JP2014134333A - 水プラズマ火炎発生方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置 - Google Patents

水プラズマ火炎発生方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置 Download PDF

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博文 梶原
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Takemi Ichimura
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Abstract

【課題】 大規模かつ多目的な熱源として簡易に得られる水プラズマ火炎発生方法を提供すること。
【解決手段】 加熱部水プラズマ火炎発生方法であって、タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部を加熱した状態で、水蒸気を前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎を発生する方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、水プラズマ火炎発生方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置に関する。
重油およびガスなどの燃料による酸化反応では、3千度を超える高温を得ることはできない。高温の火炎としてはブラウンガスが知られているが、逆火を起こして発生装置が爆発することがある上に、通常は低温で、火炎は爆縮して細くなるために熱源としての利用価値は低い。一方、従来、水プラズマを用いた水プラズマ火炎により1万度を超える高温を得るものが知られており、例えば鉄、アルミ、ステンレスなどの溶接および切断に利用されている(特許文献1)。しかし、この水プラズマ火炎は、水および電気のみで瞬時に得られる上に有毒物質もほとんど発生しないという長所を有するものの、火炎の径が小さ過ぎ、金属溶接、溶断加工には適するものの、使い勝手の良い熱源とはなりえない。また、かかる水プラズマ火炎を多数併設したとしても、エネルギー密度は高いままであるため、高温過ぎて熱源として利用することは困難であること、水プラズマ火炎発生装置を多数使用するための構造が複雑になることなどの問題があり、大規模でかつ多目的の熱源としての利用には適していない。
一方で、特許文献2には、「水を電気分解して水素ガスと酸素ガスの比が2:1の割合にあるガス」(段落番号0011)であるブラウンガスの火炎により加熱されたタングステンの熱媒体の高温(2600℃〜4000℃)によって、噴出口から噴出する水(水蒸気)が点火され火炎となるもの(段落番号0020)が記載されているが、この水プラズマ火炎は水を沸騰させるためのものであり、熱媒体としてのタングステンも、チタン金属により支持された単なる球体であり、水プラズマ火炎の利用しやすい性状のものが大量に得られるものではない。
上述のように、従来、水プラズマ火炎により加熱した熱媒体としてのタングステンに、水を噴出して(噴霧して)水プラズマ火炎を得る装置は知られていたが、この従来のものには水プラズマ火炎を増やす増幅効果はなく、また、プラズマ火炎の量や方向の制御、より効率的な増幅効果を得るための工夫は全くなかった。
特開2004−268089号公報 特開2003−42401号公報
上記のとおり、従来、重油やガス等の燃焼による熱源とは全く異なるクリーンな火炎であって、かつそれら熱源よりも高温のものから低温のものまでとすることのできる、利用し易い温度である水プラズマ火炎を、簡便かつ大量に発生させる方法、またそのための装置は存在していなかった。
本発明の目的は、上記の課題を解決し得る水プラズマ火炎発生方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置を提供することにあり、本発明によって得られる増幅された水プラズマ火炎は、使い勝手の良い大規模でかつ多目的の熱源として利用することができる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、水プラズマ火炎を、タングステンまたはタングステン合金を含む材料でなる部材に形成した貫通孔を有する前記水蒸気プラズマ火炎化部に放射することによってプラズマ火炎増幅部を加熱し、水蒸気を前記貫通孔に通過させると、例えば、図6に水蒸気が加熱分解してプラズマになる現象を撮影した画像が示すように、水蒸気が熱分解されて水プラズマ火炎(二次プラズマ)が発生することを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 水プラズマ火炎発生方法であって、
タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部を加熱した状態で、水蒸気を前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎を発生する、前記方法。
[2] [1]に記載の方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置であって、タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部と、前記水蒸気プラズマ火炎化部を加熱する加熱部と、水蒸気を発生させる水蒸気発生部とを含み、前記加熱部により前記水蒸気プラズマ火炎化部を加熱し、前記水蒸気を、前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎化するものである、前記装置。
[3] 加熱部が、水プラズマ火炎を発生する水プラズマ火炎発生装置である、[2]に記載の装置。
[4] 水蒸気プラズマ火炎化部が、2つ以上の貫通孔を有する、[2]または[3]に記載の装置。
[5] 加熱部から発生する水プラズマ火炎が、アーク放電式プラズマ火炎または電磁誘導加熱式プラズマ火炎である、[2]〜[4]のいずれか一つに記載の装置。
[6] 水蒸気プラズマ火炎化部が、加熱部から発生した水プラズマ火炎が通過するための、貫通孔または側面溝部をさらに有する、[2]〜[5]のいずれか一つに記載の装置。
[7] 水蒸気プラズマ火炎化部における、水蒸気との接触割合の設定により発生火炎の温度調節が可能な、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の装置。
[8] 水蒸気プラズマ火炎化部の上流側空間、水蒸気プラズマ火炎化部またはその近傍に、水を噴出するものである、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の装置。
本発明により、従来無かった、クリーンで幅広い熱源を得ることが可能となった。
すなわち、電気エネルギーを、本発明のような安全でクリーンな火炎に変換する方法、およびその量を調節する方法の実施に用いられる装置は従来全く存在しなかったものである。
本発明の方法およびその方法の実施に用いられる装置を使用することにより、上述した従来の水プラズマ火炎とは全く異なる、利用し易く、かつ適切なエネルギー密度を有する、増幅された大量の水プラズマ火炎を得られる。
すなわち、従来の水プラズマ火炎を単にそのまま利用するのではなく、かかる従来の水プラズマ火炎を、タングステン等を含む水蒸気プラズマ火炎化部を加熱するために用い、水蒸気発生部から発生した水蒸気を、水蒸気プラズマ火炎化部が有する貫通孔に通過させることによって、加熱のための高エネルギー密度の水プラズマ火炎よりもエネルギー密度は低いものの、やはり水プラズマ火炎である、水プラズマ二次火炎を、かかる貫通孔から噴出させることができる。前記水プラズマ二次火炎は多数の貫通孔から多数噴出されてもよい。
この水蒸気プラズマ火炎化部が有する貫通孔から噴出された水プラズマ火炎は、そのエネルギー密度は水蒸気プラズマ火炎化部の加熱のための水プラズマ火炎よりも低いものの、水プラズマ火炎の総量において、加熱のための水プラズマ火炎よりも増加しており、その意味で、加熱部に水プラズマ火炎発生器を用いた場合は、「水プラズマ火炎増幅」の用語が適するものである。この増幅された水プラズマ火炎は、従来の水プラズマ火炎とは異なり、所望の用途に適したエネルギー密度に調節可能であること、また、成分として水しか含まないという利点により、無害な大規模かつ多目的の熱源として利用することが可能である。特に食品関係の加熱処理等に置いては、無害な過熱水蒸気の活用が要望されているのでその要求を満たす事になる。
本発明は、電気エネルギーを、従来得られなかった、高温で、火炎の幅(径)が大きく、かつクリーンな水プラズマ火炎に変換する方法およびその方法の実施に用いられる装置であるともいえ、前記方法も前記装置の構造も簡単で、かつ水プラズマ火炎の制御も容易であるという長所を有する。
図1は、水プラズマ火炎装置の態様の3つの例を示したものである。 図2は、水プラズマ火炎装置を含む水プラズマ火炎装置システム全体の一例を上流側から見た様子を示したものである。 図3は、水プラズマ火炎装置を含む水プラズマ火炎装置システム全体の別の一例を下流側から見た様子を示したものである。 図4は、図3の水プラズマ火炎装置を含む水プラズマ火炎装置システム全体の一例を上流側から見た様子を示したものである。 図5は、水を噴霧する密閉空間を有する、水プラズマ火炎装置の一例の、水蒸気プラズマ火炎化部を上流側からみた図である。 図6は、水プラズマ火炎により加熱したタングステン棒に水蒸気を当てることにより、図面の上から下に向かって水蒸気プラズマ火炎が発生する様子を示した写真である。下部左手からの水蒸気供給を中止するとこの火炎は消滅する。中央のノズルは水を噴霧するためのパイプであるが水の噴霧では火炎は発生させられなかった。 図7は、図6のものを別方向から撮影した写真である。図面の上から下に向かって加熱プラズマ火炎がタングステン棒に当たっているが、その方向に水蒸気二次プラズマ火炎が発生している。 図1<1>の水蒸気プラズマ火炎化部による火炎化の様子を示したものである。図面の下から上に向かって水蒸気プラズマ火炎が発生している。 図8の拡大写真である。図面の左から右に向かって水蒸気が注入され、プラズマ火炎が発生している。
