JP2014141998A - デュアルクラッチ式変速機 - Google Patents

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努 上條
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Abstract

【課題】部品点数の減少により組付け性の向上及び製造コストの低減を達成できると共に、ニードルベアリングの摺動抵抗に起因する無駄な駆動力の消費を回避できるデュアルクラッチ式変速機を提供する。
【解決手段】クラッチ入力軸3上にインナクラッチC1及びアウタクラッチC2を内外二重に配設すると共に、クラッチ入力軸3と同軸上に配設したインナ軸5に管状をなすアウタ軸8を回転可能に外嵌してボールベアリング11を介してハウジング1の隔壁1aに回転可能に支持する。ボールベアリング11のインナレース11aをアウタ軸8上のスナップリング13により移動規制すると共に、アウタクラッチC2の接続に伴う軸方向への押圧力をアウタハブ25を介してスナップリング13に作用させる。
【選択図】図1

Description

本発明はデュアルクラッチ式変速機に係り、詳しくは内外二重に配設された一対のクラッチの内のアウタ側のクラッチ周辺の構造に関する。
この種のデュアルクラッチ式変速機は、奇数変速段の歯車機構及び偶数変速段の歯車機構を相互に独立した動力伝達系として備え、それぞれの歯車機構をクラッチを介してエンジンなどの走行用動力源に連結したシステムである。例えば特許文献1及び特許文献2に記載されているように、このようなデュアルクラッチ式変速機では、一方のクラッチを接続して対応する歯車機構を介して動力を伝達しているときに、クラッチを切断した他方の歯車機構を次に予測される次変速段に事前に切り換えるプリセレクトを実行している。そして、その後に変速タイミングに至ると、両クラッチの断接状態を逆転させることにより動力伝達を中断することなく次変速段への切換を完了している。
上記一対のクラッチは設置スペースの縮小を目的として内外二重に配設され、例えば油圧駆動によりそれぞれ断接操作されるようになっている。
図2はこのような従来技術のデュアルクラッチ式変速機におけるクラッチ周辺の構造を示す部分断面図であり、図中の左方が車両の前方に相当する。なお、この従来技術の基本的な構成は、本発明の特徴部分を除き図1に示す実施形態のものと相違ないため、同一構成の箇所は同一の部材番号を付している。
変速機のハウジング1内にクラッチ入力軸3が回転可能に支持され、その前端は走行用動力源であるエンジン4に連結されている。クラッチ入力軸3の後側には同軸上にインナ軸5が相対回転可能に支持され、インナ軸5には管状のアウタ軸8が回転可能に外嵌されている。アウタ軸8はローラベアリング101及びテーパベアリング12を介してハウジング1の隔壁1aに回転可能に支持され、結果として、ハウジング1内でインナ軸5及びアウタ軸8が個別に回転可能となっている。
クラッチ入力軸3の後端外周には、湿式多板クラッチとしてインナクラッチC1及びアウタクラッチC2が内外二重に配設され、これらのクラッチC1,C2はクラッチ入力軸3の軸線を中心とする環状をなしている。インナクラッチC1は、油圧駆動のインナピストン19により前方から押圧されて接続されるようになっている。インナクラッチC1の接続時には、インナクラッチC1を介してクラッチ入力軸3の回転がインナ軸5上にスプライン嵌合されたインナハブ26に伝達され、さらにインナ軸5の後端に形成された入力ギヤ5aから奇数変速段の歯車機構G1に伝達される。
また、アウタクラッチC2は、油圧駆動のアウタピストン18により前方から押圧されて接続されるようになっている。アウタクラッチC2の接続時には、アウタクラッチC2を介してクラッチ入力軸3の回転がアウタ軸8上にスプライン嵌合されたアウタハブ25に伝達され、さらにアウタ軸8の後端に形成された入力ギヤ8aから偶数変速段の歯車機構G2に伝達される。
以上の構成により、両クラッチC1,C2の断接状態に応じてエンジン4の回転が歯車機構G1または歯車機構G2に任意に伝達される。従って、上記のようにクラッチ接続側の歯車機構G1,G2を介した動力伝達中に、クラッチ切断側の歯車機構G1,G2を次変速段にプリセレクトでき、その後の両クラッチC1,C2の断接状態の逆転により次変速段への切換が完了する。
