JP2014155919A - メタンの酸化除去用触媒およびメタンの酸化除去方法 - Google Patents

メタンの酸化除去用触媒およびメタンの酸化除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンの酸化除去において、低い温度でも高いメタン分解能を発揮する触媒、ならびに、この触媒を用いた被処理ガス中のメタンの酸化除去方法を提供する。
【解決手段】メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、酸化ジルコニウム担体に(a)タングステン、(b)白金、並びに(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種を担持してなり、(a)タングステンの含有量が酸化ジルコニウムに対する質量比で0.2〜1質量%の範囲にある触媒;ならびに、メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去する方法であって、該被処理ガスを350〜450℃の温度で、前記触媒に接触させる方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンの酸化除去用触媒および酸化除去方法に関する。
本明細書において、「過剰の酸素を含む」とは、本発明の触媒に接触させる被処理ガスが、そこに含まれる炭化水素、一酸化炭素などの還元性成分を完全に酸化するのに必要な量以上に、酸素、窒素酸化物などの酸化性成分を含んでいることを意味する。
炭化水素の酸化除去用触媒として、白金、パラジウムなどの白金族金属を担持した触媒が高い性能を示すことが知られている。例えば、アルミナ担体に白金とパラジウムとを担持した排ガス浄化用触媒が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような触媒を用いても、メタン発酵ガスや天然ガスの燃焼排ガスのように、含まれる炭化水素の主成分がメタンである場合には、メタンが高い化学的安定性を有するために、十分なメタン除去が達成されないという問題がある。
さらに、被処理ガスが燃焼排ガスである場合には、燃料中に含まれている硫黄化合物に由来する硫黄酸化物(SOx)などの反応阻害物質が必然的に含まれているので、触媒表面に反応阻害物質が析出することにより、触媒活性が経時的に著しく低下することは避けがたい。
例えば、ランパートら(Lampert et al.)は、パラジウム触媒を用いてメタン酸化を行った場合に、わずかに0.1ppmの二酸化硫黄が存在するだけで、数時間内にその触媒活性がほとんど失われることを示して、硫黄酸化物の存在が触媒活性に著しい悪影響を与えることを明らかにしている(非特許文献1参照)。
過剰量の酸素が存在する排ガスに含まれる低濃度炭化水素の酸化用触媒として、ハニカム基材上にアルミナ担体を介して7g/l以上のパラジウムおよび3〜20g/lの白金を担持した触媒も開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この触媒を用いても、長期にわたる耐久性は十分ではなく、硫黄酸化物が共存する条件下では、触媒活性の経時的な劣化が避けられない。
また、近年では地球温暖化問題が強く認識されるようになり、炭鉱換気ガスのように、希薄(0.1〜1%程度)なメタンを含有するガスが大量に放散されている点が問題視され、その経済的な処理も課題となっている。ここでも、メタンを接触酸化により除去するにあたって、可能な限り低温で処理できる高活性な触媒が求められている。炭鉱換気ガスには、メタン以外にも、石炭の成分に由来する硫黄化合物(硫化水素、メルカプタン、二酸化硫黄)などが含まれる場合があり、硫化水素やメルカプタンなどは触媒上で酸化されて硫黄酸化物に変化するため、燃焼排ガスの場合と同様の被毒による活性低下が起こる。
従って、従来技術の大きな問題点は、メタンに対して高い除去率が得られないこと、さらに硫黄化合物が共存する条件下では除去率が大きく低下することである。
このような実状に鑑みて、酸化ジルコニウム担体にパラジウムまたはパラジウムと白金とを担持させた触媒が、硫黄酸化物共存下でも高いメタン酸化活性を維持し続けることが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、この触媒は、特に約400℃以下の低温域でのメタン酸化活性が低いため、低温で十分な性能を確保するには多量の触媒を必要とする。
また、酸化チタン担体に白金とパラジウムとを担持させてなる排ガス中の未燃炭化水素酸化触媒も提案されている(特許文献4参照)が、この触媒も、特に約400℃以下の低温域ではメタン酸化活性が十分ではない。
メタンの酸化には、パラジウムが有効であるというのが定説であった(非特許文献2、非特許文献3参照)のに対し、パラジウムを含まず、白金のみを酸化スズからなる担体に担持した触媒が、燃焼排ガス中のメタンの酸化除去に活性を示すことが示されている文献もある(特許文献5参照)。しかしながら、この触媒でも400℃以下でのメタン除去性能は十分とは言えない上に、高価な白金を多量に必要とする点も実用上の課題となる。
