JP2014147539A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】主糸調子器の付与張力の解除機構と副糸調子器の張力付与状態の切換機構を確実に独立して作動することができるミシンを提供する。
【解決手段】
縫製時、主糸調子器110は上糸に張力を付与し、副糸調子器130は上糸への張力付与を解除する。糸切り時、糸切り機構を駆動する糸切ソレノイドに接続するワイヤー195が掛け部168を引く。第一腕部160が支持軸152を支点に時計回りに回動し、第一カム面167で解除ピン120を押圧し、主糸調子器110による上糸への張力付与を解除する。連動して第二腕部170が支持軸153を支点に反時計回りに回動し、第二カム面177による切換ピン140の押圧を解除し、副糸調子器130による上糸への張力の付与を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、上糸に張力を付与する主糸調子器と副糸調子器を備えたミシンに関する。
ミシンは、頭部とベッド部とを備える。上下方向に移動する針棒は、頭部の内部に備える。針棒と協働して回転する釜は、ベッド部の内部に備える。針棒は、下端部に縫針を装着し、上糸を供給する。釜は、下糸を巻いたボビンを収容し、ボビンから下糸を供給し上糸と交絡して加工布に縫い目を形成する。上糸は、糸駒から供給し、頭部に設けられた副糸調子器、主糸調子器、糸取りバネ、糸案内、天秤、糸案内等を経由し、縫針の目孔に通す。主糸調子器は、縫製時に縫製に必要な張力を上糸に付与する。副糸調子器は、糸切り時に上糸の切断に必要な張力を付与する。主糸調子器は、糸切り時に上糸への張力の付与を解除する。
主糸調子器は、縫製時に上糸に付与する張力の大きさを加工布の種類に応じて調整する。縫製時に、主糸調子器が上糸に付与する張力の大きさは、副糸調子器が上糸に付与する張力よりも大きい。ミシンは、薄手の布等の縫製時、上糸に付与する張力を小さくする必要がある。主糸調子器が付与する張力の大きさに合わせて副糸調子器の調整を行うと、副糸調子器は糸切り時に上糸に適切な張力を付与できない可能性がある。故に、切断後の糸残り長さが不安定になる可能性がある。特許文献1に記載のミシンは、糸切り時に、主糸調子器が上糸に付与する張力を解除し、縫製時には付与解除状態であった副糸調子器を駆動し上糸へ張力を付与する状態に切り換える。故に、主糸調子器と副糸調子器が夫々縫製時と糸切り時に独立的に上糸に作用するので、縫製時と糸切り時の張力を適切に付与することができる。
特開平11−244565号公報
しかしながら、特許文献1のミシンは、主糸調子器による張力の付与を解除する機構と、副糸調子器による張力付与状態を切換える機構とが夫々独立した機構であり、異なる駆動源によって動作する。ミシンは、主糸調子器の作動と副糸調子器の作動の同期を電気的な制御で行う。故に、何れかの駆動源が故障し同期ずれを生ずると、ミシンは上糸に適切な張力がかかっていない状態で糸切りの動作を行う可能性がある。上糸は切断されずに残り、糸切り装置に絡んでしまう可能性があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、主糸調子器の付与張力の解除機構と副糸調子器の張力付与状態の切換機構を確実に独立して作動することができるミシンを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係るミシンによれば、上糸を挿通し主軸の回転により上下動する縫針と、前記縫針の上下動と連動して上下動する天秤と、前記天秤よりも上糸の供給経路の上流側に位置し、上糸に張力を付与可能な糸調子機構とを備えたミシンにおいて、前記糸調子機構は、第一糸調子器と、前記第一糸調子器よりも上糸の供給経路の上流側に位置する第二糸調子器と、前記第一糸調子器が上糸に付与する張力を解除する解除機構と、前記第二糸調子器が上糸に付与する張力を解除した状態から付与可能な状態に切り換える切換機構と、前記解除機構と前記切換機構とを同期して駆動する駆動機構とを備えるミシンが提供される。
第1態様では、縫製時に、第一糸調子器は上糸に張力を付与し、第二糸調子器は上糸に付与する張力を解除する。上糸は、第一糸調子器から適切な張力を得て、下糸と共に縫い目を形成できる。糸切り時に、駆動機構は、解除機構及び切換機構を同期して駆動する。第一糸調子器は上糸に付与する張力を解除し、第二糸調子器は上糸に張力を付与する。これにより、ミシンは、第二糸調子器からの適切な張力によって上糸を切断できる。駆動機構は機械的に解除機構及び切換機構を駆動する。よって解除機構及び切換機構は同期ずれすることなく確実に動作できる。
第1態様に係るミシンは、上糸を切断する糸切り機構と、前記糸切り機構を駆動するための動力を付与する動力源と、前記駆動機構に動力を伝達する伝達部材とを備え、前記伝達部材は、前記動力源に接続してもよい。ミシンは、糸切り時に、動力源を介して糸切り機構の駆動と、駆動機構による解除機構及び切換機構の作動とを連動して行うことができる。
