JP2014142571A - 電子写真感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体上に感光層及び表面層を有してなり、前記表面層が、有機−無機ハイブリッド材料、及び粘土鉱物を含有する電子写真感光体である。前記有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド材料である態様、有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド材料である態様、などが好ましい。
【選択図】なし
Description
一方、最近では、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わって有機感光体の高耐久化が切望されるようになってきている。この観点から、前記有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子とを含有しているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点がある。
前記表面層が、有機−無機ハイブリッド材料、及び粘土鉱物を含有する。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に感光層及び表面層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の電子写真感光体においては、有機−無機ハイブリッド材料及び粘土鉱物を含有する表面層を平均厚みが0.5μm〜5μmとなるように形成することで、クラック及び膜剥がれの発生がなく、非常に高い耐摩耗性を達成できる。更に、前記表面層の平均厚みを0.5μm〜3μmと薄くすることによって、前記課題に対する余裕度が向上し、電子写真感光体に求められる電気特性の改良にも繋がる。
このように本発明の電子写真感光体において、クラック及び膜剥がれの発生を抑制できる理由としては、前記表面層を薄膜化できるため内部応力が大きくならないこと、前記表面層の下層に感光層又は電荷輸送層を有するため、表面層の内部応力を緩和できること、などが挙げられる。
したがって、本発明の電子写真感光体は、前記表面層が、有機−無機ハイブリッド材料及び粘土鉱物を含有することによって、表面層に非重合性の高分子材料を含有させる必要がなく、その時に生じる非重合性の高分子材料と重合性化合物との反応より生じた不相溶が原因となる傷やトナーフィルミングも起こりにくくなり、長期間に亘って極めて安定な電気特性と高い機械的耐久性を維持することができ、長期間に亘って高精細な高画質画像を得ることができる。
前記表面層は、有機−無機ハイブリッド材料、及び粘土鉱物を含有してなり、硬化剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記有機−無機ハイブリッド材料は、無機成分を均一に分散した有機ポリマーをマトリックスとしたハイブリッド材料である。前記有機−無機ハイブリッド材料を添加することにより、前記有機ポリマーのもつ特性である軽量性及び耐久性を保持しつつ、力学物性及び耐熱性を向上させることが可能となる。
前記有機ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、などが挙げられる。
前記無機成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、金属微粒子、などが挙げられる。これらの中でも、金属酸化物が特に好ましい。
前記金属酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、などが挙げられる。
前記金属微粒子としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、などが挙げられる。
前記シリカを有機ポリマーの特定位置に作用させる位置選択的分子ハイブリッド材料としては、比較的低温でゾル−ゲル化が可能であり、力学物性と電子写真感光体特性の両立が可能な点から、下記一般式(A)で表されるエポキシ樹脂−シリカハイブリッド材料が好ましい。
前記一般式(A)において、R103及びR104のアルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、などが挙げられる。
これらの中でも、前記一般式(A)において、R101、R102、及びR105がメチル基、R103及びR104がメトキシ基であるエポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド、前記一般式(A)において、R101、R102、及びR105がメチル基、R103がメチル基、R104がメトキシ基であるエポキシ樹脂−3官能シリカハイブリッドが好ましく、力学物性の観点から、前記エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッドが特に好ましい。
前記有機−無機ハイブリッド材料は、マイルドな条件での硬化を実現するため、硬化剤を用いて硬化させることが好ましい。
前記硬化剤としては、前記エポキシ樹脂−シリカハイブリッド材料を用いる場合には、エポキシ樹脂用の硬化剤として一般的に知られているアミン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、ポリメルカプタン硬化剤、酸無水物類、潜在性硬化剤、光・紫外線硬化剤、などが挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂中の架橋構造単位に組み込まれることで、安定した電子写真感光体特性を実現できる点から、酸無水物が好ましい。
前記酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤の前記表面層における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エポキシ樹脂のエポキシ当量に見合った水素活性当量となるように配合することで安定した有機−無機ハイブリッド化を実現できる。
前記粘土鉱物は、アスペクト比が大きい板状粒子であり、前記粘土鉱物を有機ポリマーマトリックス中に分散させた場合には、ガスの拡散経路が長くなり、拡散に有効な断面積が小さくなるためにガス透過性を低減できる。即ち、前記粘土鉱物を電子写真感光体の表面層に含有させることで、画像形成工程で発生する酸化性ガスの透過性を低減でき、電子写真感光体の構成材料が劣化するのを抑制することができる。つまり、酸化性ガスの影響を低減でき、長期間に亘って安定した画像形成を実現することが可能となる。
また、前記粘土鉱物の分散状態を実現するためには、前記粘土鉱物を有機化することが有効である。
前記有機化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記粘土鉱物を脂肪族系の有機カチオンで処理する方法、などが挙げられる。
前記脂肪族系の有機カチオンは、粘土鉱物に有機基を付与する有機化剤として働き、例えば、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、第4級アンモニウム塩が好ましい。
前記第4級アンモニウム塩とは、窒素原子に4つの脂肪族基が結合したカチオンであり、具体的には、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム(TMS)等のアルキルトリメチルアンモニウムイオン;ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DMDO)等のジメチルジアルキルアンモニウムイオン;トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルアンモニウムイオン;オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(OHEM)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、増感剤、分散剤、硬化促進剤、界面活性剤、酸化防止剤、などが挙げられる。
