JP2014126117A - 樹脂部品係止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)における、繰返し使用に対する安定性と、係止力とを両立させるようにする。
【解決手段】樹脂部品21から一体に突設された爪部20を、相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入して係止固定させる樹脂部品係止構造に関する。上記爪部20が、上記樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33で連結することによって、上記一方の梁部31と他方の梁部32との間に、側方へ開口する開口部34を有する閉ループ状挿入部35とされる。上記係止穴23が、少なくとも一方の側部に、上記閉ループ状挿入部35の上記開口部34内へ介在される破損防止用介在部61を有するようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹脂部品係止構造に関するものである。
自動車などの車両には、車室内や車室外に、多数の樹脂部品が用いられている。このような樹脂部品を、車体や他の部品など(以下、相手部品という)に対して取付けるための構造には、大きく分けて、スクリュー固定と、爪固定との2つが存在している。
このうち、爪固定は、更に、樹脂部品とは別体の金属クリップや樹脂クリップなどの別体部品を用いた別体爪構造のものと、樹脂部品と同じ材質で樹脂部品に一体に形成された一体爪構造のもの(例えば、特許文献1参照)とに分けることができる。
このうち、上記した別体爪構造のものは、弾性変形能力の高い金属クリップや柔軟な樹脂クリップなどの別体部品を用いているため、繰返し使用に対する耐力や安定性が高いという特徴がある。
一方、上記した一体爪構造のものは、樹脂部品と同じ材料(例えば、硬質樹脂など)によって構成されているため、高い係止力を得るのが容易であるという特徴がある。また、一体爪構造のものは、樹脂部品に対して一体に形成されているため、別体爪構造のように金属クリップや樹脂クリップなどの別体部品を用いる必要がないので、別体爪構造のものと比べて、部品コストがかからず、また、別体部品を樹脂部品に組付けるための手間がかからないなどの特徴がある。
そして、これらの各構造には、一長一短があるため、用途に応じてそれぞれ使い分けられている。
図10、図11は、上記した一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)を示すものである。この樹脂爪構造は、樹脂部品1に対し、相手部品に設けられた係止穴へ挿入可能な挿入部4と、この挿入部4の一側面から面外方向へ向け突設されて係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部5とを一体に有するものとされる。
上記した挿入部4には、U字状のスリット部6が形成されることによって、スリット部6の内側に片持梁7が設けられる。そして、上記した係止部5は、この片持梁7に対して設けられている。この片持梁7は、挿入部4の先端側に対して連続されると共に、挿入部4の基部側がフリーなものとされている。
そして、挿入部4の他側面(背面)には、その両側部に沿って一対のリブ11が一体に形成されている。このリブ11には、係止穴の他方の縁部に対して当接可能な背面側受部12と、相手部品を挿入方向13に受ける挿入方向受部14とが形成されている。
なお、上記した係止部5は、挿入部4の面直方向15へ移動するスライド型を用いて成形される。
特開2009−96295号公報
しかしながら、上記した一体型の樹脂爪構造(一体爪構造)には、以下のような問題があった。
即ち、上記した一体型の樹脂爪構造は、硬質樹脂などによって構成されているため、比較的容易に高い係止力を得ることができる反面、弾性変形能力が比較的低く、相手部品に対して係止させる際や係止中などに、弾性変形能力を越えるような大きな変形が与えられるなどによって塑性変形が生じると、係止力が一気に低下してしまい、繰返し使用が難しくなるなどの問題を有していた。
