JP2014140048A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】色再現性の優れた発光効率の高い有機EL素子を有する有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】緑色有機EL素子が遅延蛍光材料を有し、共振器構造を有し、正孔輸送層が青色有機EL素子とおなじ厚みである有機EL表示装置を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL表示装置に関するものである。
近年、有機EL素子を用いた有機EL表示装置の研究・開発が盛んである。
有機EL表示装置は、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子をそれぞれ複数有し、それらが画素として独立して発光と非発光を行うことでフルカラー画像を表示することが出来る。
有機EL素子は、一対の電極とその間に有機化合物で構成される発光層を有する。発光層は、蛍光発光材料や燐光発光材料をそれ自体として、あるいは例えば重量比的に少ないゲスト材料として有する。
各色の有機EL素子は、それぞれが低電圧で駆動できるように開発が行われている。その際、各色の有機EL素子の間で駆動電圧の差が大きくならないように、そして何れの発光色においても低電圧駆動が出来るように素子内の層構成が設計される。
蛍光発光材料や燐光発光材料の開発が行われる中、一方で遅延蛍光材料を有機EL素子に用いることが特許文献1に示されている。
特開2004−241374号公報
蛍光発光材料では理論上内部量子収率を100%とすることは困難である。一方で、燐光発光材料では内部量子収率を理論上100%とすることができる。
しかしながら、燐光発光材料をゲスト材料としてホスト材料に含めた発光層を有する有機EL素子の場合、ホスト材料のバンドギャップは、同じ色を発光させる蛍光発光材料を有する場合と比べて広げざるを得ない。
ある色を発光させる場合、燐光発光材料の最低励起三重項状態T1はその色に対応するエネルギー順位であることが必要である。燐光発光材料の最低励起一重項状態S1はそのT1よりも高く、また燐光発光材料を有するホスト材料のT1は燐光発光材料のT1よりも大きく、そしてホスト材料のS1はホスト材料のT1よりも大きい。
同じ色を発光する蛍光発光材料の場合、その色に対応する励起状態はT1ではなくS1である。すなわち、同じ色を発光する場合、蛍光発光材料のS1と燐光発光材料のS1を比べると蛍光発光材料の場合S1が低い。そのため、燐光発光材料をゲスト材料として有する場合、ホスト材料のS1は蛍光発光材料を有する場合と比べて高くせざるを得なくなり、その結果ホスト材料のバンドギャップは広くせざるをえない。
発光層は、発光層に隣接する層との間でエネルギー障壁を広くしないことが、隣接層から発光層へキャリア(電子あるいはホール)を移動させるために重要である。ホスト材料のバンドギャップが広くなると、ホスト材料のHOMOあるいはLUMOが隣接層のHOMOあるいはLUMOから離れてしまい障壁が高くなる。
その場合、隣接層の材料として最適なものを選び出したりあるいは新規な化合物を創出しなければならない。また、その場合、電極からのキャリアの注入の良し悪しを考慮しなければならなくなり、その結果、有機EL素子の層構成を一から設計しなおさなければならなくなる。
ところで、特許文献1には遅延蛍光材料が示されている。この遅延蛍光材料は、520nmから750nmの範囲で強い遅延蛍光スペクトル及び燐光スペクトルが観察されたものであり、実際に図に示される発光波長は最大発光波長が550nmを超えるピークと600nmを超えるピークとから構成されている。すなわち、この遅延蛍光材料は色純度的にいって緑や青といった原色を発光する発光材料ではない。
よって本発明は、
赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子をそれぞれ画素として有し、何れの前記有機EL素子も一対の電極と正孔輸送層と発光層とを、前記一対の電極のうちの反射電極、正孔輸送層、発光層の順で有する有機EL表示装置であって、
前記緑色有機EL素子の発光層は遅延蛍光材料を有し、前記緑色有機EL素子は前記一対の電極間で共振器構造を有しており、前記緑色有機EL素子の一対の電極の間に設けられる層のうち最も厚い層が前記発光層であり、前記緑色有機EL素子と前記青色有機EL素子の正孔輸送層は同じ膜厚かつ前記青色有機EL素子の発光位置と前記反射電極の反射面との間の光学干渉が最適な条件となる膜厚で共通して設けられることを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、緑色有機EL素子が、遅延蛍光材料を用いた駆動電圧が低い有機EL素子となるので、消費電力が低い有機EL表示装置を提供できる。緑色有機EL素子において、共振器構造の効果により遅延蛍光材料からの発光の発光スペクトル幅は狭小化し、高色純度の発光ができる。さらに本発明では、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子のうち、とりわけ緑色有機EL素子と青色有機EL素子において正孔輸送層を同じ厚さに設けることが出来る。
