JP2014136183A - 中空糸膜の製造方法 - Google Patents

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Saki Tanimura
咲 谷村
Yoichi Ikemoto
陽一 池本
Toshihiro Tamai
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Abstract

【課題】均一な肉厚の中空糸膜を簡便に製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の中空糸膜の製造方法は、非溶媒を含む凝固槽内で、吐出口を備えた金型から樹脂溶液を吐出して凝固させる工程を含む中空糸膜の製造方法であって、前記金型は、前記吐出口から前記凝固槽に凝固液を吐出する内管と、前記吐出口から前記凝固槽に前記樹脂溶液を吐出するための外管と、前記内管の前記吐出口に少なくとも一部が挿入された芯材と、を有し、前記芯材は、前記芯材の断面の中心が前記内管の吐出口の断面の中心に一致するように配置されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空糸膜の製造方法に関する。
従来から、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製において、高分子水処理膜を備えた水処理装置を用いている。この水処理装置に用いる高分子水処理膜は、高分子材料によって形成された中空糸状の多孔質膜(以下「中空糸膜」とも記す)を用いることが多い。なぜなら、中空糸膜は、被処理水に含有される種々の成分を分離する性能が高いからである。
この中空糸膜は、ストロー状の形態をしており、通常、二重金型を用いて作製する。二重金型とは、文字通り、内部が空洞の円筒形の金型を二重に設けたもので、その断面が二重丸の形状である。以下では二重金型の内側の管のことを「内管」といい、当該内管から一定の間隔をおいて外側を取り囲む管を「外管」という。二重金型を用いた中空糸膜の作製は、特許文献1(特開平4−343707号公報)に示されるように、凝固液を溜めた水槽中で、外管に固形成分の樹脂溶液を流し、内管に凝固液を流すことにより行う。
ところで、近年、より効率的かつより経済的に安全な水を供給することが求められている。このニーズに応えるべく、従来よりも口径の大きな中空糸膜が開発されつつある。大口径の中空糸膜は、被処理水に含有される種々の成分を分離する性能が高く、また被処理水の処理速度も速いという利点がある。
特開平4−343707号公報
特許文献1に記載される製造方法では、従来の口径の中空糸膜を作製することはできるが、近年要求される大口径の中空糸膜を作製しようとしても、安定して中空糸膜を作製できなかった。具体的には、大口径の中空糸膜を作製するために、二重金型の各管の口径を大型化すると、中空糸膜の肉厚が薄い箇所及び厚い箇所ができたり、中空糸膜表面にスジができたりして、中空糸膜を安定して作製できなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、均一な肉厚の中空糸膜を簡便に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、大口径の中空糸膜の製造が安定しない原因を追究したところ、二重金型の各管の溶液の供給断面積を大きくしたが故に、凝固液(又は樹脂溶液)の供給圧力が局所的に弱くなったり、また逆に強くなったりして、供給圧力が不均一になることが課題であることを見出した。かかる課題は、従来のように0.1mm程度の内径の中空糸膜の作製においては液供給断面が小さいため問題になるはずもなく、大口径の中空糸膜を作製するときのみに生じる特有の課題である。本発明者らは、当該課題を解決するために、二重金型から吐出するときの溶供給断面を小さくすることについて鋭意検討することにより、以下に示す本発明を完成した。
[1]非溶媒を含む凝固槽内で、吐出口を備えた金型から樹脂溶液を吐出して凝固させる工程を含む中空糸膜の製造方法であって、
前記金型は、前記吐出口から前記凝固槽に凝固液を吐出する内管と、前記吐出口から前記凝固槽に前記樹脂溶液を吐出するための外管と、前記内管の前記吐出口に少なくとも一部が挿入された芯材と、を有し、
前記芯材は、前記芯材の断面の中心が前記内管の吐出口の断面の中心に一致するように配置されることを特徴とする中空糸膜の製造方法。
