●光源装置の第1実施形態
以下、本発明に係る光源装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光源装置1の構成を示す構成図である。図1(a)は、光源装置1を長手方向から見た構成図である。図1(b)は、光源装置1を短手方向から見た構成図である。図1に示すように、光源装置1は、第1ロッドインテグレータ11と、第2ロッドインテグレータ12と、光源アレイ13と、を有してなる。
光源アレイ13は、複数の光源131同士が光の出射方向と直交する方向に所定の間隔Pをもって配置された光源ユニットである。言い換えると、光源アレイ13は、物理的に離散している複数の光源131から出射された光をもって、面光源を形成する光源ユニットである。光源131は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードなどの固体光源からなる。
各光源131は、発光方向(光の出射方向)が、同一方向になるように配置されている。なお、光源131は、少なくとも1つの発光点を備えればよく、複数の発光点を備えてもよい。例えば、一つの光源131は、光の3原色に対応した発光点(R、G、B)を備えるものであってもよい。
光源アレイ13の外形は、長方形、正方形、または円形などである。本実施形態では、光源アレイ13の外形は、長方形であるものとして以下に説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、光源アレイ13の光源131は、長手方向に3つ、短手方向に2つ、それぞれ配置されている。光源131の一つ当たりの大きさは、光源131の発光領域の形状によって異なる。つまり、光源131の一つ当たりの大きさは、例えば、円形であるならば直径、正方形ならば一辺の長さ、長方形であるならば長辺または短辺のいずれかの辺の長さ、により決まる。ここで本実施形態において光源131の発光領域の形状は、正方形とする。すなわち、光源131の大きさ(サイズ)は、光源131の発光領域の一辺の長さで決まる。
第1ロッドインテグレータ11は、光源131側の端面である入射側端面と、第2ロッドインテグレータ12側の端面である出射側端面と、を有し、入射側端面の面積よりも出射側端面の方が大きいロッドインテグレータエレメント111の集合物である。
以下の説明において、各ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面の集合面を「第1ロッドインテグレータ11の入射側端面」という。また、各ロッドインテグレータエレメント111の出射側端面の集合面を「第1ロッドインテグレータ11の出射側端面」という。
図1に示すように、各ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面は、各光源131にそれぞれ対向している。すなわち、各ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面は、離間して配置されている。一方、各ロッドインテグレータエレメント111の出射側端面は、各々密接して一つの集合面を形成している。
第1ロッドインテグレータ11の入射側端面と出射側端面とを結ぶ胴体部は、入射側端面から出射側端面に向かって、断面積が徐々に広がるテーパ形状になっている。
第2ロッドインテグレータ12は、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面と同等の大きさからなる入射側端面と、入射側端面と同等の大きさからなる出射側端面と、を有してなる直方体形状の光学素子である。
なお、以下の説明において、第1ロッドインテグレータ11の長手方向(光線進行方向)の長さ(ロッドインテグレータエレメント111の長さも同様である)を「L1」で表す。第2ロッドインテグレータ12の長さを「L2」で表す。また、光源装置1の長手方向に配列される光源131の数を「m」で表し、短手方向の数を「n」で表し、各光源131の配列間隔(ピッチ)を「P」で表す。さらに、光源131の発光領域の一辺の長さを「p」で表す。
ここで、光源装置1が備える第1ロッドインテグレータ11と第2ロッドインテグレータ12の外観形状について、図2を用いて説明する。図2(a)は、第1ロッドインテグレータ11を入射側端面の方向から見た図である。図2(b)は、第1ロッドインテグレータ11と、第2ロッドインテグレータ12を示す斜視図である。図2(a)に示すように、第1ロッドインテグレータ11を構成するロッドインテグレータエレメント111の各入射側端面の形状は、光源131の外形と同一形状か、相似形である。本実施形態において光源131は正方形であるから、各ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面も正方形である。このロッドインテグレータエレメント111の入射側端面の一辺の長さを「p_in」とする。
また、図2(b)に示すように、第2ロッドインテグレータ12は、直方体形状であって、入射側端面には、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面(ロッドインテグレータエレメントの各出射側端面の集合面)が接している。
図1に戻る。第1ロッドインテグレータ11の出射側端面の面形状は正方形であり、第1ロッドインテグレータ11を構成する各ロッドインテグレータエレメント111の出射側端面の一辺の長さをp_outとする。ロッドインテグレータエレメント111は、出射側端面に向かって広がるテーパ形状であるから、p_in<p_outの関係が成り立つ。
光源装置1は、p≦p_in<P及びp_out=P、の関係が成り立つように構成されている。したがって、光源装置1は、光源アレイ13が備える光源131が物理的に離散して配置されていることで、発光領域間に隙間があったとしても、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面において、隙間がない面光源を形成することができる。すなわち、第1ロッドインテグレータ11によって、光源アレイ13における光源131の隙間を埋めて(無くして)、照度ムラを低減することができる。
図1に示すように、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面は、長辺の長さがm×p_out、短辺の長さがn×p_outである。第2ロッドインテグレータ12の長辺の長さを「M」、短辺の長さを「N」とすると、M=m×p_out、N=n×p_outである。この場合、p_out=Pである。
例えば、p=1.0mm、P=p_out=2.1mm、m=3、n=2とすると、第2ロッドインテグレータ12の長辺の長さMは6.3mmであり、第2ロッドインテグレータ12の短辺の長さnは4.2mmである。
すなわち、第2ロッドインテグレータ12の入射側端面の面形状は長方形であり、第2ロッドインテグレータ12の出射側端面の面形状も長方形である。
なお、第1ロッドインテグレータ11及び第2ロッドインテグレータ12は、ガラス、又はプラスチック樹脂を素材とする。
ここで、ロッドインテグレータエレメント111による光線進行の原理について説明する。図13は、ロッドインテグレータエレメント111を長手方向から見た図である。既に説明したとおり、ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面のサイズ(面積)は、出射側端面のサイズ(面積)よりも小さい。なお、ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面と出射側端面は、平行である。図13において、軸1111は、ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面に垂直な軸である。また、軸1112は、ロッドインテグレータエレメント111の出射側端面に垂直な軸である。
図13において、図示を省略しているが、ロッドインテグレータエレメント111の入射側には、光源131が配置されているものとする。また、ロッドインテグレータエレメント111の出射側には、種々の光学系が配置されている。ロッドインテグレータエレメント111の出射側に配置されている光学系の光軸は、軸1111及び軸1112と平行である。