また、上記した一体型の樹脂爪構造は、挿入部4の全幅に亘って係止部5を設けることができず、また、挿入部4の全長に亘って片持梁7を設けることができないような構造になっていたため、挿入部4の一部しか係止保持の機能に寄与することができないなどの問題も有していた。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、樹脂部品から一体に突設された爪部を、相手部品に設けられた係止穴へ挿入して係止固定させる樹脂部品係止構造において、前記爪部が、前記樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部で連結することによって、前記一方の梁部と他方の梁部との間に、側方へ開口する開口部を有する閉ループ状挿入部とされ、前記一方の梁部が、その外側面に前記係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部を有し、前記他方の梁部が、その外側面に前記係止穴の他方の縁部に当接可能な背面側受部を有すると共に、前記係止穴が、少なくとも一方の側部に、前記閉ループ状挿入部の前記開口部内へ介在されることにより、前記一方の梁部が破損して、前記樹脂部品から分離されるのを防止可能な破損防止用介在部を有することを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、上記において、前記閉ループ状挿入部が、少なくとも、前記係止部よりも先端側の部分の幅寸法が先端側へ向かって狭くなる先狭形状とされ、前記破損防止用介在部が、前記係止部よりも前記樹脂部品寄りの位置に設けられたことを特徴とする。
請求項1に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、樹脂部品に一体に形成された爪部を相手部品に設けられた係止穴へ挿入して係止させることにより、樹脂部品を相手部品に対して固定保持させることができる。
この際、一方の梁部の外側面に設けた係止部が、係止穴の一方の縁部に係止されることにより、相手部品に対する樹脂部品の係止保持が行われる。また、他方の梁部の外側面に設けた背面側受部が、係止穴の他方の縁部に対して当接されることにより、相手部品に対する樹脂部品の面方向(爪部の挿入方向と直交する方向)の位置規制が行われる。
そして、相手部品の係止穴へ挿入される爪部を、樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部によって連結した閉ループ状挿入部とすることにより、構造的に爪部の弾性変形能力を高めることが可能となるので、爪部が係止穴へ挿入係止される際や挿入された後などに、塑性変形を起こし難くなり、爪部の塑性変形による係止力の低下を防止して、繰返し使用による耐力や安定性を向上することができる。しかも、爪部を閉ループ状挿入部としない場合と比べて、爪部の塑性変形による破損を生じ難くすることもできる。
加えて、閉ループ状挿入部は、側方(幅方向)へ移動するスライド型によって成形されるものとなるため、一方の梁部の係止部と対向する位置に障害物などがあって、一方の梁部の面直方向へスライド型を移動させられないような場合であっても、支障なく閉ループ状挿入部を成形する(或いは、型構造を成立させる)ことが可能となる。
そして、係止穴の少なくとも一方の側部に設けた破損防止用介在部を、閉ループ状挿入部の開口部内へ介在させることにより、一方の梁部が破損して樹脂部品から分離されるのを、破損防止用介在部が押さえて防止することができる。また、仮に、一方の梁部が破損した場合でも、破損防止用介在部が一方の梁部の背面を保持して、一方の梁部がほとんど変位されないようにすることで、係止状態を継続させることが可能となる。
以上により、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)であっても、繰返し使用に対する耐力や安定性をこれまでよりも向上しつつ、これまでと同様またはそれ以上の高い係止力を得ることができる。即ち、上記した安定性と係止力とを高いレベルで両立させることが可能となる。
請求項2に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、閉ループ状挿入部が、少なくとも、係止部よりも先端側の部分の幅寸法が先端側へ向かって狭くなる先狭形状とされたことにより、閉ループ状挿入部の形状を単純化すると共に、閉ループ状挿入部を相手部品の係止穴へ挿入し易くすることができる。しかも、閉ループ状挿入部を係止穴へ挿入する際に、破損防止用介在部を開口部内へ自然に収容することもできる。
また、破損防止用介在部が、係止部よりも樹脂部品寄りの位置に設けられたことにより、係止部が係止穴の一方の縁部に係止される際や係止された後に、一方の梁部の基部に発生する負荷の少なくとも一部を、破損防止用介在部によって受けさせることができるようになるので、一方の梁部の基部が破損するのを効果的に防止することができる。
本発明の実施例にかかる樹脂爪構造の側面図である。 図1を前面側から見た斜視図である。 図1を背面側で且つ下側から見た斜視図である。 図2の分解斜視図である。 図1の樹脂爪構造を前面側から見た図である。 先狭形状部を有さない場合の樹脂爪構造を前面側から見た図である。 一方の梁部が破損した状態を示す図1の樹脂爪構造の側面図である。 破損時梁受部がない場合の樹脂爪構造の側面図である。 図8で破損した一方の梁部が背面側へ変形する状態を示す樹脂爪構造の側面図である。 従来例にかかる樹脂爪構造の表面側から見た斜視図である。 図10を背面側から見た斜視図である。
