO2、Al23、ZrO2、又はCのうちのいずれかの材料で形成されていることが好ましい。
この場合には、セラミックス材料として、Si、SiC、SiO2、Al23、ZrO2、又はCを採用するので、エッチング加工、特にドライエッチング加工を好適に行うことが可能である。従って、連結部材及び第1部材を、より簡便且つ効率良く形成でき、製造効率をさらに高め易い。
(7)上記本発明に係る温度補償型てんぷにおいて、前記第2部材は、Au、Cu、Ni、Ni合金、Sn、又はSn合金のうちのいずれかの材料で形成されていることが好ましい。
この場合には、金属材料として、Au、Cu、Ni、Ni合金、Sn、又はSn合金を採用するので、電鋳によりスムーズに金属材料を成長させることができ、効率良く第2部材を形成することが可能である。従って、製造効率をさらに高め易い。
(8)本発明に係る時計用ムーブメントは、動力源を有する香箱車と、前記香箱車の回転力を伝達する輪列と、前記輪列の回転を制御する脱進機構と、前記脱進機構を調速する上記本発明に係る温度補償型てんぷと、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る時計用ムーブメントによれば、上述したように温度補償性能が高い温度補償型てんぷを具備しているので、歩度の誤差が少ない高品質な時計用ムーブメントとすることができる。
(9)本発明に係る機械式時計は、上記本発明に係る時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明に係る機械式時計によれば、上記した時計用ムーブメントを具備しているので、歩度の誤差の少ない高品質な機械式時計とすることができる。
(10)本発明に係る温度補償型てんぷの製造方法は、上記本発明に係る温度補償型てんぷを製造する方法であって、セラミックス基板を半導体製造技術により加工して、前記連結部材に複数の前記第1部材が一体に連結されると共に、それぞれの前記第1部材との間に電鋳用開放空間を画成させる電鋳用ガイド壁が、それぞれの前記第1部材に一体に連結された前駆体を形成する基板加工工程と、前記前駆体における前記電鋳用開放空間内に前記金属材料を電鋳により成長させることで前記第2部材を形成し、前記第1部材と前記第2部材とが径方向に重なった接合された前記バイメタル部を形成する電鋳工程と、前記電鋳用ガイド壁を前記第1部材から除去する除去工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る温度補償型てんぷの製造方法によれば、上述した温度補償型てんぷと同様の作用効果を奏功することができる。すなわち、塑性変形を防止しながら優れた形状精度でバイメタル部を形成できるので、温度補正作業を狙い通りに安定して行わせることができ、温度変化によって歩度が変化し難い高品質な温度補償性能に優れたてんぷとすることができる。
特に、基板加工工程の際、連結部材及び第1部材に加えて、電鋳用ガイド壁が一体に連結された前駆体を形成している。そのため、この電鋳用ガイド壁と第1部材との間に画成される電鋳用開放空間を優れた形状精度で形成することができる。そして、電鋳工程の際、この電鋳用開放空間内に金属材料を成長させて第2部材を形成するので、優れた形状精度の第2部材を形成することができ、結果として所望の形状を有する高品質なバイメタル部を得ることができる。これにより、上述した作用効果をより顕著に奏功することができる。
(11)上記本発明に係る温度補償型てんぷの製造方法において、前記電鋳工程後、前記バイメタル部が形成された前記前駆体を、所定温度雰囲気下で所定時間の間、熱処理する熱処理工程を行うことが好ましい。
この場合には、電鋳により第1部材に対して第2部材を接合させてバイメタル部を形成した後、熱処理を行うので、電鋳物である第2部材を形成する金属材料を、第1部材との接合界面に沿って拡散させることができ、この拡散を利用して第1部材と第2部材との間に合金層を形成することができる。これにより、第1部材と第2部材とを合金層を介して接合させることができ、両部材の接合強度を高めることができる。従って、バイメタル部としての作動信頼性を向上することができる。
本発明によれば、形状精度が優れ、温度補正作業を狙い通りに安定して行うことができると共に、錆び難く、余計な外力(ストレス)が加わることを抑制しながら効率良く製造することができ、温度補償性能が高まった温度補償型てんぷを得ることができる。
本発明に係る実施形態を示す図であって、機械式時計のムーブメントの構成図である。 図1に示すムーブメントを構成するてんぷ(温度補償型てんぷ)の斜視図である。 図2に示すA−A断面図である。 図2に示すてんぷを構成するてん輪の斜視図である。 図4に示すB−B断面図である。 図4に示すてん輪を製造する際の一工程図であって、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成した状態を示す断面図である。 図6に示す状態から、シリコン酸化膜に円弧状の溝部を形成した状態を示す断面図である。 図7に示す状態の斜視図である。 図7に示す状態から、シリコン酸化膜上にレジストパターンを形成した状態を示す断面図である。 図9に示す状態の斜視図である。 図9に示す状態の上面図である。 