JP2014118983A - 螺合金具離脱防止具及びクランプ装置 - Google Patents

螺合金具離脱防止具及びクランプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来より取り付け易い螺合金具離脱防止具及びクランプ装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の螺合金具離脱防止具100は、ナットN,Nの外側に回転不能に嵌合される嵌合孔111を有した1対の嵌合部材110と、それら嵌合部材110が共通して連結され、それら嵌合部材110の嵌合孔111の中心軸同士を相互に平行になった状態で保持する連結ベース101と、嵌合部材110に形成され、嵌合孔111の中心軸を中心とする円弧状に湾曲した円弧孔113と、連結ベース101に設けられ、円弧孔113に凹凸係合すると共に、円弧孔113の両端間を移動可能な支持ピン102とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材を緩み止めするための螺合金具離脱防止具及びクランプ装置に関する。
従来の螺合金具離脱防止具としては、ボルトのヘッド部に回転不能に嵌合する1対のソケットと、それら1対のソケットが共通して固定された連結部とを備え、ソケットに嵌合した1対のボルトが相互に回転を規制し合うことで、各ボルトの緩みを防止したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来の螺合金具離脱防止具として、ボルトのヘッド部に回転不能に嵌合するソケットと、そのソケットの開口縁から片持ち梁状に延びた係止部とを備え、係止部を、ボルトとは別の固定された係止相手に係止させることで、その係止相手に対してソケットを回り止めしてボルトの緩みを防止するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−301223号公報(段落[0010]、第2図)
実用新案登録第3104843号公報(段落[0023]、第9図、第10図)
ところが、上述した従来の螺合金具離脱防止具のうち、1対のボルトが相互に回転を規制し合うようにするものは、締め付け後の両ヘッド部の角部を特定の位置に合わせておかないと、1対のソケットを嵌合させることができないという問題があった。また、上述した別の従来の螺合金具離脱防止具は、締め付け後のヘッド部における角部の位置を、係止相手に対して特定の位置に合わせておかないと、係止部を係止相手に係止させることができないという問題があった。つまり、従来の螺合金具離脱防止具は、取り付け難い構成であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、従来より取り付け易い螺合金具離脱防止具及びクランプ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る螺合金具離脱防止具は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した複数の嵌合部材と、複数の嵌合部材が共通して連結され、それら嵌合部材の嵌合孔の中心軸同士を相互に平行になった状態で保持する連結ベースと、連結ベース及び嵌合部材の一方に形成され、嵌合孔の中心軸を中心とする円弧状に湾曲した円弧孔と、連結ベース及び嵌合部材の他方に設けられ、円弧孔に凹凸係合すると共に、円弧孔の両端間を移動可能な係合突起とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の螺合金具離脱防止具において、連結ベースは、直線状をなしかつその両端部を直交するように貫通した係合突起としての支持ピンを備え、複数の嵌合部材は板状をなしかつ円弧孔を有し、連結ベースの両端部にそれぞれ嵌合部材の一部を重ねて、円弧孔に支持ピンを貫通させたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の螺合金具離脱防止具において、連結ベースの両端部の支持ピン同士の間隔を任意に変更するための支持ピン間距離可変機構を備えたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2に記載の螺合金具離脱防止具において、連結ベースの一端部又は他端部には、それら両端部間を連絡する方向に延びた長孔が形成され、その長孔に支持ピンが嵌合されて、支持ピン同士の間隔を任意に変更可能としたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具において、嵌合部材は、板金を打ち抜いてなり、連結ベースは、パイプの両端部に嵌合部材の一部を受容した縦割スリットを形成してなり、パイプの両端部に形成されて縦割スリットを挟んで対向したピン孔に、支持ピンの両端部を嵌合させたところに特徴を有する。
請求項6の発明に係る螺合金具離脱防止具は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した複数の嵌合部材と、複数の嵌合部材が共通して回転可能に連結され、それら嵌合部材の嵌合孔の中心軸同士を相互に平行かつ一定間隔に保持した状態に保持する連結ベースと、連結ベースと嵌合部材とに形成され、連結ベースに対する嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制するストッパ機構とを備えたところに特徴を有する。