各発光過程を示す概念図 本発明の有機EL素子の断面の模式図 本発明の有機EL表示装置の断面の模式図
本発明に係る有機EL表示装置は、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子をそれぞれ画素として有し、何れの前記有機EL素子も一対の電極と正孔輸送層と発光層とを有する有機EL表示装置であって、前記緑色有機EL素子の発光層は遅延蛍光材料を有し、前記緑色有機EL素子は前記一対の電極間で共振器構造を有しており、前記緑色有機EL素子と前記青色有機EL素子の正孔輸送層は同じ膜厚で共通して設けられることを特徴とする有機EL表示装置である。
本発明では、発光のエネルギーが高い緑色有機EL素子において遅延蛍光材料を用いた。その結果、正孔輸送層の化合物とのHOMO同士の障壁を、燐光発光材料を用いた場合と比べて狭くすることが出来た。その結果、駆動電圧を下げることが出来るので発光層の厚みを厚くしても駆動電圧が大幅に上昇しなくて済み、発光層の厚みを一対の電極の間に配置される有機化合物層の中で最も厚くすることで緑色有機EL素子の共振器構造を達成することが出来、緑色有機EL素子の光の取り出しが向上した。更に、緑色有機EL素子の正孔輸送層を青色有機EL素子と同じ膜厚に同じタイミングで成膜することが出来る。その結果、製造プロセスが簡便になる。また、その結果、緑色よりも波長が短い青色を発光する青色有機EL素子にとって最適な薄い厚みとなるように正孔輸送層を設けることが出来る。
本発明における遅延蛍光材料は、熱励起型の遅延蛍光材料である。熱励起型の遅延蛍光について図1を用いて説明する。はじめに図中の符号を説明する。101は最低励起一重項状態(S1)、102は基底状態(S0)、103は最低励起三重項状態、104はS1状態のエネルギー(EgS1)、105はT1状態のエネルギー(EgT1)、106は項間交差、107は遅延蛍光、そして108は燐光を示す。
図1は遅延蛍光の発光を模式的に示した図である。キャリア再結合で生成する励起子には励起一重項状態S1(101)と励起三重項状態T1(103)のものがある。S1(101)からはそのまま発光することができる。一方、一般の有機化合物においては、T1からは熱失活してしまうので、T1は発光に寄与しない。しかし、例示化合物1,2のような遅延蛍光材料では、T1(103)から項間交差(106)してS1(101)となり、S1(101)から基底状態S0(102)に遷移する遅延蛍光(107)の発光経路を有する。したがって、遅延蛍光材料はこれまで発光に寄与しなかったT1(103)を発光させることができるので、遅延蛍光材料を用いることで、燐光材料と同様の非常に高い内部量子効率の有機EL素子が期待できる。
遅延蛍光材料としては、銅錯体、白金錯体、パラジウム錯体などが挙げられる。遅延蛍光材料の例として例示化合物1、例示化合物2を示す。
Figure 2014140048
Figure 2014140048
ここでS1(101)とS0(102)とのエネルギー差EgS1(104)、T1(103)とS0(102)とのエネルギー差EgT1(105)とする。EgT1(105)はEgS1(104)よりも交換積分の分だけエネルギーの低い状態である。
ここで同じエネルギーの発光について遅延蛍光材料と燐光材料についてS1(101)を考える。遅延蛍光(107)はそのまま発光準位がS1(101)であるのに対して、燐光発光(108)は発光準位がT1(103)である。ゆえに、燐光材料のS1(101)はそれよりも高いエネルギー準位に位置することになる。同じ発光色でも、遅延蛍光材料は燐光材料に比べてS1(101),T1(103)共に低いエネルギー準位であることが大きく異なる点である。
有機EL素子において、発光材料のEgS1(104)が小さいと、陽極・陰極に用いる電極の仕事関数や正孔輸送層のHOMO、電子輸送層のLUMOとのエネルギー差が小さくなり、ホールの注入障壁、電子の注入障壁が小さくなる。その結果、有機EL素子の駆動電圧は低くなる。従って、同じ発光波長においては、燐光材料よりも遅延蛍光材料の方が、EgS1(104)及びEgT1(105)が小さいことから、ホールの注入障壁、電子の注入障壁が小さくなるため、有機EL素子の駆動電圧は低くなる。したがって、遅延蛍光材料を用いることで、厚膜化が駆動電圧を大幅に高くしない範囲で可能である。これにより、発光層の膜厚設計が広い範囲で可能である。
本発明に用いられる遅延蛍光材料は、その発光特性から発光過程が遅延蛍光(107)であることを特定できる。本発明に用いられる遅延蛍光発光の化合物の発光に関して、以下のような特徴がある。
