JP2014146585A - 超電導ケーブル、および超電導ケーブル線路 - Google Patents

超電導ケーブル、および超電導ケーブル線路 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも冷却区間長を長くすることができる超電導ケーブルを提供する。
【解決手段】ケーブル部90と、内側冷媒20Cと、外側冷媒30Cと、を備える超電導ケーブル1である。ケーブル部90は、ケーブル内部部材10と、ケーブル内部部材10を内部に収納する内部部材収納管20と、その内部部材収納管20を内部に収納する外側断熱管30と、を備える。内部部材収納管20は外側断熱管30よりも長くなっている。内側冷媒20Cは、内部部材収納管20の内部に循環され、外側冷媒20Cは、外側断熱管30の内側で、かつ内部部材収納管20の外側に循環される。外側断熱管30を介した外部環境からの侵入熱は、外側冷媒30Cの循環によって処理される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導導体を有するケーブル内部部材を備える超電導ケーブル、およびその超電導ケーブルを備える超電導ケーブル線路に関する。
超電導導体を有するケーブル内部部材を備える超電導ケーブルが知られている。特許文献1の超電導ケーブルは、フォーマの外周に少なくとも超電導導体と電気絶縁層を設けたケーブル内部部材を断熱管の内部に収納し、その断熱管の内部に液体冷媒を循環させる構成(いわゆる低温絶縁型の構成)を備える。一方、特許文献2の超電導ケーブルは、フォーマの外周に超電導導体を備えるケーブル内部部材を、電気絶縁層を外周に設けた断熱管の内部に収納し、その断熱管の内部に液体冷媒を循環させる構成(いわゆる常温絶縁型の構成)を備える。いずれの構成においても、ケーブル内部部材を収納する断熱管内に液体冷媒を循環冷却させることで、外部環境から断熱管内への侵入熱を処理し、ケーブル内部部材の超電導導体を極低温に維持することができる。なお、交流送電を行なう超電導ケーブルでは、交流損失によって超電導導体自身が発熱するため、侵入熱に加えて超電導導体の発生熱を処理する必要があるのに対し、直流送電を行なう超電導ケーブルでは、外部環境からの侵入熱を処理することで超電導導体を極低温に維持することができる。
上記構成における液体冷媒は、循環路中で気化しない温度・圧力の条件(つまり、循環路中で液体冷媒の気化が生じることは、この条件を外れていることを意味する)の下、所定の流量で循環されている。気化要因である液体冷媒の温度は、直流送電にあっては侵入熱、交流送電にあっては侵入熱に加えて超電導導体の発生熱によって上昇する。その温度上昇が所定の範囲内になるように液体冷媒の流量が設定され、温度が上昇した液体冷媒は冷却システムにより冷却されることで、循環路中の液体冷媒が気化しない状態に維持される。なお、許容温度とは、超電導導体の臨界温度未満の温度であって、超電導導体が所定の電流容量(A)を満たすことができる温度のことである。
特開2011−226526号公報 特開2012−174403号公報
近年、超電導ケーブルの冷却区間長を長くすることが望まれている。例えば、長距離トンネルなど、超電導ケーブルの冷却システムを設置するスペースの確保が難しい環境に、超電導ケーブルを布設する場合が想定されるからである。
ここで、超電導ケーブルの冷却区間長が長くなると、ケーブル内部部材を冷却する液体冷媒の圧力損失が大きくなるため、超電導ケーブルに何らかの対策を施すことが求められる。例えば、液体冷媒の圧力損失を考慮して液体冷媒を高圧で循環させることが考えられる。その場合、液体冷媒の圧力に耐え得るように断熱管を耐高圧設計とする必要がある。しかし、断熱管の強度の向上にも限界があるため、断熱管の強度による超電導ケーブルの長尺化には限界がある。また、別の対策として、断熱管の径を大きくする、即ち液体冷媒の流路断面積を大きくして、液体冷媒の圧力損失が高くなることを抑制することが考えられる。しかし、超電導ケーブルの設置スペースの問題、大径化した断熱管の強度の問題などがあるため、断熱管の径を大きくすることにも限界があり、やはり超電導ケーブルの長尺化は難しい。そのため、全く新しい構造の超電導ケーブルの開発が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来よりも冷却区間長を長くすることができる超電導ケーブル、およびその超電導ケーブルを用いた超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明の超電導ケーブルは、超電導導体を有するケーブル内部部材を備える超電導ケーブルであって、ケーブル部と、内側冷媒と、外側冷媒と、を備える。ケーブル部は、ケーブル内部部材と、ケーブル内部部材を内部に収納する内部部材収納管と、その内部部材収納管を内部に収納する外側断熱管と、を備える。内側冷媒は、内部部材収納管の内部に循環され、ケーブル内部部材に備わる超電導導体を極低温に冷却する。外側冷媒は、外側断熱管の内部で、かつ内部部材収納管の外側に循環され、内部部材収納管の温度上昇を抑制する。内部部材収納管は、外側断熱管よりも長く、それによってケーブル部の長手方向に、内部部材収納管に外側断熱管が重複する重複領域(即ち、内側冷媒に外側冷媒が重複する領域)と、内部部材収納管に外側断熱管が重複しない非重複領域(即ち、内側冷媒に外側冷媒が重複しない領域)と、が形成されている。