以下、本実施の形態を具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図9は、この実施例およびその変形例を示すものである。
<構成>以下、構成について説明する。
この実施例にかかる樹脂部品係止構造は、主に図1に示すように、樹脂部品21から一体に突設された爪部20(一体爪)を、相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入して係止固定させるものとされる。
(補足説明)
上記した樹脂爪構造は、自動車などの車両の場合、車室内や車室外に設けられる各種の樹脂部品に対して設けられる。例えば、車室内の前部に設けられるインストルメントパネルや、このインストルメントパネルに取付けられる各種のサブパネルや、車室内に設置されるセンターコンソールや、このセンターコンソールに取付けられる各種のサブパネルなどに設けられる。
なお、樹脂部品21および相手部品22は、上記したものや、図示したような形状のものに限るものではない。また、係止穴23は、挿入部24が挿入できる最小限の大きさ(幅寸法および奥行き寸法)を有するものとされる。
爪部20は、係止穴23へ挿入可能な挿入部24と、この挿入部24の一側面から面外方向へ向け突設されて上記した係止穴23の一方の縁部(図中左側の縁部)に係止可能な係止部25とが一体に形成されたもの(一体爪)とされる。
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
(構成1)
上記爪部20が、上記樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33で連結することによって、上記一方の梁部31と他方の梁部32との間に、側方へ開口する開口部34を有する閉ループ状挿入部35とされる。
そして、上記一方の梁部31が、その外側面に上記係止穴23の一方の縁部に係止可能な上記した係止部25を有するものとされる。
また、上記他方の梁部32が、その外側面に上記係止穴23の他方の縁部に当接可能な背面側受部36を有するものとされる。
更に、上記係止穴23が、少なくとも一方の側部に、上記閉ループ状挿入部35の上記開口部34内へ介在されることにより、上記一方の梁部31が破損して、上記樹脂部品21から分離されるのを防止可能な破損防止用介在部61を有するものとされる。
(補足説明1)
ここで、上記した「樹脂部品21」は、硬質の樹脂によって構成される。但し、樹脂部品21は、軟質の樹脂によって構成されたものとすることもできる。
上記した「相手部品22」は、金属部品であっても、樹脂部品21であっても良い。
上記した「係止部25」は、先端側に導入テーパ部25aを有すると共に、基部側に係止穴23の一方の縁部の裏面側に係止される係止面25bを有する側面視ほぼ山型の突出部とされる。この場合、係止部25の内側面は、係止部25の突出形状に応じた凹形状とされている。この係止面25bは、所要角度の傾斜を有するものとされている。係止部25は、一方の梁部31の幅方向43の全域に亘って延びる広幅のものとされる。
上記した「一方の梁部31」と、「他方の梁部32」とは、それぞれ、(連結折返部33によって連結されていない状態では、)互いに僅かな間隔を有して、樹脂部品21からほぼ平行に延びる片持状のものとされる。一方の梁部31と他方の梁部32との間の間隔は、おおむね、一方の梁部31または他方の梁部32の肉厚のほぼ1.5倍から4倍程度の範囲内のものなどとされる。
上記した「連結折返部33」は、文字通り、一方の梁部31と、他方の梁部32との先端部間を連結して一体化し、全体を折返形状にするためのものである。連結折返部33周辺の内外面には、上記係止穴23への挿入が容易となるように、また、応力集中を緩和するために、適宜アール加工が施されている。
上記した「開口部34」は、閉ループ状挿入部35に必要な弾性変形力を確保するために、一方の梁部31と他方の梁部32との間を連結する梁や壁などが何もない状態で、閉ループ状挿入部35の先端部から基部まで、連続して挿入方向38へ延びる通し空間を、少なくとも一つ有するものとされる。
上記した「閉ループ状挿入部35」は、樹脂部品21から面外方向へ向けてほぼ逆U字状に延びる比較的細長いもの(挿入部24)とされる。この閉ループ状挿入部35は、基部(付根部)側の部分間が樹脂部品21によって閉ループ状に閉じられている、即ち、樹脂部品21が閉ループ状の底部となる部分を有している。このほぼ逆U字状の閉ループ状挿入部35は、その両端部(一方の梁部31と他方の梁部32との基部)が、樹脂部品21に対して一体的に連続されることにより、両持梁を構成している。