請求項7の発明に係る螺合金具離脱防止具は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した1対の嵌合部材と、1対の嵌合部材が、各嵌合孔を中心に回転するように連結された連結ベースと、連結ベースと嵌合部材とに形成され、連結ベースに対する嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制するストッパ機構とを備え、連結ベースは、直線状をなして両端部に1対の嵌合部材が回転可能に連結されると共に、それら嵌合部材同士の間隔を任意に変更するための嵌合部材間距離可変機構を備えたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具において、複数のボルト挿通孔を有し、それらボルト挿通孔にそれぞれボルトを通した状態で螺合操作部材にて押さえられて固定される固定ベースと、固定ベースと連結ベースとに設けられて互いに係合し、連結ベースにおける嵌合孔の軸方向の移動を規制する軸移動規制手段とを備えたところに特徴を有する。
請求項9の発明に係る螺合金具離脱防止具は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した嵌合部材と、嵌合部材に回転可能に連結され、螺合操作部材とは別の固定された係止相手に対して回り止め状態で係止される係止部材と、係止部材と嵌合部材とに形成され、係止部材に対する嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制する回転規制機構とを備えたところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項9に記載の螺合金具離脱防止具において、嵌合部材としてのソケットと、ソケットの側方に張り出すと共に嵌合孔の中心軸を中心にしてソケットに対して回転可能に支持されたアーム支持部を有する係止部材としての可動ベース部材と、アーム支持部からソケットの中心軸と平行に延びて先端部がソケットにおける嵌合孔の開口端より前側に位置したアーム部と、アーム部の先端部に設けられて係止相手に係止する係止突部とを備えたところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項10に記載の螺合金具離脱防止具において、ソケットに設けられてソケットの軸方向に延びた直動支持部を備え、可動ベース部材は、直動支持部に直動可能に支持されると共に、アーム部が対をなしてアーム支持部から延びてソケットを間に挟んで対峙しかつ、係止突部が1対のアーム部の先端部から互いに接近する側に突出し、可動ベース部材をソケットの後方に向けて付勢するバネ部材を備えたところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項11に記載の螺合金具離脱防止具において、アーム支持部は、ソケットの軸方向と直交する方向に延びた帯板状をなして、その長手方向の中央に中心孔を有し、ソケットの後面を閉塞するソケット後端壁の中心から後方に延び、アーム支持部の中心孔を貫通した中心シャフトと、中心シャフトの先端部に設けられて中心孔の開口縁に係止し、可動ベース部材を中心シャフトに抜け止めする抜止ヘッド部と、ソケット後端壁の外縁部から後方に突出した筒壁を縦割りに2分割してなり、アーム支持部を間に挟んで対峙した1対の円弧壁とで、直動支持部が構成され、1対の円弧壁とアーム支持部との間に隙間を設けて可動ベース部材の回転を許容すると共に、1対の円弧壁とアーム支持部とで回転規制機構が構成され、バネ部材は、圧縮コイルバネであって、ソケット後端壁とアーム支持部の間に配置されて、1対の円弧壁の内側に収容されているところに特徴を有する。
請求項13の発明に係る螺合金具離脱防止具は、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した1対の嵌合部材のそれぞれに、嵌合孔に対して同心の円弧孔を設け、引っ張りコイルバネの両端に備えた1対の引掛部を1対の嵌合部材の各円弧孔に引っ掛けたところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具において、嵌合孔の中心軸を中心とした嵌合部材の最大回転許容角を30度以上60度未満としたところに特徴を有する。
請求項15の発明は、請求項14に記載の螺合金具離脱防止具において、最大回転許容角は、30度であるところに特徴を有する。
請求項16の発明は、請求項15に記載の螺合金具離脱防止具において、嵌合部材の内側面には、螺合操作部材の角部が係合する12の係合縦溝が均等分に配置されたところに特徴を有する。
請求項17の発明に係るクランプ装置は、1対の対向壁を有したコの字形のクランプ本体のうち、一方の対向壁に螺子孔が貫通形成されて、その螺子孔に螺合されたクランプボルトの先端部と、他方の対向壁との間で取付対象物を挟み込むネジ式クランプと、請求項11又は12に記載の螺合金具離脱防止具とを備え、ソケットがクランプボルトのヘッド部に嵌合すると共に、1対のアーム部で一方の対向壁又は一方の対向壁から側方に突出したところに特徴を有する。
請求項18の発明は、請求項17に記載のクランプ装置において、ネジ式クランプのうち他方の対向壁に固定されて、流体が通過するパイプの途中を挟んで保持することが可能なパイプクランプを備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、ボルトのヘッド部、ナットその他の複数の螺合操作部材の外側に、連結ベースに連結された複数の嵌合部材をそれぞれ嵌合させることで、複数の螺合操作部材が相互に回転を規制し合って緩みが防止される。
そして、本発明によれば、連結ベースと複数の各嵌合部材が、円弧孔とその円弧孔の両端間を移動可能な係合突起とで連結されており、嵌合部材が嵌合孔の中心軸を中心にして、連結ベースに対して回転可能となっているから、締め付け後の複数の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、連結ベースに対する各嵌合部材の回転によって吸収することができる。これにより、締め付け後の複数の螺合操作部材における角部が、特定の位置になっていない場合でも、それら螺合操作部材にそれぞれ嵌合部材を嵌合させることが可能となり、螺合金具離脱防止具が従来より取り付け易くなる。また、連結ベースに対する嵌合部材の回転は、円弧孔の範囲内に制限されているから、螺合操作部材の緩み回転を円弧孔の範囲内に抑えることができる。