前記支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体、などが挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層は、前記導電性粉体と前記バインダー樹脂を溶剤に分散させた塗布液を塗布することにより形成することができる。前記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン、などが挙げられる。
更に、円筒基体上に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、前記支持体として良好に用いることができる。
前記陽極酸化皮膜は、各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものである。これらの中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が前記感光体には適している。特に、反転現像(ネガ及びポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
前記陽極酸化処理は、例えば、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中において行われる。これらの中でも、硫酸浴による処理が最も適している。前記硫酸浴の一例としては、例えば、硫酸濃度が10質量%〜20質量%、浴温が5℃〜25℃、電流密度が1A/dm2〜4A/dm2、電解電圧が5V〜30V、処理時間が5分間〜60分間程度の範囲で処理するもの、などが挙げられる。
前記封孔処理としては、例えば、フッ化ニッケル、酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法、などが挙げられる。これらの中でも、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が特に好ましい。前記封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。前記洗浄処理は、前記封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。前記金属塩等が支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。
前記洗浄は、純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれいなもの(脱イオンされたもの)であることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち一工程に接触部材による物理的な擦り洗浄を施すことが好ましい。
前記感光層としては、単層構造、並びに電荷発生層及び電荷輸送層からなる積層構造のいずれでもよいが、電荷発生層及び電荷輸送層からなる積層構造の感光層が特に好ましい。
前記電荷発生層は、電荷発生材料を少なくとも含有し、バインダー樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは好適に用いることができる。特に、特開2001−19871号公報に記載の結晶型、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4゜のピークとの間にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が良好に用いられ、更に26.3°にピークを有さない結晶は有効に使用できる。また、前記結晶型を有し、結晶合成時又は分散濾過処理により、平均粒子サイズを0.25μm以下にし、粗大粒子の存在しないチタニルフタロシアン結晶(特開2004−83859号公報、特開2004−78141号公報)は有用である。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生材料100質量部に対して、0質量部〜500質量部が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
前記電荷発生層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷輸送材料としては、正孔輸送材料と電子輸送材料とがある。
前記正孔輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送材料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バインダー樹脂100質量部に対して、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送層には、前記電荷輸送材料としての機能と前記バインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送材料も好適に使用できる。前記高分子電荷輸送材料から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れている。
前記高分子電荷輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネート樹脂が用いられる。これらの中でも、下記一般式(I)から下記一般式(X)のいずれかで表される高分子電荷輸送材料が好適に用いられる。
更に、前記電荷輸送層の構成として、架橋構造からなる電荷輸送層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、一分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、三次元の網目構造を形成するものである。前記三次元の網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
また、前記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、前記電荷輸送層としての機能を十分に発現することが可能となる。電荷輸送能を有するモノマーとしては、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
このような網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。この場合には、前記電荷輸送層を積層構造として、下層(電荷発生層側)には低分子分散ポリマーの電荷輸送層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する電荷輸送層を形成してもよい。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、電子写真感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送材料を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
塗布形成後の電荷輸送層は、オーブン等の加熱手段により加熱乾燥される。乾燥温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましく、110℃〜170℃がより好ましい。乾燥時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上が好ましく、20分間以上がより好ましい。
