JP2014159531A - エポキシ樹脂組成物、硬化物及び半導体封止材 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化物及び半導体封止材 Download PDF

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員正 太田
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Abstract

【課題】耐熱性及び硬化性等に優れたエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供する。
【解決手段】下記成分(A)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む、エポキシ樹脂組成物による。
成分(A):下記式(1)で表され、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
成分(B):フェノール系硬化剤
Figure 2014159531

(上記式(1)において、R〜Rは上記式(2)又は水素原子であり、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、mは0〜2の整数であり、nは繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、硬化性、耐クラック性等優れたエポキシ樹脂組成物及び硬化物に関する。また、本発明は、該エポキシ樹脂組成物からなる半導体封止材に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐熱性、電気的性質等の優れた硬化物となり、接着剤、塗料、電子材料等の幅広い分野で利用されている。電子材料の分野の中でも、例えば半導体封止材用途でクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂が一般的に使用されている。
近年の電子産業の目ざましい発達に伴い、電子デバイスに要求される耐熱性、耐クラック性、硬化性の要求は益々厳しくなっている。先に挙げたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、従来の電子デバイスであれば、十分使用に耐えうる性能を有していたが、近年要求されるパワーデバイス用途ではこれまでに比べて高い耐熱性が必要となるため耐熱性の不足が指摘されている。また、近年開発された封止材用のエポキシ樹脂の例として、例えば、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルと、レゾルシン、ハイドロキノン等のベンゼンジオール類とを原料として得られるエポキシ樹脂(特許文献1)が挙げられる。
特開平7−292066号公報
本発明者らの詳細な検討によれば、前記特許文献1に記載されているエポキシ樹脂を用いたものであっても、耐熱性、硬化性、耐クラック性等が十分に良好なエポキシ樹脂組成物は得られてはいない。そこで、本発明は、耐熱性、硬化性、耐クラック性等に優れたエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の骨格を有するエポキシ樹脂とフェノール系硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物が上記課題を解決することを見出したものである。即ち本発明の要旨は以下の[1]〜[9]に存する。
[1] 下記成分(A)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む、エポキシ樹脂組成物。
成分(A):下記式(1)で表され、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
成分(B):フェノール系硬化剤
Figure 2014159531
(上記式(1)において、R〜Rは上記式(2)又は水素原子であり、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、mは0〜2の整数であり、nは繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
[2] 下記成分(A’)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む、エポキシ樹脂組成物。
成分(A’):下記式(3)で表されるフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られ、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
成分(B):フェノール系硬化剤
Figure 2014159531
(上記式(3)において、R10〜R12は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、m’は0〜2の整数であり、n’は繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
[3] 下記成分(C)を含み、かつ該成分(C)の含有量がエポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部である、[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
成分(C):硬化促進剤
[4] 前記成分(B)が、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物から選ばれる少なくとも1種である、[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5] 更に成分(A)又は(A’)以外のエポキシ樹脂を含む、[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[6] 全エポキシ樹脂成分に対し、前記成分(A)又は(A’)を合計40重量%以上
含む、[1]乃至[5]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[7] 更に無機充填材を含み、かつエポキシ樹脂組成物中の無機充填材の含有量が65〜95重量%である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[8] [1]乃至[7]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
[9] [1]乃至[8]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体封止材。
本発明によれば、耐熱性、硬化性、耐クラック性等に優れたエポキシ樹脂組成物が提供される。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の効果を有するため、半導体封止材の分野に特に有用に適用することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本発明のエポキシ樹脂組成物には以下の「第1の態様にかかるエポキシ樹脂組成物」及び「第2の態様にかかるエポキシ樹脂組成物」が包含される。本発明の第1の態様に係るエポキシ樹脂組成物は下記成分(A)及び成分(B)を含む。
成分(A):成分(A):下記式(1)で表され、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