ところで、上記ローラベアリング101はインナレース101aとアウタレース101bとの軸方向への相対移動が規制されていない構造のため、それぞれをハウジング1の隔壁1aに対して個別に移動規制する必要がある。そこで、インナレース101a及びアウタレース101bの後端を隔壁1aに形成された段差部1bに当接させる一方、インナレース101aの前端をアウタ軸8上のスナップリング13に当接させると共に、アウタレース101bの前端をアウタハブ25側に当接させて、それぞれの前方への脱落を防止している。
ローラベアリング101のアウタレース101bは隔壁1aに固定されているのに対し、アウタハブ25はアウタクラッチC2の接続時に回転する。このため両部材101a,25の回転差を許容すべく、アウタレース101bとアウタハブ25との間にはスラストワッシャ102と共にニードルベアリング103が介装されている。
また、アウタクラッチC2を接続するためのアウタピストン18の押圧力は前方からアウタハブ25に作用し、その押圧力に対してニードルベアリング103とスラストワッシャ102とを介してローラベアリング101のアウタレース101b(同時に隔壁1aも)が抗することにより、アウタクラッチC2に摩擦力が発生する。このときにも、アウタハブ25とアウタレース101bとの回転差をニードルベアリング103により許容しながら、アウタハブ25からアウタレース101bへの押圧力の伝達が行われる。
特表2009−518592号公報 特許第4790608号明細書
しかしながら、図2に示す従来技術では、アウタクラッチC2の接続中、換言すると歯車機構G2の何れかの変速段を介した動力伝達中には、アウタハブ25とアウタレース101bとの回転差の許容のためにニードルベアリング103が作動することにより常に摺動抵抗が発生する。結果としてエンジン4の駆動力の一部がニードルベアリング103の摺動抵抗により無駄に消費されてしまい、変速機内での駆動力の伝達効率の低下、ひいては燃費悪化の要因になるという問題があった。
また、ローラベアリング101のアウタレース101bとアウタハブ25との間にスラストワッシャ102及びニードルベアリング103を介装する必要がある。このため、変速機の部品点数が増加してしまい、ひいては組付け性の低下及び製造コストの高騰の要因になるという問題もあった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、部品点数の減少により組付け性の向上及び製造コストの低減を達成できると共に、ニードルベアリングの摺動抵抗に起因する無駄な駆動力の消費を回避でき、もって伝達効率を向上して車両の燃費を節減することができるデュアルクラッチ式変速機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、走行用動力源からの回転が伝達されるクラッチ入力軸をハウジング内に回転可能に支持し、クラッチ入力軸に対して同軸上にインナ軸を配設して、インナ軸に管状をなすアウタ軸を回転可能に外嵌してベアリングを介してハウジングに回転可能に支持し、クラッチ入力軸上にインナクラッチ及びアウタクラッチを内外二重に配設して、インナクラッチの出力側であるインナハブをインナ軸上にスプライン嵌合し、アウタクラッチの出力側であるアウタハブをベアリングに隣接するようにアウタ軸上にスプライン嵌合し、インナクラッチの接続時にはクラッチ入力軸の回転をインナハブからインナ軸を介して第1の歯車機構に伝達し、アウタクラッチの接続時にはクラッチ入力軸の回転をアウタハブからアウタ軸を介して第2の歯車機構に伝達するデュアルクラッチ式変速機において、ベアリングのインナレースをアウタ軸上でスナップリングにより移動規制すると共に、アウタクラッチの接続に伴う押圧力をアウタハブを介してスナップリングに作用させるものである。
請求項2の発明は、請求項1において、ベアリングをボールベアリングとしたものである。
以上説明したように請求項1の発明のデュアルクラッチ式変速機によれば、クラッチ入力軸上にインナクラッチ及びアウタクラッチを内外二重に配設すると共に、クラッチ入力軸と同軸上に配設したインナ軸に管状をなすアウタ軸を回転可能に外嵌してベアリングを介してハウジングに回転可能に支持し、インナクラッチの接続時には、クラッチ入力軸の回転をインナ軸上にスプライン嵌合したインナハブ及びインナ軸を介して第1の歯車機構に伝達し、アウタクラッチの接続時には、クラッチ入力軸の回転をアウタ軸上にスプライン嵌合したアウタハブ及びアウタ軸を介して第2の歯車機構に伝達するデュアルクラッチ式変速機において、ベアリングのインナレースをアウタ軸上でスナップリングにより移動規制すると共に、アウタクラッチの接続に伴う押圧力をアウタハブを介してスナップリングに作用させるようにした。