前記電荷輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度及び応答性の点から、10μm〜50μmが好ましく、15μm〜35μmがより好ましい。
前記単層構造の感光層は、電荷発生材料及び電荷輸送材料をバインダー樹脂中に分散乃至溶解させ、電荷発生機能、及び電荷輸送機能を一つの層で実現した感光層である。
前記電荷輸送材料としては、前記正孔輸送物質と前記電子輸送物質の双方が含有されることが好ましい。必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記バインダー樹脂としては、前記電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、前記電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。前記バインダー樹脂100質量部に対する前記電荷発生材料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量部〜40質量部が好ましく、10質量部〜30質量部がより好ましい。前記電荷輸送材料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量部〜190質量部が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記単層構造の感光層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜40μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
本発明の電子写真感光体は、前記支持体と前記感光層(又は前記電荷発生層)との間に中間層を設けることができる。
前記中間層は、樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、前記中間層上に前記感光層を溶媒で塗布することを考えると、溶媒に対して耐性の高い樹脂であることが好ましい。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、溶媒、塗布法を用いて形成することができる。更に、前記中間層としては、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
前記中間層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以下が好ましい。
図1は、本発明の電子写真感光体201の層構成の一例を示す概略断面図であり、支持体202上に、単層型感光層207と表面層205とを有している。
図2は、本発明の電子写真感光体201の他の層構成の一例を示す概略断面図であり、支持体202上に、電荷発生層203、電荷輸送層204、及び表面層205を有している。
図3は、本発明の電子写真感光体201の更に他の層構成の一例を示す概略断面図であり、支持体202上に、中間層206、電荷発生層203、電荷輸送層204、及び表面層205を有している。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、本発明の前記電子写真感光体を製造する方法であって、
表面層形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記表面層形成工程は、粘土鉱物、有機−無機ハイブリッド材料、及び硬化剤を溶媒中に分散させてなる表面層塗布液を感光層上に塗布し、表面層を形成する工程である。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが使用可能であり、前記可塑剤の含有量は、前記表面層塗布液の総固形分に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用可能である。前記レベリング剤の含有量は、表面層塗布液の総固形分に対して、3質量%以下が好ましい。
前記溶媒による希釈率は、表面層塗布液の溶解性、塗布方法、目的とする厚みなどにより、適宜選択される。
これらの中でも、粘土鉱物に機械的な力を加えて前記粘土鉱物の剥離乃至へき開をより促進することが、粘土鉱物の分散を進め、ナノメートルオーダーの単位ユニットまで剥離乃至へき開した分散状態に近づける点から、超音波ホモジナイザーが特に好ましい。
また、前記表面層塗布液を分散する際には、前記有機−無機ハイブリッド材料、前記粘土鉱物、及び前記硬化剤が同時に存在することが好ましい。これにより、前記粘土鉱物の層間に有機−無機ハイブリッド材料、及び硬化剤が入り込むことで前記粘土鉱物の良好な分散状態を実現でき、酸化性ガスの影響をより低減することが可能となる。
前記塗布は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法、などが挙げられる。
照射光量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mW/cm2以上が好ましく、500mW/cm2以上がより好ましく、1,000mW/cm2以上が更に好ましい。前記照射光量が、1,000mW/cm2を超える強い照射光を用いることで重合反応の進行速度が大幅に速くなり、より均一な表面層を形成することが可能となる。
なお、放射線のエネルギーとしては、例えば、電子線、などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層形成工程、中間層形成工程、などが挙げられる。
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、帯電手段、クリーニング手段、転写手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段とを有してなり
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体が用いられる。
前記プロセスカートリッジとは、本発明の前記電子写真感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段の少なくとも1つの手段を具備し、画像形成装置に着脱可能とした装置(部品)である。
前記プロセスカートリッジは、例えば、図4に示すように、電子写真感光体101を内蔵し、帯電手段112、現像手段114、転写手段118、クリーニング手段123を有している。図4中、113は露光手段からの露光、117は記録媒体をそれぞれ示す。前記電子写真感光体101としては、本発明の前記電子写真感光体が用いられる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いる。
本発明で用いられる画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含んでなる。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体(「静電潜像担持体」、「感光体」と称することがある)としては、本発明の前記電子写真感光体が用いられる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段、などが挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
この図5の画像形成装置において、電子写真感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電ローラ12、転写チャージャ18、及び分離チャージャ19としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)以外にも、ローラ状の帯電手段、又はブラシ状の帯電手段、などが挙げられる。