[2]前記芯材は、前記吐出口から吐出方向に伸びる円柱である[1]に記載の中空糸膜の製造方法。
[3]前記芯材は、円錐台であり、前記円錐台は、前記吐出口から吐出方向に向けて断面積が大きくなるように配置される[1]に記載の中空糸膜の製造方法。
本発明の中空糸膜の製造方法によれば、均一な肉厚の中空糸膜を簡便に製造することができる。
実施形態1の中空糸膜の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。 実施形態2の中空糸膜の製造方法の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の中空糸膜の製造方法は、相分離法、特に非溶媒誘起相分離法を利用する方法であり、非溶媒を含む凝固槽内で、吐出口を備えた金型から樹脂溶液を吐出して凝固させる工程を含み、当該工程を、内管の吐出口に芯材を挿入した状態で行うことを特徴とする。
<実施形態1>
(吐出口を備えた金型から樹脂溶液を吐出して凝固させる工程)
本実施形態では、本工程を図1に示す凝固槽10及び二重管構造の金型を用いて行う。二重管構造の金型は、吐出口から凝固槽10に凝固液14を吐出する内管12と、吐出口から凝固槽10に樹脂溶液15を吐出する外管11と、吐出口から内管12に少なくとも一部が挿入された芯材13とを有する。二重管構造の内管12には凝固液14を供給し、外管11には樹脂溶液15を供給する。一方、凝固槽10には、通常、非溶媒16が充填されている。そして、非溶媒16が充填された凝固槽10中に樹脂溶液15を吐出することにより、樹脂溶液15が凝固して中空糸膜となる。このようにして作製された中空糸膜を巻き取ることにより、本実施形態で作製された中空糸膜を得ることができる。
本実施形態では、上記工程を、内管の吐出口に円柱形の芯材を挿入した状態で行うことを特徴とする。この位置に芯材13を挿入することにより、凝固液14が放出される内管12の吐出口の断面積を芯材13の断面積の分だけ減らすことができ、以って凝固液の吐出が安定しやすくなる。凝固液の吐出が安定すると、得られる中空糸膜の肉厚も均一になりやすく、安定して中空糸膜を作製することができる。中空糸膜の肉厚が均一になることにより、中空糸膜の機械的強度及び透水性が高められる。しかも、内管の吐出口に芯材13を配置することにより、芯材13の断面積の分だけ凝固液の供給量を減らすことも可能となる。
(芯材)
本実施形態では、樹脂溶液を吐出する方向に伸びる円柱の芯材13を用いる(つまり、芯材の上面又は底面のいずれかが内管の吐出口に挿入されている)が、芯材13の形状は、円柱型のみに限られず、楕円柱型、三角柱型、四角柱型、五角柱型等の柱型であってもよいし、円錐、三角錐、四角錐、五角錐等の角錐型であってもよいし、円錐台型、三角錐台型、四角錐台型等の錐台型であっても差し支えない。中空糸膜の内部を真円に近づけやすいという観点からは、芯材13は、円柱型、円錐型、又は円錐台型がより好ましい。なお、後述の実施形態2において、芯材13が円錐台型である場合を詳述するが、円錐台型の芯材を用いるとき、芯材は、樹脂溶液を吐出する方向に向けて次第に断面積が大きくなるように配置することが好ましい。
内管における芯材13の配置に関し、芯材13の断面の中心が内管12の吐出口の断面の中心と一致するように配置されることが好ましい。つまり、柱型、錐又は錐台型の芯材が内管と同心又は同軸に配置されることが好ましい。このように芯材13を配置することにより、中空糸膜の内径を真円形状に近づけるとともに、その肉厚がさらに均一なものを製造することができる。なお、ここでの「断面の中心」とは、断面形状の重心と等しい意味で用いている。
また、芯材は、二重管構造の金型の吐出口の内部に挿入されていてもよいが、それのみに限られるものではなく、吐出口がなす平面と同一面上に芯材の一端があっても差し支えない。芯材は、吐出口の吐出断面を減少させるように配置される限り、その配置位置は特に限定されない。敢えて、内管の吐出口と芯材の一端との距離を規定すると、芯材の一端は、吐出口がなす平面から0mm以上30mm以下挿入されていることが好ましく、より好ましくは5mm以上10mm以下挿入されていることである。この範囲であると、内管の吐出断面積を効果的に減少せしめ、より安定して中空糸膜を作製し得る。