第1態様に係るミシンの前記駆動機構は、一端部が前記切換機構よりも前記解除機構に近い位置でミシンフレームに回動可能に支持され、且つ前記一端部に、前記解除機構が摺動する第一カム面を有する第一腕部と、一端部が前記解除機構よりも前記切換機構に近い位置で前記ミシンフレームに回動可能に支持され、且つ前記一端部に、前記切換機構が摺動する第二カム面を有する第二腕部と、前記第一腕部の他端部と前記第二腕部の他端部との夫々を回動可能に支持する支持部と、前記前記第一腕部の前記他端部側で、前記支持部よりも前記一端部側の位置に設けられ、前記伝達部材に接続する接続部とを備えてもよい。この場合に、前記動力源は、前記伝達部材を介して前記支持部の位置を移動することで前記第一腕部と前記第二腕部とを夫々回動し、前記第一カム面及び前記第二カム面に夫々摺動する前記解除機構及び前記切換機構を駆動してもよい。
駆動機構を1つの動力源から伝達される動力で駆動することで、ミシンは本願構成を安価にできる。ミシンは、駆動機構を1つの動力源で駆動するので同期のタイミングにズレが無く、上糸に対する縫製時の張力の解除と切断時の張力の付与とを精度よく行うことができる。駆動機構は、第一腕部及び第二腕部が支持部に支持され連動して回動するので、解除機構及び切換機構への動力の伝達を確実に同期して行うことができる。ミシンは、第一カム面による解除機構の摺動と、第二カム面による切換機構の摺動とを同期して行う。故に、ミシンは第一糸調子器による張力の付与を解除した状態と、第二糸調子器による張力の付与を解除した状態とを一時的に同時に生じさせることができる。ミシンは、糸切り時に、上糸に残る縫製時の張力を低減してから、上糸に糸切り時の張力を付与できる。故に、ミシンは上糸を伸び過ぎた状態で切断して上糸の縫針への糸残り長さのばらつきを抑制できる。
第1態様に係るミシンにおいて、前記第一カム面及び前記第二カム面は、前記動力源の駆動時に、前記第二カム面への前記切換機構の摺動よりも、前記第一カム面への前記解除機構の摺動が先となるカム面を夫々有してもよい。ミシンは上糸に、両方の糸調子器からの張力がかかっていない状態、或いは張力が小さくなった状態をつくる。これにより、ミシンは縫製後に糸に残る張力を解除してから、糸切り時の張力を付与できる。縫製時の張力が残ったまま糸切りした場合、糸切後に糸が跳ね上がり縫針から抜ける糸抜けが起こる可能性がある。上記のように縫製時の張力を解除することで、ミシンは糸抜けの発生を防止できる。
第1態様に係るミシンは、前記第一糸調子器に設けられ、前記天秤の上下動による上糸の移動に伴い上下に揺動する糸取りバネと、前記解除機構によって動力が伝達され、前記糸取りバネの上下への揺動を規制する規制機構とをさらに備えてもよい。解除機構による、第一糸調子器による上糸への張力の解除と共に、規制機構を解除機構によって作動させ、糸取りバネの揺動を規制する。ミシンは上糸の切断時に糸取りバネが揺動して切断後に上糸に残る糸量がばらつくのを防ぐことができる。
ミシン1の透視斜視図である。 ミシン1の頭部5付近を拡大した斜視図である。 糸調子機構100の斜視図である。 糸調子機構100の左側面図である。 糸解放リンク機構150の正面図である。 糸解放リンク機構150の背面図である。 規制機構180の斜視図である。 糸解放リンク機構150の作動時の正面図である。 糸解放リンク機構150の作動時の斜視図である。 糸切り時のソレノイドのON/OFFタイミングを示すタイミング図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態であるミシン1について説明する。図1を参照し、ミシン1の概略的な構造について説明する。図1の紙面左下側、右上側、右下側、左上側、上側、下側は夫々ミシン1の左側、右側、前側、後側、上側、下側である。
図1に示すように、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4、及び頭部5を備える。ベッド部2は左右方向に延び、内部に下軸21、釜機構80、糸切り機構20等を備える。脚柱部3はベッド部2の右端部側から上方に延び、内部にタイミングベルト31、ミシンモータ32等を備える。アーム部4は脚柱部3上側からベッド部2の上面に対向して左方に延び、内部に主軸41等を備える。ミシンモータ32は、主軸41を左方から見て時計回りに回転する。
アーム部4は、左方に頭部5を備える。頭部5は内部に天秤駆動機構50、針棒駆動機構10、後述する糸調子機構100(図3参照)等を備える。主軸41は右端がミシンモータ32に接続し、左端が針棒上下動機構(図示略)に接続する。主軸41はミシンモータ32の駆動に伴う回転力を針棒上下動機構を介して天秤駆動機構50に伝達し、天秤駆動機構50を駆動する。天秤駆動機構50は縫製時に上下動して上糸を引上げる天秤51を備える。天秤駆動機構50は左側に針棒駆動機構10を接続する。
針棒駆動機構10は針棒11、針棒支持筒12,13、針棒抱き14等を備える。針棒支持筒12,13は夫々ミシンフレーム(図示略)に固定する。針棒支持筒12,13は針棒11の上部及び下部を夫々支持し、針棒11の上下方向への移動を案内する。針棒抱き14は針棒支持筒12と針棒支持筒13の間の位置で針棒11を保持する。針棒抱き14は天秤駆動機構50を介して針棒上下動機構に接続し、主軸41の回転に伴う駆動力が針棒上下動機構を介して伝達される。針棒抱き14は天秤51と連動して駆動し、針棒11を上下に移動する。針棒11の下端側は頭部5の下側から露出し、下方へ延びる。針棒11は下端に縫針7を装着する。
