JP2014121715A - レーザー溶接方法 - Google Patents

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【課題】レーザー溶接を行う場合において、溶接部の裏面が隠蔽されている場合であっても、溶接部の裏面に形成されたキーホール貫通孔を確認できるようにして、確実に溶接品質を確保することができるレーザー溶接方法を提供する。
【解決手段】複数(本実施形態では二つ)の被溶接部材(第一部材2および第二部材3)を突き合わせた部位である溶接部1aにレーザー光を照射して、第一部材2および第二部材3を接合するレーザー溶接方法であって、溶接部1aのレーザー溶接時に、レーザー光の照射方向を基準とする溶接部1aの裏面1cの位置に焦点を合わせた、溶接部1aを撮影するためのカメラ12によって、溶接部1aに形成される溶融池6を撮影し、カメラ12によって撮影した溶融池6の映像に現れる、キーホール貫通孔7が生じたことを示す黒点を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、確実に貫通溶接を行うことができるレーザー溶接方法の技術に関する。
従来、レーザー溶接を行う場合、溶接時における溶接部の様子を観察するための技術が開発されるに至っており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
特許文献1に開示されている従来技術では、レーザー溶接用のトーチにカメラを付設する構成としており、トーチによるレーザー光の照射方向と同軸の方向の視野をカメラにより撮影可能な構成としている。
また、特許文献1に開示されている従来技術では、そのカメラの焦点を、レーザー溶接を行う部位(より詳しくは、被溶接部材の表面)に合わせることによって、溶接中に形成される溶融池の状況を確認しながら、溶接の進行状況や品質の良否等を確認できる構成としている。
また従来、溶接部の裏面にキーホール貫通孔が形成されたこと(即ち、貫通溶接が確実になされたこと)を確認して、レーザー溶接における溶接品質を確保する技術が知られており、例えば、以下に示す特許文献2にその技術が開示され公知となっている。
尚、キーホールとは、レーザー光が溶接材に照射されるときに、該溶接材(金属)が蒸発してできる空洞のことであり、キーホール貫通孔とは、そのキーホールの先端において溶接材の裏側に貫通して形成される孔のことである。
特許文献2に開示されている従来技術では、レーザー溶接により鋼管を製造する場合において、鋼管の内部にカメラを配置するとともに、当該カメラによって、溶接部の裏面にキーホール貫通孔が形成されたことを確認しつつ、レーザー溶接を行う構成としている。
このような構成により、溶接部における脚長を確実に確保して、溶接品質を確保することを可能にしている。
特開2001−287064号公報 特開2010−240734号公報
しかしながら、溶接部の裏面が隠蔽されている場合、カメラによって、溶接部の裏面を確認することができず、また、溶接部の表面を撮影したカメラの画像からは、キーホール貫通孔の有無を確認することができなかった。
このため、特許文献1や特許文献2に開示されている従来技術では、溶接部の裏面が隠蔽されている場合には、溶接部の裏面の状況を確認する(即ち、キーホール貫通孔の有無を確認する)ことができないため、キーホール貫通孔が形成されたことを確認して溶接品質の確保を図ることができなかった。
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、レーザー溶接を行う場合において、溶接部の裏面が隠蔽されている場合であっても、溶接部の裏面に形成されたキーホール貫通孔を確認できるようにして、確実に溶接品質を確保することができるレーザー溶接方法を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、複数の被溶接部材を突き合わせた部位である溶接部にレーザー光を照射して、前記複数の被溶接部材を接合するレーザー溶接方法であって、前記溶接部のレーザー溶接時に、前記レーザー光の照射方向を基準とする前記溶接部の裏面の位置に焦点を合わせた、前記溶接部を撮影するためのカメラによって、前記溶接部に形成される溶融池を撮影し、前記カメラによって撮影した前記溶融池の映像に現れる、キーホール貫通孔が生じたことを示す黒点を検知するものである。
請求項2においては、前記黒点を検知した後において、前記黒点の径が拡大するときには、前記レーザー光の出力を減少させ、前記黒点の径が縮小するときには、前記レーザー光の出力を増大させるものである。
