JP2014155996A - リンク機構駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1及び第2リンクに重量部品である駆動源を配置することなく、リンク先端における剛性楕円の設定自由度を向上させる。
【解決手段】リンク機構駆動装置100は、2つのリンク101,102を備えている。リンク101は、基部に関節J1を介して旋回可能に連結されている。リンク102は、リンク101に関節J2を介して旋回可能に連結されている。リンク機構駆動装置100は、基部に配置された駆動源151と、駆動源151の駆動を伝達する伝達機構152と、を備えている。更に、リンク機構駆動装置100は、関節J2に配置され、伝達機構152により伝達された駆動源151の駆動に対応した剛性を、関節J2に付与する剛性付与機構153を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、可動するリンクに重量物を配置することなく、リンク先端における剛性楕円の設定範囲を拡大させるリンク機構駆動装置に関する。
近年、産業分野において人との協働作業を行ったり、医療介護分野において人体に直接的に触れたりするような、人との接触を積極的に行うロボットの開発が盛んである。このようなロボットにおいては、ロボットのマニピュレータ部分に人体が突発的に衝突したとしても、柔軟に動作する、受動的弾性を備えた機構設計が要求される。マニピュレータの手先に外力が働いたとき、受動的な柔らかさを実現させる機構の例として、生物を模した筋骨格構造が知られている。
筋と同様に、収縮方向にのみ力を発生させることのできる粘弾性アクチュエータを用いて、1つの関節まわりの駆動トルクと剛性を設定するためには、少なくとも2つの粘弾性アクチュエータを拮抗配置して駆動することが必要である。筋の粘弾性特性と良く似た、収縮力のみを発生させるアクチュエータとして、空気圧式人工筋肉アクチュエータが知られている。
特許文献1には、基部である第1構造体に、2つの関節を介して第2構造体とハンドが回転可能に連結された2リンクアーム機構において、基部に拮抗配置したアクチュエータでハンドを回転駆動するリンク機構駆動装置が開示されている。
このリンク機構駆動装置は、第2構造体を駆動するために拮抗配置された第1直動アクチュエータ、及びハンドを駆動するために拮抗配置された第2直動アクチュエータを有し、これらを基部に配置することで、可動部の質量を軽くしている。
これらアクチュエータは、空気圧式の人工筋肉のような収縮力のみを発生させるものであり、筋骨格構造の単関節駆動源に相当する。つまり、特許文献1に開示されているリンク機構駆動装置は、1対の駆動源の拮抗駆動によって2つの関節まわりにトルクを付与する2対4筋構造と動作原理的上等価とみなすことができる。
特開2007−223039号公報
しかし、上記特許文献1に開示されるような2対4筋構造のリンク機構駆動装置では、原理上、剛性の設定方向を2方向しか設定することができないため、手先の剛性楕円の設定範囲に制限があった。
一方、手先の剛性楕円の設定範囲の自由度を上げるために、3対6筋構造としてアクチュエータを可動部に配置した筋骨格構造に関する研究事例も多数報告されている。しかし、可動部の質量が増大し、俊敏な高加速度の動作の際に、リンクの可動部に大きな慣性力が作用するため、高帯域の制御が困難であった。
本発明は、第1及び第2リンクに重量部品である駆動源を配置することなく、リンク先端における剛性楕円の設定自由度を向上させるリンク機構駆動装置を提供する。
本発明のリンク機構駆動装置は、基部と、前記基部に第1関節を介して旋回可能に連結された第1リンクと、前記第1リンクに第2関節を介して旋回可能に連結された第2リンクと、前記基部に対して互いに反対方向に前記第1リンクを駆動する駆動力を発生して、駆動力の差により前記第1関節にトルクを付与する第1駆動機構と、前記基部に対して互いに反対方向に前記第1リンク及び前記第2リンクを同時に駆動する駆動力を発生して、駆動力の差により前記第1関節及び前記第2関節にトルクを付与する第2駆動機構と、前記基部に配置された駆動源と、前記駆動源の駆動を伝達する伝達機構と、前記第2関節に配置され、前記伝達機構により伝達された前記駆動源の駆動に対応した剛性を、前記第2関節に付与する剛性付与機構と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、可動する第1及び第2リンクに重量物である駆動源を配置することなく、剛性の調整軸を1つ増やすことができ、第2リンクの先端における剛性楕円の設定の自由度が向上する。
第1実施形態に係るリンク機構駆動装置の概略構成を示す斜視図である。 リンク機構駆動装置の概略構成を示す三面図である。 リンク機構駆動装置を示す平面図である。 リンク機構駆動装置を示す説明図である。 剛性付与機構を示す平面図である。 第2リンクを示す構成図である。 リンク機構駆動装置を示す平面図である。 弾性アクチュエータのモデルを示す説明図である。 剛性付与機構の一部を示す模式図である。 第2実施形態に係るリンク機構駆動装置の第1関節付近の概略構成を示す説明図である。 比較例の2対4筋の筋骨格構造を表した2リンクモデルを示す模式図である。 シミュレーションにより計算した手先の剛性楕円を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図の直交座標系におけるx軸、y軸及びz軸は共通のものである。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るリンク機構駆動装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、リンク機構駆動装置の概略構成を示す三面図である。図2(a)はリンク機構駆動装置の平面図、図2(b)はリンク機構駆動装置の正面図、図2(c)はリンク機構駆動装置の左側面図である。
図1及び図2に示すように、リンク機構駆動装置100は、2つのリンク101,102を備えた2リンク機構であり、例えばマニピュレータである。