メタンを含有し酸素を過剰に含む燃焼排ガス中の炭化水素の浄化用触媒であって、酸化ジルコニウムに、白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群より選択される少なくとも1種ならびにイリジウムを担持してなり、比表面積が2〜60m2/gである触媒が、硫黄酸化物共存下で、400℃程度という低い温度であっても高いメタン酸化活性を維持し続けることも開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、この触媒は、非常に希少な貴金属であるイリジウムを比較的多量に必要とする点が実用上の課題となる。
また、酸化スズに白金を担持した触媒に助触媒としてイリジウムを担持させてなる、硫黄酸化物を含む燃焼排ガス中のメタンを低温域で酸化除去する触媒も提案されている(特許文献7参照)が、この触媒も400℃以下でのメタン除去性能は十分とは言えない。この文献には、酸化スズに白金を担持した触媒におけるイリジウム以外の各種元素(Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、W、Mo、Bi、Laなど)の助触媒効果も併せて示されているが、これらのいずれを添加(担持量は0.5〜1質量%)した場合でも、無添加の触媒(酸化スズに白金のみを担持した触媒)と比べてメタン酸化活性は低下しており、唯一イリジウムのみが酸化スズに白金を担持した触媒の耐久性を改善することが開示されている。したがって、イリジウム以外のこれらの各種金属を担持することは好ましくないとされている。
メタン、水蒸気、硫黄酸化物を含有する排ガス中のメタンを酸化除去するための触媒として、ジルコニアとタングステンジルコニア(単斜晶の割合35%)とを80:20の質量比で混合してなる担体に白金およびイリジウムを担持してなる触媒の検討例がある(特許文献8参照)が、そのメタン酸化活性はジルコニアのみを担体として用いた触媒の活性よりもむしろ低下することが示されている。
メタン、硫黄酸化物および過剰の酸素を含む燃焼排ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、2〜60m2/gの比表面積を有する単斜晶の酸化ジルコニウム担体に白金およびルテニウムを担持してなる触媒も知られている(特許文献9参照)。この触媒は、酸化ジルコニウム担体に白金およびイリジウムを担持してなる触媒よりも耐久性には優れるが、特に低温域での活性は十分ではない。
また、ガス燃料の燃焼排ガス中に含まれるNOx成分を分解除去させるために、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンの1種または複数種からなる多孔状の担体に、イリジウム、白金、ロジウムの1種または複数種を担持させたNOx除去用触媒が提案されている(特許文献10参照)。しかしながら、この文献は、NOx除去性能を示すのみで、炭化水素の除去率については、一切教示しておらず、炭化水素の中で最も難分解性のメタンを酸化分解できるかどうかについては、何ら示唆もしていない。
また、クエン酸を使用する特定の方法により、活性アルミナなどの無機質担体に白金およびロジウムの少なくとも1種とイリジウムおよびルテニウムの少なくとも1種とを併せて担持させた排気ガス浄化用触媒を製造する方法が開示されている(特許文献11参照)。この文献によれば、イリジウムおよび/またはルテニウムが、白金および/またはロジウムと融点の高い固溶体を形成するので、得られた触媒の耐熱性が向上するとされている。しかしながら、この文献は、得られた触媒のNOx転化率が改善されたことを示すのみで、排気ガスに含まれる炭化水素の中でも特に難分解性のメタンの酸化分解については、一切教示していない。
アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの多様な担体にイリジウムを担持してなる、リーンバーンエンジン排気ガスの脱硝触媒が提案されている(特許文献12参照)。しかしながら、この文献も、排気ガス中に存在する種々の炭化水素類中でもメタンが特に難分解性であることについての認識を示していない。従って、メタンをどのようにすれば、効率良く酸化分解できるかなどについては、一切明らかにしていない。
特開昭51-106691号公報 特開平8-332392号公報 特開平11-319559号公報 特開2000-254500号公報 特開2004-351236号公報 国際公開公報WO2002/040152 特開2006-272079号公報 特開2009-056455号公報 特開2007-090331号公報 特開平3-293035号公報 特開平3-98644号公報 特開平7-80315号公報
アプライド キャタリシス B:エンバイロンメンタル(Applied Catalysis B: Environmental),第14巻,1997年,p.211-223 インダストリアル アンドエンジニアリング ケミストリー(Industrial and Engineering Chemistry),第53巻、1961年,p.809-812 インダストリアル アンドエンジニアリング ケミストリー プロダクト リサーチ アンド ディベロップメント(Industrial and Engineering Chemistry Product Research and Development),第19巻,1980年,p.293-298
