JP2014149172A - 新規なビーズアッセイシステム - Google Patents

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JP2014149172A JP2013016788A JP2013016788A JP2014149172A JP 2014149172 A JP2014149172 A JP 2014149172A JP 2013016788 A JP2013016788 A JP 2013016788A JP 2013016788 A JP2013016788 A JP 2013016788A JP 2014149172 A JP2014149172 A JP 2014149172A
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Abstract

【課題】ウォッシュレス)のビーズアッセイシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含み、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する担体を提供する。別の実施形態では、担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する担体を提供する。あるいは、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と2)捕捉剤とを含み、該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、担体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄操作不要(ウォッシュレス)、短時間、低コスト、高感度、簡便なビーズアッセイシステムおよびそれに使用する粒子または担体(ビーズ)を提供する。
市販のビーズアッセイシステムでは、ポリスチレン製ビーズに反応性と蛍光色素を付与したものとサンプルを接触させ、レーザー光を照射して発光度を検出・測定(フローサイトメトリー)して、蛋白質などの生体成分を定性・定量分析する。多項目同時解析手法と呼ばれ、Multiple Analyte Profiling(Mulitplex)とも称され、業界では、国内外のメーカー、受託サービス業が進んでいる。
しかしながら、従来のシステムでは、バックグラウンドの関係から各反応毎に洗浄が必要であるため煩雑さが残る。
特許文献1〜3は、シリカ・ナノ粒子合成法を開示する。特許文献4および非特許文献1は、ビーズアッセイ技術を開示する。特許文献5〜6は、チオール基(メルカプト基)で修飾されたシリカ粒子による蛋白質アッセイ技術を開示する。特許文献7〜11は、ELISAの非特異反応抑制・バックグラウンド低減技術を開示する。特許文献12〜17は、各種免疫測定方法を開示する。
特許4572274号公報 特許4716337号公報 国際公開2007/142316号公報 特表2008−524600号公報 特表2002−506517号公報 特開平8−119619号公報 特表2010−527005号公報 国際公開2009/025364号公報 特表2009−500036号公報 国際公開2005/010529号公報 特開平7−218508号公報 特開平5−72205号公報 特開2009−192386号公報 特開2000−329767号公報 特開2005−49276 特開平8−166388 特開平5−264549
Luminex(登録商標)システム説明(日立ソリューションズ、フィルジェン、メルクミリポア)
本発明者らは、有機シリカ粒子(メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のオルガノアルコキシシランのみを材料として作製した粒子)等に代表される粒子を用いて、ブロッキング剤とともに用いるか用いないで、洗浄操作不要(ウォッシュレス)、低コスト、高感度のビーズアッセイシステムを開発した。
フローサイトメトリーによるビーズアッセイは従来のプレートを用いるELISA測定法などと比較して同時多項目測定が少量のサンプルで可能であるため、近年汎用されつつある。有機シリカ粒子等によりウォッシュレスを可能とする粒子を用いた高感度かつ測定範囲の広いビーズアッセイの実現ため研究開発を行った。本発明により、タンパク質の測定において、先行技術で製品化されたビーズアッセイ用粒子と同等の数pg/mlから数百ng/mlの範囲の定量的測定を、ウォッシュレスで行うことに成功した。また抗原タンパク質の測定に加えて抗体、ビオチン化タンパク質、核酸(例えば、DNA、RNA等)を介して遺伝子の測定にも成功した。さらに反応条件の検討を行い、測定時間の短縮、効率化にも成功した。今後は生物医学的に重要な分子の同時多項目測定や臨床検査への展開を行うことができる。特にウォッシュレスで測定ができることによりこれらの測定、検査の自動化が可能になる。本発明は以下を提供する。また、核酸等においては、ブロッキングすら不要であることも見出し、従来技術に比べて格段に効率よく簡便で、自動化も容易なアッセイ技術を提供することができる。
1つの局面において、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含み、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する担体を提供する。
1つの実施形態では、前記細孔容量は、1.0cm/g以下である。
1つの実施形態では、前記担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する。
1つの実施形態では、前記BIは、70%以上である。
1つの実施形態では、前記粒子はシリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は標識を含みうる。このような標識は、目的となる分子または物質を他から識別するための存在(例えば、物質、エネルギー、電磁波など)であればどのようなものでもよいが、1つの実施形態では、粒子に加えられる例として、放射性標識(RI(ラジオアイソトープ))、蛍光色素、ビオチン、化学発光物質等を挙げることができる。本発明の粒子に含まれうる標識は、好ましくは、アッセイで使用される標識薬剤に使用される標識とは識別可能であるほうが有利である。
1つの実施形態では、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基からなる群より選択される基を含む。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子であり、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基からなる群より選択される基からなる群より選択される基を含む。
別の局面では、本発明は、本発明に記載の担体と、捕捉剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、本発明の担体と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、本発明の担体と、捕捉剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
別の局面では、本発明は、本発明に記載の担体と、リンカー付与剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、本発明の担体と、リンカー付与剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、本発明の担体と、リンカー付与剤と、捕捉剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、本発明の担体と、リンカー付与剤と、捕捉剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
本発明のキットにおける1つの実施形態では、前記ブロッキング剤は、スキムミルク、アルブミン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
本発明のキットにおける1つの実施形態では、前記リンカー付与剤は、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたアミノ基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含む。また、好ましくは、このリンカー付与剤は、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合可能である。これらのリンカー付与剤は、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
1つの実施形態では、前記リンカー付与剤は、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネート N−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル 4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、bis−マレイミドエタン、マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレートからなる群より選択される。また、好ましくは、このリンカー付与剤は、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合可能である。これらのリンカー付与剤は、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
他の局面では、本発明は、本発明の担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。好ましくは、本発明のアッセイは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、(A)本発明の担体に捕捉剤を直接または間接的に結合させた捕捉剤結合担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)粒子に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。
他の局面では、本発明は、(A)本発明の担体に捕捉剤を直接または間接的に結合させた捕捉剤結合担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の不存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)粒子に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。この形態では、本発明のアッセイは、ウォッシュレスかつブロッキングレスということができる。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。
1つの実施形態では、前記標識薬剤が蛍光標識であり、前記粒子の自家蛍光が該蛍光標識の蛍光を検出しやすくする効果を認める。
別の局面では、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と2)捕捉剤とを含み、該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、担体を提供する。
1つの実施形態では、前記細孔容量は、1.0cm/g以下である。
1つの実施形態では、前記担体は、ウォッシュレスを実現するに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する。
1つの実施形態では、前記BIは、70%以上である。
1つの実施形態では、前記粒子はシリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は標識を含みうる。1つの実施形態では、このような標識としては、目的となる分子または物質を他から識別するための存在(例えば、物質、エネルギー、電磁波など)であればどのようなものでもよいが、粒子に加えられる例として、放射性標識(RI(ラジオアイソトープ))、蛍光色素、ビオチン、化学発光物質等を挙げることができる。本発明の粒子に含まれうる標識は、好ましくは、アッセイで使用される標識薬剤に使用される標識とは識別可能であるほうが有利である。
1つの実施形態では、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、からなる群より選択される基を含む。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子であり、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、からなる群より選択される基を含む。
1つの実施形態では、前記捕捉剤は、タンパク質、ペプチド、アビジン、ストレプトアビジン、核酸、糖類、これらの改変体ならびにこれらの結合体からなる群より選択される。別の実施形態では、前記捕捉剤は、抗体、抗原結合性の抗体断片、抗原、アビジン、ストレプトアビジン、核酸、DNA、RNA、糖鎖、ペプチド、リガンド、受容体、これらの改変体ならびにこれらの融合体からなる群より選択される。
1つの実施形態では、前記捕捉剤と該粒子とは、直接会合または結合する。
1つの実施形態では、前記捕捉剤と該粒子とは、リンカーを介して結合する。
1つの実施形態では、前記リンカーは、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたチオール基、アミノ基、カルボキシル基、より選択される少なくとも1つの官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含むもの(本明細書においてリンカー付与剤ともいう)の残基である。また、好ましくは、このリンカーは、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合したものである。これらのリンカーは、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
1つの実施形態では、前記リンカーは、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネートN−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、Bis−マレイミドエタン,マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレートからなる群より選択されるものの残基である。また、好ましくは、このリンカーは、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合したものである。これらのリンカーは、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
1つの実施形態では、本発明の担体は、前記捕捉剤にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、等を結合させた後、粒子と結合させたものを利用する。
1つの実施形態では、本発明の担体は、マレイミド活性化ニュトラビジン(Maleimide Activated NeutrAvidin)(蛋白にマレイミド基を結合させたもの)の粒子へ結合したものを利用する。
1つの実施形態では、前記捕捉剤と該粒子との直接会合または結合を行うために蛋白質やリンカーを融合させた捕捉剤が利用される。
1つの実施形態では、本発明の担体は、リンカー付与剤をまず粒子と結合反応をさせるか、または、まず捕捉剤に結合させるか、のいずれかで製造される。
1つの局面では、本発明は、本発明の担体と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のアッセイキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
1つの実施形態では、前記ブロッキング剤は、スキムミルク、アルブミン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
1つの局面では、本発明は、本発明の担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。
1つの局面では、本発明は、(A)本発明の担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下で、前記捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。
1つの局面では、本発明は、(A)本発明の担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の不存在下で、前記捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。したがって、この形態では、本発明のアッセイは、ブロッキングレスかつウォッシュレスということができる。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。
1つの実施形態では、前記標識薬剤が蛍光標識であり、前記粒子の自家蛍光より該蛍光標識の蛍光が有意に高い。
1つの局面において、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と2)捕捉剤と3)ブロッキング部分とを含み、該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、担体を提供する。
1つの実施形態では、前記細孔容量は、1.0cm/g以下である。
1つの実施形態では、前記担体は、ウォッシュレスを実現するに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する。
1つの実施形態では、前記BIは、70%以上である。
1つの実施形態では、前記粒子はシリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子である。
1つの実施形態では、前記粒子は標識を含みうる。1つの実施形態では、このような標識としては、目的となる分子または物質を他から識別するための存在(例えば、物質、エネルギー、電磁波など)であればどのようなものでもよいが、粒子に加えられる例として、放射性標識(RI(ラジオアイソトープ))、蛍光色素、ビオチン、化学発光物質等を挙げることができる。本発明の粒子に含まれうる標識は、好ましくは、アッセイで使用される標識薬剤に使用される標識とは識別可能であるほうが有利である。
1つの実施形態では、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、からなる群より選択される基を含む。
1つの実施形態では、前記粒子は有機シリカ粒子であり、前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、からなる群より選択される基を含む。
1つの実施形態では、本発明の粒子の表面構造は、特定の表面官能基を含む。
1つの実施形態では、前記捕捉剤は、抗体または抗原結合性の抗体断片である。
1つの実施形態では、前記捕捉剤と該粒子とは、直接会合または結合する。
1つの実施形態では、前記捕捉剤と該粒子とは、リンカーを介して結合する。
1つの実施形態では、前記リンカーは、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたアミノ基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含むものの残基である。また、好ましくは、このリンカーは、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合したものである。これらのリンカーは、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
1つの実施形態では、前記リンカーは、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネートN−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、bis−マレイミドエタン、マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレートからなる群より選択されるものまたはその残基である。また、好ましくは、このリンカーは、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合可能のものである。これらのリンカーは、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
1つの実施形態では、前記ブロッキング部分は、スキムミルク、アルブミン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
1つの局面では、本発明は、本発明の担体を備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。好ましくは、本発明のアッセイキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
別の局面では、本発明は、本発明の担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。好ましくは、本発明のアッセイキットは、定量測定および/または定性測定が可能である。
他の局面では、本発明は、(A)本発明の担体を提供する工程;(B)前記捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。
好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。
1つの実施形態では、前記標識薬剤が蛍光標識であり、前記粒子の自家蛍光より該蛍光標識の蛍光が有意に高い。
あるいは、別の局面において、ウォッシュレスアッセイ用担体であって、1)粒子であって、該粒子は1−1)コア1−2)表面構造を含む、粒子を含み、該担体は、ウォッシュレスを実現するに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する、担体を提供する。
本発明は、上記特徴がさらに任意の組み合わせで用いられるものを包含することが理解される。以下に、本発明の好ましい実施形態を示すが、当業者は本発明の説明および当該分野における周知慣用技術からその実施形態などを適宜実施することができ、本発明が奏する作用および効果を容易に理解することが認識されるべきである。
本発明は、従来達成し得なかった、洗浄工程不要のアッセイ、特にフローサイトメトリーによるアッセイを実現する。先行技術で製品化されたビーズアッセイ用粒子と同等の数pg/mlから数百ng/mlの範囲の定量的測定を、ウォッシュレスで行うことができる。