上記本発明の超電導ケーブルは、ケーブル内部部材よりも外側に内側冷媒の流路と外側冷媒の流路が形成された構成、即ちケーブル内部部材よりも外側に二重に液体冷媒の流路が形成された二重流路構造を備えている。これに対して、従来の超電導ケーブルには、ケーブル内部部材よりも外側に一重の液体冷媒の流路が形成された一重流路構造しかない。なお、従来の超電導ケーブルとして、ケーブル内部部材の中空フォーマの内側と、ケーブル内部部材の外側とに冷媒流路を形成したものはあるが、その場合もケーブル内部部材の外側には一重の液体冷媒の流路が形成されるのみであり、この構造は本明細書では一重流路構造として扱う。
本発明の超電導ケーブルでは、ケーブル内部部材を極低温に維持する内側冷媒と、外部環境からの侵入熱を処理する外側冷媒と、を分け、かつ内側冷媒の流路長を外側冷媒の流路長よりも長くした二重流路構造を採用している。そうすることで、本発明の超電導ケーブルの冷却区間長を、従来の超電導ケーブル構造(即ちケーブル内部部材の外側に一重の液体冷媒の流路が形成される一重流路構造の超電導ケーブル)よりも長くできる。仮に、基準となる一重流路構造の超電導ケーブルの冷却区間長を『1』とした場合、流路断面積を2倍とした一重流路構造の超電導ケーブルの冷却区間長は『約1.4』まで延ばすことが可能であるのに対して、本発明の二重流路構造を有する超電導ケーブルの冷却区間長は『約1.6』まで延ばすことが可能である。なお、本発明の超電導ケーブルにおける冷却区間長とは、超電導導体を有するケーブル内部部材に接触する内側冷媒の流路長のことである。
本発明の超電導ケーブルとして、内部部材収納管が、少なくとも第一分割管と、その第一分割管と異なる構造の第二分割管と、を組み合わせてなる形態を挙げることができる。その場合、外側断熱管の内部に、外側断熱管とほぼ同尺の第一分割管が収納され、重複領域と非重複領域とのほぼ境界位置で、第一分割管と第二分割管とが接続される。
上記構成によれば、後述する断熱構造と伝熱構造が混在した内部部材収納管を形成することが容易になる。
本発明の超電導ケーブルとして、外側断熱管の内部に、外側断熱管よりも長尺の内部部材収納管の一部が配置されている形態を挙げることができる。つまり、この構成では、内部部材収納管は、その全長にわたって断熱構造を有する部材である。
上記構成によれば、外側断熱管の内部に内部部材収納管を配置するだけで、重複領域と非重複領域とを備える超電導ケーブルとすることができる。
本発明の超電導ケーブルとして、内部部材収納管における少なくとも非重複領域に相当する部分が断熱構造を備える形態を挙げることができる。もちろん、内部部材収納管の全長にわたって断熱構造を備える形態でも良い。さらに、内部部材収納管の非重複領域が断熱構造、重複領域が伝熱構造である形態とすることもできる。
例えば、内部部材収納管が全長にわたって断熱構造を備える場合、内部部材収納管の内部の内側冷媒と、内部部材収納管の外部の外側冷媒と、の間の熱交換を抑制することができる。その場合、外側冷媒の影響によって内側冷媒の温度が変化することを抑制できる。この構成は、送電に伴うケーブル内部部材の発熱が無い直流送電に用いると良い。
一方、内部部材収納管における重複領域に相当する部分が伝熱構造である場合、その重複領域に相当する部分で内側冷媒と外側冷媒との間で熱交換を許容することができる。その場合、重複領域に相当する部分で内側冷媒の温度よりも外側冷媒の温度が低ければ、内側冷媒の温度上昇を抑制することができる。この構成は、送電に伴うケーブル内部部材の発熱が有る交流送電に用いると良い。ここで、内部部材収納管を、重複領域に配置される第一分割管と、非重複領域に配置される第二分割管と、に分ける構成であれば、重複領域を伝熱構造、非重複領域を断熱構造とすることが容易にできる。
本発明の超電導ケーブルとして、内部部材収納管の断熱性能が変更可能に構成されている形態を挙げることができる。
ケーブル内部部材を冷却する際、ケーブル内部部材の冷却状態にムラがあると、ケーブル内部部材の長手方向にケーブル内部部材の収縮差が生じるため、ケーブル内部部材に過大な張力が作用する恐れがある。これに対して、上記構成のように、内部部材収納管の断熱性能を変化させることができれば、ケーブル内部部材を冷却する際、ケーブル内部部材を長手方向にわたって極端な温度差が生じないように冷却することができ、ケーブル内部部材に過大な張力が作用することを抑制できる。ケーブル内部部材を長手方向にわたって冷却するには、ケーブル内部部材の冷却を開始するときにまず内部部材収納管の断熱性能を高くし、内部部材収納管と外側断熱管との間を冷却する。内部部材収納管の外周の温度が全長にわたって冷却された状態となったら、内部部材収納管の断熱性能を低くする。そうすることで、内部部材収納管の内部、即ちケーブル内部部材をその全長にわたってムラなく冷却することができる。
本発明の超電導ケーブルは、直流送電に利用される形態であっても良いし、交流送電に利用される形態であっても良い。
本発明の超電導ケーブルは特に、直流送電に利用される場合に超電導ケーブルの長尺化に寄与する。直流送電用途の超電導ケーブルにおいては交流損失がないため、超電導導体を適正な温度に維持するために処理すべき熱は外部環境からの侵入熱のみである。