本発明の課題は、メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンの酸化除去において、低い温度でも高いメタン分解能を発揮する触媒、ならびに、この触媒を用いた被処理ガス中のメタンの酸化除去方法を提供することにある。
本発明は、下記に示すとおりの被処理ガス中のメタンを酸化除去するための触媒および被処理ガス中のメタンの酸化除去方法を提供するものである。
項1.メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、酸化ジルコニウム担体に
(a)タングステン、
(b)白金、並びに
(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種
を担持してなり、
(a)タングステンの含有量が酸化ジルコニウムに対する質量比で0.2〜1質量%の範囲にある触媒。
項2.メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去する方法であって、該被処理ガスを350〜450℃の温度で、前記項1に記載の触媒に接触させる方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒は、被処理ガス中のメタンの酸化除去用触媒であって、担体としての酸化ジルコニウムに、触媒活性成分としての(a)タングステン、(b)白金、並びに(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種を担持してなることを特徴とする。
担体である酸化ジルコニウムの表面積が小さすぎる場合には、触媒活性成分を高分散に保ちにくい一方、表面積が大きすぎる場合には、酸化ジルコニウムの熱安定性が十分でなく、触媒の使用中に酸化ジルコニウム自体の焼結が進行するおそれがある。
酸化ジルコニウムの比表面積(本明細書においては、BET法による比表面積を言う)は、通常2〜90m2/g程度であり、好ましくは20〜60m2/g程度である。酸化ジルコニウムの結晶形は単斜晶が好ましいが、質量基準で25%以下の正方晶や立方晶を含んでいても良い。なお、結晶相含有比率の測定には、X線回折測定などの公知の方法が適用できる。このような酸化ジルコニウムは、市販の触媒担体用酸化ジルコニウムをそのままでもよいし、あるいは空気などの酸化雰囲気下において水酸化ジルコニウムなどの酸化ジルコニウム前駆体を400℃〜700℃で焼成するなどの方法により調製することができる。
触媒担体には、コージェライトなどの支持体への付着性や焼結性の改善のため、アルミナ、シリカなどの酸化ジルコニウム以外の微量の成分を含んでいても良いが、これらの成分は質量基準で2%を超えないことが望ましい。
酸化ジルコニウムに対する(a)タングステン、(b)白金、並びに(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも一種の担持量は、少なすぎる場合には触媒活性が低い傾向があるのに対し、多すぎる場合には粒径が大きくなって、担持された触媒活性成分が有効に利用されにくくなる。
(a)タングステンの担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.2〜1%程度であり、0.2〜0.5%程度であるのがより好ましい。特にタングステンの担持量が多すぎる場合、硫黄酸化物存在下でのメタン酸化活性が低下するためタングステンの担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で1%程度以下であることが必要である。
(b)白金の担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.5〜20%程度であるのが好ましく、0.5〜5%程度であるのがより好ましい。
(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種の担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.5〜20%程度であるのが好ましく、0.5〜5%程度であるのがより好ましい。
即ち、ルテニウムを併用しない場合のイリジウムの担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.5〜20%程度であるのが好ましく、0.5〜5%程度であるのがより好ましい。白金とイリジウムの担持量の比率は、Ir/Ptの質量比で0.3〜5程度であるのが好ましく、1〜2程度であるのがより好ましい。
イリジウムを併用しない場合のルテニウムの担持量は、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.5〜20%程度であるのが好ましく、0.5〜5%程度であるのがより好ましい。白金とルテニウムの担持量の比率は、Ru/Ptの質量比で0.3〜5程度であるのが好ましく、1〜2程度であるのがより好ましい。
イリジウムとルテニウムを併用する場合の担持量は、その合計の担持量が、酸化ジルコニウムに対する質量比で0.5〜20%程度であるのが好ましく、0.5〜5%程度であるのがより好ましい。