本発明は、一態様において、水プラズマ火炎発生方法であって、タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部を加熱した状態で、水蒸気を前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎を発生する、前記方法を提供する。
また、本発明は、一態様において、水プラズマ火炎装置であって、水プラズマ火炎を発生する水プラズマ火炎発生器を加熱部とし、前記水プラズマ火炎を増幅させる水蒸気プラズマ火炎化部であって、タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する前記水蒸気プラズマ火炎化部と、および水蒸気を発生させる水蒸気発生部とを含み、前記水プラズマ火炎発生器から発生した前記水プラズマ火炎を、前記水蒸気プラズマ火炎化部に放射することによって水蒸気プラズマ火炎化部を加熱し、前記水蒸気発生部から発生した水蒸気を、前記貫通孔に通過させることにより前記水プラズマ火炎を増幅、すなわち、二次プラズマ火炎を発生するものである、前記装置を提供する。
本発明において、水プラズマ火炎装置は、例えば水プラズマ火炎発生器が好適な加熱部と、水蒸気プラズマ火炎化部と、水蒸気発生部とを含む。
本発明において、加熱部である水プラズマ火炎発生器は、水プラズマ火炎を発生させる機能を有するものであれば水プラズマ発生方式は特に限定されないが、例えば、Zプラズマ((株)レイテック社製水プラズマ火炎発生装置)等のような、アーク放電式の水プラズマ発生装置が挙げられる。他にも、誘導加熱型の水プラズマ火炎発生装置を用いてもよく、また加熱部は、十分に水蒸気プラズマ火炎化部を加熱できれば、いかなる加熱装置であってもよい。
本発明において、水蒸気プラズマ火炎化部は、水蒸気を水プラズマ火炎化する、すなわち、例えば加熱部に加えられた水プラズマ火炎によって加熱された部分に水蒸気が接触すると、水プラズマ火炎となる機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、タングステン、タングステン合金、ハフニウム、ハフニウム合金、トリウム、トリウム合金、ランタン、ランタン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含む。水蒸気プラズマ火炎化部は、水を熱分解するのに十分な高融点を有する点で、タングステンおよびタングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明において、水蒸気プラズマ火炎化部は、1つ以上の貫通孔を有するものであれば特に限定されない。
本発明において、水蒸気プラズマ火炎化部の形状は、たとえば、単純なパイプであってもよい。加熱部から発生した水プラズマ火炎でパイプを加熱し、かかるパイプ内に水蒸気発生部から発生した水蒸気を通せば、パイプから水プラズマ火炎が発生し、その性状の調整制御をすることが可能となる。また、詳細は明らかではないがプラズマ化しやすいとの観点から、例えば図1<2>に示すように、パイプの両端において、水蒸気が入る側の径が出る側の径より大きいことが好ましい。例えば、用いる水プラズマ火炎の種類に対して径を適宜変更すればよく、これに限定されないが、径は1mm〜10mmであることが好ましく、2mm〜5mmであることがより好ましい。
さらに、より効率的に水プラズマ火炎を得るために、水蒸気プラズマ火炎化部に複数の貫通孔を設けることが好ましい。
また、熱で水蒸気が熱分解するための接触面積を増やすために、加熱部から発生した水蒸気プラズマ火炎化部の側面に溝を設けることが好適である。また、水プラズマ火炎の運動エネルギーを失わないために、増幅された水プラズマ火炎の噴出方向と、加熱部から発生した水プラズマ火炎の噴出方向を同方向に揃えるのが好適である。
さらに、過熱状態の水蒸気プラズマ火炎化部に、水蒸気発生部から発生した水蒸気がより効率的に接触し、水プラズマ火炎がより利用しやすい性状で噴出するように、水蒸気プラズマ火炎化部の貫通孔を複数設けることが好適である。
また、水蒸気プラズマ火炎化部の貫通孔の配置を、加熱部から発生した水プラズマ火炎が通過する箇所との距離の選択によって、増幅された水プラズマ火炎の温度を所望の程度のものに調節することが可能である。
