JP2014143648A - 弾性波デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電基板上における弾性表面波の伝搬特性に基づいて所望の媒質にかかわる計測や監視を実現する弾性波デバイスに関し、コストの増加と構成の複雑化との何れも大幅に伴う事無く、利得及び精度が高められる弾性波デバイスの提供。
【解決手段】圧電基板21上に伝搬路22を挟んで対向して配置された送波電極及び受波電極の対を2つ有する弾性波デバイスであって、2つの対の内、特定の対において、伝搬路上に形成され、かつ送波電極から到来した弾性表面波を所定の比率で反射し、または吸収する付加電極11を備え、付加電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、2つの対の内、特定の対において受波電極に到来する弾性表面波の移相量と、特定の対以外の他方の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波の移相量との差が、整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電基板上における弾性表面波の伝搬特性に基づいて所望の媒質にかかわる計測や監視を実現する弾性波デバイスに関する。
弾性表面波センサ等の弾性表面波デバイスは、以下の好ましい特徴を有するために、これらの特徴の活用により小型化、軽量化、無調整化が容易なデバイスとして、多様なものが開発されつつある。
(1) 入力された電気信号が内部で変換されることによって得られる弾性表面波の波長が電磁波の波長の百万分の一程度と大幅に短い。
(2) 弾性表面波の伝搬路となる圧電基板と、その圧電基板上に微細に形成可能な膜やパターンとして形成された電極等とから構成される。
(3) 圧電基板の表面の研磨は、弾性表面波の伝搬路が形成される片面だけで十分である。
(4) 弾性表面波の主要なエネルギーが圧電基板の表面に集中して伝搬するために、このような表面に形成された電極、あるいはその表面に接触する媒質との音響的な結合が密に、あるいは自在に達成される。
(5) 上記結合の下で弾性表面波に施されるべき処理、線形領域と非線形領域との双方で安定に精度よく実現可能である。
図2は、従来の弾性表面波センサの構成例を示す図である。
図において、圧電基板21が有する矩形の片面の中央部には、その片面に相似な矩形の伝搬路22が確保され、かつたんぱく質等の膜が形成される。このような伝搬路22の特定の辺の近傍には、構成が同じであって、圧電基板21上におけるパターンとして並列に接続された櫛形電極(IDT:interdigital transducer)23S-a、23S-bが形成され、その特定の辺に対向する他辺の近傍には、並列に接続され、かつ上記櫛形電極23S-a、23S-bにそれぞれ正対する状態で櫛形電極23R-a、23R-bが形成される。なお、櫛形電極23R-aの構成は既述の櫛形電極23S-aの構成と同じであるが、櫛形電極23R-bは櫛形電極23R-aを構成するパターンとはシンメトリーに構成される。
櫛形電極23S-aの一方の端子には信号源30の出力が接続され、その櫛形電極23S-aの他方の端子と櫛形電極23S-bの一方の端子とは、圧電基板21上に形成されたパターンにより電気的に直結され、かつ接地される。櫛形電極23S-bの他方の端子は上記信号源30の出力に接続される。
櫛形電極23R-aの一方の端子は回路31の入力に接続され、その櫛形電極23R-aの他方の端子と櫛形電極23R-bの一方の端子とは、圧電基板21上に形成されたパターンにより電気的に直結され、かつ接地される。櫛形電極23R-bの他方の端子は上記回路31の入力に接続される。
伝搬路22の内、櫛形電極23S-b、23R-bで挟まれた領域(以下、「表面伝搬阻止域」という。)の所定の箇所には、これらの櫛形電極23S-b、23R-bの間で弾性表面波が伝搬する方向に交叉し、かつ周波数軸上における弾性表面波の占有帯域に反射域を有する反射電極24が形成される。このような反射電極24は、例えば、グレーティング反射器として構成されてもよい。
なお、伝搬路22の領域の内、上記「表面伝搬阻止域」に隣接する残りの領域については、以下では、「表面伝搬域」という。
伝搬路22の辺の内、櫛形電極23S-b、23R-bに直近の辺以外の辺であって、既述の「表面伝搬域」と反対側にある辺の外側の部位には、吸収体25が配置される。