従って、アウタクラッチの接続時の押圧力はアウタハブを介してスナップリングに作用し、この押圧力にスナップリングが抗することによりアウタクラッチに摩擦力が発生する。これにより、クラッチ入力軸の回転がアウタハブからアウタ軸を介して第2の歯車機構に伝達され、第2の歯車機構の何れかの変速段を介した動力伝達が行われる。
そして、アウタハブはアウタ軸に対してスプライン嵌合により相対回転を規制されているため、アウタクラッチの断接状態に関わらずアウタハブとスナップリングとの間に回転差は発生しない。よって、例えば図2に示す従来技術のように、アウタハブとローラベアリングのアウタレースとの間に生じた回転差をニードルベアリングにより許容する必要がなくなる。このため、部品点数の減少により組付け性の向上及び製造コストの低減を達成できる。また、ニードルベアリングの摺動抵抗に起因する無駄な駆動力の消費を回避できるため、伝達効率を向上して車両の燃費を節減することができる。
請求項2の発明のデュアルクラッチ式変速機によれば、請求項1に加えて、ベアリングとしてボールベアリングを適用した。
ボールベアリングはインナレースとアウタレースとの軸方向への相対移動が規制された構造のため、インナレースをスナップリングにより移動規制することによりアウタレースの脱落が防止される。よって、アウタレースの脱落防止のための部材、例えば図2に示す従来技術のようなニードルベアリング及びスラストワッシャを設ける必要がなくなり、部品点数の減少により組付け性の向上及び製造コストの低減をより一層達成することができる。
実施形態のデュアルクラッチ式変速機のクラッチ周辺の構造を示す部分断面図である。 従来技術のデュアルクラッチ式変速機のクラッチ周辺の構造を示す部分断面図である。
以下、本発明を具体化したデュアルクラッチ式変速機の一実施形態を説明する。
周知のようにデュアルクラッチ式変速機は、奇数変速段の歯車機構及び偶数変速段の歯車機構を相互に独立した動力伝達系として備え、それぞれの歯車機構をクラッチを介してエンジンに連結したシステムであり、本実施形態ではトラックに搭載されている。
図1はこのようなデュアルクラッチ式変速機のクラッチ周辺の構造を示す部分断面図であり、図中の左方が車両の前方に相当する。なお、同図では後述するクラッチ入力軸3より上側の断面を示しているが、下側の断面も基本的に上下対称の同一構成である。
デュアルクラッチ式変速機(以下、変速機という)のハウジング1内にはアキシャル方向のニードルベアリング2などによりクラッチ入力軸3が回転可能に支持され、クラッチ入力軸3の前端はエンジン4(走行用動力源)に連結されて回転駆動されるようになっている。クラッチ入力軸3の後側(反エンジン4側)には、同軸上にインナ軸5が配設されている。インナ軸5の前端はクラッチ入力軸3の後端に開口形成された軸受孔3a内に挿入され、ラジアル方向のニードルベアリング6を介してインナ軸5とクラッチ入力軸3との相対回転が許容されている。
インナ軸5には管状をなすアウタ軸8がラジアル方向のニードルベアリング9及びテーパベアリング10を介して外嵌され、アウタ軸8はボールベアリング11及びテーパベアリング12を介してハウジング1に形成された隔壁1aに回転可能に支持されている。結果として、ハウジング1内でインナ軸5及びアウタ軸8が個別に回転可能となっている。
ボールベアリング11のインナレース11a及びアウタレース11bの後端はそれぞれ隔壁1aに形成された段差部1bに当接し、インナレース11aの前端はアウタ軸8上のスナップリング13に当接している。本実施形態ではボールベアリング11として、深溝ボールベアリングを用いている。周知のように深溝ボールベアリング11は、球形の転動体によりインナレース11aとアウタレース11bとの軸方向への相対移動が規制された構造となっている。
このため、インナレース11a側を移動規制することによりアウタレース11bの前方への脱落が防止され、結果として隔壁1aの所定位置にボールベアリング11が固定されている。なお、深溝ボールベアリングに限るものはなく、これに代えてアンギュラボールベアリングや自動調心ボールベアリングなどを用いてもよい。