(1)室温(298K)の発光寿命が、マイクロ秒程度である
(2)室温(298K)の発光波長が、低温(77K)の発光波長よりも短い
(3)室温(298K)の発光寿命が、低温(77K)の発光寿命より大幅に短い
(4)温度の上昇により、発光強度が向上する
通常の蛍光発光及び燐光発光(108)は、室温の発光波長と低温の発光波長を比較すると、同じ波長若しくは低温の発光波長が短波長化するのに対して、遅延蛍光発光(107)は、低温の発光波長が長波長化する。これは、室温では一重項からの発光が観測されるが、低温ではS1(101)よりもエネルギーの低い状態であるT1(103)から発光する為である。ここでいう発光波長とは、最大発光波長、もしくは、発光開始波長を示す。
また、通常の蛍光発光は、S1(101)からの発光なのでナノ秒程度の発光寿命であるのに対して、T1(103)が発光に関与する燐光発光(108)は、一般に発光寿命がマイクロ秒からミリ秒である。同様に、遅延蛍光発光(107)も、T1(103)が発光に関与するので、発光寿命はマイクロ秒程度になる。本発明に用いられる発光材料の発光寿命は、固体状態または溶液状態で、0.1マイクロ秒以上、1ミリ秒未満であることが好ましい。
発光寿命に関しては、遅延蛍光発光(107)と燐光発光(108)の発光寿命はマイクロ秒程度であるが、遅延蛍光(107)の特徴として、室温の発光寿命に対し、低温の発光寿命が大幅に長くなる。例えば、低温で無輻射失活が抑制されると考えた場合、室温での量子収率が0.1の燐光発光化合物を考える場合、低温の発光寿命は、室温の発光寿命の最大でも10倍である。遅延蛍光発光の場合は、低温と室温で異なる励起状態から発光するため、発光寿命が温度に強く依存する。室温ではS1(101)から発光するが、低温ではT1(103)から発光するため、低温の発光寿命は、室温の発光寿命の10倍以上になり、化合物によっては2桁以上長くなることも観察される。本発明に用いられる発光材料の発光寿命は、固体状態または溶液状態で、低温の発光寿命が室温の発光寿命の10倍以上が好ましく、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上であるである。
さらに、燐光発光(108)は、温度の上昇と共に無輻射失活速度が大きくなるので、発光強度は低下するのに対して、遅延蛍光発光(107)の場合は、温度の上昇と共に発光強度が向上する。これは、外部の温度エネルギーによって、T1(103)からS1(101)への項間交差(106)する確率が高まり、T1(103)からS1(101)に項間交差(106)して発光し易くなる為である。
したがって、EgS1(104)が小さいことが、高効率の遅延蛍光材料となりやすい。しかしながら、この小さなEgS1(104)は、S1(101)およびT1(103)が電荷移動性の状態であることで、交換積分が極めて小さくなるために達成されている。ゆえに、ここで述べている遅延蛍光(107)は主として電荷移動性の性質を持つ励起状態からの発光のものが多い。一般的に電荷移動状態からの発光スペクトルは幅の広いスペクトルになりやすい特徴を有している。このため、ディスプレイ用途に遅延蛍光材料を含む有機EL素子発光を用いた場合、併せて発光スペクトル幅、発光ピーク等を調整できる手段を設けることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子は陽極と陰極の一対の電極と、その間に配置される発光層と発光層に接して陽極側に設けられる正孔輸送層とを有している。一対の電極の間にはその他に正孔注入層や電子ブロッキング層やホールブロッキング層や電子輸送層や電子注入層を有してもよく、それらは適宜設けられればよい。
図2に本実施形態での有機EL素子の構成例を、発光層に遅延蛍光材料を有し、一対の電極間で共振器構造を有している場合を例にとって示す。本図において有機EL素子は上部電極と下部電極と有機機能層から構成されている。図2において201は基板、202は陽極(反射電極)、203は有機機能層、204は陰極(半透明電極)、205は反射層、206は透明導電膜、207は正孔輸送層、208は発光層、209は電子輸送層、210は保護層、そして211は封止ガラスである。
図2では、下部電極が陽極である反射電極202と、上部電極が陰極である半透明電極204である構成を一例として示した。
共振器の形成において、上部電極および下部電極の有機層側の界面は共に反射面となる。発光素子としては、そのうち一方から光を取り出すため、その組み合わせは反射電極と半透明電極であるが、その上下の電極配置については、光取り出し面、素子構成によって任意に決めてよい。例えば、本実施形態では、発光を基板201と反対側の半透明電極から取り出すトップエミッションの素子を示しているが、本発明はボトムエミッション型素子へも適用できる。
ここで反射電極202は反射層205と透明導電膜206とからなる。