請求項3においては、前記黒点を検知したときに、レーザー溶接を終了するものである。
請求項4においては、前記複数の被溶接部材は、それぞれ前記溶接部の裏面における前記キーホール貫通孔に隣接する位置において、前記レーザー光の照射軸の位置を基準位置として、前記基準位置からビードの幅の1/2以上の幅を有する隙間を備え、前記複数の被溶接部材の各隙間によって、前記ビードの幅以上の幅を有する空隙部を形成するものである。
請求項5においては、前記カメラによって、前記溶融池から生じる熱放射光を検出するものである。
請求項6においては、前記カメラによって、950±50nmの波長帯の前記熱放射光を検出するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1から請求項3においては、キーホール貫通孔が被溶接部材の隠蔽部で生じる場合であっても、溶接品質を確保することができる。
請求項4から請求項6においては、被溶接部材の表面側から、カメラによって、確実にキーホール貫通孔の有無を検出することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法により接合した被溶接部材を示す断面模式図。 従来のレーザー溶接方法により接合した被溶接部材を示す断面模式図。 本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法により接合する場合の被溶接部材における溶接部を示す模式図、(a)平面模式図、(b)図2(a)におけるP−P断面図。 本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法に用いるレーザー溶接装置の全体構成を示す模式図。 溶融池から発せられる光の分光器による測定結果を示す図。 物体の温度ごとの熱放射光の波長と強度の関係を示す図。 溶接部におけるキーホール貫通孔の形成状況を示す模式図、(a)本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法の場合、(b)従来のレーザー溶接方法(キーホール貫通孔の形成なし)の場合。 従来のレーザー溶接方法において溶接部に形成されるキーホール貫通孔を示す模式図。 キーホール貫通孔が確認可能な空隙部の寸法を確認した実験結果を示す図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法の適用対象たる被溶接部材の構成について、図1から図3を用いて説明をする。
図1には、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法の適用対象たる部材の一例である被溶接部材1を示しており、図2には、従来の被溶接部材21を示している。
図1に示す如く、被溶接部材1は、第一部材2と第二部材3からなる部材であり、第一部材2と第二部材3をレーザー溶接して接合することにより、一体的な部材として構成されるものである。
第一部材2および第二部材3は、所定角度の開先が形成された部位同士を突き合わせて溶接部1aを形成しており、該溶接部1aにレーザー光を照射することによって、被溶接部材1に対するレーザー溶接が行われる構成としている。
そして、図3(a)(b)に示すように、溶接部1aにレーザー光を照射することによって、第一部材2および第二部材3を構成する金属が溶融して溶融池6が形成されるとともに、レーザー光の照射を終えた後の溶融池6では溶融した金属が固化して、図1に示すようなビード4が形成される。
また、図3(a)(b)に示すように、溶融池6にレーザー光を照射し続けると、溶接部1aの裏面1cにはキーホール貫通孔7が形成される。
このキーホール貫通孔7は、溶接部1aにおいて貫通溶接が適切になされたことを確認する目安となるものであり、また、キーホール貫通孔7が形成されたことをもって、溶接部1aにおけるビード4の脚長が確保されたことが確認できるものである。
また、図1に示す如く、被溶接部材1では、溶接部1aの裏面1cに隣接する部位において、空隙部5を備える構成としている。
空隙部5は、溶接部1aに対するレーザー光の照射方向に対して略平行な側面と、裏面1c等によって区画される空隙である。
そして、被溶接部材1では、溶接部1aの裏面1cが、被溶接部材1の内部に隠蔽される構成となっている。
また、本実施形態においては、溶接前の溶接部1aにおける第一部材2と第二部材3との突き合わせ部には、第一部材2と第二部材3との間に若干の隙間が形成されているが、空隙部5は、第一部材2と第二部材3との間の隙間よりも大きく形成されている。