図9に示す状態から、レジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜を選択的に除去した状態を示す断面図である。 図12に示す状態の斜視図である。 図12に示す状態から、レジストパターン及びシリコン酸化膜をマスクとしてシリコン基板を選択的に除去した状態を示す断面図である。 図14に示す状態の斜視図である。 図14に示す状態から、レジストパターンを除去して前駆体を形成した状態を示す断面図である。 図16に示す状態の斜視図である。 図16に示す前駆体を表裏反転させた後、第1支持基板の接着層に貼り合わせた状態を示す断面図である。 図18に示す状態の斜視図である。 図18に示す状態から、前駆体の電鋳用開放空間内に電鋳により金を成長させて、第2部材を形成した状態を示す断面図である。 図20に示す状態の斜視図である。 図20に示す状態から、前駆体を第1支持基板から取り外し、再度表裏反転させた後、第2支持基板の接着層に貼り合わせた状態を示す断面図である。 図22に示す状態から電鋳用ガイド壁を除去した状態を示す断面図である。 図23に示す状態から第2支持基板を取り外した状態を示す斜視図である。 図24に示す状態からシリコン酸化膜を除去した状態を示す断面図である。 図25に示す状態の斜視図である。 本発明に係るてん輪の変形例を示す斜視図である。 本発明に係るてんぷの変形例を示す斜視図である。 図28に示すてんぷにおけるバイメタル部の拡大上面図である。 本発明に係るてんぷの別の変形例を示す斜視図である。 図30に示すてんぷにおけるバイメタル部の拡大上面図である。 本発明に係るバイメタル部を構成する、第1部材の材料と第2部材の材料との組み合わせの一例を示すと共に、各組み合わせにおける最適な熱処理温度を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
〔機械式時計、時計用ムーブメント、温度補償型てんぷの構成〕
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、例えば腕時計であって、ムーブメント(時計用ムーブメント)10と、このムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
(ムーブメントの構成)
このムーブメント10は、基板を構成する地板11を有している。この地板11の裏側には図示しない文字板が配されている。なお、ムーブメント10の表側に組み込まれる輪列を表輪列28と称し、ムーブメント10の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。
上記地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12が回転自在に組み込まれている。この巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15及び裏押さえ16を有する切換装置により、軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
このような構成のもと、巻真12が、例えば回転軸方向に沿ってムーブメント10の内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真12を回転させると、図示しないつづみ車の回転を介してきち車17が回転する。そして、このきち車17が回転することにより、これと噛合う丸穴車20が回転する。そして、この丸穴車20が回転することにより、これと噛合う角穴車21が回転する。更に、この角穴車21が回転することにより、香箱車22に収容された図示しないぜんまい(動力源)を巻き上げる。
ムーブメント10の表輪列28は、上記香箱車22の他に、二番車25、三番車26及び四番車27により構成されており、香箱車22の回転力を伝達する機能を果している。また、ムーブメント10の表側には、表輪列28の回転を制御するための脱進機構30及び調速機構31が配置されている。
二番車25は、香箱車22に噛合う歯車とされている。三番車26は、二番車25に噛合う歯車とされている。四番車27は、三番車26に噛合う歯車とされている。
脱進機構30は、上記した表輪列28の回転を制御する機構であって、四番車27と噛み合うがんぎ車35と、このがんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル36と、を備えている。
調速機構31は、上記脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(温度補償型てんぷ)40を具備している。
(てんぷの構成)
てんぷ40は、図2及び図3に示すように、軸線(回動軸)Oを中心に回動する(軸中心に回動する)てん真41と、てん真41に取り付けられたてん輪42と、ひげぜんまい(てんぷばね)43と、を備え、ひげぜんまい43から伝えられた動力によって、軸線O回りに一定の振動周期で正逆回転させられる部材とされている。
なお、本実施形態では、軸線Oに直交する方向を径方向、軸線Oを周回する方向を周方向という。