下軸21は左右方向に延び、右端にプーリ23を備える。主軸41は下軸21のプーリ23の位置に対応する位置にプーリ42を備える。プーリ42とプーリ23はタイミングベルト31を介して連結する。下軸21はミシンモータ32の駆動に伴い主軸41が回転すると、タイミングベルト31を介して左方から見て時計回りに回転する。下軸21はプーリ23の左側に下軸ギア22を備える。
釜機構80は左右方向に延びる釜軸81を備える。釜軸81は下軸21と平行に配置し、右端に釜軸ギア84を備える。釜軸ギア84は下軸21の下軸ギア22と噛合う。釜軸81はミシンモータ32の駆動に伴い回転する下軸21に従動し、左方から見て反時計回りに回転する。
釜軸81は左端に回転釜8を備える。回転釜8は釜軸81と共に回転する。回転釜8は下糸を巻回したボビン(図示略)を収容するボビンケース82を装着する。回転釜8はベッド部2の上部に設けた針板(図示略)の下方に位置する。針棒11は針板の直上に位置する。縫製時に、針棒11が下降すると、縫針7の下端は針板に開口する針穴(図示略)を通過して回転釜8に到達する。回転釜8は針棒11と協働し、縫針7が保持する上糸にボビンケース82から引出した下糸を絡める。天秤51は下糸に絡んだ上糸を針板上に引き上げ、加工布に縫い目を形成する。
糸切り機構90は釜機構80の上方且つ針板の針穴近くに位置する。糸切り機構90は移動刃(図示略)と固定刃(図示略)を備える。移動刃は回転釜8の外周に沿って回動可能である。糸切り機構90は糸切ソレノイド190(図3参照)の駆動によって駆動する。糸切ソレノイド190は糸切り信号の入力を契機に駆動する。糸切ソレノイド190が駆動すると、糸切カム(図示略)が作動する。糸切カムは移動刃に釜軸81の駆動力を伝達する。移動刃は固定刃との間に上糸を挟んで切断する。糸切ソレノイド190の詳細は後述する。
次に、図2〜図7を参照し、糸調子機構100の構成について説明する。図2、図3に示すように、糸調子機構100は、主糸調子器110、副糸調子器130、解除ピン120、切換ピン140、及び糸解放リンク機構150を備える。主糸調子器110と副糸調子器130は、頭部5の前面に露出するようにミシンフレームに固定する。主糸調子器110は頭部5前面の下部に位置する。主糸調子器110は主に縫製時に上糸に張力を付与する装置である。副糸調子器130は頭部5前面の上部に位置する。副糸調子器130は主に糸切り時に上糸に張力を付与する装置である。
主糸調子器110と副糸調子器130は、糸巻き6に巻かれた上糸を針棒11に装着した縫針7に供給する供給経路の一部を構成する。副糸調子器130は主糸調子器110よりも供給経路の上流側に位置する。供給経路は、糸案内43、副糸調子器130、主糸調子器110、糸掛け55、糸案内56、天秤51、糸案内57、58、59からなる。糸案内43は、アーム部4の上面で上方へ突出し、糸巻き6から引き出す上糸を副糸調子器130に案内する。糸掛け55、糸案内56は、主糸調子器110の左方及び上方に夫々位置し、副糸調子器130と主糸調子器110を通過した上糸を天秤51へ案内する。尚、後述するが、主糸調子器110は糸取りバネ115を備え、糸取りバネ115は主糸調子器110から糸掛け55へ上糸を供給する経路上に位置し、上糸の供給経路の一部を構成する。糸案内57は、天秤51の左方で糸案内56と対向する位置に設け、天秤51を通過した上糸を針棒11へ案内する。糸案内58、59は、針棒11の下端部に設け、糸案内57が案内した上糸を縫針7に案内する。
図4に示すように、主糸調子器110は、糸調子台111、糸調子軸112、第一糸調子皿113、第二糸調子皿114、糸取りバネ115、皿押え116、糸調子バネ117、固定部材118及び駆動棒119を備える。糸調子台111は前後方向に軸穴を有する円筒形状の台座であり、中央に糸調子軸112を回動可能に固定する。糸調子台111は螺子(図示略)でミシンフレームに固定する。糸調子軸112は前後方向に延びる円筒形状の軸体である。糸調子軸112は後端側の端部を糸調子台111の軸穴に挿入して螺子(図示略)で固定する。糸調子軸112は軸心に駆動棒119が挿通可能な軸穴(図示略)を備える。糸調子軸112は前端側の外周面に雄ネジを有し、固定部材118を螺合可能である。糸調子軸112は前端側から中央付近にかけての側面にスリット112Aを有する。スリット112Aは糸調子軸112の軸心に沿って形成し、軸穴と連通する。スリット112Aは後述する皿押え116の架橋部(図示略)を挿入可能である。糸調子軸112は胴部分の外周にコイルバネからなる糸取りバネ115を挿入して固定する。糸取りバネ115のコイル状の部分は糸調子台111内に収容する。糸取りバネ115はコイル状の一方の端部が糸調子台111の外周から突出するフック状の糸案内部115Aを形成する。糸取りバネ115は前方から見て時計回り方向にバネ力を有し、上下方向に揺動可能である。