図示しない光源131から出射した光は、入射角度θinをもってロッドインテグレータエレメント111に入射する。入射した光は、図13に示すように、例えば、ロッドインテグレータエレメント111の上側の側壁で全反射される。このとき、側壁に対する入射角と、側壁による反射角の角度は等しく、例えば「θ1」とする。反射した光は、今度は下側の側壁で全反射される。このときの入射角と反射角の角度は等しく、例えば「θ2」である。ここで、θ1とθ2の関係は、θ1>θ2が成り立つ。その後、光はロッドインテグレータエレメント111の出射側端面で屈折して、出射される。この出射側端面における屈折角度である出射角度θoutは、入射側端面における入射角度θinよりも小さい。すなわち、θout<θinの関係が成り立つ。
出射角度θoutの大きさは、入射角度θinと、ロッドインテグレータエレメント111のテーパの度合い(入射側端面のサイズと出射側端面のサイズの比)と、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1に依存する。一般に、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1が長くなるほど、内部での反射回数は多くなるので、出射角度θoutは小さくなる。出射角度θoutが小さくなると、入射した光と出射する光は、平行に近くなる。また、出射角度θoutが小さくなると、光源アレイ13の配光分布から生じる照度分布も均一になる。なお、ロッドインテグレータエレメント111の内部で光は全反射を繰り返すため、界面でのエネルギー損失がない。
仮に、ロッドインテグレータエレメント111の入射側端面と出射側端面を逆にすると、図14に示すようになる。図14も、ロッドインテグレータエレメント111による光線進行の原理について説明する図である。図14に示すように、逆テーパ状であっても、出射角度θoutの大きさは、入射角度θinと、ロッドインテグレータエレメント111のテーパの度合いと、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1に依存する。長さL1が長くなるほど反射回数は多くなり、出射角度θoutは小さくなる。出射角度θoutが小さくなると、入射した光と出射する光は平行に近くなる。また、出射角度θoutが小さくなると、光源アレイ13の配光分布から生じる照度分布も均一になる。
次に、第2ロッドインテグレータ12による光線進行の原理について、図15を用いて説明する。図15に示すように、第2ロッドインテグレータ12は、テーパ形状ではない角柱形状であるから、入射角度θinと出射角度θoutは等しい。すなわち、第2ロッドインテグレータ12では、光の角度は変わらない。しかし、長さL2が長くなるほど、出射側端面における照度は万華鏡の原理と同様に、均一化される。
なお、以下の説明において、第2ロッドインテグレータ12の出射角度θoutを照明角、または、出射角ともいう。
本実施形態に係る光源装置1は、図13に示したテーパ状の第1ロッドインテグレータ11と、図15に示した角柱状の第2ロッドインテグレータ12とを組み合わせている。すなわち、第2ロッドインテグレータ12の照明角は、第1ロッドインテグレータ11の出射角度θoutにより決定される。光源131から第1ロッドインテグレータ11に入射した光は、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面において、照度分布が均一化されて、第2ロッドインテグレータ12に入射する。第2ロッドインテグレータ12に入射した光は、上述のとおり、光の照度分布がさらに均一化される。このように、複数のロッドインテグレータを組み合わせることで、照度分布の均一化を向上させることができる。
次に、上記構成を備える光源装置1の効果について説明する。各光源131から出射した光は、これに対向しているロッドインテグレータエレメント111の入射側端面にそれぞれ入射して、その内面において全反射しながら出射側端面に向けて進行する。すなわち、光源アレイ13からの光は、第1ロッドインテグレータ11の内面において全反射されて、エネルギーの損失は生じずに、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面から出射される。第1ロッドインテグレータ11の出射側端面における照度の均一性は、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1に依存するので、ロッドインテグレータエレメント111が長いほど、出射側端面における照度分布は、均一になる。
第2ロッドインテグレータ12は、第1ロッドインテグレータ11では充分に均一化を図ることができなかった光を、均一化することができる。ここで、第2ロッドインテグレータ12で均一化されるのは、照度分布と照明角である。第2ロッドインテグレータ12は,テーパ形状ではないので、入射側端面への照明角と、出射側端面における入射側端面とは、変わらない。
ここで、仮に、M<m×p_out、N<n×p_outの場合は、第1ロッドインテグレータ11と第2ロッドインテグレータ12との間で光量の損失が生じて、カップリング効率が低下する。言い換えると、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面の面積が、第2ロッドインテグレータ12の入射側端面の面積よりも大きい場合、第1ロッドインテグレータ11と第2ロッドインテグレータ12との間で光量の損失が生じて、カップリング効率が低下する。よって、光量の損失が生じることなく、カップリング効率を維持することができるように、光源装置1を構成することが望ましい。
なお、以上説明した本発明に係る光源装置の実施形態は、光源の配列数を、長手方向に3個、短手方向に2個としているが、本発明はこれに限るものではなく、光源の配列を、2×1、3×4,5×6等にしてもよい。
光源の配列数を如何なるものにするかは、空間光変調素子の画面サイズと、光源の放射(出射)角、投射光学系のF値などにより決定される。
●光源装置の第2実施形態
次に、本発明に係る光源装置の別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図3は、本実施形態に係る光源装置2を示す構成図である。光源装置2は、光量損失が生じること無く、カップリング効率を維持可能なものである。図3に示すように、光源装置2は、第2ロッドインテグレータ22の入射側端面の長辺のサイズMが、光源231の長手方向の配列数mとロッドインテグレータエレメント211の出射側端面のサイズp_outの積よりも大きい。つまり、M>m×p_outである。また、光源装置2は、第2ロッドインテグレータ22の入射側端面の短辺のサイズNが、光源231の短手方向の配列数nとロッドインテグレータエレメント211の出射側端面のサイズp_outの積よりも大きい。つまり、N>n×p_outである。
このように、第2ロッドインテグレータ22の入射側端面の面積が、第1ロッドインテグレータ21の出射側端面の面積よりも大きいときは、光の損失は生じないため、カップリング効率を高く維持できる。また,図3に示すようにロッドインテグレータエレメント211を配列することで、配列にも余裕が生じる。
上記構成を備える光源装置2も、光源装置1と同様に、各光源231から出射した光は、これに対向しているロッドインテグレータエレメント211の入射側端面にそれぞれ入射して、その内面において全反射しながら出射側端面に向けて進行する。すなわち、光源アレイ23からの光は、第1ロッドインテグレータ21の内面において全反射されて、エネルギーの損失は生じずに、第1ロッドインテグレータ21の出射側端面から出射される。第1ロッドインテグレータ21の出射側端面における照度の均一性は、ロッドインテグレータエレメント211の長さL1に依存するので、ロッドインテグレータエレメント211が長いほど、出射側端面における照度分布は、均一になる。
第2ロッドインテグレータ22は、第1ロッドインテグレータ21では、充分な均一化を図ることができなかった光を、均一化することができる。ここで、第2ロッドインテグレータ22で均一化されるのは、照度分布と照明角である。第2ロッドインテグレータ22はテーパ形状ではないので、入射側端面への照明角と、出射側端面における入射側端面とは、変わらない。
光源装置2によれば、複数の光源から出射された光の照度分布を均一にすることができ、面光源の照度ムラを低減させることができる。