成分(B):フェノール系硬化剤
Figure 2014159531
(上記式(1)において、R〜Rは上記式(2)又は水素原子であり、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、mは0〜2の整数であり、nは繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
また、本発明の第2の態様に係るエポキシ樹脂は、成分(A’)及び成分(B)を含む。成分(A’):下記式(3)で表されるフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られ、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
成分(B):フェノール系硬化剤
Figure 2014159531
(上記式(3)において、R10〜R12は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、m’は0〜2の整数でありn’は繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
<成分(A)及び成分(A’)>
本発明に用いる成分(A)のエポキシ樹脂は、前記式(1)で表される(以下、成分(A)のエポキシ樹脂を単に「成分(A)」と称することがある。)。成分(A)のエポキシ樹脂を用いることにより、本発明のエポキシ樹脂組成物は耐熱性、硬化性に特に優れるという効果を奏する。本発明のエポキシ樹脂組成物がこれらの効果を有する理由は定かではないが、優れた耐熱性は、1分子当たりのエポキシ基濃度が高いことと、パラキシリレン基による架橋点間距離のバランスにより、適切な架橋密度となり、熱に対して架橋部が動きにくくなっているためと推定される。また、優れた硬化性は1分子当たりのエポキシ基数が多いため、架橋密度が増加して硬化速度が早くなることによるものと推定される。
[成分(A)及び成分(A’)の化学構造]
前記式(1)中、R〜Rは水素原子又は前記式(2)で表される基(エポキシ基)である。即ち、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂の化学構造においてはR〜Rとして水素原子を含むものが存在してもよいが、前記式(1)は、エポキシ樹脂であることから、式(1)中のR〜Rとして少なくともエポキシ基を含むものであり、少なくともエポキシ当量が100〜3000g/当量であるという条件を満たすことが必要である。
前記式(1)中、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である。R〜Rは、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましいのは水素原子である。また、前記式(1)中、mは0〜2の整数である。
前記式(1)中のnは繰り返し数の平均値である。取り扱い性を良好なものとする観点からnの値は0.2以上であり150以下である。nの値は、好ましくは、0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、一方、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下であり、更に好ましくは10以下である。nの値はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により得られた数平均分子量(Mn)より算出することができる。
前記式(3)中、R10〜R12の定義及び好ましいものは、前記式(1)中のR〜Rと同様である。また、前記式(3)中、m’、n’の定義及び好ましい範囲は前記式(1)中のm、nと同様である。なお、n’の値はnの値と同様、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により得られた数平均分子量(Mn)より算出することができる。
[物性・特性]
(エポキシ当量)
成分(A)及び成分(A’)はそれぞれ、その化学構造に基づいた耐熱性、硬化性を得る観点から、エポキシ当量が100g/当量以上であり、1000g/当量以下である。
耐熱性をより良好なものとする観点から、500g/当量以下が好ましく、より好ましくは200g/当量以下である。なお、本発明において、「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の重量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
(軟化点)
成分(A)及び成分(A’)の軟化点は150℃以下であることが好ましい。一方、好ましくは30℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上である。軟化点が上記上限値以下であると、エポキシ樹脂の取り扱い性が良好となるために好ましい。一方、軟化点が上記下限値以上であると、常温(20℃)で溶融し、取り扱い性、作業性が良好となるために好ましい。なお、本発明において、成分(A)及び成分(A’)の軟化点は、JIS K7234 環球法により測定することができる。
[成分(A)及び成分(A’)の製造方法]
成分(A)のエポキシ樹脂の製造方法については特に制限はないが、例えば、以下に説明する一段法による製造方法、二段法による製造方法、アリル化反応を経由する製造方法等が挙げられる。これらの方法について以下に詳述する。
[一段法による製造方法]
成分(A)のエポキシ樹脂は、前記式(3)で表されるフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させる、一段法により得ることができる。また、この一段法により得られるエポキシ樹脂は成分(A’)のエポキシ樹脂である。
なお、一段法により成分(A)を製造する場合、原料として少なくとも前記式(3)で表されるフェノール化合物とエピハロヒドリンとを用いるが、式(3)で表されるフェノール化合物以外の多価ヒドロキシ化合物(本発明において「その他の多価ヒドロキシ化合物」と称することがある。)を併用し、成分(A)及び/又は成分(A’)とその他のエポキシ樹脂との混合物として製造してもよい。ただし、本発明の効果を高める観点から前記式(3)で表されるフェノール化合物の割合は、原料として用いる全体の多価ヒドロキシ化合物の全量に対して好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。また、その上限は100モル%であり、特に好ましくは100モル%である。なお、本発明における「多価ヒドロキシ化合物」とは2価以上のフェノール化合物及び2価以上のアルコールの総称である。
その他の多価ヒドロキシ化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールAF、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類(ただし、前記式(3)で表されるフェノール化合物を除く。);種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類;キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール樹脂類;エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の鎖状脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、