このような構成の弾性表面波センサでは、信号源30は、櫛形電極23S-a、23S-bに、上記伝搬路22の内、例えば、中央部に該当する反応場に滴下され、あるいは接触する媒質について計測されるべき項目に適した交流信号を並行して与える。
櫛形電極23S-aは、このような交流信号によって励振され、図2に太い実線の矢印で示すように、伝搬路22(表面伝搬域)に弾性表面波(以下、「弾性表面波a」という。
)を送出する。これらの弾性表面波の一部は、例えば、櫛形電極23S-aを形成する金属膜の部位とその金属膜以外の部位との間における伝搬速度の不連続性に起因して、図1に点線の矢印で示すように、圧電基板21の表面ではなく内部を伝搬するバルク波(以下、「バルク波a」という。)に変換される。
櫛形電極23S-bは、上記交流信号が櫛形電極23S-aとは反対の位相で与えられることによって励振され、図2に細い実線の矢印で示すように、伝搬路22(表面伝搬阻止域)に既述の「弾性表面波a」と逆相の弾性表面波(以下、「弾性表面波b」という。)を送出する。これらの弾性表面波の一部は、例えば、櫛形電極23S-bを形成する金属膜の部位とその金属膜以外の部位との間における伝搬速度の不連続性に起因して、図1に点線の矢印で示すように、圧電基板21の表面ではなく内部を伝搬するバルク波(以下、「バルク波b」という。)に変換される。
弾性表面波aは、上記媒質が滴下されあるいは接触する反応場(と、その媒質と)を伝搬して櫛形電極23R-aに到達し、その櫛形電極23R-aによって電気信号Eaに変換される。
また、バルク波aは、圧電基板21の内部(内層)を伝搬して櫛形電極23R-aに到達し、その櫛形電極23R-aによって電気信号EBaに変換される。
一方、弾性表面波bは、上記反応場(と、その媒質と)を伝搬するが、その弾性表面波bの大半の(主要な)成分は、櫛形電極23R-bに到達する前に、図2に破線で示すように反射電極24によって吸収体25の方向に反射され、この吸収体25によって吸収される。
さらに、バルク波bは、圧電基板21の内部(内層)を伝搬して櫛形電極23R-bに到達し、その櫛形電極23R-bによって電気信号EBb(=−EBa)に変換される。
すなわち、回路31に入力される電気信号Eには、バルク波a,bの成分は、下式で示されるように、バルク波の成分が逆相で相殺されるため、ほとんど含まれない。
E=Ea+EBa+EBb …(a)
=Ea+EBa−EBa
=Ea
したがって、このような相殺の下で得られるSN比は、例えば、40デシベル以上の高い値となる。
また、上記バルク波の成分は、時間軸上におけるバルク波aとバルク波bとの瞬時値が櫛形電極23S-b、23R-bによって減じられることにより、相殺される。
さらに、本実施形態では、反射電極24は、従来例のように、伝搬路(反応場)上に塗設された「樹脂」やその伝搬路(反応場)に形成された「キズ」とは異なり、一般に、櫛形電極23S-a、23S-b、23R-a、23R-bと同様に圧電基板21上にパターンとして一括して形成可能であり、配置、形状、寸法等の何れもが微細に設定可能である。
したがって、本実施形態によれば、コストが大幅に増加することなく、バルク波に起因する精度や性能の低下が安定に回避される。
本発明に関連性がある先行技術としては、例えば、後述する特許文献1ないし特許文献3があった。
(1) 「圧電性基板上に、弾性表面波を励振する入力電極と、該入力電極からの弾性表面波を電気信号に変換して出力する出力電極とを形成し、所望の周波数特性を得るために電極指交差幅に重み付けした弾性表面波装置において、前記入力電極は、前記弾性表面波の伝搬方向とほぼ直交する方向に互いに対向して配置され、且つ各々から弾性表面波と共に励振される前記圧電性基板の表面に対して平行に進行するバルク波を互いに逆相とするように構成された第1及び第2の入力電極を含み、該第1及び第2の入力電極の各々から前記出力電極へ伝搬する弾性表面波のいずれか一方を遮断する遮断手段を設けた」ことにより、「基板の特性によらず、主として圧電性基板に平行に進行する不要バルク波を抑圧して帯域外抑圧度を改善する」点に特徴がある弾性表面波装置…特許文献1
(2) 「弾性表面波素子の基板裏面を所定の条件を満たす角度に傾斜させる」ことにより、「この裏面で反射され基板表面に形成された出力電極または弾性表面波導波路の異なる位置に入射するバルク波による信号を相殺させ、高いSN比で出力信号を取り出せるようにする」点に特徴がある弾性表面波素子…特許文献2