図1は、有機シリカ粒子表面上での測定反応。抗体結合評価のための二段階反応(左図)と三段階(中図)と四段階(右図)のサンドイッチ反応である。 本発明の有機シリカ粒子の内部構造の模式図である。 図2は、ビーズアッセイ用有機シリカ粒子の電子顕微鏡像を示す。バーは10μmを示す。撮影は電子顕微鏡で行った。全体像は、走査型電子顕微鏡(日本電子、JCM5700)、右上の写真は透過型電子顕微鏡(日立製作所、H7650)で撮影したものである。 図3は、粒子表面への抗体の結合を示す。抗体のアミノ基とシリカ粒子のチオール基を結合させた例である。下図はリンカーである4−マレイミド酪酸N−スクシンイミドエステルである。 図4は、抗体の結合活性の評価例を示す。二段階アッセイによる一次評価系(図1 左)を確立し、抗体の結合法、ブロッキングの条件検討、抗体の抗原への親和性等の評価を行った。粒子表面に種々の抗BSA抗体を結合させた。抗体はマウス・モノクローナル抗体、ウサギ、ヒツジのポリクローナル抗体など多種検討した。種々の濃度のFITC標識BSAを加えて1時間後、フローサイトメトリーにて測定した。マウス・モノクローナル抗体(◆)では100ng/mlから10ng/mlまでしか測定できないのに対してウサギ・ポリクローナル抗体(●)では100ng/mlから2.5ng/mlまで幅広く定量的測定が可能であった。一次評価によりサンドイッチ測定に適した結合活性の高い抗体の選択が可能であった。また本評価は様々な抗原抗体反応の簡単な評価方法として応用可能であると考えられる。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図5は、粒子表面に抗BSA抗体を結合させた粒子にBSAが結合した粒子の模式図を示す。 図6は、反応時間の検討結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。反応時間は0.5時間(●)、1時間(■)、2時間(◆)、で行った。 図7は、反応温度の検討結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。温度は37℃(●)、25℃(▲)、で行った。 図8は、実施例7のBSAのサンドイッチ測定(1)例を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図9は、実施例7のサンドイッチアッセイの模式図を示す。チオール有機シリカ粒子表面に抗BSA抗体を結合させた粒子(1)にBSA(2)が結合した後、蛍光標識した抗BSA抗体(3)が結合した粒子の模式図を示す。粒子上のSHは有機シリカ粒子の表面にある有機成分の末端構造を示しており、模式図の粒子がチオール有機シリカ粒子であることを示している。粒子右にはSHと結合した抗体、そしてサンドイッチアッセイの反応モデルを示している。 図10は、 実施例8の抗体のサンドイッチ測定を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図11は、実施例9のサンドイッチアッセイの模式図を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図12は、実施例9のサンドイッチアッセイの模式図を示す。粒子表面に結合したヒツジ抗BSA抗体(1)にピオチン標識抗ヒツジIgG抗体(2)が結合した後、PEで標識したストレプトアビジン(3)が結合した粒子の模式図を示す。粒子上のSHは有機シリカ粒子の表面にある有機成分の末端構造を示しており、模式図の粒子がチオール有機シリカ粒子であることを示している。粒子右にはSHと結合した抗体、そしてサンドイッチアッセイの反応モデルを示している。 図12Aは、実施例9のビーズアッセイのSSCおよびFL2のプロファイルをそれぞれ(A)および(C)に示す。(A)にて粒子散乱光をR8にて領域指定した。領域R8のゲートをかけたSSCおよびFL2をそれぞれ図(B)および(D)に示す。各プファイルのX軸は散乱光(SSC-H)、蛍光(FL2-H)の強度であり、Y軸は各強度における粒子の計数値(counts)を示している。(D)プロファイルにおいての粒子蛍光の幾何平均(Geometric mean;GeoMean)は1938.97であり、この値をPEで標識したストレプトアビジンの結合した粒子蛍光の値とした。 図13は、実施例10のニュートラ・アビジンに結合するビオチン標識抗体の定量の結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図14は、実施例11の抗GST抗体の吸着結合量の定量の結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図15は、実施例12の洗浄有り無しでの実験例の比較を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。三角はウォッシュレスを示し、丸はウォッシュありを示す。 図16は、実施例13のBio−Plexを用いたアッセイにおける洗浄の必要性について実験した結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。左は洗浄あり、右は洗浄なしを示す。 図17は、実施例14の4段階反応の結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図18は、実施例15の多段階抗原抗体反応合を利用した測定の結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図19は実施例16の抗原抗体反応、アビジンビオチン結合を利用した測定の結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸はタンパク質濃度(pg/ml)を示す。 図20は、本発明の担体に捕捉剤を間接的に結合させた捕捉剤結合担体の例として、ビオチンを介した結合を例示する。 図21は、実施例23の粒子と捕捉剤の結合が吸着である多段階アッセイの結果を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(pg/ml)を示す。 図22は、実施例24のウォッシュレス一段階測定の結果を示す。図22は、ブロッキング処理等行っていないBio−radのBio−Plex COOHビーズ(0.8×10/ml)10μlを用いた場合を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(pg/ml)を示す。 図23は、図23は、実施例24のウォッシュレス一段階測定の結果を示す。図23は、チオール有機シリカ粒子5μlを用いた場合を示す。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(pg/ml)を示す。 図24は、Sephadex G−50を用いたアッセイの結果を示す。図24は、一段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(pg/ml)を示す。 図25は、Sephadex G−50を用いたアッセイの結果を示す。図24は、二段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(pg/ml)を示す。 図26は、Silica Gelを用いたアッセイの結果を示す。図26は、一段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(ng/ml)を示す。 図27は、Silica Gelを用いたアッセイの結果を示す。図27は、二段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(ng/ml)を示す。 図28は、ローダミン・レッド含有チオール有機シリカ粒子を用いたアッセイの結果を示す。図28は、二段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(ng/ml)を示す。 図29は、エポキシ有機シリカ粒子を用いたアッセイの結果を示す。図29は、一段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(ng/ml)を示す。 図30は、エポキシ有機シリカ粒子を用いたアッセイの結果を示す。図30は、二段階アッセイの結果である。縦軸は蛍光強度(GeoMean)、横軸は抗体濃度(ng/ml)を示す。 図31は、実施例31で使用した粒子の、4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルによるアミノ基を持つヌクレオチド配列と粒子のチオール基との結合の模式図を示す。 図32は、実施例31におけるアッセイにおいて、ヌクレオチドAと結合した結合粒子が、標的となる蛍光標識されたヌクレオチドAと相補的なヌクレオチドと結合する模式図を示す。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞等の修飾辞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において「ウォッシュレス」アッセイとは、サンドイッチアッセイ等のアッセイにおいて、試薬をサンプルに接触した後、洗浄工程をしなくても、所望のアッセイ結果を得ることができることをいう。代表的な例としては、例えば、(A)本発明のウォッシュレスを達成するための担体に捕捉剤を結合させた捕捉剤結合担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)粒子に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する方法において、(B)、(C)等の工程の後に洗浄工程を包含しなくても、(D)工程において、検出および/または判断をすることができる能力を挙げることができるがこれに限定されない。そしてウォッシュにおいて必要とされた遠心機、フィルターメンブレン、フィルタープレート、吸引機を使用する必要が無いこと、またアッセイにおいてウォッシュに伴うビーズの損失のないアッセイであること、工程が反応液の追加操作のみであること(一種類操作アッセイ)、が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬剤としては、抗体または抗体断片を挙げることができるが、そのほか、抗体の他にDNA等の他の生体分子等も使用することができる。また、好ましくは、ウォッシュレスの達成は、2段階以上のアッセイでなされるものであり、例えば、2段階アッセイの場合は該捕捉剤に特異的に結合するのは標識薬剤となることが通常であるが、通常は、3段階以上であれば標識していない薬剤となり、そして多段階の最終段階が標識薬剤、ということになることが理解される。本発明のウォッシュレスアッセイでは、抗原、抗体(モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の両方)、レセプター、ハプテン、酵素、タンパク質、ペプチド、核酸、薬剤、ホルモン、化学物質、ポリマー、病原体、毒素、アプタマー、これらを提示するファージ等の微生物、またはそれらの改変体、またはそれらの組合せもしくは結合体でありうる広い意味で種々の分析物を検出し、分析することができる。これらの分析物は、抗体、抗原結合性の抗体断片、抗原、アビジン、ストレプトアビジン、核酸、DNA、RNA、糖鎖、ペプチド、リガンド、受容体、これらの改変体ならびにこれらの融合体でありうる。
本明細書において、アッセイについて「段階」(stage)とは、本発明の担体に対して結合される標識までに関与する薬剤または因子(捕捉薬剤を含む)の数をいう。段階は、代表的には、粒子に対する結合反応の工程の数で表すことができ、例えば、図1の模式図でいえば、一番左の2段階では、粒子に対して捕捉薬剤が結合し(第1段階)、これに標識された被験物質が結合する(第2段階)。3段階では、粒子に対して捕捉薬剤が結合し(第1段階)、これに被験物質が結合し(第2段階)、この被験物質に標識された結合薬剤が結合する(第3段階)。4段階では、粒子に対して捕捉薬剤が結合し(第1段階)、これに被験物質が結合し(第2段階)、この被験物質に結合薬剤が結合し(第3段階)、この結合薬剤に対して結合しうる標識薬剤が結合する(第4段階)これらの結合の数で数えること(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。)ができる。2段階アッセイの例としては、蛋白質・ドットブロッティング、核酸ドットブロッティング、ファージ・ドットブロッティング、遺伝子(DNA、RNA)ハイブリダイゼーション(Hybridization)、3段階や4段階アッセイの例としては、サンドイッチアッセイ、酵素連結免疫ソルベントアッセイ(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay;ELISA)、酵素抗体法、ウェスタンブロッティング、放射免疫測定 (radioimmunoassay)、酵素連結免疫スポット(Enzyme−Linked ImmunoSpot;ELISpot)アッセイ、などを挙げることができる。本発明のアッセイでは、抗体の他にDNA等も測定しうる(例えば、DNAチップ)。この場合、DNAチップをさらに接触させる工程を包含することになる。2段階アッセイの場合は該捕捉剤に特異的に結合するのは標識薬剤となるが、3段階以上であれば標識していない薬剤となるのが通常である。そして多段階の最終段階が標識薬剤、ということになる。
本明細書において「粒子」とは、当該分野において最も広義に用いられ、物質を構成している微細な存在をいい、例えば、本発明で使用されうる粒子としては、1ミリメーター未満の直径であり、商品化されたフローサイトメトリーを用いる場合、好ましくは直径で約0.1〜100マイクロメーター(μm)の範囲のサイズである。微小粒子は任意のサイズであって良いが、好ましいサイズは約1〜50μmであり、より好ましくは約2〜30μmであり、さらに好ましくは約3〜15μmであり、よりさらに好ましくは約2〜10μmである。あるいは、現在使用されているフローサイトメトリー装置では、本発明で使用されうる発明の直径で約100ナノメーター(nm)から約100,000nmの範囲である。最適な好ましい直径は約100と約40,000nmの間であり、好ましくは約1000と約10,000nmの間、さらに好ましくは約2000と約5000nmの間である。適当な粒子サイズはフローサイトメトリー装置の性能にも依存するため、フローサイトメトリー装置が改変されると、この値は変動しうることに留意すべきである。
本明細書において「捕捉剤」とは、あるアッセイにおいて検出を目的とする被験物質を捕捉することができる任意の薬剤または因子(いずれも英語ではagent)をいう。このような捕捉剤の代表例としては抗体等のタンパク質、DNAなどの核酸分子、脂質分子、他の低分子等をあげることができるがそれに限定されない。
本明細書において「抗体」は、広義にはポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、キメラ抗体、および抗イディオタイプ抗体、ならびにそれらのフラグメント、例えばFvフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)およびFabフラグメント、ならびにその他の組換えにより生産された結合体または機能的等価物(例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、多機能抗体、二重特異性またはオリゴ特異性(oligospecific)抗体、単鎖抗体、scFv、ダイアボディー、sc(Fv)(single chain (Fv))、scFv−Fc)を含む。さらにこのような抗体を、酵素、例えばアルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、αガラクトシダーゼなど、に共有結合させまたは組換えにより融合させてよい。本発明で用いられる抗体は、対象に結合すればよく、その由来、種類、形状などは問われない。具体的には、非ヒト動物の抗体(例えば、マウス抗体、ラット抗体、ラクダ抗体)、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体などの公知の抗体が使用できる。本発明においては、モノクローナル、あるいはポリクローナルを抗体として利用することができるが好ましくはモノクローナル抗体である。抗体の対象へのタンパク質への結合は特異的な結合であることが好ましい。アミノ酸変異などにより親和性を向上させた抗体もまた、応用されうる。
本明細書において「抗原」(antigen)とは、抗体分子によって特異的に結合され得る任意の基質をいう。本明細書において「免疫原」(immunogen)とは、抗原特異的免疫応答を生じるリンパ球活性化を開始し得る抗原をいう。本明細書において「エピトープ」または「抗原決定基」とは、抗体またはリンパ球レセプターが結合する抗原分子中の部位をいう。エピトープを決定する方法は、当該分野において周知であり、そのようなエピトープは、核酸またはアミノ酸の一次配列が提供されると、当業者はそのような周知慣用技術を用いて決定することができる。
抗原抗体反応の検出方法は当業者に周知であり、例えば、免疫学的方法により、目的とする対象を検出することができる。免疫学的方法としては、細胞試料を必要に応じて適切な処理、例えば、細胞の分離、抽出操作などをした試料について、免疫組織染色法、酵素免疫測定法、ウェスタンブロット法、凝集法、競合法、サンドイッチ法など既知の方法を適用することができる。免疫組織染色法は、例えば標識化抗体を用いる直接法、該抗体に対する抗体の標識化されたものを用いる間接法などにより行うことができる。標識化剤としては蛍光物質、放射性物質、酵素、金属、色素など公知の標識を使用することができる。
本明細書において「手段」とは、ある目的(例えば、検出、診断、治療)を達成する任意の道具となり得るものをいい、「捕捉手段」とは、ある対象を捕捉することができる手段をいい、「検出手段」とは、ある対象を、標識等をたよりに検出することができる手段をいう。
本発明のアッセイにおいて検出手段はどのようなものでも用いることができるが、例えば、手段は、フローサイトメトリー、セルソーター、マイクロチップ、フローセル、ビーズアレイその他、一つの粒子の蛍光を測定し得る装置のほか、質量分析装置、核磁気共鳴測定装置、X線解析装置、SPR、クロマトグラフィー(例えば、HPLC、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー)、免疫学的手段(例えば、ウェスタンブロッティング、EIA(エンザイムイムノアッセイ)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素連結イムノソルベントアッセイ))、生化学的手段(例えば、pI電気泳動、サザンブロッティング、二次元電気泳動)、電気泳動機器、化学的分析機器、蛍光二次元ディファレンシャル電気泳動法(2DE−DIGE)、同位体標識法(ICAT)、タンデムアフィニティ精製法(TAP法)、物理学的手段、レーザーマイクロダイセクションおよびこれらの組み合わせなどを利用することができる。
本明細書において「診断」とは、被験体における疾患、障害、状態などに関連する種々のパラメータを同定し、そのような疾患、障害、状態の現状または未来を判定することをいう。本発明の担体、アッセイ、方法、キット等を用いることによって、体内の状態を調べることができ、そのような情報を用いて、被験体における疾患、障害、状態の診断等を行うことができる。
本明細書において、「捕捉剤を結合する構造」とは、疎水結合、水素結合、静電気的結合等を介して吸着など直接会合またはジスルフィド結合やアミド結合などで結合(共有結合)するか、あるいは、リンカーを介して結合を可能とする任意の構造、さらに捕捉剤が粒子に結合する構造、をいう。このような構造を与える官能基の例としては、例えば、有機シリカ粒子が使用される場合、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基からなる群より選択される基を挙げることができるがこれらに限定されない。
本明細書において「リンカー」とは、ある物質と別の物質とを結合する働きを有する物質の部分をいう。また、本明細書において「リンカー」を付与する薬剤を「リンカー付与剤」という。リンカー付与剤が結合されるべき2つの物質とそれぞれ反応され、結合が生じると、その生じた結合部分は「リンカー」となる。したがって、「リンカー」は、リンカー付与剤の残基(部分)ということができる。本明細書において、説明の便宜のため、広義には「リンカー」はリンカー付与剤を包含して言及することもあるが、当業者はこれらの相違を認識して理解することができる。本発明では、捕捉剤と該粒子とは、リンカーを介して結合することができる。1つの実施形態では、本発明で使用されるリンカー付与剤は、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたアミノ基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間に種々の長さのポリエチレングリコール(PEO)などのスペーサーを含むものを挙げることができるがこれらに限定されない。したがって、本発明で使用されうるリンカーは、これらのリンカー付与剤の例の残基が使用されうることが理解される。
リンカー付与剤の具体例としては、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネートN−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミドブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、bis−マレイミドエタン,マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレート、等、商品として入手可能なものを利用することができるがこれらに限定されず、合成したものも使用されうる。またクリックスケミトリーを利用した結合法も応用できる。したがって、本発明で使用されうるリンカーは、これらのリンカー付与剤の例の残基が使用されうることが理解される。
「捕捉剤が粒子に結合する構造」の例としては、例えば、捕捉剤に結合しうるリンカー付与剤、例えば、一方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基が結合してなるものが、粒子に結合してできる構造も包含される。
具体的には、マレイミド活性化ニュトラビジン(Maleimide Activated NeutrAvidin)、マレイミド基を導入したウシ血清アルブミン. (BSA)、マレイミド基を導入した蛋白質、核酸などが粒子に結合してできる構造等が挙げられる。
本発明では、捕捉剤と粒子とは、直接会合または結合してもよい。本明細書において「会合」とは、共有結合以外の力で捕捉剤と粒子とが一体化している状態をいい、「結合」とは、通常共有結合により一体化している状態をいう。リンカーを介さない結合を直接結合するといい、リンカーを介する場合は間接的な結合であるといえる。
本明細書において「全細孔容量(全細孔容積)(Total Pore Volume)」とは、粒子または担体における細孔の容積をいい、本明細書では、「細孔容量(細孔容積)」と交換可能に使用される。一定重量の物質当たりの全ての細孔の容積の総和が全細孔容積(Total Pore Volume)であり、cm/g等で表示される。固体表面には細孔と呼ばれる小さな穴がたくさん開いており、その細孔の大きさ、構造、量は物性的性質(強度、吸着性、反応性、密度、触媒作用)と深い関わりをもっている。細孔容量は水銀圧入法(水銀圧入式ポロシメーター)やガス吸着法により算定できる。ガス吸着法は固体表面に分子断面積や性質が既知な気体(窒素など)を吸着させ吸着した気体分子の量から比表面積や細孔分布を求めることができる。細孔容量等の測定については、http://www.an.shimadzu.co.jp/powder/lecture/practice/p02/lesson14.htm;http://www.nippon-bel.co.jp/tech/seminar17.html;
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2009/200907kaisetsu.pdfなどを参酌することができる。
本明細書中で使用される場合、「粒径」は、測定対象としている粒子の大きさを示す指標であって、その粒子の直径により表現され得る。この「粒径」は、種々の技術により測定・決定され得る。例えば、透過型電子顕微鏡を使用することによっても粒径は決定され得る。本発明の担体に使用される粒子にとって好ましい粒径は、2〜8μmを挙げることができ、これは測定装置(フローサイトメトリー)の性能にもよるが、代表的には、製品化ビーズは5μmほど、本発明では、3〜5μmが使用されうる。
本明細書において「ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量」とは、ウォッシュレスアッセイを実現するのに十分な細孔容量をいう。従来技術ではウォッシュレスアッセイは実現できていなかった。これは、被験物質と直接または間接的に結合していない標識物質が粒子内の細孔に侵入し、粒子と結合した標識物質と同様に粒子の蛍光として測定されてしまうためである。そのため洗浄によって細孔に侵入した標識物質を洗い出す必要があった。理論に束縛されることを望まないが、一定程度以下の細孔容量を有する粒子であれば、実質的にアッセイの結果の評価の障害とならない程度にバックグラウンドが低下するため、ウォッシュレスを実現することができることが本発明で実証されている。このようなウォッシュレスを達成するための細孔容量としては、1cm/g以下、0.5cm/g以下、0.4cm/g以下、0.3cm/g以下、0.2cm/g以下、0.1cm/g以下、0.05cm/g以下、0.04cm/g以下、0.03cm/g以下、0.0cm/g以下、0.0cm/g以下を挙げることができるがそれらに限定されない。0.02cm/g以下であることが好ましい。
本明細書において「担体」(またはキャリア)とは、他の物質を結合する能力を示し、他の物質を固定する土台となる任意の物質または支持体をいう。担体自体は化学的に安定したもので、目的操作を阻害しないものが望ましい。
本明細書において「ブロッキングインデックス(BI)」とは、ブロッキング剤の結合の程度を示す指数であって以下の計算式で算出する。
ブロッキングインデックス (Blocking Index: BI) =
((ブロッキング処理なし粒子蛍光)−(ブロッキング処理あり粒子蛍光))
/(ブロッキング処理なし粒子蛍光) x 100 (%)。