本発明の触媒の調製方法を酸化ジルコニウム担体にタングステンおよび白金と、イリジウムとを担持する触媒について、いくつか例示する。第一の方法として、白金化合物、イリジウム化合物およびタングステン化合物の混合水溶液を、前記の酸化ジルコニウムに含浸させ、乾燥し、焼成する(同時担持)方法がある。第二の方法として、まず、タングステン化合物の水溶液を前記の酸化ジルコニウムに含浸させ、乾燥、焼成して、タングステン担持酸化ジルコニウムを得るか、またはタングステン化合物と前記の酸化ジルコニウムに純水を加え湿式混練し、乾燥、焼成して、タングステン担持酸化ジルコニウムを得て、タングステン担持酸化ジルコニウムに白金化合物およびイリジウム化合物の混合水溶液を含浸させて、乾燥し、焼成して触媒とする(逐次担持)方法がある。さらには、タングステン、白金、イリジウムの3成分を1成分ずつ逐次的に担持する方法もある。これらの中では、逐次担持が好ましく、まずタングステン化合物の水溶液を前記の酸化ジルコニウムに含浸させ、乾燥、焼成してタングステン担持酸化ジルコニウムを得て、これに白金化合物およびイリジウム化合物の混合水溶液を含浸させて、乾燥、焼成して触媒とする方法がより好ましい。前記の他に、タングステン担持酸化ジルコニウムを得る方法としては、水酸化ジルコニウムおよびタングステン化合物の混合水溶液を乾燥、焼成して得る方法を用いてもよいが、前記タングステン化合物の水溶液を酸化ジルコニウムに含浸させ、乾燥し、焼成する手法またはタングステン化合物と前記の酸化ジルコニウムに純水を加え湿式混練し、乾燥し、焼成する手法が好ましい。
タングステン担持酸化ジルコニウムを得る手法としてタングステン化合物と前記の酸化ジルコニウムに純水を加え湿式混練し、乾燥、焼成する方法を採用する場合、水または有機溶媒への溶解性の低いタングステン化合物(例えば、タングステン酸)を使用することができる。
含浸操作は、クロロ錯体、アンミン錯体、硝酸塩などの水溶性化合物を純水に溶解することにより調製した水溶液を用いて行っても良く、あるいはアセチルアセトナト錯体などの有機金属化合物をアセトンなどの有機溶媒に溶解した有機溶媒溶液を用いて行っても良い。
水溶性化合物としては、塩化白金酸(ヘキサクロロ白金酸)、テトラアンミン白金硝酸塩、ジニトロジアンミン白金、ヘキサヒドロキソ白金酸、塩化イリジウム酸(ヘキサクロロイリジウム酸)、ヘキサアンミンイリジウム硝酸塩、硝酸イリジウム、パラタングステン酸アンモニウムなどが例示される。なお、溶解度が低く、純水に溶解して所望の濃度が得られない場合は、溶解性を高めるために、希硝酸、希塩酸やアンモニア水を添加しても良い。
また、有機金属化合物としては、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム、ビス(アセチルアセトナト)白金などが例示される。
含浸時間は、所定の担持量が確保される限り、特に制限されないが、通常1〜50時間程度、好ましくは3〜20時間程度である。
次いで、所定の金属成分を担持させた酸化ジルコニウムを、必要に応じて蒸発乾固または乾燥させた後に、焼成する。
焼成は、空気の流通下に行えばよい。あるいは、空気または酸素と窒素などの不活性ガスとを適宜混合したガスなどの酸化性ガスの流通下において行っても良い。
焼成温度は、高すぎる場合には、担持された金属の粒成長が進んで高い活性が得られにくい。逆に、低すぎる場合には、焼成が十分に行われないので、触媒の使用中に担持された金属粒子が粗大化して、安定した活性が得らにくい。従って、安定して高い触媒活性を得るためには、イリジウムおよび白金の担持後の焼成温度は、450〜650℃程度とするのが好ましく、500〜600℃程度とするのがより好ましい。まずタングステンのみを担持する逐次担持法による場合の、タングステン担持後の焼成温度は、450〜800℃程度とするのが好ましく、600〜750℃程度とするのがより好ましい。
焼成時間は、特に制限されないが、通常1〜50時間程度であり、好ましくは3〜20時間程度である。
酸化ジルコニウム担体にタングステン、白金およびルテニウムを担持する触媒、あるいは酸化ジルコニウム担体にタングステン、白金、イリジウムおよびルテニウムを担持する触媒についても、上記と同様に調製することができる。ルテニウムの水溶性化合物としては、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム硝酸塩、トリニトラトニトロシルルテニウムなどが例示され、溶解性を高めるために希硝酸、希塩酸やアンモニア水を添加しても良い。ルテニウムの有機金属化合物としては、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウムなどが例示される。
本発明の触媒は、ペレット状やハニカム状などの任意の形状に成形して用いても良く、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いてもよい。好ましくは、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いる。