てん真41は、軸線Oに沿って上下に延在した回転軸体であり、上端部及び下端部が上記したムーブメント10を構成する図示しない地板やてんぷ受等の部材によって軸支されている。てん真41における上下方向の略中間部分は、径が最も大きい大径部41aとされている。また、このてん真41には、大径部41aの下方に位置する部分に筒状の振り座45が軸線Oと同軸に外装されている。この振り座45は、径方向の外側に向けて突設された環状の鍔部45aを有しており、該鍔部45aに上記アンクル36を揺動させるための振り石46が固定されている。
ひげぜんまい43は、例えば一平面内で渦巻状に巻かれた平ひげであって、ひげ玉47を介してその内端部がてん真41における大径部41aの上方に位置する部分に固定されている。そして、このひげぜんまい43は、四番車27からがんぎ車35に伝えられた動力を蓄え、上述したように該動力をてん輪42に伝える役割を果たしている。
なお、本実施形態のひげぜんまい43は、ヤング率が負の温度係数を有する一般的な鋼材料で形成されており、温度上昇によってばね定数が低下する特性を有している。
てん輪42は、図4及び図5に示すように、てん真41の軸線O回りに周方向に並んで配置された3つのバイメタル部50と、これら3つのバイメタル部50とてん真41とをそれぞれ径方向に連結する連結部材51と、を備えている。
連結部材51は、軸線Oと同軸に配設されており、中心に軸孔55aが形成された連結円板55と、該連結円板55を径方向の外側から間隔をあけて囲繞する連結リング56と、連結円板55の外周部と連結リング56の内周部とを連結する3つ連結ブリッジ57と、を備えている。
そして、この連結部材51は、軸孔55aを介しててん真41の大径部41aに例えば圧入等により固定されることで、てん真41に対して一体に取り付けられる。
連結リング56の外周部には、径方向の外側に向けて3つの支持突起58が突出している。これら3つの支持突起58は、周方向に一定の間隔をあけて均等配置されている。また、各支持突起58には、連結リング56の外周部から径方向の外側に向かうにしたがって、周方向の一方側(図4に示す矢印T方向)に向けて傾斜した傾斜面58aが形成されている。
連結ブリッジ57は、連結円板55と連結リング56とを径方向に繋ぐ部材であり、周方向に一定の間隔をあけて均等配置されている。図示の例では、3つの連結ブリッジ57と3つの支持突起58とは、互いに周方向に位置がずれた状態で配設されているが、この場合に限定されるものではない。
上記バイメタル部50は、径方向の内側に位置する第1部材60と、この第1部材60の径方向の外側に位置する第2部材61とが互いに径方向に重なって接合された積層体であり、周方向に沿って円弧状に延びる帯状に形成されている。そして、このバイメタル部50は、連結リング56の径方向の外側に間隔をあけ、且つ周方向に並んだ状態で配置されており、周方向の一端部が連結部材51に連結された固定端50Aとされている。
具体的には、バイメタル部50の固定端50Aは、連結リング56から突出した支持突起58における、傾斜面58aとは周方向の反対の面に連結されている。そして、バイメタル部50は、この支持突起58から周方向に沿いながら矢印T方向に向かって延びている。これにより、3つのバイメタル部50は、周方向に均等配置されている。
また、バイメタル部50の周方向の他端部は、温度変化に伴う屈曲変形によって径方向に移動可能とされた自由端50Bとされている。この自由端50Bは、主に第1部材60で形成されており、径方向の内側に向けて突出することで、バイメタル部50の他の部分よりも径方向に幅広に形成されている。
これにより、自由端50Bの重量は、バイメタル部50の他の部分よりも重く設計されている。しかも、本実施形態の自由端50Bには錘孔62が形成されており、この錘孔62に錘部65(図2、図3参照)が例えば圧入により取り付けられている。そのため、自由端50Bには錘部65による重量も加わって、バイメタル部50の他の部分よりも十分重く設計されている。
なお、錘部65は、図2及び図3に示すように、錘孔62に挿入される軸部65aと、自由端50Bの上面に露出するヘッド部65bと、でリベットのごとく形成されている場合を例にしている。
また、図4に示すように、自由端50Bにおける径方向の内側を向いた部分には、支持突起58における傾斜面58aに対向し、該傾斜面58aの傾斜に倣って傾斜した対向傾斜面66とされている。
ところで、上述したようにバイメタル部50は、図4及び図5に示すように、第1部材60と第2部材61とが径方向に重なって積層されることで形成されているが、これらは熱膨張率の異なる材料で形成されている。
具体的には、径方向の内側に位置する第1部材60は、低熱膨張材料であるセラミックス材料、本実施形態ではシリコン(Si)で形成されている。一方、径方向の外側に位置する第2部材61は、第1部材60よりも熱膨張率が大きい高熱膨張材料であって、且つ電鋳可能な金属材料、本実施形態では金(Au)で形成されている。
従って、温度上昇した場合には、第1部材60よりも第2部材61の方が熱膨張するので、バイメタル部50は、固定端50Aを基点として自由端50Bが径方向の内側に向けて移動するように屈曲変形する。
また、本実施形態の第1部材60は、連結部材51と一体に形成されている。従って、連結部材51についても、第1部材60と同様にシリコンにより形成されている。つまり、てんぷ40を構成するてん輪42は、連結部材51と第1部材60とがシリコンにより形成され、第2部材61だけが金で形成されている。