一方、本発明の超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルを少なくとも一部に備える。例えば、上記本発明の超電導ケーブル線路において、本発明の超電導ケーブルからなる第一超電導ケーブルと、内側流通管、および内側流通管が内部に収納される外側流通管を備えるリターン管と、が並列して設けられる箇所を有する形態を挙げることができる。その場合、第一超電導ケーブルの内部部材収納管と、リターン管の内側流通管と、を繋げ、第一超電導ケーブルの外側断熱管と、リターン管の外側流通管と、を繋げておくと良い。また例えば、上記本発明の超電導ケーブル線路において、本発明の超電導ケーブルからなる第二超電導ケーブルと第三超電導ケーブルとが並列して設けられる箇所を有する形態を挙げることができる。その場合、並列される第二超電導ケーブルと第三超電導ケーブルに備わる内部部材収納管同士、および外側断熱管同士を繋げておくと良い。
本発明の超電導ケーブル線路によれば、超電導ケーブル線路の布設経路において冷却システムを容易に設けることができない難布設区間(例えば長距離トンネルの内部など)がある場合にも超電導ケーブル線路を容易に構築することができる。本発明の超電導ケーブル線路に備わる超電導ケーブルのうち、冷却区間長が従来よりも長い本発明の超電導ケーブルを難布設区間に適用すれば、難布設区間における冷却システムの配置の問題を解決することができるからである。
本発明の超電導ケーブルによれば、従来よりも冷却区間長が長い超電導ケーブルとすることができる。
実施形態1に示す超電導ケーブル線路の一部を示す概略構成図である。 (A)は低温絶縁型の超電導ケーブルに備わるケーブル部の重複領域における概略横断面図、(B)は常温絶縁型の超電導ケーブルに備わるケーブル部の重複領域における概略横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面で同一の符号を付しているものは同一物である。
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1は、本実施形態の超電導ケーブル線路101における冷却システムの設置が困難な区間長のほぼ半分を示す概略構成図である。図1の紙面右端の一点鎖線よりも右側には、一点鎖線よりも左側に示す構成が左右反転した状態で存在している。
本実施形態の超電導ケーブル線路101は、紙面左側に示す端末91と、紙面右側の一点鎖線よりも右側にある図示しない端末と、の間で直流送電を行なう送電路である。この超電導ケーブル線路101では、超電導ケーブル1の導電路となるケーブル内部部材10が、接続部J3を介して、一点鎖線よりも右側にある超電導ケーブルのケーブル内部部材に接続されている。また、本実施形態の超電導ケーブル101では、超電導ケーブル1に並列してリターン管8が設けられている(一点鎖線よりも右側にあるリターン管は省略)。リターン管8は、上述した超電導ケーブル1との間で超電導ケーブル1の超電導導体を極低温に維持する冷媒の循環路を構成する部材である。図1に示されるリターン管8と、一点鎖線よりも右側にある図示しないリターン管とは、接続されておらず、図1に示される冷媒の循環は一点鎖線の左側で完結している。上述した超電導ケーブル1とリターン管8とを備える本実施形態1の超電導ケーブル線路101の最も特徴とするところは、超電導ケーブル1の一部が、ケーブル内部部材10の外側を内側冷媒20Cと外側冷媒30Cとで二重に取り囲む二重流路構造となっており、超電導ケーブル1の残部が、ケーブル内部部材10の外側を内側冷媒20Cで一重に取り囲む一重流路構造となっていることである。以下、超電導ケーブル線路101に備わる超電導ケーブル1およびリターン管8の構成を説明し、次いで流路構造の構築状態を説明する。
≪超電導ケーブル≫
超電導ケーブル1は、ケーブル部90と、ケーブル部90に備わるケーブル内部部材10を極低温に冷却する内側冷媒20Cと、ケーブル部90における内側冷媒の外周側に配される外側冷媒30Cと、を備える。ケーブル部90は、導電路となるケーブル内部部材10と、それを内部に収納する内部部材収納管20と、さらに内部部材収納管20を内部に収納する外側断熱管30と、を備える。内部部材収納管20は、外側断熱管30よりも長くなっている。そのため、超電導ケーブル1の長手方向において、内部部材収納管20に外側断熱管30が重複する重複領域R1と、内部部材収納管20に外側断熱管30が重複しない非重複領域R2と、が形成されている。即ち、重複領域R1においては、ケーブル内部部材10が内側冷媒20Cと外側冷媒30Cとで二重に取り囲まれた二重流路構造となっており、非重複領域R2においては、ケーブル内部部材10が内側冷媒20Cで一重に取り囲まれた一重流路構造となっている。
[ケーブル部]
ケーブル部90の説明にあたり、重複領域R1における超電導ケーブル1の横断面図である図2(A)を参照する。図2(A)に示すケーブル部90を備える超電導ケーブル1は、いわゆる低温絶縁型の超電導ケーブルである。なお、低温絶縁型の超電導ケーブルを、常温絶縁型の超電導ケーブルに置換することもできる。その点に関しては、図2(B)を参照する実施形態2で説明する。
低温絶縁型の超電導ケーブルのケーブル部90は、超電導導体12を備えるケーブル内部部材10と、そのケーブル内部部材10が内部に収納される内部部材収納管20と、その内部部材収納管20が内部に収納される外側断熱管30と、を備える。ケーブル内部部材10は内部部材収納管20内で鉛直下方に偏り、内部部材収納管20は外側断熱管30内で鉛直下方に偏る傾向にある。
(ケーブル内部部材)