本明細書において「ウォッシュレスを実現するのに有効なブロッキングインデックス(BI)」とは、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上であり、好ましくは、85%以上であり得る。理論に束縛されることを望まないが、(1)ブロッキング剤の担体に対するブロック「効率」がよいこと、あるいは(2)担体の細孔容量が小さく標識物質が細孔内に入り込まないこと、あるいはその両方が、本発明の特徴である、例えばウォッシュレス、あるいは感度の上昇等につながると考えられる。ブロッキングインデックスは、ブロッキング部分が、該粒子上で一定程度の密度で存在することで上記数値が達成される。市販品のラテックスビーズは(1)ブロッキング剤のブロック「効率」が悪いこと、さらに担体の細孔容量が大きく標識物質が細孔内に入り込みやすいこと、が本発明の過程で見出された。ラテックスビーズに本来結合するはずのない蛍光標識抗体を反応させてウォッシュレスにて測定すると粒子より極めて高い蛍光が確認できる。その後、市販品のラテックスビーズのアッセイプロトコールに従って洗浄を行うと、粒子からの蛍光が洗浄回数に従って減少することが確認でき、代表的な例において、3回の洗浄後においてブロッキングインデックスは16.6%から50.3%に上昇した。しかしながら数回の洗浄では蛍光がバックグラウンドレベルに低下すことはなかった。この結果より市販品のラテックスビーズは蛍光標識抗体などを非特異的にゆるやかに吸着/吸収(スポンジの様に表層や内部に含有)する特性と粒子表面にて強固に結合する特性の両方があることが考えられる。また本発明の有機シリカ粒子と同じブロッキング剤を市販品のラテックスビーズに反応させ、上記と同様に測定をしたが、幾分ブロッキング効果は認めるものの有機シリカ粒子に見られるほどの効果はなかった。このことから、細孔容積に代えてあるいは加えて、ブロッキング剤との結合様式、表面構造等にも関連することが理解される。理論に束縛されることを望まないが、選択特性とは目的物に結合するが)非目的物には結合しない、(目的物への結合は測定結果そのもの、) 非目的物には結合しないさらに担体に入り込まない特性はブロッキングインデックス、ということになり、フローサイトメトリー測定における非特異結合ならびに非特異的含有を抑制できる特性を持つ粒子が提供される。市販品の粒子は選択特性が低く、洗浄により非特異結合は除外できるが、洗浄無しでは標識物質が粒子内に入り込む(浸潤)などして、測定に影響を与えていることになる。
市販のラテックスビーズに対する利点としては、ラテックスビーズでは保存中、細菌増殖がよく起こりえるため、医薬用外毒物であるメロサールを0.01%、保存液中に加える必要がある一方で、本発明で使用されうる代表的な例としてのシリカ粒子は基本的に無機材料であるため細菌増殖はおこらないため、抗菌剤などを入れる必要性が低いという効果も認められる。その例として半年間、室温にて保存した粒子においても細菌増殖が起こらないなどもことも実証されている。
粒子表面に捕捉剤を結合する実験方法例としては以下を挙げることができる。
(1) 適宜の平均粒径を有する有機シリカ粒子等の粒子の乾燥重量を測定する。この粒子の比重を算出し、適宜の数量の粒子を算出して蒸留水に分散させる。その後、
(2) 次にリンカー付与剤を結合させ、
(3)次に捕捉剤(例えば、抗体等)を結合させ、粒子を洗浄した後、乾燥し重量を測定する。(3)と(1)との重量差が捕捉剤(抗体)結合量となる。増加量を測定する。捕捉剤の分子量を計算し、粒子1 mgあたりの捕捉剤の個数、一粒子あたりの捕捉剤の結合数を算出する。単位面積(例えば、100平方nm)あたり捕捉剤の個数(例えば、約100平方nmあたりに一個の抗体)の結合があるかを確認することができる。
(4)次にブロッキング剤を結合させ、乾燥し重量を測定する。(3)との重量差がブロッキング剤結合量となる。増加量を算出し、粒子の単位重量(例えば、1mg)あたりの結合量を算出する。洗浄操作を行った場合の重量差により、ブロッキング剤の効果を確認することができる。
また、リンカー付与剤を使用せず吸着による粒子への蛋白質の結合量を測定することもできる。この場合の増加量を確認する。そうすると、捕捉剤について、粒子単位重量(例えば、1 mg)あたりの捕捉剤の個数、一粒子あたり捕捉剤の個数、粒子表面積単位面積(例えば、1平方nm)あたりの捕捉剤の結合を算出することができる。
標的分子(例えば、BSA(分子量66kDa))にてリンカーを使用せず吸着による粒子への蛋白質の結合量を測定することができる。この場合、粒子単位重量(例えば、1 mg)あたり蛋白質分子の個数、一粒子あたり標的分子の結合個数、粒子表面積単位面積(例えば、1平方nm)あたりの標的分子の結合個数を算出することができる。
このようにして、本発明では、リンカーの有無に関わらず大量の捕捉剤を粒子の表面に結合することができることなどを確認することができる。本発明では、捕捉剤の粒子表面での密度の点でも従来に比べて顕著でありうる。捕捉剤の分子量や三次構造、捕捉活性に相関する構造の位置等に依存するが好ましい捕捉剤の粒子表面での密度は、例えば、抗体 の分子量を約150 kDa, 抗体分子を球状と仮定し、その直径を15 nmとすると粒子表面積100平方nmあたり少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.3、より好ましくは少なくとも1、である。捕捉剤の表面電位、表面の官能基、二次構造、三次構造、などの特性や、粒子に結合する方法により捕捉剤の結合活性が変化することが知られている。有機シリカ粒子と捕捉剤の結合においては吸着、リンカーによる結合など必要に応じて変更することができる。通常、ブロッキング剤は粒子や抗体蛋白との結合は緩やかであり、この緩やかな結合も無洗浄とブロッキング効果に働いていると考えられる。
本明細書において「ブロッキング剤」とは、特異的な結合に基づくアッセイにおいて、非特異的な結合を抑制するための任意の薬剤をいう。バイオアッセイにおけるブロッキング剤の例としては、例えば、スキムミルク、アルブミン、ゼラチン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物を挙げることができるがこれらに限定されない。合成ブロッキング剤としては、実施例で使用されるもの、例えば、4.0%ブロックエース(DSファーマバイオメディカル)、等を挙げることができるがこれらに限定されない。ブロッキング剤は、粒子に結合し一体化した場合「ブロッキング部分」と呼ばれる。
本明細書で使用される場合に、「シリカ化合物」、「シラン化合物」、「シラン誘導体」、「ケイ素化合物」は、交換可能に使用され、ケイ素Siを原子その中心とする化合物を指し、本発明の粒子として好ましいシリカ粒子、特に有機シリカ粒子を生成するに当たり、ケイ素をその粒子に提供する供給源としての役割を果たすものを意図するものである。そのような例として、例えば、SiR(R、R、R、Rは、それぞれ、任意の有機基)などの形態で提供される化合物であり、より好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン、チオシシアナトプロピルトリエトキシシランおよびアクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのオルガノアルコキシシランならびにこれらの物理的・化学的特性と等価な特性を有する化合物をいう。
メルカプトプロピルトリメトキシシラン
メルカプトプロピルトリエトキシシラン
トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン (2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)
本願明細書で使用される場合、「チオール有機シリカ粒子」とは、表面または内部に、好ましくは表面にチオール基を含む粒子をいい、メルカプトプロピルトリメトキシシランより合成される有機シリカ粒子、メルカプトプロピルトリエトキシシランより合成される有機シリカ粒子またはメルカプトプロピルメチルジメトキシシランより合成される有機シリカ粒子が例示されるがこれに限定されない。1つの実施形態では、一次粒子としての内部構造を示す、本発明の粒子の格子は、Si−O−、Si−C−等に代表される化学結合を介した網目状の立体的な構造を有する。そのような構造は図1−2に例示される。
本明細書において「有機シリカ粒子」とは、シリカ(ケイ素)を含む物質で形成された粒子のうち、有機官能基を有するものをいい、有機官能基が残存していないシリカ粒子である「無機シリカ粒子」に対する概念であり、有機成分を含むシリカ化合物(オルガノアルコキシシラン)から合成され有機官能基がケイ素原子に対して少なくとも一つ結合している粒子(例えば、表面および/または内部)に残存しているシリカ粒子をいう。(定義を入念にご確認ください。)。本発明の典型的な有機シリカ粒子の構造は、図1−2に示されるようなものである。1つの説明として、有機シリカ粒子は、ケイ素、酸素、炭素、水素で構成される粒子に好ましくはチオール基が結合しているものである。本明細書では、チオール基を有する有機シリカ粒子は「チオール有機シリカ粒子」とも称される。ここで使用されるチオール基の含有量は任意であり、例えば、21%〜31%(重量%)でありうるがこれに限定されない。このような数値は原子量より推定することができる。理論的には上限は31重量%であると考えられる。有機色素等を含有する事により下限が21%より、より低くなることが考えられる。
ポリスチレン粒子などのラテックス粒子はポリビニルアルコールといった有機成分を主材料としている。そのため長期間保存をする際は殺菌剤を含有させる必要がある。実際にBio−radのBio−Plex COOHビーズには医薬用外毒物であるチメロサール(水銀剤)が含まれている。一方、本発明で用いられることのある有機シリカ粒子は無機物質であるシリカ構造に有機成分が含有される構造となっているため長期間の保存においても抗菌剤の必要がない。
1つの実施形態では、本発明で使用される有機シリカ粒子の創製方法に使用される方法は、ボトムアップ法およびトップダウン法を挙げることができる。ボトムアップ法は、原子または分子を物理的または化学的な方法で相互作用させ反応させながらそのスケールを大きくする方法である。原子・分子オーダーでの制御が可能である。このボトムアップ法としては、例えば、レーザー照射法(薄膜成長法)、自己組織化法、化学気相蒸着法、ゾルゲル法、凝集沈殿法、コンビナトリアルケミストリー法など挙げられる。トップダウン法は、バルクの物質を破壊すること、または加工することにより微細化していく方法であり、そのリソグラフィー法、エッチング法などが挙げられる。ナノ粒子合成では、ゾルゲル法、気相法、噴霧法などが行われている。このうち、ゾルゲル法は、ゾル状の液体をゲル化して固体を合成する方法である(Stober,W.;Fink,A.;Bohn,E.J.Colloid Interface Sci.1968,26,62〜69)。本発明の粒子を合成するために、ゾルゲル法(ストーバー法;Stober法)を利用する。このゾルゲル法においては、その粒子製造過程においては、従来技術においては、室温にて製造される。あるいは特許文献3において開示された高温条件(代表的には、70〜100℃の温度範囲の反応条件をいい、好ましくは、80℃〜100℃、さらに好ましくは、90℃〜100℃であるがこれらに限定されない)および/または高アンモニア条件(代表的には、調製したアンモニア水溶液の濃度が、最終濃度にして最終濃度20%以上をいい、好ましくは、20%〜30%、25%〜30%、26%〜28%、また、より好ましい濃度条件としては、27%であるがこれらに限定されない)で製造されうる。本発明の粒子は一段階の反応にてサイズ制御よく作製できる。ナノサイズの粒子において蛍光イメージング、マルチモーダルイメージングへの応用研究を行なってきた。インビトロにおける分子イメージングや標識細胞のインビボ検出など、多様なイメージングへの応用に成功している(J. Material Chem. 2011,21, 4689-4695)。また粒子と緑色蛍光タンパク質(GFP)や蛍光色素標識蛋白との短時間・一段階の吸着反応にてpg/mlオーダーの濃度までフローサイトメトリーによる検出が可能でることを見出している。本発明では粒子の表面特性を利用してマイクロサイズの有機シリカ粒子のビーズアレイへの応用研究を発展させることができる。粒子表面にて多段階の結合反応を行い、バイオ分子の測定法を検討する。有機シリカ粒子を用いたビーズアレイの測定感度、測定範囲を評価する。さらに条件検討を行い、商品化されているビーズアレイと同等以上の性能の実現を目標に研究を進めることができる。
1つの実施形態では、本発明の粒子は、「無孔性」シリカ粒子または「細孔(ポア)の無い」シリカ粒子であることが有利である。1つの実施形態において、この「無孔性」または「ポアの無い」との特徴は、例えば、「マクロポア」がないことであり、20μm以上の細孔(ポア)が存在しないことであり、あるいは例えば、100μm以上、10μm以上、1μm以上、0.5μm以上、0.2μm以上、0.1μm以上、0.05μm以上(http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2009/200907kaisetsu.pdf)、を参照することができる)の細孔(ポア)が存在しないことをいう。また、別の実施形態においては、本発明のシリカ粒子は、例えば、平均粒径が約900nmの粒子においてその粒子の比表面積が、4.816(m/g)であり、細孔容積が、0.0159(cm/g)であり、あるいは、細孔容積が1.0cm/g以下、0.5cm/g以下、0.1cm/g以下、0.05cm/g以下、0.02cm/g以下、0.01cm/g以下、0.008cm/g以下、0.006cm/g以下、0.004cm/g以下であり得る。「細孔」とは、多孔性構造を示す語であり、その細孔は、ミクロ細孔(マイクロポア)、メソ細孔(メソポア)およびマクロ細孔(マクロポア)に大別される。「マイクロ細孔」または「マイクロポア」とは、直径2ナノメートル(nm)以下の細孔をいう。「メソ細孔」または「メソポア」とは、直径2〜50ナノメートル(nm)の細孔をいう。また、「マクロ細孔」または「マクロポア」とは、直径50ナノメートル(nm)の細孔をいう。
1つの実施形態において、本発明の粒子は、実質的に球状であり、この「実質的に球状である」は、ポアがないことにより、不規則な構造をとることなく、球状である粒子についていう。
本明細書中で使用される場合、「サイズ分布」または「粒度分布」は、交換可能に使用され、この「サイズ分布」とは、測定対象とする粒子群における「粒径」の分布の様式を示す。「サイズ分布」は、種々技術によって測定されるが、フローサイトメトリーなどを用いて粒子のサイズ分布を評価することが可能である。
本明細書において、「粒径分布幅」とは、「サイズ分布」における「粒径」の分散性の程度を示す指標であり、対象としている粒子の粒径が存在している幅を示す。本発明において、その1つの実施形態において、その粒径分布幅は、対象粒子群においける粒径分布幅が平均粒径の±25%以内にある狭域分布性であることことを1つの特徴とする。
本明細書において使用される場合、電子顕微鏡におけるサイズ制御評価法において、「サイズ収率」または「サイズ制御率」は、交換可能に使用され、これは、以下の式で定義される。すなわち、
「サイズ収率」={(最大粒径)−(最小粒径)}/{2×(平均粒径)}×100(%)
ここで、「平均粒径」={(最大粒径)+(最小粒径)}/2である。
これら値は、例えば、透過型電子顕微鏡によって測定され、またはその測定値に基づいて計算される。
本発明に用いられる粒子は、粒子群として、好ましいサイズ収率を有することが好ましいことがありうることが理解される。
「フローサイトメトリー」は、微細な粒子(例えば、浮遊細胞をシース液中での単一細胞)を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法である。一定波長の光線(通常はレーザー光)を流体に当て、通常は光線に沿った方向の前方散乱(Forward Scatter=FSC)と、光線と直角の方向の側方散乱SSC(Side Scatter)を検出する。一般には、この前方散乱光は、その強度は測定対象とする粒子の表面積に比例することからその微粒子の大記載を示す指標として使用され、側方散乱光は、測定対象の屈折や散乱により生じるので内部構造の複雑さなどの指標として使用され得る。例えば、用いた粒子系の粒径と側方散乱光が正の相関がすることが見出された場合においては、側方散乱光を利用することができる。本発明では、フローサイトメトリーで測定前に反応液の希釈(20倍から50倍、あるいはそれ以上またはそれ以下)を行うことにより装置が要求する測定に必要な容量を確保できるのみではなく、希釈によりバックグラウンドを低下させる効果も期待できる。
フローサイトメーターは、標的生体分子を捕捉している蛍光シリカ粒子1個1個の検出データを取得することができ、本発明の担体個々を区別できるので、本発明において、バーコード標識とすることができる。本発明の担体は、バーコード標識可能な蛍光材料であってもよい。本明細書において、「バーコード標識」とは、シリカ粒子を多様な蛍光特性で標識することをいう。
本明細書において、「マルチプレックシング」とは、複数種の標的(生体分子、細胞等)を、1回の測定操作で同時に分析(検出、定量等)することをいう。本発明で利用されるフローサイトメトリー用マルチプレックシングキットは、すぐにフローサイトメトリーに適用する観点から、本発明で使用される担体それぞれが、別個の標的(生体分子、細胞等)を分子認識するように修飾されたものを組み合わせて備えていることが好ましい。
本明細書において、「アクセプター基」とは、担体上に導入される官能基をいう。担体がシリカ粒子の場合、その粒子を形成するために使用されるシリカ化合物と、導入されるアクセプター基末端の官能基との関係は、例えば、以下の表に記載される対応関係がある。有機シリカ粒子では末端の官能基とケイ素原子の間にプロピル基を有する。アクセプター基は、本発明の担体においては捕捉剤を結合させるリンカー付与剤もしくはリンカーとの結合部位としての働きを有しうる。
本明細書で使用される場合に、「蛍光性物質」は、電磁波(例えば、紫外線、X線、電子線など)等の外部刺激によって励起したときに、蛍光を発する物質をいう。この「蛍光性物質」としては、例えば、ローダミン、フルオロセイン、ヘキサン酸−6−(テトラメチルローダミン−5−カルボキサミド)、ヘキサン酸−5−(テトラメチルローダミン−5−カルボキサミド)、Alexa Fluor(R)647、DY635TM、DY485TM、DY495TM、DY505TM、トリスジクロロルテニウム(II)ヘキサハイドレート(Tris dichlororuthenium)(II)hexahydrate)やそれら誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。この蛍光性物質は、例えば、以下(1)〜(4)のような態様でシリカ粒子中に存在するが、これらの態様に限定されない。すなわち、(1)単独で内部に含まれる;(2)蛍光性物質とN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、イソチオシアネート(ITC)から選択される化合物と結合したものと3−(アミノプロピル)トリエトキシシラン[3−(aminopropyl)triethoxysilane]との反応産物がシリカネットワークに結合する形態で内部に含まれるかまたは表層に存在する;(3)またはマレイミドと結合したものとメルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応産物がシリカネットワークに結合する形態で内部に含まれるかまたは表層に存在する;(4)または蛍光性物質とマレイミドと結合したものがチオールを持つシリカ化合物を含むシリカ粒子との反応により表層に存在する。
例えば、2種類の蛍光色素化合物として、5(6)−カルボキシフルオレセインおよびDY630が含有されるように、本発明に用いる蛍光シリカ粒子の調製について後述する方法により調製された、5(6)−カルボキシフルオレセインおよびDY630含有蛍光シリカ粒子、同様な方法により調製された、5(6)−カルボキシフルオレセインおよびPerCP(pルジニンクロロフィルタンパク質)含有蛍光シリカ粒子、5(6)−カルボキシフルオレセイン、PI(ヨウ化プロピジウム)およびDY635の3種含有蛍光シリカ粒子、5(6)−カルボキシフルオレセイン、PE(フィコエリスリン)、PerCPおよびDY635の4種含有蛍光シリカ粒子等が挙げられる。
式中、R、Rは、それぞれ、本発明の粒子(例えば、シリカ粒子)と共有結合し得る基である。このような共有結合し得る基としては、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)エステル基等の活性エステル基、マレイミド基、イソチオシアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルデヒド基等が挙げられる。
1つの実施形態では、本発明において使用されうる蛍光色素化合物としては、フローサイトメトリーに用いられるレーザーによる励起波長を有するものが好ましい。
アルゴンレーザーによる励起波長488nmを有する蛍光色素化合物としては、例えば、5(6)−カルボキシフルオレセイン、PE(フィコエリスリン、Invitrogen)、PE−Cy5TM、PE−Cy7TM(GE)、DY495TM、DY505TM(Dyomics GmbH)、BODIPY−TAMRA−X(Invitrogen)等が挙げられる。
ここで、R、Rは、それぞれ、本発明の担体または粒子と共有結合し得る基である。
YAGレーザーによる励起波長532nmを有する蛍光色素化合物としては、5−TAMRA、Cy3TM(GE)、DY550TM、DY555TM(Dyomics GmbH)、Alexa Fluor(R)546、Alexa Fluor(R)555(Invitrogen)等が挙げられる。
半導体赤色レーザーによる励起波長635nmを有する蛍光色素化合物としては、DY630TM、DY631TM、DY633TM、DY635TM、DY636TM、DY650TM、DY651TM(Dyomics GmbH)、Cy5TM(GE)、BODIPYTM 630/650、Alexa Fluor(R)633、Alexa Fluor(R)647、APCTM(アロフィコシアニン)(Invitrogen)、Oyster643TM、Oyster656TM(Denovo Biolabels)等が挙げられる。
式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13は、それぞれ、本発明の粒子、例えば有機シリカ粒子と共有結合し得る基である。
蛍光シリカ粒子の調製法として、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基等の活性基を有する前記蛍光色素化合物と、それら活性基と対応して反応する置換基(例えば、アミノ基、水酸基、チオール基)を有するシランカップリング剤とを反応させ、共有結合させて得られた生成物を用いることもできる。
このようなシリカ粒子の改変に関する技術としては、特開2009−14729が公知であり、これを参照することができる。
蛍光シリカ粒子の調製方法がすでに公知である(例えば、再表2006/070582)ため、これらを参考にすることができる。具体的には、前記蛍光シリカ粒子は、下記(a)および(b)の工程を行なうことにより調製することができる。
(a)N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル等の活性エステル基を有する蛍光色素化合物(1)とアミノ基を有するシランカップリング剤(2)とを反応させて、色素シランカップリング剤複合化合物(3)を生成する工程、および(b)前記(a)で得られた色素シランカップリング剤複合化合物(3)を、シリカ化合物(4)と塩基性条件下で重合させて前記蛍光シリカ粒子(5)を形成する工程。カルボン酸化合物とN−ヒドロキシスクシンイミドとをエステル化反応する工程がすでに公知である(例えば、再表2006/070582)。工程(a)で用いるNHSエステル基を有する蛍光色素化合物(1)は、そのエステル化反応工程に準じて行うことで調製することができる。但し、市販のものを入手することも可能である。アミノ基を有するシランカップリング剤(2)としては、特に制限されないが、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
NHSエステル基を有する蛍光色素化合物(1)とアミノ基を有するシランカップリング剤(2)との反応は、DMSOや水等の溶媒に溶解した後、室温(例えば、25℃)条件下で攪拌しながら反応することによって行うことができる。反応に用いるNHSエステル基を有する蛍光色素化合物(1)とシランカップリング剤(2)との割合は特に制限されない。このようにして、蛍光色素化合物(1)のカルボニル基と、アミノ基を有するシランカップリング剤(2)のアミノ基とが、アミド結合(−NHCO−)して、色素シランカップリング剤複合化合物(3)が得られる。すなわち、色素シランカップリング剤複合化合物(3)は、アミド結合を介して蛍光色素化合物とシリカ成分が結合する。
工程(b)で、色素シランカップリング剤複合化合物(3)をシリカ化合物(4)と反応させる。シリカ化合物(4)としては、特に制限はされないが、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、および3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシランを挙げることができる。
通常、数時間〜数日間の反応で、蛍光有機シリカ粒子(5)を調製することができる。
(例示的な粒子の作製例)
本発明の例として、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)粒子の生成あるいは作製につき説明する。本発明の他の粒子についても、以下の作製例をもとに当業者が適宜実施することができることが理解される。
(MPSでの有機シリカ粒子の製造)
(a)MPSとアンモニアとを用いるMPS粒子の作製:
例として、MPSと20重量%以上、例えば、28重量%アンモニア水溶液とを混合した後、温度80〜100℃、好ましくは95±5℃にて、1〜12時間、好ましくは7±5時間、攪拌・保温し、反応させ、MPS粒子を生成させる。生成MPS粒子は、高速遠心によるペレットのかたちで採取し、これを70%エタノール水溶液と蒸留水とで交互に計4〜8回、遠心により洗浄する。採取したペレット(MPS粒子)は高速ホモジナイザーや超音波処理等により分散させた後、使用に供する。MPS粒子の粒径はナノサイズからミクロンサイズまで、生成に用いるMPS濃度の変量により、調整・調節できる。例えば、28重量%アンモニア水溶液(一定量)に対するMPSの添加量を、所望の粒径が得られるよう調節し、適宜、変量できる。28重量%アンモニア水溶液675μl(一定量)に対するMPS濃度、平均粒径、およびサイズ収率(%)の3者の相互関係は、以下の表に例示されている。
(b)MPS、イソプロパノール、およびアンモニアによるMPS粒子の生成:
例として、MPS、イソプロパノール、および28重量%アンモニア水溶液を混合した後、温度80〜100℃、好ましくは95±5℃にて、1〜12時間、好ましくは7±5時間、攪拌・保温し、反応させることにより、MPS粒子を生成させることができる。生成PMS粒子の採取、洗浄、分散は、上述(a)の通りである。MPS粒子の粒径は、生成に用いるMPS濃度の変量と、I/N容量比[イソプロパノール溶液の容量(I):28重量%アンモニア水溶液の容量(N)]の変更により、調整・調節できる。28重量%アンモニア水溶液(一定量)に対するMPS濃度およびI/N比は、所望の粒径が得られるよう調整し、適宜、変更できる。28重量%アンモニア水溶液337.5μl(一定量)に対するMPS濃度、I/N比、および平均粒径の3者の相互関係は、以下の表に例示されている。
(c)標識分子を含有のMPS粒子の生成:
例として、チオール基と反応する物質、例えば、マレイミド化合物と、標識分子、例えば、ローダミンとの結合物と、MPSのチオール基とを反応させることによりMPS−標識分子共役体を事前に調製する。次いで、該共役体、MPSおよびアンモニア水溶液を混合の後、または該共役体、MPS、アンモニア水溶液およびイソプロパノールを混合の後、上記(a)と同様にして、攪拌・保温することにより、標識分子含有MPS粒子を生成させる。尚、標識分子は一種以上を含有させることができる。また、MPSに限らず、他種のシリカ化合物を用い、他種のシリカ化合物−標識分子共役体を調製することも可能である。粒径は上述の通りMPS濃度により調節できる。生成MPS粒子は、採取、洗浄、および分散の後、使用に供する。具体例は例えば以下が挙げられる。
(MPS粒子の蛍光色素標識による表層機能化の例)
(1)MPS粒子の作製例
例として、MPS10μlに、イソプロパノール溶液405μl、および28重量%アンモニア水溶液290μlを添加混合し、95℃で2時間、反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄する。洗浄は遠心にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察したところ、例えば、平均粒径690nm、サイズ制御率約15%であり、良好なサイズ制御下での粒子の作製が確認される。
(2)ローダミン(標識分子)の表層標識による機能化
例としてのマレイミド化合物として、ローダミンRedTMC2マレイミド(5mg)を、73.5μlのDMSO溶液に溶解の後、上記(1)で作成のMPS粒子溶液3μl加え、約2時間、チューブミキサーを用いて遮光下にて攪拌し反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄した。洗浄は遠心にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察し、粒子がローダミンの蛍光を発していることを確認する。このようにして、ローダミン(標識分子)表層標識による表層機能化MPS粒子の作製を行うことができる。
本発明の担体は、MPS粒子を利用して製造することができ、有用な特性を有するが、このような本発明の特徴を有するシリカ粒子は、MPS粒子に限定されず、メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPES)、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(MPDMS)、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン(EpoPS)、チオシシアナトプロピルトリエトキシシラン(TCPS)およびアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(AcPS)からなる群より選択される1種または数種のシリカ化合物からも作製され得ることが理解され、これは、特許文献3にも記載されている。
本明細書で使用される場合、「表層機能化」とは、本発明のシリカ粒子の表層に機能製物質を配置しかつ安定化させることをいう。また、この表層機能化を行うことができる対象粒子の性質を、表層機能化能と表現する。本明細書において、「安定化」させるとは、例えば、シリカ粒子中において、その機能性物質がその使用環境下で所望する機能を再現性をもって実現するのに必要な物理的・化学的な安定化状態を提供することである。本明細書で使用される場合に、「内部機能化」とは、本発明の粒子の内部に機能性物質を含みかつ安定化させることをいう。また、この内部機能化を行うことができる対象粒子の性質を、内部機能化能と表現する。本発明の担体に用いる粒子は、表層機能化を持つことが好ましいがこれに限定されない。内部機能および表層機能においてともに、標識(例えば、蛍光物質)を含ませることができる。
本発明に用いる粒子がシリカ粒子の場合、その表面に、前記標的生体分子を分子認識する物質を結合させる修飾方法は、「シリカ粒子表面修飾」として以下説明される。シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られている。
本発明に用いる粒子の表面修飾について、具体的には、上記工程(b)で用いるシリカ化合物(4)の種類に応じて、所望の物質と結合可能なアクセプター基を表面に有する蛍光シリカ粒子群とすることができる。前記アクセプター基として、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、マレイミド基、スクシンイミジルエステル基等が挙げられる。
本発明において粒子としてシリカが使用される場合に反応に用いるシリカ化合物(4)と、それによって得られるシリカ粒子群の表面に形成されたアクセプター基との関係を以下の表に示す。
なお、上記得られるシリカ粒子(5)について、反応に使用したシリカ化合物(4)によって表面に導入されるアクセプター基とは異なるアクセプター基を導入したい場合には、シリカ粒子(5)を、さらに工程(b)で使用したシリカ化合物(4)とは異なるシリカ化合物で処理することにより達成できる。この処理は、工程(b)で使用したシリカ化合物(4)とは異なるシリカ化合物を用いて、上記工程(b)と同様な操作を行うことにより実施することができる。
シリカ粒子を修飾する前記標的生体分子を分子認識する物質は、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、受容体等が挙げられる。
すなわち、前記シリカ粒子を修飾した標的生体分子を分子認識する物質は、それ自体が受容体部位となって、例えば抗原-抗体反応、ビオチン-アビジン反応、塩基配列の相補性を利用したハイブリダイゼーションなどの特異的な分子認識を利用して、標的分子に特異的に結合することができる。
本明細書において「吸着」とは、ファンデルワールス力、疎水性相互作用または静電的相互作用による一体化をいう。
ここで、分子認識とは、(1)DNA分子間またはDNA−RNA分子間またはRNA分子
間のハイブリダイゼーション、(2)抗原抗体反応、(3)酵素(受容体)−基質(リガ
ンド)間の反応など、分子(生理活性物質等の生体分子でありうる)間の特異的相互作用をいい、そ
の特異的相互作用をする箇所を認識部位という。
本発明に用いる粒子は、表面に有するアクセプター基の種類に応じて所望の標的分子を分子認識する物質〔例えば、抗原、抗体、DNA、RNA、糖、糖鎖、リガンド、受容体、ペプチド、化学物質等〕を表面に結合もしくは吸着させ、修飾させることができる。
本発明に用いる粒子の表面に、標的分子を分子認識する物質を結合させ、修飾する方法として特に制限はないが、下記(i)〜(iii)の例が挙げられる。
(i)メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いて調製したチオール基を表面に有するシリカ粒子群は、ジスルフィド結合、チオエステル結合、またはチオール置換反応を介した結合を介して、その表面を前記標的分子を分子認識する物質で修飾することができる。
(ii)特に前記標的分子を分子認識する物質がアミノ基を有する場合には、前記粒子群が有するチオール基と、前記標的分子を分子認識する物質が有するアミノ基とをスクシンイミジル−トランス−4−(N−マレイミジルメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)等の架橋剤を用いて結合することもできる。
(iii)APS等を用いて調製したアミノ基を表面に有する前記粒子は、前述と同様に、このアミノ基と前記標的分子を分子認識する物質が有するチオール基とをSMCC、EMCS等の架橋剤を用いて結合することができる。また、このアミノ基と前記標的分子を分子認識する物質が有するアミノ基とをグルタルアルデヒド等の架橋剤で結合することもできる。さらに、アミド結合やチオウレア結合を介して、その表面を前記標的分子を分子認識する物質で修飾することもできる。
また表面にカルボキシル基を表面に有する粒子は、例えば、EDAC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドヒドロクロリド)を加えた後、S−NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド)と反応させることにより捕捉剤のアミノ基との結合が可能となる。その他、アルキンとアジド化合物などによるクリックケミストリーを利用した捕捉剤の結合が挙げられる。
1つの実施形態では、前記粒子は標識を含みうる。このような標識は、目的となる分子または物質を他から識別するための存在(例えば、物質、エネルギー、電磁波など)であればどのようなものでもよく、本明細書において「標識」または「標識薬剤」として使用される任意の物質を利用することが理解される。1つの実施形態では、粒子に加えられる標識の例として、放射性標識(RI(ラジオアイソトープ))、蛍光色素、ビオチン、化学発光物質等を挙げることができる。本発明の粒子に含まれうる標識は、好ましくは、アッセイで使用される標識薬剤に使用される標識とは識別可能であるほうが有利であり、異なる標識カテゴリー(例えば、蛍光およびRI)あるいは、同じカテゴリーで異なる種類(例えば、種類の異なる標識)でありうる。
(ウォッシュレスアッセイ)
本発明を実施するためのアッセイとしては、粒子を使用する任意のアッセイを想定することができる。
例えば、アッセイが標的とする対象(被験物質)は任意の対象、例えば、生体分子、抗原、タンパク質、ペプチド、核酸、糖類、これらの改変体ならびにこれらの結合体を挙げることができるがそれらに限定されない。一例として生体分子の定性または定量方法のアッセイが例示されるがそれに限定されない。そのようなアッセイの例示的な方法は、(A)本発明の担体に捕捉剤を結合させた捕捉剤結合担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する。このような方法は、二段階以上のウォッシュレスアッセイであるといえる。本発明の担体に捕捉剤を結合させた捕捉剤結合担体の提供は、予め捕捉剤が結合された担体をそのまま購入してもよいし、あるいは、捕捉剤が結合していない担体を提供し、その担体に捕捉剤を反応させて結合させて準備してもよい。
別の実施形態では、本発明の粒子に、定量用の蛍光標識が結合された1または2種以上の標的生体分子(生理活性物質を含む。以下、同様である。)を捕捉させ、標識が結合した標的生体分子の蛍光強度を測定して被験物質を定量することができる。
本明細書において、「被験物質」とは、アッセイにおいて検出または診断の対象となる物質を言う。被験物質は、生体分子(生理活性物質を含む。)などであり得、被験物質としては、抗原、抗体、DNA、RNA、糖、糖鎖、リガンド、受容体、ペプチド、ビオチン、蛍光色素などの化学物質、これらの断片、ならびにこれらの2種以上の物質からなる複合体、等が挙げることができるがこれらに限定されない。
本明細書において「試料」(サンプルともいう)とは、被験体等から得られた任意の物質をいい、例えば、培養液、細胞破砕液、血液、体液、腹水、唾液、脳脊髄液、関節液、涙液、等が挙げられるがこれに限定されない。当業者は本明細書の記載をもとに適宜好ましい試料を選択することができる。
被験物質定量用の蛍光による標識付けは、任意の蛍光標識プローブによる標識であってもよいし、PCR反応によってCy3ないしはCy5等の蛍光色素化合物が導入されたDNA、RNA等の核酸、蛍光タンパク質と融合したタンパク質等の予め標識された標的生体分子としての標識であってもよい。蛍光標識プローブとしては標的生体分子に特異的に結合または吸着する限り特に制限はなく、任意の蛍光色素化合物が結合した抗体等が挙げられる。
本明細書において「標識」とは、目的となる分子または物質を他から識別するための存在(例えば、物質、エネルギー、電磁波など)をいう。そのような標識方法としては、RI(ラジオアイソトープ)法、蛍光法、ビオチン法、化学発光法等を挙げることができる。標識は、二段階アッセイの場合は、被験物質に直接含まれるように処理され、アッセイ時にはすでに標識がなされていてもよい。三段階アッセイの場合は、被験物質に対する結合薬剤が直接標識されており、標識薬剤としての役割も果たす。四段階アッセイの場合は、被験物質に対する結合薬剤にさらに結合する結合薬剤が標識されているため、1つめの結合薬剤と標識薬剤とは異なる物質であることになる。本発明が対象とする被験物質またはそれを捕捉する因子または手段を複数、蛍光法によって標識する場合には、蛍光発光極大波長が互いに異なる蛍光物質によって標識を行う。蛍光発光極大波長の差は、10nm以上であることが好ましい。リガンドを標識する場合、機能に影響を与えないものならば何れも用いることができるが、蛍光物質としては、アロフィコシアニン(APC),Alexa Fluor(R)488,FITC,フィコエリスリン(PE),PerCP,Alexa Fluor(R) 700,が望ましい。またMCA,AlexaFluor350,AlexaFluor488,Qdot(R)605,FITC,PE/RD1,ECD/PE−TexasRed,PC5/SPRD/PE−Cy5,PC5.5/PE−Cy5.5,PEAlexa Fluor(R)750,PC7/PE−Cy7,TRITC,Cy3,TexasRed,Alexa Fluor(R)647,Alexa Fluor(R)700,Cy5,Cy5.5,APC,APC7/APC−Cy7,APCAlexa Fluor(R)750,Hoechst33342,DAPI,PI,YOYO−1,CPO,PyroninY,7−AAD,エチジウムホモダイマー−1,SYTO9,SYBRGreenI,LDS751,TO−PRO−3、などもよく使用される。Alexa Fluor(R)は、クマリン、ローダミン、フルオレセイン、シアニンなどを修飾して得られた水溶性の蛍光色素であり、広範囲の蛍光波長に対応したシリーズであり、他の該当波長の蛍光色素に比べ、非常に安定で、明るく、またpH感受性が低い。蛍光極大波長が10nm以上ある蛍光色素の組み合わせとしては、Alexa Fluor(R)555とAlexa Fluor(R)633の組み合わせ、Alexa Fluor(R)488とAlexa Fluor(R)555の組み合わせ等を挙げることができる。核酸を標識する場合は、その塩基部分と結合できるものであれば何れも用いることができるが、シアニン色素(例えば、CyDyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミノフルオレン(AAF)、AAIF(AAFのヨウ素誘導体)等を使用することが好ましい。蛍光発光極大波長の差が10nm以上である蛍光物質としては、例えば、Cy5とローダミン6G試薬との組み合わせ、Cy3とフルオレセインとの組み合わせ、ローダミン6G試薬とフルオレセインとの組み合わせ等を挙げることができる。本発明では、このような標識を利用して、使用される検出手段に検出され得るように目的とする対象を改変することができる。そのような改変は、当該分野において公知であり、当業者は標識におよび目的とする対象に応じて適宜そのような方法を実施することができる。
本明細書において、「標識薬剤」とは、標識されるべき物質(例えば、被験物質、または被験物質に結合した結合薬剤等)に対して直接または間接的に結合等を行い、標識されるべき物質に標識を付することができる任意の薬剤をいう。例えば、標識が結合した抗体、抗原結合性の抗体断片、抗原、レセプター、リガンド、ホルモン、アビジン、またはストレプトアビジン、ペプチド、天然蛋白質、リコンビナント蛋白質、融合蛋白質、またはこれらの変異体(例えば、ストレプトアビジンから糖鎖を除いたニュトラビジン)、遺伝子(DNA,RNA)、ベプチド遺伝子複合体、蛋白質遺伝子複合体、ビオチン、低分子化合物などの薬剤、等をあげることができるがそれらに限定されない。二段階アッセイの場合は、被験物質に対してアッセイ前に結合させてもよい。
本明細書において、「結合薬剤」とは、対象に対してなんらかの結合を行う任意の物質をいう。例えば、被験物質に結合する任意の物質がこれに該当し、標識されていても標識されていなくてもよい。標識されていない結合物質をアッセイで使用した場合、さらに結合薬剤に結合する(好ましくは特異的に結合する)標識薬剤を用いてこの結合薬剤を標識することができる。このような結合薬剤の例としては抗原結合性の抗体断片、抗原、レセプター、リガンド、ホルモン、アビジン、またはストレプトアビジン、ペプチド、天然蛋白質、リコンビナント蛋白質、融合蛋白質、またはこれらの変異体(例えば、ストレプトアビジンから糖鎖を除いたニュトラビジン)、遺伝子(DNA、RNA)、ベプチド遺伝子複合体、蛋白質遺伝子複合体、ビオチン、低分子化合物などの薬剤、等をあげることができる。
本明細書中で使用される「接触(させる)」とは、本発明の担体等の対象物に、直接的または間接的のいずれかで、試料、結合薬剤、標識薬剤等の別の物質に対して物理的に近接させることを意味する。「接触」によって、対象物が別の物質と相互作用(例えば、化学反応、結合反応等)をすることができる環境に置かれることになる。試料、結合薬剤、標識薬剤、多くの緩衝液、塩、溶液などに様々な濃度で存在させることができる。接触としては、試料、結合薬剤、標識薬剤等を含む、例えば、試験管、ビーカー、マイクロタイタープレート、遠心分離チューブ、細胞培養フラスコまたはマイクロアレイ(例えば、遺伝子チップ)などに置くことが挙げられる。
本明細書において「キット」とは、通常2つ以上の区画に分けて、提供されるべき部分(例えば、担体、結合薬剤、標識薬剤、説明書など)が提供されるユニットをいう。混合されて提供されるべきでなく、使用直前に混合して使用することが好ましいような組成物の提供を目的とするときに、このキットの形態は好ましい。そのようなキットは、好ましくは、提供される部分(例えば、検出薬をどのように使用するか、あるいは、試薬をどのように処理すべきかを記載する指示書または説明書を備えていることが有利である。本明細書においてキットが試薬キットとして使用される場合、キットには、通常、抗体の使い方などを記載した指示書などが含まれる。
本明細書において「指示書」は、本発明を使用する方法を医師または他の使用者に対する説明を記載したものである。この指示書は、本発明の検出方法、診断薬の使い方、または医薬などを投与することを指示する文言が記載されている。また、指示書には、投与部位として、骨格筋に投与(例えば、注射などによる)することを指示する文言が記載されていてもよい。この指示書は、本発明が実施される国の監督官庁(例えば、日本であれば厚生労働省、米国であれば食品医薬品局(FDA)など)が規定した様式に従って作成され、その監督官庁により承認を受けた旨が明記される。指示書は、いわゆる添付文書(package insert)であり、通常は紙媒体で提供されるが、それに限定されず、例えば、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ、電子メール)のような形態でも提供され得る。
特定の実施形態では、本発明は、本発明の試薬、担体の1以上の成分が充填された、1以上の容器を含む、ウッショレスアッセイ用の試薬パックまたはキットを提供する。場合によって、このような容器に付随して、生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形で、政府機関による、ヒト投与のための製造、使用または販売の認可を示す情報を示すことも可能である。
本発明に用いるフローサイトメーターについて説明する。フローサイトメーターとは、粒子懸濁液を細管中に流し、浮遊している粒子にレーザーを照射して、レーザーによって励起される前記粒子の1個ずつの蛍光発光、レーザーの前記粒子による散乱などを検出・測定する装置をいい、フローサイトメトリーとは、その分析方法をいう。
本発明に用いるフローサイトメーターは、特に制限はなく、従来用いられているフローサイトメーターをそのまま用いることができる。例えば、1または2以上の検出域で単一波長の光を放射するレーザー(例えばHe/Ne、アルゴン)源を含む。異なる検出域は、異なる波長で光を放射するレーザー源を含めることができる。前記レーザーはビーム整形レンズを用いて集束させてよい。前記レーザー照射に先立って、シース液(例えば、IsoFlowTMシース液(ベックマン・コールター)、ダコシースフルードTM(ダコジャパン社等))、および標的生体分子、蛍光シリカ粒子等が含有されたサンプル液がフローセルに導入され、ここで、前記シース液と前記サンプル液とが混じりあうことがない層流が形成される。前記フローセルから流れていくときに前記サンプル液はシース液流によって囲まれたサンプルコアを形成して流れ、レーザー照射域を通過するときにレーザーが照射される。
本発明に用いるフローサイトメーターは、所定のフロー条件とすることにより、標的生体分子を標識している前記担体1個を各検出域に存在させることができ、それにより前記担体1個だけの検出データを取得することができる。それにより、前記フローサイトメトリーは、1回の測定操作で複数の標的を同時に測定することができる、いわゆるマルチプレックシング方式である。本発明において、測定時のフロー速度は特に制限はないが、標的生体分子の定量のためには、10〜1000粒子数/秒の条件とすることができる。例えば、フローサイトメーターとしてFACSCaliburTM(ベクトン・ディッキンソン)を用いた場合、シース圧(上記シース液を流す圧力)とサンプル圧(上記サンプル液を流す圧力)の差が例えば、1kpsi〜2kpsiである条件とすることができる。
各検出域においては、光電子増倍管等任意の1または2以上の蛍光チャンネル(例えば、FL1、FL2、FL3)を用いて、検出域を通ってレーザーによって照射された蛍光シリカ粒子からの蛍光発光を集めることができる。また、光電子増倍管等任意の散乱光集光チャンネルを用いて、担体によって屈折される光(前方散乱光または側方散乱光)を集めてもよい。
本発明に用いるフローサイトメーターは、前記検出域を通った各標的生体分子に由来する蛍光発光や散乱光を、蛍光チャンネル等によって検出したデータを記録・記憶し、分析するデータ集積分析手段(ハードウエアもしくはソフトウエア)を含むのが好ましい。
前記データ集積分析手段として、FACSDiVa、EXPO32、Summit、AppSan、LysisII、CellQuest等市販のものを用いてもよい。前記定量システムもしくは定量方法は、蛍光についてだけ異なる複数種の蛍光粒子を組み合わせて用いる場合、すなわち、粒径が実質的に揃っていて、粒径については実質的に均一である場合(散乱光の違いでは粒子間の違いを識別しにくい場合)、蛍光を受光するだけで用いる粒子を認識することができる。本発明に用いるフローサイトメーターとしては、FACSCaliburTM(ベクトン・ディッキンソン)、PERFLOWAnaTM(古河電気工業)、EPICS ALTRATM(ベックマン・コールター)、CyAnTM(ダコジャパン)、JSANTM(ベイバイオサイエンス)、マイクロ流路チップを用いたフローサイトメーターのFISHMAN−RTM(株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ))、EC800TM セルアナライザー(ソニー)、蛍光スペクトル解析が可能なSP6800TM スペクトル型セルアナライザー(ソニー)、等市販のフローサイトメーターを用いてもよい。
(好ましい実施形態の説明)
以下に、本発明の担体の好ましい例を提供するが、本発明はこれらに限定されないことが理解される。
(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)