第一糸調子皿113及び第二糸調子皿114は夫々中央に軸穴を有する皿状の金属板である。第一糸調子皿113及び第二糸調子皿114は互いの板面を向き合わせる形態で配置し、夫々の外周が互いに離反する向きに反り返る。第一糸調子皿113は凹面側を糸調子台111へ向けた状態で軸穴を糸調子軸112に通し、糸取りバネ115と対向する。第二糸調子皿114は凸面側を第一糸調子皿113へ向けた状態で軸穴を糸調子軸112に通す。第一糸調子皿113及び第二糸調子皿114は糸調子軸112に対して回転可能である。皿押え116は円板状の部材であり、中央に軸穴を有する。皿押え116の軸穴は一対の半円形状であり、その間に帯状の架橋部(図示略)を有する。皿押え116は一方の板面側の外周に、周方向に一周する環状の突起部(図示略)を有する。皿押え116は突起部側の板面を第二糸調子皿114へ向けた状態で軸穴を糸調子軸112に通し、第二糸調子皿114に当接する。皿押え116の架橋部は、糸調子軸112のスリット112Aに位置する。
糸調子バネ117は前端側から後端側へ向けて外径が大きくなるコイルバネである。糸調子バネ117は皿押え116の前側で糸調子軸112に通し、後端部を皿押え116の突起部の凹みに配置する。糸調子バネ117は皿押え116を介して第二糸調子皿114及び第一糸調子皿113を糸調子台111側へ向けて付勢する。固定部材118はナット状の部材であり、糸調子軸112の前端に設けた雄ネジに螺合する。固定部材118は糸調子軸112に対して前後方向の任意の位置に螺着でき、糸調子バネ117の前端を位置決めする。糸調子バネ117が第二糸調子皿114及び第一糸調子皿113を糸調子台111側へ向けて押圧する力は、糸調子軸112に対する固定部材118の位置に応じて変化する。
駆動棒119は細径の棒材であり、糸調子台111の後端から糸調子軸112の軸穴内に挿入する。駆動棒119の前端は糸調子軸112の軸穴内で皿押え116の架橋部に当接する。駆動棒119の後端は糸調子台111の後端から後方へ向けて突出し、解除ピン120の前端に当接する。前述したように、主糸調子器110は縫製時に上糸を第一糸調子皿113と第二糸調子皿114との間で糸調子バネ117の付勢力により挟み、上糸に対して張力を付与する。
解除ピン120は、前後方向に延びる丸棒状の部材である。図示しないが、解除ピン120はミシンフレーム(図示略)に設けた保持部材によって、前後方向へ移動可能な状態で保持する。解除ピン120は、前端部121の端面が平面状をなし、後端部122が半球状をなす。解除ピン120は、前端部121が駆動棒119に当接し、後端部122が後述する糸解放リンク機構150の第一腕部160の第一カム面167に当接する。
主糸調子器110は、解除ピン120との間に、糸調子台111の外周に沿って第一糸調子皿113の近傍へ延びる規制機構180を挟んで保持する。図4、図7に示すように、規制機構180は穴部181、ベース部182、胴部183及び当接部184を備える。穴部181は、ベース部182に開口し、駆動棒119を挿通可能な径を有する。ベース部182は、円盤部182A、扇部182Bを備える。円盤部182Aは、中央に穴部181を開口する略長円形の板状である。扇部182Bは、円盤部182Aの径方向外周の一方から径方向に扇状に広がる板状である。ベース部182は、穴部181に駆動棒119を挿通した状態で糸調子台111の後方に位置する。胴部183は扇部182B外周側の縁端を円弧状に前方へ延ばした部位である。胴部183は内周側が糸調子台111の外周と略同径を有し、糸調子台111の外周に沿って配置する。胴部183は前端側の側面一部にテーパ面183Aを有する。
当接部184は胴部183の前端側の端部である。当接部184は糸調子台111の前端側に設けた突出部111A(図4参照)と対向する。規制機構180は糸調子台111に対し前後方向に移動可能である。当接部184は突出部111Aとの間に糸取りバネ115の糸案内部115Aを挟み、糸取りバネ115の揺動を規制できる。胴部183のテーパ面183Aは、当接部184と突出部111Aとの間に糸取りバネ115を挟む時、糸案内部115Aのフック状の部分と胴部183との干渉を防止する。
副糸調子器130は、糸調子台131、糸調子軸132、第一糸調子皿133、第二糸調子皿134、糸案内135、皿押え136、糸調子バネ137、固定部材138及び駆動棒139を備える。副糸調子器130は、主糸調子器110と略同様な構成を有するので、主糸調子器110と同様の構成及び動作の説明を省略する。前述したように、副糸調子器130は、糸切り時に上糸を第一糸調子皿133と第二糸調子皿134との間で糸調子バネ137の付勢力により挟み、上糸に対して張力を付与する。糸案内135は、上下方向に延びる屈曲した板部材であり、第一糸調子皿133の後方に位置する。糸案内135は、上下方向両端部が夫々前方に屈曲し、糸案内穴(図示略)を有する。糸案内135は、糸案内43を通した上糸を上端部側の糸案内穴に通す。糸案内135は、上端側の糸案内穴に通した上糸を第一糸調子皿133と第二糸調子皿134の間を通し、下端部側の糸案内穴に通して主糸調子器110に向けて案内する。