クラッチ入力軸3の後端外周にはアウタシリンダ16及びインナシリンダ17が固定され、両シリンダ16,17は全体としてそれぞれクラッチ入力軸3の軸線を中心とした環状をなして後方に向けて拡開している。アウタシリンダ16内には環状をなすアウタピストン18が前後方向に摺動可能に配設され、インナシリンダ17内には環状をなすインナピストン19が前後方向に摺動可能に配設されている。
また、クラッチ入力軸3の外周のインナピストン19より後方位置には環状のスプリングプレート20が配設され、クラッチ入力軸3上のスナップリング21により後方への移動を規制されている。スプリングプレート20とインナピストン19との間、及びインナシリンダ17とアウタピストン18との間にはそれぞれリターンスプリング22が介装され、これらのリターンスプリング22によりインナピストン19及びアウタピストン18が常に前方に付勢されている。
以上のアウタ及びインナシリンダ16,17、アウタ及びインナピストン18,19、スプリングプレート20、リターンスプリング22はクラッチ入力軸3と一体で回転するようになっている。クラッチ入力軸3には図示しない油路が形成され、油路を介してアウタシリンダ16内或いはインナシリンダ17内に任意に作動油が供給されて、アウタピストン18或いはインナピストン19をリターンスプリング22の付勢力に抗して後方に摺動させるようになっている。
一方、アウタ軸8上において上記ボールベアリング13の前側位置には環状をなすアウタハブ25がスプラインを介して嵌合され(以下、スプライン嵌合という)、アウタハブ25はアウタ軸8に対して相対回転を規制されると共に前後動を許容されている。アウタハブ25の外周端25aは前方に開口する筒状をなし、この外周端25aは上記インナシリンダ17の後方に開口する筒状の外周端17aに対して所定間隔をおいて外周側に位置している。アウタハブ25の後面の内周側は、上記ボールベアリング11を固定するスナップリング13に対し前方より当接している。
インナ軸5上においてアウタハブ25の前側位置には環状をなすインナハブ26がスプライン嵌合され、インナハブ26はインナ軸5に対して相対回転を規制されると共に前後動を許容されている。インナハブ26の外周端26aは前方に開口する筒状をなし、この外周端26aは上記インナシリンダ17の外周端17aに対して所定間隔をおいて内周側に位置している。インナハブ26の後面は、アキシャル方向のニードルベアリング27を介して前方よりアウタハブ25に当接し、インナハブ26とアウタハブ25との相対回転が許容されている。
インナシリンダ17の外周端17aとアウタハブ25の外周端25aとの間には、湿式多板クラッチとしてのアウタクラッチC2を構成する複数枚の摩擦プレート28a,28bが交互に配列され、その後側にはスナップリング29により移動規制されたストッパプレート30が配設されている。一方の摩擦プレート28aはインナシリンダ17の外周端17aに対してスプライン嵌合され、他方の摩擦プレート28bはアウタハブ25の外周端25aに対してスプライン嵌合されている。
アウタピストン18の外周端18aは前方より摩擦プレート28aに当接し、このアウタピストン18により摩擦プレート28a,28b及びストッパプレート30を介してアウタハブ25の前方への移動が規制されている。また、上記のようにアウタハブ25はボールベアリング11を固定するスナップリング13に当接して後方への移動を規制されているため、結果としてアウタハブ25の軸方向への移動が規制されている。
そして、アウタシリンダ16内への作動油の供給によりアウタピストン18が後方に摺動すると、その外周端18aが摩擦プレート28aを押圧し、摩擦プレート28a,28bの間に発生した摩擦力によりインナシリンダ17とアウタハブ25とが結合される。結果としてアウタクラッチC2が接続され、エンジン4により駆動されるクラッチ入力軸3の回転がインナシリンダ17からアウタハブ25を介してアウタ軸8に伝達される。
インナシリンダ17の外周端17aとインナハブ26の外周端26aとの間には、湿式多板クラッチとしてのインナクラッチC1を構成する複数枚の摩擦プレート32a,32bが交互に配列され、その後側にはスナップリング33により移動規制されたストッパプレート34が配設されている。結果としてインナクラッチC1及びアウタクラッチC2は、クラッチ入力軸3の軸線を中心とする環状をなすように内外二重に配設されている。一方の摩擦プレート32aはインナシリンダ17の外周端に対してスプライン嵌合され、他方の摩擦プレート32bはインナハブ26の外周端26aに対してスプライン嵌合されている。