1つの局面において、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含み、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する担体を提供する。被験物質と直接または間接的に結合していない標識物質が粒子内の細孔に侵入し、粒子と結合した標識物質と同様に粒子の蛍光として測定されてしまうためである。そのため洗浄によって細孔に侵入した標識物質を洗い出す必要があった。理論に束縛されることを望まないが、一定程度以下の細孔容量を有する粒子であれば、実質的にアッセイの結果の評価の障害とならない程度にバックグラウンドが低下するため、ウォッシュレスを実現することができることが本発明で実証されている。なお、細孔容量は、比表面積および膨潤定数とも相関するため、当業者は、本明細書の説明を参酌して相関関係を理解することができる。膨潤定数を目安として、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体に使用する粒子を選択することができる。このような理論のもと、本発明において有用な、すなわち、ウォッシュレスを実現することができる細孔容積としては、例えば、1.0cm/g以下、0.5cm/g以下、0.1cm/g以下、0.05cm/g以下、0.02cm/g以下、0.01cm/g以下、0.008cm/g以下、0.006cm/g以下、0.004cm/g以下であり得るがこれらに限定されない。
別の局面において、本発明の担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効なブロッキングインデックス(BI)を有するものでありうる。理論に束縛されることを望まないが、(1)ブロッキング剤の担体に対するブロック「効率」がよいこと、あるいは(2)担体の細孔容量が小さく標識物質が細孔内に入り込まないこと、の両方が発明のキー(washless、あるいは感度の上昇)につながると考えられる。ラテックスビーズは(1)ブロッキング剤のブロック「効率」が悪いこと、さらに担体の細孔容量が大きく標識物質が細孔内に入り込みやすいこと、が本発明の過程で見出されたため、このようなブロッキングインデックスもまた、ウォッシュレスを達成するのに有用でありうる。細孔容積およびブロッキングインデックスは、それぞれが、独立した評価パラメータであり、いずれか一方が充足されてもウォッシュレスを達成しうることが理解され、それらが両者一定の閾値を達成してもよいことが理解される。ブロッキングインデックスがウォッシュレスを実現するのに有効であるには、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上であることが好ましく、通常、85%以上でありうる。実施例で行ったスキムミルク等でも85%を達成しているため、この程度の数値が目安となりうるがこれに限定されない。
このようなウォッシュレスが実現するためにはこのような特定の数値の細孔容積および/またはブロッキングインデックスを有すればよいため、任意の材質を使用することができ、有機シリカ粒子に限らず、他の材質の粒子、例えば、無機シリカ粒子等も使用することができる。本発明で使用されうる有機シリカ粒子は、実施例または本明細書の他の箇所に記載された方法で製造される任意のものが使用されうることが理解され、その例としては特許文献3に記載されているものが例示されるがそれらに限定されない。
本発明の担体が有する捕捉剤を結合する構造は、使用される捕捉剤によって変動しうるが、例えば、タンパク質(抗体、抗原結合抗体断片等)等の生体分子を捕捉する場合であれば、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基等を利用することができる。このような構造を付与する方法は当該分野において公知であり、例えば、The Molecular Probes(登録商標)Handbook 11th Edition、http://www.invitrogen.com/site/us/en/home/References/Molecular-Probes-The-Handbook.html、http://www.invitrogen.com/site/us/en/home/References/Molecular-Probes-The-Handbook/Crosslinking-and-Photoactivatable-Reagents.html、http://www.invitrogen.com/site/us/en/home/References/Molecular-Probes-The-Handbook/Crosslinking-and-Photoactivatable-Reagents/Chemical-Crosslinking-Reagents.html
等に記載されており、本明細書において参考として援用される。
好ましい実施形態では、本発明の担体において使用される粒子はシリカ粒子であり、より好ましくは有機シリカ粒子であり、かつ、捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基からなる群より選択される基からなる群より選択される基を含む。このような有機シリカ粒子は、実施例または本明細書の他の箇所に記載された方法で製造される任意のものが使用されうることが理解され、その例としては特許文献3に記載されているものが例示されるがそれらに限定されない。
別の局面において、本発明は、本発明の担体と、捕捉剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、上記実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットにおいて利用されうる捕捉剤としては、任意のものを使用することができるが、例えば、抗体等のタンパク質、DNAなどの核酸分子、脂質分子、他の低分子等をあげることができるがそれに限定されない。このようなキットとしては、担体入りの容器と、捕捉剤またはブロッキング剤入りの容器とが入っているものが想定される。このようなキットとしては、これらの構成要素のほか、それ以外のもの(例えば、バッファー入り容器など)も含んでいてもよい。また、本発明のキットは、例えば、担体とブロッキング剤はキットで市販され、捕捉剤(抗体等)は自前、ということも想定される。したがって、抗体等の捕捉剤は購入者が自前で製造したり、あるいは別のソースから入手することもありうると考えられる。あるいは、キットとしてはまず、リンカー付与剤、そしてブロッキング剤を備えていてもよい。捕捉剤は既に粒子に結合済みであってもよい。例えば、参考になるキットとしては、Bio-plexでの商品化キットとしてhttp://www.bio-rad.com/evportal/ja/JP/LSR/Category/85824182-db2a-4c6e-ac82-4e07dd9ab904/Bio-Plex-Suspension-Array-System、http://www.bio-rad.com/evportal/ja/JP/LSR/Category/LMFT1B15/COOH-%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E8%A9%A6%E8%96%AC、http://www.bio-rad.com/prd/ja/JP/LSR/PDP/LMFT6SE8Z/Bio-Plex-Pro-%E7%A3%81%E6%80%A7-COOH-%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E8%A9%A6%E8%96%ACなどがあり、適宜このような構成を参酌することができる。捕捉剤はユーザーが別に購入する場合が多いがこれに限定されない。本発明のキットが捕捉剤を備える場合は粒子に結合させてもよいが、そうでなくてもよい。捕捉剤を粒子とは別にキットに備えることは、例えば、使用直前に粒子に結合させないと捕捉剤の結合活性が低下するなどの場合に好ましく用いられる。
別の局面において、本発明は、本発明の担体と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、ユーザーが任意の捕捉剤を結合させるキットとして提供される。本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットにおいて使用されるブロッキング剤としては、非特異的な結合を抑制するためのものであれば、任意のものを利用することができるが、バイオアッセイにおけるブロッキング剤の例としては、例えば、スキムミルク、アルブミン、ゼラチン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物を挙げることができる。
別の局面において、本発明は、本発明の担体と、リンカー付与剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、ユーザーが任意の捕捉剤を結合させるキットとして提供される。本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットにおいて使用されるリンカー付与剤としては、目的とする捕捉剤を結合させることができるものであれば、任意のものを利用することができるが、バイオアッセイにおけるリンカー付与剤の例としては、そのようなリンカー付与剤としては、例えば、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたチオール基、アミノ基、カルボキシル基、より選択される少なくとも1つの官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含むものが利用されうる。
より詳細な実施形態において、本発明のキットに含まれうるリンカー付与剤の例としては、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネートN−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、bis−マレイミドエタン,マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレートなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
さらに別の局面において、本発明は、本発明の担体と、捕捉剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、捕捉剤も確定した特殊用途のキットとして提供される。捕捉剤およびブロッキング剤としては、本明細書に記載の任意のものを使用することができるが、ある捕捉剤にとって好ましいブロッキング剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。
さらに別の局面において、本発明は、本発明の担体と、捕捉剤と、リンカー付与剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、捕捉剤も確定した特殊用途のキットとして提供される。捕捉剤およびリンカー付与剤としては、本明細書に記載の任意のものを使用することができるが、ある捕捉剤にとって好ましいリンカー付与剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。このような場合は、捕捉剤を結合させることができるリンカー付与剤であれば、よい。
さらに別の局面において、本発明は、本発明の担体と、リンカー付与剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、捕捉剤が確定していないが、それ以外に使用するリンカー付与剤およびブロッキング剤が確定した特殊用途のキットとして提供される。リンカー付与剤およびブロッキング剤としては、本明細書に記載の任意のものを使用することができるが、ある捕捉剤の使用が想定される場合、その捕捉剤にとって好ましいリンカー付与剤およびブロッキング剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。あるリンカー付与剤にとって好ましいブロッキング剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。このような場合、本発明のキットでの結果に不満足であればユーザー各自でブロッキング剤の組成を変更するなどの工夫を行うことができる。
さらに別の局面において、本発明は、本発明の担体と、捕捉剤と、リンカー付与剤と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このキットでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。このような二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットは、捕捉剤も確定した特殊用途のキットとして提供される。捕捉剤、リンカー付与剤およびブロッキング剤としては、本明細書に記載の任意のものを使用することができるが、ある捕捉剤にとって好ましいリンカー付与剤およびブロッキング剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。あるリンカー付与剤にとって好ましいブロッキング剤がある場合は、その好ましい組み合わせを用いてもよい。
別の局面において、本発明は、本発明の担体を用いる二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。このアッセイでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。
別の局面において、本発明は、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供し、このアッセイは、以下の工程:(A)本発明の担体に捕捉剤を直接または間接的に結合させた捕捉剤結合担体(図20のようなビオチンを介した結合等が例示される)を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下でまたは不存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである。)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する。二段階の場合は、捕捉剤結合担体に直接結合したものを測定することになり、三段階以上では、間接的に結合したものを測定することになる。なお、粒子に直接結合した該標識薬剤はこの場合、非特異結合によるもの、と考えられ、該被験物質の量とは判断しにくいため、捕捉剤を介して間接的に結合したものが該被験物質の量と判断されることになる。このアッセイでは、本発明の担体、捕捉剤、ブロッキング剤等として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。ブロッキング剤の存在下でなされる場合、本発明のアッセイは、ブロッキングによる影響が従来のアッセイに比べて顕著に低減されているという特徴を有する。また、ある実施形態では、例えば、DNAを用いる場合などでは、ブロッキング剤を用いなくてもウォッシュレスアッセイを達成することができており、このようなアッセイは、従来のアッセイ技術では達成できなかったことであり、この点でも顕著な効果を奏するといえる。したがって、ブロッキング剤の不存在下でなされる形態では、本発明のアッセイは、ウォッシュレスかつブロッキングレスということができる。
また、担体は捕捉剤と結合した後、捕捉剤が結合していない部位はブロッキング剤と結合することになる。被検物質は捕捉剤とブロッキング剤との両方と結合した粒子と接触させられることになる。ブロッキング剤は粒子表面に存在するものと、反応液自体に存在するものがあることになる。ブロッキング剤の存在下とはそのいずれも包含することが理解される。
1つの実施形態では、本発明において使用される標識薬剤が蛍光標識である。この場合、本発明で使用される粒子の自家蛍光は、蛍光標識の蛍光より有意に低く、検出の障害にならないものが利用しやすい。さらに、このような自家蛍光は、該蛍光標識の蛍光を検出しやすくする効果を認めるものが好ましい。
本発明のアッセイおよびアッセイキットは、いずれも、定量測定および/または定性測定が可能であることが特徴のひとつであり得、好ましい実施形態では、これらの特徴が利用されうる。
(捕捉剤結合担体)
別の局面において、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と2)捕捉剤とを含み、該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、担体を提供する。ここで使用される担体および捕捉剤は、上記(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)において記載される任意のものが使用されうることが理解される。
1つの実施形態では、本発明において使用される捕捉剤と該粒子とは、直接会合または結合するものでありうる。あるいは、この捕捉剤と該粒子とは、リンカーを介して結合するものであってもよい。リンカーが使用される場合は、使用するリンカー付与剤としては、目的とする対象を結合することができ、および/またはアッセイに影響が少ないものが利用されうる。そのようなリンカー付与剤としては、例えば、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたチオール基、アミノ基、カルボキシル基、より選択される少なくとも1つの官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含むものが利用されうる。また、好ましくは、このリンカー付与剤は、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合可能である。これらのリンカー付与剤は、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
本発明の捕捉剤結合担体において使用されるリンカー付与剤の例としては、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル、N−(β−マレイミドプロピオン酸)ヒドラジド・TFA、N,N−ジクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド、N−ε−マレイミドカプロン酸、N−(ε−マレイミドカプロン酸)ヒドラジド、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル1,6−ヘキサン−bis−ビニルスルホン、N−κ−マレイミドウンデカン酸、N−(κ−マレイミドウンデカン酸)ヒドラジド、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)、スクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−(4−N−マレイミドフェニル)−酪酸ヒドラジド・HCl、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N−(p−マレイミドフェニル)イソシアネートN−スクシンイミジル(4’−アジドフェニル)1,3’−ジチオプロピオネート、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン、N−スクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スクシンイミジル3−(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド、N−スクシンイミジルヨードアセテートN−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、NHS−PEO2−マレイミド、NHS−PEO4−マレイミド、NHS−PEO8−マレイミド、NHS−PEO12−マレイミド、スクシンイミジル4−(p−マレイミド−フェニル)ブチレートスクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエンスクシンイミジル−(4−ソラーレン−8−イルオキシ)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、エチレングリコールbis(スルホ−スクシンイミジルスクシネート)、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−(κ−マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル6−(3’−[2−ピリジル−ジチオ]プロピオンアミド)ヘキサノエート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル(4−アジド−サリチルアミド)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−アジド−フェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル2−[7−アジド−4−メチルクマリン−3−アセトアミド]エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル−2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)エチル、1,3’−スルホスクシンイミジル6−(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジド−サリチルアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホ−NHS−(2−6−[ビオチンアミド]−2−(p−アジドベンズアミド)ヘキサノアミド)エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル1,3’−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミド−メチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、1,6−bisマレイミドヘキサン、bis−マレイミドエタン,マレイミドジエチレングリコール、ジスクシンイミジルグルタレートなどを挙げることができるがこれらに限定されない。また、好ましくは、このリンカー付与剤は、粒子の作製材料に存在する官能基の構造と結合可能である。これらのリンカー付与剤は、粒子が有機シリカである場合に好ましく使用されうる。
あるいは、別の実施形態では、捕捉剤にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、等を結合させた後、粒子と結合させたものも利用されうる。そのような例が実施例においても例示されており、例えば、マレイミド活性化ニュトラビジン(Maleimide Activated NeutrAvidin;蛋白にマレイミド基を結合させたもの)の粒子への結合も例示されている。またこの捕捉剤とこの粒子との直接会合または結合を行うために蛋白質やリンカーを融合させた捕捉剤もまた利用されうる。したがって、リンカー付与剤を利用する場合、リンカー付与剤をまず粒子に結合させてもよく、まず捕捉剤に結合させてもよいことが理解される。
1つの局面では、本発明は、本発明の捕捉剤結合担体と、ブロッキング剤とを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このアッセイでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。また、ここで使用されるブロッキング剤は、(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)において例示される任意のものが使用されうることが理解される。
1つの局面では、本発明は、本発明の捕捉剤結合担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。このアッセイでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。
1つの局面では、本発明は、本発明の捕捉剤結合担体を用いる二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。ここで、このアッセイは、(A)本発明の捕捉剤結合担体を提供する工程;(B)ブロッキング剤の存在下でまたは不存在下で、前記捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する。このアッセイでは、本発明の担体、捕捉剤、ブロッキング剤等として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。また、(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)において例示される任意の実施形態が、このアッセイにおいても使用されうることが理解される。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。ブロッキング剤の存在下でなされる場合、本発明のアッセイは、ブロッキングによる影響が従来のアッセイに比べて顕著に低減されているという特徴を有する。また、ある実施形態では、例えば、DNAを用いる場合などでは、ブロッキング剤を用いなくてもウォッシュレスアッセイを達成することができており、このようなアッセイは、従来のアッセイ技術では達成できなかったことであり、この点でも顕著な効果を奏するといえる。したがって、ブロッキング剤の不存在下でなされる形態では、本発明のアッセイは、ウォッシュレスかつブロッキングレスということができる。