まお、本明細書中において説明に用いる関係式のうち、等号に関しては略等しいものも含まれるものとし、指定した公差の範囲で一致するものとする。例えば,p_out=Pの場合、p_out=2.10±0.05mm、P=2.10±0.05mmである。この公差範囲内であれば等号が成立するものとする。ただし、公差は、要求仕様や加工精度に依存して、±0.1mmで良い場合もあれば、±0.02mm、或いはそれ以上の精度を必要とする場合もある。また不等号に関しては、指定した公差の範囲内でのばらつきは含まないものとする。
●光源装置の第3実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。すでに説明した光源装置1は、光源131の発光面が、第1ロッドインテグレータ11の入射側端面に直接触れるように、対向配置されていた。本実施形態に係る光源装置3が備える光源アレイ33は、図4に示すように、光源331と、カップリングレンズ332と、カップリングレンズ332を保持する構造体333と、を有してなる。
カップリングレンズ332は、各光源331から出射された光を、対向するロッドインテグレータエレメント311の入射側端面に向けて屈折させるように作用する。これによって、光源アレイ33から出射された光の配光特性(出射角度)を変えることができる。ここで、カップリングレンズ332の設置間隔は、光源331の配置間隔Pと同一の間隔にすることが望ましく、また、光源アレイ33と一体成形すればよい。
なお、カップリングレンズ332は,所望する配光特性に応じて凹面、凸面、または非球面であっても良い。
●光源装置の第4実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図5は、本実施形態に係る光源装置4の外観を示す(a)斜視図、および、(b)光源装置4を長手方向から見た構成図(b)である。光源装置4は、第1ロッドインテグレータ41と、第2ロッドインテグレータ42と、光源アレイ43と、を有してなる。
光源装置4は、第1ロッドインテグレータ11と同等の第1ロッドインテグレータ41と、逆テーパ状のロッドインテグレータエレメント111と同様の逆テーパ形状である第2ロッドインテグレータ42とを組み合わせてなる。
第2ロッドインテグレータ42は、入射側端面の大きさが出射側端面よりも大きい。すなわち、第2ロッドインテグレータ42は、入射側端面から出射側端面に向かって断面積が徐々に小さくなっている、
第2ロッドインテグレータ42の出射角は,第1ロッドインテグレータ41と第2ロッドインテグレータ42により決定される。第1ロッドインテグレータ41では、光源431からの放射角を小さくするが、第2ロッドインテグレータ42では、その角度を再度大きくする。ここで、第2ロッドインテグレータ42で再度大きくされる角度の大きさは、第1ロッドインテグレータ41および第2ロッドインテグレータ42のテーパの度合いと、それぞれの長手方向の長さに依存する。また、テーパの度合いにより第2ロッドインテグレータ42の出射側端面のサイズを調整することができる。
以上のように、逆テーパ形状の第2ロッドインテグレータ42によって、出射される照明光の照度分布の均一性を向上させることができる。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面の大きさと、出射側端面からの光の出射角(照明角)を制御することができる。
これによって、空間光変調素子(不図示)の表示面と共役にする照明光学系において、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面の面積及び照明角と、空間光変調素子の表示面の面積及び照明角との間に、好適な関係を設定できる。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面の面積及び照明角と、後続の投射光学系の取り込み角(F値)との間に、好適な関係を設定できる。また、光源装置4によれば、第2ロッドインテグレータ42の出射角と出射側端面の面積の両者を調整できるので、設計の自由度が向上する。
以上説明した光源装置4によれば、第1ロッドインテグレータ41のテーパ形状によって、光源431からの光の発散角を平行に近づけて、第2ロッドインテグレータ42の逆テーパ形状によって、光の発散角を大きくすることができる。
●光源装置の第5実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図6は、本実施形態に係る光源装置5を長手方向から見た構成図である。図6において、光源装置5は、第1ロッドインテグレータ51の出射側端面と、第2ロッドインテグレータ52の入射側端面とを、接着剤700により接着している。
これまで説明した、例えば光源装置1は、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面と、第2ロッドインテグレータ12の入射側端面の面精度を高くし、かつ清浄して接触させることで、光学接着(オプティカルコンタクト)により固定している。このように、接着剤700を用いずとも、第1ロッドインテグレータ11と第2ロッドインテグレータ12を固定することはできる。
しかし、光源装置5は、より高い信頼性を考慮して、接着剤700を用いている。第1ロッドインテグレータ51と第2ロッドインテグレータ52とを接着固定することで、両者の固定を堅牢にできる。ここで、接着剤700は、紫外線硬化樹脂が好ましいが、熱硬化樹脂であっても良い。
図7は、光源装置5における固定方法の例を示す図である。まず、第1ロッドインテグレータ51の出射側端面、または、第2ロッドインテグレータ52の入射側端面、または、両者に、接着剤700を塗布する。次に、各ロッドインテグレータエレメント511の入射側端面の間隔が光源531の間隔(P)になるように配慮しながら、ロッドインテグレータエレメント511の出射側端面を接着剤700の塗布面に密着させる。接着剤700に紫外線硬化樹脂を用いる場合は、ロッドインテグレータエレメント511間に隙間が無くなるように圧力をかけながら、紫外線600を照射して、接着剤700を硬化させる。
ここで、紫外線600の照射方向は、第1ロッドインテグレータ51の入射側端面からでもよい。紫外線600を接着剤700に、より均一に照射するには第2ロッドインテグレータ52の出射側端面から紫外線600を入射するとよい。このように、接着剤700を用いることで、第1ロッドインテグレータ51の位置合わせを容易に行うことができる。
なお、接着剤700の厚さは、数μmであることが好ましい。また,接着剤700の屈折率は第1ロッドインテグレータ51及び第2ロッドインテグレータ52に近づけることが好ましい。
●光源装置の第6実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図8は、本実施形態に係る光源装置6が備える第1ロッドインテグレータ61と第2ロッドインテグレータ62の例を示す斜視図である。なお、図8において、光源アレイ63は図示を省略している。
第1ロッドインテグレータ61は、既に説明した実施形態に係る第1ロッドインテグレータ11と同様のものである。第2ロッドインテグレータ62の入射側端面には、第1ロッドインテグレータ61の出射側端面に合わせた溝621が形成されている。
溝621は、第2ロッドインテグレータ62の入射側端面を、研磨または切削等の加工により形成される凹みであって、第1ロッドインテグレータ61の複数の出射側端面の集合面の面形状に応じた窪みである。溝621の大きさは、第1ロッドインテグレータ61の複数の出射側端面の集合面に合致する大きさである。
ここで、第1ロッドインテグレータ61の出射側端面と、第2ロッドインテグレータ62の入射側端面とは、光学接着(オプティカルコンタクト)により接着されてもよい。あるいは、図9に示すように、溝621の内側の面に、接着層622を接着剤700等によって形成し、第1ロッドインテグレータ61を張り合わせても良い。
以上説明した光源装置6によれば、第1ロッドインテグレータ61と第2ロッドインテグレータ62とを容易に正確に位置決めした上で、より確実に固定することができる。
●光源装置の第7実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図10は、本実施形態に係る光源装置7を示す構成図である。図10(a)は、光源装置7を長手方向から見た構成図、図10(b)は、光源装置7に含まれる拡散素子800の例を示す拡大図である。図10において、光源装置7は、第1ロッドインテグレータ71の出射側端面と、第2ロッドインテグレータ72の入射側端面との間、すなわち、第1ロッドインテグレータ71と第2ロッドインテグレータ72との光路中に、拡散素子800が配置されている。