シクロデカンジオール等の環状脂肪族ジオール類;ポリエチレンエーテルグリコール、ポリオキシトリメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類等が例示される。
これらの中で好ましいものとしてはフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フェノールとヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合反応で得られる多価フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の鎖状脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロデカンジオール等の環状脂肪族ジオール類、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリオキシトリメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類等が挙げられる。
原料として用いる多価ヒドロキシ化合物はその水酸基1当量当たり、通常、0.8〜20当量、好ましくは0.9〜15当量、より好ましくは1.0〜10当量に相当する量のエピハロヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。エピハロヒドリンの量が上記下限以上であると高分子量化反応を制御しやすく、適切な溶融粘度とすることができるために好ましい。一方、エピハロヒドリンの量が上記上限以下であると生産効率が向上する傾向にあるために好ましい。なお、この反応におけるエピハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリンが用いられる。
次いで、その溶液を撹拌しながら、これに原料の水酸基1当量当たり通常、0.5〜2.0当量、より好ましくは0.7〜1.8当量、更に好ましくは0.9〜1.6当量に相当する量のアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて反応させる。アルカリ金属水酸化物の量が上記下限以上であると、未反応の水酸基と生成したエポキシ樹脂が反応しにくく、高分子量化反応を制御しやすいために好ましい。また、アルカリ金属水酸化物の量が上記上限値以下であると、副反応による不純物が生成しにくいために好ましい。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが挙げられる。
この反応は、常圧下又は減圧下で行うことができ、反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは60〜100℃、更に好ましくは80〜100℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすく、且つ反応を制御しやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、特に塩素不純物を低減しやすいために好ましい。
反応は必要に応じて所定の温度を保持しながら反応液を共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油/水分離し、水分を除いた油分を反応系へ戻す方法により脱水する。アルカリ金属水酸化物の添加は、急激な反応を抑えるために、好ましくは0.1〜8時間、より好ましくは0.1〜7時間、更に好ましくは0.5〜6時間かけて少量ずつを断続的又は連続的に添加する。添加時間が上記下限以上であると急激に反応が進行するのを防ぐことができ、反応温度の制御がしやすくなるために好ましい。添加時間が上記上限以下であると塩素不純物が生成しにくくなるために好ましく、また、経済性の観点からも好ましい。全反応時間は通常、1〜15時間である。反応終了後、不溶性の副生塩を濾別して除くか、水洗により除去した後、未反応のエピハロヒドリンを減圧留去して除くと、目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
また、この反応においては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミン、2,4 ,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等のホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
更に、この反応においては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メトキシプロパノール等のグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用してもよい。
なお、上記のようにして得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を低減する必要がある場合には再処理して十分に全塩素含有量が低下した精製エポキシ樹脂を得ることができる。つまり、その粗製エポキシ樹脂を、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、メトキシプロパノール、ジメチルスルホキシド等の不活性な有機溶媒に再溶解しアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液を加えて好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜110℃、更に好ましくは50〜100℃の温度で好ましくは0.1〜15時間、より好ましくは0.3〜12時間、更に好ましくは0.5〜10時間再閉環反応を行った後、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副性塩を除去し、更に有機溶媒を減圧留去及び/又は水蒸気蒸留を行うと、加水分解性ハロゲン量が低減されたエポキシ樹脂を得ることができる。反応温度が上記下限以上であり、また、反応時間が上記下限以上であると再閉環反応が進行しやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であり、また、反応時間が上記上限以下であると反応を制御しやすいために好ましい。
[二段法による製造方法]
成分(A)は、少なくとも前記式(3)で表されるフェノール化合物及び/又は該フェノール化合物を前述の一段法による製造方法により得られたエポキシ樹脂(例えば、本発明の他の態様にかかるエポキシ樹脂)を原料として用いる二段法により得ることもできる。なお、二段法とは、エポキシ樹脂と多価ヒドロキシ化合物とを反応させる方法を意味する。
二段法により本発明のエポキシ樹脂を製造する場合、原料として前記式(3)で表されるフェノール化合物及び該フェノール化合物を用いて得られたエポキシ樹脂を用いて製造することができる。
成分(A)の製造において、前記式(3)で表されるフェノール化合物と多価ヒドロキシ化合物の使用量は、その配合当量比で、(エポキシ基当量):(水酸基当量)=1:0.90〜1.10となるようにするのが好ましい。この当量比が上記範囲であると高分子量化を進行させやすくなるために好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の合成には触媒を用いてもよく、その触媒としては、エポキシ基とフェノール性水酸基、アルコール性水酸基やカルボキシル基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよい。例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。これらの中でも第4級アンモニウム塩が好ましい。また、触媒は1種のみを使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