本発明のアッセイおよびアッセイキットは、いずれも、定量測定および/または定性測定が可能であることが特徴のひとつであり得、好ましい実施形態では、これらの特徴が利用されうる。
(ブロッキング部分結合担体)
別の局面において、本発明は、二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と2)捕捉剤と3)ブロッキング部分とを含み、該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、担体を提供する。ここで使用される担体、捕捉剤およびブロッキング部分、リンカーまたはリンカー付与剤、結合様式等は、上記(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)および(捕捉剤結合担体)において記載される任意の実施形態が使用されうることが理解され、ここでブロッキング部分としては本明細書において使用されるブロッキング剤と同様のものが利用されることが理解される。ブロッキング剤は、粒子に結合し一体化した場合ブロッキング部分と呼ばれる。
別の局面では、本発明は、本発明のブロッキング部分結合担体を備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キットを提供する。このようなキットはレディーメイドのアッセイキットとして提供されうる。ここで使用される担体、捕捉剤およびブロッキング部分、リンカーまたはリンカー付与剤、結合様式等は、上記(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)および(捕捉剤結合担体)において記載される任意の実施形態が使用されうることが理解され、ここでブロッキング部分としては本明細書において使用されるブロッキング剤と同様のものが利用されることが理解される。
別の局面では、本発明は、本発明のブロッキング部分結合担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。このアッセイでは、本発明の担体として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。また、使用される担体、捕捉剤およびブロッキング部分、リンカーまたはリンカー付与剤、結合様式等は、上記(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)および(捕捉剤結合担体)において記載される任意の実施形態が使用されうることが理解され、ここでブロッキング部分としては本明細書において使用されるブロッキング剤と同様のものが利用されることが理解される。
さらに別の局面では、本発明は、本発明のブロッキング部分結合担体を用いる二段階以上のウォッシュレスアッセイであって、(A)本発明のブロッキング部分結合担体を提供する工程;(B)前記捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該担体に接触させる工程;(C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程(この工程は、2段階であればスキップされるものであり、3段階および4段階を包含するものである)(あるいは、さらに結合薬剤を複数回介在させてもよい。);および(D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイを提供する。このアッセイでは、本発明の担体、捕捉剤、ブロッキング剤等として、本明細書に記載の実施形態の任意のものが使用されうることが理解される。また、使用される担体、捕捉剤およびブロッキング部分、リンカーまたはリンカー付与剤、結合様式等は、上記(捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含む担体)および(捕捉剤結合担体)において記載される任意の実施形態が使用されうることが理解され、ここでブロッキング部分としては本明細書において使用されるブロッキング剤と同様のものが利用されることが理解される。好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、工程間に洗浄をしないものである。あるいは、好ましくは、本発明の二段階以上のウォッシュレスアッセイでは、各工程において、前の工程が終了すると直接次に工程を行うことが有利でありうる。ブロッキング剤の存在下でなされる場合、本発明のアッセイは、ブロッキングによる影響が従来のアッセイに比べて顕著に低減されているという特徴を有する。
(例示的な例)
1つの例示的な例では、マイクロサイズの有機シリカ粒子の作製を行う。次に粒子表面上にて行うサンドイッチ反応の検討を行う(図1左)。測定を行うサンプルは比較的安価な蛋白質であるウシ血清アルブミン、一次抗体はモノクローナル抗体、二次抗体はポリクローナル抗体を使用して実施することができる。さらにリゾチーム、グルタチオンS トランスフェラーゼについて実施することができる。サイトカイン等も実施することができる。
(1)粒子の作製:ビーズアレイ用粒子として直径1〜10μmの粒径の均一な有機シリカ粒子を作製する。方法は既に確立できており、特許文献3等を参照することができる。例示的には、ビーズアレイ用粒子として用いるためマイクロサイズのチオール有機シリカ粒子粒を作製されている。3−メルカプトプロピル−トリメトキシシランを原料として一段階反応にて作製することができることが実証されている。図2 に電子顕微鏡像を示している。平均粒径約3.2μmの均一なサイズの有機シリカ粒子を作製して本発明を実施することができる。
(2)サンドイッチ反応:
(a)一次抗体の結合法
吸着法、化学クロスカップリング剤を用いた方法等、既に数種類の有用な当該分野において公知の任意の方法を使用することができる。当業者は、さらに高感度・測定域の広い条件を検討することができる。
例えば、チオール有機シリカ粒子を用いて粒子表面への抗体の結合を検討した。粒子の吸着による方法やカップリング剤を用いた方法等が実施されうることが理解される。その例を図3 に示す。4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを用いる方法が例示される。有機シリカ粒子上でのサンドイッチ反応を含む抗原抗体反応が実証されている。また吸着法においても粒子表面上での抗原抗体反応が可能であることも確認されている。
(b)ブロッキング
スキミムルクや市販のブロッキング試薬等を検討することができる。実際にも、スキムミルク、ゼラチン、市販のブロッキング試薬を用いて確認されている。例示的には、一次評価系(図1左)を用いた比較実験の結果より0.25%〜1.0%ブロックエース(市販品)のブロッキングを標準条件と決定されうる。
(c)反応条件
粒子の至適サイズと濃度、二次抗体(検出抗体)の濃度、反応時間、バッファー条件等の検討を行うことができる。使用サンプルの少量化、測定の短時間化の検討も行うことができる。
(3)評価
(a)ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価:抗体の選択
一次評価系(図1左)を確立し、抗体の結合法、ブロッキングの条件検討、抗体の抗原への親和性等の評価を行うことができる。この例では、粒子表面に種々の抗BSA抗体を結合させることができる。抗体はマウス・モノクローナル抗体、ウサギ、ヒツジのポリクローナル抗体など多種検討した。種々の濃度のFITC標識BSAを加えて1時間後、フローサイトメトリーにて測定した。図4に測定結果を示したとおり、BSAの粒子への結合活性は抗体により明確に異なっていた。マウス・モノクローナル抗体(黒)では100ng/mlから10ng/mlまでしか測定できないのに対してウサギ・ポリクローナル抗体(緑)では100ng/mlから2.5ng/mlまで幅広く定量的測定が可能であった。一次評価によりサンドイッチ測定に適した結合活性の高い抗体の選択が可能であった。また本評価は様々な抗原抗体反応の簡単な評価方法として応用可能であると考えられる。
(b)反応時間の検討
一次評価系にて抗原抗体反応の時間依存性を評価することができる。粒子表面にヒツジ・抗BSA抗体を結合させた後、蛍光標識した種々の濃度のFITC標識BSAを加え反応開始し、0.5、1、2時間後、測定した。図4に測定結果を示したとおり、時間依存的に各濃度の蛍光強度の増加が認められた。測定範囲の変化は認められず、短時間測定の可能性を見出すことができた。
(c)反応温度の検討
一次評価系にて抗原抗体反応の温度依存性を評価することができる。粒子表面にヒツジ・抗BSA抗体を結合させた後、蛍光標識した種々の濃度のFITC標識BSAを加え、25℃または37℃で1時間反応後、測定した。各濃度において37℃で反応したものの蛍光強度が高く、濃度依存性も良好であった。
(d)洗浄過程の評価
フローサイトメトリーは少なくとも二つのパラメーター(粒子の散乱光と蛍光)を用いて測定を行うことができる。したがって散乱光によって反応溶液のバックグラウンド蛍光と区別できるため、反応後の洗浄操作なしに測定が可能であると考え検証を行った。結果として洗浄あり・なしで測定範囲に大きな変化は認められなかった。本結果より既存の製品との差別化の目的にて“洗浄なし(ウォッシュレス)”で以下の測定を行った。これらの条件を適宜改変または組み合わせて利用することができる。
4)測定結果
(a)BSAの測定
(サンドイッチ測定)
結合活性の高いウサギ・ポリクローナル抗体とヒツジ・ポリクローナル抗体を用いてのサンドイッチ測定(図1右)を検討した。粒子表面にウサギ・抗BSA抗体を結合させた後、種々の濃度のBSA溶液を加えて反応させた。次にFITC標識ヒツジ・抗BSA抗体を加え反応させた後、測定した。図8・表1(実施例7を参照)に代表的な結果と測定値を示した。50ng/mlから5pg/mlの範囲で定量的測定ができた。また各濃度の測定値(n=3)の変動係数(%CV)は1.5〜5.5%であった。抗原蛋白質の高感度かつ測定域広いサンドイッチ測定に成功した。また本結果以外にBSA濃度が200ng/mlから2fg/mlの範囲で定量的測定ができたことが確認されている(例えば、図10)。またBSA濃度がfg/ml台においても濃度と蛍光の相関を認める結果もあったが再現性の観点からさらなる検討が必要であると判断できることが確認されている。また測定過程において攪拌装置やインキュベーター装置の違いにより同濃度でも蛍光強度に違いが生じるなど、測定時の注意点なども確認されている。
(b)抗BSA抗体の測定(サンドイッチ測定)
抗体を測定する系を検討した。粒子表面にBSAを結合させた後、種々の濃度のウサギ・抗BSA抗体溶液を加えて反応させた。次にPE標識抗ウサギ抗体を加え反応させた後、測定することができる。図8に代表的な結果を示したことが確認されている。200ng/mlから5pg/mlの範囲で定量的測定ができた。抗体蛋白質の高感度かつ測定域の広いサンドイッチ測定法の確立に成功したことが確認されている。
(c)ビオチン化蛋白の測定(サンドイッチ測定)
ビオチン化蛋白を測定する系を確立した。粒子表面にウサギ・抗BSA抗体を結合させた後、種々の濃度のビオチン標識抗ウサギ抗体溶液を加えて反応させた。次にPE標識アビジンを加え反応させた後、測定した。20ng/mlから2pg/mlの範囲で定量的測定ができた。ビオチン化蛋白の抗原抗体反応とアビジンビオチン結合の両方を用いた高感度かつ測定域の広い測定系の確立に成功した。以上の測定結果は全て“洗浄なし”で得られたものである。洗浄ありと比較して測定時間や労力を大幅に軽減することができた。将来的に自動化が可能なアッセイシステムになると考えられる。
本発明は、好ましい実施形態において、A)高感度化、B)測定範囲の拡大なども行うことができる。
A)高感度化:
1)抗体の結合法:抗体により適切な結合法は異なる。既に確立した方法を基本に検討を進めることができる。測定サンプルを蛍光標識し、一次抗体の結合と抗体活性、ならびにブロッキングの効果を評価することができる(一次評価(二段階アッセイ)、図1左)。pg/ml以下の検出が可能なものについて研究を進めることができる。
2)抗体の親和性:購入する抗体の特性による。上記の一次評価を行うことにより効率の良い検討が可能である。
3)ブロッキング方法:非特異結合を抑制し、測定時のバックグラウンドの低下に重要である。試薬の検索研究を行うことができる。一次評価で効率よく検討を進めることができる。
B)測定域の拡大:
1)粒子サイズ:本発明では、約5μmの粒子が例示されるがこれ以外の粒子も使用することができる。ビーズアレイにおける有機シリカ粒子の至適サイズを検討することができる。
2)反応条件:反応時間・温度・攪拌などの条件を検討することができる。
3)その他:抗体濃度の検討等は通常のELISAと同様と考えられ、当業者は適宜設計することができる。プレート上での反応と液中のビーズ上での反応系は異なった反応速度を示した場合は、適宜調整することができる。
本発明において、一段階検出においてpg/mlオーダーの検出が得られている。上記のポイントにおいて至適条件を検討することにより、目標を達成できる可能は高い。研究成果をふまえてサイトカイン、CRPなど生物医学的に重要な分子のビーズアレイを作製することができる。
本発明では、有機シリカ粒子を用いて製品化されたビーズアレイと同等の、数pg/ml から数百ng/mlの範囲の定量的測定を行うことができることが実証される。またBSA 抗原蛋白の測定のほか、加えて抗体、ビオチン化蛋白の高感度かつ範囲の広い測定も行いうることが実証されている。本発明において有機シリカ粒子を用いたビーズアッセイの性能が商品化されているビーズと同等であることが確認されている。本発明では実施例において例示されているように、BSAを中心とした反応系にて検討を進めることができているがこれに限定されない。
本発明では、得られた研究成果は有機シリカ粒子上において抗原抗体反応によるサンドイッチ測定が可能であることを示しており、ビーズアッセイ用粒子としての展開が確実となった。本発明はまた、マルチプレックスアッセイに向けた粒子の多重蛍光化を行うことができる。さらに多重蛍光化を行った粒子においてもサンドイッチ測定にも応用しうる。
(参照文献)
以下に、本発明の実施において参酌しうる文献を列挙する。
本明細書において用いられる分子生物学的手法、生化学的手法、微生物学的手法は、当該分野において周知であり慣用されるものであり、例えば、Current protocols in immunology (John Wiley & Sons, Inc)、Current protocols in Cytometry (John Wiley & Sons, Inc)、Current protocols in Protein science (John Wiley & Sons, Inc)、Current protocols in Molecular biology (John Wiley & Sons, Inc)、Current protocols in nucleic acid chemistry (John Wiley & Sons, Inc), Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press)などに記載されており、これらは本明細書において関連する部分(全部であり得る)が参考として援用される。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下に実施例を提供する。この実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供されるものではない。
(実施例1:粒子の製造例)
(製造例A)
95%メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)100μlに、イソプロパノール溶液700μl、および28重量%アンモニア水溶液300μlを添加混合し、100℃で3時間、反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄する。洗浄は遠心にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察したところ、例えば、平均粒径約3500nm、サイズ制御率約17%であり、良好なサイズ制御下での粒子の作製が確認される。
(製造例B)
80% メルカプトプロピルトリメトエトキシシラン(MPES)20μlに、イソプロパノール溶液490μl、および28重量%アンモニア水溶液490μlを添加混合し、99℃で3時間、反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄する。洗浄は遠心にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察したところ、例えば、平均粒径約900nm、サイズ制御率約23%であり、良好なサイズ制御下での粒子の作製が確認される。
(実施例2:粒子の細孔容量の測定例)
実施例1の製造例Bにて製造した粒子をベックマン・コールターの比表面積細孔分布測定装置SA3100にてガス吸着法を用いて測定した。比表面積は4.816m/cm、全細孔容量は0.0159cm/gであった。
(実施例3:粒子表面への捕捉剤の結合)
(実施例3−1)
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子2mgに0.5M 4−マレイミド酪酸 N−スクシンイミジルエステルを20μlを加えて25℃にて2時間反応を行った。遠心分離による洗浄を行い、未反応の0.5M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを除去した。本粒子は表面にN−スクシンイミジルエステルを有する粒子となった。ウサギ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bエチル)100μgと25℃にて3時間、反応させた。遠心分離による洗浄を行い、未反応の抗体の除去を行った。なおこの操作では、操作によっては、細孔容量は実質的に変動しないものと思われる。
(実施例3−2)
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子2mgに0.5M 4−マレイミド酪酸 N−スクシンイミジルエステルを20μlを加えて25℃にて2時間反応を行った。遠心分離による洗浄を行い、未反応の0.5M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを除去した。ヒツジ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl)100μgと25℃にて3時間、反応させた。遠心分離による洗浄を行い、未反応の抗体の除去を行った。なおこの操作では、操作によっては、細孔容量は実質的に変動しない。
(実施例3−3)
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子2mgに0.5M 4−マレイミド酪酸 N−スクシンイミジルエステルを20μlを加えて25℃にて2時間反応を行った。遠心分離による洗浄を行い、未反応の0.5M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを除去した。ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma)100μgと25℃にて4時間、反応させた。遠心分離による洗浄を行い、未反応のBSAの除去を行った。なおこの操作では、操作によっては、細孔容量は実質的に変動しない。
(実施例3−4)
メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPES)で製造したチオール有機シリカ粒子 2mg にNetravidinを2mg に2.5 mg/ml マレイミド活性化ニュトラビジン(Maleimide Activated NeutrAvidin;Pierce社) を760μlを加えて25度にて2時間反応を行った。遠心分離洗浄を行い、未反応のMaleimide Activated NeutrAvidinを除去した。なおこの操作では、操作によっては、細孔容量は実質的に変動しない。
(実施例3−5:粒子表面に捕捉剤を結合する実験例)
粒子表面に捕捉剤を結合する実験方法例としては以下を行った。
(1)有機シリカ粒子(平均粒径3,500nm)の乾燥重量を測定する。41.91mgであった。有機シリカ粒子を粒子の比重 2.3g/mlとし、8.12×10個の粒子が存在している。蒸留水に分散させた。
(2)(1)の後、次にリンカー付与剤(マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル)を結合させた。
(3)次に捕捉剤(抗体、抗CD20抗体(リッキサン))を結合させ、粒子を洗浄した後、乾燥し重量を測定した。(3)と(1)との重量差が捕捉剤(抗体)結合量となるところ、これを測定したところ、0.23mgの増加があった。抗体の分子量150kDaとして計算した場合、粒子1 mgあたり7.43x1012個の抗体分子、一粒子あたり3.83x10個の抗体分子が結合したことになる。1平方nmあたり0.010個の抗体(約100平方nmあたりに一個の抗体)の結合を認めた。
(4)次にブロッキング剤を結合させ、乾燥し重量を測定した。(3)との重量差がブロッキング剤結合量となるところ、2.7mgの増加があった(粒子1mgあたり0.064mgの結合)。洗浄操作を行った場合、重量差は0.12mgの増加となり粒子1mgあたり0.003mgの結合しか認められなかった。ブロッキング剤は粒子や抗体蛋白との結合は緩やかであり、この緩やかな結合も無洗浄とブロッキング効果に働いていると考えられる。
また、リンカー付与剤を使用せず吸着による粒子への蛋白質の結合量を測定すると、0.35 mgの増加があり、抗CD20抗体(リッキサン)では粒子1 mgあたり2.58x1013個の抗体分子、一粒子あたり1.33x10個の抗体分子、粒子表面積1平方nmあたり0.035個の抗体(約28.6平方nmあたりに一個の抗体)の結合を認めた。
BSA(分子量66kDa)にてリンカーを使用せず吸着による粒子への蛋白質の結合量を測定すると、粒子1 mgあたり3.77x1014個の蛋白質分子、、一粒子あたり1.95x10個のBSA分子の結合、粒子表面積1平方nmあたり0.506個のBSA(約2平方nmあたりに一個のBSA)の結合を認めた。
リンカーの有無に関わらず大量の捕捉剤を粒子の表面に結合することができた。捕捉剤の表面電位、表面の官能基、二次構造、三次構造、などの特性や、粒子に結合する方法により捕捉剤の結合活性が変化することが知られている。本実施例の結果から、有機シリカ粒子と捕捉剤の結合においては吸着、リンカーによる結合など必要に応じて変更することができることが理解される。
(実施例4:ブロッキング試薬の検討とブロッキングインデックス(A):
実施例4では、ブロッキング試薬の検討とブロッキングインデックスの測定を行った。
この実施例では、スキムミルク、ゼラチン、市販のブロッキング試薬を用いて検討を行った。一次評価系(図1左)を用いた比較実験を行った。
実施例1で調製した2mg/mlのチオール有機シリカ粒子5μlに種々の希釈を行った各種ブロッキング剤(4.0%ブロックエース、5%スキムミルク・リン酸緩衝液(PBS)、2.5%ゼラチン・リン酸緩衝液)5μlを加え、良く撹拌した後、FITC標識BSAと30分反応させた後、PBS 300μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定し、粒子に結合したFITC標識BSAの蛍光を測定し、以下の方法でブロッキングインデックス(Blocking Index:BI)を算出した。
ブロッキングインデックス(Blocking Index:BI)=
((ブロッキング処理なし粒子蛍光)−(ブロッキング処理あり粒子蛍光))
/(ブロッキング処理なし粒子蛍光)×100(%)。
(結果)
以下の表に、蛍光強度およびブロッキングインデックスの結果を示す。
以上の表に記載されるように、最終濃度0.125%〜2.0%のブロックエース、0.313%〜2.5%スキムミルクを含むリン酸緩衝液にてBIが99%以上、0.15%〜1.25%ゼラチンを含むリン酸緩衝液にてBIが95%以上であった。
(比較例1:ブロッキング試薬の検討とブロッキングインデックス(B):(比較例))
実施例1で製造した2mg/mlのチオール有機シリカ粒子5μlに各種ブロッキング剤(0.16%ブロックエース・リン酸緩衝液、0.2%スキムミルク・リン酸緩衝液)5μlを加え、良く撹拌した後、PBS 300μlを加え希釈を行った。50μg/ml FITC標識ヒツジ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl)、30μlと30分反応させた後、フローサイトメトリーで粒子のFITC蛍光を測定し、ブロッキングインデックス(Blocking Index:BI)を算出した。