反射層205として透明導電膜206との界面における反射率が少なくとも50%以上、好ましくは80%以上であることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)やクロム(Cr)等の金属や、それらの合金等が用いられる。また仕事関数の高い金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、などは高いホール注入性および反射率を兼ね備えた電極として有効である。
透明導電膜206として、酸化物導電膜、具体的には酸化インジウムと酸化錫の化合物膜(ITO)や酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物膜(IZO)などを用いることができる。透明導電膜は必要に応じて導入することが可能である。透明導電膜を導入する場合としては、反射層から有機機能層へのキャリア注入障壁を低減させる、素子内部での光路長調節、反射層が誘電多層膜等の絶縁性部材で形成された場合などがある。
ここでいう「透明」とは透過率が80%以上100%以下の透過率を有していることであり、より具体的には、多重反射による減衰を抑える観点より消光係数κが0.05以下、好ましくは0.01以下であることが望ましい。
半透明電極204は、金属材料の単体または合金からなる。金属材料の消衰係数κが大きいで、電極を光が透過する際に光吸収により透過光量が減少してしまう。半透明電極から効率よく光を取り出すためには、光吸収を抑える必要がある。このため実部屈折率の小さいものを選ぶことが好ましい。そのための金属材料としては、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、金などが挙げられる。
図2において有機機能層203は、例えば、正孔輸送層207、発光層208、電子輸送層209の3層から構成されているが、発光層のみでもよい。あるいは2層、4層など複数の層から形成されていてもよい。
発光層207はたとえば遅延蛍光発光材料のみからなってもよいが、素子の発光効率、駆動寿命の観点から、遅延蛍光材料は発光ドーパントとして用いることが好ましい。発光ドーパントとしてのドープ濃度を特に規定するものではないが、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%である。この場合の発光層は発光ドーパントを含む層を指す。
正孔輸送層207や電子輸送層209は輸送機能だけでなくそれぞれ電極からの電荷注入層としての機能も具備しているが、別途注入層や輸送層を新たに設けてもよい。また、発光層に隣接する層として、電荷ブロック機能や励起子の拡散防止機能などを有する層を新たに設けてもよい。
このような素子では、基板201上の反射電極202と正孔輸送層207との界面もしくは反射層205と透明導電膜206の界面と、半透明電極204と電子注入層209との界面を反射面として、両反射面の間で共振部が構成される。上下の電極と光学距離をL、共振波長をλ、素子からの発光を視認する角度をθ(素子に正対し視認する場合を0°),干渉の次数をmとする。また各々の電極にて発光が反射する際の位相シフトの和をφ(rad)とした場合、各パラメータ間に<数1>を満足する関係があると、共振効果による強めあいを利用できる。
Figure 2014140048
ここで光学距離Lは、上下の電極との間にある有機機能層の光学膜厚(=屈折率(n)×膜厚(d))の総和(=n1d1+n2d2+・・・)である。なお、実際に各々の電極にて発光が反射する際、反射界面を構成する電極材料および有機材料の組み合わせにより、位相シフトの和φは変化する。
各発光色のピーク波長は、例えば赤色が600〜680nm、緑色が500nm〜560nm、青色が430〜490nmである。従って同じ次数の干渉の共振器であれば、R,G,Bの順に発光波長が短くなるため、素子の積層膜厚によって決まる光学距離もR,G,Bの順に短くなる。
反射面間の距離については、mをいくつに設定するかによるが、距離が長すぎると共振による強め合いが起こらない。よって反射面間の距離は、可干渉距離である必要がある。具体的には両反射面間の距離は、5μm以下であることが好ましい。より好ましくは、両反射面間の距離を1μm以下である。
本構成を実施するにあたって、数式1においてm=1以上7未満であることが好ましい。より好ましくはm=1または2である。またm=7以上では有機膜は1ミクロン程度になり、駆動素子の高電圧化の影響が発生してくるためである。
共振器構造を備えた素子は、共振器の共振波長に相当する光を強めて外部へ取り出す構成である。一般にはピーク強度が高く、幅が狭いスペクトルを得るために内部発光スペクトルのピーク波長と共振波長(共振によって最も強められる波長)とを一致させることが好ましい。
遅延蛍光材料の発光スペクトルは半値幅が広いものが多いため、素子の内部発光ピーク波長と共振波長がずれることも想定される。この場合は色度向上のためには内部発光ピーク波長に対してより色度が良くなるように共振波長を設定する。たとえば内部発光ピーク波長よりも長波長側に共振波長を設定してもよい。