本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法は、被溶接部材1のように、溶接部1aの裏面1cが隠蔽部に配置される対象物に対して、レーザー溶接を行う用途に好適なものとなっている。
一方、図2に示す如く、従来のレーザー溶接方法におけるレーザー溶接を行う対象物である被溶接部材21は、第一部材22と第二部材23からなる部材であり、第一部材22と第二部材23をレーザー溶接して接合することにより、一体的な部材として構成されるものである。
また、第一部材22および第二部材23は、所定角度の開先が形成された部位同士を突き合わせて溶接部21aを形成しており、該溶接部21aにレーザー光を照射することによって、ビード24を形成してレーザー溶接を行う構成としている。
そして、被溶接部材21では、溶接部21aの裏面に隣接する部位において、前述した空隙部5に対応する空隙部が無い点において、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法における対象物たる被溶接部材1と相違している。
即ち、従来のレーザー溶接方法では、溶接部21aの裏面において空隙部が無い状態でレーザー溶接を行う構成としている点において、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法と相違している。
次に、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法を実現するレーザー溶接装置の全体構成について、図4を用いて説明をする。
図4に示す如く、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法を実現するレーザー溶接装置10は、被溶接部材1の溶接部1aに対してレーザー光を照射するためのトーチ11と、該トーチ11により照射するレーザー光と同軸の方向視において溶接部1aを撮影することができるカメラ12と、を備える構成としている。
また、レーザー溶接装置10は、被溶接部材1を、被溶接部材1自身の軸心回りに回転可能に支持するための回転支持部13を備えており、被溶接部材1を軸心回りに回転させながら略円環状に形成される溶接部1aに沿って、レーザー溶接を行うことができる構成としている。
さらに、レーザー溶接装置10は、トーチ11、カメラ12および回転支持部13の動作を制御するための装置である制御装置14を備えている。
制御装置14は、トーチ11、カメラ12および回転支持部13と接続されており、カメラ12により撮影した画像を取り込んで画像処理することによって、キーホール貫通孔7の有無を判定することができるプログラムが組み込まれている。
尚、制御装置14としては、演算手段(CPU)、記憶手段(ROMやRAM)、外部記憶手段(HDD)等を備え、所定の画像処理プログラム、演算プログラム、判定プログラム等がインストールされている汎用的なパーソナルコンピュータを用いることができる。
そして、制御装置14は、キーホール貫通孔7の判定により、トーチ11によるレーザー光の強度を変化させたり、あるいは、回転支持部13を作動させて、トーチ11によるレーザー光の照射位置を変更したりすることができるように構成している。
尚、本実施形態では、被溶接部材1が軸部材(軸回りに対称な形状)であり、円環状の溶接部1aに対して円環状の軌跡を描きつつレーザー溶接する場合を例示しているが、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法はこのような場合に限定されず、例えば、直線状の溶接部に対してレーザー溶接を行う場合にも適用することができる。
ここで、カメラにより撮影する光の波長の検討結果について、図4および図5を用いて説明をする。
図4には、レーザー溶接において形成される溶融池からの発光を分光器によって観測した結果を示している。
そして、図4に示す観測結果からは、レーザー溶接における溶融池からの発光には、プラズマ光、熱放射光、反射光が含まれていることが判った。
溶融池の温度は、Feの沸点である3000K程度であると考えられるが、温度が3000Kである物体が発する熱放射光の強度のピークは、図5に示すように950nm付近にある。
このため、カメラで熱放射光を撮影する場合には、950nm付近(より詳しくは、950±50nm)の波長帯を観測するのが好適であることが判った。
また、カメラでプラズマ光を撮影する場合には、530nm付近に現れる感度の高い波長帯を用いるのが好適であり、カメラで反射光を撮影する場合には、1070nm付近の感度の高い波長帯を用いるのが好適であることが判った。
