JP2014138572A - 植物育成用の有機質土壌 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質的、量的、経済的に使用可能な植物育成用の有機質土壌を提供する。
【解決手段】通常の樹木を剪定または枝打ちした状態の、生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、樹木細断機の刃により生のままで細断し、該細断後の樹木を、木酢液に約27日以上浸漬することにより、該細断樹木を腐食させて人工腐食土とし、該人工腐食土を押圧することにより破砕して短繊維状の人工腐食土とし、杉を主体とする木材の樹皮を、木質部から剥がして大量に山状に積み上げて、該積み上げた状態の内部において、嫌気性発酵状態として、約3年以上放置して、腐食状態の樹皮を形成し、該杉を主体とする木材の腐食状態の樹皮を押圧することにより破砕して、短繊維状のバーク堆肥を構成し、前記人工腐食土とバーク堆肥とを混合して、植物植生用の土壌を構成する。
【選択図】図14

Description

本発明は、植物育成用の有機質土壌に関するものであり、通常の樹木を選定または枝打ちした状態の生の木質部や葉部や樹皮部の全てを細断し、木酢液に浸漬して、短期で腐食土とした人工腐食土と、杉等の針葉樹の樹皮により構成した有機質土壌改良材であるバーク堆肥とを混合した植物育成用の有機質土壌に関する。
植物育成用の有機質土壌としては、以下の性能が求められる。
即ち、防潮堤の崩落や水による浸食を防ぐために、表面に植物を繁茂させるため、植物育成用の有機質土壌を敷設し、この植物育成用の有機質土壌に、塩害や浸食に強い植物を植生することが行われる。
このように、水辺に植物を繁茂させるために敷設する植物育成用の有機質土壌は、植物のために混合した肥料が、海や川に流れだすのを阻止する必要があり、肥料を植物育成用の有機質土壌に抱き込んだ状態で、水により浸食されても、肥料分を流さないという作用効果が必要である。
また、混合された肥料の効果に対して緩衝材として作用し、肥料効果が長く続行するようにし、また、一気に植物に対して肥料が効果を発揮して、肥料焼けを起こさないようにするという役目も必要となっている。
一般に用いられている牛舎や豚舎や鶏舎から発生する堆肥を乾燥して構成した植物育成用の有機質土壌の場合には、繊維質が少ないので、上記したような、肥料を抱き込んで保持する効果や、肥料の効果を緩衝する緩衝材としての役目を果たすことが出来ないのである。
そのために、防潮堤の植物育成用の有機質土壌から、肥料分が海や川に流れ出して、富栄養化の原因となっていたのである。
また、植物育成用の有機質土壌は、堤防の植物を育てるためとか、道路の法面において植物を育てる場合とか、崖崩れ防止用の法面に植物を育てる場合とか、一般住宅の庭園の植物を育てる場合とか、大量に使用されるものである。
故に、値段が高い場合には、工事に対するコストがあわず、出来るだけ大量に、かつ、品質の一定した植物育成用の有機質土壌を、一定の品質の元で提供できるということが必要なのである。
出来れば、廃棄物の再利用として、植物育成用の有機質土壌が製造されることがコストの低下や、廃棄物の処理を迅速に出来るという効果が発揮できるのである。
本発明は、通常の樹木を選定または枝打ちした状態の生の木質部や葉部や樹皮部の全てを廃棄物の再利用として、木酢液に浸漬して短期間で腐食させ、これを短い繊維状に破砕して人工腐食土として再利用可能とし、この人工腐食土にさらに、杉や檜等の針葉樹の樹皮により構成した有機質土壌改良材であるバーク堆肥を混合して、植物育成用の有機質土壌として、品質的にも、量的にも、経済的にも使用可能なものとするのである。
従来の、植物育成用の有機質土壌としては、従来、特公平6−62353号公報、特開平6−284815号公報に記載の技術が公知とされている。
特公平6−62353号公報 特開平6−284815号公報
本発明は、上記の問題を解決するために、通常の樹木を剪定または枝打ちした状態の生の木質部や葉部や樹皮部の全てを短時間に腐食させた構成した人工腐食土や、杉や檜等の針葉樹の樹皮により構成した有機質土壌改良材であるバーク堆肥を再利用することにより、肥料分の溶けだしを阻止することが出来る。
また、海辺や川辺において護岸用の植生を作り出す際に用いた場合にも、該植物育成用の有機質土壌により育てた護岸からは、該植物育成用の有機質土壌の繊維質成分が肥料分が海や川に流れだすのを防いで、富栄養化するのを阻止する。
また、該繊維質分が、肥料の緩衝材としての役目を果たし、長時間に渡り、ゆっくりと肥料成分が作用し、また植生に対して、肥料分が強く作用しすぎるのを緩衝することが出来る植物育成用の有機質土壌を提供するのである。
本発明は、以上のような目的を達成する為に、次の如く構成したものである。
請求項1においては、通常の樹木を剪定または枝打ちした状態の、生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、樹木細断機の刃により生のままで細断し、該細断後の樹木を、木酢液に約27日(648時間)以上浸漬することにより、該細断樹木を腐食させて人工腐食土とし、該人工腐食土を押圧することにより破砕して短繊維状の人工腐食土とし、杉を主体とする木材の樹皮を、木質部から剥がして大量に山状に積み上げて、該積み上げた状態の内部において、嫌気性発酵状態として、約3年以上放置して、腐食状態の樹皮を形成し、該杉を主体とする木材の腐食状態の樹皮を押圧することにより破砕して、短繊維状のバーク堆肥を構成し、前記人工腐食土とバーク堆肥とを混合して、植物植生用の土壌を構成する植物育成用の有機質土壌である。