ケーブル内部部材10は、代表的には、フォーマ11の上に順次、超電導導体12、電気絶縁層13、外側導体層14、保護層15を設けた構成を備える。図1に示すように、内部部材収納管20の内部で複数のケーブル内部部材10が接続部J1,J2を介して接続される。なお、図示される接続部の数は実際の数よりもかなり少なく表示している。
ケーブル内部部材10に備わるフォーマ11は、超電導導体12の支持体に利用される部材であり、例えば、図2(A)に示すような中実体を利用できる。フォーマ11の形状としては、撚り線などの中実体の他、パイプ状の中空体を利用することもできる。このフォーマ11の材質は特に限定されない。単に超電導導体12の支持体としてフォーマ11を利用するのであれば、フォーマ11は樹脂(例えば、繊維強化プラスチック)などの非導電性材料から構成しても良いし、フォーマ11に異常時電流の分流路としての機能も持たせるのであれば、銅やアルミニウムなどの常電導の金属材料から構成しても良い。
超電導導体12は、例えば酸化物超電導体を備えるテープ状線材をフォーマ11の外周に螺旋状に巻回することで形成できる。テープ状線材は、単層状に巻回しても良いし、多層状に巻回しても良い。このテープ状線材としては、例えば、Bi2223系超電導テープ線(Ag−MnやAgなどの安定化金属中に酸化物超電導体からなるフィラメントが配されたシース線)、RE123系薄膜線材(RE:希土類元素、例えばY、Ho、Nd、Sm、Gdなど。金属基板に酸化物超電導相が成膜された積層線材)が挙げられる。
電気絶縁層13は、例えばクラフト紙とポリプロピレンなどの樹脂フィルムとをラミネートした半合成紙(住友電気工業株式会社製PPLP:登録商標)を超電導導体12の外周に巻回することで形成できる。電気絶縁層13は、後述する内部部材収納管20内で超電導導体12と共に極低温に冷却される。
外側導体層14は、電気絶縁層13の外周に、例えば超電導導体12に用いたものと同様の超電導線材を巻回することで形成できる。外側導体層14を超電導線材から構成した場合、交流ケーブルでは電磁シールドとして利用することができるし、直流ケーブルでは電流の往路と帰路の一方を構成する往路導体層(帰路導体層)、又は中性線として利用することができる。なお、超電導ケーブル1に流れる電流値が大きくない場合などには、外側導体層14は必ずしも超電導線材で構成する必要はない。その場合、金属テープなどで外側導体層14を構成すれば良い。
保護層15は、例えば、クラフト紙を巻回することで形成することができる。この保護層15は、外側導体層14を機械的に保護すると共に、内部部材収納管20との間を絶縁させるためのものである。
(内部部材収納管)
内部部材収納管20は、上述したケーブル内部部材10を内部に収納する管路である。本実施形態における内部部材収納管20は、その全長にわたって断熱構造(真空・非真空を問わない)を有する。なお、図示していないが、内部部材収納管20は、長手方向に繋ぎ目や接続部が形成されていても良い。
内部部材収納管20には、例えば、ケーブル内部部材10を収納する内管21と、内管21を内部に収納する外管22と、を備える二重管構造を採用することができる。内管21と外管22との間に断熱材や、内管21と外管22とを離隔させるスペーサを配置すると、内部部材収納管20の断熱性を高められる。なお、本実施形態では、内部部材収納管20として二重管構造を利用しているが、三重以上の多重管構造としても良い。
内管21及び外管22の構成材料としては、ステンレス鋼、アルミニウムやその合金などの金属が挙げられる。両管21,22の材質を異ならせてもよい。また、両管21,22はいずれも、その全長に亘ってコルゲート加工が施されたコルゲート管とすることができる。そうすることで、搬送時や布設時にケーブル部90を曲げ易くすることができる。
(外側断熱管)
外側断熱管30は、上述した内部部材収納管20を内部に収納する管路であって、断熱構造を有する。この外側断熱管30も、図示していないが、その長手方向に繋ぎ目や接続部を有していても良い。
上記外側断熱管30は、内部部材収納管20を内部に収納する内管31と、内管31を内部に収納する外管32と、を備える。内管31と外管32との間は真空引きされ、それによって真空断熱層が形成されている。その他、内管31と外管32との間にスーパーインシュレーションといった断熱材や、内管31と外管32とを離隔させるスペーサを配置すると、外側断熱管30の断熱性を高められる。なお、本実施形態では、断熱管として二重構造の断熱管を利用しているが、三重以上の多重管構造としても良い。
内管31及び外管32の構成材料としては、ステンレス鋼、アルミニウムやその合金などの金属が挙げられる。両管31,32の材質を異ならせてもよい。また、両管31,32はいずれも、その全長に亘ってコルゲート加工が施されたコルゲート管とすることができる。そうすることで、搬送時や布設時にケーブル部90を曲げ易くすることができる。
[内側冷媒]
以上説明したケーブル部90の内部部材収納管20の内部には内側冷媒20Cが循環される。この内側冷媒20Cにより、ケーブル内部部材10の超電導導体12を極低温に冷却し、超電導導体12を超電導状態に維持することができる。内側冷媒20Cとしては、液体窒素(沸点;約77K)や、液体空気(沸点;約83K)、液体酸素(沸点;約90K)、液体水素(沸点;約20.6K)、液体ヘリウム(沸点;約4.2K)などを利用することができる。ケーブル内部部材10に備わる超電導導体12が、例えばBi2223系や、RE123系(RE:希土類元素、例えばY、Ho、Nd、Sm、Gdなど)などの高温超電導材料の場合、約85K以下の沸点をもつ液体冷媒が好ましく、安全性、入手の容易さ、絶縁性、コストを考慮して、液体窒素が最も好ましい。