耐火性ハニカム上にウオッシュコートする場合には、上記の方法で調製した触媒をスラリー状にしてウオッシュコートしても良く、あるいは、あらかじめ酸化ジルコニウムを耐火性ハニカム上にウオッシュコートした後に、上記の含浸手法に従って活性成分を担持してもよい。いずれの場合にも、必要に応じて、バインダーを添加することができる。好ましい一例として、酸化ジルコニウム担体にバインダー(例えば酸化ジルコニウムゾル)と適量の水および必要に応じて増粘剤を添加してスラリーを調製し、これを耐火性ハニカム上にコートして、乾燥した後650〜750℃で焼成することで、耐火性ハニカム上に酸化ジルコニウム層を形成し、これに活性金属((a)タングステン、(b)白金、並びに(c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種)を含浸担持する方法が挙げられる。この際の活性金属の担持では、前記の同時担持法あるいは逐次担持法が採用できる。
本発明の触媒の比表面積は、通常2〜90m2/g程度であり、好ましくは10〜30m2/g程度である。触媒の比表面積が90m2/gを超えると、使用中に担体の焼結が進行することにより触媒の耐久性が低下するおそれがある。一方、2m2/g未満では、活性金属の分散が低下して十分な活性が得られないおそれがある。
本発明のメタンの酸化除去方法が処理対象とするのは、メタンおよび過剰の酸素を含むガスであり、例えば、燃焼排ガス、炭鉱換気ガスや各種化学プロセスから放出されるガスである。被処理ガス中には、メタンの他に、エタン、プロパンなどの低級炭化水素や一酸化炭素、含酸素化合物などの可燃性成分が含まれていても差し支えない。これらは、メタンに比して易分解性なので、本発明の方法により、メタンと同時に容易に酸化除去できる。
被処理ガス中の可燃性成分の濃度は、特に制限されないが、高すぎる場合には触媒層で極端な温度上昇が生じ、触媒の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があるので、メタン換算で1体積%以下とするのが好ましく、体積比で5,000ppm以下であればさらに好ましい。
本発明のメタンの酸化除去方法は、上記のようにして得られた触媒を用いることを特徴とする。
触媒の使用量が少なすぎる場合には、有効な除去率が得られないので、ガス時間当たり空間速度(GHSV)で500,000h-1以下となる量を使用するのが好ましい。一方、ガス時間当たり空間速度(GHSV)を低くするほど触媒量が多くなるので、浄化率は向上するが、GHSVが低すぎる場合には、経済的に不利であり、また触媒層での圧力損失が大きくなる。従って、GHSVの下限は、1,000h-1程度とするのが好ましく、5,000h-1程度とするのがより好ましい。
被処理ガス中の酸素濃度は、酸素を過剰に含む限り特に制限されないが、体積基準として約2%以上(より好ましくは約5%以上)であって且つ炭化水素などからなる還元性成分の酸化当量の約5倍以上(より好ましくは約10倍以上)の酸素が存在するのが好ましい。
被処理ガス中の酸素濃度が極端に低い場合には、反応速度が低下するおそれがあるので、予め所要の量の空気や酸素過剰の排ガスなどを混ぜてもよい。
本発明のメタンの酸化除去用触媒は、高い活性を有するが、処理温度が低すぎる場合には、活性が下がり、所望のメタン除去率が得られない。一方、処理温度が高すぎる場合には、触媒の耐久性が悪化するおそれがある。
触媒層の温度は、通常300〜600℃程度であり、好ましくは350〜450℃程度である。
また、被処理ガス中の炭化水素の濃度が著しく高いときには、触媒層で急激な反応が起こって、触媒の耐久性に悪影響を及ぼすので、触媒層での温度上昇が、通常約200℃以下、好ましくは約100℃以下となる条件で用いるのが好ましい。
炭鉱換気ガスの場合は1〜3体積%程度、燃焼排ガス中には5〜15体積%程度の水蒸気が含まれているが、本発明によれば、このように水蒸気を含む排ガスに対しても、有効なメタン酸化除去が達成される。
また、燃焼排ガス中には、触媒活性を著しく低下させる硫黄酸化物が通常含まれるが、本発明の触媒は、硫黄酸化物による活性低下に対して特に高い抵抗性を示すので、体積基準で0.1〜30ppm程度の硫黄酸化物が含まれる場合でも、メタン転化率には実質的に影響がない。
本発明によれば、被処理ガス中のメタンの酸化除去を安定して行うことが可能となるので、メタン発酵ガスや天然ガス系都市ガスなどの燃焼排ガスや、炭鉱換気ガス、各種プロセスガスなどのメタンおよび硫黄化合物を含有するガスを本発明の方法で処理することにより、ガス中に含まれるメタンを酸化除去して、その反応熱を回収してエネルギーとして有効利用できるほか、地球環境の改善にも寄与する。
本発明の触媒は、水蒸気や硫黄化合物による活性阻害に対して非常に優れた抵抗性を示すので、燃焼排ガスのように水蒸気を大量に含み、かつ硫黄酸化物を含む排ガスにおいても、高いメタン酸化活性を発揮する。
また、本発明の触媒は、低温でも高い活性を示すので、高価な貴金属の使用量を低減でき、経済性にも優れている。
以下、実施例および比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
比較例1(2%Pt-3%Ir/酸化ジルコニウム触媒の調製)