芯材13の直径は、内管12の直径よりも小さいことが好ましい。芯材13の直径が内管の直径と同等以上の大きさであると、芯材13が内管の断面全てを覆うことになるため、凝固槽10への凝固液14の供給が困難になることもある。内管の直径(Du)に対する芯材の直径(Ds)の比率(Ds/Du)は、凝固液の供給断面積を小さくし、凝固液の供給をより安定にせしめるという観点から、0.1以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5以上である。一方、ある程度の凝固液の供給断面積を確保するという観点からは、Ds/Duが0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.75以下である。
外管の直径(Dg)に対する芯材の直径(Ds)の比率(Dg/Du)は、芯材が樹脂溶液の流出経路を妨げず、安定して中空糸膜を巻き取るようにするという観点から、0.2以上0.7以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以上0.6以下である。Dg/Duが0.2以上であることにより、芯材の断面積をある程度確保し、凝固液の吐出が安定する効果を十分に得ることができる。一方、Dg/Duが0.7以下であることにより、樹脂溶液と凝固液の供給部近傍で両者が入り乱れにくくなり、中空糸膜の製造をさらに安定化させることができる。
上記芯材の長さは、0.1mm以上500mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以上300mm以下、さらに好ましくは5mm以上100mm以下である。また、芯材の断面の直径は、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以上8mm以下であり、さらに好ましくは2mm以上6mm以下である。500mmを超えると、芯材と中空糸膜とが接触して中空糸膜の形状が安定しにくい。
(樹脂溶液)
上記工程で使用する樹脂溶液は、略単一素材の樹脂を含むものであればどのような材料を用いてもよい。「略単一」とは、実質的に単一、つまり、主要構成素材が1種であることを意味し、具体的には1種の樹脂が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上を占めることを意味する。なお、単一の素材及び単一の主要構成素材には、樹脂の製造の際又は後述する中空糸膜の製造の際に通常用いられる添加剤は含まないことを意図している。
略単一素材としては、当該分野において一般的に使用される材料/素材を用いることができ、例えば、ポリスルホン(PS)系、ポリエーテルサルホン(PES)系、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)系、ポリエチレン(PE)系、酢酸セルロース(CA)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリイミド(PI)系、ポリ塩化ビニル系、セルロース系(セルロースアセテート)、セルロースアセテートプチレート等)等の種々の高分子材料が挙げられる。なかでも、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体(塩化ビニルホモポリマー)、共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合体、重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体、これらの塩化ビニルモノマー単位が塩素化されたものからなる(共)重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、耐汚染性を向上するために、親水性モノマーが共重合されていることが適している。
樹脂溶液は、成形性、熱安定性等を向上させるために、滑剤、熱安定剤、成膜助剤等を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。滑剤としては、ステアリン酸、パラフィンワックス等が挙げられる。熱安定剤としては、一般に塩化ビニル系樹脂の成形に用いられる錫系、鉛系、Ca/Zn系の各安定剤が挙げられる。製膜助剤としては、各種重合度のポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子が挙げられる。