請求項2においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、該植物育成用の有機質土壌に、酸性緩和基盤材としてのミネラル分として、製鉄炉から発生する転炉スラグを混合するものである。
請求項3においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記人工腐食土を浸漬する木酢液は、樫類の樹木を炭化する際に発生する木酢液としたものである。
請求項4においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、杉を主体とする木材の腐食樹皮の短繊維化においては、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーによりバーク堆肥を破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別するものである。
請求項5においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記生の樹木を破砕して、木酢液に浸漬して腐食させた人工腐食土を、更に短繊維にする際において、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーにより破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別するものである。
請求項6においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土の混合割合を変更することにより、植生する植物に対応した植物育成用の有機質土壌を構成するものである。
請求項7においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土との混合割合を、バーク堆肥が50〜99%と、人工腐食土を45〜1%としたものである。
請求項8においては、請求項2記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土を混合した植物育成用の有機質土壌に対する、転炉スラグの混合比率を0.01〜0.1%としたことものである。
以上のように本発明を構成したことにより、次のような効果を奏する。
請求項1においては、通常の樹木を剪定または枝打ちした状態の、生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、樹木細断機の刃により生のままで細断し、該細断後の樹木を、木酢液に約27日以上浸漬することにより、該細断樹木を腐食させて人工腐食土とし、該人工腐食土を押圧することにより破砕して短繊維状の人工腐食土とし、杉を主体とする木材の樹皮を、木質部から剥がして大量に山状に積み上げて、該積み上げた状態の内部において、嫌気性発酵状態として、約3年以上放置して、腐食状態の樹皮を形成し、該杉を主体とする木材の腐食状態の樹皮を押圧することにより破砕して、短繊維状のバーク堆肥を構成し、前記人工腐食土とバーク堆肥とを混合して、植物植生用の土壌を構成するので、枝打ちや剪定後の生の樹木の廃棄物を加工した人工腐食土と、伐採後の杉の樹皮を3年程度嫌気性発酵状態として腐食した後のバーク堆肥とにより、防潮堤や道路の法面や崩壊防止壁の法面などにおいて用いる植物育成用の有機質土壌を製造することが可能となったのである。
これらは、どちらも大量に発生する廃棄物であるので、原料の買い入れが必要なく、また大量に発生する廃棄物であるので、原料の量的にも問題なく、また木酢液により腐食させるので、一定の品質の人工腐食土を短期間で得ることができるのである。
請求項2においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、該植物育成用の有機質土壌に、酸性緩和基盤材としてのミネラル分として、製鉄炉から発生する転炉スラグを混合するので、木酢液に浸漬した短時間に腐食させた人工腐食土のみでは、酸性が強く、混合された植生土壌も酸性の強い植土となるのであるが、転炉スラグを混合することにより、酸性緩和基盤材を混合して、アルカリ性の方向に土壌の性質を変えることが可能となるのである。
また、転炉スラグも、廃棄物であるので、コスト的に安い酸性緩和基盤材を用いることが出来て、植物育成用の有機質土壌とすることができるのである。
請求項3においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記人工腐食土を浸漬する木酢液は、樫類の樹木を炭化する際に発生する木酢液としたので、木酢液自体が、炭焼き時において発生する廃棄物である木酢液の有効利用により、人工腐食土の短期腐食を可能とし、人工腐食土の造成時間を短縮し、大量に植物育成用の有機質土壌を製造する道が開けたのである。
また、廃棄物の一種として、大量に発生する木酢液の利用用途が今だ見つかっていなかったが、この木酢液の有効利用に道を開くことが出来たのである。
請求項4においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、杉を主体とする木材の腐食樹皮の短繊維化においては、傾斜した筒内において回転する爪の圧迫により破砕するハンマークラッシャーによりバーク堆肥を破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別するので、人工腐食土の場合には、最初に生の樹木や葉を、樹木切断機により刃物を使った切断工程が必要であるが、バーク堆肥の場合には、3年以上の嫌気性発酵状態において腐食したものであるので、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーで押圧破砕するだけで、簡単に一定の長さの繊維質のバーク堆肥を得ることが出来るのである。
