JP2014142019A - スラスト軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スラスト軸受7は、クランクシャフト2のクランクアーム2cと摺動する摺動面11と、上記摺動面を略半径方向に交差するように形成された油溝12とを備えている。
上記油溝は、底面12aと、クランクシャフトの回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面12bと、下流側に位置する下流側壁面12cとから構成され、上記上流側壁面における上記底面に対する傾斜角度αを、上記下流側壁面の上記底面に対する傾斜角度βよりも大きく設定している。
【効果】 クランクアームと上記摺動面との間により多くの潤滑油を供給しつつ、摺動面の面圧を確保することができる。
【選択図】 図3
上記油溝は、底面12aと、クランクシャフトの回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面12bと、下流側に位置する下流側壁面12cとから構成され、上記上流側壁面における上記底面に対する傾斜角度αを、上記下流側壁面の上記底面に対する傾斜角度βよりも大きく設定している。
【効果】 クランクアームと上記摺動面との間により多くの潤滑油を供給しつつ、摺動面の面圧を確保することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明はスラスト軸受に関し、具体的には円弧状を有する部材であって、摺動面を略半径方向に交差するように形成された油溝を備えたスラスト軸受に関する。
従来、自動車等のエンジンでは、クランクシャフトのジャーナルをシリンダブロックに形成されたハウジングと当該ハウジングに固定されたキャップとによって軸支しており、上記ハウジングの側面には上記クランクシャフトのクランクアームに摺接する円弧状の部材からなるスラスト軸受が設けられている(特許文献1)。
上記スラスト軸受には、上記クランクシャフトのクランクアームと摺動する摺動面が形成されており、当該摺動面には略半径方向に交差するように油溝が設けられている。
上記油溝には外部から潤滑油が供給され、この油溝の内部の潤滑油は、クランクシャフトが回転することによりクランクアームと上記摺動面との間に引き込まれ、これらを潤滑するようになっている。
上記スラスト軸受には、上記クランクシャフトのクランクアームと摺動する摺動面が形成されており、当該摺動面には略半径方向に交差するように油溝が設けられている。
上記油溝には外部から潤滑油が供給され、この油溝の内部の潤滑油は、クランクシャフトが回転することによりクランクアームと上記摺動面との間に引き込まれ、これらを潤滑するようになっている。
ここで、上記クランクアームと上記摺動面との間には焼き付き防止のため効率的に潤滑油を供給することが求められており、その一例として油溝を構成する壁面の傾斜角度を小さく、すなわち寝かせることが考えられる。
しかしながら、当該壁面の傾斜角度を小さくしてしまうと、上記摺動面とクランクアームとの接触面積が狭くなってしまい、当該摺動面に作用する面圧が過大になって焼き付き等が発生する恐れがある。
このような問題に鑑み、本発明はクランクアームと上記摺動面との間に効率的に潤滑油を供給しつつ、摺動面の面圧が過大とならないようにすることが可能なスラスト軸受を提供するものである。
しかしながら、当該壁面の傾斜角度を小さくしてしまうと、上記摺動面とクランクアームとの接触面積が狭くなってしまい、当該摺動面に作用する面圧が過大になって焼き付き等が発生する恐れがある。
このような問題に鑑み、本発明はクランクアームと上記摺動面との間に効率的に潤滑油を供給しつつ、摺動面の面圧が過大とならないようにすることが可能なスラスト軸受を提供するものである。
すなわち、本発明にかかるスラスト軸受は、円弧状を有する部材であって、上記クランクシャフトのクランクアームと摺動する摺動面と、上記摺動面を略半径方向に交差するように形成された油溝とを備えたスラスト軸受において、
上記油溝は、底面と、クランクシャフトの回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面と、下流側に位置する下流側壁面とから構成され、
上記上流側壁面における上記底面に対する傾斜角度αを、上記下流側壁面の上記底面に対する傾斜角度βよりも大きく設定したことを特徴としている。
上記油溝は、底面と、クランクシャフトの回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面と、下流側に位置する下流側壁面とから構成され、
上記上流側壁面における上記底面に対する傾斜角度αを、上記下流側壁面の上記底面に対する傾斜角度βよりも大きく設定したことを特徴としている。