拡散素子800は、照度分布の均一化を向上させるために、第2ロッドインテグレータ82に入射する光を拡散させる光学素子である。拡散素子800は、シート状であっても、板状であってもよく、表面を荒らした摺りガラス状の光学素子である。
図10(b)に示すように、拡散素子800には、第1ロッドインテグレータ71側の面が粗くなっている拡散素子802、第2ロッドインテグレータ72側の面が粗くなっている拡散素子803、両面が粗くなっている拡散素子804、などがある。なお、図10(b)では、基板或いはシートの厚みに対して表面粗さを誇張して描いている。
拡散素子800の厚みは、数μmから数十μmである。表面粗さは、例えばRMS(Root Mean Square)で数nm〜数十nmである。
なお、第1ロッドインテグレータ71と、拡散素子800と、第2ロッドインテグレータ72のそれぞれは、紫外線硬化樹脂などを用いて接着固定すればよい。
ここで、拡散素子800を用いる効果について説明する。第1ロッドインテグレータ71を形成するときに、ロッドインテグレータエレメント711同士の間に微小な隙間が生じると、空間光変調素子上における照度ムラの原因になる。そうすると、投射光学系を経て,スクリーン上に投射される画像にも照度ムラが生じることになる。
拡散素子800を第1ロッドインテグレータ71と第2ロッドインテグレータ72の間に挿入すると、第1ロッドインテグレータ71から出射された光は拡散して第2ロッドインテグレータ72に入射する。すなわち、拡散素子800によって、ロッドインテグレータエレメント711同士の間に微小な隙間があっても、それを埋めるように第2ロッドインテグレータ72へと入射するようになる。これによって、第2ロッドインテグレータ72の出射側端面では、照度ムラが低減された状態になる。
●光源装置の第8実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図11は、本実施形態に係る光源装置8を示す図であって、(a)長手方向から見た構成図、(b)拡散面の拡大図、である。光源装置8は、第1ロッドインテグレータ81と、第2ロッドインテグレータ82と、光源アレイ83と、を有してなる。第1ロッドインテグレータ81を構成するロッドインテグレータエレメント811の出射側端面には、拡散構造812が形成されている。この拡散構造812は、図11(b)に示すように、ロッドインテグレータエレメント811の出射側端面を粗くした構造である。この拡散構造812により、第1ロッドインテグレータ81から出射された光は、拡散してから第2ロッドインテグレータ82に入射する。これによって、第2ロッドインテグレータ82の出射側端面における照度ムラの低減を図ることができる。
なお、図12に示すように、光源装置8が備える第2ロッドインテグレータ82の入射側端面に、拡散面821を備えてもよい。拡散面821は、図12(b)に示すように、第2ロッドインテグレータ82の入射側端面を粗くした構造である。これによって、第1ロッドインテグレータ81から出射された光が、第2ロッドインテグレータ82に入射するときに拡散して入射し、第2ロッドインテグレータ82の出射側端面における照度ムラの低減を、さらに図ることができる。
以上のように、第1ロッドインテグレータ81の出射側端面に拡散構造812を設けるか、または、第2ロッドインテグレータ82の入射側端面に拡散構造822を設けることによって、部品点数を減らしつつ、さらに照明ムラを低減させることができる。
●三色対応光源装置の第1実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図16は、本実施形態に係る光源装置10を示す構成図である。図16において、光源装置10は、赤色の光を出射する光源ユニット101と、緑色の光を出射する光源ユニット102と、青色の光を出射する光源ユニット103と、各色の光を合成して出射するクロスダイクロイックプリズム104と、を有してなる。
光源ユニット101は、第1ロッドインテグレータ1011と、第2ロッドインテグレータ1012と、赤色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ1013と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ1012の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム104の複数ある入射面の一つに対向している。
光源ユニット102は、第1ロッドインテグレータ1021と、第2ロッドインテグレータ1022と、緑色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ1023と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ1022の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム104の複数ある入射面の一つに対向している。
光源ユニット103は、第1ロッドインテグレータ1031と、第2ロッドインテグレータ1032と、青色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ1033と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ1032の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム104の複数ある入射面の一つに対向している。
クロスダイクロイックプリズム104は、各入射面から入射した光を合成して、出射面から出射する光学素子である。クロスダイクロイックプリズム104の出射面側には、照明光学系を構成するレンズ301が配置されている。これによってクロスダイクロイックプリズム104により合成された光が、空間光変調素子306に結像される。
照明光学系は、光源ユニット101、光源ユニット102、光源ユニット103の各出射側端面のそれぞれが、空間光変調素子306の表示面と共役になるように設計される。図16は、図の簡略化のために、照明光学系をレンズ301のみで表しているが、実際の照明光学系は、複数のレンズと、複数のミラーにより構成される。なお、光源ユニット101、光源ユニット102、光源ユニット103の各出射側端面のサイズは、同一サイズである。ただし、照明光学系における色収差が大きいときは、その収差の度合いに応じて、色ごとにサイズを変更してもよい。なお、照明光学系の倍率は、各光源ユニットの出射側端面のサイズと、空間光変調素子306の表示面のサイズにより決定される。
図16において、光源ユニット101、光源ユニット102、光源ユニット103、の各出射側端面はそれぞれ、クロスダイクロイックプリズム104の入射面と若干の隙間をもって配置されている。しかし、光源装置10の構成は、これに限ることはなく、例えば図17に示すように、各光源ユニットの出射側端面と、クロスダイクロイックプリズム104の各入射面とを密着させてもよい。また、各出射側端面とクロスダイクロイックプリズム104の各入射面とを、両者の屈折率に近い屈折率を有する接着剤によって接着してもよい。これによって、表面反射による界面でのエネルギーの損失を低減できる。
以上のように本実施形態に係る光源装置10は、光の3原色のそれぞれに対応した各光源ユニットが、すでに説明をした光源装置1と同様のものである。これによって、クロスダイクロイックプリズム104により合成されて出射される光の照度ムラを低減して均一化を図ることができる。
●三色対応の光源装置の第2実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図18は、本実施形態に係る光源装置20を示す構成図である。光源装置20は、赤色の光を出射する光源ユニット201と、緑色の光を出射する光源ユニット202と、青色の光を出射する光源ユニット203と、各色の光を構成して出射するクロスダイクロイックプリズム204と、を有してなる