また、ハンマークラッシャーの爪の耐久性を増加し、また破砕に要するエネルギー消費を抑制することが出来るのである。
請求項5においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記生の樹木を破砕して、木酢液に浸漬して腐食させた人工腐食土を、更に短繊維にする際において、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーにより破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別するので、27日(648時間)以上木酢液に浸漬することにより、剪定や枝打ちした樹木や葉の細断物が、腐食するので、その後は、樹木切断機を用いることなく、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーにて、簡単に50mm以下の繊維状に破砕することが出来るのである。
この繊維状の人工腐食土を、回転筒式のトロンメル選別機により、12mm以下の長さの短繊維を選別するだけで、コストを易くして、品質の一定した植物育成用の有機質土壌を製造することが出来るのである。
請求項6においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土の混合割合を変更することにより、植生する各種の植物に対応した植物育成用の有機質土壌を構成するので、比較的コストが高くなる人工腐食土の使用を最小限度として、比較的にコストの低いバーク堆肥の混合比率を高くして、対象とする植物に最適で、最低値段の植物育成用の有機質土壌を製造することが可能となるのである。
請求項7においては、請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土との混合割合を、バーク堆肥が50〜99%と、人工腐食土を45〜1%としたので、比較的コストが高くなる人工腐食土の使用を最小限度として、比較的にコストの低いバーク堆肥の混合比率を高くして、対象とする植物に最適で、最低値段の植物育成用の有機質土壌を製造することが可能となるのである。
請求項8においては、請求項2記載の植物育成用の有機質土壌において、前記バーク堆肥と人工腐食土を混合した植物育成用の有機質土壌に対する、転炉スラグの混合比率を0.01〜0.1%としたので、酸性緩和基盤材としての転炉スラグは、人工腐食土やバーク堆肥よりも原価が高くつくのであるが、この転炉スラグを最低の混合比率として、植物育成用の有機質土壌のコストを下げ、かつ、出来るだけ酸性土壌をアルカリ性土壌として、広い範囲の植物に対して使用可能な植物育成用の有機質土壌とすることが出来たのである。
通常の樹木(L)を選定または枝打ちした状態の生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、短期間で腐食させて人工腐食土とするプラントと工程を示す図面。 杉を主体とする樹木(T)の針葉樹の樹皮により構成した有機質土壌改良材であるバーク堆肥を製造するプラントと工程を示す図面。 人工腐食土とバーク堆肥を製造するプラントにおいて用いる、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーの外形斜視図。 同じくハンマークラッシャーの全体側面図。 同じくハンマークラッシャーの内部に配置したスパイラル爪(10)と破砕爪(11)と破砕爪取付杆(12)の構成を示す図面。 破砕爪(11)の取付け状態の斜視図。 スパイラル爪(10)の取付け状態の斜視図。 スパイラル爪(10)と破砕爪(11)の平面図と側面図。 破砕後の腐食樹皮を短繊維だけを選別する回転筒式のトロンメル選別機の側面図。 同じく回転筒式のトロンメル選別機の穿孔回転筒(13)のみを取り出した側面図。 人工腐食土やバーク堆肥の短繊維分を穿孔回転筒(13)により選別する状態の側面図。 人工腐食土やバーク堆肥の短繊維分を穿孔回転筒(13)により選別する状態の正面図。 回転筒式のトロンメル選別機により選別した後の人工腐食土やバーク堆肥の状態を示す斜視図。 「人工腐食土のみを主体とした植物育成用の有機質土壌」と「バーク堆肥に対して高い比率で人工腐食土を混合した植物育成用の有機質土壌」と「バーク堆肥に対して低い比率で人工腐食土を混合した植物育成用の有機質土壌」と「バーク堆肥のみを主体とした植物育成用の有機質土壌」の混合比率を示す図面。 図15に示した混合比率の植物育成用の有機質土壌の植生試験の状況を示す図面。 図15の混合比率の植物育成用の有機質土壌における、各植物の生育状況を示す図面。 図15の植物育成用の有機質土壌における「生育量評価」を示す図面。 図15の植物育成用の有機質土壌における「土壌養分評価」を示す図面。 図15の植物育成用の有機質土壌における「土壌PH評価」を示す図面。 図15の植物育成用の有機質土壌における「土壌水分評価」を示す図面である。
図1において、通常の樹木(L)を剪定または枝打ちした状態の生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、短期間で腐食させて人工腐食土とするプラントとその製造工程について説明する。