上記発明によれば、上記油溝における上流側壁面の傾斜角度αを、上記下流側壁面の傾斜角度βよりも大きく設定することで、傾斜角度を小さくした下流側壁面からクランクアームと上記摺動面との間に効率的に潤滑油を供給することができる。
一方、上流側壁面の傾斜角度αを大きくすることで、上記摺動面とクランクアームとの接触面積を確保することができ、摺動面に作用する面圧が過大とならないようにすることができる。
一方、上流側壁面の傾斜角度αを大きくすることで、上記摺動面とクランクアームとの接触面積を確保することができ、摺動面に作用する面圧が過大とならないようにすることができる。
以下図示実施例について説明すると、図1はエンジン1の内部構造を示し、クランクシャフト2と、シリンダブロックに形成されて上記クランクシャフト2を軸支するハウジング3と、図示しないピストンに連結されたコンロッド4とを示している。
上記クランクシャフト2は上記ハウジング3に軸支される複数のジャーナル2aと、上記コンロッド4に回転可能に連結された複数のクランクピン2bと、これらジャーナル2aとクランクピン2bとを偏心した状態で連結保持するクランクアーム2cとから構成されている。
上記クランクシャフト2は二つの半割メイン軸受からなるメイン軸受5によって軸支され、このメイン軸受5はキャップ6によって上記ハウジング3に保持され、上記キャップ6は図示しないボルトによってハウジング3に締結されている。
そして、上記ハウジング3における軸方向両側の側面には、上記メイン軸受5を収容する内周面に沿って環状凹部3aが形成されており、この環状凹部3aにはそれぞれ円弧状の部材からなるスラスト軸受7が設けられている。
上記スラスト軸受7は上記クランクシャフト2が回転しながらクラッチの断続などによって軸方向に移動すると、ハウジング3とクランクアーム2cとの間でスラスト方向の荷重を受けつつ、上記クランクアーム2cと摺動するようになっている。
特に本実施例では、上記クランクシャフト2が図1の図示右方から左方に向けて移動して荷重を作用させるようになっており、すなわち2枚の上記スラスト軸受7のうち、図示右方のスラスト軸受7には図示左方のスラスト軸受7に比べてより大きな荷重が作用するようになっている。
上記クランクシャフト2は上記ハウジング3に軸支される複数のジャーナル2aと、上記コンロッド4に回転可能に連結された複数のクランクピン2bと、これらジャーナル2aとクランクピン2bとを偏心した状態で連結保持するクランクアーム2cとから構成されている。
上記クランクシャフト2は二つの半割メイン軸受からなるメイン軸受5によって軸支され、このメイン軸受5はキャップ6によって上記ハウジング3に保持され、上記キャップ6は図示しないボルトによってハウジング3に締結されている。
そして、上記ハウジング3における軸方向両側の側面には、上記メイン軸受5を収容する内周面に沿って環状凹部3aが形成されており、この環状凹部3aにはそれぞれ円弧状の部材からなるスラスト軸受7が設けられている。
上記スラスト軸受7は上記クランクシャフト2が回転しながらクラッチの断続などによって軸方向に移動すると、ハウジング3とクランクアーム2cとの間でスラスト方向の荷重を受けつつ、上記クランクアーム2cと摺動するようになっている。
特に本実施例では、上記クランクシャフト2が図1の図示右方から左方に向けて移動して荷重を作用させるようになっており、すなわち2枚の上記スラスト軸受7のうち、図示右方のスラスト軸受7には図示左方のスラスト軸受7に比べてより大きな荷重が作用するようになっている。
以下、図2、3を用いて上記スラスト軸受7について説明する。ここで図2は図1をII―II部の方向から見た図を示している。
上記スラスト軸受7は円弧状を有した平板状の部材となっており、その端部が上記ハウジング3の下端部と一致する位置まで形成されて上記キャップ6と当接している。
スラスト軸受7における一方の面には上記クランクアーム2cと摺接する摺動面11が形成され、他方の面にはハウジング3と当接する図示しない当接面が形成されている。
このうち上記摺動面11には、スラスト軸受7の略半径方向に交差するように形成された油溝12が2箇所に設けられており、ジャーナル2aと上記メイン軸受5との間に供給された潤滑油を、スラスト軸受7の摺動面11とクランクアーム2cとの間に供給するようになっている。
また上記摺動面11の両端部には徐々に肉厚が薄くなるように傾斜したスラストリリーフ11aが設けられている。
上記スラスト軸受7は円弧状を有した平板状の部材となっており、その端部が上記ハウジング3の下端部と一致する位置まで形成されて上記キャップ6と当接している。
スラスト軸受7における一方の面には上記クランクアーム2cと摺接する摺動面11が形成され、他方の面にはハウジング3と当接する図示しない当接面が形成されている。