リンク機構駆動装置100は、基部(例えばロボットの胴部や固定部)である基台104を備えている。第1リンクであるリンク101は、第1関節である関節J1で基台104に連結されており、第2リンクであるリンク102は、第2関節である関節J2でリンク101に連結されている。つまり、リンク101は、基台104に対して関節J1を中心に旋回可能に支持されており、リンク102は、リンク101に対して関節J2を中心に旋回可能に支持されている。なお、リンク機構の手先であるリンク102の先端Eには、エンドエフェクタ(不図示)が接続され、所望の作業を実施可能な構成とするが、その構成は任意とし、ここではエンドエフェクタの詳細構成に関する説明を省略する。
リンク機構駆動装置100は、関節J1まわりに回転トルクを付与すると共に、関節J1に剛性を付与する第1駆動機構である駆動機構141を備えている。
駆動機構141は、拮抗配置された一対の駆動源107,108を有し、これら駆動源107,108は、全て基台104に配置されている。駆動源107,108は、例えば電動回転モータである。
また、駆動機構141は、駆動源107の回転軸に固定され、この回転軸と一体に回転するプーリ112と、駆動源108の回転軸に固定され、この回転軸と一体に回転するプーリ113と、を有している。これにより、駆動源107は、プーリ112を回転駆動し、駆動源108は、プーリ113を回転駆動する。本実施形態では、駆動源107及びプーリ112により一方の第1駆動部である駆動部131が構成され、駆動源108及びプーリ113により他方の第1駆動部である駆動部132が構成されている。
また、駆動機構141は、リンク101の基端部(関節J1)に固定された第1プーリであるプーリ114を有している。このプーリ114は、プーリ114の回転軸がリンク101の旋回軸と一致するようにリンク101の側面に固定されている。したがって、プーリ114が回転することで、リンク101がプーリ114と一体に関節J1まわりに旋回する。
また、駆動機構141は、プーリ114に巻回され、一端がプーリ112に固定され、他端がプーリ113に固定された、第1紐状部材であるワイヤ119を有している。したがって、駆動源107,108がプーリ112,113を回転駆動することにより、ワイヤ119が引っ張られ、ワイヤ119を介してプーリ114が回転駆動され、リンク101が関節J1まわりに回転駆動される。
このように、駆動機構141の一対の駆動部131,132は、ワイヤ119の両端に引っ張り力を作用して、プーリ114を回転駆動する。つまり、駆動機構141は、基台104に対して互いに反対方向にリンク101を駆動する駆動力を発生する。そして、関節J1には、駆動力(引っ張り力)の差によりトルクが付与されると共に、駆動力(引っ張り力)の和により剛性が付与される。
また、リンク機構駆動装置100は、関節J1,J2に同時にトルクを付与すると共に、関節J1,J2に同時に剛性を付与する第2駆動機構としての駆動機構142を備えている。
駆動機構142は、拮抗配置された一対の駆動源109,110を有し、これら駆動源109,110は、全て基台104に配置されている。駆動源109,110は、例えば電動回転モータである。
また、駆動機構142は、駆動源109の回転軸に固定され、この回転軸と一体に回転するプーリ115と、駆動源110の回転軸に固定され、この回転軸と一体に回転するプーリ116と、を有している。これにより、駆動源109は、プーリ115を回転駆動し、駆動源110は、プーリ116を回転駆動する。本実施形態では、駆動源109及びプーリ115により一方の第2駆動部である駆動部133が構成され、駆動源110及びプーリ116により他方の第2駆動部である駆動部134が構成されている。
また、駆動機構142は、リンク101の基端部(関節J1)に回転自在に設けられた2段プーリ117を有している。この2段プーリ117は、プーリ117の回転軸がリンク101の旋回軸と一致するようにリンク101のプーリ114が設けられている側面とは反対側の側面に回転自在に固定されている。2段プーリ117は、一方のプーリである上段プーリ117Aと、他方のプーリである下段プーリ117Bとで構成されている。
また、駆動機構142は、リンク102の基端部(関節J2)に固定された第2プーリであるプーリ118を有している。このプーリ118は、プーリ118の回転軸がリンク102の旋回軸と一致するようにリンク102の側面に固定されている。したがって、プーリ118が回転することで、リンク102がプーリ118と一体に関節J2まわりに旋回する。
また、駆動機構142は、2段プーリ117の上段プーリ117Aに巻回され、一端がプーリ115に固定され、他端がプーリ116に固定された、第2紐状部材であるワイヤ120を有している。したがって、駆動源109,110がプーリ115,116を回転駆動することにより、ワイヤ120が引っ張られ、ワイヤ120を介して2段プーリ117が回転駆動される。
更に、駆動機構142は、2段プーリ117の下段プーリ117Bとプーリ118とに巻回された無端状の第3紐状部材であるワイヤ121を有している。この無端状のワイヤ121は、プーリ117A,118間に弛むことなく掛けられている。したがって、2段プーリ117が回転駆動されることにより、ワイヤ121を介してプーリ118が回転駆動される。
つまり、駆動源109,110は、拮抗駆動により関節J1,J2まわりに同時にトルクを付与すると共に、関節J1,J2に同時に剛性を付与する2関節同時駆動の駆動源の役割を果たす。
このように、駆動機構142の一対の駆動部133,134は、ワイヤ120の両端に引っ張り力を作用して、2段プーリ117を回転駆動すると共に、ワイヤ121を介してプーリ118を回転駆動する。つまり、駆動機構142は、基台104に対して互いに反対方向にリンク101,102を同時に駆動する駆動力を発生する。そして、関節J1,J2には、駆動力(引っ張り力)の差によりトルクが付与されると共に、駆動力(引っ張り力)の和により剛性が付与される。
図3は、基台104及び駆動機構141,142を省略して図示したリンク機構駆動装置100を示す平面図である。図4は、基台104及び駆動機構141,142を省略して図示したリンク機構駆動装置100を示す説明図である。図4(a)は、基台104及び駆動機構141,142を省略して図示したリンク機構駆動装置100を示す斜視図、図4(b)は、関節J1付近を示す拡大斜視図である。