(3) 「圧電基板上に形成されて電気信号を弾性波に変換し、圧電基板を伝搬した弾性波を電気信号に変換する弾性表面波センサであって、圧電基板上に配置され、電気信号を弾性波に変換する2つの送波電極と、圧電基板上で2つの送波電極に個別に対向して形成され、圧電基板を介して到来した個々の弾性波を電気信号にそれぞれ変換する2つの受波電極と、2つの送波電極の一方と一方の送波電極に対向して形成された一方の受波電極とで挟まれた圧電基板上の領域に形成され、弾性波の内、弾性表面波を2つの受波電極以外の方向に反射する反射電極とを備える」ことにより、「コストが大幅に増加することなく、性能が向上し、かつ特性のバラツキが安定かつ確実に回避される」点に特徴がある弾性表面波センサ…特許文献3
特許第2821263号公報 特開平5−129886号公報 特開2012−085108号公報
ところで、上述した従来の弾性表面波センサでは、反射電極24が弾性表面波bを完全に反射するためには、その反射電極24を構成する素子の本数を増やす必要があった。しかし、このような本数を増やすと圧電基板21の露出部分が増加するために、その露出した部分にタンパク質が直接吸着し、バイオセンサとしての測定精度が劣化する等の問題があった。
また、反射器の代わりに樹脂を用いることで、弾性表面波bを完全に遮断する方法もあるが、樹脂塗布の場合は塗布精度のばらつきに起因する性能劣化や製造コストの問題があった。
本発明は、コストの増加と構成の複雑化との何れも大幅に伴うことなく、利得および精度が高められる弾性波デバイスを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、基板上に伝搬路を挟んで対向して配置された送波電極および受波電極の対を2つ有する弾性波デバイスにおいて、付加電極は、前記2つの対の内、特定の対において、伝搬路上に形成され、かつ送波電極から到来した弾性表面波を所定の比率で反射し、または吸収する。前記付加電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、前記2つの対の内、前記特定の対において受波電極に到来する弾性表面波の移相量と、前記特定の対以外の他方の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波の移相量との差が、整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定される。
すなわち、2つの対の内、特定の対の受波電極に到来する弾性表面波は、付加電極で反射されまたは吸収されるために、レベルが低下して到来する。また、このようにレベルが低下した弾性表面波の位相は、上記特定の対以外の対の受波電極に到来する弾性表面波の位相に対して、(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアン遅れる。
請求項2に記載の発明では、基板上に伝搬路を挟んで対向して配置された送波電極および受波電極の対を複数有する弾性波デバイスにおいて、付加電極は、前記複数の対の内、特定の対以外の対毎に、伝搬路上に形成され、かつ送波電極から到来した弾性表面波を所定の比率で反射し、または吸収する。前記付加電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、前記複数の対の内、前記特定の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波のベクトル和の移相量と、前記特定の対以外の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波のベクトル和の移相量との差が、整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定される。
すなわち、複数の対の内、特定の対の受波電極に到来する弾性表面波は、付加電極で反射されまたは吸収されるために、レベルが低下して到来する。また、このようにレベルが低下した弾性表面波のベクトル和の位相は、上記特定の対以外の対の受波電極に到来する弾性表面波のベクトル和の位相に対して、(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアン遅れる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の弾性波デバイスにおいて、前記対の内、2つ以上の対に含まれる送波電極の構成と特性との双方もしくは何れか一方が同じである。
すなわち、少なくとも2つ以上の対毎に、構成の共通化が図られる。
請求項4に記載の発明では、