副糸調子器130の駆動棒139は、切換ピン140の前端に当接する。切換ピン140は、前後方向に延びる丸棒状の部材である。切換ピン140は、ミシンフレーム(図示略)に設けた保持部材(図示略)によって、前後方向へ移動可能な状態で保持する。切換ピン140は、前端部141の端面が平面状をなし、後端部142が半球状をなす。解除ピン120と同様に、切換ピン140は、前端部141が駆動棒139に当接し、後端部142が後述する糸解放リンク機構150の第二腕部170の第二カム面177に当接する。
図4〜図6に示すように、糸解放リンク機構150は、第一腕部160及び第二腕部170を備える。第一腕部160は上下方向に延び前後方向へ板面を向ける細長い板体である。第一腕部160は上下方向両端部に上端部161、下端部162を備える。第一腕部160は下端部162に右方へ突出するカム基部163を有する。第一腕部160は上端部161と下端部162との間の胴部165において厚み方向に段状に屈曲し、下端部162側が上端部161側よりも前方に位置する(図4参照)。第一腕部160は下端部162にミシンフレーム(図示略)に固定した支持軸152に嵌る支持穴164を開口する。第一腕部160は支持軸152を支点に回動することができる。
第一腕部160はカム基部163の右側上端部に第一カム片166を備える。第一カム片166はカム基部163との接続部位から上方に、前方へ折り曲げて形成した斜面部分と、斜面部分の上端からカム基部163の面と略平行に延びる平面部分とを有する第一カム面167を備える。第一カム片166の第一カム面167には解除ピン120の後端部122が当接する。支持軸152を支点に第一腕部160が回動する時、解除ピン120の後端部122は第一カム面167上を摺動する。
第一腕部160は上端部161に支持ピン151を備える。支持ピン151は、第二腕部170の下端部172を回動可能に支持し、且つ、上端部161と下端部172との相対的な回動を許容する。支持ピン151は第一腕部160の後面側へ向けて突出する。第一腕部160は上端部161に掛け部168を備える。掛け部168は、後述するワイヤー195の一端部に設けた留め部196を掛け留める。掛け部168は上端部161の支持ピン151よりも下方且つ右端部を前方へ折り返して設ける。掛け部168はワイヤー195の留め部196よりも右側に位置する。掛け部168はワイヤー195が右側へ引っ張られた場合に留め部196を介して上端部161と共に右側へ移動し、第一腕部160を時計回りに回動する。
第一腕部160は、下端部162から下方に延びる戻し突起169を備える。戻し突起169はバネ(図示略)の一端と係合する。バネの他端はミシンフレームに固定する。バネは戻し突起169を介して第一腕部160の下端部162を左側へ移動し、第一腕部160を反時計回りに回動する。
第二腕部170は、第一腕部160と同様に上下方向へ延び、前後方向へ板面を向ける細長い板体である。第二腕部170は第一腕部160よりも長さが短い。第二腕部170は上下方向両端部に上端部171、下端部172を備える。第二腕部170は上端部171に右方へ突出するカム基部173を有する。第二腕部170は上端部171と下端部172との間の胴部175において厚み方向に段状に屈曲する。第二腕部170の下端部172側は上端部171側よりも後方に位置する(図4参照)。第二腕部170は上端部171にミシンフレーム(図示略)に固定した支持軸153に嵌る支持穴174を開口する。第二腕部170は支持軸153を支点に回動することができる。
第二腕部170はカム基部173の右端部から上方へ突出する第二カム片176を備える。第二カム片176はカム基部173との接続部位から上方に、前方へ折り曲げて形成した斜面部分と、斜面部分の上端からカム基部173の面と略平行に延びる平面部分とを有する第二カム面177を備える。第二カム片176の第二カム面177には切換ピン140の後端部142が当接する。支持軸153を支点に第二腕部170が回動する時、切換ピン140の後端部142は第二カム面177上を摺動する。
第二腕部170は下端部172に長穴178(図6参照)を開口する。長穴178は、第一腕部160の上端部161に設けた支持ピン151を挿入可能で上下方向に長く延びる。第二腕部170は下端部172を第一腕部160の上端部161の後面側に重ねて配置し、長穴178に支持ピン151を挿入する。第二腕部170の下端部172は、長穴178の内周面に沿って支持ピン151が移動可能であり、第一腕部160の上端部161に対し相対的に回動可能である。