しかし、電子写真感光体1と帯電ローラ12とが接触していることにより、繰り返し使用によって帯電ローラが汚染され、それが感光体に影響を及ぼし異常画像の発生や耐摩耗性の低下等を助長する原因となっている。特に、耐摩耗性の高い感光体を用いる場合、表面の摩耗によるリフェイスがしにくいことから、帯電ローラの汚染を軽減させる必要がある。
この場合、電子写真感光体1と帯電ローラ12とのギャップは小さい方が好ましい。前記ギャップは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
しかし、前記帯電ローラを非接触とすることによって、放電が不均一になり、感光体の帯電が不安定になる場合がある。このような問題は、直流成分に交流成分を重畳させることによって帯電の安定性を維持し、これによりオゾンの影響、帯電ローラの汚染の影響及び帯電性の影響を同時に軽減することが可能となる。
所望の波長域の光のみを照射するために、例えば、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、又は前露光工程などの工程を設けることにより、電子写真感光体1に光が照射される。ただし、除電工程における電子写真感光体1への露光は、電子写真感光体1に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
転写手段には、一般に前述の帯電器を使用することができるが、図5に示すように、転写チャージャ18と、分離チャージャ19とを併用したものが効果的である。
また、このような転写手段を用いて、電子写真感光体1からトナー像を紙に直接転写するが、本発明においては感光体上のトナー像を一度中間転写体に転写し、その後中間転写体から紙に転写する中間転写方式であることが感光体の高耐久化及び高画質化の点からより好ましい。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっている。このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
このような残存トナーは、クリーニングブラシ22、又はクリーニングブレード23により、電子写真感光体1から除去される。前記クリーニング工程は、クリーニングブラシだけで行われたり、クリーニングブレードと併用して行われることもあり、クリーニングブラシとしては、ファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
前記クリーニング工程は、前述のとおり転写後に電子写真感光体1上に残ったトナー等を除く工程であるが、前記クリーニングブレード23、あるいはクリーニングブラシ22等によって電子写真感光体1が繰り返し擦られることにより、電子写真感光体1の摩耗が促進されたり、傷が入ったりすることによって異常画像が発生することがある。
また、クリーニング不良によって電子写真感光体の表面が汚染されると異常画像の発生の原因となるだけでなく、電子写真感光体の寿命を大幅に低減させることにつながる。特に、耐摩耗性の向上のために最表面層として表面層を設けた電子写真感光体の場合には、感光体表面に付着した汚染物質が除去されにくいことから、フィルミングや異常画像の発生を助長することになる。したがって、電子写真感光体1のクリーニング性を高めることは感光体の高耐久化及び高画質化に対し非常に有効である。
前記ステアリン酸亜鉛粉末の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーに対して0.01質量%〜0.5質量%が好ましく、0.1質量%〜0.3質量%がより好ましい。
ベルト状の電子写真感光体121は、支持体上に感光層と表面層とが設けられている。駆動ローラ122a,122bにより駆動され、帯電器123による帯電、光源124による像露光、現像(不図示)、帯電器125を用いる転写、光源126によるクリーニング前露光、ブラシ127によるクリーニング、及び除電光源128による除電が繰返し行われる。
一方、図7では、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他の公知の光照射工程を設けて、電子写真感光体に光照射を行うこともできる。
この図8において、感光体1C(シアン)、1M(マゼンタ)、1Y(イエロー)、1K(ブラック)は、ドラム状の感光体であり、これらの感光体1C,1M,1Y,1Kは、図8中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段12C,12M,12Y,12K、現像手段14C,14M,14Y,14K、クリーニング手段15C,15M,15Y,15Kが配置されている。
まず、各画像形成要素10C,10M,10Y,10Kにおいて、感光体1C,1M,1Y,1Kが、図8中矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電手段12C,12M,12Y,12Kにより帯電され、次に、感光体の外側に配置された露光手段(不図示)でレーザー光13C,13M,13Y,13Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
なお、図8では、画像形成要素は記録媒体搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定される。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素10C,10M,10Yが停止するような機構を設けることが有効である。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態で画像形成装置内に組み込まれてもよい。
これに対し、本発明の電子写真感光体は、高光感度及び高安定化が実現できることにより小径の感光体でも適用可能であり、かつ残留電位上昇、感度劣化等の影響が低減されることから、4つの電子写真感光体の使用量が異なっていても、残留電位、感度の繰り返し使用経時における差が小さく、長期間繰り返し使用しても色再現性に優れたフルカラー画像を得ることが可能となる。
−電子写真感光体の作製−
長さ340mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS 1050)上に、下記組成の中間層塗布液を用いて塗布後、130℃で20分間乾燥を行い、平均厚み3.5μmの中間層を形成した。
次に、前記中間層上に、下記組成の電荷発生層塗布液を用いて塗布後、130℃で20分間乾燥を行い、平均厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、前記電荷発生層上に、下記組成の電荷輸送層塗布液を用いて塗布後、130℃で20分間乾燥を行い、平均厚み25μmの電荷輸送層を形成した。
次に、前記電荷輸送層上に、超音波ホモジナイザーを用いて分散した下記組成の表面層塗布液を塗布後、150℃で60分間乾燥を行い、平均厚み1.3μmの表面層を形成した。以上により、実施例1の電子写真感光体を作製した。なお、前記中間層塗布液、前記電荷発生層塗布液、及び前記電荷輸送層塗布液の塗布は、いずれもブレード塗布法を用い、前記表面層塗布液の塗布はスプレー塗布法を用いた。
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・50質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、固形分50質量%、DIC株式会社製)・・・15質量部
・メラミン樹脂(L−145−60、固形分60質量%、DIC株式会社製)・・・8質量部