これによって、高効率でかつ優れた色度を示す素子が実現可能となる。
前述のように、遅延蛍光材料は同じ発光波長で比べると、燐光材料よりもバンドギャップが小さい。ゆえに、発光層208を構成するホスト材料やその他の補助ドーパント材料などのバンドギャップについても、同じ発光波長の燐光材料を用いた構成の場合よりも小さくてすむ。したがって、遅延蛍光材料を用いた発光層へのホール・電子の注入はスムーズに行われる。よって、遅延蛍光材料を発光層に用いることで駆動電圧の低電圧化に寄与する。遅延蛍光材料を用いた発光層からなる有機EL素子は、発光層の膜厚を厚くしても電圧上昇が少ない。
共振条件である数式1の条件を満たす手段のひとつとして発光層の膜厚を厚くしてもよい。低電圧化のためには、あるいは発光層膜厚を厚くするためには、発光ドーパントとして遅延蛍光材料を多く含むことが好ましい。発光層における発光ドーパントのドープ濃度は5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%である。
次に本発明の表示装置について図3に沿って説明する。
本表示装置の素子構成は反射層301,透明導電層302,有機機能層303,陰極である半透明電極304,正孔輸送層305,306,青色発光層307,緑色発光層308,赤色発光層309,電子輸送層310,311である。本実施の形態では、遅延蛍光材料は緑色発光層の発光ドーパントである。遅延蛍光材料を用いる発光層は、特に緑色に限定されるものではない。他発光色の発光層の発光ドーパントは、遅延蛍光材料を用いてもよいが、赤色発光層の発光ドーパントには燐光発光材料を、青色発光料の発光ドーパントには、蛍光材料または燐光発光材料を用いることが好ましい。この場合のドープ濃度は、前述のとおりである。
各色の素子において透明導電層302膜厚、正孔輸送層305,306膜厚、電子輸送層310,311膜厚等をRGBの共振条件を満たすように膜厚を調節する。本実施の形態では、全色の有機EL素子が共振器構造を有するが、本発明では、少なくとも緑色有機EL素子が、好ましくは緑色有機EL素子と青色有機EL素子が、共振器構造を有すればよい。
一般にRGBの有機EL素子を搭載した表示パネルにおいて、RGB各色において透明導電層302、正孔輸送層305,306、電子輸送層310,311等で光学膜厚を変化させることは、各色の画素に応じてそれぞれマスク蒸着することになるため、表示装置の製造プロセスに猥雑化をもたらす。
しかし、本発明においては遅延蛍光材料を含む素子の発光層膜厚を他の有機層に比べて厚くすることで共振器条件を満たすように膜厚を厚くすることが可能である。正孔輸送層膜厚、或いは電子輸送層膜厚で調節する分の光学膜厚を、遅延蛍光材料を含む発光層308の膜厚を厚くして相殺することで、少なくともB画素とG画素において正孔輸送層305を共通膜厚化することができる。本実施形態ではG画素の発光層をもっとも厚くした構成において、正孔輸送層305の膜厚がB画素と共通化されている。これはG画素とR画素においても同様に正孔輸送層を共通化できることを意味する。
光取り出し効率の低下を避けたい青色画素に対しては、共振器条件のみならず、反射電極までの光学干渉も考慮する必要がある。よって、青色および緑色画素の素子構造において、正孔輸送層305を共通化する際、青色画素の発光位置と反射電極との光学干渉が最適な条件にあわせたものにすることが好ましい。これによって正孔輸送層の共通層化によって青色画素の性能を下げずに、緑色画素は発光層膜厚の調整で、共振器条件を満たすことが可能になる。
本発明に係る有機EL表示装置において赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子は基体の面内にそれぞれ複数設けられそれぞれが画素を構成すればよい。
各色の有機EL素子は行ごとに信号配線によって、列ごとに情報配線によって接続されていてもよい。
各色の有機EL素子はそれぞれ輝度を制御するためにTFTと接続していてもよい。
本発明に係る有機EL表示装置において赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子は基体を介して光が外部に取り出されるいわゆるボトムエミッション型でもよく、あるいは基体を介さないで光が外部に取り出されるいわゆるトップエミッション型でもよい。
本発明に係る有機EL表示装置は、例えば、テレビやPC用の表示装置、あるいは画像を表示する部分を有する機器であれば如何なる実施形態も問わない。例えば、本発明の表示装置が搭載される携帯型表示装置であってもよい。あるいはデジタルカメラ等の電子撮像装置や携帯電話の表示部に本発明の表示装置を使用することができる。
<緑色有機EL素子例1>
本例においては、図2に示す構成の緑色有機EL素子を下記のような構成で作製した。