[請求項2及び5の発明]
請求項2の発明によれば、嵌合孔と円弧孔とを備えた嵌合部材を板状のブランク材から打ち抜いて製造することが可能になるから、例えば、嵌合部材をソケット状にした場合と比べて、製造コストを抑えることが可能になる。また、ソケット状の嵌合部材に比べて軽量化することが可能になる。ここで、連結ベースは、板金を打ち抜いて構成してもよいし、請求項5の発明のようにパイプで構成してもよい。連結ベースをパイプで構成した場合は、パイプの両端部に嵌合部材の一部を受容した縦割スリットを形成して、嵌合部材の円弧孔を貫通した支持ピンの両端部を縦割スリットを挟んで対向したピン孔に嵌合させればよい。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、連結ベースの両端部に設けた支持ピン同士の間隔を任意に変更することができるので、1対の嵌合部材と嵌合する1対の螺合操作部材同士の間隔のばらつきを吸収することができる。即ち、1対の螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具を取り付けることが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、連結ベースの一端部又は他端部に形成された長孔の範囲で連結ベースの軸方向における支持ピンの移動が許容され、支持ピン同士の間隔を任意に変更することができる。これにより、1対の嵌合部材と嵌合する1対の螺合操作部材同士の間隔のばらつきを吸収することができる。即ち、1対の螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具を取り付けることが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、ボルトのヘッド部、ナットその他の複数の螺合操作部材の外側に、連結ベースに連結された複数の嵌合部材をそれぞれ嵌合させることで、複数の螺合操作部材が相互に回転を規制し合って緩みが防止される。
そして、本発明によれば、複数の嵌合部材が共通の連結ベースに対して回転可能に連結されているから、締め付け後の複数の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、連結ベースに対する各嵌合部材の回転によって吸収することができる。これにより、締め付け後の複数の螺合操作部材において、角部が特定の位置になっていない場合でも、それら複数の螺合操作部材にそれぞれ嵌合部材を嵌合させることが可能となり、螺合金具離脱防止具が従来より取り付け易くなる。また、連結ベースに対する各嵌合部材の回転角が一定範囲内に規制されているから、螺合操作部材の緩み回転を一定範囲内に抑えることができる。
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、ボルトのヘッド部、ナットその他の1対の螺合操作部材の外側に、連結ベースに連結された1対の嵌合部材をそれぞれ嵌合させることで、1対の螺合操作部材が相互に回転を規制し合って緩みが防止される。
そして、本発明によれば、1対の嵌合部材が、各嵌合孔を中心にして回転するように連結ベースに対して連結されているから、締め付け後の1対の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、連結ベースに対する各嵌合部材の回転によって吸収することができる。これにより、締め付け後の1対の螺合操作部材において、角部が特定の位置になっていない場合でも、それら1対の螺合操作部材にそれぞれ嵌合部材を嵌合させることが可能となり、螺合金具離脱防止具が従来より取り付け易くなる。また、連結ベースに対する各嵌合部材の回転角が一定範囲内に規制されているから、螺合操作部材の緩み回転を一定範囲内に抑えることができる。
さらに、連結ベースは、1対の嵌合部材同士の間隔を任意に変更するための嵌合部材間距離可変機構を備えているので、1対の嵌合部材と嵌合する1対の螺合操作部材同士の間隔のばらつきを吸収することができる。即ち、1対の螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具を取り付けることが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、螺合操作部材の緩みを螺合金具離脱防止具によって防止すると共に、その螺合操作部材にて押さえられて固定される固定ベースと螺合金具離脱防止具の連結ベースとが互いに係合して、連結ベースにおける嵌合孔の軸方向の移動を規制する。これにより、螺合金具離脱防止具が離脱する(嵌合部材が螺合操作部材から外れる)ことを防止することができる。
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、嵌合部材をボルトのヘッド部、ナットその他の螺合操作部材の外側に嵌合させると共に、嵌合部材に設けられた係止部材を、螺合操作部材とは別の固定された係止相手に回り止め状態で係止させることで、螺合操作部材の緩みが防止される。
そして、本発明によれば、嵌合部材が係止部材に対して回転可能に連結されているから、締め付け後の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、係止部材に対する嵌合部材の回転によって吸収することができる。これにより、締め付け後の複数の螺合操作部材において角部が、固定された係止相手に対して特定の位置になっていない場合でも、係止部材を係止相手に係止させることが可能になり、螺合金具離脱防止具が従来より取り付け易くなる。また、係止部材に対する嵌合部材の回転角が一定範囲内に規制されているから、螺合操作部材の緩み回転を一定範囲内に抑えることができる。