しかも、この第2部材61は電鋳によって形成された電鋳物とされており、電鋳による金の成長過程で第1部材60に対して密着接合する。加えて、第2部材61における周方向の両端部は、径方向の内側に向かうにしたがって周方向に漸次延びた平面視V字状の楔部(第2係合部)67が形成されており、第1部材60側に形成された平面視V字状の凹部(第1係合部)68に係合した状態で接合されている。
これにより、第2部材61は、第1部材60に対して周方向に位置決めがなされた状態で接合している。
〔温度補正方法〕
次に、上記したてんぷ40を利用した、慣性モーメントの温度補正方法について説明する。
本実施形態のてんぷ40によれば、図2に示すように、温度変化が生じると、第1部材60と第2部材61との熱膨張率の差によってバイメタル部50が固定端50Aを基点として径方向に屈曲変形するので、バイメタル部50の自由端50Bを径方向の内側又は外側に向かって移動させることができる。即ち、温度上昇した場合には、バイメタル部50が径方向の内側に屈曲変形するので、自由端50Bを径方向の内側に向けて移動させることができ、温度低下した場合には、その逆に径方向の外側に向けて移動させることができる。
そのため、てん輪42の平均径を縮径又は拡径させることができ、てん真41の軸線Oからの距離を変化させててんぷ40全体の慣性モーメントを変化させることができる。つまり、温度上昇した場合には、てん輪42の平均径を縮径させて慣性モーメントを小さくすることができ、温度低下した場合には、てん輪42の平均径を拡径させて慣性モーメントを大きくすることができる。これにより、慣性モーメントの温度特性の傾きを負の傾きに変化させることができ、温度補正を行うことができる。
すなわち、ヤング率が負の温度係数を有するひげぜんまい43を備えていたとしても、温度上昇時、ひげぜんまい43のヤング率の低下と同時に、慣性モーメントを小さくすることができるので、てんぷ40の振動周期を一定に保つことができ、温度補正を行える。また、温度低下時、ひげぜんまい43のヤング率の増加と同時に、慣性モーメントを大きくすることができるので、やはりてんぷ40の振動周期を一定に保つことができ、温度補正を行える。
〔てんぷの製造方法〕
次に、上記したてんぷ40の製造方法について、図面を参照して説明する。
てんぷ40の製造方法としては、てん真41を製造する工程と、てん輪42を製造する工程と、ひげぜんまい43を製造する工程と、これらを一体に組み付ける工程と、を備える。ここでは、主にてん輪42を製造する工程を詳細に説明する。
はじめに、図6に示すように、後に連結部材51及び第1部材60となるシリコン基板(セラミックス基板)70を準備した後、その表面にシリコン酸化膜(SiO2)71を形成する。この際、シリコン基板70としては、てん輪42の厚みよりも厚いものを用いる。また、シリコン酸化膜71は、例えばプラズマ化学気相形成法(PCVD)や熱酸化等による方法で形成する。
なお、ここでは説明を簡略化するために、平面視正方形状のシリコン基板70から、てん輪42を1つだけ製造する場合を例に挙げて説明する。但し、ウエハ状のシリコン基板を用意し、てん輪42を一度に複数個同時に製造しても構わない。
続いて、図7及び図8に示すように、シリコン酸化膜71の一部をエッチング等により選択的に除去して、3つの円弧状の溝部72を、周方向に間隔をあけて並ぶように形成する。この溝部72は、後に形成される電鋳用ガイド壁70Aを形成するための溝であり、第2部材61よりも径方向外側に位置するように形成する。
続いて、図9〜図11に示すように、シリコン酸化膜71上における、上記3つの溝部72で囲まれる内側領域にフォトレジストを形成した後、該フォトレジストをパターニングしたレジストパターン73を形成する。このとき、連結部材51及び第1部材60の形状に倣ってパターニングしたレジストパターン本体73Aと、上記した3つの溝部72に入り込むと共に、周方向の両端部がレジストパターン73と連結したガイド壁用パターン73Bと、で構成されるようにレジストパターン73を形成する。
なお、フォトレジストは、スピンコートやスプレーコート等の一般的な方法により形成すれば良い。また、レジストパターン73は、フォトレジストをフォトリソグラフィ技術等の一般的な方法によりパターニングすることで形成すれば良い。
続いて、図12及び図13に示すように、シリコン酸化膜71のうち、上記レジストパターン73でマスクされていない領域を選択的に除去する。具体的には、緩衝フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングや、リアクティブイオンエッチング(RIE)等のドライエッチングによるエッチング加工によりシリコン酸化膜71を除去する。
これにより、レジストパターン73の下だけにシリコン酸化膜71を残すことができ、該シリコン酸化膜71をレジストパターン73に倣った形状にパターニングすることができる。
続いて、図14及び図15に示すように、シリコン基板70のうち、上記レジストパターン73及びシリコン酸化膜71でマスクされていない領域を選択的に除去する。具体的には、ディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)等のドライエッチングによるエッチング加工によりシリコン基板70を除去する。
これにより、レジストパターン73及びシリコン酸化膜71の下だけにシリコン基板70を残すことができ、該シリコン基板70をレジストパターン73に倣った形状にパターニングすることができる。