触媒の使用量はエポキシ樹脂中、通常0.001〜1重量%であるが、アルカリ金属化合物を使用すると得られるエポキシ樹脂中にアルカリ金属分が残留し、それを使用した電
子・電気部品の絶縁特性を悪化させるおそれがあるため、エポキシ樹脂中のリチウム、ナトリウム及びカリウムの原子含有量の合計が通常、60ppm以下、好ましくは50ppm以下である。
また、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等を触媒として使用した場合も、得られるエポキシ樹脂中にこれらが触媒残渣として残留し、アルカリ金属分の残留と同様にプリント配線板の絶縁特性を悪化させるおそれがあるので、エポキシ樹脂中の窒素の含有量が好ましくは300ppm以下であり、また、エポキシ樹脂中のリンの含有量が好ましくは300ppm以下である。更に好ましくは、エポキシ樹脂中の窒素の含有量が200ppm以下であり、エポキシ樹脂中のリンの含有量が200ppm以下である。
成分(A)は、その製造時の合成反応の工程において、反応用の溶媒を用いてもよく、その溶媒としては、エポキシ樹脂を溶解するものであればどのようなものでもよい。例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。溶媒は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
エポキシ樹脂の製造時の合成反応におけるエポキシ樹脂濃度は35〜95重量%が好ましい。また、反応途中で高粘性生成物が生じたときは溶媒を追加添加して反応を続けることもできる。反応終了後、溶媒は必要に応じて、除去することもできるし、更に追加することもできる。
エポキシ樹脂の製造において、2官能エポキシ樹脂と多価ヒドロキシ化合物との重合反応は使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温度が高すぎると生成するエポキシ樹脂が劣化するおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
[アリル化合物の酸化による製造方法]
成分(A)の製造方法の1つとして、前記式(3)で表されるフェノール化合物に対してアリル化反応によりアリル基を導入してアリル化合物とし、更に該アリル基に対して酸化反応させることにより成分(A)のエポキシ樹脂を得る方法が挙げられる。このような製造方法の例としては、前記式(3)で表されるフェノール化合物を原料として用いること以外は、特開2012−213716号公報、特開2011−225711号公報、特開2012−092247号公報、特開2012−111858号公報等の方法により製造することができる。
<成分(B)>
本発明のエポキシ樹脂組成物は前記成分(B)のフェノール系硬化剤を含む(以下、成分(B)のフェノール系硬化剤を単に「成分(B)」と称することがある。)。成分(B)を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた硬化性、耐熱性を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記成分(A)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む。成分(B)の含有量は好ましくは50重量部以上であり、一方、好ましくは500重量部以下であり、より好ましくは300重量部以下であり、更に好ましくは100重量部以下である。成分(B)の含有量が上記範囲内であると硬化物とした時に未架橋のエポキシ樹脂やフェノール樹脂が少なくなり、硬化性、耐熱性において良
好な特性を得ることができる。
本発明に用いられる成分(B)は、フェノール系硬化剤であれば制限されないが、具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。これらのフェノール化合物は、1種単独でも、2種以上併用してもよい。
これらの中でも組成物の硬化後の耐熱性、硬化性等の観点から、フェノールノボラック樹脂(例えば下記式(4)で表される化合物)、フェノールアラルキル樹脂(例えば下記式(5)で表される化合物)、ビフェニルアラルキル樹脂(例えば下記式(6)で表される化合物)、ナフトールノボラック樹脂(例えば下記式(7)で表される化合物)、ナフトールアラルキル樹脂(例えば下記式(8)で表される化合物)、トリスフェノールメタン型樹脂(例えば下記式(9)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物(例えば下記式(10)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物(例えば下記式(10)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物(例えば下記式(11)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物(例えば下記式(11)で表される化合物)等が好ましく、特にトリスフェノールメタン型樹脂が好ましい。
Figure 2014159531
(ただし、上記式(4)〜(9)において、k〜kはそれぞれ0以上の数を示す。)
Figure 2014159531
(ただし、上記式(10)、(11)においてk、k、l、lはそれぞれ1以上
の数を示す。)
以上に挙げたフェノール系硬化剤の各成分は、あらかじめ混合して混合硬化剤を調製してから使用してもよいし、エポキシ樹脂組成物の各成分を混合する際に硬化剤の各成分をそれぞれ別々に添加して同時に混合してもよい。
<成分(C)>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(C)を含むことが好ましい。成分(C)を含むことにより、硬化時間の短縮、硬化温度の低温化が可能となり、所望の硬化物を得やすくすることができる。
成分(C):硬化促進剤
成分(C)の硬化促進剤は特に制限されないが、具体例としては、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、イミダゾール類、第3級アミン、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。
硬化促進剤として使用可能な化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン等の化合物を付加してなる化合物、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類と付加してなる化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
以上に挙げた硬化促進剤の中でも有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、イミダゾール類、第3級アミンが好ましく、有機ホスフィン類が最も好ましい。また、硬化促進剤は、上記に挙げたもののうち、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