酸化ジルコニウム(日本電工社製「N-PC」、比表面積28m2/g)を空気中で700℃で6時間焼成して、焼成酸化ジルコニウム(比表面積17m2/g)を得た。
Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(4.3g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(12.2g)を混合し、純水(20ml)で希釈した。この溶液を前記の焼成酸化ジルコニウム35gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ir/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は17m2/gであった。
実施例1(2%Pt-3%Ir-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
酸化ジルコニウム(日本電工社製「N-PC」、比表面積28m2/g)70gとタングステン酸(H2WO4)0.19gを混合し、純水65gを加えて、室温で3時間湿式混練したのち蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で700℃で6時間焼成して、タングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積20m2/g)を得た。
Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(3.44g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(9.77g)を混合し、純水(14ml)で希釈した。この溶液を前記のタングステン担持酸化ジルコニウム28gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ir-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は20m2/gであった。
実施例2(2%Pt-3%Ir-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
パラタングステン酸アンモニウム5水和物((NH4)10W12O41・5H2O)0.20gを純水65gに加熱溶解し、酸化ジルコニウム(日本電工社製「N-PC」、比表面積28m2/g)70gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で700℃で6時間焼成して、タングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積20m2/g)を得た。
Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(3.44g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(9.77g)を混合し、純水(14ml)で希釈した。この溶液を前記のタングステン担持酸化ジルコニウム28gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ir-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は19m2/gであった。
実施例3(2%Pt-3%Ir-0.5%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
パラタングステン酸アンモニウム5水和物0.25gを純水30gに加熱溶解し、酸化ジルコニウム(日本電工社製「N-PC」、比表面積28m2/g)35gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で700℃で6時間焼成して、タングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積20m2/g)を得た。
Ptとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(3.44g)およびIrとして8.7質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(9.77g)を混合し、純水(14ml)で希釈した。この溶液を前記のタングステン担持酸化ジルコニウム28gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ir-0.5%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は20m2/gであった。
実施例4(2%Pt-3%Ir-1%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
パラタングステン酸アンモニウム5水和物の量を0.5gとした他は実施例3と同様にしてタングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積25m2/g)を得た。これを用いて、実施例3と同様にして2%Pt-3%Ir-1%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は23m2/gであった