・2−ブタノン・・・120質量部
・下記構造式で表される非対称ビスアゾ顔料・・・2.5質量部
・メチルエチルケトン・・・110質量部
・シクロヘキサノン・・・260質量部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で示される電荷輸送性化合物・・・7質量部
・シリコーンオイル(KF50−100cs、信越化学工業株式会社製)・・・0.002質量部
下記組成を、超音波ホモジナイザー(Sonics & Materials社製、VC−750)により、以下の条件で分散して、表面層塗布液を調製した。
−分散条件−
・分散出力 : 50%
・分散時間 : 3分間
・パルス制御 : ON 1秒間/OFF 1秒間
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE102、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド)・・・100質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE102B、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド)・・・100質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(三井化学ファイン株式会社製、メタフェニレンジアミン)・・・12質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE103A、エポキシ樹脂−3官能シリカハイブリッド)・・・100質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE103D、エポキシ樹脂−3官能シリカハイブリッド)・・・100質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE201、エポキシ樹脂−3官能シリカハイブリッド)・・・50質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE202C、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド)・・・50質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の電子写真感光体を作製した。
〔表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE202C、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド)・・・50質量部
・粘土鉱物(コープケミカル株式会社製、親油性スメクタイト、SEN)・・・3質量部
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層塗布液の分散を、硬化剤及び促進剤を除いた以下の組成で行い、分散終了後に下記の組成の硬化剤及び促進剤を加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の電子写真感光体を作製した。
〔分散時の表面層塗布液の組成〕
・有機−無機ハイブリッド材料(荒川化学工業株式会社製、コンポセランE102、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド)・・・100質量部
・粘土鉱物(株式会社ホージュン製、有機化ベントナイト、エスベンNO12S)・・・3質量部
・メチルエチルケトン・・・1,400質量部
〔分散終了後に加えた硬化剤及び促進剤〕
・硬化剤(新日本理化株式会社製、リカシッドMH−700、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))・・・23質量部
・促進剤(JER社製、EMI24、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)・・・4質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層の平均厚みを0.3μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層の平均厚みを0.5μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層の平均厚みを2μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層の平均厚みを3μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例12の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層の平均厚みを5μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例13の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1の前記<表面層塗布液の調製>において、超音波ホモジナイザーを用いず、マグネティックスターラー及び攪拌子を用いた攪拌により分散させて、表面層塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例14の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、表面層を設けず、電荷輸送層の平均厚みを27μmとした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、前記表面層塗布液の組成から有機−無機ハイブリッド材料を除いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、前記表面層塗布液の組成から粘土鉱物を除いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体を作製した。
作製した実施例1〜14及び比較例1〜3の電子写真感光体を図4に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図8に示すようなタンデム型フルカラー画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MPC3000)に搭載し、露光光源を655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電手段としてスコロトロン帯電器、転写手段として転写ベルト、及び除電光源として655nmのLEDを用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、電子写真感光体の未露光部表面電位、及び露光部表面電位を測定した。測定方法としては、図8に示すようなタンデム型フルカラー画像形成装置の現像部位置に、表面電位計(トレック・ジャパン株式会社製、MODEL344)を搭載し、電子写真感光体が初期状態で−700Vに帯電される印加バイアスに固定し、現像部位置における未露光部表面電位、及び露光部表面電位を測定した。
−試験前プロセス条件−
・電子写真感光体の帯電電位(未露光部電位):−700V
・現像バイアス:−500V
図9に示す文字部とハーフトーン部が混在するA4サイズチャートを文字部が先頭になるように出力し、ハーフトーン部に形成される文字部の残像の程度を目視で観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
A:極めて良好
B:良好
C:普通
D:やや劣る