[外側冷媒]
図2(A)に示すように、外側冷媒30Cは、ケーブル部90における外側断熱管30の内部で、かつ内部部材収納管20の外側の空間に循環される。本実施形態では、外側冷媒30Cの流路断面積は、内側冷媒20Cの流路断面積とほぼ同じとなっている。この外側冷媒30Cの循環によって外側断熱管30を介した侵入熱を処理し、内部部材収納管20の温度上昇を抑制することができる。内部部材収納管20の温度上昇を抑制することができれば、その内部部材収納管20の内部に充填される内側冷媒20Cの温度上昇を抑制でき、超電導導体12を極低温に維持することができる。
外側冷媒30Cには、上述した内側冷媒20Cに利用することができる液体冷媒を用いることができる。外側冷媒30Cと内側冷媒20Cとに同一の液体冷媒を用いても良いし、異なる液体冷媒を用いても良い。後者の場合、外側冷媒30Cとして、内側冷媒20Cの沸点よりも低沸点の液体冷媒を利用することが好ましい。また、外側冷媒30Cは、固液混合としても良い。例えば、外側冷媒30Cとして液体窒素を利用する場合、その液体窒素中にスラッシュ窒素を含有させても構わない。スラッシュ窒素を用いることで液体窒素のガス化を遅らせることができる。
≪リターン管≫
本実施形態におけるリターン管8は、図1に示すように、上述した超電導ケーブル1からケーブル内部部材10を除いたような構成を備える。即ち、リターン管8は、内側冷媒20Cを流通させる内側流通管81と、内側流通管81を内部に収納すると共に、外側冷媒30Cを流通させる外側流通管82とを備える。また、内側流通管81が外側流通管82よりも長くなっており、従ってリターン管8においても重複領域R1と非重複領域R2とが形成される。内側流通管81には、超電導ケーブル1の内部部材収納管20と同様の二重管構造を利用することができ、また、外側流通管82には、超電導ケーブル1の外側断熱管30と同様の二重管構造を利用することができる。
ここで、内側流通管81の流路断面積および外側流通管82の流路断面積はそれぞれ、内部部材収納管20の流路断面積および外側断熱管30の流路断面積と同等以上としておく。特に、リターン管8と超電導ケーブル1とで流路断面積を同じとすると、内側冷媒20Cと外側冷媒30Cの循環が阻害されることがなく、しかもリターン管8の外径を超電導ケーブル1の外径よりも小さくすることができる。また、リターン管8の流路断面積を、超電導ケーブル1の流路断面積よりも大きくすれば、冷却区間長を長くするために有効である。その場合でも、リターン管8の流路断面積を大きくしすぎなければ、リターン管8の外径を超電導ケーブル1の外径以下とすることは可能である。
≪流路構造の構築状態≫
図1に示すように、超電導ケーブル1の内部部材収納管20と、リターン管8の内側流通管81とは、接続部J3の位置で内側流路接続部29によって接続される。内側流路接続部29は、外部環境からの熱侵入を抑制する断熱構造を有している。この内側流路接続部29によって、超電導ケーブル1とリターン管8との間で内側冷媒20Cの循環路が形成される。
内側冷媒20Cは、端末91の近傍に設けられる内側冷媒の循環冷却機構40によって内部部材収納管20内に循環される(図中の白抜き矢頭の付いた実線矢印を参照)。当該循環冷却機構40は、リザーバタンク41と、往路管42と、復路管43と、液化機44と、ポンプ45と、を備える。リザーバタンク41は断熱構造を備え、内側冷媒20Cの温度変化に伴う内側冷媒20Cの体積変化を吸収すると共に、内側冷媒20Cを貯留する部材である。往路管42は、端末91近傍でリザーバタンク41と内部部材収納管20とを繋ぐ断熱管であり、復路管43は、リザーバタンク41と内側流通管81とを繋ぐ断熱管である。冷却システム44は、内側冷媒20Cを冷却するシステムであって、冷凍機やポンプなどで構成される。また、ポンプ45は、往路管42の途中に設けられ、内側冷媒20Cを内部部材収納管20に送り出す部材であって、市販のものを利用することができる。
内側冷媒20Cの循環は次のように行なわれる。まず、リザーバタンク41に貯留される内側冷媒20Cは、ポンプ45によって往路管42に送り出され、端末91の近傍で内部部材収納管20の内部に流れ込む。内部部材収納管20に流れ込んだ内側冷媒20Cは、紙面右側に向かって流れ、紙面右端の内側流路接続部29を介して、リターン管8の内側流通管81に流れ込む。そして、リターン管8を紙面左側に向かって流れる内側冷媒20Cは、紙面左端で内側冷媒の循環冷却機構40の復路管43に流れ込み、リザーバタンク41に戻る。リザーバタンク41に戻った内側冷媒20Cは冷却システム44で冷却され、再び往路管42に送り出される。
一方、超電導ケーブル1の外側断熱管30と、リターン管8の外側流通管82とは、重複領域R1と非重複領域R2の境界近傍で、外側流路接続部39によって接続されている。外側流路接続部39も、外部環境からの熱侵入を抑制する断熱構造を有している。この外側流路接続部39によって、超電導ケーブル1とリターン管8との間で外側冷媒30Cの循環路が形成される。