リンク機構駆動装置100は、基台104(図2参照)に配置された駆動源151と、駆動源151の駆動を伝達する伝達機構152と、を備えている。また、リンク機構駆動装置100は、関節J2に配置され、伝達機構152により伝達された駆動源151の駆動に対応した剛性を、関節J2に付与する剛性付与機構153と、を備えている。
剛性付与機構153は、リンク102の旋回動作に応じた弾性変形量で弾性変形し、弾性変形量に応じた弾性力をリンク102に付与して関節J2に剛性を付与する弾性部154を有している。また、剛性付与機構153は、リンク102の旋回角度と弾性部154の弾性変形量との対応関係を、伝達機構152により伝達された駆動源151の駆動に応じて変更する変更部155を有している。
駆動源151は、回転駆動源である電動回転モータである。伝達機構152は、基台104に軸受126を介して回転可能に支持され、駆動源151の回転軸122にカップリング125で連結され、駆動源151に回転駆動される第1シャフトであるシャフト123を有している。また、伝達機構152は、リンク101に軸受127を介して回転可能に支持された第2シャフトであるシャフト124を有している。また、伝達機構152は、関節J1に配置され、シャフト123とシャフト124とを回転伝達可能かつ旋回可能に連結する自在継手128を有している。関節J1においてx−y平面内で変位が生じても、剛性付与機構153へ剛性指令値である回転変位を伝達できるよう自在継手128が用いられている。つまり、この自在継手128は、リンク102の旋回動作に伴ってシャフト124が旋回しても、シャフト123の回転をシャフト124に伝達することが可能なものであり、例えばカルダンジョイントが用いられる。
以上、剛性付与機構153の変更部155は、リンク102の旋回角度と弾性部154の弾性変形量との対応関係を、シャフト124の回転位置に対応して変更するよう構成されている。
図5は、剛性付与機構153を示す平面図であり、図6は、リンク102を示す構成図である。図6(a)は、リンク102の概略斜視図、図6(b)はリンク102の概略側面図である。
図5に示すように、剛性付与機構153の変更部155は、シャフト124の先端に設けられたウォームギア161と、リンク101に回転可能に支持され、ウォームギア161に噛合するピニオンギア162と、を有している。
また、変更部155は、ピニオンギア162に噛合するラックギア163を有している。ラックギア163は、リンク101に、旋回軸Qの延びる方向(図5中z軸方向)に直交する方向(図5中y軸方向)にスライド可能に支持されている。そして、ラックギア163は、ピニオンギア162の回転位置に応じてリンク102の旋回軸Qに対して接離(接近又は離間)する。
また、変更部155は、弾性部154が当接し、リンク102の旋回動作によりリンク102の旋回軸Qを中心に旋回して弾性部154を弾性変形させるようにリンク102に固定された被当接部材としてのリブ164を有している。リブ164は、本実施形態では、板状の部材であり、一対の被当接面164A,164Bを有する。このリブ164は、旋回軸Qから半径方向に延びる平板である。したがって、リンク101に対してリンク102が所定角度θ旋回すると、リブ164は、旋回軸Qを中心に所定角度θ旋回する。
また、変更部155は、弾性部154をリブ164に当接させた状態で支持する支持部材165を有している。支持部材165は、ラックギア163に固定され、ラックギア163と一体に移動する。これにより、弾性部154は、ラックギア163の移動によりリンク102の旋回軸Qの延びる方向(図5中z軸方向)に対して直交する方向(図5中y軸方向、つまりラックギア163及び支持部材165の移動する方向)に移動する。
なお、支持部材165は、ラックギア163とは別部材でラックギア163に固定されるようにしたが、ラックギア163と一体に形成されていてもよい。
弾性部154は、リブ164を両側から挟み込むように配置された一対の弾性ユニット170A,170Bを有している。
各弾性ユニット170A,170Bは、当接部材であるローラ(回転部材)171A,171Bと、軸部材172A,172Bと、圧縮コイルばね173A,173Bとを有している。
軸部材172A,172Bは、リンク102の旋回軸Qの延びる方向(図5中z軸方向)、及び支持部材165の移動する方向(図5中y軸方向)に対して直交する方向(図5中x軸方向)にスライド自在に支持部材165に支持されている。
ローラ171A,171Bは、軸部材172A,172Bの先端に回転可能に支持されている。
圧縮コイルばね173A,173Bは、ローラ171A,171Bをリブ164に付勢するよう圧縮状態で設けられている。詳述すると、圧縮コイルばね173A,173Bが圧縮された状態で、圧縮コイルばね173A,173Bの一端が支持部材165に固定され、他端が軸部材172A,172Bに固定されている。これにより、圧縮コイルばね173A,173Bは、軸部材172A,172Bをリブ164側に付勢する。したがって、圧縮コイルばね173A,173Bは、軸部材172A,172Bを介してローラ171A,171Bをリブ164に付勢している。各圧縮コイルばね173A,173Bの付勢力により、各ローラ171A,171Bは、リブ164の各被当接面(平面)164A,164Bに当接する。つまり、圧縮コイルばね173A,173Bは予圧されているので、ローラ171A,171Bの側面が、リンク102に拘束された厚さtのリブ164に接触している。
以上の構成で、関節J2まわりのリンク102の変位により、リブ164が旋回軸Qまわりに旋回して、2つの圧縮コイルばね173A,173Bのうちいずれか一方の圧縮コイルばねが圧縮変形(弾性変形)する。これにより、圧縮コイルばねの圧縮量(弾性変形量)に応じた弾性力がリブ164に付与され、その結果関節J2に剛性が付与される。
次に、関節J2の剛性を変更する動作について説明する。駆動源151の駆動により、駆動源151の駆動(回転変位)が伝達機構152を介して剛性付与機構153に伝達され、駆動源151の駆動(回転変位)に応じて関節J2の剛性が変更される。
詳述すると、駆動源151から伝達された駆動(回転変位、即ち剛性指令値)は、シャフト124の端部に配置されたウォームギア161を介して、リンク101上に点Pを中心に回転可能に支持されたピニオンギア162の回転変位として伝達される。ピニオンギア162の回転変位は、リンク101の長手方向に垂直な方向に可動なラックギア163と噛み合うことで、リンク101の長手方向に直交する方向の直動変位として伝達される。これにより、ラックギア163と一体に支持部材165及び弾性ユニット170A,170Bが直動変位する。具体的には、ローラ171A,171Bがリブ164の被当接面164A,164B上を旋回軸Qに接離する方向に転がりながら移動する。