これまでも、造成林の枝打ちや、一般の道路において左右に植生されている並木の季節的な剪定作業や、一般住宅の庭に植生された鑑賞用の通常の樹木(L)の季節的な枝落としや、葉落とし等の剪定作業において、1年中、通常の樹木(L)から廃棄物が発生していたのである。
これまでは、これらの剪定により発生した通常の樹木(L)や葉や樹皮部は、生のままで樹木細断機(B)により細断破砕されて、堆肥として積み上げることが出来る程度の、50〜100mm程度として、一定の場所に積み上げていた。
そして、1年以上経過することにより腐食させて、堆肥として土壌に戻すという作業が行われていたのである。
又は、樹木細断機(B)による破砕を行わずに、一定の場所に積み上げて、枯れるのを待って、焼却して灰にして、土壌に戻すという作業も行われていたのである。
しかし、年々、このような剪定された通常の樹木(L)の量の増加が問題となり、環境破壊に対する規制の強化から、野放し状態における枯れた樹木の焼却が規制されて出来なくなり、また大量の樹木細断機(B)による破砕後の量の増加により、庭師や並木の剪定業者や行政機関は、大量の消費が可能な一定の規制にそった剪定樹木の処理が必要とされていたのである。
また、庭師や、並木の剪定を行う行政機関は、この剪定された通常の樹木(L)の処理において、廃棄物処理業者に対して、持ち込み費用を払って、規制にかからない状態にまで腐食させて、土壌に戻す処理を行っていたのである。
本発明においては、このような剪定樹木の処理を、一定のプラントによる処理工程を経過することにより、人工腐食土に変化させて、この人工腐食土を植物育成用の有機質土壌として使用可能とするものである。
しかし、この剪定樹木廃棄物を樹木細断機(B)で破砕し、自然な状態の下で、腐食させて植物育成用の有機質土壌とする為には、時間が掛かり、かつ費用が掛かることから、その後に袋詰めにして、一般の植物育成用の有機質土壌として、販売店で販売可能な植物育成用の有機質土壌としたり、行政機関の主導の工事である土手や道路などにおける植物育成用の有機質土壌として使用するには、その構成成分としては適切ではなく、大量に消費可能な植物育成用の有機質土壌とすることは困難だったのである。
本発明は、該剪定樹木廃棄物から作りだす人工腐食土を、コストを低下し、かつ大量に処理可能な腐食する方法を提供するものである。
また、該人工腐食土のみでは、コストが高いので、一般の建設資材販売点では販売が不可能な値段を、バーク堆肥を混合することにより、さらにコスト低下させることにより、建設資材販売点で販売し、一般家庭が庭の土壌として購入可能な植物育成用の有機質土壌とするものである。
図1において、剪定された通常の樹木(L)の廃棄物の、人工腐食土への生成工程について説明する。
公園緑化用の植物や、高速道路や一般道路の並木などの植生における植木や、一般家庭の庭園における鑑賞用樹木などを、季節的に剪定する際において、必ず大量の剪定された通常の樹木(L)廃棄物が発生する。
以前は、これらの剪定樹木廃棄物を、剪定工事業者が都市から離れた焼却施設に持ち込んで、一定期間をおいて枯らした後に焼却したり、セメント製造向上において、セメント生成炉内の燃料に加えて燃焼させるバイオマス燃料として使用する為に、セメント工場へ持ち込む等の処理が行われていた。
どちらの場合にも、剪定樹木廃棄物の処理の為に、持ち込んだ方の業者が一定の処理費用を支払う等の必要があったり、持ち込みの為の運送費用が嵩んだり、またその処理量が無限大ではないので、ある程度以上の剪定樹木廃棄物(A)の量が発生した場合には、その処理に困るという場合が多かったのである。
本発明においては、この剪定樹木廃棄物(A)を連続的に、かつ、短時間に人工腐食土へと、コストを掛けずに変える発明である。
剪定樹木廃棄物(A)は、公園の緑化植物や、道路の並木植物や、一般家庭の庭園の剪定によって大量に発生する。それぞれを剪定した剪定業者は、その剪定樹木廃棄物(A)を、樹木細断機(B)を備えた処理場に搬送したり、トラック等に搭載した樹木細断機(B)自体が、剪定場所に出向いて据え付けられて、そのまま剪定樹木廃棄物(A)が投入されることにより、50〜100mm程度の一次破砕物(C)とされるのである。
従来は、この裁断した一次破砕物(C)は、自然腐食を待つ為に放置されるのが通常であった。本発明は、該一次破砕物(C)は、フレコンと呼ばれる大きな袋状の搬送容器に投入されるのである。該フレコンは、化学合成樹脂繊維を編んだ布により袋が構成されており、通気性があり、かつ液体が通過可能な材料により構成された袋とされている。
該フレコンに詰められた樹木細断機(B)による破砕後の剪定樹木廃棄物(A)の一次破砕物(C)は、図1において図示されるように、大容量容器(D)に容れられた木酢液(E)に、27日(648時間)以上浸漬されるのである。
該フレコン内の一次破砕物(C)を、木酢液(E)に浸漬する時間は、約27日(648時間)程度以上であり、この約27日間(648時間)以上、木酢液(E)に浸漬しておくことにより、剪定樹木廃棄物(A)の一次破砕物(C)は、人工的に腐食が行われるのである。
この人工的腐食は、自然な状態で積み上げて放置して、自然腐食する速度に対して、格段の速さで腐食を行うことが可能となるのである。
該木酢液(E)について説明する。
木酢液(E)とは、木材を乾留した際に発生する乾留液の上澄分のことである。代表的な例としてしては、炭焼き時に副産物として木酢液(E)が製造される。外見は赤褐色または暗褐色の液体である。その殆どが水分であるが、木材由来の酢酸などの有機酸が含まれており、弱酸性を示す。それ以外の成分としては、アルコール類や、カルボニル化合物、あるいはフェノール類やフラン類といった芳香族化合物などが含まれる。原材料である木材の種類や、乾留の条件により成分に木酢液のバラツキが発生する。