この閉ループ状挿入部35は、ほぼ全体が均等に弾性変形し得るようにするために、例外的な部分を除いてほぼ均一な肉厚を有するものとされている。例えば、上記した係止部25の部分は、例外的に、他の部分よりも若干厚肉に構成されていると共に、それ以外の部分は、肉厚がほぼ一定とされている。この閉ループ状挿入部35は、例えば、図示しないスライド型を幅方向43(図2参照)へ移動させることによって形成される。これにより、閉ループ状挿入部35は、一定の断面形状を有して幅方向43へ延びるものなどとなる。
上記した「背面側受部36」は、係止穴23に対する挿入部24の挿入方向38へ延びるものとされる。背面側受部36は、他方の梁部32の先端側から中間部まで延びる比較的長いものとされている。
また、上記他方の梁部32が、その外側面に、上記相手部品22を挿入方向38に受ける「挿入方向受部37」を有しても良い。
上記した挿入方向受部37は、相手部品22(の表面側、または、図中下面側)の係止穴23周辺の部分を受ける(当接支持する)ものとされる。挿入方向受部37は、背面側受部36よりも基部側の部分に設けられる。この挿入方向受部37は、挿入部24の面直方向45で、且つ、一方の梁部31とは反対側へ延びる屈曲面とされる。挿入方向受部37は、上記面直方向45へ所要の長さに延びた後、樹脂部品21側へ屈曲されて上記挿入方向38へ延びることにより、所要の長さの高さ調整部46を有して樹脂部品21に接続される。
そして、係止部25の係止面25bと挿入方向受部37との間の距離47が、相手部品22の肉厚とほぼ等しくなるように設定される。
そして、上記した「破損防止用介在部61」は、破損した一方の梁部31を、破損前の位置からほとんど動かないように係止保持するものとしても機能する。破損防止用介在部61は、好ましくは、係止穴23の両側部に対して、一体に突設されるようにする。
(構成2)
図2〜図5(特に、図5)に示すように、上記閉ループ状挿入部35が、少なくとも、上記係止部25よりも先端側の部分の幅寸法が先端側へ向かって狭くなる先狭形状とされる。
そして、上記破損防止用介在部61が、上記係止部25よりも上記樹脂部品21寄りの位置に設けられるようにする。
(補足説明2)
この場合、閉ループ状挿入部35は、係止部25よりも基部側に位置する部分から係止部25を越えて先端部へ至るまでの広い範囲に亘って幅寸法が変化する先狭形状部49を、少なくとも一方の側部または両側部に有するものとされる。この先狭形状部49は、先端側へ進むに従い幅中央部へ向かう傾斜面などとされる。この傾斜面は、直線状としても良いし、曲線状としても良いし、それ以外の形状としても良い。この場合、先狭形状部49は、閉ループ状挿入部35の両側部に対して直線状に形成されている。
破損防止用介在部61は、係止穴23の側部から、樹脂部品21の側へ向けて屈曲する部分を有するように突設形成されている。
なお、閉ループ状挿入部35を先狭形状部49にしない場合には、図6に示すように、閉ループ状挿入部35の基部側に、側方へ向けて係止穴23の幅寸法よりも大きく延びる段差状収容部50を設けるようにすることもできる。この段差状収容部50は、樹脂部品21の側へ向けて屈曲された破損防止用介在部61を収容可能なものとされる。この場合、破損防止用介在部61は、段差状収容部50における、一方の梁部31と他方の梁部32との間の部分に収容されることとなる。
(構成3)
そして、必要な場合には、図3に示すように、少なくとも上記他方の梁部32が、緊急時の荷重入力によって破断可能な緊急時破断予定部51を有するものとされる。
(補足説明3)
ここで、上記した「緊急時破断予定部51」は、他方の梁部32に対して少なくとも1つ以上設けるようにすることができる。この緊急時破断予定部51は、他方の梁部32を部分的に薄肉にするものであり、切欠部やノッチ部などの脆弱部とすることができる。この場合、緊急時破断予定部51は、例えば、三角溝などの脆弱部とされている。この三角溝は、上記した幅方向43へ延びるものなどとされている。但し、緊急時破断予定部51は、三角溝に限るものではなく、また、幅方向43へ延びるものに限るものではない。
この場合、緊急時破断予定部51は、高さ調整部46の内側面(開口部34内)の部分(緊急時破断予定部51a)と、挿入方向受部37の内側面の部分(緊急時破断予定部51b)との2箇所に対して設けられている。そして、高さ調整部46に設けた緊急時破断予定部51aが、メインのものとされ、挿入方向受部37に設けた緊急時破断予定部51bが補助的なものとされている。但し、緊急時破断予定部51は、1箇所としても、3箇所以上としても良い。また、緊急時破断予定部51は、他方の梁部32の外面側などに対して設けることもできる。