圧縮コイルばね173A,173Bの圧縮量、つまり関節J2の剛性は、旋回軸Qとローラ171A,171Bのリブ164上の接触点との距離rに応じて異なる。したがって、ローラ171A,171Bが被当接面164A,164B上を旋回軸Qに接離する方向に移動するので、関節J2の剛性が変更される。
以上を踏まえ、本実施形態におけるリンク機構駆動装置100の手先(リンク102の先端)Eの出力、及び手先Eの剛性制御方法について説明する。
図7は、第1実施形態に係るリンク機構駆動装置を示す平面図、図8は、弾性アクチュエータのモデルを示す説明図である。図8(a)は、弾性アクチュエータのモデルを示す模式図、図8(b)は、弾性アクチュエータの特性を示すグラフである。
各駆動源107,108,109,110は、各々、不図示の変位検出手段及び不図示のトルクセンサを内蔵しており、外から働くトルクを検出可能な構成である。そして、各駆動源107,108,109,110は、図8(a)に示すような弾性アクチュエータのモデルに倣って出力制御されるものとする。
図8(a)において、弾性アクチュエータ35は、一端が基台36に固定されている。弾性アクチュエータ35は、収縮要素37と可変弾性要素38とからなる。収縮要素37は収縮要素であり、x方向に収縮力uを発生させる。可変弾性要素38は、収縮要素37の収縮力uと変位xとの積に比例した弾性力を、変位方向と逆向きに発生させる。弾性アクチュエータ35の端部より出力される力Fは、比例係数kを用いて次式で示される。
Figure 2014155996
式(1)の特性を図示したものが図8(b)である。指令値uを変化させることによって、弾性アクチュエータ35の弾性(グラフの傾き)が変化する。また、指令値uに依らず、x=k−1で出力F=0となる。
ここで各駆動源107,108,109,110の出力トルクをそれぞれ、Tf1,Te1,Tf3,Te3とする。また、プーリ112〜117の半径をrとする。各プーリ112,113,115,116の接線方向における接線力Ff1,Fe1,Ff3,Fe3は、次のように書ける。
Figure 2014155996
ここで、接線力Ffi,Fei(i=1,3)を出力するために、各駆動源へ与える仮想的な指令値をufi,uei(i=1,3)とする。
また、図7に示すように、リンク101のx軸に対する角度をθ、リンク101に対するリンク102の相対角度をθとする。θの初期値に対する変位角をθ 、θに関し第2関節周りの剛性付与機構153の釣り合い位置(平衡点)に対する変位角をθ とする。ここでは、θ =0において、駆動源107,108の指令値をuf1=ue1=0,θ =θ =0において、駆動源109,110の指令値をuf3=ue3=0と仮定している。
図7において、関節J1の旋回軸(回転中心)をO、関節J2の旋回軸(回転中心)をQとする。各駆動源107〜110を駆動した際に、点O、点Qまわりのトルクをそれぞれ、T1,T2とすると、トルクT1,T2は、点Qまわりの関節剛性Gを用いて、次のように書ける。
Figure 2014155996
一方、指令値ufi、uei(i=1,3)に対するモーメントアームの径をr(i=1,3)、駆動源107,108によりエミュレートされる弾性力の係数をk、駆動源109,110によりエミュレートされる弾性力の係数をkとする。このとき、各駆動源107〜110の発生トルクは、指令値ufi,uei(i=1,3)を用いて次式のように書くことができる。
Figure 2014155996
次に、各駆動源107〜110を駆動した際の、リンク102の先端Eの出力F=(Fを求める。式(3)及び式(4)より、関節トルクを行列表記する。
Figure 2014155996
ここで、図7中リンク101の点Oから点Qに至る長手方向の寸法をL、リンク102の点Qから先端Eまでの長手方向の寸法をLとする。リンク102の先端Eの変位(x y)と、関節J1,J2の変位角(θ θとを関係づけるヤコビ行列Jは、次式で書ける。
Figure 2014155996
一方、関節トルクと、リンク102の先端Eの出力(Fの関係は次式で表わされることが知られている。
Figure 2014155996
リンク102の先端Eの出力(Fについて解くと、
Figure 2014155996
式(12)において、各駆動源107〜110の指令値の和をU=ufi+uei(i=1,3)、各駆動源107〜110の指令値の差をV=ufi−uei(i=1,3)とした。
上式(12)によると、リンク機構駆動装置100は、リンク102の先端Eの出力F=(Fを決定するために、駆動源107〜110の収縮力の和U(i=1,3)、収縮力の差V(i=1,3)の計4つのパラメータを入力する系と等価である。また、xy平面内の出力方向を任意に決定可能な系である。
さらに、関節トルクT1,T2は静力学的に、関節J1,J2の変位角(θ θ を用いて、次のように書ける。
Figure 2014155996
これを、(T1 T2)=0となるように、関節J1,J2の変位角(θ θ について解くと、
Figure 2014155996
となり、2リンク機構の平衡点が一意に定まる。
次に本実施形態における、リンク102の先端Eに外力が作用した際の、リンク機構駆動装置100の手先剛性について説明する。
まず、剛性付与機構153によって、点Qまわりに形成される捩り弾性Gについて図9を用いて説明する。図9は、剛性付与機構153の一部を示す模式図である。この図9には、リンク102がリンク101に対してθ 相対変位した際の、圧縮コイルばね173A,173B、ローラ171A,171B、及びリブ164の関係を図示している。
圧縮コイルばね173A,173Bは線形ばねである。圧縮コイルばね173A,173Bのばね定数をk、自然長をdとする。ローラ171A,171Bとリブ164間の接触剛性の急激な変化を防止するために、θ =0のときに圧縮コイルばね173A,173Bがδだけ圧縮されてローラ171A,171Bを介してリブ164に接触しているものとする。