特に、パターニングされたシリコン基板70のうち、ガイド壁用パターン73Bの下に残された部分は、電鋳用ガイド壁70Aとして機能する。
続いて、図16及び図17に示すように、マスクとして利用していたレジストパターン73を除去する。この除去方法としては、例えば発煙硝酸によるドライエッチングや、酸素プラズマを用いたドライエッチング等の方法が挙げられる。
以上の工程により、シリコン基板70を半導体技術により加工して、連結部材51に3つの第1部材60が一体に連結されると共に、各第1部材60との間に電鋳用開放空間Sを画成させる電鋳用ガイド壁70Aが、各第1部材60に一体に連結された前駆体75を得ることができる。(従って、上述した各工程が本発明における基板加工工程となる。)
上記前駆体75を形成した後、電鋳用開放空間S内に金を電鋳により成長させることで第2部材61を形成し、第1部材60と第2部材61とが接合されたバイメタル部50を形成する電鋳工程を行う。この電鋳工程について、具体的に説明する。
まず、図18及び図19に示すように、基板本体80A上に電極層80Bを介して接着層80Cが例えば貼り合わされた第1支持基板80を用意した後、上記前駆体75を表裏反転させて、パターニングされたシリコン酸化膜71を接着層80Cに張り合わせる。図示の例では、シリコン酸化膜71が接着層80C内に埋め込まれる程度、前駆体75と第1支持基板80とを貼り合わせている。
なお、接着層80Cとしては、特に限定されるものではないが、例えばフォトレジストを用いることが好ましい。この場合には、フォトレジストがペースト状の状態で貼り合わせを行い、その後、フォトレジストがペーストを脱する状態まで硬化させれば良い。
そして、上記貼り合わせを行った後、図18に示すように、接着層80Cのうち、前駆体75の電鋳用開放空間Sに連通している部分を選択的に除去する。これにより、電鋳用開放空間S内に、電極層80Bを露出させることができる、
この際、例えば接着層80Cをフォトレジストとしている場合には、フォトリソグラフィ技術によって選択的に除去する作業を容易に行うことが可能である。
続いて、図20及び図21に示すように、電極層80Bを利用して電鋳を行い、電鋳用開放空間S内において電極層80Bから金を徐々に成長させ、電鋳用開放空間S内を満たし、さらに電鋳用開放空間Sを膨出する程度の電鋳物81を生成する。そして、この膨出した電鋳物81を前駆体75と面一となるように研磨する。これにより、この電鋳物81を第2部材61とすることができ、第1部材60と第2部材61とが接合されたバイメタル部50を形成することができる。
なお、上記研磨を行う際、前駆体75のシリコン基板70を同時に研磨しても構わない。
この段階で、上記した電鋳工程が終了する。なお、図20及び図21では電鋳に必要な一般的な構成部材(電鋳槽等)の図示は省略している。
電鋳が終了した後、電鋳用ガイド壁70Aを第1部材60から除去する除去工程を行う。この除去工程について、具体的に説明する。
まず、図22に示すように、基板本体85A上に接着層85Bが形成された第2支持基板85を用意した後、第1支持基板80から取り外した上記前駆体75を再度表裏反転させて、シリコン基板70のうち、シリコン酸化膜71が形成された側とは反対側の面を接着層85Bに張り合わせる。
続いて、図23に示すように、前駆体75のうち電鋳用ガイド壁70Aだけを選択的に除去する。具体的には、前駆体75のうち、例えば電鋳用ガイド壁70A以外の領域を図示しないマスクで上方から覆い、ディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)等のドライエッチングによるエッチング加工により、マスクされていない電鋳用ガイド壁70Aを除去する。
この段階で、上記除去工程が終了する。
続いて、図24に示すように第2支持基板85を取り外した後、図25及び図26に示すように、残ったシリコン酸化膜71を例えばBHFを用いたウェットエッチングにより除去する。
なお、シリコン酸化膜71は必ずしも除去する必要がないが、除去することが好ましい。また、図25及び図26では、シリコン酸化膜71の膜厚を誇張して図示しているため、第1部材60と第2部材61との間に段差が生じているが、この段差量は僅か(例えば1μm程度)であり、実質的には図3に示すように第1部材60と第2部材61との間に段差はないに等しい。
そして、最後に、錘孔62に錘部65を圧入等により固定することで、図2に示すてん輪42を製造することができる。
その後、先に説明したように、別途製造されたてん真41及びひげぜんまい43と、てん輪42とを一体に組み付けることで、てんぷ40の製造が終了する。
(作用効果)
上述したように、本実施形態のてんぷ40によれば、バイメタル部50の第1部材60がセラミックス材で形成されるので、バイメタル部50の塑性変形を抑制でき、温度補正により自由端50Bの変形が繰り返されたとしても、経時的に安定した精度のバイメタル部50を形成することが可能となる。