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の弾性波デバイスにおいて、前記対の内、2つ以上の対に含まれる受波電極の構成と特性との双方もしくは何れか一方が同じである。
すなわち、少なくとも2つ以上の対毎に、構成の共通化が図られる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の弾性波デバイスにおいて、前記対の内、2つ以上の対において送波電極と受波電極とで挟まれた伝搬路の構成と特性との双方または何れか一方が同じである。
すなわち、少なくとも2つ以上の対毎に、構成の共通化が図られる。
本発明によれば、バルク波の抑圧に併せて、弾性表面波の伝達損失の軽減が図られ、性能や信頼性が総合的に高められる。
また、本発明によれば、信頼性および性能の向上に併せて、低廉化が図られる。
したがって、本発明が適用された弾性波デバイスは、構成が大幅に複雑化し、あるいはコストが増加することなく、多様なニーズの装置やシステムに柔軟に適用可能である。
本発明の一実施形態を示す図である。 従来の弾性表面波センサの構成例を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
図において、図2に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明を省略する。
本実施形態と図2に示す従来例との構成の相違点は、以下の通りに構成された反射電極11が反射電極24に代えて備えられた点にある。
反射電極11は、以下の通りに構成される。
(1) 弾性表面波bの一部(以下、「弾性表面波b′」という。)の櫛形電極23R-bに対する到達を可能とするグレーティング等によって形成される。
(2) 形状、寸法、配置、本数および厚みの全てまたは一部が下記の要件の全てを満たす値に予め設定される。
(2-1) バルク波bの伝搬特性が変化しても許容可能な程度に抑えられる。
(2-2) 弾性表面波bの伝搬速度が調整可能である。
(2-3) その伝搬速度の調整により、「櫛形電極23R-bに到達する弾性表面波b′」と「櫛形電極23R-aに到達する弾性表面波a」との位相の差が180度に設定される。
以下、このようにして構成された本実施形態の動作を説明する。
本実施形態では、回路31に入力される電気信号Eは、既述の式(a)ではなく、次の各項に対して与えられる下式(b)で示される。
(1) 櫛形電極23R-aが弾性表面波aに応じて出力する電気信号Ea
(2) 反射電極11がない仮想的な状態において、櫛形電極23R-bが弾性表面波bに応じて生成する電気信号Eb
(3) 弾性表面波bの成分の内、反射電極11を通過して櫛形電極23R-bに到達する弾性表面波b′の成分の比率k
(4) 櫛形電極23R-aがバルク波aに応じて出力する電気信号EBa
(5) 櫛形電極23R-bがバルク波bに応じて生成する電気信号EBb(=−EBa)
E=Ea+k・Eb+EBa+EBb
=Ea+k・Eb+EBa−EBa
=Ea+k・Eb …(b)
また、反射電極11が形成されない仮想的な状態において、弾性表面波a、bの伝搬路の特性が同じであり、かつ表面伝搬域の伝搬特性が均一である場合には、上式(b)は、下式(c)で示される。
E=Ea+k・Eb
=(1+k)Ea …(c)
すなわち、回路31に入力される信号Eには、バルク波a、bに相当する成分が所望の精度で相殺されるために含まれず、かつ弾性表面波a(弾性表面波b)に相当する成分が従来例より高い利得で反映される。しかも、本実施形態では、従来例に比べて、反射器の本数が増加することなく、圧電基板21の露出部分を小さく抑えることが可能である。
したがって、本実施形態によれば、コストの増加と構成の複雑化との何れも大幅に伴うことなく、利得および精度が総合的に高められる。
なお、本実施形態では、櫛形電極23S-aと櫛形電極23S-bとは、信号源30によって逆相で励振されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、櫛形電極23S-a、23S-bと櫛形電極23R-a、23R-bとが入れ替えられることによって、バルク波aとバルク波bとの相殺が同様に実現されてもよい。
また、本実施形態では、表面伝搬阻止域と表面伝搬域とが伝搬路22に並列に隣接して形成されているが、これらの表面伝搬阻止域および表面伝搬域は、両者の伝搬特性の格差が許容される程度に少なく設定可能であるならば、例えば、以下の形態で形成されてもよい。
(1) 共通の圧電基板21上における物理的に隔たった2つの領域にそれぞれ形成される。(2) 共通の圧電基板21上に形成されるが、両者の間における弾性表面波とバルク波との伝搬路の結合を粗に設定する分離体が併せて形成される。