ここでは、リブ164の厚さtは、圧縮コイルばね173A,173Bの弾性変位量に対して、十分小さく無視できるものとして扱う。
駆動源151へ入力された剛性指令値は、シャフト123の回転変位uに対応して入力され、自在継手128を介して、シャフト124及びウォームギア161の回転変位u’として伝達される。
ウォームギア161の回転変位は、縮小率c(>1)を用いて、ピニオンギア162の点Pまわりに、u’/cだけ回転し、ラックギア163のリンク101の長手方向に直交する方向のリニア変位rに変換され伝達する。ピニオンギア162のピッチ円の半径をrp2とすると、rは次式で書くことができる。
Figure 2014155996
δ>rsinθのとき、図9のように、θ が変位した状態では、圧縮コイルばね173A,173Bのばね長は、それぞれ図9中に示す長さとなる。
従って、点Qまわりの圧縮コイルばね173A,173Bの復元力により発生するトルクTは次式のようになる。
Figure 2014155996
故に、点Qまわりの剛性Kは、θ で微分して、次式を得る。θ に応じて、ラックギア163のリニア変位を制御すれば、点Qまわりの剛性Kを任意に設定できる。
Figure 2014155996
一方、手先Eに微小な外力Δf=(Δf Δfが作用したとき、各関節J1,J2の微小回転角を(Δθ Δθとする。各関節J1,J2が微小に変位することで、駆動源のエミュレートによる弾性と剛性付与機構153の弾性によって、各関節J1,J2には微小トルクΔT=(ΔT1 ΔT2)が発生する。微小トルクΔT=(ΔT1 ΔT2)と、微小回転角(Δθ Δθとの関係を、各駆動源107〜110の指令値の和U=ufi+uei(i=1,3)を用いて、近似的に次式のように書くことができる。式(17)において、Kは、リンク機構駆動装置100の手先剛性を表す剛性行列であり、リンク102の先端Eに外力が作用したときの剛性(スティフネス)を表す。
Figure 2014155996
式(17)において、r=r=r、r=rとし、式(16)及び式(17)より次式のように書ける。
Figure 2014155996
ヤコビ行列を用いて、リンク102の先端Eの微小変位量(Δx Δy)と、微小な外力ΔF=(ΔF ΔFとの関係は次式のように示すことができる。式(19)において、Jcはリンク機構駆動装置100のコンプライアンス行列を表す。
Figure 2014155996
各駆動源107〜110の収縮力の和をU=ufi+uei(i=1,3)を用いて、微小外力ΔF=(ΔF ΔFと微小回転角(Δθ Δθの関係は、次式のようになる。
Figure 2014155996
ここからは、リンクの先端の出力方向について簡易に表記するために、L=L=Lのときを考える。
式(20)において、
Figure 2014155996
とおくと、
Figure 2014155996
故にこのとき、
Figure 2014155996
となり、駆動源107,108の指令値の和で作られる、リンク102の先端Eの剛性は、(θ+θ)方向に作用することがわかる。
同様に、式(20)において、
Figure 2014155996
とおくと、
Figure 2014155996
故にこのとき、
Figure 2014155996
となり、剛性付与機構153によって作られる、リンク102の先端Eの剛性は、(θ+θ/2)方向に作用することがわかる。
さらに、同様に式(20)において、
Figure 2014155996
とおくと、
Figure 2014155996
故にこのとき、
Figure 2014155996
となり、駆動源109,110の指令値の和で作られる、リンク102の先端Eの剛性は、θ方向に作用することがわかる。
以上の3式(22)、(24)、(26)の結果を踏まえると、リンク機構駆動装置100に外力が作用した場合の手先Eの剛性は、3方向に作用する剛性の和と考えることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。図11は、比較例の2対4筋の筋骨格構造を表した2リンクモデル51を示す模式図である。第1リンクであるリンク56は、第1関節である関節55(点O)まわりに旋回可能に基部である基台54に支持されている。第2リンクであるリンク57は、第2関節である関節58(点M)まわりに旋回可能にリンク56に支持されている。関節55まわりにトルクを付与する駆動源は、図11中の第1単関節筋f1,e1であり、両端が基台54とリンク56に固定された腱60f,60eによって、駆動源の収縮力が伝達される。一方、関節55と関節58まわりにトルクを同時に付与する駆動源は、図11中の2関節筋f3,e3であり、両端が基台54とリンク57に固定された腱61f,61eによって、駆動源の収縮力が伝達される。
本実施形態によれば、4つの駆動源f1,e1,f3,e3で構成される2対4筋構造に対し、手先の剛性楕円の設定範囲を拡張する効果があり、その詳細について以下に説明する。
図12は、シミュレーションにより計算した手先の剛性楕円を示すグラフである。図12(a)は、図11に示す2対4筋のリンク機構において、手先Eの剛性を二次元で表した剛性楕円の計算結果の一例を示している。図12(a)では、θ =θ=π/4[rad]、θ =θのもとに、π/6[rad]から5π/6[rad]までπ/6[rad]刻みにθ を変化させた計算結果を示している。この計算においては、図11の駆動源f1,e1,f3,e3の発生させる収縮力を各々、uf1,ue1,uf3,ue3とすると、式(12)中のU,Uによって作られる手先剛性の比率を1:1で構成している。このように比較例として挙げた2対4筋機構では、(θ +θ /2)方向の手先剛性をθ 方向、(θ +θ )方向に比べて相対的に大きくすることは、不可能である。言い換えると、比較例の2対4筋構造では、手先の剛性楕円を真円とすることは、
Figure 2014155996
の場合を除いて実現することはできなかった。
本実施形態によれば、剛性付与機構153によって、手先の(θ +θ /2)方向にも剛性を持つことが可能であり、U,U,Gを制御することにより、
Figure 2014155996
の場合に手先の剛性楕円を円形とすることが可能である。