また、径方向に相互に重なる第1部材60と第2部材61とにより構成されたバイメタル部50において内側の第1部材60がセラミックス材で形成されているので、温度変化に伴う第1部材60の熱変形が抑制されることになり、温度変化に応じたバイメタル部50の変形を小さく抑えつつ所望の慣性モーメント調整量を得ることができるようになる。つまり、バイメタル部50の内側部材が金属等ではなくセラミックス材なので、当該内側部材の熱変形量の大きさを考慮しすぎることなく、バイメタル部50の自由端50Bの変形量を設計することができるようになる。よって、慣性モーメントの温度補正が容易となり、当該補正精度を向上させることができる。
また、所望の慣性モーメント調整幅を確保する際に、バイメタル部50の自由端50Bの変形量を低減できるので、自由端50B周囲の空隙(バイメタル部50と連結部材51とにより挟まれた空間)を小さくすることができ、てんぷ40の高密度形成が可能となる。よって、セラミックス材で形成されるてんぷにおいても所望の剛性を確保できるようになる。
また、密度の高いバイメタル部50が最外周のみに形成されているため、全体の重量を抑えつつ所望の慣性モーメントを得ることができる。つまり、シリコン材(セラミックス材)によりてんぷ40の重量を抑えることによって時計を落下させた時にてん真41に加わる衝撃を少なくすることができる。よって、てん真曲がりやてん真折れの発生頻度を抑えられ、時計としての信頼性を向上させることができるようになる。
また、てん輪42のうち、連結部材51及び第1部材60がシリコンで一体に形成されているので、半導体製造技術(フォトリソグラフィ技術やエッチング加工技術等を含む技術)を利用して、シリコン基板70から優れた形状精度で一体に形成することができる。しかも、半導体製造技術を利用するので、連結部材51及び第1部材60に対して余計な外力を加えることなく所望する微細な形状で形成することができる。
一方、バイメタル部50を構成する第2部材61は電鋳物であるので、金を電鋳により成長させるだけの簡便な作業で第1部材60に対して接合させることができる。従って、従来のろう付けや圧着等による方法とは異なり、やはり第1部材60に対して余計な外力を加えることなく第2部材61を接合することができる。そのため、バイメタル部50の塑性変形を防止できるうえ、優れた形状精度でバイメタル部50を形成することが可能となる。しかも、シリコンをはじめとするセラミックス材は、塑性変形し難い。この点においても、バイメタル部50の塑性変形を防止できる。
上記のように、塑性変形を防止しながら優れた形状精度でバイメタル部50を形成できるので、温度補正作業を狙い通りに安定して行わせることができ、温度変化によって歩度が変化し難い、温度補償性能に優れた高品質なてんぷ40とすることができる。
また、バイメタル部50の形状を規定できるので、バイメタル部50の形状自由度を高めることができ、例えば変位量を大きくする等による温度補償量の制御を容易に行い易い。
さらに、てん輪42を製造する際、連結部材51及び第1部材60に加えて、電鋳用ガイド壁70Aが一体に形成された前駆体75を形成している。そのため、この電鋳用ガイド壁70Aと第1部材60との間に画成される電鋳用開放空間Sを優れた形状精度で形成することができる。そして、電鋳の際、この電鋳用開放空間S内に金を成長させて第2部材61を形成するので、優れた形状精度の第2部材61を形成することができ、結果として所望の形状を有する高品質なバイメタル部50を得ることができる。
これにより、上述した作用効果をより顕著に奏功することができる。
また、連結部材51及び第1部材60については、シリコンであるのでメッキ等を施さなくても錆び難い。加えて、第2部材61が金であるので、防錆に優れている。これらのことにより、メッキ工程等が不要であり、効率良く製造することが可能となる。
また、バイメタル部50を構成する第1部材60と第2部材61とは、楔部67と凹部68との係合によっても互いに係合しているので、接合強度を高めることができ、バイメタル部50としての作動信頼性を向上することができる。また、上記係合によって、第2部材61が第1部材60に対して周方向に位置決めされるので、第1部材60の狙った領域に第2部材61を接合できる。この点においても、バイメタル部50としての作動信頼性を向上することができる。
また、本実施形態のムーブメント10によれば、温度補償性能が高い上記した温度補償型てんぷ40を具備しているので、歩度の誤差が少ない高品質なムーブメントとすることができる。
さらに、このムーブメント10を具備する本実施形態の機械式時計1によれば、同様に歩度の誤差の少ない高品質な時計となる。
(変形例)
上記実施形態では、バイメタル部50の自由端50Bに錘部65を設けたが、この錘部65は必須ではなく具備しなくても構わない。但し、錘部65を設けることで、自由端50Bの重量を増大させることができるので、自由端50Bにおける径方向の変化量に対して、より効果的に慣性モーメントの温度補正を行うことができ、温度補償性能をより向上させ易い。
なお、錘部65の形状は、錘部65の重量と錘部65に必要とされる慣性モーメントの量から決定すれば良い。
また、錘部65を設ける場合には、上記実施形態のような錘孔62に圧入等により固定する錘部65に限られるものではなく、自由に変更して構わない。
例えば、図27に示すように、錘孔62内に電鋳により金を成長させた電鋳物を錘部90としても構わない。
この場合には、製造時、接着層85Bの一部を除去して、電極層80Bを電鋳用開放空間Sに露出させる際、同時に、錘孔62に相当する部分の接着層85Bを除去して電極層80Bを露出させる。そして、電鋳により金を成長させて第2部材61を形成する際に、同時に錘孔62内にも金を成長させて錘部90を形成すれば良い。