このうち上記摺動面11には、スラスト軸受7の略半径方向に交差するように形成された油溝12が2箇所に設けられており、ジャーナル2aと上記メイン軸受5との間に供給された潤滑油を、スラスト軸受7の摺動面11とクランクアーム2cとの間に供給するようになっている。
また上記摺動面11の両端部には徐々に肉厚が薄くなるように傾斜したスラストリリーフ11aが設けられている。
図3は上記2つの油溝12のうち、図2のIII―III部の位置における油溝12の断面図を示している。なお、もう一方の油溝12も同じ断面形状を有しており、詳細な説明は省略する。
図3において、上記クランクアーム2cはクランクシャフト2の回転によって上記摺動面11に対し図示左方から右方に向けて摺動しており、このようなクランクシャフト2の回転方向に従い、上記油溝12は、底面12aと、クランクシャフト2の回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面12bと、下流側に位置する下流側壁面12cとから構成されている。
そして本実施例では、上記上流側壁面12bにおける上記底面12aに対する傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記底面12aに対する傾斜角度βよりも大きく設定しており、換言すると、上記上流側壁面12bよりも下流側壁面12cを寝かせる構成となっている。
具体的には、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βを15°〜60°の範囲とし、そのうえで上記上流側壁面12bの傾斜角度αと下流側壁面12cの傾斜角度βとの関係を以下の範囲で設定することが望ましい。
(α−β)≧15°・・・(式1)
さらに望ましくは、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βを30°〜45°の範囲とし、上記式1を満たすことを条件として、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを60°〜90°の範囲で設定すれば、後述する効果をより効果的に得ることができる。
図3において、上記クランクアーム2cはクランクシャフト2の回転によって上記摺動面11に対し図示左方から右方に向けて摺動しており、このようなクランクシャフト2の回転方向に従い、上記油溝12は、底面12aと、クランクシャフト2の回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面12bと、下流側に位置する下流側壁面12cとから構成されている。
そして本実施例では、上記上流側壁面12bにおける上記底面12aに対する傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記底面12aに対する傾斜角度βよりも大きく設定しており、換言すると、上記上流側壁面12bよりも下流側壁面12cを寝かせる構成となっている。
具体的には、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βを15°〜60°の範囲とし、そのうえで上記上流側壁面12bの傾斜角度αと下流側壁面12cの傾斜角度βとの関係を以下の範囲で設定することが望ましい。
(α−β)≧15°・・・(式1)
さらに望ましくは、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βを30°〜45°の範囲とし、上記式1を満たすことを条件として、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを60°〜90°の範囲で設定すれば、後述する効果をより効果的に得ることができる。
上記構成を有するスラスト軸受7を用いることで、以下の効果が得られる。
上記クランクシャフト2が回転し、上記クランクアーム2cが上記スラスト軸受7の摺動面11と摺動すると、ジャーナル2aと上記メイン軸受5との間に供給された潤滑油が上記油溝12の内部に供給される。
図3において、上記クランクアーム2cは図示左方から右方に移動しており、上記油溝12の内部の潤滑油は、下流側壁面12c側から上記クランクアーム2cと摺動面11との間に引き込まれてこれらを潤滑するようになっている。
このとき、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βよりも大きく設定して、下流側壁面12cを寝せていることから、下流側壁面12c側における潤滑油の引き込みが良好に行われ、これによりクランクアーム2cと摺動面11との潤滑を良好に行うことができる。
ここで、図1における図示右方のスラスト軸受7、すなわちクランクシャフト2の移動によって大きな荷重を受けるスラスト軸受7では、上記油溝12の壁面を寝かせ過ぎてしまうと、上記摺動面11とクランクアーム2cとの接触面積が狭くなることから、当該摺動面11への面圧が過大となって焼き付き等の原因となる。