図12(b)は、本実施形態におけるリンク機構駆動装置100の手先Eの剛性を二次元で表した剛性楕円である。図1に示すリンク機構駆動装置100において、θ =π/4[rad]、θ =5π/6[rad]としたとき、手先Eの剛性を二次元で表した剛性楕円の計算結果の一例を示している。この計算においては、U,G,Uによって作られる手先剛性の比率を1:1:1で構成している。
図12(b)は、図12(a)中のθ =5π/6[rad]のときに比べて、手先Eの(θ +θ /2)方向の剛性が拡張されていることが分かる。
さらに、θ =π/4[rad]、θ =5π/6[rad]のとき、U,G,Uによって作られる手先剛性の比率を適正となるように、Gを制御すれば、手先Eの剛性楕円は真円となる。この場合、U,Uによって作られる手先剛性の比率に関し、1:1を前提とすると、手先Eの剛性楕円を真円となるように、U,G,Uによって作られる手先剛性の比率を定めると、√3:1:√3という解が存在する。この条件で、手先Eの剛性楕円を表した計算結果を図12(c)に示す。
図12(c)より、手先Eの剛性楕円が真円となっていることがわかる。このように、手先Eの剛性楕円を真円とすることで、xy平面内の任意の方向において、手先Eに加えた外力の方向に手先Eが変位するため、様々なアプリケーションへの応用展開が期待できる。例えば、産業用、非産業用問わず、マンマシンインターフェースとして、人との協働作業を行うロボットマニピュレータを考える。このようなマニピュレータ装置において、任意の方向より、人から手先Eに入力された外力と同じ方向に、手先Eが変位する機構であれば、ダイレクトティーチング等のシステムを構築する上で有効であると考えられる。
加えて、本実施形態によれば、比較例の2対4筋構造では不可能であった、剛性楕円の長軸または短軸を、図12(a)に示すy軸またはx軸と平行にすることが可能な場合が存在し、その詳細について説明する。
本実施形態のリンク機構駆動装置100において、
Figure 2014155996
のとき、比較例の2対4筋構造では、手先の剛性楕円の長軸または短軸を、x軸またはy軸と平行に向けることが不可能であった。具体的に、θ =π/4[rad]、θ =5π/6[rad]として、比較例の2対4筋構造における手先の剛性楕円の計算結果の一例を図12(d)に示す。この計算においては、U,Uによって作られる手先剛性の比率を2:1で構成している。この条件下において、比較例の2対4筋構造を用いて手先の剛性楕円の長軸または短軸を、x軸またはy軸と平行に向けることは不可能である。
これに対し、本実施形態のリンク機構駆動装置100では、手先Eの剛性楕円の長軸または短軸を、x軸またはy軸と平行に向けることが可能である。このことを示す計算結果の例を図12(e)に示す。この結果は、U,G,Uによって作られる手先剛性の比率を2:√3:1と設定したものである。しかし、このときθ +θ =πが成立しているため、Uによって作られる剛性に依らず、G,Uによって作られる手先剛性の比率を√3:1と設定することで、剛性楕円の長軸をx軸と平行に、短軸をy軸と平行に向けることが可能である。このように、手先Eの剛性楕円の長軸または短軸を、y軸またはx軸と平行に向けることで、第2リンク102の先端Eにy軸またはx軸と平行な方向から外力が作用した際に、外力の作用した方向に先端Eが変位する機構となり、有効である。具体的なアプリケーションとして、この機構を脚として用いた歩行ロボット等において、重力方向がy軸と平行と仮定すると、歩行の際に脚が受ける抗力に対して、脚の先端が重量方向に変位するので、ロボットの姿勢安定化を図る上で効果的である。この場合、さらに、Uによって作られる剛性を2分の1とし、U,G,Uによって作られる手先剛性の比率を、1:√3:1と設定することで、図12(f)に示すように手先Eの剛性楕円を真円とすることができる。手先Eの剛性楕円を真円とすることに対する有効性については、先に述べた通りである。
以上説明したように、比較例の2対4筋構造では、例えばリンク56,57の長さが等しい場合、(θ +θ )、(θ +θ /2)、θ のいずれかの方向の剛性を任意に設定することができない。従って、比較例の構成では、剛性楕円の3つのパラメータを決定することができないが、本実施形態によれば、比較例の2対4筋構造に対し、手先Eの剛性楕円の向きと大きさを制御することが可能である。
加えて、本実施形態によれば、基台104へ重量物である駆動源151を配置しているため、可動するリンク101,102の質量を軽量化することが可能である。更に、本実施形態では、基台104へ全ての駆動源107〜110,151を配置しているため、リンク101,102の質量を更に軽量化することが可能である。従って、ロボットマニピュレータ等の高加速度を伴う動作において、リンク101,102の慣性力を軽減することが可能である。
また、本実施形態では、ウォームギア161及びピニオンギア162は、シャフト124の回転数に対するピニオンギア162の回転数が小さくなるように形成されている。つまり、本実施形態では、式(15)により、ウォームギア161の変位を縮小して、ラックギア163のリニア変位に変換している。
本実施形態では、関節J2まわりの剛性をラックギア163の変位rの位置制御により決定している。人との接触を伴う動作等にリンク機構駆動装置100を用いる場合、リンク102の手先Eに予期しない外乱が加わることが想定され、この外乱に伴って、リンク101が点Oのまわりに回転することが予想される。自在継手128に例えば一般的なカルダンジョイントを用いると、関節J1まわりの変位に対して、シャフト124が回転変位を生じ、その結果ラックギア163のリニア変位が生じ、関節J2まわりの剛性の誤差を生じる。
そこで、本実施形態のようにシャフト124の回転変位に対して、ピニオンギア162の回転変位が1/cに縮小され、ラックギア163の直動変位に変換されている。このため、関節J1まわりに予期しない変位を生じたとしても、cを十分大きく設定しておけば、関節J2まわりの剛性に与える誤差を軽減させる効果がある。
また本実施形態では、剛性付与機構153をリンク101とリンク102との間に配置しているが、その効果について説明する。人との接触を伴うマニピュレータ等においては、可動部の重量を軽くする方が好ましいため、リンク101と共に動くシャフト124等の外径を細くするなどの軽量化を実施することが予想される。