このようにすることで、1度の電鋳工程で、第2部材61と錘部90とを同時に形成することができるので、製造効率をさらに高めることができる。また、バイメタル部50の自由端50Bに外力を加えることなく錘部90を形成することができるので、より好ましい。
また、上記実施形態では、第2部材61の周方向の両端部に設けられた楔部67を、第1部材60側の凹部68に係合させた状態で、第1部材60と第2部材61とが接合されている場合を説明したが、楔部67及び凹部68による係合は必須なものではなく、具備しなくても構わない。但し、接合強度を高め、第1部材60からの第2部材61の剥がれや、第1部材60に対する径方向及び周方向への位置ずれを規制することが可能となるので、設けることが好ましい。
さらに、上記楔部67及び凹部68に代えて、別の係合部材を第1部材60と第2部材61に設けても構わないし、上記楔部67及び凹部68に加えて、別の係合部材を第1部材60と第2部材61に追加しても構わない。
例えば、図28及び図29に示すように、第1部材60の外周部に径方向の外側に開口する係合凹部(第1係合部)91を周方向に間隔をあけて2つ設け、第2部材61の内周部に径方向の内側に向けて突出し、係合凹部91に係合する係合凸部(第2係合部)92を周方向に間隔をあけて2つ設けても構わない。
このように、係合凹部91及び係合凸部92をさらに加えることで、第1部材60と第2部材61との接合強度をさらに高めることができるので、より好ましい。なお、係合凹部91及び係合凸部92の数は、2つに限定されるものではない。
また、図30及び図31に示すように、第1部材60と第2部材61とを合金層95を介して接合させても構わない。
この合金層95を形成する場合には、電鋳工程によって第2部材61を形成させた後、バイメタル部50が形成された前駆体75を、所定温度雰囲気下で所定時間の間、熱処理する熱処理工程を行う。このように熱処理を行うことで、電鋳物である第2部材61の金を、第1部材60との接合界面に沿って拡散させることができ、この拡散を利用して第1部材60と第2部材61との間に合金層95を形成することができる。
やはり、この場合であっても第1部材60と第2部材61との間の接合強度を高めることができ、バイメタル部50としての作動信頼性を高めることができる。
なお、上記熱処理を行うタイミングとしては、電鋳工程の後であれば良く、電鋳用ガイド壁70Aを除去する前でも良いし、除去した後でも良い。但し、熱処理によって、電鋳用ガイド壁70Aと第2部材61との間にも合金層95が形成されるので、電鋳用ガイド壁70Aを除去した後に行うことが好ましい。
また、上記実施形態の場合には、第1部材60がシリコン、第2部材61が金であるので、熱処理温度としては1000℃程度で行うことが可能である。また、熱処理は大気中でも可能であるが、酸化を防止するために真空雰囲気中、又はアルゴンガスや窒素ガス雰囲気中でも行うことが好ましい。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、バイメタル部50の数を3つとしたが、2つでも構わないし、4つ以上でも構わない。これらの場合であっても、各バイメタル部50を周方向に均等配置させれば良く、同様の作用効果を奏効することができる。また、連結部材51の形状は一例であり、適宜変更して構わない。
また、上記実施形態において、ひげぜんまい43の材料としてエリンバー等の恒弾性材料を用い、バイメタル部50における第2部材61を、セラミックス材料からなる第1部材60よりも熱膨張率が低い金属材料で形成しても構わない。この場合であっても、ひげぜんまい43の正の温度係数をキャンセルするように慣性モーメントの温度特性を微調整することが可能である。
また、上記実施形態では、てん輪42を構成する連結部材51及び第1部材60をシリコンとしたが、セラミックス材料で形成されていれば良く、シリコンに限定されるものではない。
例えば、セラミックス材料として、シリコンカーバイト(SiC)、二酸化ケイ素(SiO2)、サファイア、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)や、グラッシーカーボン(C)等を採用しても構わない。これらいずれのものを採用したとしても、エッチング加工、特にドライエッチング加工を好適に行うことが可能であり、連結部材51及び第1部材60を、より簡便且つ効率良く形成でき、製造効率をさらに高め易い。
なお、本実施形態におけるセラミックス材料としては、電気抵抗の高い絶縁性を有していることが好ましい。また、連結部材51及び第1部材60の表面に、例えば酸化膜や窒化膜等のコーティング膜を施しても構わない。
また、てん輪42を構成する第2部材61を金としたが、第1部材60とは熱膨張率が異なり(好ましくは大きく)、且つ電鋳可能な金属材料であれば良く、金に限定されるものではない。
例えば、Au、Ni、Ni合金(Ni−Fe等)、Sn、Sn合金(Sn−Cu等)等を採用して構わない。これらのいずれのものを採用したとしても、電鋳によりスムーズに金属材料を成長させることができ、効率良く第2部材61を形成することが可能である。