E:非常に劣る
−NOxガス暴露条件−
・装置:ダイレック社製NOx暴露試験装置
・一酸化窒素濃度:50ppm
・二酸化窒素濃度:50ppm
・温度:35℃
・相対湿度:55%
・暴露期間:3日間
作製した実施例1〜14及び比較例1、3の電子写真感光体を図4に示すプロセスカートリッジに装着し、図8に示すようなタンデム型フルカラー画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MPC3000)に搭載し、露光光源を655nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電手段としてスコロトロン帯電器、転写手段として転写ベルト、除電光源として655nmのLEDを用いて、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
試験前のプロセス条件が下記になるように設定した。通紙条件としては書き込み率6%のチャート(A4サイズ全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、クリーニングブレードの当接圧力及び電子写真感光体の通過電荷量が試験前プロセス条件の2倍になるように帯電手段への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、連続3万枚印刷を行った。
−試験前プロセス条件−
・感光体帯電電位(未露光部電位):−700V
・現像バイアス:−500V
前記3万枚印刷前後における前記電子写真感光体の未露光部表面電位及び露光部表面電位を測定した。測定方法としては、図8に示す画像形成装置の現像部位置に、表面電位計(トレック・ジャパン株式会社製、MODEL344)を搭載し、電子写真感光体が初期状態で−700Vに帯電される印加バイアスに固定し、現像部位置における未露光部表面電位、及び露光部表面電位を測定した。
全ての試験前後における電子写真感光体の膜厚の差(摩耗量)を測定した。電子写真感光体の長手方向の両端5cmを除き、1cm間隔で電子写真感光体の膜厚を株式会社フィッシャー・インストルメンツ製、FISCHERSCOPE MMSにより測定し、その平均値を膜厚とした。
前記3万枚印刷後において、全白画像を1枚出力し、電子写真感光体の地肌部の汚れの有無を目視観察し、下記4段階の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:極めて良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
前記3万枚の印刷後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について、下記の4段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:極めて良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
以上の結果から、実施例においては、いずれも良好な結果が得られており、電気特性が極めて安定し、かつ機械的耐久性が高く、酸化性ガスの影響で残像が発生せず、極めて高い信頼性を有する電子写真感光体が得られることがわかった。
<1> 支持体と、該支持体上に感光層及び表面層を有してなり、
前記表面層が、有機−無機ハイブリッド材料、及び粘土鉱物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド材料である前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド材料である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 粘土鉱物が、有機化剤で有機化処理された有機化ベントナイトである前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 表面層が硬化剤を含有し、該硬化剤が酸無水物である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 表面層の平均厚みが、0.5μm〜3μmである前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法であって、
粘土鉱物、有機−無機ハイブリッド材料、及び硬化剤を溶媒中に分散させてなる表面層塗布液を感光層上に塗布し、表面層を形成する表面層形成工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
<8> 表面層塗布液における分散が、超音波ホモジナイザーを用いて行われる前記<7>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<9> 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
転写後に前記電子写真感光体表面に残留したトナーを前記電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、帯電手段、クリーニング手段、転写手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段とを有するプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
101 電子写真感光体
201 電子写真感光体
202 支持体
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 表面層
206 中間層
207 単層構造の感光層
Claims (9)
- 支持体と、該支持体上に感光層及び表面層を有してなり、
前記表面層が、有機−無機ハイブリッド材料、及び粘土鉱物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 - 有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド材料である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 有機−無機ハイブリッド材料が、エポキシ樹脂−4官能シリカハイブリッド材料である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 粘土鉱物が、有機化剤で有機化処理された有機化ベントナイトである請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 表面層が硬化剤を含有し、該硬化剤が酸無水物である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 表面層の平均厚みが、0.5μm〜3μmである請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法であって、
粘土鉱物、有機−無機ハイブリッド材料、及び硬化剤を溶媒中に分散させてなる表面層塗布液を感光層上に塗布し、表面層を形成する表面層形成工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 表面層塗布液における分散が、超音波ホモジナイザーを用いて行われる請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
転写後に前記電子写真感光体表面に残留したトナーを前記電子写真感光体表面から除去するクリーニング手段と、を有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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