成分(C)は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して0.1重量
以上20重量部以下の範囲で用いることが好ましい。より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上であり、一方、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。成分(C)の含有量が上記下限値以上であると、硬化促進効果を得るために好ましく、一方、上記上限値以下であると、所望の硬化物性が得られやすいために好ましい。
<他の硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物においては前記成分(B)以外の他の硬化剤を用いることができる(以下、単に「他の硬化剤」と称することがある。)。本発明のエポキシ樹脂組成物に使用することのできるその他の硬化剤は特に制限はなく、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミン等のアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これらの他の硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<他のエポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂組成物は前記成分(A)、成分(A’)及び成分(B)以外に、更に下記他のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の耐熱性、耐応力性、耐吸湿性、難燃性等を更に向上させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる他のエポキシ樹脂は、成分(A)及び成分(A’)以外のエポキシ樹脂すべてが該当するが、具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、メチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、チオジフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシスチルベン類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テルペンフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、フェノール・ヒドロキシベンズアルデヒドの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、フェノール・クロトンアルデヒドの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、フェノール・グリオキザールの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂から誘導されるエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されるエポキシ樹脂、アミノフェノールから誘導されるエポキシ樹脂、キシレンジアミンから誘導されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタル酸から誘導されるエポキシ樹脂、ダイマー酸から誘導されるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で用いてもよい。
これらの中でも組成物の流動性、また、硬化物の耐熱性や耐吸湿性や難燃性等の観点から、上記エポキシ樹脂の中で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂及び4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型のエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型のエポキシ樹脂及びジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。
成分(A)、成分(A’)及び他のエポキシ樹脂の混合割合は特に制限されないが、全エポキシ樹脂成分に対し、成分(A)及び成分(A’)の合計が30重量%以上含まれることが好ましく、60重量%以上含まれることがより好ましい。成分(A)及び成分(A’)の合計が上記下限値以上含まれることにより、耐熱性、耐クラック性、硬化性等の物性がより良好なものとなる傾向にある。
<無機充填剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機充填剤を配合することができる。無機充填剤としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、チッ化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも半導体封止の用途に用いる場合には、破砕型及び/又は球状の、溶融及び/又は結晶性シリカ粉末充填材が好ましい。無機充填剤を使用することにより、エポキシ樹脂組成物を半導体封止材として用いたときに、半導体封止材の熱膨張係数を内部のシリコンチップやリードフレームに近づけることができ、また、半導体封止材全体の吸湿量を減らすことができるため、耐ハンダクラック性を向上させることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物に無機充填剤を用いる場合、エポキシ樹脂組成物全体の60〜95重量%配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に無機充填材を用いる場合、無機充填剤の平均粒子径は、通常、1〜50μm、好ましくは1.5〜40μm、より好ましくは2〜30μmである
。平均粒子径が上記下限値以上であると溶融粘度が高くなり過ぎず、流動性が低下しにくいために好ましく、また、平均粒子径が上記上限値以下であると成形時に金型の狭い隙間に充填剤が目詰まりしにくく、材料の充填性が向上しやすくなるために好ましい。
<離型剤>
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には離型剤を配合することができる。離型剤としては例えば、カルナバワックス等の天然ワックス;ポリエチレンワックス等の合成ワックス;ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸類及びその金属塩類;パラフィン等の炭化水素系離型剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる離型剤の量は、好ましくは全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、好ましくは0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.5〜3.0重量部である。離型剤の量が上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化特性を維持しつつ、良好な離型性を発現することができるために好ましい。