(構成4)
上記において必要な場合には、図8に示すように、上記他方の梁部32と上記樹脂部品21との間に、上記他方の梁部32の強度を調整可能な強度調整用壁部55が設けられる。
(補足説明4)
ここで、上記した「強度調整用壁部55」は、他方の梁部32の基部側における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間の、開口部34の屈曲部分の内側に対し、全面的或いは部分的に設けられるようにする。
この場合、強度調整用壁部55は、上記したスライド型との干渉を避けるために、閉ループ状挿入部35の一側または他側に片寄せて設けるようにするのが好ましい。
この強度調整用壁部55には、更に、上記した緊急時破断予定部51を設けることができる。この緊急時破断予定部51は、適宜の位置に適宜の数だけ設けることができるが、上記した挿入方向受部37や高さ調整部46に対して緊急時破断予定部51が設けられる場合には、これらと連続させて同じ数だけ設けるなどするのが好ましい。この場合には、緊急時破断予定部51として、上記した挿入方向38や面直方向45へ延びる三角溝を十字状に設けるようにしている。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
樹脂部品21に一体に形成された爪部20を相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入して係止させることにより、樹脂部品21を相手部品22に対して固定保持させることができる。
この際、一方の梁部31の外側面に設けた係止部25が、係止穴23の一方の縁部に係止されることにより、相手部品22に対する樹脂部品21の係止保持が行われる。また、他方の梁部32の外側面に設けた背面側受部36が、係止穴23の他方の縁部に対して当接されることにより、相手部品22に対する樹脂部品21の面方向(爪部20の挿入方向と直交する方向)の位置規制が行われる。
更に、他方の梁部32の外側面に挿入方向受部37を設けた場合には、挿入方向受部37が相手部品22を受けることにより、相手部品22に対する樹脂部品21の挿入方向38の位置規制を行うことができる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(作用効果1)
そして、相手部品22の係止穴23へ挿入される爪部20を、樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33によって連結した閉ループ状挿入部35とすることにより、構造的に爪部20の弾性変形能力を高めることが可能となるので、爪部20が係止穴23へ挿入係止される際や挿入された後などに、塑性変形を起こし難くなり、爪部20の塑性変形による係止力の低下を防止して、繰返し使用による耐力や安定性を向上することができる。しかも、爪部20を閉ループ状挿入部35としない場合と比べて、爪部20の塑性変形による破損を生じ難くすることもできる。
加えて、閉ループ状挿入部35は、側方(幅方向)へ移動するスライド型によって成形されるものとなるため、一方の梁部31の係止部25と対向する位置に障害物などがあって、一方の梁部31の面直方向へスライド型を移動させられないような場合であっても、支障なく閉ループ状挿入部35を成形する(或いは、型構造を成立させる)ことが可能となる。
そして、係止穴23の少なくとも一方の側部に設けた破損防止用介在部61を、閉ループ状挿入部35の開口部34内へ介在させることにより、一方の梁部31が破損して樹脂部品21から分離されるのを、破損防止用介在部61が押さえて防止することができる。また、仮に、図7に示すように、一方の梁部31が破損した場合でも、破損防止用介在部61が一方の梁部31の背面を保持して、一方の梁部31がほとんど変位されないようにすることで、係止状態を継続させることが可能となる。
これに対し、図8に示すように、破損防止用介在部61を設けない場合には、一方の梁部31が破損して樹脂部品21から分離されるのを防止する機能が得られないと共に、図9に示すように、一方の梁部31が破損して樹脂部品21から分離された場合に、一方の梁部31が大きく変位されて係止状態が容易に解除されてしまうこととなるので、係止状態を継続させることができなくなる。
以上により、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)であっても、繰返し使用に対する耐力や安定性をこれまでよりも向上しつつ、これまでと同様またはそれ以上の高い係止力を得ることができる。即ち、上記した安定性と係止力とを高いレベルで両立させることが可能となる。
(作用効果2)