そして、カメラによってキーホール貫通孔を検出しようとするときに、いずれの光を観測するのが好適であるかを確認する実験を行った。
そして、このような実験の結果、カメラ12によって、熱放射光を撮影するとともに、そのカメラの焦点位置を溶接部1aの裏面1cに合わせることで、表面1b側から裏面1cに形成されたキーホール貫通孔を検出できることが確認できた。
このため、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法で用いるカメラ12は、溶接部1aにおける熱放射光(900〜1050nm程度の波長を有する光)を撮影できる仕様のものを採用して、焦点位置を溶接部1aの裏面1cに合わせて使用する構成としている。
ここで、空隙部5の形状の検討結果について、図7を用いて説明をする。
従来レーザー溶接を行う場合、図7(b)に示すように空隙部5に対応する空隙部が無いと、溶接部21aに形成されるビード24は、脚長方向に向かって成長していくため、キーホール貫通孔が形成されにくい状況となっている。
一方、図7(a)に示すように、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法で用いる被溶接部材1のように、空隙部5が形成されている場合、ビード4が空隙部5に至ったところで、脚長の増大が止まるため、ビード4が裏面1cにまで至ったところで、レーザー光によりビード4が貫通され、確実にキーホール貫通孔7が形成される。
即ち、空隙部5を設けることによって、貫通溶接が確実になされたことの判断基準となるキーホール貫通孔7を裏面1cにおいて確実に形成できるようになる。
次に、空隙部5の寸法の検討結果について、図1、図7〜図9を用いて説明をする。
従来レーザー溶接を行う場合、図8に示すように空隙部5に対応する空隙部が無いと、第一部材22と第二部材23の熱容量差(第二部材23よりも第一部材22の熱容量が小さいこと)に起因して、溶融池が第一部材22側に偏向し、ビード24が第一部材22側に偏向して形成されることとなっている。
そしてこの状況では、ビード24に形成されるキーホール貫通孔が、レーザー光の照射軸から第二部材23側に偏心した位置に形成されることとなるため、レーザー光と同軸方向視からカメラ12で撮影した場合には、キーホール貫通孔がうまく撮影できなかった。
一方、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法では、図1に示すように空隙部5の寸法を規定している。つまり、空隙部5は、レーザー光の照射軸Xを基準として、第一部材2側と第二部材3側との両方に形成されており、第一部材2側の空隙部5の寸法をAとし、第二部材3側の空隙部5の寸法をBとして規定している。
この場合キーホール貫通孔7は、図7(a)に示すように、レーザー光の照射軸X上に形成されるため、レーザー光と同軸方向視からカメラ12で撮影した場合に、キーホール貫通孔7をうまく撮影することができる。
また、キーホール貫通孔7の背後に空隙部5が存在していると、空隙部5からは熱放射光が生じないため、表面1b側から溶接部1aを撮影したときに、キーホール貫通孔7を黒点状の画像として撮影することができるようになり、表面1b側からカメラ12で撮影した画像に基づいてキーホール貫通孔7を検出することが可能になる。
さらに、図9に適切な空隙部5の寸法を確認した実験結果を示している。
図9に示す実験は、ビード4の幅Cが12mmである場合に、キーホール貫通孔7の検出を可能とするために、隙間A・B(図1参照)の寸法をどのように規定するのが好適かを確認したものである。
図9によると、第一部材22または第二部材23の片側にのみ隙間を設ける構成(即ち、図8に示す従来の被溶接部材21のような構成)とした場合、キーホール貫通孔の偏心が生じるため、隙間Aを大きくしていっても(最大3.0mmとしても)、キーホール貫通孔を検出することができなかった。
一方、第一部材2および第二部材3の両側に隙間を設ける構成(即ち、図1に示す被溶接部材1のような構成)とした場合、キーホール貫通孔7の偏心が防止され、隙間A、Bをそれぞれ0.6mm以上とした場合に、キーホール貫通孔7を検出することができた。
そして、この実験結果から、ビード4の幅C(本実施形態では、1.2mm)を基準として、レーザー光の照射軸の位置から第一部材2側にC/2(0.6mm)以上の隙間Aを確保し、かつ、第二部材3側にC/2(0.6mm)以上の隙間Bを確保すれば、カメラ12によって、キーホール貫通孔7を検出できることが判った。