比較例2(2%Pt-3%Ir-2%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
パラタングステン酸アンモニウム5水和物の量を1.0gとした他は実施例3と同様にしてタングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積28m2/g)を得た。これを用いて、実施例3と同様にして2%Pt-3%Ir-2%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は27m2/gであった
比較例3(2%Pt-3%Ir-5%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
パラタングステン酸アンモニウム5水和物の量を2.5gとした他は実施例3と同様にしてタングステン担持酸化ジルコニウム(比表面積28m2/g)を得た。これを用いて、実施例3と同様にして2%Pt-3%Ir-5%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は28m2/gであった
[活性評価試験1]
実施例1〜4および比較例1〜3において調製した触媒をそれぞれ打錠成形した後、破砕して粒径を1〜2mmに揃えた。各触媒1.45g(約1.5ml)を石英製反応管(内径14mm)に充填した。次いで、メタン1,000ppm、酸素10%、水蒸気10%(いずれも体積基準)および残部窒素からなる組成を有するガスを、2リットル/分(標準状態における体積)の流量で反応管に流通し、触媒層温度350℃、400℃、425℃および450℃におけるメタン転化率を測定した。反応層前後のガス組成は、水素炎イオン化検知器および熱伝導度検出器を有するガスクロマトグラフにより測定した。
なお、いずれの触媒でも、メタン濃度の減少に対応する二酸化炭素の生成が確認され、メタンは触媒上で完全酸化されていた。メタン転化率(%)の測定結果を表1に示す。ここで、メタン転化率とは、以下の式によって求められる値である。
CH4転化率(%)=100×(1-[CH4-OUT]/[CH4-in])
式中、[CH4-OUT]とは触媒層出口のメタン濃度を示し、[CH4-in]とは触媒層入口のメタン濃度を示す。
Figure 2014155919
比較例1の触媒の初期のメタン転化率は、350℃、400℃、425℃、450℃においてそれぞれ30%、86%、96%、100%であった。これに対して、実施例1〜4の触媒では、特に400℃以下の低温域で活性が大きく向上する。例えば、初期の350℃におけるメタン転化率は、タングステン担持量が増加するにつれて上昇し、タングステン担持量が1%の実施例4の触媒では45%に達した。タングステン担持量の増加に伴う活性の向上は400℃においても同様であった。なお、実施例1および2を比較すると、同一のタングステン担持量でも実施例2の触媒のほうが高いメタン転化率が得られており、担持に用いるタングステン化合物または担持方法により若干活性に差異を生じたものと推測される。
初期活性の測定に引き続いて、触媒層温度を450℃に保ったまま、反応ガスに二酸化硫黄3ppmを添加して反応を継続し、20、60時間後のそれぞれの時点で、触媒層温度350℃、400℃、425℃および450℃におけるメタン転化率を同様に測定した。メタン転化率(%)の測定結果を表2に示す。
Figure 2014155919
比較例1の触媒のメタン転化率は経時的に若干低下し、60時間後では、350℃、400℃、425℃、450℃においてそれぞれ29%、80%、92%、98%となった。60時間後の350℃におけるメタン転化率で比較しても、比較例1の29%に対し、実施例1〜4では39%〜44%であったことから、実施例の触媒では、タングステンを担持しない比較例1の触媒に比べて高い活性が得られることがわかる。
一方、タングステン担持量をさらに増加して2(比較例2)ないし5%(比較例3)とした場合には、条件によってはタングステンを担持しない場合よりも活性が低くなる場合がある。特に60時間後のメタン転化率で比べると比較例3の触媒はいずれの温度でも比較例1の触媒よりも顕著に低い。また、タングステン担持量が1%を超えるとメタン転化率の経時的な低下が大きくなり、触媒の耐久性が低下することが分かる。以上の結果は、低温での高いメタン酸化活性と高い耐久性を両立する観点では、タングステン担持量を酸化ジルコニウムに対する質量比で1%以下とするのが適当であることを示している。
比較例4(2%Pt-3%Ru/酸化ジルコニウム触媒の調製)
35%塩酸0.2gを純水で希釈して、塩化ルテニウム(RuCl3)1.53gを溶解し、さらにPtとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(3.07g)を添加して水溶液(28g)を調製した。この溶液を比較例1と同じ焼成酸化ジルコニウム25gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-3%Ru/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は17m2/gであった。