光源ユニット201は、第1ロッドインテグレータ2011と、第2ロッドインテグレータ2012と、赤色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ2013と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ1012の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム204の複数ある入射面の一つに対向している。
光源ユニット202は、第1ロッドインテグレータ2021と、第2ロッドインテグレータ2022と、緑色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ2023と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ2022の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム204の複数ある入射面の一つに対向している。
光源ユニット203は、第1ロッドインテグレータ2031と、第2ロッドインテグレータ2032と、青色の光を出射する光源を配列してなる光源アレイ2033と、を有してなる。第2ロッドインテグレータ2032の出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム104の複数ある入射面の一つに対向している。
第2ロッドインテグレータ2012、第2ロッドインテグレータ2022、第2ロッドインテグレータ2032は、それぞれ、入射側端面の面積よりも出射側端面の面積の方が小さい。すなわち、入射側から出射側に向けて逆テーパ形状になっている。
クロスダイクロイックプリズム104は、各入射面から入射した光を合成し、合成光を出射面から出射する光学素子である。クロスダイクロイックプリズム104の出射面側には、照明光学系を構成するレンズ301が配置されている。これによってクロスダイクロイックプリズム104により合成された光が、空間光変調素子306に結像される。
照明光学系は、光源ユニット101、光源ユニット102、光源ユニット103の各出射側端面のそれぞれが、空間光変調素子306の表示面と共役になるように、設計される。なお、光源ユニット101、光源ユニット102、光源ユニット103の各出射側端面のサイズは、同一サイズであるものとする。ただし、照明光学系における色収差が大きいときは、その収差の度合いに応じて、色ごとにサイズを変更してもよい。
以上のように本実施形態に係る光源装置20は、光の3原色のそれぞれに対応した各光源ユニットが、すでに説明をした光源装置4と同様のものである。これによって、クロスダイクロイックプリズム104により合成されて出射される光の照度ムラを低減して均一化を図ることができる。
●三色対応の光源装置の第3実施形態
次に、本発明に係る光源装置のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図42は、本実施形態に係る光源装置500を示す構成図である。光源装置500は、赤色の光を出射する光源ユニット501と、緑色の光を出射する光源ユニット502と、青色の光を出射する光源ユニット503と、各色の光を構成して出射するクロスダイクロイックプリズム504と、リレー光学系505と、を有してなる。
クロスダイクロイックプリズム504は、色合成手段であって、白色を出す場合は、光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、からそれぞれ出射された光を合成して出射する。R、G、Bをそれぞれ単色で出射するときは、対応する光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、のいずれかのみを発光させればよい。このような発光制御は、図示しない信号制御系により実行される。
クロスダイクロイックプリズム504は、例えば一片の長さが10mmの立方体であって、各光源ユニットから出射された光をリレー光学系505へと導光する。なお、各光源ユニットの出射側端面の中心と、クロスダイクロイックプリズム504の各入射面の中心が一致するように配置される
光源装置500は、クロスダイクロイックプリズム504の後段(出射側)に、リレー光学系505を配置してなる。光源装置50は、光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、がそれぞれ備える第2ロッドインテグレータの出射面が、リレー光学系505の物***置であり、リレー光学系505の出射側に、像が形成される。
●リレー光学系の数値例
ここで、リレー光学系505の具体的な数値例を表1に示す。リレー光学系505は、5枚のレンズから構成されていて、倍率は等倍である。なお、F値は1.06である。
(表1)
光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、のそれぞれの出射側端面は、クロスダイクロイックプリズム504の各入射面に密着していることが好ましい。またリレー光学系505の最もクロスダイクロイックプリズム504に近いレンズも、クロスダイクロイックプリズム504の出射面に密着していることが好ましい。
ここで、「密着」とは、オプティカルコンタクト、又は、接着剤を用いて、各面が隙間なく接した状態をいう。なお、接着剤を用いるときは、光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、クロスダイクロイックプリズム504、リレー光学系505の屈折率と近い屈折率を有するものを用いることが望ましい。
次に、光源装置500を備える照明光学系の実施形態について説明する。図43は、本実施形態に係る照明光学系350の構成を構成図である。図43において、照明光学系350は、光源装置500と、第1リレーレンズ351と、第2リレーレンズ352と、第1折り返しミラー353と、第2折り返しミラー354と、空間光変調素子であるDMD355と、DMDカバーガラス356と、投射レンズ357と、を有してなる。
光源装置500が備えるリレー光学系505により形成される像は、照明光学系350の物***置になっている。よって、照明光学系350は、リレー光学系505の中間像がDMD355の近傍に形成される。
DMD355は、一片10μm前後の正方形状の微小ミラーにより、光を投射光学系に向けて反射する。すなわち、DMD355は偏光に関係せず,無偏光の光を用いることができる。色合成系であるクロスダイクロイックプリズム504は、無偏光型を用いることが好ましい。無偏光型のクロスダイクロイックプリズム504によれば、各光源ユニットとクロスダイクロイックプリズム504との間に偏光素子を用いる必要がないから、部品点数を低減できる。
光源装置500において、各光源ユニットから出射される光の放射角と、出射側端面の大きさ(物体のサイズ)が、照明光学系350に対して適切な場合は、物体のサイズと放射角を変える必要は無い。この場合、光源装置500が備えるリレー光学系505の倍率は等倍であればよい。なお、「リレー光学系の倍率は等倍である」というとき、略等倍も含むものとする。
例えば、光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503、がそれぞれ備える光源は、一辺が1mmの正方形である。この光源に対向するテーパ形状のロッドインテグレータの入射面は、正方形であって一辺が1.05mmである。このロッドインテグレータの出射面は、一辺が2.1mmの正方形である。なお、このロッドインテグレータの長手方向の長さは10mmである。
上記のサイズからなるテーパ形状のロッドインテグレータが3×2の配列をもって設置されているので、出射側端面の全体のサイズは6.3mm×4.2mmになる。テーパ形状のロッドインテグレータの出射側端面に入射側端面が対向する逆テーパ形状のロッドインテグレータは、入射側端面が6.3×4.2mmである。
また、逆テーパ形状のロッドインテグレータの長手方向の長さは10mmであって、出射側端面のサイズは5.7mm×3.4mmである。なお、これらの硝材はBK7である。
ここで、光源ユニット501、光源ユニット502、光源ユニット503のそれぞれの出射側端面における配光分布について、Synopsys,Inc.のLightTools7.3.0を用いて行ったシミュレーション実験の結果に基づいて説明する。図44は、上記ツールを使用したシミュレーション結果を示す配光分布である。図44は、横軸を放射角、縦軸を光の強度とするグラフである。図44に示すように、各光源ユニットの出射側端面の強度が0.5のときの放射角は、半値全幅で、長手方向が44.5°、短手方向が55.9°である.光源の放射角は54°であるが、短手方向でこの値よりも大きく、長手方向でこの値よりも小さくなっているのは、各ロッドインテグレータの特性による。