外側冷媒30Cは、外側冷媒の循環冷却機構50によって外側断熱管30内に循環される(図中の点線矢印を参照)。当該循環冷却機構50は、リザーバタンク51と、往路管52と、復路管53と、液化機54と、ポンプ55と、を備える。リザーバタンク51は断熱構造を備え、外側冷媒30Cの温度変化に伴う外側冷媒30Cの体積変化を吸収すると共に、外側冷媒30Cを貯留する部材である。往路管52は、端末91近傍でリザーバタンク51と外側断熱管30とを繋ぐ断熱管であり、復路管53は、リザーバタンク51と外側流通管82とを繋ぐ断熱管である。冷却システム54は、外側冷媒30Cを冷却するシステムであって、冷凍機やポンプなどで構成される。また、ポンプ55は、往路管52の途中に設けられ、外側冷媒30Cを外側断熱管30に送り出す部材であって、市販のものを利用することができる。
外側冷媒30Cの循環は次のように行なわれる。まず、リザーバタンク51に貯留される外側冷媒30Cは、ポンプ55によって往路管52に送り出され、端末91の近傍で外側断熱管30の内部に流れ込む。外側断熱管30に流れ込んだ外側冷媒30Cは、紙面右側に向かって流れ、重複領域R1と非重複領域R2との境界近傍で外側流路接続部39を介して、リターン管8の外側流通管82に流れ込む。そして、リターン管8を紙面左側に向かって流れる外側冷媒30Cは、紙面左端で外側冷媒の循環冷却機構50の復路管53に流れ込み、リザーバタンク51に戻る。リザーバタンク51に戻った外側冷媒30Cは冷却システム54で冷却され、再び往路管52に送り出される。
≪本発明の超電導ケーブル線路の効果≫
以上説明した超電導ケーブル線路101(超電導ケーブル1)によれば、その冷却区間長を従来の超電導ケーブルに比べて大幅に長くすることができる。具体的には、本実施形態における内部部材収納管20と同じ流路断面積を有し、その外部に外側断熱管30がない従来の一重流路構造の超電導ケーブルの冷却区間長を『1』とした場合、流路断面積を2倍とした一重流路構造の冷却区間長は『約1.4』となる(下記計算例2を参照)のに対し、内側流路と同じ流路断面積を有する外部流路を構成する本実施形態の超電導ケーブル線路101の冷却区間長を『約1.6』とすることができる(下記計算例1を参照)。なお、計算にあたっては、各構成の単位体積当たりの流路抵抗は同じと見做す。
[計算例1]
重複領域R1の長さをA1、非重複領域R2の長さをB1とした場合、外側冷媒30Cでは、A1の長さで侵入熱の熱処理を行なうと共に、A1の長さの圧力損失に対応する必要がある。一方、内側冷媒20Cでは、B1の長さで侵入熱の熱処理を行なうと共に、A1+B1の長さの圧力損失に対応する必要がある。必要な冷媒の流量は、熱負荷(侵入熱や発生熱)を処理する区間の長さに比例し、圧力損失は冷媒流量(熱負荷区間の長さ)×流路の長さに比例することから、外側冷媒30Cの圧力損失=k×A1×A1、内側冷媒20Cの圧力損失=k×B1×(A1+B1)となる(kは流路抵抗に当たる係数)。外側冷媒30Cが流れる部分の流路抵抗と、内側冷媒20Cが流れる部分の流路抵抗とを同等とする場合、外側冷媒30Cの圧力損失と内側冷媒20Cの圧力損失とが同じとなるとき、即ちk×A1×A1=k×B1×(A1+B1)となるときのB1は約0.618×A1となる。つまり、冷却区間長を、A1+0.618×A1、即ちA1の約1.6倍とすることができる。
[計算例2]
一方、基準となる一重流路構造の長さをA1、その流路抵抗に当たる係数をkとしたとき、流路断面積を2倍とした一重流路構造の流路抵抗に当たる係数はk/2になる。2倍断面積の一重流路構造の冷却区間長をA1’とした場合、その2倍断面積の一重流路構造における冷媒の圧力損失=(k/2)×A1’×A1’となる。基準となる一重流路構造での冷媒の圧力損失と、2倍断面積の一重流路構造での冷媒の圧力損失と、が同じとなるとき、即ちk×A1×A1=(k/2)×A1’×A1’となるときのA1’は約1.414×A1となる。即ち、断面積を2倍にすることで、冷却区間長は約1.4倍にできる。
また、本実施形態の超電導ケーブル線路101(超電導ケーブル1)において、外側冷媒30Cがケーブル内部部材10の電気絶縁層13と隔離されていることも、超電導ケーブル1の冷却区間長を長くすることができる要因の一つである。PPLP(登録商標)を巻回することで構成されるケーブル内部部材10の電気絶縁層13において、液体冷媒の圧力が低いと絶縁性能が不安定になることが知られている。安定した絶縁性能を確保するために、従来の超電導ケーブルでは、液体冷媒の最低圧力は0.2MPa(ベース圧力)以上とするのが一般的である。これに対して、本実施形態の超電導ケーブル1では、外側冷媒30Cの循環にあたり上記ベース圧力を考慮する必要がなく、循環路中における外側冷媒30C最高圧力と最低圧力との圧力差を従来構成よりも大きくすることができる。そのため、圧力差を大きくできる分だけ流量の調整幅を大きくすることができ、超電導ケーブル1の冷却区間長を長くすることができる。なお、外側冷媒30Cがケーブル内部部材10の電気絶縁層13と隔離されていることで、外側冷媒30Cの温度変化幅も大きくすることができる可能性がある。
<実施形態2>
実施形態1で説明した低温絶縁型の超電導ケーブルを、常温絶縁型の超電導ケーブルに置換することもできる。常温絶縁型の超電導ケーブルとして、例えば、図2(B)の横断面図に示すケーブル部90’を備える超電導ケーブルを利用することができる。なお、この置換は、後述する実施形態においても同様に行なうことができる。
≪常温絶縁型超電導ケーブル≫