メタノールの別名である「木精」は、かって木酢液(E)の蒸留によりメタノールが作られていたことに由来している。フェノール類は主に木材の成分であるリグニンから発生する。
かつて、木酢液(E)は酢酸やメタノールを製造する為の原料として使用されたが、これらの化学物質の供給源は、化学合成あるいは醸造原料にとって代わられた。
現在は、昆虫が忌避することから、農薬的な使用や、民間療法、厚生目的での利用用途がある。食品加工法の一つである液体燻製では、木酢液(E)から得られた燻液(スモークフレーバー)が用いられている。
しかし、工業的に炭焼きをする場合において大量に発生することから、木酢液(E)の発生量は多くなり、近年は木酢液の製造量に対応する、使用用途が少なく、木酢液(E)自体が持て余し気味となっていた。
本発明においては、この木酢液(E)の腐食促進効果を利用して、剪定樹木廃棄物(A)の一次破砕物(C)を、短時間で腐食させる為に、図1の大容量容器(D)内に注入した木酢液(E)に、剪定樹木廃棄物(A)の一次破砕物(C)を詰めたフレコンを、276日以上の間、浸漬するのである。
そして、この木酢液(E)に浸漬した状態で、短時間に腐食した後の一次破砕物(C)を、木酢液を抜いた状態で、図1の傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャー(F)により破砕するのである。
該傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャー(F)は、図3、図4、図5、図6、図7、図8に示す図面のように構成されている。
即ち、ハンマークラッシャー(F)は、約20度〜30度に傾斜された傾斜容器円筒(14)内において、回転クラッシャ軸(17)がモーター駆動により回転されている。
該回転クラッシャ軸(17)には、傾斜容器円筒(14)の入口ホッパー(15)の部分に近い上部において、スパイラル爪(10)が植設されている。該スパイラル爪(10)は、傾斜容器円筒(14)の入口ホッパー(15)の部分に投入された、木酢液(E)内に浸漬されて短時間腐食された一次破砕物(C)を、スムーズにハンマークラッシャー(F)内に取り込む役目を持っている。
該スパイラル爪(10)は、4〜8本が植設されており、該スパイラル爪(10)は、破砕爪取付杆(12)の先端に板状の爪体(18)が固定された形状としており、該板状の爪体(18)にスパイラル状の歪みが構成されている訳ではなく、4乃至8本の爪の位置がスパイラルの位置に立設されて、一次破砕物(C)を取り込み可能なスパイラル爪(10)を構成している。
また、傾斜容器円筒(14)の入口ホッパー(15)の位置に設けたスパイラル爪(10)の後段において、回転クラッシャ軸(17)に固設された破砕爪取付杆(12)には、先端において回転可能に枢支状態に取付けられた破砕爪(11)が多数設けられている。
該破砕爪(11)は、1本の破砕爪取付杆(12)の先端に、1本の枢支ボルトを介して、2本が取付け可能とされており、本実施例のハンマークラッシャー(F)において、回転クラッシャ軸(17)の周囲に設けられた64本の破砕爪取付杆(12)に対して2枚ずつの破砕爪(11)が枢支されており、合計128枚の破砕爪(11)が枢支されている。
該破砕爪(11)は回転クラッシャ軸(17)の回転とともに遠心力で傾斜容器円筒(14)の内径に近い位置まで突出して、傾斜容器円筒(14)の内径に設けた凸部刃との間で、一次破砕物(C)を圧迫して破砕するように構成している。刃による切断ではなく、圧迫による破砕を行うので、刃の部分が摩耗することはなく、耐久性の向上につながるのである。
本発明においては、前記一次破砕物(C)の植物の種類が、木酢液(E)における腐食の進展具合等により、破砕爪(11)の破砕爪取付杆(12)に取り付ける枚数を変更可能としている。これにより、一次破砕物(C)のハンマークラッシャー(F)により破砕後の繊維庁を,1〜30mm程度までの間で調整可能としているのである。
該ハンマークラッシャー(F)の傾斜容器円筒(14)の下端部において、出口筒(16)が設けられており、該出口筒(16)から出た破砕後の人工腐食土(K)は、次に、回転筒式のトロンメル選別機(G)に供給される。
該回転筒式のトロンメル選別機(G)は、図9と図10と図11と図12に示す如く構成されている。
即ち、回転筒式のトロンメル選別機(G)の内部には、穿孔回転筒篩(13)が架設されており、回転筒式のトロンメル選別機(G)の内部で外周を、ローラーにより支持されて回転駆動される。
該穿孔回転筒篩(13)の孔(19)の径は12mmに設定されており、一次破砕物(C)の繊維が縦方向に抜けた場合は別として、12mm以上の一次破砕物(C)は、出口筒(16)より外部に放出されるように構成されている。
前記穿孔回転筒篩(13)の孔(19)の径である12mm以下の人工腐食土(K)の繊維が、回収ホッパー(22)より回収されて、最終的な人工腐食土(K)として使用されるのである。
次に、図2において、バーク堆肥(M)の製造プラントと製造工程について説明する。
人工植林された植林より、杉を主体とする樹木(T)が伐採されて、住宅や家具などの用途に、木材が加工される工程においては、まずは伐採の後に、製材所において、皮むきが行われる。該杉を主体とする樹木(T)の樹皮を、機械によりまたは人力により、樹皮(J)が剥がれるのである。従来はこの樹皮(J)の利用用途が少なく、人里離れた場所において、積み上げられて、腐食するのを待って、また山の土壌に戻されていたのである。