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、ソケットを螺合操作部材の外側に嵌合させた状態で、アーム部の先端部に設けられた係止突部を係止相手に係止させると、アーム部と係止相手との干渉によってソケットが係止相手に対して回り止めされると共に、係止突部と係止相手との係止により、嵌合孔の軸方向へのソケットの移動が規制される。
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、可動ベース部材は、ソケットの側方に張り出したアーム支持部と、対をなしてアーム支持部から延びてソケットを間に挟んで対峙し、それぞれの先端部がソケットにおける嵌合孔の開口端より前側に位置した1対のアーム部と、1対のアーム部の先端部に設けられて、互いに接近する側に突出した1対の係止突部とを備えている。また、可動ベース部材は、ソケットの軸方向で直動可能に支持されると共に、可動ベース部材とソケットとの間にはバネ部材が備えられている。そして、バネ部材の付勢力によって可動ベース部材がソケットの後方に付勢される一方、ソケットが前方(螺合操作部材側)に付勢されるから、螺合操作部材の軸方向におけるソケット及び可動ベース部材の振動やそれに伴う騒音を防止することが可能になる。
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、可動ベース部材のうちアーム支持部は、ソケット後端壁から起立した1対の円弧壁の間に配置されて、ソケットの軸方向と直交する方向に延びており、その1対の円弧壁と、アーム支持部の中心孔を貫通した中心シャフトとに案内されて、可動ベース部材がソケットの軸方向に直動可能となる。可動ベース部材を、ソケット後端壁側に直動させると、アーム支持部とソケット後端壁との間で圧縮コイルバネが押し縮められ、その付勢力によって可動ベース部材がソケットの後方に付勢される一方、ソケットが前方(螺合操作部材側)に付勢される。また、ソケットは、1対の円弧壁とアーム支持部との間に設けられた隙間の範囲内で、中心シャフトを中心にして、可動ベース部材に対して回転可能であり、1対の円弧壁がアーム支持部と当接することで、それ以上の回転が禁止される。さらに、中心シャフトの先端部に抜止ヘッド部を備えたことで、螺合金具離脱防止具を構成する複数の部品、即ち、ソケット、中心シャフト、圧縮コイルバネ、可動ベース部材をアッシ化することができ、螺合金具離脱防止具の取り扱いを容易にすることができる。
[請求項13の発明]
請求項13の発明によれば、ボルトのヘッド部、ナットその他の1対の螺合操作部材の外側に、引っ張りコイルバネの両端に連結された1対の嵌合部材をそれぞれ嵌合させることで、1対の螺合操作部材が相互に回転を規制し合って緩みが防止される。
そして、本発明によれば、1対の嵌合部材が、各嵌合孔を中心にして回転するように引っ張りコイルバネに対して連結されているから、締め付け後の1対の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、引っ張りコイルバネに対する各嵌合部材の回転によって吸収することができる。これにより、締め付け後の1対の螺合操作部材において、角部が特定の位置になっていない場合でも、それら1対の螺合操作部材にそれぞれ嵌合部材を嵌合させることが可能となり、螺合金具離脱防止具が従来より取り付け易くなる。また、引っ張りコイルバネに対する各嵌合部材の回転角が円弧孔の範囲内に規制されているから、螺合操作部材の緩み回転を円弧孔の範囲内に抑えることができる。
さらに、引っ張りコイルバネを伸ばすことにより、1対の嵌合部材同士の間隔を任意に変更することができるから、嵌合部材と嵌合する1対の螺合操作部材同士の間隔のばらつきを吸収することができる。即ち、1対の螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具を取り付けることが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。
[請求項14の発明]
請求項14の発明によれば、最大回転許容角を30度以上とすることで、締め付け後の複数の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを、少なくとも30度まで吸収することができる。また、最大回転許容角を60度未満とすることで、螺合操作部材の緩み回転を60度未満に抑えることができる。
[請求項15の発明]
請求項15の発明によれば、連結ベース又は係止部材に対する嵌合部材の回転によって、締め付け後の複数の螺合操作部材における角部の位置のばらつきを30度まで吸収することができかつ、螺合操作部材の緩み回転を30度以下に抑えることができる。
[請求項16の発明]
例えば、一般的な六角形の螺合操作部材の場合、角部の位置は最大60度の範囲でばらつく可能性がある。これに対し、請求項16の発明によれば、嵌合孔の内側面に12の縦溝が均等分に配置されているから、締め付け後の螺合操作部材の角部の位置に拘わらず、その螺合操作部材に嵌合した嵌合部材の位置のばらつきを30度以内に抑えることができる。さらに、連結ベース又は係止部材に対する嵌合部材の回転が最大30度まで許容されているから、螺合操作部材の緩み回転を最小限に抑えつつ、嵌合部材の位置のばらつきを完全に吸収することができる。これにより、締め付け後の螺合操作部材の角部の位置に拘わらず、確実に螺合金具離脱防止具を取り付けることが可能になる。
[請求項17及び18の発明]
請求項17の発明によれば、ネジ式クランプを取付対象物に固定するためのクランプボルトを、螺合金具離脱防止具によって緩み止めすることができ、ネジ式クランプを長期間に亘って確実に固定することができる。