図2(B)に示す常温絶縁型の超電導ケーブルのケーブル部90’は、図2(A)に示す低温絶縁型の超電導ケーブルのケーブル部90と同様、ケーブル内部部材10’と、内部部材収納管20’と、外側断熱管30’と、を備える。両型の主たる相違点は、ケーブル内部部材の構成、および外側断熱管の構成にある。以下、両型の相違点を中心に説明する。
[ケーブル内部部材]
ケーブル内部部材10’は、フォーマ11の外周に超電導導体12と保護層15を備えるが、図2(A)のケーブル内部部材10における電気絶縁層13と外側導体層14に相当するものを有さない。超電導導体12は、端末やジョイント部で内部部材収納管20’に接続され、超電導導体12と内部部材収納管20’とは同電位となっている。そこで、後述する外側断熱管30’の構成に示すように、常温絶縁型の超電導ケーブルでは、外側断熱管30’の外周に電気絶縁層33を設けている。なお、上記ケーブル内部部材10’における超電導導体12の外周には、保護層15を設けることが好ましい。保護層15としては、クラフトテープなどを利用することができる。
[外側断熱管]
外側断熱管30’は、内管31と外管32に加え、外管32の外周に電気絶縁層33を備える。電気絶縁層33は、所望の耐電圧特性を有するものであって、常温環境で利用される。この電気絶縁層33には、常電導ケーブルで実績がある電気絶縁強度に優れる材料、代表的にはCVケーブルに利用される架橋ポリエチレン(XLPE)などを利用できる。架橋ポリエチレンなどの絶縁性樹脂であれば、外管32の外周に絶縁性樹脂を押し出すだけで電気絶縁層33を容易に形成できる。
<実施形態3>
実施形態1で説明した内部部材収納管20は、その断熱性能を変更可能に構成しても良い。その場合、例えば、内部部材収納管20の内管21と外管22との間の内部空間に繋がる真空ポートを内部部材収納管20に設ければ良い。この真空ポートを用いて上記内部空間を真空引きすれば、内部部材収納管20の断熱性能を上昇させることができる。逆に真空ポートを用いて内部空間内に窒素ガスなどを導入すれば、内部部材収納管20の断熱性能を低下させることができる。
内部部材収納管20の断熱性能を変更可能に構成することで、超電導ケーブル1のケーブル内部部材10を冷却する際、ケーブル内部部材10に過大な張力が作用し、ケーブル内部部材10が損傷することを防止できる。具体的には、まず内部部材収納管20の断熱性能を高くし、外側冷媒30Cの充填を行う。当初はガス状態での冷却が進められ、所定の温度に到達した時点で液体冷媒を充填し、最終的に循環させる。外側冷媒30Cによって内部部材収納管20の重複領域R1の外周の温度が全長にわたってほぼ低下した状態となったら、内部部材収納管20の断熱性能を低くする。そうすることで、内部部材収納管20の内部が、内部部材収納管20の全長にわたって冷却され、その内部部材収納管20の内部に収納されるケーブル内部部材10も全長にわたって冷却される。ケーブル内部部材10の全長を冷却することができれば、ケーブル内部部材10の長手方向にケーブル内部部材10の収縮差が生じることを回避でき、ケーブル内部部材10に過大な張力が作用することを回避できる。
なお、内部部材収納管20内への内側冷媒20Cの循環は、内部部材収納管20内が十分に冷却されてから開始すれば良い。また、ケーブル内部部材10を冷却した後の内部部材収納管20の断熱性能は、高くする。
<実施形態4>
実施形態1では、内部部材収納管20がその全長にわたって断熱構造を備える例を説明した。これに対して、内部部材収納管20のうち、非重複領域R2に対応する部分のみを断熱構造とし、残りの重複領域R1に対応する部分を伝熱構造としても良い。この構成は、重複領域R1において、内部冷媒20Cと外側冷媒30Cとの間で熱交換を可能にする構成である。この構成を採用した超電導ケーブル線路は、送電に伴って超電導導体が発熱する交流送電に適している。
上記断熱構造と伝熱構造とが混在した内部部材収納管20は、例えば、伝熱構造の第一分割管と、断熱構造の第二分割管と、を接続することで得られる。伝熱構造の第一分割管としては、例えばステンレス製の一重管を利用することができ、その長さは外側断熱管30とほぼ同尺である。一方、断熱構造の第二分割管としては、実施形態1で説明した内管と外管とからなる二重管構造を利用することができる。これら第一断熱管と第二断熱管とを接続すれば、重複領域R1と非重複領域R2とのほぼ境界位置で、伝熱構造と断熱構造とに分けられた内部部材収納管20を構築することができる。
<実施形態5>
実施形態1では、超電導ケーブル1とリターン管8とを並列させた超電導ケーブル線路101を説明した。これに対して、リターン管8を超電導ケーブル1と同様の構成を備える超電導ケーブルに置換することもできる。その場合、並列される両超電導ケーブルの内側冷媒の流路同士、および外側冷媒の流路同士を繋げれば良い。
<実施形態6>
実施形態1では、二重流路構造を有する本発明の超電導ケーブル1同士を直列に接続することで超電導ケーブル線路101を構築した。これに対して、二重流路構造を有する本発明の超電導ケーブルと、一重流路構造を有する従来の超電導ケーブルと、を直列に接続した部分を有する超電導ケーブル線路とすることもできる。その場合、直列に接続される本発明の超電導ケーブルと従来の超電導ケーブルのケーブル内部部材同士は接続するが、冷媒流路同士は接続しないようにすると良い。