(3) 異なる圧電基板上に個別に形成される。
さらに、本実施形態では、吸収体25が備えられている。
しかし、このような吸収体25は、表面伝搬阻止域、表面伝搬域、櫛形電極23S-a、23S-b、23R-a、23R-bの何れかに、反射電極11によって反射された弾性表面波bが吸収されることなく到達するために生じる精度や性能の劣化が許容されるならば、備えられなくてもよい。
また、本実施形態では、反射電極11によって弾性表面波bが反射される方向は、弾性表面波b、バルク波aおよびバルク波bと、その弾性表面波bとが圧電基板上21において音響的に干渉することに起因する精度ならびに性能と、これらの安定性の低下が許容されるならば、如何なる方向であってもよい。
さらに、本実施形態では、バルク波の相殺は、既述の通りにシンメトリーに構成された櫛形電極23R-a、23R-bの出力が並列に回路31に接続されることによって実現されている。
しかし、このような相殺は、例えば、以下の何れの形態で実現されてもよい。
(1) 櫛形電極23R-a、23R-bの出力が個別に引き渡された外部で行われる加算または減算
(2) 内蔵された差動増幅回路や信号処理プロセッサが行う同様の加算または減算
また、本実施形態では、櫛形電極23S-aと櫛形電極23S-bとの接続点と、櫛形電極23R-aと櫛形電極23R-bとの接続点とが共に接地されている。
しかし、これらの接続点は、表面伝搬域と表面伝搬阻止域とにおける弾性表面波の伝搬特性が所望の精度で同じであるならば、例えば、以下の何れの形態で形成され、あるいは用いられてもよい。
(1) 何れもが接地されない。
(2) 櫛形電極23S-a、23S-bの接続点が信号源30に接続され、かつ櫛形電極23R-a、23R-bの接続点が接地される。
(3) 櫛形電極23S-a、23S-bの接続点が接地され、かつ櫛形電極23R-a、23R-bの接続点が回路31に接続される。
さらに、本実施形態では、例えば、反応場上にある(存在し得る)媒質の種類、量、分布等に起因して、表面伝搬域と表面伝搬阻止域とにおける弾性表面波の伝搬特性に許容されない程度で偏差や変化が生じる場合には、既述の相殺を実現する加算または減算は、以下の要素から構成される回路や装置によって与えられる重みWa、Wbに基づく積和演算として実現されてもよい。
(1) 媒質の種類、量、分布等を識別し、あるいは手動による指定を可能とする第一の手段
(2) 識別され、あるいは指定された媒質の種類、量、分布等に適応した重みWa、Wbを求める第二の手段
なお、このような回路や装置は、本実施形態に係る弾性表面波センサに内蔵されなくてもよく、別体に設けられてもよい。
また、上記第一の手段は、媒質の種類、量、分布等を識別する場合には、その識別のために如何なるセンサと連係し、あるいはこのようなセンサを含んで構成されてもよい。
さらに、上記第二の手段は、上記媒質の種類、量、分布等に基づく算術演算と、これらの種類、量および分布等の組み合わせに応じたテーブルのルックアップとの何れにより重みWa、Wbを求めてもよい。
また、本発明は、本実施形態のような弾性表面波センサに限定されず、例えば、弾性表面波フィルタ、弾性表面波発振器、弾性表面波共振器、弾性表面波導波路、弾性表面波遅延器、弾性表面波相関器等の多様な弾性波デバイスにも同様に適用可能である。
さらに、本実施形態には、反射電極11および吸収体25が備えられている。
しかし、このような反射電極11は、弾性表面波bの成分を所定の比率で吸収する電極で代替されてもよい。
また、本実施形態では、「櫛形電極23R-bに到達する弾性表面波b′」と「櫛形電極23R-aに到達する弾性表面波a」との位相の差は、比率kが正数として与えられることによって従来例より利得が高められるならば、180度に限定されず、例えば、(π/2)ラジアンないし(3π/2)の何れの値であってもよい。
さらに、本実施形態では、以下の諸元は、バルク波の相殺が所望の精度で達成され、かつ総合的な利得および精度が従来例より高められるならば、如何なるものであってもよい。
(1) 櫛形電極23S-a、23S-b、23R-a、23R-bおよび反射電極11の形状、寸法、配置、本数および厚み
(2) 櫛形電極23S-a、23R-aの間と、櫛形電極23S-b、23R-bの間とに個別に形成されるチャネル(表面伝搬域)の構成(形状、配置を含む。)および伝搬特性