樹脂溶液に用いる溶媒は、樹脂に対して溶解性を示すものであれば特に限定されず、通常、樹脂を合成する際に利用した溶媒を利用することができる。樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。
樹脂溶液は、樹脂溶液の全重量に対する樹脂成分の割合が15重量%以上であることが好ましく、20〜40重量%がより好ましく、さらに好ましくは20〜30重量%である。この範囲とすることにより、相分離を適度に早めるとともに、中空糸膜の強度を十分に確保し得るし、大口径の中空糸膜を成膜する場合に、短期強度及び疲労強度を著しく向上させることができる。
樹脂溶液の粘度は、例えば、500〜4000mPa・sであることが好ましく、そり好ましくは、1000〜3000mPa・sである。このような粘度であることにより、中空糸膜の外形の真円度を確保し、以って均一な太さ・膜厚の膜を製造し得る。粘度は、樹脂溶液をサンプル管に直接導入し、振動式粘度計(セコニック(株)製、VM-100A-M)を用いて測定した値を採用するものとする。
(凝固液)
内管に供給する凝固液14は、樹脂溶液に含まれる樹脂の組成によって好適な材料が異なるが、水又は水を主体とした溶媒であることが好ましい。また、凝固液14は、凝固槽10内に充填される非溶媒16と同様のものを用いてもよい。
(非溶媒)
凝固槽10中の非溶媒16は、樹脂溶液に直接接触するものであることから、上記凝固液14と同様に、水又は水を主体とした溶媒であることが好ましい。かかる非溶媒は、吐出口から吐出される樹脂溶液の温度と、非溶媒の温度との差を100℃以下にすることが好ましい。これにより、樹脂溶液の急激な温度低下及びそれに伴う樹脂溶液の粘度の急上昇による紡糸金型の吐出口近傍での詰まりを防止することができる。また、非溶媒の温度を一定に保つことにより、樹脂溶液の相分離挙動を安定に維持することができ、透水性能・強度などの性能を安定的に発現させることが可能となる。
(中空糸膜)
本実施形態によって製造される中空糸膜は、その外径が3.6mm以上10mm以下である。また、中空糸膜の肉厚は0.15〜2.4mmとすることができ、0.2〜2.4mmであることが好ましい。また、中空糸膜の内径は3.2mm以上であることが好ましい。中空糸膜の内径及び肉厚は、電子顕微鏡写真を用いた実測値を採用するものとする。
中空糸膜の強度は、通常、材料、外径、肉厚、真円度、内部構造等の種々の要因によって決定されるが、なかでも、SDR値(外径/肉厚の比)を用いることが好ましく、中空糸膜のSDR値が3.6〜34が好ましい。SDR値が34以下であることにより、中空糸膜の耐圧性が0.3MPa以上となり、SDR値が3.6以上であることにより、水処理モジュールにおける膜ろ過面積を確保しやすくなる。SDR値は、4.0以上20以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5.0以上16以下である。特に、外径が5〜7mm程度の場合には、SDR値は4〜16とすることが好ましく、より好ましくは6.5〜11である。
本実施形態の製造方法で作製される中空糸膜は、通常、その表面に多数の微細孔を有する多孔質膜とすることができる。その微細孔の平均孔径は、例えば、0.001〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度が挙げられる。膜表面の細孔の大きさ及び密度は、上述した内径、肉厚、得ようとする特性等によって適宜調整することができるが、後述する透過水量を実現し得る程度が好適である。
中空糸膜の空孔率は、例えば、10〜90%程度、好ましくは20〜80%程度が挙げられる。ここでの空孔率は、任意の横断面(中空糸膜の径方向の断面、以下同じ)における中空糸膜の全面積に対する空孔の全面積の割合を意味し、膜横断面の顕微鏡写真による各面積の値から算出することができる。
中空糸膜の径方向の断面において、中空糸膜の断面積に対する空孔率が30〜85%程度であることが好ましく、50〜85%、40〜75%又は50〜75%であることがより好ましい。また、中心から半径方向にわたって、最内層、内層、外層及び最外層を構成する空孔が層状に分布しているものが好ましい。これにより、透水性能を保ちながら中空糸膜に内圧・外圧を印加した場合の応力集中を分散して膜全体の強度を保つことが可能となる。