ここで、請求項18の発明のように、ネジ式クランプにパイプクランプを備えて、そのパイプクランプによって流体が通過するパイプを保持した場合に、パイプ内を通過する流体によってパイプが振動すると、その振動がネジ式クランプ及びクランプボルトに伝搬する可能性がある。これに対し、請求項18の発明によれば、パイプの振動を原因とするクランプボルトの緩み止めを行いながら、螺合金具離脱防止具の振動及び騒音を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るパイプ固定装置の正面図 螺合金具離脱防止具の平面図 パイプ固定装置の側面図 (A)図1のC−C切断面における断面図、(B)固定ベースの平面図 螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)部分側断面図 1対のナットに取り付けられた螺合金具離脱防止具の平面図 第2実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)部分側断面図 第3実施形態に係るパイプ固定装置の(A)正面図、(B)D−D切断面における断面図 第4実施形態に係る螺合金具離脱防止具の側面図 本発明の第5実施形態に係るクランプ装置の(A)側面図、(B)E−E切断面における断面図 クランプ装置の断面図 (A)ソケット後方から見た螺合金具離脱防止具の平面図、(B)ソケット前方から見た螺合金具離脱防止具の平面図 (A)図12のF−F切断面における断面図、(B)G−G切断面における断面図 螺合金具離脱防止具を取り付ける過程の側面図 図10(A)のH−H切断面における断面図 第6実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)側面図、(B)X−X切断面における断面図 第7実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)側断面図、(B)ソケット後方から見た平面図 第8実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)側断面図、(B)Y−Y切断面における断面図 第9実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)側断面図 第10実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)側断面図 変形例に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)部分側断面図 第11実施形態に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)側断面図 変形例に係る螺合金具離脱防止具の(A)平面図、(B)側面図 変形例に係る螺合金具離脱防止具の平面図 変形例に係る螺合長具離脱防止具の(A)平面図、(B)部分側断面図 変形例に係る螺合金具離脱防止具の平面図 変形例に係る螺合長具離脱防止具の(A)平面図、(B)部分側断面図
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。図1における符号190は、パイプ固定装置であり、例えば、流体輸送用のパイプPを、固定状態のアングル材S(山形鋼)に固定している。パイプP内を流体(特に、高圧流体)が流れると、その流れに起因した振動が発生することがあり、その振動でパイプ固定装置190に備えたナットN,N(本発明に係る「螺合操作部材」に相当する)が緩む虞がある。その緩みを防止するために、図5に示す螺合金具離脱防止具100が取り付けられている。
図1に示すように、パイプ固定装置190は、パイプ固定用ボルトとしてUボルト150を備えている。Uボルト150は、円弧状の湾曲部151から1対の脚部152,152を互いに平行かつ直線状に延ばしたU字形構造をなしており、それら脚部152の先端側外周面に雄螺子が形成されている。パイプPはアングル材Sにおける一方のフランジSfの上面に載置されており、Uボルト150の両脚部152,152がフランジSfを上方から貫通して、湾曲部151とフランジSfとの間でパイプPを挟んでいる。そして、両脚部152,152に取り付けられたナットN,Nを締め付けることで、パイプPがフランジSfの上面に固定されている。なお、図示しないが、パイプ固定用ボルトは、コの字ボルトでもよい。
図5に示すように、螺合金具離脱防止具100は、帯板状の連結ベース101と、その両端部に連結された1対の嵌合部材110,110とから構成されている。連結ベース101及び嵌合部材110は共に板金で構成されており、連結ベース101は直線状に延びている(図2参照)。
1対の嵌合部材110には、それぞれナットNの外側に回転不能に嵌合する嵌合孔111が貫通形成されている。嵌合孔111は、ナットNの多角形外側面(本実施形態では、六角形外側面)と係合可能な形状をなしている。具体的には、図5に示すように、嵌合孔111の内側面には、ナットNの6つの角部が係合する12の係合縦溝112が均等分に配置されている。即ち、嵌合孔111は、その中心軸を対称中心として30度の回転対称な形状になっており、ナットNに嵌合部材110が嵌合可能な位置から、嵌合部材110を回転させて再びナットNに嵌合部材110が嵌合可能となる位置までの最小回転角が30度となっている。
つまり、本実施形態の場合、締め付け後のナットNの角部の位置は、60度の範囲でばらつく可能性があるのに対し、そのナットNに嵌合部材110を嵌合させた場合の嵌合部材110の位置のばらつきは30度以内に抑えることができる。なお、本実施形態のナットNは六角形であるが、ナットNが三角形又は四角形であっても同様に、嵌合部材110の位置のばらつきを30度以内に抑えることができる。
嵌合部材110は板金を長円形に打ち抜いてなり、嵌合孔111は、嵌合部材110の長軸方向の一端寄り(連結ベース101から離れた)位置に貫通形成されている。嵌合部材110の長軸方向の他端寄り(連結ベース101寄り)位置には、円弧孔113が貫通形成されている。円弧孔113は、嵌合孔111の中心軸を中心とする円弧状に湾曲している。