各光源ユニットの放射角が55.9°の場合、F値に換算すると約1.1になる。照明光学系350における効率を向上させるには、各光源ユニットからの光をすべて取り込む必要があるから、光源装置50が備えるリレー光学系505のF値は1.1以下が好ましい。
次に、照明光学系350の配置座標の数値例を表2に示す。
(表2)
表2に示す各構成部品の座標は、DMD355の中央を原点(0,0,0)として規定されている。なお、DMD355の対角サイズは0.65インチであって1200×800画素のWXGA規格である。なお、一画素は一片10.8μmの正方画素である。
次に、照明光学系350が備える第1リレーレンズ351(第1レンズ)と、第2リレーレンズ352(第2レンズ)と、第1折り返しミラー353と、第2折り返しミラー354の具体的な仕様を表3に示す。
(表3)
なお、第1折り返しミラー353はシリンダーミラーである。第2折り返しミラー354は、球面ミラーであって、投射光学系の鏡筒(不図示)との機械的接触を避けるため,切り欠き部を有する。
●照明光学系の第1実施形態
次に、本発明に係る照明光学系の実施形態について説明する。図19は、本実施形態に係る照明光学系300の構成図である。照明光学系300は、例えば、光源装置1を備えている。なお、照明光学系300には、光源装置1以外の既に説明をした光源装置2から8のいずれも用いることができる。
照明光学系300は、光源装置1と、第1リレーレンズ302と、第2リレーレンズ303と、第1折り返しミラー304と、第2折り返しミラー305と、を有してなる。この照明光学系300により、空間光変調素子306の反射面が照明され、その反射光が投射光学系307によってスクリーン(不図示)に投射される。
照明光学系300において、第1リレーレンズ302と第2リレーレンズ303は、球面レンズ、非球面レンズのいずれでもよい。第1折り返しミラー304は平面ミラー、シリンダーミラー、球面ミラーのいずれかであればよい。第2折り返しミラー305は球面ミラーであればよい。
なお、空間光変調素子306は,反射型のものであって、具体的にはテキサスインスツルメンツ社のDMD(Digital MicroMirror Device)を用いればよい。DMDの説明は後述する。
図19において、投射光学系307をレンズ一枚のみで構成しているが、実際には複数枚のレンズ、あるいはミラーからなる。
なお、図19(b)に示すように、照明光学系300は、リレーレンズを第1リレーレンズ302だけで構成してもよい。
以上のように本実施形態に係る照明光学系300は、本発明に係る光源装置を備えるから、照度ムラが低減されて、照度分布が均一な照明光によりDMD306を照明することができる。これによって、投射光学系307を介してスクリーン(不図示)に投射される光の照度分布も均一化される。
●照明光学系の第2実施形態
次に、本発明に係る照明光学系の別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図20は、本実施形態に係る照明光学系310の構成図である。照明光学系310は、例えば、既に説明した光源装置1を備えている。なお、照明光学系310に用いることができるものは、光源装置1に限るものではなく、既に説明をした光源装置2から8のいずれも用いることができる。
図20(a)に示すように、照明光学系310は、光源装置1と、第1リレーレンズ312と、第2リレーレンズ313と、折り返しミラー314と、非球面レンズ315と、を有してなる。この照明光学系310により、空間光変調素子であるDMD316の反射面が照明され、その反射光が投射光学系317によってスクリーン(不図示)に投射される。
図20(a)では、投射光学系317をレンズ一枚のみで構成しているが、実際には複数枚のレンズ、あるいはミラーからなる。なお、リレーレンズは、図20(b)に示すように第1リレーレンズ312の一枚で構成しても良い。
また、非球面レンズ315の非球面は、片側であっても、両側であっても良い。
以上のように本実施形態に係る照明光学系310は、本発明に係る光源装置を備えるものであるから、照度ムラが低減されて、照度分布が均一な照明光によりDMD316を照明することができる。これによって、投射光学系317を介してスクリーン(不図示)に投射される光の照度分布も均一化される。
●照明光学系の第3実施形態
次に、本発明に係る照明光学系の別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図21は、本実施形態に係る照明光学系320の構成図である。照明光学系320は、例えば、既に説明した光源装置1を備えている。なお、照明光学系320に用いることができるものは、光源装置1に限るものではなく、既に説明をした光源装置2から8のいずれも用いることができる。
図21(a)において、照明光学系320は、光源装置1と、第1リレーレンズ322と、第2リレーレンズ323と、折り返しミラー324と、フィールドレンズ325と、を有してなる。この照明光学系320により、空間光変調素子であるDMD326の反射面が照明され、その反射光が投射光学系327によってスクリーン(不図示)に投射される。
図21(a)では、投射光学系327をレンズ一枚のみで構成しているが、実際には複数枚のレンズ、あるいはミラーからなる。なお、リレーレンズは、図21(b)に示すように第1リレーレンズ322の一枚だけで構成してもよい。また、フィールドレンズ215は、照明光学系320と投射光学系317で共用するレンズである。
以上のように本実施形態に係る照明光学系320は、本発明に係る光源装置を備えるものであるから、照度ムラが低減されて、照度分布が均一な照明光によりDMD326を照明することができる。これによって、投射光学系327を介してスクリーン(不図示)に投射される光の照度分布も均一化される。
●空間変調素子の説明
これまで説明した照明光学系の実施形態は、空間変調素子としてDMDを用いている。しかし、本発明に係る照明光学系は、これに限ることはなく、透過型液晶空間光変調素子や、反射型液晶空間光変調素子であってもよい。
ここで、DMD306を例にして、空間変調素子について説明する。図22は、DMD306の概要を表した図である。図22(a)はDMD306を上から見た平面図、図2(b)はDMD306の画像表示領域の一部拡大図、図22(c)は、DMD306の側面図、図2(d)は、DMD306における画像投射光の反射の様子を表す図、である。
図22(a)に示すように、DMD306の外観は矩形であって、複数の微小ミラーを配列してなる画像表示領域3060を備えている。画像表示領域3060の一部の領域3060aを拡大した図を図22(b)に示す。
図22(b)に示すように、一部画像表示領域3060aを拡大すると、複数の微小ミラー3061が配列されている。微小ミラー3061は、正方形であって、1つの微小ミラー3061が、投射画像の1画素に相当する。微小ミラー3061の配列周期を画素ピッチgPという。画素ピッチgPは、例えば、約10μmである。画像表示領域3060の対角線の長さによって、投射画像の表示サイズが決定される。
画素ピッチgPに対する実際のミラーサイズを開口率という。微小ミラー3061のそれぞれは、その対角線を回転軸として回転することができる。微小ミラー3061の回転方向は、回転軸に対して時計方向をプラスとし反時計方向をマイナスとする。また回転角度は±10°から±12°である。
DMD306の上面側には、図22(c)に示すように、保護ガラス308が配置されている。この保護ガラス308は、微小ミラー3061の表面に埃等が付着することを防ぐためのものである。
図22(d)に示すように、微小ミラー3061は、対角線を回転軸として時計方向と反時計方向に回転することができる。微小ミラー3061aは、時計方向に回転しているので、反射された光はON光となって、図示しない投射レンズの入射瞳に向かう。微小ミラー3061bは、反時計方向に回転しているので、反射された光はOFF光となって、図示しない投射レンズの入射瞳には向かわず、吸収部材に向かう。
●光源装置のシミュレーション結果