本実施形態の製造方法で得られた中空糸膜は、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が100L/(m2・h)程度以上、200L/(m2・h)程度以上であることが適しており、600L/(m2・h)程度以上を実現することができる。また、膜の耐内圧強度が0.3MPa程度以上、0.5MPa程度以上、さらに、1.0MPa程度以上を実現することができる。
さらに、膜の耐外圧強度が0.1MPa程度以上、0.3MPa程度以上、さらに、0.7MPa程度以上を実現することができる。特に、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が100L/(m2・h)程度以上、膜の耐内圧強度が0.3MPa程度以上かつ耐外圧強度が0.1MPa程度以上を実現することができる。
(中空糸膜の用途)
本実施形態の製造方法で作製された中空糸膜は、肉厚が均一に安定しているため、透過水量と物理的強度とのバランスに優れている。このため、既存の水処理装置の分離膜、限外濾過(UF)膜及び精密濾過(MF)膜に好適であり、水の精製を目的とする水処理、特に、高濃度排水の水処理が可能となる。
<実施形態2>
本実施形態の中空糸膜の製造方法は、実施形態1のそれに対し、芯材の形状が異なる他は実施形態1と同様である。つまり、本実施形態では、図2に示すように、円錐台型の芯材を用いて中空糸膜を作製する。円錐台型の芯材は、吐出口から吐出方向に向けて次第に断面の直径が大きくなるように配置する。このため、二重金型の外管の直径よりも、内径が大きな中空糸膜、つまり、より大口径の中空糸膜を作製し得る。
円錐台型を構成する面のうちの円形の2面のうちの断面積が小さい方の円形の面を「上面」とし、断面積が大きい方の円形の面を「底面」とすると、円錐台型の上面を内管の吐出口に挿入することが好ましい。また、上面の直径は0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、より好ましくは、1mm以上3mm以下である。底面の直径は、1mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは3mm以上8mm以下である。また、円錐台型の側面は、そのテーパーが樹脂溶液の流れが追随できる程度に緩やかであることが好ましい。
<その他の実施形態>
実施形態1及び2に対し、二重管金型の吐出口と非溶媒との間に空気層を設けて上記工程を実施してもよい。ここでの空気層は、二重金型の吐出口と非溶媒とが直接接するのを防ぐために設けられるものであるが、樹脂溶液の吐出開始時又は初期に空気層が存在しさえすれば、その後は除去されても差し支えない。要するに、空気層は、樹脂溶液の吐出開始初期の不安定な状態を回避するために設けるものであるため、中空糸膜の製造が一旦安定しさえすれば、その後は除去されてもよい。このような空気層を設けることにより、製造を始める前に樹脂溶媒が吐出口に固着し、当該固着物により中空糸膜の膜面にスジが形成されるのを防止することができる。
以下、本発明の中空糸膜の製造方法を、実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。また、実施例における配合量は、特に断りのない限り重量基準で示す。
(実施例1)
後掲の表1の実施例1の欄に示す各成分を配合することにより樹脂溶液を準備した。次に、二重管構造の金型を凝固液槽中に沈め、膜の紡糸方向が凝固槽水面に対して平行になるように金型の向きを調整した。金型の外管の径は6.0mmで、金型の内管の径は4.0mmであった。金型の内管の吐出口の断面の中心に、直径3.0mmで長さ6mmの円柱形の芯材の一側面の中心を5mm挿入して内管にネジ止めした。
その後、凝固液槽中で、40℃に調整した樹脂溶液を二重管構造の金型に120g/minで供給し、同時に内部凝固液として純水を100g/minで供給した。このようにして凝固液槽中で樹脂溶液を凝固させることにより中空糸膜を作製し、凝固液槽の下流側に設置した引取機で連続的に引き取った。得られた中空糸膜の内径は、4.1mmであった。
(実施例2〜4)
実施例1に対し、上記表1に示すように樹脂溶液の成分が異なり、かつ後掲の表2に示すように中空糸膜の作製条件が異なる他は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の中空糸膜を作製した。