連結ベース101の両端部には、それぞれピン孔103,103(図5(B)参照)が貫通形成されている。それらピン孔103にはそれぞれ支持ピン102(具体的には、リベットピン。本発明の「係合突起」に相当する)が抜け止め状態で挿通され、それら支持ピン102が、それぞれ嵌合部材110の円弧孔113に脱け止め状態で挿通されている。支持ピン102は円弧孔113の両端間を移動可能となっており、円弧孔113の範囲内において、嵌合孔111の中心軸を中心とした、連結ベース101に対する嵌合部材110の回転が許容されている。より具体的には、連結ベース101に対する嵌合部材110の最大回転許容角は、ナットNに嵌合した嵌合部材110にて生じ得る位置のばらつきの範囲と同じ「30度」となっており、それ以上の回転は、支持ピン102と円弧孔113の端部との当接によって禁止されている。
なお、本実施形態では、連結ベース101に支持ピン102が固定され、嵌合部材110に円弧孔113が形成されているが、連結ベース101に円弧孔113を形成し、嵌合部材110に支持ピン102を固定してもよい。
図1及び図2に示すように、螺合金具離脱防止具100は、1対の嵌合部材110,110を1対のナットN,Nの外側に回転不能に嵌合させた状態で取り付けられており、その状態で、1対の嵌合部材110が相互に回転を規制し合うことで、1対のナットN,Nが緩み止めされている。
ここで、上述したように、締め付け後のナットN,Nの角部の位置に拘わらず、それらナットN,Nに嵌合した嵌合部材110の位置のばらつきは30度以内に抑えることができる。しかも、連結ベース101に対する嵌合部材110の最大回転許容角が30度となっているから、ナットNの緩み回転を最小限に抑えつつ、嵌合部材110に生じ得る位置のばらつきを完全に吸収することができる。
即ち、図2や図6に示すように、締め付け後のナットN,Nの角部の位置に拘わらず、確実に1対の嵌合部材110を1対のナットNに嵌合させることができる。また、仮に、ナットNが緩んだとしても、その緩み回転は、最大30度までに抑えることができる。例えば、ナットNが「M10」と呼称される六角ナットであった場合、そのナットNのピッチ(リード)は1.5[mm]であるから、最大に緩んだとしても、ナットNはフランジSfから約0.1[mm]後退するだけである。この程度であれば、Uボルト150によるパイプPの固定力に問題は生じないと考えられる。
ところで、本実施形態のパイプ固定装置190において、Uボルト150の両脚部152,152が上向きになるようにしてアングル材Sに取り付けられた場合には、螺合金具離脱防止具100の自重によって、1対の嵌合部材110,110とナットN,Nとの嵌合状態を維持することが可能である。これに対し、図1に示すように、Uボルト150の両脚部152,152を下向きにして取り付けたり、両脚部152,152を横向きにして取り付けた場合には、螺合金具離脱防止具100の自重によって嵌合部材110がナットNから外れる(螺合金具離脱防止具100が脱落する)可能性がある。これを防止するために、本実施形態の螺合金具離脱防止具100は、連結ベース101とは別に固定ベース160を備えている。
図2に示すように、固定ベース160は、連結ベース101よりも幅広な帯状板金で構成されていて、その両端部には、Uボルト150の両脚部152,152が挿通可能な1対のボルト挿通孔161,161が貫通形成されている。固定ベース160は、ナットN,Nよりも先にUボルト150に挿入されて、フランジSfの下面に宛がわれており、ナットN,NにてフランジSf側に押されて固定されている。
固定ベース160の長手方向の中間部には、本発明の「軸移動規制手段」に相当する1対の折爪162,162が形成されており、それら1対の折爪162,162によって連結ベース101を保持している。図4(B)に示すように、1対の折爪162,162は、折り曲げられる前の展開状態で、固定ベース160の幅方向の両側辺から張り出した矩形板状をなしており、それら1対の折爪162,162が基端部で鋭角に屈曲して連結ベース101に折り重ねられている(同図(A)参照)。これにより、連結ベース101における嵌合孔111の軸方向への移動、即ち、嵌合部材110がナットNから外れる(螺合金具離脱防止具100が脱落する)ことが防止されている。なお、固定ベース160は、アングル材Sに対するUボルト150の取り付け姿勢に拘わらず、常に使用してもよい。
パイプ固定装置190によるパイプPの固定作業は以下のようにして行う。まず、Uボルト150の両脚部152,152を、アングル材SのフランジSfに予め貫通形成された貫通孔に通してパイプPをUボルト150とフランジSfとの間で挟んだ状態とする。
次に、両脚部152に固定ベース160を通してからナットN,Nを取り付け、それらナットN,Nを締め付ける。これで、パイプPがアングル材Sに固定される。
次に、螺合金具離脱防止具100の1対の嵌合部材110,110をUボルト150に螺合された両ナットN,Nの外側に嵌合させる。こうすることで、両ナットN,Nが相互に回転を規制し合って緩み止めがなされる。
最後に、固定ベース160と螺合金具離脱防止具100の連結ベース101とを重ね合わせた状態で、固定ベース160における1対の折爪162,162を折り曲げて、固定ベース160に連結ベース101を保持させる。以上でパイプPの固定作業は完了である。
ところで、上記した作業において、Uボルト150に対するナットN,Nの螺合操作を何気なく行えば、締め付け後のナットN,Nの角部は、予め定められた特定の位置にはならない。一方、締め付け後のナットN,Nの角部が、特定の位置になるように配慮しながら螺合操作を行うことは、作業効率が悪い。