(結果)
以下の表に、蛍光強度およびブロッキングインデックスの結果を示す。
同様にBio−radのBio−Plex COOHビーズ表面にウサギ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl)を結合させた。方法はBio−rad社のプロトコールに従いBio−Plexアミンカップリングキット、ProteOnアミンカップリングキットを使用し行った。
ウサギ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体を表面に結合したBio−Plex COOHビーズ(約1.25×10個)5μlに対して4%ブロックエース1μlを加え、良く撹拌した後、PBS 300μlを加え希釈を行った。50μg/ml FITC標識ヒツジ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl),30μlと30分反応させた後、フローサイトメトリーで粒子のFITC蛍光を測定し、ブロッキングインデックス (Blocking Index:BI)を算出した。
(結果)
以下の表に、蛍光強度およびブロッキングインデックスの結果を示す。
また3回遠心洗浄を行った後の蛍光強度は833であり、BIは50.3%であった。
以上の表の結果にあるように、チオール有機シリカ粒子はブロッキング効率が高く、Bio−Plex COOHビーズと比較しBIに大きな差が認められた。
(実施例5:(a)ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価(二段階アッセイ):抗体の結合活性の比較)
本実施例では、ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価(二段階アッセイ)を行い、抗体の結合活性の比較を行った。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子表面に以下の抗BSA抗体を結合させた。
ポリクローナル抗体
・ウサギ (Bethyl,A10−127A)
・ヒツジ (Bethyl,A10−113A)
・ウサギ (INTER−CELL AG7140)
マウス・モノクローナル抗体
・25G7抗体(AbbiotecTM250417)
結合方法は以下のとおりである。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子2mgに0.5M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを20μlを加えて25℃にて2時間反応を行った。遠心分離による洗浄を行い、未反応の0.5M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを除去した。上記抗体100μgと25℃にて3時間、反応させた。遠心分離による洗浄を行い、未反応の抗体の除去を行った。
実施例1において製造したチオール有機シリカ粒子に抗BSA抗体を結合させた、抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を 5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(2.6ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識BSA50μlを加えて1時間後、フローサイトメトリーにて測定した。
結果を図4に示す。
図4に測定結果を示したとおり、抗体とBSAとの結合活性が評価できた。マウス・モノクローナル抗体(25G7抗体(AbbiotecTM))(●印)では100ng/mlから10ng/mlまでしか測定できないのに対してウサギ・ポリクローナル抗体(Bethyld)(×印)では100ng/mlから2.5pg/mlまで幅広く定量的測定が可能であった。一次評価によりサンドイッチ測定に適した結合活性の高い抗体の選択が可能であった。また本評価は様々な抗原抗体反応の簡単な評価方法として応用可能であると考えられる。BSAが結合した粒子の模式図を、図5に示す。
(実施例6:(b)ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価:反応時間の検討)
本実施例では、ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価を行った。本実施例では、反応時間を検討した。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にヒツジ抗BSA抗体を結合させた、ヒツジ抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(2.6ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識BSA50μlを加えて0.5、1、2時間後、PBS200μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定した。
図6に測定結果を示したとおり、時間依存的に各濃度の蛍光強度の増加が認められた。測定範囲の変化は認められず、短時間測定の可能性を見出すことができた。
また、フローサイトメトリーで測定前に反応液の希釈(20倍から50倍、あるいはそれ以上またはそれ以下)を行うことにより装置が要求する測定に必要な容量を確保できるのみではなく、希釈によりバックグラウンドを低下させる効果も期待できる。
(実施例6:(c) ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価: 反応温度の検討)
本実施例では、ウシ血清アルブミン(BSA)測定の一次評価を行った。本実施例では、反応温度を検討した。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にヒツジ抗BSA抗体を結合させた、ヒツジ抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(2.6ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識BSA300μlを加えて25℃または37℃で1時間後反応後、フローサイトメトリーで測定した。
結果を図7に示す。
図7に示すように、各濃度において37℃で反応した方が全般的に蛍光強度が高く、濃度依存性も良好であった。
(実施例7:a)BSAの測定(サンドイッチ測定))
本実施例では、サンドイッチアッセイでの測定を実施した。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にウサギ抗BSA抗体を結合させたウサギ抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(5pg/ml〜50ng/ml)のBSA・PBS溶液300μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに50μg/ml FITC標識ヒツジ抗BSA抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
図8および表1に結果を示す。
図8および表1に示すように、50ng/mlから5pg/mlの範囲で定量的測定ができた。また各濃度の測定値(n=3)の変動係数(%CV)は1.5〜5.5%であった。抗原蛋白質の高感度かつ測定域広いサンドイッチ測定に成功した。図9に、本実施例のサンドイッチアッセイ(三段階アッセイ)の模式図を示す。
(実施例8:b) 抗BSA抗体の測定(サンドイッチ測定))
本実施例では、サンドイッチアッセイでの測定の別の例を実施した。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にBSAを結合させたBSA結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(2pg/ml〜200ng/ml)のウサギ抗BSA抗体・PBS溶液300μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに4μg/ml R−フィコエリトリン(PE)標識抗ウサギIgG抗体・PBS溶液30μlを加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
図10に結果を示す。
図10に示すように、200ng/mlから2pg/mlの範囲で定量的測定ができた。抗体蛋白質の高感度かつ測定域の広い測定が可能であった。
(実施例9:c) ビオチン化蛋白の測定(サンドイッチ測定))
本実施例では、サンドイッチアッセイでの測定の別の例を実施した。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にウサギ抗BSA抗体を結合させたウサギ抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(2pg/ml〜20ng/ml)のビオチン標識ウサギIgG抗体・PBS溶液300μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに10μg/ml R−フィコエリトリン(PE)標識ストレプトアビジン30μlを加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図11に示す。
図11に示すように、20ng/mlから2pg/mlの範囲で定量的測定ができた。図12に、本実施例のサンドイッチアッセイの模式図を示す。
図12AはBD FACSCaliburTM フローサイトメーターでの測定所見である。測定条件は以下の通りである。
使用したサイトメーターのタイプは、FACSCaliburである。検出器・増幅器等の詳細なパラメータについては、以下の表のとおりである(数値等は、FACSCaliburにおいて表示される数値である。)。
また、Eventは5000とした。他の測定においてとも同様の条件で測定を行った。蛍光(FL1, FL2等)のVoltage は通常、最大(999)とし、必要に応じて調整を行った。
(尚、各検出波長は以下である。
SSC: 488±10 nm
FL: 530/±30 nm
FL2: 585±42 nm
FL3: 670 nm LP
FL4: 661±16 nm
)
結果を図12Aに示す。ビーズアッセイのSSCおよびFL2のプロファイルをそれぞれ(A)および(C)に示す。(A)にて粒子散乱光をR8にて領域指定した。領域R8のゲートをかけたSSCおよびFL2をそれぞれ図(B)および(D)に示す。(各プファイルのX軸は散乱光(SSC-H)、蛍光(FL2-H)の強度であり、Y軸は各強度における粒子の計数値(counts)を示している。(D)プロファイルにおいての粒子蛍光の幾何平均(Geometric mean;GeoMean)は1938.97であり、この値をPEで標識したストレプトアビジンの結合した粒子蛍光の値とした。
ゲートはSSC、FSC、粒子蛍光、蛍光寿命、粒子体積、細胞体積のいずれか、またはそれらの組み合わせ、を用いて設定する事も可能である。ゲートの範囲も調整が可能であり、特定のサイズや蛍光特性を持つ粒子を特異的に狭い範囲のゲートを指定することによって解析する事も可能である。使用する薬剤や粒子の性状、装置特性において使い分けすることができる。
蛍光値の定義は平均蛍光強度(MFI)、メジアン、中央値、ピーク、ピークチャネル、蛍光寿命、等の数値を用いることができ、測定項目や粒子の性状、装置特性において使い分けすることができる。
(実施例10:ニュートラ・アビジンに結合するビオチン標識抗体の定量)
本実施例では、ニュートラ・アビジンに結合するビオチン標識抗体の定量を行った。
メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPES)で製造したチオール有機シリカ粒子にニュートラ・アビジン(Pierce社)を結合させたニュートラ・アビジン結合チオール有機シリカ粒子5μlに5% BSA・PBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(1pg/ml〜100ng/ml)のビオチン標識抗ウサギIgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに0.5μg/ml FITC標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液50μlを加えて3.5時間反応させた後、洗浄を行わずに、PBS290μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定を行った。
図13に結果を示す。
図13に示すように、100ng/mlから1pg/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例11:抗GST抗体の吸着結合量の定量)
本実施例では、抗GST抗体の吸着結合量の定量を行った。
粒子表面に種々の濃度(3pg/ml〜10ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体を吸着反応にて結合させたチオール有機シリカ粒子5μlに5%BSA・PBS溶液を173μlを加え、良く撹拌した後、1μg/ml FITC標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液2μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄を行わずにPBS 200μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図14に示す。
図14に示すように、10ng/mlから3pg/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例12:洗浄のあるなしでの比較)
本実施例では、洗浄あるなし(ウォッシュありとウォッシュレス)でのアッセイの比較を行った。
(A)ウォッシュレス:実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にウサギ抗BSA抗体を結合させたウサギ抗BSA抗体結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(5pg/ml〜50ng/ml)のBSA・PBS溶液300μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに50μg/ml FITC標識ヒツジ抗BSA抗体・PBS溶液30μlを加えて37℃、1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
(B) Washl(+)Rabbit抗BSA抗体を結合させたチオール有機シリカ粒子5μlに0.8%BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(5pg/ml〜50ng/ml)のBSA・PBS溶液300μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、遠心(500×g,10分)を行い、上清を除去し、PBSを加えて分散させた後、再び遠心(500×g,10分)を行い、上清を除去した。粒子を300μlのPBSに分散した後、50μg/ml FITC標識ヒツジ抗BSA抗体・PBS溶液30μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、遠心分離(500×g,10分)を行い、上清を除去し、PBSを加えて分散させた後、再び遠心分離(500×g,10分)を行い、上清を除去した。粒子を300μlのPBSに分散した後、フローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図15に示す。
図15に示す通り、洗浄なしにおいても洗浄あり同様に高感度、広範囲の測定が可能であった。
(実施例13:Bio−Plexを用いたアッセイにおける洗浄の必要性について)
(A)ウォッシュレス:ウサギ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体を表面に結合したBio−Plex COOHビーズ(約1.25x10個)5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(5pg/ml〜50ng/ml)のBSA・PBS溶液300μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに50μg/ml FITC標識ヒツジ抗BSA抗体・PBS溶液30μlを加えて37℃、1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
(B) Washl(+):ウサギ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体を表面に結合したBio−Plex COOHビーズ(約1.25×10個)5μlに0.8%BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(5pg/ml〜50ng/ml)のBSA・PBS溶液300μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、遠心(500×g,10分)を行い、上清を除去し、PBSを加えて分散させた後、再び遠心(500×g,10分)を行い、上清を除去した。粒子を300μlのPBSに分散した後、50μg/ml FITC標識ヒツジ抗BSA抗体・PBS溶液30μlを加えて37℃、1時間反応させた。その後、遠心分離(500×g,10分)を行い、上清を除去し、PBSを加えて分散させた後、再び遠心分離(500×g,10分)を行い、上清を除去した。粒子を300μlのPBSに分散した後、フローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図16に示す。
図16に示す通り、洗浄なしにおいてはBSAの濃度依存性は認められなかったが、洗浄ありにおいては500pg/mlから500ng/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例14:4段階反応について)
本実施例では、4段階反応として、抗原抗体反応、アビジンビオチン結合を利用した測定を行った。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にBSAを結合させたBSA結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(0.09ng/ml〜200ng/ml)のSheep抗BSA抗体50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに1.0μg/mlビオチン標識抗Goat IgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに2.0μg/ml FITC標識抗Avidin・PBS溶液50μl)を加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずに、PBS 300μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図17に示す。
図17に示すように、200ng/mlから274pg/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例15:多段階抗原抗体反応合を利用した測定)
本実施例では、多段階抗原抗体反応合を利用した測定を行った。
ヒツジ抗BSA抗体を結合させたチオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(20pg/ml〜200 ng/ml)のBSA・PBS溶液 300μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに1μg/mlウサギ抗BSA抗体・PBS溶液30μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに4μg/ml R−フィコエリトリン(PE)標識抗ウサギIgG抗体30μlを加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図18に示す。
図18に示すように、20ng/ml〜2pg/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例16:抗原抗体反応、アビジンビオチン結合を利用した測定)
本実施例では、抗原抗体反応、アビジンビオチン結合を利用した測定を行った。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子にBSAを結合させたBSA結合チオール有機シリカ粒子5μlに0.8% BlockAceのPBS溶液を5μlを加え、良く撹拌した後、種々の濃度(1ng/ml〜1000ng/ml)のSheep抗BSA抗体300μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに10μg/mlビオチン標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液30μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに50μg/mlR−フィコエリトリン(PE)標識抗アビジン・PBS溶液30μlを加えて1時間反応させた後、洗浄を行わずに、PBS 200μlを加え撹拌後、フローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図19に示す。
図19に示すように、100ng/ml〜1ng/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例17:粒子の細孔容量およびブロッキングインデックスとウォッシュレスとの関係の検討)
有機シリカ粒子: 細孔容量(実測値)とブロッキングインデックス(実測値)と、市販品: 細孔容量(文献値)とブロッキングインデックス(実測値)およびその他:Sephadexビーズ(例えば、0.7−0.9cm/g細孔容量でフローサイトメトリーに使用できるサイズのもの)などとを比較する実験を行う。
(実施例18:一粒子に結合する捕捉剤(例えば、抗体等)重量の決定および抗体を結合した一粒子に結合するブロッキング剤の重量の決定)
実施例1等で合成した、MPSより合成した粒子(直径3,500nm,重量41.91mg(1mg中1.94×10個の粒子があると算定できる))に抗体(リッキサン)をリンカーを用いて結合させた後、乾燥し、重量を測定すると42.14mgであり0.23mgの増加が確認できた。抗体の分子量を150kDaとして計算を行うと一個の粒子につき2.8×10−10mg、3.83×10〜5個の抗体分子が結合していることが解った。次にブロックング剤(0.8%ブロックエース)と混合し、遠心後、上清を捨て、重量を測定2.70mgの増加が認められた。一個の粒子につき3.3×10−9mgのブロッキング剤が結合していることが解った。
(実施例19:各種ブロッキング剤を用いたウォッシュレス効果の比較)
スキムミルク、アルブミン、血清、界面活性剤、各種合成ブロッキング剤を用いてウォッシュレス効果を比較することができる。
(実施例20;粒子表面への捕捉剤の結合: 各種リンカーで結合させた例)
本実施例では、粒子表面への捕捉剤の結合: 各種リンカーで結合させた例を示す。
例えば、マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル、表面にチオール基を持つ有機シリカ粒子の表面をさらに加工してアミノ基、カルボキシ基に返還した後、リンカーで結合させたものを利用することができる。
(実施例21:粒子の自家蛍光を利用した測定および解析について)
本実施例では、粒子の自家蛍光を利用した測定および解析の解析を行う。自家蛍光がアッセイにおいて良い効果をもたらす可能性を実証する。ここでは、前もって蛍光色素を含有させ、自家蛍光を高めた粒子によるアッセイの改良の可能性を示すことができる。
(実施例22:ニュートラアビジン結合粒子の作製)
ここでは、実施例1で合成したように、(MPESより合成した)チオール有機シリカ粒子2mgに2.5mg/mlマレイミド活性化ニュトラビジン(Pierce社)を760μlを加えて25度にて2時間反応を行った。遠心洗浄を行い、未反応のマレイミド活性化ニュトラビジンを除去した。
本実施例でニュトラビジンを結合させたチオール有機シリカ粒子は全てメルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPES)で合成した粒子である。その他で実施例で使用した粒子は、特に指定のない限りメルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)を用いているが、その他の粒子もまた利用されうることが理解される。
(実施例23:粒子と捕捉剤の結合が吸着である多段階アッセイ)