本発明においては、この杉を主体とする樹木(T)の樹皮(J)を、剥いだ後に、図1のように大きな高さ5m以上の山状に積み上げて、3年間程度嫌気性状態で発酵させるのである。この高さ5mというのは、樹皮を積み上げた状態で、その自重により、内部が圧縮されて発熱を開始する程度の高さから設定されている。
この嫌気性発酵状態においては、該樹皮(J)の山の内部は、約90度程度まで温度が上昇する。
原料に使用する樹皮は国産の杉を主体とする樹木(T)であり、他の樹種は使用しない。樹皮は自然剥離したものが最良であるが、その他の木材市場などで原木の荷積み、荷降ろし、皮剥ぎ等の際に剥がれる樹皮も原料として用いる。原料の堆積高さは5m以上を基準とし、また、従来の堆肥製造方法とは異なり、切り返しは行わない。むしろ積極的に樹皮の山の内部を嫌気性発酵状態にする必要がある。
一般にバーク堆肥(M)を製造する場合に、まずは外部から好気性反応がおこり、微生物の活動により外部の樹皮が酸化されて、発熱を伴うが、水と炭酸ガスに変わるので自然発火は発生しない。そして、内部の温度が90℃程度まで上昇し、5m以上に積み上げた樹皮の山の内部は嫌気性発酵状態となる。該樹皮を嫌気状態で加熱することによって、有機酸が生成される他に、一部の樹皮は炭化される。
この状態で、杉を主体とする樹皮(J)の場合には、3年間以上放置して発酵させた材料を、バーク堆肥(M)として用いるのである。
該3年間の間、嫌気性発酵状態で発酵させた樹皮(J)は、自然な発酵によりボロボロとなる程度まで腐食発酵されるのである。
この樹皮(J)を、前述の人工腐食土(K)の製造において、使用した傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャー(F)に掛けて、破砕するのである。この破砕後の大きさは、1〜50mm程度までの破砕を行うのである。
次に、該ハンマークラッシャー(F)で破砕した後のバーク堆肥(M)を、前述の人工腐食土(K)において説明した回転筒式のトロンメル選別機(G)により、10mm〜15mm、好ましくは12mm以下の繊維長さのバーク堆肥(M)に選別するのである。
そして、同じプラントのハンマークラッシャー(F)と回転筒式のトロンメル選別機(G)を使用することにより、人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)の混合を容易にするという効果を発揮するものである。
同様に、人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)を、同じ回転筒式のトロンメル選別機により、同じ長さである12mm以下の同じ腐食繊維として構成することにより、その後の本発明の植物育成用の有機質土壌としての混合を容易にするものである。
次に、図14〜図20において、人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)とを混合した植物育成用の有機質土壌について説明する。
図14においては、本発明の植物育成用の有機質土壌の性能評価を行う為の試験土壌について説明している。
試験土壌(a)は、前述した人工腐食土(K)が95%に「転炉スラグ(S)」を5%程度混合した、人工腐食土(K)が中心の植物育成用の有機質土壌である。
試験土壌(b)は、前記人工腐食土(K)50%に、前記バーク堆肥(M)を45%混合し、更に転炉スラグ(S)を0.1リットル(0.5%)混合した「人工腐食土(K)が高配合」の植物育成用の有機質土壌である。
試験土壌(c)は,人工腐食土(K)が0.13%で、バーク堆肥(M)が99%で、更に転炉スラグ(S)が0.013%が混合された「人工腐食土(K)の低配合」の植物育成用の有機質土壌である。
試験土壌(d)は、バーク堆肥(M)が10%との、バーク堆肥(M)中心の植物育成用の有機質土壌である。
間伐や枝落としや街路樹の剪定などによりでてきた剪定樹木廃棄物(A)を、樹木細断機(B)により破砕し、その後に、フレコンに移した状態で、木酢液(E)に漬けて27日以上掛けることにより短時間で腐食させた人工腐食土(K)においては、酸性の木酢液により酸性化しており、植物の育成が大きく阻害されている。
故に、本発明においては、剪定樹木廃棄物(A)を木酢液(E)により腐食した作りだした酸性の人工腐食土(K)に対して、転炉スラグ(S)を混入することにより、ミネラル分を増加して、アルカリ化させて中和させ、植物の生育に阻害とならないようにしているのである。
転炉スラグ(S)とは,銑鉄やスクラップから成分を調整し、靱性と加工性に優れた「鋼」を製造する製鋼工程で副産物として生成される。
該転炉スラグ(S)には、転炉から生成する転炉系スラグと、スクラップを原料とする電気炉製鋼工程で生成される電気炉系スラグが存在するが、本発明において、人工腐食土(K)に混合されるのはこの中の転炉スラグ(S)である。
転炉スラグ(S)は、鉄鉱石に含まれるシリカなどの鉄以外の成分が還元剤として使われコークスの灰分が、副原料の石灰石と結合したものである。密度が銑鉄よりも小さく、溶融状態で銑鉄の上部に浮かび上がってくるため容易に分離・回収できる。この転炉スラグ(S)は、石灰とシリカを主成分としている。転炉スラグはアルミナと酸化マグネシウムを主成分としている。
この転炉スラグ(S)を、人工腐食土(K)に混合することにより、木酢液に漬けて腐食させた人工腐食土(K)の強酸性をアルカリにより中和して、植物の育成を可能とするものである。
図17において、播種植物の相違による、前記各試験土壌ごとの「生育評価」について説明する。