特に、上記したいずれの金属材料を採用したとしても、熱処理によって合金層95を形成することが可能となる。その場合における、第1部材60側のセラミックス材料の組み合わせとしては、特にシリコン(Si)、シリコンカーバイト(SiC)が好ましい。
なお、これらの組み合わせを行った場合における、熱処理工程時の好ましい熱処理温度を図32に示す。この図32に示す熱処理温度で熱処理を行うことで、接合強度を高めるのに十分な合金層95を形成することが可能である。
O…軸線(回動軸)
S…電鋳用開放空間
1…機械式時計
10…ムーブメント(時計用ムーブメント)
22…香箱車
28…表輪列(輪列)
30…脱進機構
40…てんぷ(温度補償型てんぷ)
41…てん真
42…てん輪
50…バイメタル部
50A…固定端
50B…自由端
51…連結部材
60…第1部材
61…第2部材
65、90…錘部
67…楔部(第2係合部)
68…凹部(第1係合部)
70…シリコン基板(セラミックス基板)
70A…電鋳用ガイド壁
75…前駆体
91…係合凹部(第1係合部)
92…係合凸部(第2係合部)
95…合金層

Claims (11)

  1. 軸中心に回動するてん真と、
    前記てん真の回動軸回りに周方向に並んで配置され、該回動軸の周方向に沿って円弧状に延びた複数のバイメタル部、及びこれら複数のバイメタル部と前記てん真とをそれぞれ径方向に連結する連結部材を有するてん輪と、を備え、
    前記バイメタル部は、第1部材と、該第1部材よりも径方向外側に配置された第2部材とが径方向に重なった積層体とされると共に、周方向の一端部が前記連結部材に連結された固定端とされ、周方向の他端部が自由端とされ、
    前記第1部材は、セラミックス材料により形成され、
    前記第2部材は、前記第1部材とは熱膨張率が異なる金属材料により形成されることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  2. 請求項1に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記第1部材及び前記連結部材は、セラミックス材料により一体に形成され、
    前記第2部材は、前記第1部材とは熱膨張率が異なる金属材料からなる電鋳物であることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  3. 請求項1又は2に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記第2部材は、前記第1部材に形成された第1係合部に係合する第2係合部を備え、該係合を維持したまま前記第1部材に対して接合していることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  4. 請求項1又は2に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記第1部材と前記第2部材は、合金層を介して接合されていることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記バイメタル部の自由端には、錘部が設けられていることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記第1部材及び前記連結部材は、Si、SiC、SiO2、Al23、ZrO2、又はCのうちのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の温度補償型てんぷにおいて、
    前記第2部材は、Au、Cu、Ni、Ni合金、Sn、又はSn合金のうちのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  8. 動力源を有する香箱車と、
    前記香箱車の回転力を伝達する輪列と、
    前記輪列の回転を制御する脱進機構と、
    前記脱進機構を調速する請求項1に記載の温度補償型てんぷと、を備えていることを特徴とする時計用ムーブメント。
  9. 請求項8に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする機械式時計。
  10. 請求項1に記載の温度補償型てんぷを製造する方法であって、
    セラミックス基板を半導体製造技術により加工して、前記連結部材に複数の前記第1部材が一体に連結されると共に、それぞれの前記第1部材との間に電鋳用開放空間を画成させる電鋳用ガイド壁が、それぞれの前記第1部材に一体に連結された前駆体を形成する基板加工工程と、
    前記前駆体における前記電鋳用開放空間内に前記金属材料を電鋳により成長させることで前記第2部材を形成し、前記第1部材と前記第2部材とが径方向に重なった接合された前記バイメタル部を形成する電鋳工程と、
    前記電鋳用ガイド壁を前記第1部材から除去する除去工程と、を備えていることを特徴とする温度補償型てんぷの製造方法。
  11. 請求項10に記載の温度補償型てんぷの製造方法において、
    前記電鋳工程後、前記バイメタル部が形成された前記前駆体を、所定温度雰囲気下で所定時間の間、熱処理する熱処理工程を行うことを特徴とする温度補償型てんぷの製造方法。
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