図3に示すように、上記構成の糸調子機構100は、ワイヤー195を介して糸切ソレノイド190に接続する。上記のように糸切ソレノイド190は糸切り機構90を作動する動力源であり、ミシン1のベッド部2(図1参照)に設ける。糸切ソレノイド190のプランジャ191は、糸切ソレノイド190から右方に延びる。プランジャ191は、糸切ソレノイド190の右側方でソレノイドレバー192の一端側に接続する。ソレノイドレバー192の他端側はベッド部2に回動可能に軸支してある。糸切ソレノイド190が駆動すると、プランジャ191はソレノイドレバー192を回動する。ソレノイドレバー192は、突起部193、固定部194を備える。突起部193は、ソレノイドレバー192の前後方向中央部で左方に突出する。突起部193は、ソレノイドレバー192の回動で糸切カムレバー軸(図示略)に動力を伝達して糸切カム(図示略)を作動し、糸切り機構90を駆動する。固定部194は、ソレノイドレバー192から下方に延びる。固定部194は、ワイヤー195の他端部を固定する。ワイヤー195は、ベッド部2、脚柱部3及びアーム部4内に敷設したチューブ197内を挿通し、一端部の留め部196が第一腕部160の掛け部168に到達する。
次に、糸調子機構100の動作について説明する。上記のように、糸調子機構100はワイヤー195を介して糸切ソレノイド190に接続する。糸切ソレノイド190のプランジャ191は、縫製時には糸切ソレノイド190本体から右方に突出した状態を維持する。ソレノイドレバー192は固定部194が糸切ソレノイド190から離れる側に位置する。糸調子機構100の糸解放リンク機構150は、第一腕部160の上端部161が支持軸152を支点に左方へ回動する。第二腕部170の下端部172は、長穴178(図6参照)内の支持ピン151を介して、支持軸153を支点に右方へ回動する。故に、第一腕部160及び第二腕部170は、上端部161,171と下端部162,172とが夫々上下方向に直線上に並ぶ配置となる(図5参照)。
図5に示すように、解除ピン120は、後端部122(図4参照)が第一カム面167の斜面部分とカム基部163との接続部分に位置する。図4に示すように、主糸調子器110の駆動棒119は、解除ピン120による押圧力を受けず、皿押え116を押圧しない。故に、主糸調子器110は第一糸調子皿113と第二糸調子皿114との間で糸調子バネ117の付勢力により上糸を挟み、上糸に対して張力を付与する状態となる。
一方、図5に示すように、切換ピン140は、後端部142が第二カム面177の斜面部分と平面部分の接続部近傍に位置する。図4に示すように、副糸調子器130の駆動棒139は、切換ピン140による前方へ向けた押圧力を受け、皿押え136を押す。皿押え136は糸調子バネ137を付勢力に抗い前方に押し、第二糸調子皿134が第一糸調子皿133を押圧する力を緩める。副糸調子器130は、上糸に対して張力を付与する状態を解除した状態となる。尚、張力を解除した状態とは、上糸に付与する張力をゼロとする状態に限らず、張力をわずかにかけた状態も含む。上糸にわずかに張力がかかる場合、張力は、縫製に影響を与えない程度に十分に小さな張力である。張力を解除した状態における張力は、駆動棒139の前後方向の移動長さに依存する。即ち、第二カム面177の斜面部分の傾斜角度を変更すれば、駆動棒139の移動長さは変わり、張力を解除した状態における張力を変更できる。張力を解除した状態における張力は、たとえば第一糸調子皿133と糸案内135の間に圧縮バネを設け、第一糸調子皿133が第二糸調子皿134を十分に小さな力で押圧した状態をつくってもよい。主糸調子器110についても同様である。
ミシン1は縫製が終了すると、糸切り時に、糸切り信号を入力する。糸切ソレノイド190は、糸切り信号により駆動し、プランジャ191を内部に引き込む。ソレノイドレバー192の他端側は、糸切ソレノイド190側に移動し、固定部194を介してワイヤー195を引っ張る。糸切ソレノイド190の駆動力は、ワイヤー195、留め部196を介して糸解放リンク機構150に伝達する。
図8、図9に示すように、糸切ソレノイド190がワイヤー195を引くと、ワイヤー195の留め部196は、右方へ移動する。留め部196を掛けた掛け部168は、右方に引っ張られ、上端部161を右方に移動する。第一腕部160は、上端部161が右方へ移動すると、支持軸152を支点に時計回りに回動する。上端部161の支持ピン151は第二腕部170の下端部172の長穴178の内周面を移動する。第二腕部170は、下端部172が右方へ移動し、支持軸153を支点に反時計回りに回動する。
第一腕部160の回動に伴い、第一カム片166は支持軸152を支点に左下方に移動する。第一カム片166の移動に伴い、解除ピン120は後端部122がカム基部163との接続部分から斜面部分に進入し、平面部分へ向けて第一カム面167を摺動する。第一カム面167は解除ピン120を前方へ向けて押圧する。主糸調子器110の駆動棒119は解除ピン120に押圧され、皿押え116を押す。皿押え116は糸調子バネ117を付勢力に抗い前方に押し、第二糸調子皿114が第一糸調子皿113を押圧する力を緩める。主糸調子器110は、上糸に対して張力を付与する状態を解除した状態となる。
解除ピン120は、駆動棒119を押圧する時、規制機構180のベース部182を押圧する。規制機構180は前方へ移動し、当接部184が突出部111Aとの間に糸取りバネ115の糸案内部115Aを挟む。故に、規制機構180は、糸案内部115Aの回動を確実に規制できる。