支持体としてのガラス基板上に反射性電極として銀合金(AgCuNd)をスパッタリング法にて100nmの膜厚に形成してパターニングし、さらに透明電極としてのIZOをスパッタリング法で10nmの膜厚に成膜してパターニングし、陽極を形成した。
次に下記手順で有機機能層を設けた。
正孔輸送層としてPF01を真空蒸着により15nmの膜厚で成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
次に発光層としてホスト材料にCBPを用い、発光ドーパント材料に例示化合物1を使用し、共蒸着(重量比9:1)で真空蒸着により42nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
電子輸送層としてはBphenを真空蒸着により10nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
さらに、電子輸送層として、BphenとCs2CO3を共蒸着(重量比9:1)として真空蒸着により14nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
陰極として銀(Ag)を真空蒸着により15nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は8x10-5Paであった。
陰極まで成膜した基板をスパッタ装置へ移動して保護層として窒化酸化シリコンを1500nmの膜厚に成膜して、有機EL素子を得た。
有機EL素子は、以下の方法で評価を行った。駆動電源としては、直流定電流電源(エーディーシー社製、商品名:R6243)を用いた。輝度は輝度計(トプコン社製、商品名:BM−7FAST)を用いた。CIE色度の測定には、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD−7000)を用いた。本例で作製した有機EL素子の評価としては、100cd/m2輝度時における、CIE色度、駆動電圧、発光効率の値から、評価を行った。
本例で作製した有機EL素子を100cd/m2の輝度で発光させると、緑色に発光し、CIE表色系における色度(x,y)は(0.22,0.70)であった。その際の駆動電圧は4V、発光効率は22cd/Aであった。本実施例では、比較素子1に比べて低電圧で、色度の優れた有機EL素子を得ることができた。
<緑色有機EL素子例1−1(比較素子1)>
緑色有機EL素子例1と同様の素子を作成した。ただし発光層成膜の際に、発光ドーパント材料として、下記に示した燐光材料Ir(ppy)3を用い、陰極に透明導電膜のIZO電極をスパッタリング法にて成膜して用いた。
Figure 2014140048
本例で作製した有機EL素子を100cd/m2の輝度で発光させると、緑色に発光し、CIE表色系における色度(x,y)は(0.33,0.67)であった。その際の駆動電圧は8Vであり、発光効率は16cd/Aであった。
<緑色有機EL素子例2>
支持体としてのガラス基板上に反射性電極として銀合金(AgCuNd)をスパッタリング法にて100nmの膜厚に形成してパターニングし、さらに透明電極としてのITOをスパッタリング法で77nmの膜厚に成膜してパターニングし、陽極を形成した。
次に下記手順で有機機能層を設けた。
正孔輸送層としてPF01を真空蒸着により35nmの膜厚で成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
次に発光層としてホスト材料にCBPを用い、発光ドーパント材料に例示化合物1を使用し、共蒸着(重量比4:1)で真空蒸着により105nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
電子輸送層としては以下に示す化合物を真空蒸着により20nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
さらに、電子輸送層として、化7に示す化合物とCs2CO3を共蒸着(重量比9:1)として60nmの膜厚に真空蒸着により成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
陰極として銀(Ag)を真空蒸着により15nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は1×10-4Paであった。
陰極まで成膜した基板をスパッタ装置へ移動して保護層として窒化酸化シリコンを1500nmの膜厚に成膜して、有機EL素子を得た。
本例で作製した有機EL素子を100cd/m2の輝度で発光させると、緑色に発光し、CIE表色系における色度(x,y)は(0.22,0.70)であった。この素子の陽極透明電極と全有機層の総膜厚は297nmである。数1より中心波長535nm、屈折率1.8、m=2、Φ=0ラジアンにおいて共振条件は全膜厚で297nmであり、本素子は共振条件を満たしている。その際の駆動電圧は4.5V、発光効率は20cd/Aであった。であった。本実施例では、比較素子2に比べて低電圧な有機EL素子を得ることができた。