前記した試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)の4種類の試験圃場を構成し、各試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)毎に、「コマツナ」と「ホウレンソウ」と「ハダイコン」と「トールフェスク」と「クリービングレッドフェスク」と「メドハギ」を植生して、生育丈の変化を評価した。
その結果、「コマツナ」と「ホウレンソウ」と「ハダイコン」の成長量においては、明確な成長量の変化は表れなかった。
しかし、「トールフェスク」と「クリービングレッドフェスク」と「メドハギ」の成長量においては、試験土壌(a)の、人工腐食土(K)を主体とした土壌の生育量が大きく、バーク堆肥(M)を主体とした土壌の生育量が低かった。
人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)とを混合し、転炉スラグ(S)を混合した試験土壌(b)・(c)はその中間の生育量を示した。
図18においては、各試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)毎の土壌養分評価を行った。各試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)を作成して、10日間の間において、土壌養分がどのように変化するかを表にしたものである。
試験土壌(a)の人工腐食土(K)のみを主体とした土壌の土壌養分[EC(ms/cm)]の変化が少なく、試験土壌(d)のバーク堆肥(M)を主体とした土壌の土壌養分[EC(ms/cm)]の低下が最も大きかった。
試験土壌(b)・(c)の人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)の混合土壌の土壌養分[EC(ms/cm)]の変化は、両者の中間程度の変化量を示した。
次に図19において、各試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)に対す土壌PHの変化量を評価した。
試験土壌(a)の人工腐食土(K)を主体とした土壌は、PH5.6程度の酸性土壌で10日間おおいて変化が少なかった。試験土壌(d)のバーク堆肥(M)を主体とした土壌は、PH5.5以下の酸性であり、試験土壌(b)・(c)とPH5.5から6.5の間の酸性をを10日間維持した。
図20は試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)における土壌水分の10日間の変化を評価したものである。
人工腐食土(K)が多い試験土壌(a)・(b)の土壌は、10日間で、土壌水分がやや増加する傾向にあったが、バーク堆肥(M)が多い試験土壌(c)・(d)は10日間で水分が徐々に減少するという傾向があった。
このように、試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)により、それぞれの評価が異なっており、使用される植生土壌の条件により、試験土壌(a)・(b)・(c)・(d)を使用仕分けることが最も良いとの結論が得られた。
特に、人工腐食土(K)とバーク堆肥(M)の割合を徐々に変化させ、かつ、転炉スラグ(S)の割合を変化させることにより、植生する植物の種類と、植生する位置の条件、例えば海の近くか、川の近くか、山の中か等のにおいて変更するのが適当であることが分かった。
杉を主体とした樹皮が条件的嫌気発酵自己加熱処理された植物育成用のバーク堆肥(M)において、「C/N比」が微生物に分解されやすいかどうかを比べる際の目安になる。
杉を主体としたの葉に含まれている「炭素」と「窒素」の割合である「C/N比」が、微生物の「炭素」と「窒素」の割合の「C/N比」に近い程、微生物に利用されやすく、分解が早いのである。
植物育成用の有機質土壌の「C/N比」が大きいことは、「窒素」に対する「炭素」の割合が大きくなるということであり、植物の場合には植物育成用の有機質土壌が微生物により分解し難いのである。
逆に「C/N比」が小さい場合には、植物育成用の有機質土壌の「炭素」の割合が小さいので、微生物による分解が容易となるのである。
但し、植物育成用の有機質土壌の分解の速さは「C/N比」以外の要素でも変わることがある。
以上のことを植物に置き換えると、杉を主体とした針葉樹の樹皮に含まれている「炭素含有率(%)」と「窒素含有率(%)」の比である「C/N比」に左右されるのである。
杉を主体としたの針葉樹の樹皮の植物育成用の有機質土壌における分解には微生物の役割が大きいのである。微生物の体にも「炭素」と「窒素」が含まれており、微生物は葉を分解して自分の栄養にする為に、自分の体の「炭素含有率(%)」と「窒素含有率(%)」の比である「C/N比」に合わせて、葉に含まれている「炭素」と「窒素」を利用するのである。
植物の「炭素含有率(%)」と「窒素含有率(%)」の比である「C/N比」は、微生物よりも「炭素」の割合が大きいので、条件的嫌気発酵状態で自己加熱処理分解されると、「炭素」が多く使われて「窒素」が余って多く残される。但し「炭素」の一部は呼吸等にも使われる。
葉に含まれる「炭素含有率(%)」と「窒素含有率(%)」の比である「C/N比」は植物や木の種類により異なるのである。
本発明のおいては、「熟成期間の長い杉や檜等の樹皮」を混合し、芝生等の育成用の有機質土壌改良材として、芝生の発生を適度に助長する場合には、「C/N比」を20〜40とするのである。