これに対し、本実施形態によれば、連結ベース101と1対の各嵌合部材110が、円弧孔113とその円弧孔113の両端間を移動可能な支持ピン102とで連結されており、嵌合部材110が嵌合孔111の中心軸を中心にして、連結ベース101に対して回転可能となっているから、締め付け後のナットN,Nの角部の位置のばらつきを、連結ベース101に対する嵌合部材110の回転によって吸収することができる。また、連結ベース101に対する嵌合部材110の回転は、円弧孔113と支持ピン102によって制限されているから、ナットN,Nの緩み回転を円弧孔113の範囲内に抑えることができる。
より詳細には、嵌合孔111の内側面には12の係合縦溝112が形成されていて、30度の回転対称な形状になっているから、螺合金具離脱防止具100を取り付けるときに、Uボルト150に螺合されたナットN,Nの角部の位置に拘わらず、それらナットNに嵌合した1対の嵌合部材110の位置のばらつきを、それぞれ30度以内に抑えることができる。しかも、連結ベース101に対する嵌合部材110の最大回転許容角が、それぞれ30度になっているから、ナットN,Nの緩み回転を最小限に抑えつつ、嵌合部材110に生じ得る位置のばらつきを完全に吸収することができる。つまり、締め付け後のナットN,Nの角部の位置に拘わらず(ナットN,Nの角部が特定の位置になっていないときでも)、それら両ナットN,Nに確実に嵌合部材110を嵌合させることができ、螺合金具離脱防止具100が従来よりも取り付け易くなる。そして、本実施形態によれば、締め付け後のナットNの角部を予め特定の位置に合わせておく必要が無くなるので、ナットN,Nの螺合操作を効率よく行うことができる。
[第2実施形態]
本実施形態は、図7(A)及び同図(B)に示されており、連結ベース101の両端部に設けられた支持ピン102同士の間隔を任意に変更可能となっている点が上記第1実施形態とは異なる。具体的には、連結ベース101の両端部に形成された1対のピン孔103のうちの少なくとも一方が、連結ベース101の軸方向に延びた長孔になっており、その長孔の範囲で、支持ピン102同士の間隔を拡縮することが可能となっている。これにより、1対の嵌合部材110と嵌合する螺合操作部材(ナットN等)同士の間隔(軸間距離)のばらつきを吸収することが可能になる。即ち、螺合操作部材(ナットN等)同士の間隔が一定でなくても螺合金具離脱防止具100を取り付ける(1対の嵌合部材110を螺合操作部材に嵌合させる)ことが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。なお、図7では、一方のピン孔103のみが長孔になっているが、両方のピン孔103を長孔にしてもよい。
ここで、ピン孔103を長孔にすることなく、1対の支持ピン102同士の間隔を任意に変更することが可能な「支持ピン間距離可変機構」としては、以下の構成が考えられる。例えば、連結ベース101を、一方の嵌合部材110と連結した帯板状の第1の連結ベース構成部材と、他方の嵌合部材110と連結した帯板状の第2の連結ベース構成部材とから構成し、それら第1と第2の連結ベース構成部材が互いに軸方向にスライド可能に係合した構成とすればよい。この構成によれば、連結ベース101を軸方向に伸縮させることで、1対の支持ピン102同士の間隔を任意に変更することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を図8に基づいて説明する。以下の説明では、上記第1実施形態との相違点のみを説明し、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付すことで、重複した説明を省略する。
図8(B)に示すように、螺合金具離脱防止具100の連結ベース105は断面円形のパイプで構成されている。連結ベース105には、その両端部の筒壁を縦割りに2分割してなる1対の支持壁106,106が形成され、それら1対の支持壁106の間に形成された縦割スリット108に、嵌合部材110の一部が受容されている(図8(A)参照)。1対の支持壁106には縦割スリット108を挟んで対向したピン孔107が形成されている(図8(B)参照)。嵌合部材110に形成された円弧孔113には支持ピン109が挿通されており、その支持ピン109の両端部がピン孔107に嵌合している。
固定ベース160の長手方向の中間部には、断面略Ω形をなした弾性クランプ165(本発明の「軸移動規制手段」に相当する)が設けられている。弾性クランプ165の割込口に、連結ベース105の筒壁を押し付けるとで弾性クランプ165が拡開変形して連結ベース105が割り込み、弾性クランプ165の弾発力によって連結ベース105が弾性クランプ165に保持される。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏すると共に、連結ベース105を固定ベース160に保持させるための操作を、上記第1実施形態の構成よりも容易に行うことができる。なお、ピン孔107を上記第2実施形態の如く長孔にして、支持ピン109同士の間隔を任意に変更可能としてもよい。
[第4実施形態]
本実施形態は、図9に示されており、上記第3実施形態の螺合金具離脱防止具100(図8参照)に対して、1対の支持ピン109同士の間隔を任意に変更するための「支持ピン間距離可変機構」を追加したものである。具体的には、連結ベース105は、複数(例えば、2つ)のパイプ105Aを入れ子式にスライド可能に嵌合した構造をなしており、軸方向に伸縮自在となっている。その連結ベース105の両端部に形成された縦割スリット108に嵌合部材110の一部が受容されて、1対の支持壁106の間に差し渡された支持ピン109によって連結されている。本実施形態によれば、連結ベース105を伸縮させることで、支持ピン109同士の間隔(軸間距離)を任意に変更することができる。これにより、1対の嵌合部材110と嵌合する螺合操作部材(ナットN等)同士の間隔(軸間距離)のばらつきを吸収することができる。即ち、螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具100を取り付けることが可能となり、取り付けの適応性を高めることができる。
[第5実施形態]