次に、本発明に係る光源装置および照明光学系の効果について、光線追跡計算を用いたシミュレーション実験結果に基づいて説明する。なお、以下の説明に係るシミュレーション実験は、シミュレーションソフトとしてSynopsys,Inc.のLightTools7.2.0及び7.3.0を用いたものである。
すでに説明をした光源装置1に基づくシミュレーション実験について説明する。光源装置1が備える光源131は正方形である。この光源131の一片の長さを1mmとし、放射角を全角で54°として、ランバート分布に設定したシミュレーション実験に基づく光源131の配光分布を図23に示す。図23は、横軸を放射角とし、縦軸を光源131から出射される光の強度とするグラフである。図23に示すように、光源131の半値全幅(FWHM)は、54°となっている。
図23に示した配光分布を有する光源131を、2.1mm間隔で、長手方向に3個、短手方向に2個を配列し、その直前に受光面を置いたときの照度分布を図24に示す。照度分布は、光の強度が強い部分(明るい部分)は白く表現され、光の強度が弱い部分(暗い部分)は黒く表現される。図24は、白く正方形状で表されている部分が、規則的な間隔で配置されている。この白い正方形状の部分が、光源131の配列と合致している。すなわち、白く正方形状に表されている部分が、光源装置1が備える光源131の照明領域を表している。
次に、図24に示した照度分布になる光源131を備える光源アレイ13に対して、すでに説明した第1ロッドインテグレータ11を用いた場合のシミュレーション実験結果を図25から図28を用いて説明する。なお、第1ロッドインテグレータ11の硝材はBK7である。また、第1ロッドインテグレータ11の入射側端面は、一片が1.1mmの正方形であって、出射側端面は、一片が2.1mmの正方形としている。
光源装置1の各寸法に合わせてp=1mm、P=2.1mm、p_in=1.1mm、p_out=2.1mm(=P)とし、p_in<p_out、p≦p_in<P、p_out=Pの条件を満たすように条件を設定する。
第1ロッドインテグレータ11を構成するロッドインテグレータエレメント111の長さL1を、1mmに設定したときの照度分布を図25に示す。また、長さL1を5mmに設定したときの照度分布を図26、長さL1を10mmに設定したときの照度分布を図27、長さL1を20mmに設定したときの照度分布を図28に示す。なお、シミュレーション実験に用いた光線本数は6千万本であって、受光面はロッドインテグレータエレメント111の出射側端面である。
図25に示すように、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1が1mmのときは、ロッドインテグレータエレメント111内における反射回数が少ないから、光が十分に拡散せず、照度分布の明るい部分に隙間がある。このように、ロッドインテグレータエレメント111が短いときは、第1ロッドインテグレータ11の出射側端面における照度分布は均一にならない。
また、図26に示すように、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1が5mmのときは、図25に比べて照度分布の隙間は詰まるが、均一化は不十分で照度ムラが生じている。
また、図27に示すように、ロッドインテグレータエレメント111の長さが10mmのときは、図26に比べてさらに照度分布の隙間は詰まり、照度分布の均一化もされてきている。しかし、光源131の位置が判別可能な程度の照度ムラが残っている。
また、図28に示すように、ロッドインテグレータエレメント111の長さが20mmのときは、照度分布に隙間がなく均一になっている。このように、ロッドインテグレータエレメント111の長さL1を、ある程度の長さ以上にすることで、第1ロッドインテグレータ11により、照度分布の照度ムラを均一にすることができる。
例えば、図27のような照度分布(ロッドインテグレータエレメントの長さL1が10mm)の光が、照明光学系を介して空間変調素子に結像されて、投射光学系を介してスクリーンに投射された場合、スクリーン上でも同様の照度ムラが観察されることになる。照度分布をある程度均一化した光に基づく投射を、通常のプロジェクタを用いて行った場合は、スクリーン中央の照度が高く、スクリーン周辺に向うにつれて照度は徐々に低下する。よって、中央部分が明るく、周辺部分は中央部分よりは暗い照度分布になる。このような照度分布は、照度の低下度合いが大きくないときは目立たない。しかし、図27に示した照度分布のように、周期的な照度ムラは、スクリーン上でより目立つ。
そこで、第1ロッドインテグレータ11の長さL1を20mmとする光源装置1を用いることで、スクリーン上の照度ムラを低減することができる。これによって、投射画像の品質を向上させることができる。
次に、ロッドインテグレータエレメント111の配光分布のシミュレーション実験の結果について説明する。図29から図32は、ロッドインテグレータエレメント111の長さLを、それぞれ1mm、5mm、10mm、20mmとしたときの、配光分布である。
図23に示した光源131の配光分布と比較すると、ロッドインテグレータエレメント111によって、配光分布が変化することが分かる。また、第1ロッドインテグレータ11の長さL1が長くなるにつれて、半値全幅(FWHM)が、87°(図29参照)、41°(図30参照)、43°(図31参照)、40°(図32参照)というように、狭くなっている。以上の結果から、テーパ状のロッドインテグレータエレメント111によって、照度分布と配光分布が変化することが分かる。
次に、本発明に係る光源装置の詳細な実施例について説明する。本実施例は、図1を用いて説明した光源装置1に基づくシミュレーション実験の結果である。光源アレイ13を構成する光源131の1辺の長さpを1mm、第1ロッドインテグレータ11を構成するロッドインテグレータエレメント111の長さL1を10mmとする。第2ロッドインテグレータ12の入射側端面は、長手方向の一辺が6.3mm、短手方向の一辺が4.2mmの長方形である。また、第2ロッドインテグレータ12の出射側端面も、長手方向の一辺は6.3mm、短手方向の一辺は4.2mmの長方形である。なお、第2ロッドインテグレータ12の長さL2を10mmとし、硝材はBK7とする。
上記の設定に基づくシミュレーション実験の結果から得られた第2ロッドインテグレータ12の出射側端面における照度分布を図33に示す。また、第2ロッドインテグレータ12の出射側端面における配光分布を図34示す。図33に示すように、光源装置1において、第2ロッドインテグレータ12の出射側端面における照度分布は均一になっている。このように、第2ロッドインテグレータ12を用いることで、照度ムラを低減させることができる。
図34に示すように、第2ロッドインテグレータ12における半値全幅(FWHM)は43°である。すなわち、図31において示した第1ロッドインテグレータ11の長さL1を10mmにしたときの配光分布とほぼ同じである。すなわち、第2ロッドインテグレータ12によって、配光分布は変化しないことが分かる。これは、第2ロッドインテグレータ12が直方体であり、図15を用いて説明した通り、光の入射角度と反射角度が維持されるためである。したがって、第2ロッドインテグレータ12は、配光分布を維持し、かつ、照度分布を均一化する効果を有する。
次に、本発明に係る光源装置の詳細な別の実施例について説明する。本実施例は、図5を用いて説明した光源装置4に基づくシミュレーション実験の結果である。光源アレイ43を構成する光源431の1辺の長さpを1mm、第1ロッドインテグレータ41を構成するロッドインテグレータエレメント411の長さL1を10mmとする。
第2ロッドインテグレータ42の入射側端面は、長手方向の一辺が6.3mm、短手方向の一辺が4.2mmの長方形とする。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面は、長手方向の一辺は5.04mm、短手方向の一辺は3.36mmとする。なお、第2ロッドインテグレータ12の長さL2を10mmとし、硝材はBK7とする。
上記の設定に基づくシミュレーション実験の結果から得られた第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における照度分布を図35に示す。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における配光分布を図36に示す。図35に示すように、光源装置4において、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における照度分布は、図33に示した光源装置1に比べると、均一性が低下している。