<緑色有機EL素子例2−1(比較素子2)>
緑色有機EL素子例2と同様の素子を作成した。ただし発光ドーパント材料として、燐光材料Ir(ppy)3を用い、銀(Ag)電極に替わって、透明なIZO電極をスパッタリング法にて成膜して陰極として用いた。
本例で作製した有機EL素子を100cd/m2の輝度で発光させると、緑色に発光し、CIE表色系における色度(x,y)は(0.33,0.63)であった。その際の駆動電圧は10Vであり、発光効率は10cd/Aであった。
〈実施例1〉
赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる有機EL表示装置を以下に示す方法で作製した。有機EL素子が画素として配置されるパネル部分のパネルサイズは対角で3インチ、画素数は縦240、横320のQVGA、各色毎の画素の開口率、すなわちパネル部分の面積に対する各色有機EL素子の総面積はそれぞれ30%となるように作製した。
まず、支持体としてのガラス基板上に、低温ポリシリコンからなるTFT駆動回路を形成し、その上にアクリル樹脂からなる平坦化膜を形成した。この上に反射性電極として銀合金(AgCuNd)をスパッタリング法にて100nmの膜厚に形成してパターニングし、さらに透明電極としてのITOをスパッタリング法で77nmの膜厚に成膜してパターニングし、陽極を形成した。さらにアクリル樹脂により素子分離膜を形成し陽極側透明電極基板を作成した。これをイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、次いで、煮沸洗浄後乾燥した。その後、UV/オゾン洗浄してから有機化合物および陰極材料を真空蒸着により成膜した。
次に、RGB各画素の共振器条件を満たす一例として次のように各層の膜厚を設定した。ここで、数1においてm=2、Φ=0ラジアンとした。
Figure 2014140048
次に表1にしたがって下記手順で有機機能層を設けた。
共通層として正孔輸送層としてPF01をBとGの画素部には35nmの膜厚で、赤色の画素には170nmの厚さに真空蒸着により成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。この際プロセスを簡便にするためにBとGの画素部には正孔輸送層を同時に成膜した。なおBとGの画素部が互いに並ぶところは画素間を跨いで、具体的には素子分離膜上にも正孔輸送層を形成した。
本実施例ではR画素部における正孔輸送層は他の画素部と比べて厚く設けられているが、例えば正孔輸送層を構成する材料をパネル全域に35nmの厚みで作成し、すなわち画素間を跨いで作成し、その後Rの画素部のみに正孔輸送層を構成する材料を135nmの厚みで設け、結果としてRの画素部には170nmの正孔輸送層が設けられるように作成してもよい。
青色発光層のホスト発光材料にはCBP、発光ドーパント材料として下記に示した青色の蛍光材料を用い、共蒸着(重量比9:1)により45nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
緑色発光層のホスト材料にはCBP、発光ドーパント材料として例示化合物1を共蒸着(重量比4:1)により105nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
赤色発光層のホスト材料にはCBP、発光ドーパント材料には下記の赤色の燐光材料を用い、共蒸着(重量比9:1)により30nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
Figure 2014140048
成膜の際は、発光パターンに対応したマスクを用いて同一基板上に対する蒸着の塗り分けを施し、RGB画素がマトリクス状に配列された有機EL素子とした。
これらの発光層上に共通電子輸送層として化7に示す化合物を真空蒸着により20nmの膜厚に画素部が配置されるパネル領域の全てに成膜して、さらに化7に示す化合物とCs2CO3を共蒸着(重量比9:1)にて60nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
陰極として銀(Ag)を15nmの膜厚に成膜した。
さらに保護膜として、窒化酸化シリコンを700nmの膜厚に成膜して、有機EL表示装置を得た。
この有機EL表示装置で、白色200cd/m2での消費電力は400mWであった。RGB各発光画素のCIE表色系における色度(x,y)は、B(0.15,0.08)、G(0.22,0.67)、R(0.67,0.31)であり、そのNTSC比は93%であり、優れた色再現範囲の表示装置を得た。
本実施例において、マスク蒸着が必要なのは正孔輸送層と発光層であり、其の他の層は共通層としている。ゆえに有機機能層の成膜に必要なマスク蒸着は5回であった。本実施例では、比較例1よりも色再現範囲の広くて低消費電力であり、比較例2よりもマスク蒸着回数を減らした有機EL表示装置を得ることができた。