水蒸気発生部から発生した水蒸気は、加圧して水蒸気プラズマ火炎化部の貫通孔を通過させることが好適である。水蒸気発生部から発生した水蒸気は、加熱された水蒸気プラズマ火炎化部の貫通孔との接触によりプラズマ化し、かかるプラズマ化の際に運動エネルギーが供給されて貫通孔から水プラズマ火炎が噴出するため、増幅された水プラズマ火炎の利用においては、好適である。
水蒸気発生部から発生した水蒸気の水蒸気プラズマ火炎化部上流における加圧の程度も、利用の如何によって、所望のものに調節することが可能である。
<実施例>
本発明の動作の基本は、加熱部として、特許文献1にあるようなアーク放電型水プラズマ火炎発生装置、および水蒸気プラズマ火炎化部としてタングステンロッドを用意し、加熱部から発生した水プラズマ火炎をかかるタングステンロッドに放射して、かかるタングステンロッドが融点近くに加熱されたところで、水蒸気発生部から発生した水蒸気をかかるタングステンロッドに吹きかけることによって、水プラズマ火炎が増幅されて大量に発生するという現象を見出したこと(図6、図7等)に基づくものである。図6、7においては、3千4百度近くまでタングステンロッド(6ミリ径)を熱したところに水蒸気を当てプラズマ火炎が発生している。
また、図1<1>の構造のタングステンパイプを水蒸気プラズマ火炎化部として用いて、貫通孔に水蒸気を通し、タングステンパイプを加熱してプラズマ火炎が発生している状況を、図8、9に示す。
図1に、本発明の水蒸気プラズマ火炎化部の基本的構成の例を示す。
図1<1>に示すように、パイプ状の水蒸気プラズマ火炎化部(4)に、例えば水プラズマ火炎発生器などの加熱部からの水プラズマ火炎(2)を当てる。タングステンなどの水蒸気プラズマ火炎化部(4)が融点近傍まで加熱された状態で、水蒸気発生部から発生した水蒸気(1)を水蒸気プラズマ火炎化部(4)の貫通孔に通すことにより、水蒸気がプラズマ化した水プラズマ火炎(3)が噴出する。
また、図1<1>のパイプ状の水蒸気プラズマ火炎化部は、図1<2>に示すような、貫通孔の内径に段差を設けたものも可能である。このようにすると、プラズマ火炎化した水蒸気のジェットの噴出速度が上がる。
図1<3>は、水蒸気プラズマ火炎化部(4)を、水プラズマ火炎(2)で側面、および裏面から加熱する態様を示す。裏面からの加熱は、あっても無くてもよい。また、側面からの加熱のための水プラズマ火炎は、複数個設けてもよい。例えば水プラズマ火炎発生器などの加熱部が水蒸気プラズマ火炎化部を加熱し、水蒸気発生部から発生し、加圧された水蒸気(1)が多数の貫通孔を通過する際に、水プラズマ火炎となり、多数の貫通孔から噴出する。
水蒸気発生部から発生した水蒸気は、例えば水プラズマ火炎発生器などの加熱部から発生した水プラズマ火炎により加熱された水蒸気プラズマ火炎化部と接触して熱分解することにより、プラズマ化した水プラズマ火炎となって貫通孔から噴出する。水蒸気発生部から発生した水蒸気により発生した水プラズマ火炎のエネルギー密度は、加熱部から発生した水プラズマ火炎より低いものの、増幅された水プラズマ火炎の総量は増加する。また、増幅された水プラズマ火炎の温度についても十分に高温を保っている(約2000〜3000℃程度)ため、大規模かつ多目的な熱源として利用できるものである。
加熱した水蒸気プラズマ火炎化部と水蒸気との接触の程度の如何に従って、本発明の火炎発生装置から噴出する火炎の温度は、調節することができる。
また、後述するように、水の噴射によっても温度調節と圧力調節が可能である。
図2〜4は、本発明の水プラズマ火炎装置を有する水プラズマ火炎システムの一例である。
増幅された水プラズマ火炎(3)は、水蒸気プラズマ火炎化部(4)が有する多数の貫通孔から噴出する。噴出する増幅された水プラズマ火炎(3)は、耐熱材料製のフードによって、散逸することが防止され、また、所望の利用箇所へと増幅された水プラズマ火炎(3)を導くことができる。
加熱部(6)は、図2においては水蒸気プラズマ火炎化部(4)の側面に4個と、水蒸気発生部から発生した水蒸気(1)を供給する側に1個設けられており、水プラズマ火炎を発生させるための水および電力の供給(7)を受ける。
水蒸気発生部から発生した水蒸気(1)は、高圧水蒸気とされ、図2〜4における左側から、耐熱材料のハウジング(5)内を通って、水蒸気プラズマ火炎化部(4)が有する貫通孔に供給され、水蒸気プラズマ火炎化部(4)が有する貫通孔を通過する際にプラズマ化し、増幅された水プラズマ火炎(3)となって噴出する。加熱部(6)の個数および位置は、加熱が十分となるように、個数を増やしたり、火炎照射位置を貫通孔との位置関係を考慮して適宜選択したりすることができる。
水蒸気プラズマ火炎化部(4)を加熱する加熱部(6)からの水プラズマ火炎(2)は、図2のものにおいては貫通孔を通過する際に水蒸気プラズマ火炎化部(4)を加熱しているが、図3および4のように、水蒸気プラズマ火炎化部の側面に設けた加熱部(6)から発生した水プラズマ火炎(2)が通過するための貫通孔を設けずに、水蒸気プラズマ火炎化部(4)の側面等の表面に当てて加熱する態様でもよい。