インナピストン19の外周端19aは前方より摩擦プレート32aに当接し、このインナピストン19により摩擦プレート32a,32b及びストッパプレート34を介してインナハブ26の前方への移動が規制されている。また、上記のようにインナハブ26はニードルベアリング27を介してアウタハブ25に当接して後方への移動を規制されているため、結果としてインナハブ26の軸方向への移動が規制されている。
そして、インナシリンダ17内への作動油の供給によりインナピストン19が後方に摺動すると、その外周端19aが摩擦プレート32aを押圧し、摩擦プレート32a,32bの間に発生した摩擦力によりインナシリンダ17とインナハブ26とが結合される。結果としてインナクラッチC1が接続され、エンジン4により駆動されるクラッチ入力軸3の回転がインナシリンダ17からインナハブ26を介してインナ軸5に伝達される。
インナ軸5の後端及びアウタ軸8の後端には、それぞれ入力ギヤ5a,8aが形成されている。図示はしないが、インナ軸5側の入力ギヤ5aには奇数変速段(1,3,5速段)からなる歯車機構G1(第1の歯車機構)の入力側が接続され、アウタ軸8側の入力ギヤ8aには偶数変速段(2,4,6速段)からなる歯車機構G2(第2の歯車機構)の入力側が接続されている。
これらの歯車機構G1,G2の出力側は共通の出力軸を介して車両の駆動輪側に接続されている。従って、クラッチ入力軸3の回転は、インナクラッチC1の接続時には歯車機構G1側に伝達され、アウタクラッチC2の接続時には歯車機構G2側に伝達され、それぞれの歯車機構G1,G2で選択されている変速段に応じて変速された後に駆動輪に伝達される。
デュアルクラッチ式変速機の詳細は、例えば特開2009−035168号公報、或いは先行技術として挙げた特許文献1及び特許文献2などに記載されているため、本実施形態では概略説明にとどめる。
本実施形態の車両は2速発進を前提としているため、車両の走行中には加減速などに応じて2速段以上で各変速段がシフトアップ側或いはシフトダウン側に順次切り換えられる。この変速時において、基本的にインナクラッチC1及びアウタクラッチC2の断接状態は常に逆方向に切り換えられる。このため、一方のクラッチC1,C2の接続により対応する歯車機構G1,G2の何れかの変速段が達成されて動力伝達されているときには、他方のクラッチC1,C2が切断されることで対応する歯車機構G1,G2では何れの変速段も動力伝達していない状態にある。
よって、他方の歯車機構G1,G2では次変速段(現在の変速段に隣接する高ギヤ側または低ギヤ側の変速段)に事前に切り換えるプリセレクトが可能となる。そして、その後に変速タイミングに至ると、インナクラッチC1及びアウタクラッチC2の断接状態を逆転させることにより動力伝達を中断することなく変速が完了する。
以上のようにしてデュアルクラッチ式変速機では変速が行われる。そして、アウタピストン18の作動によりアウタクラッチC2が接続されるとき、アウタピストン18の軸方向に沿った後方への押圧力は摩擦プレート28a,28b及びストッパプレート30を介してアウタハブ25に作用し、さらにアウタハブ25を介してスナップリング13に作用する。この押圧力にスナップリング13が抗することにより、上記のように摩擦プレート28a,28bの間に摩擦力が発生してアウタクラッチC2が接続され、クラッチ入力軸3の回転がアウタハブ25を介してアウタ軸8側に伝達される。
アウタハブ25はアウタ軸8に対してスプライン嵌合により相対回転が規制されて常に一体回転するため、アウタクラッチC2の断接状態に関わらずアウタハブ25とスナップリング13との間に回転差は発生しない。よって、図2に示す従来技術のようにアウタハブ25とローラベアリング101のアウタレース101bとの間に生じた回転差をニードルベアリング103により許容する必要がなくなる。
このため本実施形態では、アウタクラッチC2の接続中、換言すると歯車機構G2の何れかの変速段を介した動力伝達中において、ニードルベアリング103の摺動抵抗によってエンジン4の駆動力の一部が無駄に消費される事態を未然に防止できる。従って、変速機内での駆動力の伝達効率を向上でき、もって車両の燃費節減を達成することができる。
また、本実施形態では、アウタ軸8の回転支持のために従来技術のローラベアリング101に代えてボールベアリング11を用いている。このためスナップリング13によりインナレース11aを前方に移動規制することにより、自ずとアウタレース11bの前方への脱落も防止できる。よって、図2に示す従来技術のように、ローラベアリング101のアウタレース101bの脱落を防止するためにアウタハブ25との間にスラストワッシャ102及びニードルベアリング103を介装する必要がなくなる。