〈比較例1〉
上記の有機EL表示装置の作成例と同様に有機EL表示装置を作成した。ただし緑色発光層の発光ドーパント材料としてIr(ppy)3を用い、銀(Ag)電極に替わって、透明なIZO電極をスパッタリング法にて成膜して陰極として用いた。
この有機EL表示装置で、白色200cd/m2での消費電力は600mWであった。RGB各発光画素のCIE表色系における色度(x,y)は、B(0.15,0.11)、G(0.27,0.65)、R(0.67,0.31)であり、そのNTSC比は80.7%であった。
本実施例において、マスク蒸着が必要なのは正孔輸送層と発光層であり、其の他の層は共通層としている。ゆえに有機機能層の成膜に必要なマスク蒸着は5回であった。
〈比較例2〉
上記の有機EL表示装置の作成例における有機機能層を次のように変更した表示装置を作製した。
正孔輸送層としてPF01を真空蒸着によりB画素上に35nm、G画素上に95nm、R画素上に170nmの膜厚でそれぞれマスクを用いて成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
青色発光層のホスト発光材料にはCBP、発光ドーパント材料として実施例1と同じ青色の蛍光材料を用い、共蒸着(重量比9:1)により35nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。緑色発光層のホスト材料にはCBP、発光ドーパント材料として例示化合物1を共蒸着(重量比9:1)により45nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。赤色発光層のホスト材料にはCBP、発光ドーパント材料には実施例1と同じ赤色の燐光材料を用い、共蒸着(重量比9:1)により30nmの膜厚に成膜した。蒸着中の真空度は5×10-5Paであった。
この有機EL表示装置で、白色200cd/m2での消費電力は400mWであった。RGB各発光画素のCIE表色系における色度(x,y)は、B(0.15,0.08)、G(0.22,0.67)、R(0.67,0.31)であり、そのNTSC比は93%であり、優れた色再現範囲の表示装置を得た。
本比較例において、マスク蒸着が必要なのは正孔輸送層と発光層であり、其の他の層は共通層としている。しかしながら、実施例1と比べて正孔輸送層のマスク蒸着が一回多く必要であった。ゆえに有機機能層の成膜に必要なマスク蒸着は6回であった。
101:最低励起一重項状態(S1)、102:基底状態(S0)、103:最低励起三重項状態、104:S1状態のエネルギー(EgS1)、105:T1状態のエネルギー(EgT1)、106:項間交差、107:遅延蛍光、108:燐光
よって本発明は、
赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子をそれぞれ画素として有し、何れの前記有機EL素子も一対の電極と正孔輸送層と発光層とを有する有機EL表示装置であって、
前記緑色有機EL素子の発光層は熱励起型の遅延蛍光材料を有し、前記緑色有機EL素子は前記一対の電極間で共振器構造を有しており、前記緑色有機EL素子と前記青色有機EL素子の正孔輸送層は同じ膜厚で共通して設けられることを特徴とする有機EL表示装置を提供する。

Claims (4)

  1. 赤色有機EL素子、緑色有機EL素子、青色有機EL素子をそれぞれ画素として有し、何れの前記有機EL素子も一対の電極と正孔輸送層と発光層とを、前記一対の電極のうちの反射電極、正孔輸送層、発光層の順で有する有機EL表示装置であって、
    前記緑色有機EL素子の発光層は遅延蛍光材料を有し、前記緑色有機EL素子は前記一対の電極間で共振器構造を有しており、前記緑色有機EL素子の一対の電極の間に設けられる層のうち最も厚い層が前記発光層であり、前記緑色有機EL素子と前記青色有機EL素子の正孔輸送層は同じ膜厚かつ前記青色有機EL素子の発光位置と前記反射電極の反射面との間の光学干渉が最適な条件となる膜厚で共通して設けられることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記青色有機EL素子は、前記一対の電極間で共振器構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記共振器構造を有する有機EL素子は、内部発光スペクトルのピーク波長と共振によって最も強められる波長とが一致していることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記共振器構造の干渉の次数が2次であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
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