また、上述したチャネルの数は、「2」に限定されず、個々のチャネルを介して受波電極(櫛形電極23R-a、23R-bに相当する。)に到達する弾性表面波およびバルク波のベクトル和により、バルク波が所望の精度で相殺され、かつ総合的な利得が高められるならば、「3」以上の如何なる値に設定されてもよい。
さらに、このようなベクトル和は、受波電極によって求められなくてもよく、例えば、外部に備えられた(差動)増幅器によって求められてもよい。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
以下、本願に開示された発明の内、「特許請求の範囲」に記載しなかった発明の構成、作用および効果を「特許請求の範囲」、「課題を解決するための手段」、「発明の効果」の各欄の記載に準じた様式で列記する。
〔請求項6〕
請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の弾性波デバイスにおいて、
前記対毎に含まれる反射電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、 前記弾性波デバイスによる前記バルク波の総合的な抑圧比が所望の値を超える限度内で、前記差が整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定された
ことを特徴とする弾性波デバイス。
このような構成の弾性波デバイスでは、バルク波が抑圧されるべき程度と、弾性表面波の伝達損失との兼ね合いが所望の形態で図られる。
したがって、多様なニーズの装置やシステムに対する柔軟が適応が可能となる。
11,24 反射電極
21 圧電基板
22 伝搬路
23S,23R 櫛形電極
25 吸収体
30 信号源
31 回路

Claims (5)

  1. 基板上に伝搬路を挟んで対向して配置された送波電極および受波電極の対を2つ有する弾性波デバイスであって、
    前記2つの対の内、特定の対において、伝搬路上に形成され、かつ送波電極から到来した弾性表面波を所定の比率で反射し、または吸収する付加電極を備え、
    前記付加電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、
    前記2つの対の内、前記特定の対において受波電極に到来する弾性表面波の移相量と、前記特定の対以外の他方の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波の移相量との差が、整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定された
    ことを特徴とする弾性波デバイス。
  2. 基板上に伝搬路を挟んで対向して配置された送波電極および受波電極の対を複数有する弾性波デバイスであって、
    前記複数の対の内、特定の対以外の対毎に、伝搬路上に形成され、かつ送波電極から到来した弾性表面波を所定の比率で反射し、または吸収する付加電極を備え、
    前記付加電極の形状、サイズ、厚み、個数、配置の全てまたは一部は、
    前記複数の対の内、前記特定の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波のベクトル和の移相量と、前記特定の対以外の対において受波電極に個別に到来する弾性表面波のベクトル和の移相量との差が、整数nに対して(2n−0.5)πラジアンないし(2n+0.5)πラジアンとなる形態に設定された
    ことを特徴とする弾性波デバイス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の弾性波デバイスにおいて、
    前記対の内、2つ以上の対に含まれる送波電極の構成と特性との双方もしくは何れか一方が同じである
    ことを特徴とする弾性波デバイス。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の弾性波デバイスにおいて、
    前記対の内、2つ以上の対に含まれる受波電極の構成と特性との双方もしくは何れか一方が同じである
    ことを特徴とする弾性波デバイス。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の弾性波デバイスにおいて、
    前記対の内、2つ以上の対において送波電極と受波電極とで挟まれた伝搬路の構成と特性との双方または何れか一方が同じである
    ことを特徴とする弾性波デバイス。
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