一方、第二腕部170の回動に伴い、第二カム片176は支持軸153を支点に左上方に移動する。第二カム片176の移動に伴い、切換ピン140は後端部142が斜面部分と平面部分の接続位置近傍からカム基部173との接続部分へ向けて、第二カム面177を摺動する。副糸調子器130の駆動棒139は、切換ピン140による押圧力が緩み、皿押え136への押圧力が緩む。皿押え136は糸調子バネ137により後方へ付勢された状態となる。故に、副糸調子器130は第一糸調子皿133と第二糸調子皿134との間で糸調子バネ137の付勢力により上糸を挟み、上糸に対して張力を付与する状態となる。
糸切り時に、糸切ソレノイド190の動力を伝達するワイヤー195は、第一腕部160と第二腕部170を同時に回動する。解除ピン120が第一カム面167を摺動する間、切換ピン140は第二カム面177を摺動する。即ち、主糸調子器110が上糸に張力を付与した状態から解除した状態に至る過程における中間状態と、副糸調子器130が上糸に付与する張力を解除した状態から付与する状態に至る過程における中間状態とが、同時に生ずる。糸調子機構100は、主糸調子器110が上糸への張力の付与を解除し始めてから、副糸調子器130が上糸への張力を付与するまで、タイムラグを生ずる。故に糸調子機構100は、主糸調子器110による上糸の保持と、副糸調子器130による上糸の保持とを同時に解消できる時期を有することによって、糸切り時に上糸に残る縫製時の張力をゼロ、もしくはゼロに近い状態とすることができる。
図10に示すように、糸切り信号の入力により糸切ソレノイド190が駆動するのは、主軸41の回転位置が230°にある時である。移動刃及び固定刃による糸の切断は、主軸41が360°を超えて更に35°に達した時に行われる。糸調子機構100が糸切り時の主糸調子器110による上糸への張力付与の解除と、副糸調子器130による上糸への張力付与とが行われるタイミングは、主軸41が230°から360°の間に位置する時期に行われるとよい。上記のタイミングの調整は、第一カム面167及び第二カム面177の夫々の斜面部分の大きさ及び傾斜角度、支持軸152,153から第一カム片166,第二カム片176までの夫々の距離等を変更することによって可能である。
以上説明したように、本実施形態のミシン1において、縫製時に、主糸調子器110は上糸に張力を付与し、副糸調子器130は上糸に付与する張力を解除する。上糸は、主糸調子器110から適切な張力を得て、下糸と共に縫い目を形成できる。糸切り時に、糸解放リンク機構150は、解除ピン120及び切換ピン140を同期して駆動する。主糸調子器110は上糸に付与する張力を解除し、副糸調子器130は上糸に張力を付与する。これにより、ミシン1は、副糸調子器130からの適切な張力によって上糸を切断できる。糸解放リンク機構150は機械的に解除ピン120及び切換ピン140を駆動する。よって解除ピン120及び切換ピン140は同期ずれすることなく確実に動作できる。
ミシン1は、糸切り時に、糸切ソレノイド190を介して糸切り機構90の駆動と、糸解放リンク機構150による解除ピン120及び切換ピン140の作動とを連動して行うことができる。
糸解放リンク機構150は、1つの糸切ソレノイド190からワイヤー195を介して伝達される動力で駆動する。故に、ミシン1は安価に製造できる。ミシン1は、糸解放リンク機構150を1つの糸切ソレノイド190で駆動するので同期のタイミングにズレが無く、上糸に対する縫製時の張力の解除と切断時の張力の付与とを精度よく行うことができる。糸解放リンク機構150は、第一腕部160及び第二腕部170が支持ピン151に支持されて連動して回動するので、解除ピン120及び切換ピン140への動力の伝達を確実に同期して行うことができる。ミシン1は、第一カム面167による解除ピン120の摺動と、第二カム面177による切換ピン140の摺動とを同期して行う。故に、ミシン1は主糸調子器110による張力の付与を解除した状態と、副糸調子器130による張力の付与を解除した状態とを一時的に同時に生じさせることができる。ミシン1は、糸切り時に、上糸への縫製時の張力を低減してから糸切り時の張力を付与できる。故に、ミシン1は上糸を伸び過ぎた状態で切断して上糸の縫針7への糸残り長さのばらつきを抑制できる。
糸解放リンク機構150は、主糸調子器110による上糸への張力の付与解除と共に、規制機構180を解除ピン120によって作動させ、糸取りバネ155の揺動を規制する。ミシン1は上糸の切断時に糸取りバネ155が回動して切断後に上糸に残る糸量がばらつくのを防ぐことができる。
本実施形態においては、主糸調子器110が「第一糸調子器」に相当する。副糸調子器130が「第二糸調子器」に相当する。解除ピン120が「解除機構」に相当する。切換ピン140が「切換機構」に相当する。糸解放リンク機構150が「駆動機構」に相当する。糸切ソレノイド190が「動力源」に相当する。ワイヤー195が「伝達部材」に相当する。支持ピン151が「支持部」に相当する。掛け部168が「接続部」に相当する。