剛性付与機構153を基台104上に配置しても、関節J2まわりの剛性を設定することが原理上可能であるが、軽量化された伝達機構の剛性が低下することにより、関節J2まわりに設定すべき剛性値に誤差を生じる。従って、本実施形態のように剛性付与機構153をリンク101と第2リンク102との間に配置することで、伝達機構152による剛性低下が関節J2まわりの剛性に与える影響を最小限に抑えることができる。
なお、第1実施形態では、解析的に簡素に説明するために、リンク101とリンク102の寸法についてL=L=Lの場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。リンク101とリンク102の寸法が異なる場合においても、関節J2に設けられた剛性付与機構153が手先Eに作る剛性に合わせて、駆動源107,108の指令値の和と駆動源109,110の指令値の和を制御すればよい。具体的には、剛性付与機構153が手先Eに作る剛性に合わせて、駆動源107,108の指令値の和と駆動源109,110の指令値の和を制御することで、手先Eの剛性楕円の大きさや向きを、所望の形態に合うように制御すればよい。
また、第1実施形態では、関節J2に剛性付与機構153を用いる例について説明したが、剛性付与機構の構成はこれに限定されるものではない。
また、第1実施形態では、駆動源107〜110はトルクセンサを内蔵する電動回転モータとし、式(1)に倣ってアクティブにトルク制御を実施する場合について説明したが、これに限定するものではない。これら駆動源107,110として、センシングを伴わずにパッシブに類似の特性を表現可能な空気圧人工筋肉などの弾性アクチュエータを用いてもよい。このような弾性特性に近い特性を持つアクチュエータとして、例えば空気圧式人工筋肉(マッキベン)が知られている。
また、第1実施形態では、伝達機構152の内部に不等速型の自在継手128を用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、等速型の自在継手を用いてもよい。
また、第1実施形態では、駆動源107,108及び駆動源109,110の拮抗駆動により、関節J1,J2を駆動する例を示したが、それぞれ双方向に駆動可能な単数の駆動源を用いてもよく、拮抗駆動に限定されるものではない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るリンク機構駆動装置について説明する。図10は、第2実施形態に係るリンク機構駆動装置の第1関節付近の概略構成を示す説明図である。図10(a)はリンク機構駆動装置の概略左側面図、図10(b)はリンク機構駆動装置の概略平面図、図10(c)はリンク機構駆動装置の概略右側面図である。本第2実施形態のリンク機構駆動装置は、基部として、上記第1実施形態と同様の基台(図1参照)を備えているが、図10では図示を省略している。本第2実施形態では、第1紐状部材及び第2紐状部材の構成が、上記第1実施形態と異なるものである。
本第2実施形態の第1紐状部材であるワイヤ119は、引っ張り力に応じて非線形に弾性変形する第1非線形弾性部位である非線形ばね39f,39eを有している。非線形ばね39f,39eは、第1関節に駆動トルクを付与するものである。非線形ばね39fは、駆動源107側に、非線形ばね39eは、駆動源108側に直列に挿入されている。各々の非線形ばね39f,39eの両端には、基台104に対するx軸方向の変位を検出可能な変位検出装置40f,41f,40e,41eが実装されている。
一方、同様に、本第2実施形態の第2紐状部材であるワイヤ120は、引っ張り力に応じて非線形に弾性変形する第2非線形弾性部位である非線形ばね42f,42eを有している。非線形ばね42fは、駆動源109側に、非線形ばね42eは、駆動源110側に直列に挿入されている。各々の非線形ばね42f,42eの両端には、基台104に対するx軸方向の変位を検出可能な変位検出装置43f,44f,43e,44eが実装されている。変位検出装置40f,41f,40e,41e,43f,44f,43e,44eは非接触式の位置検出装置であり、基台104上の識別可能なマークや目盛等(不図示)を参照することで、基台104に対する相対的な変位を計測可能である。
本第2実施形態において、駆動源107〜110はトルク検出手段を備えている必要はなく、非線形ばね、変位検出装置を実装した箇所以外の構成は、上記第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
変位検出装置41f,41e,44f,44eのx座標位置をξf1,ξe1,ξf3,ξe3とし、x軸方向の駆動源側の変位検出装置40f,40e,43f,43eのx座標位置を各々vf1,ve1,vf3,ve3とする。本第2実施形態では、非線形ばね39f,39e,42f,42eの出力端におけるばね復元力をFf1,Fe1,Ff3,Fe3とすると、係数A(≠0),B,Cを用いて下記式(27)で示される2次関数型の非線形特性を持つものと仮定する。
Figure 2014155996
ここで、非線形ばね39f,39eが拮抗することにより得られる関節トルクをTとすると、モーメントアームをrとして、Tは、ワイヤ119が弛まないことを前提とすると、ξf1=−ξe1=Xとおけるから、次のように書くことができる。
Figure 2014155996
第1関節の剛性Kは、式(28)をXで微分して、式(29)となる。
Figure 2014155996
従って、所望のトルクTと関節剛性Kを得るためのv,vは次のように書ける。
Figure 2014155996
式(30)は、ばね端位置Xに応じて、非線形ばね39f,39eの端部の位置vf1,ve1を所望のトルクTと関節剛性Kを得るための指令値として、駆動源107,108を駆動制御すればよいことを示している。
駆動源109,110を用いたvf3,ve3の制御についても同様であり、xy面内における手先の出力ベクトルと、剛性楕円の長軸、短軸、傾きを、上記第1実施形態と同様に設定することが可能である。
なお、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様にリンクの長さについて、L=Lの場合に限定されるものではなく、第2関節まわりの剛性付与機構の構成についても、双方向に剛性が可変できるものであれば、本発明の範疇に含まれる。