そこで本実施例では、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βよりも大きく設定して上流側壁面12bを立たせることにより、潤滑油が排出されない側の上流側壁面12bの近傍では摺動面11を確保し、摺動面11の全体に作用する面圧が過大とならないようにしている。
上記クランクシャフト2が回転し、上記クランクアーム2cが上記スラスト軸受7の摺動面11と摺動すると、ジャーナル2aと上記メイン軸受5との間に供給された潤滑油が上記油溝12の内部に供給される。
図3において、上記クランクアーム2cは図示左方から右方に移動しており、上記油溝12の内部の潤滑油は、下流側壁面12c側から上記クランクアーム2cと摺動面11との間に引き込まれてこれらを潤滑するようになっている。
このとき、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βよりも大きく設定して、下流側壁面12cを寝せていることから、下流側壁面12c側における潤滑油の引き込みが良好に行われ、これによりクランクアーム2cと摺動面11との潤滑を良好に行うことができる。
ここで、図1における図示右方のスラスト軸受7、すなわちクランクシャフト2の移動によって大きな荷重を受けるスラスト軸受7では、上記油溝12の壁面を寝かせ過ぎてしまうと、上記摺動面11とクランクアーム2cとの接触面積が狭くなることから、当該摺動面11への面圧が過大となって焼き付き等の原因となる。
そこで本実施例では、上記上流側壁面12bの上記傾斜角度αを、上記下流側壁面12cの上記傾斜角度βよりも大きく設定して上流側壁面12bを立たせることにより、潤滑油が排出されない側の上流側壁面12bの近傍では摺動面11を確保し、摺動面11の全体に作用する面圧が過大とならないようにしている。
一方、図1における図示左方に設けたスラスト軸受7は、図示右方に設けたスラスト軸受7と同形状となっており、図3に示した状態において、クランクアーム2cは摺動面11に対して図示右方から左方に摺動することとなる。
このため、上流側壁面12bと下流側壁面12cとの位置関係が図示右方に位置するスラスト軸受7とは反対となり、上流側壁面の傾斜角度が下流側壁面の傾斜角度よりも小さくなる。
その結果、上記効果と反対の事象、すなわち下流側壁面(図3の上流側壁面12b)が立ってしまうことで油溝12からの潤滑油の引き込みが不良となり、また上流側壁面(図3の下流側壁面12c)が寝ていることでクランクアーム2cとの接触面積を狭くすることとなる。
しかしながら、図1においてクランクシャフト2は図示右方から左方に荷重が作用するため、上記図示左方のスラスト軸受7に作用する荷重は図示右方のスラスト軸受7に作用する荷重よりも低く、潤滑油の不足や過大な面圧による焼き付き等は起こりにくくなっている。
一方で、同形状のスラスト軸受7を図1においてハウジング3の図示左方および図示右方に装着することが可能であるので、エンジン1の構成部品の種類を抑えることができ、エンジン1の組み立て時における装着ミスを防止することができる。
このため、上流側壁面12bと下流側壁面12cとの位置関係が図示右方に位置するスラスト軸受7とは反対となり、上流側壁面の傾斜角度が下流側壁面の傾斜角度よりも小さくなる。
その結果、上記効果と反対の事象、すなわち下流側壁面(図3の上流側壁面12b)が立ってしまうことで油溝12からの潤滑油の引き込みが不良となり、また上流側壁面(図3の下流側壁面12c)が寝ていることでクランクアーム2cとの接触面積を狭くすることとなる。
しかしながら、図1においてクランクシャフト2は図示右方から左方に荷重が作用するため、上記図示左方のスラスト軸受7に作用する荷重は図示右方のスラスト軸受7に作用する荷重よりも低く、潤滑油の不足や過大な面圧による焼き付き等は起こりにくくなっている。
一方で、同形状のスラスト軸受7を図1においてハウジング3の図示左方および図示右方に装着することが可能であるので、エンジン1の構成部品の種類を抑えることができ、エンジン1の組み立て時における装着ミスを防止することができる。
図4は第2実施例にかかる油溝12の断面図を示しており、図3と同じ位置の断面図を示している。なお本実施例において上記第1の実施例と共通する構成については詳細な説明を省略する。
本実施例において、上記摺動面11の表面には個体潤滑剤やフッ素系樹脂などからなるコーティングCが形成され、当該コーティングCは上記摺動面11の表面に油溝12が切削された後に形成されるようになっている。
そして上記コーティングCを形成する際、当該コーティングCが上記油溝12における上流側壁面12bおよび下流側壁面12cの途中まで形成するようにし、当該コーティングCが底面12aまで達しないようにする。