実施例5(2%Pt-3%Ru-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
焼成酸化ジルコニウムに代えて、実施例2と同じタングステン担持酸化ジルコニウムを用いたほかは、比較例4と同様にして、2%Pt-3%Ru-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は20m2/gであった。
比較例5(2%Pt-2%Ir-1%Ru/酸化ジルコニウム触媒の調製)
35%塩酸0.4gを純水で希釈して、塩化ルテニウム(RuCl3)0.57gを溶解し、さらにPtとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(3.43g)およびIrとして8.6質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(6.51g)を添加して水溶液(30g)を調製した。この溶液を比較例1と同じ焼成酸化ジルコニウム28gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-2%Ir-1%Ru/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は17m2/gであった。
実施例6(2%Pt-2%Ir-1%Ru-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒の調製)
35%塩酸0.3gを純水で希釈して、塩化ルテニウム(RuCl3)0.33gを溶解し、さらにPtとして16.3質量%を含有するヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液(2.01g)およびIrとして8.6質量%を含有するヘキサクロロイリジウム酸(H2IrCl6)の希塩酸溶液(3.81g)を添加して水溶液(17g)を調製した。この溶液を実施例2と同じタングステン担持酸化ジルコニウム16.4gに含浸させた。蒸発乾固し、120℃で乾燥した後、空気中で550℃で6時間焼成して2%Pt-2%Ir-1%Ru-0.2%W/酸化ジルコニウム触媒を得た。この触媒の比表面積は19m2/gであった。
[活性評価試験2]
実施例5、6および比較例4、5において調製した触媒について、メタン転化率を測定する際の触媒層温度を375℃、400℃、425℃および450℃としたほかは、活性評価試験1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 2014155919
比較例4の触媒の初期のメタン転化率は、375℃、400℃、425℃、450℃においてそれぞれ43%、72%、88%、96%であった。これに対して、実施例5の触媒では、特に400℃〜425℃の温度域で活性が大きく向上した。Wを添加することによるメタン酸化活性の向上は、Ir-Ptの組み合わせのみならず、Ru-Ptの組み合わせでも発現することは明らかである。また、比較例5と実施例6を比較すると、実施例6の触媒のメタン酸化活性が高く、イリジウムとルテニウムを併用したIr-Ru-Ptの組み合わせでもWの添加により活性が向上することが判る。
初期活性の測定に引き続いて、触媒層温度を450℃に保ったまま、反応ガスに二酸化硫黄3ppmを添加して反応を継続し、20、60時間後のそれぞれの時点で、触媒層温度375℃、400℃、425℃および450℃におけるメタン転化率を同様に測定した。メタン転化率(%)の測定結果を表4に示す。
Figure 2014155919
比較例4の触媒におけるメタン転化率は20時間後と、60時間後で、大きな変化は見られず、この触媒の活性が経時的に安定であることを示している。これは特許文献9において示されている通りである。しかし、実施例5の触媒は、60時間後の時点においても、375℃〜450℃の全ての温度において、比較例4の触媒よりも高いメタン転化率を示しており、W添加による活性向上の効果は明らかである。また、実施例6の触媒も、比較例5の触媒より高いメタン転化率を20時間後および60時間後においても示しており、長時間経過後においても、Wを添加することによるメタン酸化活性の向上効果が維持されている。

Claims (2)

  1. メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するための触媒であって、酸化ジルコニウム担体に
    (a)タングステン、
    (b)白金、並びに
    (c)イリジウムおよびルテニウムから選ばれる少なくとも1種
    を担持してなり、
    (a)タングステンの含有量が酸化ジルコニウムに対する質量比で0.2〜1質量%の範囲にある触媒。
  2. メタンおよび過剰の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去する方法であって、該被処理ガスを350〜450℃の温度で、請求項1に記載の触媒に接触させる方法。
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