上記構成は、超電導ケーブル線路の布設経路において、冷却システムの設置スペースの確保が難しい難布設区間がある場合に好適である。例えば、超電導ケーブル線路の布設にあたって、難布設区間に本発明の超電導ケーブルを配置し、残りの区間に従来の超電導ケーブルを配置すると良い。
<実施形態7>
実施形態1では、1条の超電導ケーブルに1心のケーブル内部部材を備える構成を説明した。これに対して、複数のケーブル内部部材を備える超電導ケーブルとすることができる。例えば、3心のケーブル内部部材を備える超電導ケーブルの場合、各ケーブル内部部材をそれぞれ内部部材収納管の内部に配置し、それら内部部材収納管を一括して外側断熱管の内部に配置すれば良い。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
本発明の超電導ケーブル、および本発明の超電導ケーブルを用いた超電導ケーブル線路は、例えば工場内の送電路に利用することができる。
101 超電導ケーブル線路
1 超電導ケーブル(第一超電導ケーブル)
90,90’ ケーブル部
10,10’ ケーブル内部部材
11 フォーマ 12 超電導導体 13 電気絶縁層 14 外側導体層
15 保護層
20,20’ 内部部材収納管
21 内管 22 外管
29 内側流路接続部
30,30’ 外側断熱管
31 内管 32 外管 33 電気絶縁層
39 外側流路接続部
20C 内側冷媒
30C 外側冷媒
40 内側冷媒の循環冷却機構
41 リザーバタンク 42 往路管 43 復路管 44 冷却システム
45 ポンプ
50 外側冷媒の循環冷却機構
51 リザーバタンク 52 往路管 53 復路管 54 冷却システム
55 ポンプ
8 リターン管 81 内側流通管 82 外側流通管
91 端末
J1〜J3 接続部

Claims (11)

  1. 超電導導体を有するケーブル内部部材を備える超電導ケーブルであって、
    前記ケーブル内部部材、前記ケーブル内部部材が収納される内部部材収納管、および前記内部部材収納管が内部に収納される外側断熱管を備えるケーブル部と、
    前記内部部材収納管の内部に循環され、前記ケーブル内部部材に備わる超電導導体を極低温に冷却する内側冷媒と、
    前記外側断熱管の内部で、かつ前記内部部材収納管の外側に循環される外側冷媒と、を備え、
    前記内部部材収納管が、前記外側断熱管よりも長く、それによって前記ケーブル部の長手方向に、前記内部部材収納管に前記外側断熱管が重複する重複領域と、前記内部部材収納管に前記外側断熱管が重複しない非重複領域と、が形成されている超電導ケーブル。
  2. 前記内部部材収納管は、少なくとも第一分割管と、その第一分割管と異なる構造の第二分割管と、を組み合わせてなり、
    前記外側断熱管の内部に、前記外側断熱管とほぼ同尺長の第一分割管が収納され、
    前記重複領域と前記非重複領域とのほぼ境界位置で、前記第一分割管と前記第二分割管とが接続されている請求項1に記載の超電導ケーブル。
  3. 前記外側断熱管の内部に、前記外側断熱管よりも長尺の前記内部部材収納管の一部が配置されている請求項1に記載の超電導ケーブル。
  4. 前記内部部材収納管における少なくとも前記非重複領域に相当する部分は、断熱構造を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記内部部材収納管における前記重複領域に相当する部分は、伝熱構造を備える請求項4に記載の超電導ケーブル。
  6. 前記内部部材収納管の断熱性能が変更可能に構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  7. 直流送電に利用される請求項1〜6のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  8. 交流送電に利用される請求項1〜6のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導ケーブルを少なくとも一部に備える超電導ケーブル線路。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導ケーブルからなる第一超電導ケーブルと、
    内側流通管、および前記内側流通管が内部に収納される外側流通管を備えるリターン管と、が並列して設けられる箇所を有し、
    前記内側流通管が前記外側流通管よりも長く、それによってリターン管の長手方向に、前記内側流通管に前記外側流通管が重複する重複領域と、前記内側流通管に前記外側流通管が重複しない非重複領域と、が形成されており、
    前記第一超電導ケーブルの内部部材収納管と、前記リターン管の内側流通管と、を繋げ、
    前記第一超電導ケーブルの外側断熱管と、前記リターン管の外側流通管と、を繋げた請求項9に記載の超電導ケーブル線路。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導ケーブルからなる第二超電導ケーブルと、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の超電導ケーブルからなる第三超電導ケーブルと、
    が並列して設けられる箇所を有し、
    並列される前記第二超電導ケーブルと前記第三超電導ケーブルに備わる前記内部部材収納管同士、および前記外側断熱管同士を繋げた請求項9に記載の超電導ケーブル線路。
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