そして、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法では、溶接部1aにおけるレーザー光の軸心位置に対する第一部材2の隙間Aを、ビード4の幅Cの1/2以上とし(即ち、A≧C/2)、かつ、第二部材3の隙間Bを、ビード4の幅Cの1/2以上とする(即ち、B≧C/2)構成とした被溶接部材1に、レーザー溶接を行う構成としている。
そして、空隙部5の寸法をこのように規定することにより、第一部材2と第二部材3の熱容量差に起因して、溶融池6が偏向して形成されることを防止できる。
そしてこれにより、ビード4に形成されるキーホール貫通孔7が、レーザー光の照射軸上に形成されることとなるため、レーザー光と同軸の方向視からカメラ12で撮影した場合に、キーホール貫通孔7を確実に検出することができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法では、溶接部1aの裏面1cに隣接する部位に空隙部5を設けるとともに、空隙部5の寸法を図1に示すように規定し、波長が950±50nmの熱放射光を撮影できるカメラ12で、裏面1cの位置に焦点を合わせて溶接部1aを撮影することによって、隠蔽された裏面1cに形成されたキーホール貫通孔7の検出を可能にしている。
次に、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法によるレーザー溶接の実施状況について説明をする。
本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法は、図4に示すようなレーザー溶接装置10を用いて、図1に示すような被溶接部材1に対してレーザー溶接を行うことによって実現することができる。
レーザー溶接装置10を用いて被溶接部材1に対してレーザー溶接を行う場合には、図7(a)に示すように、カメラ12の焦点位置を、溶接部1aの裏面1cに合わせておく。
そして、トーチ11によって、溶接部1aにレーザー光を照射して、溶接部1aに溶融池6(図2参照)を形成する。
また、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法では、トーチ11によって、溶接部1aにレーザー光を照射しながら、カメラ12によって、溶接部1aを、レーザー光の照射方向と同軸の方向から撮影する。
そして、溶融池6の深さが増大し、裏面1cにキーホール貫通孔7が形成されるとき、カメラ12により撮影した画像において、キーホール貫通孔7の形成の目安となる黒点の画像が観察される。
そして、カメラ12により撮影した画像上において、制御装置14により黒点が検知されたときに、制御装置14によって、貫通溶接がなされたものと判定する。
そして、制御装置14により黒点を検知した後に、該黒点の径が拡大するときには、制御装置14からの指令によってトーチ11の出力を減少させ、溶接部1aに照射するレーザー光の強度を減少させる。
あるいは、制御装置14により黒点を検知した後に、該黒点の径が縮小するときには、制御装置14からの指令によってトーチ11の出力を増大させ、溶接部1aに照射するレーザー光の強度を増大させる。
または、制御装置14によって、黒点を検知したときに、制御装置14からの指令によって、その溶接位置に対するレーザー溶接を終了する構成としてもよい。
尚、ここでいう「レーザー溶接の終了」という概念は、トーチ11から発せられるレーザー光を停止すること、および回転支持部13を作動させてトーチ11によるレーザー光の照射位置を遷移させること、を含む概念である。
このように、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法では、カメラ12によって、表面1b側から撮影した溶接部1aの画像に基づいて、隠蔽部である裏面1cにキーホール貫通孔7が形成されたことを検出するまでレーザー溶接を継続することで、その溶接部位において確実に貫通溶接がなされるようにして、溶接品質を確保する構成としている。
即ち、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法は、複数(本実施形態では二つ)の被溶接部材(第一部材2および第二部材3)を突き合わせた部位である溶接部1aにレーザー光を照射して、第一部材2および第二部材3を接合するものであって、溶接部1aのレーザー溶接時に、レーザー光の照射方向を基準とする溶接部1aの裏面1cの位置に焦点を合わせた、溶接部1aを撮影するためのカメラ12によって、溶接部1aに形成される溶融池6を撮影し、カメラ12によって撮影した溶融池6の映像に現れる、キーホール貫通孔7が生じたことを示す黒点を検知するものである。