また、第2実施形態では、駆動源107及び非線形ばね39fと、駆動源108及び非線形ばね39eとが拮抗配置される場合について説明したが、これに限定するものではない。また、第2実施形態では、駆動源109及び非線形ばね42fと、駆動源110及び非線形ばね42eとが拮抗配置される場合について説明したが、これに限定するものではない。それぞれ双方向型の駆動源と弾性要素を用いてもよく、拮抗駆動に限定されるものではない。
また、第2実施形態において、非線形ばね39f,39e,42f,42eの特性について、2次関数型の特性を持つ例を示したが、必ずしも2次関数型の特性である必要はなく非線形特性を有していればよい。また非線形ばね39f,39e,42f,42eは、ばね単独で非線形特性を有すると仮定したが、線形ばねを非円形カム等の非線形変換機構を介することによって所望の非線形特性を実現してもよい。
100…リンク機構駆動装置、101…リンク(第1リンク)、102…リンク(第2リンク)、104…基台(基部)、141…駆動機構(第1駆動機構)、142…駆動機構(第2駆動機構)、151…駆動源、152…伝達機構、153…剛性付与機構

Claims (11)

  1. 基部と、
    前記基部に第1関節を介して旋回可能に連結された第1リンクと、
    前記第1リンクに第2関節を介して旋回可能に連結された第2リンクと、
    前記基部に対して互いに反対方向に前記第1リンクを駆動する駆動力を発生して、駆動力の差により前記第1関節にトルクを付与する第1駆動機構と、
    前記基部に対して互いに反対方向に前記第1リンク及び前記第2リンクを同時に駆動する駆動力を発生して、駆動力の差により前記第1関節及び前記第2関節にトルクを付与する第2駆動機構と、
    前記基部に配置された駆動源と、
    前記駆動源の駆動を伝達する伝達機構と、
    前記第2関節に配置され、前記伝達機構により伝達された前記駆動源の駆動に対応した剛性を、前記第2関節に付与する剛性付与機構と、を備えたことを特徴とするリンク機構駆動装置。
  2. 前記剛性付与機構は、
    前記第2リンクの旋回動作に応じた弾性変形量で弾性変形し、弾性変形量に応じた弾性力を前記第2リンクに付与して前記第2関節に剛性を付与する弾性部と、
    前記第2リンクの旋回角度と前記弾性部の弾性変形量との対応関係を、前記伝達機構により伝達された前記駆動源の駆動に応じて変更する変更部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のリンク機構駆動装置。
  3. 前記駆動源は回転駆動源であり、
    前記伝達機構は、
    前記基部に回転可能に支持され、前記駆動源に回転駆動される第1シャフトと、
    前記第1リンクに回転可能に支持された第2シャフトと、
    前記第1関節に配置され、前記第1シャフトと前記第2シャフトとを回転伝達可能かつ旋回可能に連結する自在継手と、を有し、
    前記変更部は、前記第2リンクの旋回角度と前記弾性部の弾性変形量との対応関係を、前記第2シャフトの回転位置に対応して変更することを特徴とする請求項2に記載のリンク機構駆動装置。
  4. 前記変更部は、
    前記第2シャフトに設けられたウォームギアと、
    前記第1リンクに回転可能に支持され、前記ウォームギアに噛合するピニオンギアと、
    前記第1リンクに支持され、前記ピニオンギアに噛合し、前記ピニオンギアの回転位置に応じて前記第2リンクの旋回軸に対して接離するラックギアと、
    前記弾性部が当接し、前記第2リンクの旋回動作により前記第2リンクの旋回軸を中心に旋回して前記弾性部を弾性変形させるように前記第2リンクに固定された被当接部材と、
    前記弾性部を前記被当接部材に当接させた状態で支持し、前記弾性部が前記ラックギアの移動により前記第2リンクの旋回軸の延びる方向に対して直交する方向に移動するよう、前記ラックギアと一体に移動する支持部材と、を有することを特徴とする請求項3に記載のリンク機構駆動装置。
  5. 前記ウォームギア及び前記ピニオンギアは、前記第2シャフトの回転数に対する前記ピニオンギアの回転数が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のリンク機構駆動装置。
  6. 前記弾性部が、前記被当接部材を両側から挟み込むように配置された一対の弾性ユニットを有することを特徴とする請求項4又は5に記載のリンク機構駆動装置。
  7. 前記各弾性ユニットは、
    前記第2リンクの旋回軸の延びる方向、及び前記支持部材の移動する方向に対して直交する方向にスライド自在に前記支持部材に支持された軸部材と、
    前記軸部材の先端に設けられ、前記被当接部材に当接する当接部材と、
    前記当接部材を前記被当接部材に付勢する圧縮コイルばねと、を有することを特徴とする請求項6に記載のリンク機構駆動装置。
  8. 前記第1駆動機構は、前記基部に拮抗配置された一対の第1駆動部と、
    前記第1関節に配置され、前記第1リンクに固定された第1プーリと、
    前記第1プーリに巻回され、前記一対の第1駆動部に両端が引っ張られる第1紐状部材と、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリンク機構駆動装置。
  9. 前記第1紐状部材は、引っ張り力に応じて非線形に弾性変形する第1非線形弾性部位を有することを特徴とする請求項8に記載のリンク機構駆動装置。
  10. 前記第2駆動機構は、前記基部に拮抗配置された一対の第2駆動部と、
    前記第1関節に回転自在に配置された2段プーリと、
    前記第2関節に配置され、前記第2リンクに固定された第2プーリと、
    前記2段プーリのうち一方のプーリに巻回され、前記一対の第2駆動部に両端が引っ張られる第2紐状部材と、
    前記2段プーリのうち他方のプーリと前記第2プーリとに巻回された無端状の第3紐状部材と、を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のリンク機構駆動装置。
  11. 前記第2紐状部材は、引っ張り力に応じて非線形に弾性変形する第2非線形弾性部位を有することを特徴とする請求項10に記載のリンク機構駆動装置。
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