閉ループ状挿入部35が、少なくとも、係止部25よりも先端側の部分の幅寸法が先端側へ向かって狭くなる先狭形状とされたことにより、閉ループ状挿入部35の形状を単純化すると共に、閉ループ状挿入部35を相手部品22の係止穴23へ挿入し易くすることができる。しかも、閉ループ状挿入部35を係止穴23へ挿入する際に、破損防止用介在部61を開口部34内へ自然に収容することもできる。
また、破損防止用介在部61が、係止部25よりも樹脂部品21寄りの位置に設けられたことにより、係止部25が係止穴23の一方の縁部に係止される際や係止された後に、一方の梁部31の基部に発生する負荷の少なくとも一部を、破損防止用介在部61によって受けさせることができるようになるので、一方の梁部31の基部が破損するのを効果的に防止することができる。
(作用効果3)
少なくとも他方の梁部32が緊急時破断予定部51を有することにより、緊急時の荷重入力によって、少なくとも他方の梁部32を破断させることができる。これにより、緊急時の荷重入力を吸収し、緩和させることができる。
この場合、高さ調整部46に設けた緊急時破断予定部51aと、挿入方向受部37に設けた緊急時破断予定部51bとが破断することにより、他方の梁部32の基部が樹脂部品21から分離されると共に一部が抜けて大幅に短くなり、樹脂部品21が相手部品22側へ大きく移動できるようになる。
(作用効果4)
他方の梁部32と樹脂部品21との間に強度調整用壁部55を設けることにより、設計時などに強度調整用壁部55を設定することによって他方の梁部32の強度を調整することができる。これにより、閉ループ状挿入部35の一部を構成する他方の梁部32を、通常時に容易に破損されることのないように強化すると共に、閉ループ状挿入部35の弾性変形能力や弾性変形の仕方を調整することができるので、閉ループ状挿入部35を最適化することが可能となる。
なお、他方の梁部32の強度を大きく上げたい場合には、強度調整用壁部55は、他方の梁部32の基部における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間に対し、全体的に設けたり、或いは、厚肉に形成したりする。
反対に、他方の梁部32の強度を小さく上げたい場合には、強度調整用壁部55は、他方の梁部32の基部における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間に対し、部分的に設けるようにしたり、或いは、薄肉に形成したりする。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
自動車用の樹脂部品に限らず、各種の分野に用いられる樹脂部品に対して広く適用することが可能である。
20 爪部
21 樹脂部品
22 相手部品
23 係止穴
25 係止部
31 一方の梁部
32 他方の梁部
33 連結折返部
34 開口部
35 閉ループ状挿入部
36 背面側受部
49 先狭形状部
61 破損防止用介在部

Claims (2)

  1. 樹脂部品から一体に突設された爪部を、相手部品に設けられた係止穴へ挿入して係止固定させる樹脂部品係止構造において、
    前記爪部が、前記樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部で連結することによって、前記一方の梁部と他方の梁部との間に、側方へ開口する開口部を有する閉ループ状挿入部とされ、
    前記一方の梁部が、その外側面に前記係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部を有し、
    前記他方の梁部が、その外側面に前記係止穴の他方の縁部に当接可能な背面側受部を有すると共に、
    前記係止穴が、少なくとも一方の側部に、前記閉ループ状挿入部の前記開口部内へ介在されることにより、前記一方の梁部が破損して、前記樹脂部品から分離されるのを防止可能な破損防止用介在部を有することを特徴とする樹脂部品係止構造。
  2. 前記閉ループ状挿入部が、少なくとも、前記係止部よりも先端側の部分の幅寸法が先端側へ向かって狭くなる先狭形状とされ、
    前記破損防止用介在部が、前記係止部よりも前記樹脂部品寄りの位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂部品係止構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180066349A (ko) * 2016-12-08 2018-06-19 (주)대한솔루션 자동차용 선루프 장착용 파스너

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