<カップリング剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、カップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤は無機充填材と併用することが好ましく、カップリング剤を配合することにより、マトリックスであるエポキシ樹脂と無機充填材との接着性を向上させることができる。カップリング剤としてはシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、更に、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
これらのカップリング剤は、いずれも1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。なお、カップリング剤の配合量は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、好ましくは0.1〜3.0重量部である。カップリング剤の配合量が上記下限値以上であると、カップリング剤を配合したことによるマトリックスであるエポキシ樹脂と無機充填材との密着性の向上効果が向上する傾向にあり、一方、カップリング剤の配合量が上記上限値以下であると、得られる硬化物からカップリング剤がブリードアウトしにくくなるために好ましい。
<その他の成分>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記した以外の成分(本発明において、「その他の成分」と称することがある。)を配合することができる。それら各種添加剤としては例えば、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等があげられ、必要に応じて適宜に配合することができる。ただし、本発明のエポキシ樹脂組成物は上記で挙げた成分以外のものを配合することを何ら妨げるものではない。
その難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、赤燐、リン酸エステル類、ホスフィン類等のリン系難燃剤、メラミン誘導体等の窒素系難燃剤及び水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤等が挙げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は難燃剤を配合しなくとも優れた難燃性を有するものである。このうち、上記のうち特に環境負荷が懸念されている臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物について、これらの難燃剤を配合する必要がないか、少量にすることができる。
〔硬化物〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は加熱して硬化させることにより、硬化物を得ることができる。硬化反応の条件は特に限定されないが、通常、硬化剤の種類によって硬化温度を以下の通り選択することが好ましい。具体的な温度としては通常、成分(B)のフェノール系硬化剤では130〜200℃である。またこれらの硬化剤に促進剤を添加することで、その硬化温度を下げることも可能である。反応時間は1〜20時間が好ましく、より好ましくは2〜18時間、さらに好ましくは3〜15時間である。反応時間が短いと硬化が不十分で所望の物性が得られないことがある。反応時間が長すぎると加熱による劣化、加熱する為のエネルギーのロス等の問題がある。
[耐熱性]
本発明の硬化物は、耐熱性の硬化物特性に優れたものである。これらの測定方法については後掲の実施例において説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物はガラス転移温度(Tg)が、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは160℃以上である。ガラス転移温度が高いほど半導体封止材等とした際に封止した樹脂中に熱応力がかかりにくく、パッシベーションやチップの損傷、アルミ配線のスライド、パッケージクラック等の不良を起こしにくいために好ましい。
〔用途〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化性、耐熱性等に優れるため、これらの物性が求められる用途であれば、いかなる用途にも有効に用いることができる。このため、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野;積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気電子分野;橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤の土木・建築・接着剤分野等の用途にいずれにも好適に用いることができる。これらの中でも特に半導体封止材の用途に有用である。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
<フェノール樹脂の製造>
〔製造例1−1〕
温度計、攪拌装置、ディーンスターク共沸蒸留トラップを備えた内容量10Lの四口フラスコにα,α’−ジメトキシ−p−キシレン250g(1.5モル)、レゾルシン(1,3−ジヒドロキシベンゼン)660g(6モル)およびパラトルエンスルホン酸8.3gを仕込み、130〜150℃に保ちながら攪拌を行った。反応中生成するメタノールは順次トラップより系外へ除去した。3時間でメタノールの発生がなくなり縮合が完了した。次いで50〜60℃に冷却しメチルイソブチルケトン3000gを仕込み、溶解させ、さらに水1000gを仕込み、50〜60℃で30分間攪拌した後、攪拌を止め静置、分離させ水層を排出し、水洗を終了した。次いで、メチルイソブチルケトン、未反応レゾルシンを減圧留去して、前記式(3)の構造に該当するフェノール化合物(式(3)中のR10〜R12は水素原子)380gを得た。得られたフェノール化合物について、以下に説明する方法にて式(3)中のn’の値、水酸基当量、軟化点を測定した。これらの測定結果を表−1に示す。
〔製造例1−2〕
原料として用いたレゾルシンの量を1650g(15モル)とした以外は製造例1と同様に実施し、前記式(3)の構造に該当するフェノール化合物(式(3)中のR10〜R12は水素原子)385gを得た。また、製造例1−1と同様、式(3)中のn’の値、水酸基当量、軟化点を測定した。これらの測定結果を表−1に示す。
〔製造例1−3〕
レゾルシン(1,2−ジヒドロキシベンゼン)660g(6モル)の代わりにカテコール1650g(15モル)を用いた以外は製造例1と同様に実施し、前記式(3)の構造に該当するフェノール化合物(式(3)中のR10〜R12は水素原子)376gを得た。また、製造例1−1と同様、式(3)中のn’の値、水酸基当量、軟化点を測定した。これらの測定結果を表−1に示す。
〔製造例1−4〕
温度計、攪拌装置、ディーンスターク共沸蒸留トラップを備えた内容量10Lの四口フラスコにα,α’−ジメトキシ−p−キシレン250g(1.5モル)、ハイドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)1650g(15モル)およびパラトルエンスルホン酸8.3gを仕込み、130〜150℃に保ちながら攪拌を行った。反応中生成するメタノールは順次トラップより系外へ除去した。5時間でメタノールの発生がなくなり縮合が完了した。次いで反応液に水3000gに投入し、パラトルエンスルホン酸及び未反応のハイドロキノンを水に溶解させて除去し、反応生成物をろ過し、更に水500gで洗浄、乾燥して、前記式(3)の構造に該当するフェノール化合物(式(3)中のR10〜R12は水素原子)380gを得た。得られたフェノール化合物について、以下に説明する方法にて水酸基当量、軟化点を測定した。これらの測定結果を表−1に示す。