また、上記のようにアウタハブ25とアウタレース101bとの回転差をニードルベアリング103で許容する必要がないため、その目的でスラストワッシャ102及びニードルベアリング103を設ける必要もない。よって、これらの部材102,103を省略して変速機の部品点数を減少でき、もって組付け性の向上及び製造コストの低減に貢献することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、走行用動力源としてエンジン4を搭載したトラック用のデュアルクラッチ式変速機に具体化したが、これに限るものではなく、例えば乗用車やバスなどに搭載するデュアルクラッチ式変速機に具体化してもよい。また、走行用動力源としてエンジン4に加えてモータを搭載したハイブリッド車両、或いは走行用動力源としてモータを搭載した電気自動車のデュアルクラッチ式変速機に具体化してもよい。
また上記実施形態では、インナクラッチC1及びアウタクラッチC2を油圧駆動で断接操作したが、これに限るものではない。例えばエア駆動や電動アクチュエータで駆動する形式のクラッチC1,C2としてもよい。
また上記実施形態では、アウタ軸8を支持するベアリングとしてボールベアリング11を用いることにより、そのアウタレース11bの脱落防止を不要としたが、必ずしもボールベアリング11に限るものではない。例えば図2に示す従来技術のローラベアリング101を用いてもよく、その場合にはスナップリングなどによりアウタレース101bの前方への移動を規制して脱落防止すればよい。このように構成した場合でも、インナレース101aを移動規制するスナップリング13にアウタクラッチC2の接続時の押圧力を作用させることにより、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
1 ハウジング
3 クラッチ入力軸
4 エンジン(走行用動力源)
5 インナ軸
8 アウタ軸
11 ボールベアリング
11a インナレース
13 スナップリング
25 アウタハブ
26 インナハブ
G1 歯車機構(第1の歯車機構)
G2 歯車機構(第2の歯車機構)
C1 インナクラッチ
C2 アウタクラッチ

Claims (2)

  1. 走行用動力源からの回転が伝達されるクラッチ入力軸をハウジング内に回転可能に支持し、該クラッチ入力軸に対して同軸上にインナ軸を配設して、該インナ軸に管状をなすアウタ軸を回転可能に外嵌してベアリングを介して上記ハウジングに回転可能に支持し、上記クラッチ入力軸上にインナクラッチ及びアウタクラッチを内外二重に配設して、該インナクラッチの出力側であるインナハブを上記インナ軸上にスプライン嵌合し、上記アウタクラッチの出力側であるアウタハブを上記ベアリングに隣接するように上記アウタ軸上にスプライン嵌合し、上記インナクラッチの接続時には上記クラッチ入力軸の回転を上記インナハブからインナ軸を介して第1の歯車機構に伝達し、上記アウタクラッチの接続時には上記クラッチ入力軸の回転を上記アウタハブからアウタ軸を介して第2の歯車機構に伝達するデュアルクラッチ式変速機において、
    上記ベアリングのインナレースを上記アウタ軸上でスナップリングにより移動規制すると共に、上記アウタクラッチの接続に伴う押圧力を上記アウタハブを介して上記スナップリングに作用させることを特徴とするデュアルクラッチ式変速機。
  2. 上記ベアリングをボールベアリングとしたことを特徴とする請求項1記載のデュアルクラッチ式変速機。
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WO2016032748A1 (en) * 2014-08-25 2016-03-03 Borgwarner Inc. Latching clutch having a ball detent latching device requiring a reduced amount of hydraulic pressure
JP2017525914A (ja) * 2014-08-29 2017-09-07 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG デュアルクラッチ

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