また、水蒸気プラズマ火炎化部(4)は、図2に示すように、ハウジング(5)の一部をなす断熱性の高い材料の部分(9)に固定されて支持されてもよく、また、図3および4に示すように、断熱性の高い材料の支持部材(8)によって、ハウジング(5)壁との間に間隙を設けて、ハウジング(5)内に支持されてもよい。また、図3および4の例は上流側ハウジングが閉じた構造となっている。
さらに、水蒸気プラズマ火炎化部に、水噴霧装置(10)から水を噴射することによって、水が瞬時に水蒸気となり、水1モル、すなわち18グラムの水は、標準状態で水蒸気になると22.4Lとなるのであり、本発明の装置のプラズマ火炎噴出圧力を増加させたり、本発明の装置から噴出するプラズマ火炎の温度を調節することも可能である。
水噴霧装置は、いくつ設けても良く、また、噴霧位置も、水蒸気プラズマ火炎化部の上流側が好ましいが、側面に噴霧することも可能であり、水蒸気プラズマ火炎化部を加熱するプラズマ火炎が当たっている場所に噴霧することも可能である。水蒸気プラズマ火炎化部に直接噴霧しても、水蒸気プラズマ火炎化部から距離のある場所に噴霧しても良い。いずれにせよ、発生するプラズマ火炎の温度、圧力が所望の状態になり、プラズマ火炎が噴出する状態を維持するように位置や数を選択する。加熱用プラズマ火炎の部分に噴射すれば、水蒸気化がより迅速に生じる。
また、水蒸気プラズマ火炎化部の上流の、加圧水蒸気が供給される空間に水を噴霧しても良い。
さらに、図5に示すように、水蒸気プラズマ火炎化部に、水噴霧空間として水蒸気プラズマ火炎化部側以外の壁は閉じた壁とした水噴霧室(12)を接続し、水噴霧位置は、水噴霧室内の加熱用プラズマ火炎装置から噴出するプラズマ火炎が当たっている位置に噴霧するようにすることも好ましい。
水蒸気プラズマ火炎化部はその側面からも加熱することが好ましく、水が水蒸気化することより、プラズマ火炎の噴出圧力を有効に発生させるものである。
本発明の水プラズマ火炎発生方法およびその方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置は、極めて高温の熱源である、水プラズマ火炎を、電気と水だけから容易にかつ大量に得ることができる。さらに、かかる水プラズマ火炎は、安全かつクリーンであるだけでなく適度な水プラズマ火炎の大きさであるために、たとえば、大規模かつ多目的な熱源などの様々な用途に使用できることが期待される。
1 水蒸気発生部から発生した水蒸気
2 加熱部から発生した水プラズマ火炎
3 増幅された水プラズマ火炎
4 水蒸気プラズマ火炎化部
5 ハウジング
6 加熱部
7 水および電気の供給源
8 断熱材料製支持部材
9 断熱材
10 水噴霧装置
11 水の供給
12 水噴霧室

Claims (8)

  1. 水プラズマ火炎発生方法であって、
    タングステンおよびタングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部を加熱した状態で、
    水蒸気を前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎を発生する、前記方法。
  2. 請求項1に記載の方法の実施に用いられる水プラズマ火炎装置であって、
    タングステン、タングステン合金およびセラミックスからなる群から選択される少なくとも1種を含み、1つ以上の貫通孔を有する水蒸気プラズマ火炎化部と、
    前記水蒸気プラズマ火炎化部を加熱する加熱部と、
    水蒸気を発生させる水蒸気発生部とを含み、
    前記加熱部により前記水蒸気プラズマ火炎化部を加熱し、前記水蒸気を、前記貫通孔に通過させることにより水プラズマ火炎化するものである、前記装置。
  3. 加熱部が、水プラズマ火炎を発生する水プラズマ火炎発生装置である、請求項2に記載の装置。
  4. 水蒸気プラズマ火炎化部が、2つ以上の貫通孔を有する、請求項2または3に記載の装置。
  5. 加熱部から発生する水プラズマ火炎が、アーク放電式プラズマ火炎または電磁誘導加熱式プラズマ火炎である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 水蒸気プラズマ火炎化部が、加熱部から発生した水プラズマ火炎が通過するための、貫通孔または側面溝部をさらに有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 水蒸気プラズマ火炎化部における、水蒸気との接触割合の設定により発生火炎の温度調節が可能な、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 水蒸気プラズマ火炎化部の上流側空間、水蒸気プラズマ火炎化部にまたはその近傍に、水を噴出するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
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