また、図36に示すように、本実施例に係る第2ロッドインテグレータ42の長手方向(横方向)の半値全幅(FWHM)は、61°であって、第2ロッドインテグレータ42の短手方向(縦方向)における半値全幅(FWHM)は、46°である。
以上のように、本実施例に係る光源装置4によれば、第2ロッドインテグレータ42によって、配光分布を変えることができる。また,第2ロッドインテグレータ42の出射側端面の面積を変えることもできる。
次に、本発明に係る光源装置の詳細なさらに別の実施例について説明する。本実施例は、図5を用いて説明した光源装置4に基づくシミュレーション実験の結果である。光源アレイ43を構成する光源431の1辺の長さpを1mm、第1ロッドインテグレータ41を構成するロッドインテグレータエレメント411の長さL1を10mmとする。
第2ロッドインテグレータ42の入射側端面は、長手方向の一辺が6.3mm、短手方向の一辺が4.2mmの長方形とする。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面は、長手方向の一辺は6.0mm、短手方向の一辺は4.0mmの長方形とする。なお、第2ロッドインテグレータ42の長さを10mmとし、硝材はBK7とする。
上記の設定に基づくシミュレーション実験の結果から得られた第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における照度分布を図37に示す。また、第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における配光分布を図38に示す。図37に示すように、光源装置4が備える第2ロッドインテグレータ42の出射側端面における照度分布は、図33に示した光源装置1の照度分布に比べて、均一性は低下する。しかし、実施例2において図35にて示した照度分布と比較すると、均一になっている。
また、図38に示すように、本実施例に係る第2ロッドインテグレータ42の長手方向(横方向)の半値全幅(FWHM)と短手方向(縦方向)における半値全幅(FWHM)は、ともに44°である。
以上のように、本実施例に係る光源装置4によれば、第2ロッドインテグレータ42によって、配光分布を変えることができる。また,第2ロッドインテグレータ42の出射側端面の面積を変えることもできる。
●光源装置と照明光学系のマッチング
次に、本発明に係る光源装置と、照明光学系のマッチングについて説明する。まず、空間変調素子のEtendueによるマッチングの例について説明する。以下の説明において、照明光学系の効率を「η[照明光学系]」、光源のEtendueを「E[光源]」、空間変調素子のEtendueを「E[空間変調素子]」と表記する。一般にη[照明光学系]は、以下の式1によって求められる。
(式1)
η[照明光学系]=E[空間変調素子]/E[光源]
ここで、Etendueとは、保存量であって光源の発光している面積と光源から発散していく光の立体角の積により求められる。Etendueについて、図40を用いて説明する。図40は、発光面積Aの光源から出射される光の法線方向における広がりである出射角(放射角)θを模式的に示す図である。図40から明らかなように、Etendueは、光源の発光面積をA、光源からの光線の出射角(放射角)θとしたときに、以下の式2により求められる。
(式2)
E=πAsin2θ
なお、光源の出射各(放射角)θは、配光分布の半値全幅などで定義される。
式1から明らかな通り、η[照明光学系]を向上させるには、E[空間変調素子]を大きくするか、または、E[光源]を小さくするか,その両方を同時に行うか、のいずれかによる。E[光源]を小さくするには、光源を小さくするか、発光面積を小さくするか、また、光の放射角を小さくするか、これらを同時に行うか、のいずれかによる。
したがって、面光源である光源アレイ13において、E[空間変調素子]が固定であると仮定すると、η[照射光学系]を向上させることは困難である。そこで、Etendueのマッチングを考慮する必要がある。
実施例1に係る光源装置1において、第2ロッドインテグレータ12の出射側端面の面積は26.46mm2(6.3mm×4.2mm)であって、出射角は21.5°である。EtendueをE[光源]とすると、E[光源]は、11.17mm2・steradianとなる。
空間変調素子であるDMD306が備える微小ミラーの傾き角度は、±12°であるから、投射光学系の取り込み角(F値)はこの前後に設定される。投射光学系のF値をF2.5とすると、投射角度θ[投射]は、11.31°となる。
DMD306の解像度を、1024×768画素のXGA規格とし、画素ピッチを0.0108mm、DMD306の対角線のサイズを0.55インチとすると、表示面の面積は、91.73mm2になる。上記を前提として、DMD206のEtendue(E[DMD])を算出すると、E[DMD]は11.08mm2・steradianとなる。これに基づいて式(1)によりη[照明光学系]を算出すると、99.2%となる。
上記の実施例2に係る光源装置4において、第2ロッドインテグレータ12の出射角を53.5°(=(61°+46°)/2)とすると、E[光源]は34.38mm2・steradianである。
DMD306の対角線のサイズを0.55インチとするとη[照明光学系]は、32.2%になり、低効率である。しかし、対角線のサイズが0.9インチ、解像度を2560×1600画素(WQXGA規格)、画素ピッチを0.0075mmとするDMD306を用いた場合は、E[DMD]は33.34mm2・steradianである。よって、η[照明光学系]が97.0%になる。
以上のように、本発明に係る照明光学系において、光源装置と空間光変調素子とのEtendueによるマッチングを考慮することで、第2の出射側端面(第2ロッドインテグレータの出射面)の面積及び出射角の制御を行うことができる。これによって、効率の高い照明光学系を得ることができる。
●画像表示装置の第1実施形態
次に、本発明に係る画像表示装置の実施形態について説明する。図40は、本実施形態に係る画像表示装置5000の光学配置図である。画像表示装置5000は、照明光学系330と、空間光変調素子であるDMD417と、DMDカバーガラス416と、投射レンズ418と、を有してなる。
照明光学系330は、上記にて説明をした光源装置20と、第1リレーレンズ412と、第2リレーレンズ413と、平面ミラーである第1折り返しミラー414と、球面ミラーである第2折り返しミラー415と、を有してなる。
なお、第2折り返しミラー415は、投射レンズ418の鏡胴(不図示)との機械的干渉を避けるため切り欠きを有している。
画像表示装置5000は、本発明に係る光源装置20を有する照明光学系330を備えているので、DMD417を照明する光の照度分布の均一化を図ることができ、投射される画像の照度ムラを低減することができる。
●画像表示装置の第2実施形態
次に、本発明に係る画像表示装置の別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる点を中心に説明する。図41は、本実施形態に係る画像表示装置5001の光学配置図である。画像表示装置5001は、超至近距離からの投射が可能なプロジェクタである。画像表示装置5001は、照明光学系340と、空間光変調素子であるDMD427と、DMDカバーガラス426と、投射レンズ428と、を有してなる。
照明光学系340は、上記にて説明をした光源装置20と、第1リレーレンズ422と、第2リレーレンズ423と、平面ミラーである第1折り返しミラー424と、球面ミラーである第2折り返しミラー425と、を有してなる。
画像表示装置5001は、投射レンズ428、投射系折り返しミラー429、自由曲面ミラー430、によって構成される投射光学系を備えている。投射光学系に自由曲面ミラー430を用いることにより、スクリーン近傍からの投射が可能となる。
画像表示装置5001は、本発明に係る光源装置20を有する照明光学系340を備えているので、DMD427を照明する光の照度分布の均一化を図ることができ、投射される画像の照度ムラを低減することができる。
以上説明したように、本発明に係る画像表示装置によれば、照度分布のムラを低減させることができる光源装置及び照明光学系を備えるので、照度ムラがなく、品質が高い画像を投射することができる。