<エポキシ樹脂の製造>
〔製造例2−1〕
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量3Lの四口フラスコに製造例1−1で得られたフェノール化合物166g、エピクロルヒドリン1332g、イソプロピルアルコール518g、水150gを仕込み、80℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液230gを90分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で30分保持し反応を完了させ、水洗により副生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。ついで、生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリンとイソプロピルアルコールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン367gに溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液12gを加え、65℃の温度で1時間再び反応させた。その後、反応液にリン酸二水素ナトリウム水溶液を加えて、過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。次いで、減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去して、目的のエポキシ樹脂180gを得た。得られたエポキシ樹脂について、以下に説明する方法にて式(1)中のnの値、エポキシ当量、軟化点を測定した。これらの測定結果を表−2に示す。
〔製造例2−2〕
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量3Lの四口フラスコに製造例1−2で得られたフェノール化合物187g、エピクロルヒドリン1118g、イソプロピルアルコール435g、水131gを仕込み、80℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液193gを90分かけて滴下した。以後の操作は製造例2−1と同様に実施し、目的のエポキシ樹脂210gを得た。得られたエポキシ樹脂について、製造例2−1と同様、式(1)中のnの値、エポキシ当量、及び軟化点を測定した。これらの測定結果を表−2に示す。
〔製造例2−3〕
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量3Lの四口フラスコに製造例1−3で得られたフェノール化合物165g、エピクロルヒドリン1343g、イソプロピルアルコール523g、水151gを仕込み、80℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液193gを90分かけて滴下した。以後の操作は製造例2−1と同様に実施し、目的のエポキシ樹脂(2)を190g得た。得られたエポキシ樹脂について、製造例2−1と同様、式(1)中のnの値、エポキシ当量及び軟化点を測定した。これらの測定結果を表−2に示す。
〔製造例2−4〕
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量3Lの四口フラスコに製造例1−4で得られたフェノール化合物180g、エピクロルヒドリン1190g、イソプロピルアルコール463g、水137gを仕込み、80℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液205gを90分かけて滴下した。以後の操作は製造例2−1と同様に実施し、目的のエポキシ樹脂(2)を250g得た。製造例2−1と同様、式(1)中のnの値、エポキシ当量及び軟化点を測定した。これらの測定結果を表−2に示す。
<フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の物性・特性の測定>
製造例1−1〜1−4の各フェノール樹脂又は製造例2−1〜2−4の各エポキシ樹脂について、以下の物性・特性の測定を行った。
(nの値及びn’の値)
東ソー(株)製「HLC−8320GPC EcoSEC(登録商標)」を使用し、以下の条件で測定した。得られた面積%の比からn数を算出した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
(軟化点)
JIS K7234(環球法)に従い、測定した。
(水酸基当量) 試料1gを精秤し、1,4−ジオキサン10mlを加え溶解した。次いで、1.5mol/l塩化アセチル/無水トルエン溶液10mlを加え、0℃まで冷却した。ピリジン2mlを加え、60±1℃のウォーターバス中で1時間反応させ、反応終了後、冷却して純水25mlを加え、よく混合させて塩化アセチルを分解した。アセトン25ml、フェノールフタレインを加え、1mol/L−水酸化カリウムを用いて、試料溶液が赤紫色に呈色するまで滴定を行った。ブランク(試料なし)についても上記操作にて同時に測定を行った。次式により計算して求めた。
(水酸基当量[g/eq])=(1000×W)/(f×(B−A))
W:試料重量[g]
f:1mol/L−水酸化カリウムのファクター=1.002
B:ブランク測定に要した1mol/L−水酸化カリウム量[ml]

A:試料測定に要した1mol/L−水酸化カリウム量[ml]
(エポキシ当量)
JIS K7236に従い、測定した。
Figure 2014159531
Figure 2014159531
〔実施例1〜17及び比較例1〜3〕
<エポキシ樹脂組成物の製造>
表−3及び表−4に示すように原料を配合した。次いで、各配合物にミキシングロールを用いて50〜120℃の温度で5分間溶融混練した。得られた各溶融混合物は薄板状に取り出し冷却した後、粉砕して各エポキシ樹脂組成物を得た。これらのエポキシ樹脂組成物を用い、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、成形時間100〜180秒で成形して、各試験片を得、180℃で8時間ポストキュアさせ、硬化物を得た。得られた硬化物について、以下の方法でガラス転移温度を試験した結果を表−3及び表−4に示した。また、後述する方法でゲルタイムを試験した結果を表−3及び表−4に示した。
なお、表−3及び表−4中の略号は以下の通りである。
・その他のエポキシ樹脂
a−1:クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製 商品名 EOCN1020−55(エポキシ当量:199g/当量))
a−2:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 (三菱化学社製 商品名 jER(登録商標) 1032H60(エポキシ当量:168g/当量))
a−3:テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製 商品名 jER(登録商標) YX4000(エポキシ当量:186g/当量))
a−4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製 商品名 jER(登録商標) YL6810(エポキシ当量:172g/当量))