(三段階)
粒子表面に種々の濃度(78ng/ml〜5000ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体を吸着反応にて結合させたチオール有機シリカ粒子5μlに5%BSA・PBS溶液を173μlを加え、良く撹拌した後、20μg/mlビオチン標識抗Goat IgG抗体・PBS溶液5μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄操作を行わずに100μg/ml R−フィコエリトリン(PE)標識抗アビジン・PBS溶液5μlを加えて1時間反応させた後、蒸留水500μlを加えた後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図21に示す。
図21に示すように、5000ng/mlから78pg/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例24::ウォッシュレス一段階測定)
本実施例では、ウォッシュレスの一段階の測定を行った。
ブロッキング処理等行っていないBio−radのBio−Plex COOHビーズ(0.8×10/ml)10μl(図22、A)(■印)、またはチオール有機シリカ粒子5μl(図23、B)に対して種々の濃度(8ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識ウシ血清アルブミン(BSA)10μlを加えて室温で約3分間反応後、PBS300μlを加えてよく撹拌後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定した。
結果を図22および23に示す。
一段階アッセイではウォッシュレスでの定量的評価がBio−radのBio−Plex COOHビーズとチオール有機シリカ粒子、共に可能であった。Bio−radのBio−Plex COOHビーズでは5000ng/mlから40ng/ml、チオール有機シリカ粒子は5000ng/mlから8ng/mlの範囲で定量的測定ができた。同じ濃度においてチオール有機シリカ粒子の蛍光強度はBio−Plex COOHビーズより高かった。
両粒子共にウォッシュレスアッセイが可能である理由としては、一段階アッセイでは標識物質(FITC標識ウシ血清アルブミン)が粒子に結合しているものと粒子内に浸透しているものが同時に測定されている。粒子に浸透した標識物質は溶液濃度に依存するため粒子蛍光は濃度依存的となる。従って一段階ウォッシュレスアッセイは測定対象物の粒子との結合と、結合以外の影響(浸透など)を評価していることになる。
(実施例25:ブロッキングインデックス:Sephadex G−50)
Sephadex G−50(Sigma)(1mg/ml)5μl(フィルターを用いて40μm以上の粒子を除去したもの)、またはチオール有機シリカ粒子5μlに対してブロッキングインデックスの算定を行った。粒子に同量の0.8% BlockAceを加えた後、PBS 300μlにて希釈した。その後50μg/ml FITC標識ヒツジ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl),30μlと60分反応させた後、フローサイトメトリーで粒子のFITC蛍光を測定し、ブロッキング・インデックス(BI)を算出した。
(結果)
その結果は、
1) Sephadex G−50 =37%
2) チオール有機シリカ粒子=99%
であった。
(実施例26:Sephadex G−50を用いたアッセイ)
(一段階アッセイ)
ブロッキング処理等行っていないSephadex G−50(Sigma)(1mg/ml)10μl(■印)(フィルターを用いて40μm以上の粒子を除去したもの)、またはチオール有機シリカ粒子5μl(●印)に対して種々の濃度(8ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識ウシ血清アルブミン(BSA)10μlを加えて室温で約3分間反応後、PBS300μlを加えてよく撹拌後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定した。
結果を図24に示す。
図24に示すように、一段階アッセイではウォッシュレスでの定量的評価がSephadex G−50とチオール有機シリカ粒子、共に可能であった。FITC標識ウシ血清アルブミンが低濃度であってSephadex G−50は高い蛍光を示した。
両粒子共にウォッシュレスアッセイが可能である理由としては、一段階アッセイでは標識物質(FITC標識ウシ血清アルブミン)が粒子に結合しているものと粒子内に浸透しているものが同時に測定されている。粒子に浸透した標識物質は溶液濃度に依存するため粒子蛍光は濃度依存的となる。従って一段階ウォッシュレスアッセイは測定対象物の粒子との結合と、結合以外の影響(浸透など)を評価していることになる。
(二段階アッセイ)
Sephadex G−50 (Sigma)(1mg/ml)10μl(■印)(フィルターを用いて40μm以上の粒子を除去したもの)、またはチオール有機シリカ粒子5μl(●印)に種々の濃度(10pg/ml〜10ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体500μlを37℃、1時間撹拌し反応させ吸着にて結合させた。その後、洗浄操作を行わずに5%BSA・PBS溶液を5μlを加え、30分間撹拌しブロッキング処理をした。その後、洗浄操作を行わずに1μμg/ml FITC標識抗Goat IgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図25に示す。
図25に示すように、チオール有機シリカ粒子は10ng/mlから10pg/ml lの範囲で定量的測定ができた。しかし、Sephadex G−50は定量的測定は出来なかった。Sephadex G−50は膨潤定数が9〜11ml/g(細孔容量と相関すると考えられる)と高く、またブロッキングインデックスは37%と低く、標識蛋白が粒子内によく浸透することが考えられる。その結果として抗原抗体反応による粒子の蛍光上昇以上に浸透等による蛍光が高くなったことが考えられる。
二段階以上のウォッシュレスアッセイにおいては標識蛋白が粒子への浸透や非特異な吸着が抗原抗体反応の測定に大きく影響を与えてしまうことが示された。
(実施例27:シリカゲル)
シリカゲル(細孔容量 0.7−0.9ml/g)で上記と同様の実験を行う。Sephadex G−50の細孔容量は10ml/g程度ではないかと推測されるため、本発明の有効性が実証される。また多有機シリカ粒子は0.016 ml/g以下である。シリカゲル(細孔容量 0.7−0.9ml/g)にも実施例26と同様の実験を行い、Sephadex G−50と同じ評価を行う。ウォッシュレスアッセイの結果により1ml/g以下の細孔容量で使用可能であることが示される。
<ブロッキングインデックスの測定: Silica Gel (236756 SIGMA−ALDRICH)>
シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)(2mg/ml)5μlに対してブロッキング・インデックスの算定を行った。粒子に同量の0.8% BlockAceを加えた後、PBS 300μlにて希釈した。その後50μg/ml FITC標識ヒツジ抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体(Bethyl),、30μlと60分反応させた後、フローサイトメトリーで粒子のFITC蛍光を測定し、ブロッキング・インデックスを算出した。
シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)=50%、であった。
<一段階アッセイ:シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)>
ブロッキング処理等を行っていないシリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)(2mg/ml)10μlに対して種々の濃度(8ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識ウシ血清アルブミン(BSA)10μlを加えて室温で約3分間反応後、PBS300μlを加えてよく撹拌後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定した。
結果を図26に示す。
一段階アッセイではウォッシュレスでの定量的評価がシリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)にて可能であった。
<二段階アッセイ:シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)>
シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH)(2mg/ml)5μl(に種々の濃度(10pg/ml〜10ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体500μlを37℃、1時間撹拌し反応させ吸着にて結合させた。その後、洗浄操作を行わずに5%BSA・PBS溶液を5μlを加え、30分間撹拌しブロッキング処理をした。その後、洗浄操作を行わずに1μg/ml FITC標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。10ng/mlから1ng/mlの範囲で定量的測定ができたが、0.3ng/ml以下では濃度依存性は認められなかった。
結果を図27に示す。
シリカゲル(236756 SIGMA−ALDRICH) は粒子サイズが10.0〜14.0μmであり、細孔容量は0.7〜0.9ml/gである(Sigma社Webより)。ブロッキング・インデックスは50%と低く、二段階アッセイにおける定量的測定は限定的であった。本結果より細孔容量が大きく、ブロッキング・インデックスが低くともウォッシュレスアッセイは可能と考えられるが、細孔容量の小さく、ブロッキング・インデックスが高いものと比較して測定濃度範囲は限定的である。また細孔容量が大きく、ブロッキング・インデックス が低い粒子は粒子サイズ分布、個々の粒子の細孔容積の均一性が必要条件となると考えられる。これらの結果より細孔容量の小さい粒子がウォッシュレスアッセイ用担体として望ましい。
(実施例28:蛍光色素含有チオール有機シリカ粒子)
<色素含有チオール有機シリカ粒子の作製>
ローダミンレッド−C2−マレイミド(Invitrogen, R6029)5mgを50μlのDMSOにて溶解した。さらにメルカプトプロピルトリメトキシシラン(95%,Aldrich)を14.1μlとDMSO9.4μlを加えて室温にて2時間反応させ、色素有機シリカ共役体を作製した。その色素有機シリカ共役体をDMSOで10倍に希釈したもの1μlに、メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPES)を10μl、2−プロパノール245μl、および28重量%アンモニア水溶液245μlを添加混合し、100℃で3時間、反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄する。洗浄は遠心分離にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察したところ、例えば、平均粒径約810nm、サイズ制御率約16%であり、良好なサイズ制御下での粒子の作製が確認される。
<二段階アッセイ: 色素含有チオール有機シリカ粒子>
ローダミンレッド含有チオール有機シリカ粒子(1.2mg/ml)5μl種々の濃度(0.1ng/ml〜1,000ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体500μlを37℃、1時間撹拌し反応させ吸着にて結合させた。その後、洗浄操作を行わずに0.8% BlockAce溶液を50μlを加え、30分間撹拌しブロッキング処理をした。その後、洗浄操作を行わずに1μg/ml FITC標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図28に示す。図28に示すように、色素含有チオール有機シリカ粒子は0.1ng/mlから1,000ng/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例29:エポキシ有機シリカ粒子)
<エポキシ有機シリカ粒子の作製>
トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)(98% Aldrich)50.2μlに、蒸留水877.8μl、および28重量%アンモニア水溶液72μlを添加混合し、25℃で18時間、反応させる。次いで、反応終了液を、高速遠心機(10,000×g、5分間)にかけ、そのペレットを採取する。該ペレットは、70%エタノールと蒸留水とを交互に使用し洗浄する。洗浄は遠心にて、合計6回、繰り返し行う。採取したペレット(シリカ粒子)を超音波破砕機にて攪拌・分散の後、サンプリングして蛍光顕微鏡で観察したところ、例えば、平均粒径約4,150nm、サイズ制御率約27%であった。
<一段階アッセイ: エポキシ有機シリカ粒子>
ブロキング処理等行っていないエポキシ有機シリカ粒子(45mg/ml)5μlに対して種々の濃度(8ng/ml〜5000ng/ml)のFITC標識ウシ血清アルブミン(BSA)3μlを加えて室温で約3分間反応後、PBS300μlを加えてよく撹拌後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定した。
結果を図29に示す。
<二段階アッセイ: エポキシ有機シリカ粒子>
エポキシ有機シリカ粒子(45 mg/ml) 5μl種々の濃度(3ng/ml〜1,000ng/ml)のヒツジ・抗GST抗体500μlを37℃、1時間撹拌し反応させ吸着にて結合させた。その後、洗浄操作を行わずに0.8% BlockAce溶液を50μlを加え、30分間撹拌しブロッキング処理をした。その後、洗浄操作を行わずに1μg/ml FITC標識抗ヤギIgG抗体・PBS溶液50μlを加えて1時間反応させた。その後、洗浄を行わずにフローサイトメトリーで測定を行った。
結果を図30に示す。図30に示すように、エポキシ有機シリカ粒子は3ng/mlから1,000ng/mlの範囲で定量的測定ができた。
(実施例30:DNAアッセイ:DNAのウォッシュレス・ビーズアッセイ)
抗体とは異なり、粒子上でハイブリさせる、というよりハイブリさせたものを粒子に結合させる形となるため二段階アッセイ的な実験を行った。
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子100μlに3μg/ml PEコンジュゲートストレプトアビジン(eBioscience)/PBSを加えて室温にて2時間反応した後、洗浄し、100μlのPBSに分散させ、PEコンジュゲートストレプトアビジン結合有機シリカ粒子を作成した。
以下のオリゴヌクレオチドを用いた。
(A) Flu: 5末端にフルオレセインを結合したもの: フルオレセイン−GGCAGATCGCAGTCAGTCAC−3’(配列番号1)
(B) Bio: 5末端にビオチンを結合したもの: ビオチン−GTGACTGACTGACGATCTGCC−3’(配列番号2)
(C) Amine: 5末端にアミノ基を結合したもの: アミノ−GTGACTGACTGACGATCTGCC−3’(配列番号3)
をそれぞれの20μM水溶液を50μlにて等量を混合して混合液
(A)+(B)、(A)+(C)を作製した。そしてアニーリングを行った。(100℃で加熱後、段階的に室温まで冷却)
PEコンジュゲートストレプトアビジン結合有機シリカ粒子5μlに混合液(A)+(B)または(A)+(C)を5μlを加え、良く撹拌した。その後、室温にて5分反応させた後、300μlのPBSを加え後、洗浄を行わすにフローサイトメトリーで測定を行った。
(A)+(B)の蛍光(GeoMean)は341.85、(A)+(C)は173.37であった。
本結果よりオリゴヌクレオチド(A)は(B)とアニーリングし結合すると共に、(B)のビオチンにより粒子表面のストレプトアビジンと結合し、粒子の蛍光増加を認めた。(A)+(C)においても同様にアニーリングが行ったことが予測されるがビオチンが存在しないため、粒子と結合できず(A)+(B)のような蛍光の増加は認められなかった。
(実施例31:DNAのウォッシュレス・ビーズアッセイ II (粒子上ハイブリダイゼーション))
実施例1で製造したチオール有機シリカ粒子100μlに1M 4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル,20μlを加えて25度にて2時間反応を行った。遠心洗浄を行い、未反応の4−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステルを除去した。次に5末端にアミノ基を結合したオリゴヌクレオチド(アミノ−GTGACTGACTGACGATCTGCC−3’(配列番号3)),20μM,50μlを加え25度にて1.5時間反応を行った遠心洗浄を行い未反応のオリゴヌクレオチドを除去した。模式図を図31に示す。100μlの蒸留水に分散させ、オリゴヌクレオチド表面修飾粒子分散液とした。オリゴヌクレオチド表面修飾粒子分散液15μlに20μMの5末端にフルオレセインを結合したオリゴヌクレオチド(Flu−GGCAGATCGCAGTCAGTCAC−3’(配列番号2))、5μlを加え、100℃で加熱後、ゆっくり室温まで冷却し、アニーリングを行った。その後、洗浄操作を行わすに300μlの蒸留水を加えた後にフローサイトメトリーで測定を行った。コントロール実験として表面無修飾のチオール有機シリカ粒子に対しても同じ実験を行った。
オリゴヌクレオチド表面修飾粒子の蛍光(GeoMean)は1706.36、表面無修飾のチオール有機シリカ粒子は404.23であった。
本結果よりフルオレセインを結合したオリゴヌクレオチドと粒子表面上の相補的なオリゴヌクレオチドはアニーリングし、粒子の蛍光増加を認めた。コントロール実験においては粒子表面に相補的な配列を持ったオリゴヌクレオチドが存在しないため、粒子と結合できずオリゴヌクレオチド表面修飾粒子の様な蛍光の増加は認められなかった。
本実施例におけるアッセイの模式図を図32に示す。
以上のように、本発明の好ましい実施形態および実施例を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、従来達成し得なかった、洗浄工程不要のアッセイ、特にフローサイトメトリーによるアッセイを実現する。先行技術で製品化されたビーズアッセイ用粒子と同等の数pg/mlから数百ng/mlの範囲、10の濃度幅に及ぶ定量的測定を、ウォッシュレスで行うことができる。測定対象物は必要に応じて希釈や濃縮を行い、濃度の幅を広く測定する事が可能である。したがって、本発明ではバイオテクノロジー分野における利用可能性が期待される。研究用のアッセイシステムとしての企業化に加えて、臨床検査システムとしての研究開発にも利用されうる。
配列番号1は、実施例30および31で使用した5末端にフルオレセインを結合したオリゴヌクレオチドである。
配列番号2は、実施例30で使用した5末端にビオチンを結合したオリゴヌクレオチドである。
配列番号3は、実施例30および31で使用した5末端にアミノ基を結合したオリゴヌクレオチドである。

Claims (15)

  1. 二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、
    捕捉剤を結合する構造を有する粒子を含み、
    該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する
    担体。
  2. 前記細孔容量は、1.0cm/g以下である、請求項1に記載の担体。
  3. 前記担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効なブロッキングインデックス(BI)を有する、請求項1に記載の担体。
  4. 前記粒子はシリカ粒子である、請求項1に記載の担体。
  5. 前記粒子は有機シリカ粒子である、請求項1に記載の担体。
  6. 前記捕捉剤を結合する構造は、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基、チオシアネートプロピル基、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、およびイソシアネート基からなる群より選択される基を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の担体。
  7. 前記粒子は標識を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の担体。
  8. 請求項1に記載の担体と、リンカー付与剤、捕捉剤およびブロッキング剤のうちの少なくとも1つとを備える、二段階以上のウォッシュレスアッセイ用キット。
  9. 前記ブロッキング剤は、スキムミルク、アルブミン、血清、界面活性剤、合成ブロッキング剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項8に記載のキット。
  10. 前記粒子は有機シリカ粒子であり、前記リンカー付与剤は、一方にマレイミド基、N−スクシンイミドエステル基、イソシアネート基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、およびフェニルアジド基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、他方に、マレイミド基、N−スクシンイミドエステル基またはイソシアネート基、ヒドラジド基、カルボキシ基、ヨードアセチル基、スルホ−N−スクシンイミドエステル基、ピリジルジチオ基、フェニルアジド基、および任意に保護されたチオール基、アミノ基、カルボキシル基、より選択される少なくとも1つの官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含み、必要に応じて該官能基の間にスペーサーを含む、請求項8に記載のキット。
  11. 請求項1に記載の担体を用いる、二段階以上のウォッシュレスアッセイ。
  12. (A)請求項1に記載の担体に捕捉剤を直接または間接的に結合させた捕捉剤結合担体を提供する工程;
    (B)ブロッキング剤の存在下または不存在下で、該捕捉剤が特異的に結合する被験物質を含むか含むと思われる試料を該捕捉剤結合担体に接触させる工程;
    (C)該被験物質が標識されていない場合、該被験物質に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させるか、または該被験物質に特異的に結合する結合薬剤を接触させた後、さらに該結合薬剤に特異的に結合する標識薬剤をさらに接触させる工程;および
    (D)該捕捉剤結合担体に直接または間接的に結合した該標識を検出し、検出された標識を該試料中における該被験物質の量と判断する工程、
    を包含する、二段階以上のウォッシュレスアッセイ。
  13. 二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、
    1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と
    2)捕捉剤とを含み、
    該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、
    該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、
    担体。
  14. 前記捕捉剤は、タンパク質、ペプチド、アビジン、ストレプトアビジン、核酸、糖類、これらの改変体ならびにこれらの結合体からなる群より選択される、請求項12に記載の担体。
  15. 二段階以上のアッセイにおいてウォッシュレスを達成するための担体であって、
    1)捕捉剤を結合する構造を有する粒子と
    2)捕捉剤と
    3)ブロッキング部分と
    を含み、
    該捕捉剤と該粒子とは、直接会合もしくは結合するか、またはリンカーを介して結合し、
    該担体は、ウォッシュレスを実現するのに有効な細孔容量を有する、
    担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018119966A (ja) * 2016-03-10 2018-08-02 シスメックス株式会社 肝細胞がん患者の再発リスク予測を補助する方法、装置、コンピュータプログラム製品及びキット
CN112129946A (zh) * 2020-08-16 2020-12-25 陆修委 无糖链型惰性蛋白封闭剂的制备方法及应用
US11554372B1 (en) 2021-07-16 2023-01-17 Fitbit Llc Binding assay with no wash steps or moving parts using magnetic beads

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