(比較例1〜4)
実施例1〜4に対し、芯材を配置しなかったことが異なる他は、実施例1〜4と同様の製造方法で、比較例1〜4の中空糸膜を作製した。なお、各比較例番号は、各実施例番号に対応し、例えば比較例1は、実施例1の製造における芯材をなくしたことが異なる他は、実施例1と同様の製造条件で中空糸膜を作製した。
表2中、実施例(実施例2及び4)の芯材は、円錐台形であるため、上面の直径(最小径)及び底面の直径(最大径)を「最小径/最大径」として記した。
(性能評価結果)
各実施例及び各比較例で得られた中空糸膜に対し、耐圧性能、透水性能を評価するとともに、中空糸膜の内径(mm)及びSDRを測定した。その結果を表3に示す。
表3中「耐圧性能」の各値(内圧及び外圧)は、中空糸膜の両端に、直径4.6mm金属製のチューブを挿入し、その挿入部を加締継手で接続した上で、公知の配管の耐圧試験用テストポンプにより内圧・外圧を0.1MPa/secの速度で徐々に高め、中空糸膜が破壊した瞬間の圧力値(MPa)を測定することにより算出した。各圧力値が高いほど、耐外圧強度が優れることを示す。
表3中「透水性能」は、25℃、膜間差圧50kPaの条件で、内圧式試験により高分子水処理膜の純水の透水量(透水量の単位:L/hr・Aatm)を測定することにより算出した。透水性能の値が高いほど、中空糸膜の透水性に優れることを示す。
表3中「内径」及び「SDR」は、中空糸膜の断面の電子顕微鏡による観察画像に基づいて、内径、外径、及び肉厚を測定し、SDRは、中空糸膜の肉厚に対する外径(外径/肉厚)によって算出した。
なお、表3中の内圧、外圧、透水性能、及び内径の各値は、各実施例及び各比較例の中空糸膜の異なる5箇所を測定し、5回の測定値がほぼ同一の場合は平均の数値を、5回の測定値がバラついたときは、その最大値から最小値までの幅を記した。
(考察)
実施例1〜4の中空糸膜は、耐圧性能、透水性能、及び内径が異なる5箇所で同一の値であったのに対し、比較例1〜4のそれは、耐圧性能、透水性能、及び内径が異なる5箇所で測定値がバラついた。また、実施例1〜4の中空糸膜は、耐圧性能及び透水性能のいずれも、比較例1〜4のそれに比して優れていた。これらの結果は、実施例1〜4の中空糸膜が、比較例1〜4のそれに比して、均一な肉厚であることによるものと考えられる。以上の結果から、内管の中心に芯材を設けて中空糸膜を製造することにより、肉厚が均一な中空糸膜を簡便に製造できることが明らかとなり、本発明の効果が示された。
本発明は、水処理装置の態様等にかかわらず、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製等のために使用される水処理膜、精密濾過膜等のように広範に利用することができ、特に、MBRに有利に使用することができる。
10,20 凝固槽
11,21 外管
12,22 内管
13,23 芯棒
14,24 凝固液
15,25 樹脂溶液
16,26 非溶媒

Claims (3)

  1. 非溶媒を含む凝固槽内で、吐出口を備えた金型から樹脂溶液を吐出して凝固させる工程を含む中空糸膜の製造方法であって、
    前記金型は、前記吐出口から前記凝固槽に凝固液を吐出する内管と、前記吐出口から前記凝固槽に前記樹脂溶液を吐出するための外管と、前記内管の前記吐出口に少なくとも一部が挿入された芯材と、を有し、
    前記芯材は、前記芯材の断面の中心が前記内管の吐出口の断面の中心に一致するように配置されることを特徴とする中空糸膜の製造方法。
  2. 前記芯材は、前記吐出口から吐出方向に伸びる円柱である請求項1に記載の中空糸膜の製造方法。
  3. 前記芯材は、円錐台であり、
    前記円錐台は、前記吐出口から吐出方向に向けて断面積が大きくなるように配置される請求項1に記載の中空糸膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016033726A1 (zh) * 2014-09-01 2016-03-10 浙江理工大学 一种聚四氟乙烯中空纤维膜双向拉伸装置及拉伸方法
KR20220057247A (ko) * 2020-10-29 2022-05-09 서울대학교산학협력단 성장체의 제조방법 및 이에 의해 제조된 성장체

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