尚、本発明は、上記実施形態の他に種々の変更が可能である。糸調子機構100への糸切ソレノイド190からの動力伝達にワイヤー195を用いたが、ギア、レバーなど、その他の機械的構成を用いて伝達してもよい。糸切ソレノイド190と連動するソレノイドを糸調子機構100に設け、糸調子機構100を駆動してもよい。第一腕部160及び第二腕部170の回動向きは一例であり、実施形態とは異なる方向に回動してもよい。この場合、第一カム面167と第二カム面177の夫々の平面部分と斜面部分は第一腕部160と第二腕部170の回動向きに合わせて変更すればよい。第一腕部160及び第二腕部170は、一体に構成してもよい。この場合、一体に構成した腕部が糸切ソレノイド190の駆動を解除ピン120と切換ピン140の両方に伝達すればよい。
第一カム面167と第二カム面177の夫々の平面部分と斜面部分の位置をずらし、糸切り時の主糸調子器110による張力の付与解除が、副糸調子器130による張力の付与開始よりも先に行われるようにしてもよい。例えば、縫製時に切換ピン140の後端部142が第二カム面177の平面部分に位置するように、第二カム片176の形成位置を変更するとよい。例えばカム基部173を、実施形態の位置よりも第二腕部170の下端部172寄りの位置にずらして形成するとよい。ミシンは、上糸に、主糸調子器110及び副糸調子器130の双方からの張力がかかっていない状態、或いは張力が小さくなった状態をつくる。これにより、ミシンは縫製後に糸に残る張力を解除してから、糸切り時の張力を付与できる。縫製時の張力が残ったまま糸切りした場合、糸切り後に糸が跳ね上がり縫針から抜ける糸抜けが起こる可能性がある。上記のように縫製時の張力を解除することで、ミシンは糸抜けの発生を防止することができる。
1 ミシン
7 縫針
41 主軸
51 天秤
90 糸切り機構
100 糸調子機構
110 主糸調子器
115 糸取りバネ
120 解除ピン
130 副糸調子器
140 切換ピン
150 糸解放リンク機構
151 支持ピン
160 第一腕部
161 上端部
162 下端部
167 第一カム面
168 掛け部
170 第二腕部
171 上端部
172 下端部
177 第二カム面
180 規制機構
190 糸切ソレノイド
195 ワイヤー

Claims (5)

  1. 上糸を挿通し主軸の回転により上下動する縫針と、
    前記縫針の上下動と連動して上下動する天秤と、
    前記天秤よりも上糸の供給経路の上流側に位置し、上糸に張力を付与可能な糸調子機構と
    を備えたミシンにおいて、
    前記糸調子機構は、
    第一糸調子器と、
    前記第一糸調子器よりも上糸の供給経路の上流側に位置する第二糸調子器と、
    前記第一糸調子器が上糸に付与する張力を解除する解除機構と、
    前記第二糸調子器が上糸に付与する張力を解除した状態から付与可能な状態に切り換える切換機構と、
    前記解除機構と前記切換機構とを同期して駆動する駆動機構と
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 上糸を切断する糸切り機構と、
    前記糸切り機構を駆動するための動力を付与する動力源と、
    前記駆動機構に動力を伝達する伝達部材と
    を備え、
    前記伝達部材は、前記動力源に接続することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記駆動機構は、
    一端部が前記切換機構よりも前記解除機構に近い位置でミシンフレームに回動可能に支持され、且つ前記一端部に、前記解除機構が摺動する第一カム面を有する第一腕部と、
    一端部が前記解除機構よりも前記切換機構に近い位置で前記ミシンフレームに回動可能に支持され、且つ前記一端部に、前記切換機構が摺動する第二カム面を有する第二腕部と、
    前記第一腕部の他端部と前記第二腕部の他端部との夫々を回動可能に支持する支持部と、
    前記前記第一腕部の前記他端部側で、前記支持部よりも前記一端部側の位置に設けられ、前記伝達部材に接続する接続部と
    を備え、
    前記動力源は、前記伝達部材を介して前記支持部の位置を移動することで前記第一腕部と前記第二腕部とを夫々回動し、前記第一カム面及び前記第二カム面に夫々摺動する前記解除機構及び前記切換機構を駆動することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記第一カム面及び前記第二カム面は、前記動力源の駆動時に、前記第二カム面への前記切換機構の摺動よりも、前記第一カム面への前記解除機構の摺動が先となるカム面を夫々有することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  5. 前記第一糸調子器に設けられ、前記天秤の上下動による上糸の移動に伴い上下に揺動する糸取りバネと、
    前記解除機構によって動力が伝達され、前記糸取りバネの上下への揺動を規制する規制機構と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミシン。
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