本実施例では、上流側壁面12bの傾斜角度αと、下流側壁面12cの傾斜角度βとは、これら上流側壁面12bおよび下流側壁面12cにおける底面12aとの境界と、上記コーティングCの頂部とを結んだ線が、上記底面12aに対してどれだけ傾斜しているかによって設定することができる。
この第2実施例のスラスト軸受7によれば、第1の実施例と同様、下流側壁面12cを寝かせることで摺動面11とクランクアーム2cとの間に潤滑油を良好に供給し、かつ上流側壁面12bを立たせることで摺動面11によるクランクアーム2cとの接触面積を確保し、過大な面圧が作用しないようにすることができる。
そのうえ、上記コーティングCが底面12aまで達しないように形成されているため、当該コーティングCによって油溝12の深さが浅くならず、油溝12による潤滑油の収容量が損なわれないようになっている。
本実施例において、上記摺動面11の表面には個体潤滑剤やフッ素系樹脂などからなるコーティングCが形成され、当該コーティングCは上記摺動面11の表面に油溝12が切削された後に形成されるようになっている。
そして上記コーティングCを形成する際、当該コーティングCが上記油溝12における上流側壁面12bおよび下流側壁面12cの途中まで形成するようにし、当該コーティングCが底面12aまで達しないようにする。
本実施例では、上流側壁面12bの傾斜角度αと、下流側壁面12cの傾斜角度βとは、これら上流側壁面12bおよび下流側壁面12cにおける底面12aとの境界と、上記コーティングCの頂部とを結んだ線が、上記底面12aに対してどれだけ傾斜しているかによって設定することができる。
この第2実施例のスラスト軸受7によれば、第1の実施例と同様、下流側壁面12cを寝かせることで摺動面11とクランクアーム2cとの間に潤滑油を良好に供給し、かつ上流側壁面12bを立たせることで摺動面11によるクランクアーム2cとの接触面積を確保し、過大な面圧が作用しないようにすることができる。
そのうえ、上記コーティングCが底面12aまで達しないように形成されているため、当該コーティングCによって油溝12の深さが浅くならず、油溝12による潤滑油の収容量が損なわれないようになっている。
2 クランクシャフト 2c クランクアーム
7 スラスト軸受 11 摺動面
12 油溝 12a 底面
12b 上流側壁面 12c 下流側壁面
α 上流側壁面の傾斜角度 β 下流側壁面の傾斜角度
C コーティング
7 スラスト軸受 11 摺動面
12 油溝 12a 底面
12b 上流側壁面 12c 下流側壁面
α 上流側壁面の傾斜角度 β 下流側壁面の傾斜角度
C コーティング
Claims (4)
- 円弧状を有する部材であって、上記クランクシャフトのクランクアームと摺動する摺動面と、上記摺動面を略半径方向に交差するように形成された油溝とを備えたスラスト軸受において、
上記油溝は、底面と、クランクシャフトの回転方向に対して上流側に位置する上流側壁面と、下流側に位置する下流側壁面とから構成され、
上記上流側壁面における上記底面に対する傾斜角度αを、上記下流側壁面の上記底面に対する傾斜角度βよりも大きく設定したことを特徴とするスラスト軸受。 - 上記下流側壁面の傾斜角度βを15°〜60°の範囲で設定したことを特徴とする請求項1に記載のスラスト軸受。
- 上記上流側壁面の傾斜角度αと上記下流側壁面の傾斜角度βとを、
(α−β)≧15°・・・(式1)
の関係で設定したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のスラスト軸受。 - 上記摺動面の表面にコーティングを形成し、上記油溝において、当該コーティングを上記上流側壁面および下流側壁面の途中まで形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のスラスト軸受。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2018051391A1 (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | 日産自動車株式会社 | リンク機構 |
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JP2008261474A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-30 | Nok Corp | スラストワッシャ |
-
2013
- 2013-01-24 JP JP2013011076A patent/JP2014142019A/ja active Pending
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Legal Events
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