a−5:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製 商品名 NC3000(エポキシ当量:270g/当量))
a−6:ビフェニル型エポキシ樹脂 (三菱化学社製 商品名 jER(登録商標)YL6121H(エポキシ当量:175g/当量))
a−7:ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂(三菱化学社製 商品名 jER(登録商標)YX8800 (エポキシ当量:178g/当量))
a−8:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製 商品名 HP−7200(エポキシ当量:275g/当量))
・成分(B):フェノール系硬化剤
b−1:フェノ−ルノボラック樹脂(群栄化学工業社製 商品名 レヂトップ PSM
4261(水酸基当量:103g/当量、軟化点:85℃))
b−2:トリスフェノールメタン型樹脂(明和化成社製 商品名 MEH7500(水酸基当量:97g/当量、軟化点:110℃))
b−3:フェノ−ルアラルキル樹脂(明和化成社製 商品名 MEHC7800S(水酸基当量:174g/当量、軟化点:75℃))
b−4:ビフェニルアラルキル樹脂(明和化成社製 商品名 MEH7851S(水酸基当量:205g/当量、軟化点:75℃))
b−5:フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物 (エア
ウォーター社製 商品名 HE510−05(水酸基当量:156g/当量)、軟化点73℃))
b−6:フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキシビフェニル重縮合物
(エアウォーター社製 商品名 HE610C−07(水酸基当量:185g/当量)、軟化点74℃))
b−7:ナフトールアラルキル樹脂(明和化成社製 商品名 MEH−7700(水酸基当量:140g/当量、軟化点:96℃))
・成分(C):硬化促進剤
c−1:トリフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社製 商品名 トリフェニルホスフィン)
・無機充填材
d−1:溶融シリカ粉末(電気化学工業社製 商品名 球状シリカ(平均粒子径:25μm))
・離型剤
e−1:カルナバワックス(セラリカ野田社製 商品名 精製カルナバワックスNo.1)
・カップリング剤
f−1:エポキシシラン(信越化学工業社製 商品名 KBM−403)
<エポキシ樹脂組成物及び硬化物の物性・特性の測定>
各エポキシ樹脂組成物について、以下の物性・特性測定を行った。
(硬化性:ゲルタイム)
エポキシ樹脂のエポキシ当量とフェノール系硬化剤の水酸基当量が等しくなるようにエポキシ樹脂とフェノール系硬化剤を計量して、樹脂全体の重量に対して等量のメチルエチルケトンを加えて溶解した。更にトリフェニルホスフィンをエポキシ樹脂100重量部に対して1重量部加えて溶解してサンプルを調整した。175℃に加熱した鉄板の上にサンプルを0.5cc加えて、竹楊枝で攪拌しながら固化するまでの時間を測定した。ゲルタイムが短いほど硬化性に優れるものと評価され、70s以下であるものを合格とした。
(耐熱性:ガラス転移温度(Tg))
硬化物を厚さ約1.6mm直径約7mmの円柱状試験片とし、熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製 EXSTAR6000)を用いて、圧縮モードで熱機
械分析を行った(測定架重:30mN、昇温速度:5℃/分で2回、測定温度範囲:30℃から250℃)。2回目の測定における、ガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度が高いほど耐熱性に優れるものと評価され、150℃以上であるものを合格とした。
Figure 2014159531
Figure 2014159531
〔結果の評価〕
表−3及び表−4からわかるように本発明のエポキシ樹脂を用いた実施例1〜17はいずれも比較例1〜3に対し、硬化性、耐熱性に優れたものであることがわかる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化性、耐熱性等に優れるため、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野、積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気電子分野、橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤の土木・建築・接着剤分野等の用途にいずれにも好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 下記成分(A)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む、エポキシ樹脂組成物。
    成分(A):下記式(1)で表され、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
    成分(B):フェノール系硬化剤
    Figure 2014159531
    (上記式(1)において、R〜Rは上記式(2)又は水素原子であり、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、mは0〜2の整数であり、nは繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
  2. 下記成分(A’)100重量部に対し、成分(B)を45〜1000重量部含む、エポキシ樹脂組成物。
    成分(A’):下記式(3)で表されるフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られ、エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂
    成分(B):フェノール系硬化剤
    Figure 2014159531
    (上記式(3)において、R10〜R12は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、m’は0〜2の整数であり、n’は繰り返し数の平均値であり0以上150以下である。)
  3. 下記成分(C)を含み、かつ該成分(C)の含有量がエポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
    成分(C):硬化促進剤
  4. 前記成分(B)が、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 更に成分(A)又は(A’)以外のエポキシ樹脂を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 全エポキシ樹脂成分に対し、前記成分(A)又は(A’)を合計40重量%以上含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 更に無機充填材を含み、かつエポキシ樹脂組成物中の無機充填材の含有量が65〜95重量%である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる半導体封止材。
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