また、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法は、黒点を検知した後において、黒点の径が拡大するときには、レーザー光の出力を減少させ、黒点の径が縮小するときには、レーザー光の出力を増大させる構成とし、または、黒点を検知したときに、レーザー溶接を終了する構成とするものである。
このような構成により、キーホール貫通孔7が被溶接部材1の隠蔽部で生じる場合であっても、溶接品質を確保することができる。
また、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法において、第一部材2および第二部材3は、それぞれ溶接部1aの裏面1cにおけるキーホール貫通孔7に隣接する位置において、レーザー光の照射軸の位置を基準位置として、基準位置からビード4の幅Cの1/2以上の幅を有する隙間Aおよび隙間Bを備え、第一部材2および第二部材3の各隙間A・Bによって、ビード4の幅C以上の幅を有する空隙部5を形成するものである。
また、本発明の一実施形態に係るレーザー溶接方法においては、カメラ12によって、溶融池6から生じる熱放射光を検出するものであり、さらに、カメラ12によって、950±50nmの波長帯の熱放射光を検出するものである。
このような構成により、被溶接部材1の表面1b側から、カメラ12によって、確実にキーホール貫通孔7の有無を検出することができる。
尚、本実施形態では、二つの部材(第一部材2および第二部材3)からなる被溶接部材1の溶接部1aに対してレーザー溶接をする場合を例示して説明をしたが、本発明に係るレーザー溶接方法は、溶接部を構成する部材の数が二つである場合に限定されるものではなく、三つ以上の部材を溶接部において溶接する構成の被溶接部材に対してレーザー溶接する場合においても適用することが可能である。
1 被溶接部材
1a 溶接部
1b 表面
1c 裏面
2 第一部材
3 第二部材
4 ビード
5 空隙部
6 溶融池
7 キーホール貫通孔

Claims (6)

  1. 複数の被溶接部材を突き合わせた部位である溶接部にレーザー光を照射して、前記複数の被溶接部材を接合するレーザー溶接方法であって、
    前記溶接部のレーザー溶接時に、前記レーザー光の照射方向を基準とする前記溶接部の裏面の位置に焦点を合わせた、前記溶接部を撮影するためのカメラによって、前記溶接部に形成される溶融池を撮影し、
    前記カメラによって撮影した前記溶融池の映像に現れる、キーホール貫通孔が生じたことを示す黒点を検知する、
    ことを特徴とするレーザー溶接方法。
  2. 前記黒点を検知した後において、
    前記黒点の径が拡大するときには、前記レーザー光の出力を減少させ、
    前記黒点の径が縮小するときには、前記レーザー光の出力を増大させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接方法。
  3. 前記黒点を検知したときに、レーザー溶接を終了する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接方法。
  4. 前記複数の被溶接部材は、
    それぞれ前記溶接部の裏面における前記キーホール貫通孔に隣接する位置において、
    前記レーザー光の照射軸の位置を基準位置として、前記基準位置からビードの幅の1/2以上の幅を有する隙間を備え、
    前記複数の被溶接部材の各隙間によって、前記ビードの幅以上の幅を有する空隙部を形成する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザー溶接方法。
  5. 前記カメラによって、
    前記溶融池から生じる熱放射光を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザー溶接方法。
  6. 前記カメラによって、
    950±50nmの波長帯の前記熱放射光を検出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザー溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109175747A (zh) * 2018-11-12 2019-01-11 湖南大学 一种金属材料深熔焊接小孔形貌全方位直接观测的方法
JP7502444B2 (ja) 2020-09-10 2024-06-18 Primetals Technologies Japan株式会社 レーザ加工方法

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