逆に、条件的嫌気発酵自己加熱処理が1〜2年間と「熟成期間の長い杉等の樹皮」は、「窒素」が多くなるので、「C/N比」が低くなる。これにより、「C/N比」の低い場合には、有機物は分解が遅くなり、しかも分解過程で無機態窒素を放出し、植物はこれを吸収して肥料とするので、肥料効果が大きいのである。これを利用して雑草の繁茂の少ない、またむやみに繁茂することのない芝生グラウンドの敷地とすることもできる。
植物育成用の有機質土壌の抗菌作用および発育阻害作用は、杉を主体とする樹木(T)の混合量により調節することができ、雑草の発生を抑制できる。
また、前記植物育成用の有機質土壌を、該土壌改質材を現地発生土壌に対して、20〜40%混合し、表面土とするものである。
該植物育成用の有機質土壌を現地土に対して、20〜40%混合して、表面土壌とすることもできる。
A 剪定樹木廃棄物
B 樹木細断機
C 一次破砕物
D 大容量容器
E 木酢液
F ハンマークラッシャー
G 回転筒式のトロンメル選別機
J 樹皮
M バーク堆肥
K 人工腐食土
T 杉を主体とする樹木

Claims (8)

  1. 通常の樹木を剪定または枝打ちした状態の、生の木質部や葉部や樹皮部の全てを、樹木細断機の刃により生のままで細断し、該細断後の樹木を、木酢液に約27日以上浸漬することにより、該細断樹木を腐食させて人工腐食土とし、該人工腐食土を押圧することにより破砕して短繊維状の人工腐食土とし、
    杉を主体とする木材の樹皮を、木質部から剥がして大量に山状に積み上げて、該積み上げた状態の内部において、嫌気性発酵状態とし、約3年以上放置して、腐食状態の樹皮を形成し、
    該杉を主体とする木材の腐食状態の樹皮を押圧することにより破砕して、短繊維状のバーク堆肥を構成し、
    前記人工腐食土とバーク堆肥とを混合して、植物植生用の土壌を構成することを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  2. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    該植物育成用の有機質土壌に、酸性緩和基盤材としてのミネラル分として、製鐵時に発生する転炉スラグを混合することを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  3. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    前記人工腐食土を浸漬する木酢液は、樫類の樹木を炭化する際に発生する木酢液としたことを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  4. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    杉を主体とする木材の腐食樹皮の短繊維化においては、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーによりバーク堆肥を破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別することを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  5. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    前記生の樹木を破砕して、木酢液に浸漬して腐食させた人工腐食土を、更に短繊維にする際において、傾斜した筒内において回転する爪により破砕するハンマークラッシャーにより破砕し、該破砕後の腐食樹皮を、回転筒式のトロンメル選別機により、短繊維だけを選別することを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  6. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    前記バーク堆肥と人工腐食土の混合割合を変更することにより、植生する各種植物に対応した植物育成用の有機質土壌を構成することを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  7. 請求項1記載の植物育成用の有機質土壌において、
    前記バーク堆肥と人工腐食土との混合割合を、バーク堆肥が50〜99%と、人工腐食土を45〜1%としたことを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
  8. 請求項2記載の植物育成用の有機質土壌において、
    前記バーク堆肥と人工腐食土を混合した植物育成用の有機質土壌に対する、転炉スラグの混合比率を0.01〜0.1%としたことを特徴とする植物育成用の有機質土壌。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016044235A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 希望の丘農園株式会社 土壌改良材と植物栽培方法
JP2019037186A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 国土防災技術株式会社 養生バークとフルボ酸を用いた育苗方法
JP2019058183A (ja) * 2018-12-10 2019-04-18 国土防災技術株式会社 養生バークとフルボ酸を用いた育苗方法

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