以下、本発明の螺合金具離脱防止具10の第5実施形態を、図10〜図15に基づいて説明する。図10における符号90は、本発明に係るクランプ装置であり、例えば、流体輸送用のパイプPを、そのパイプPに沿って延びたアングル材S(本発明に係る「取付対象物」に相当する)に対して固定している。パイプP内を流体(特に、高圧流体)が流れると、その流れに起因した振動が発生することがあり、その振動でクランプ装置90に備えたクランプボルトBが緩む虞がある。その緩みを防止するために、本発明の螺合金具離脱防止具10が取り付けられている。
クランプ装置90は、パイプクランプとネジ式クランプとを一体化した構造をなしており、パイプクランプによってパイプPの途中部分をクランプして保持すると共に、ネジ式クランプによってアングル材Sに固定されている。以下、本書類では、便宜上、クランプ装置90におけるパイプクランプ側を「上方」とし、ネジ式クランプ側を「下方」として説明を行うが、クランプ装置90は、必ずしもパイプクランプをネジ式クランプの上方に配置して使用する必要はなく、任意の向きにして使用することが可能である。
パイプクランプは、半円溝61を有した1対の樹脂部材60と、それら樹脂部材60における半円溝61とは反対側の面に宛がわれた金属製の押板62及び受板63とを備えており、押板62と1対の樹脂部材60とを貫通した1対の締結ボルト64を、受板63の螺子孔(図示せず)に螺合させることで、1対の半円溝61の内側にパイプPを保持している。樹脂部材60は、パイプPの貫通方向と直交した方向に長くなった直方体形をなしており、押板62及び受板63は長方形板状をなしている。ここで、本実施形態の冒頭で述べたように、パイプP内を流体が通過することで振動が発生することがあるが、ある程度の振動は、1対の樹脂部材60によって吸収することが可能である。なお、パイプクランプについては公知(例えば、特開2010−276196号公報を参照)であるので、詳細な説明は省略する。
パイプクランプの受板63には、固定用金具70が固定されており、その固定用金具70と受板63及びクランプボルトBによって、ネジ式クランプが構成されている。
固定用金具70は、受板63に下方から対向した対向板71を備え、その対向板71と受板63とが連結板76によって連結されている。対向板71は、パイプPの長手方向に延びた板状をなしている。
図15に示すように、対向板71には螺子孔72が貫通形成されている。螺子孔72は、対向板71の長手方向の中央部と両端寄り位置との3箇所に形成されており、それぞれ対向板71を板厚方向(上下方向)に貫通している。なお、螺子孔72は1つであってもよい。
螺子孔72には、クランプボルトBが進退可能に螺合されている。クランプボルトBは、多角形(本実施形態では、六角形)のヘッド部Bhを有し、対向板71の下面側から螺子孔72に挿入されて、先端部が対向板71の上方に突出している(図11参照)。ここで、図15では、対向板71の長手方向の中央部の螺子孔72だけにクランプボルトBが螺合されているが、任意の複数の螺子孔72にクランプボルトBを螺合させてもよい。なお、本発明における「クランプ本体」は、受板63と固定用金具70とによって構成されている。また、受板63と対向板71が本発明の「1対の対向壁」に相当し、対向板71が「一方の対向壁」に相当し、受板63が「他方の対向壁」に相当する。
対向板71における1対の長辺側面71Aからは、螺子孔72と同一複数対(本実施形態では3対)の係止台73(本発明の「突片」に相当する)が突出している。即ち、係止台73は、螺子孔72を挟んで対をなすように配置されており、それら対をなした係止台73同士が、互いに相反する方向に段付き状に突出している。また、各係止台73には、その上面を段付き状に凹ませた係止段差部74が形成されている。係止段差部74は、対向板71の上方及び長辺側面71A側から見て、共に矩形状に陥没した構造をなしている(図11参照)。
また、対向板71のうち、同一の長辺側面71Aから突出した複数(本実施形態では3つ)の係止台73は、対向板71の長手方向で互いに間隔を空けて配置されているので、対向板71のうち、隣り合った螺子孔72同士の中間部分(係止台73が突出していない部分)が、相対的に幅狭となった括れ部71Bとなっている。
図15に示すように、連結板76の下端部からは相反する方向に1対の中間腕部75,75が延びている。中間腕部75は、対向板71における一方の長辺側面71Aと平行に延びて途中で対向板71に向かって直角に折れ曲がり、それぞれ一方の長辺側面71Aにおける長手方向の両端部に接続されている。図10(A)に示すように、連結板76の上端部は直角に折れ曲がっており、その上端部が、受板63の長手方向における一端部下面に宛がわれた状態で溶接されている。なお、連結板76は、その両側縁部に設けられたリブ76Rによって補強されている。
クランプ装置90は、アングル材Sに対して以下のようにして固定されている。即ち、図10(A)に示すように、クランプ装置90の受板63は、アングル材Sの一方のフランジSfの上面に載置されており、そのフランジSfの下方には対向板71が対向配置されている。また、対向板71の螺子孔72に螺合されたクランプボルトBの先端がフランジSfの下面に突き当てられている。つまり、受板63とクランプボルトBの先端との間でフランジSfを強固に挟み込むことで、クランプ装置90がアングル材Sに固定されている。
さて、本実施形態の螺合金具離脱防止具10は、パイプクランプの樹脂部材60では吸収しきれなかった漏れ振動でクランプボルトBが緩むことを防止している。
螺合金具離脱防止具10は、金属製の軸状ボディ11と金属製の可動ベース部材30(本発明の「係止部材」に相当する)とを有している。軸状ボディ11は、例えば鍛造品であり、全体として略円柱形をなしており、その前端部がソケット20となっている。ソケット20に形成された嵌合孔21は、図12(B)に示すように、クランプボルトBのヘッド部Bhの多角形外側面(本実施形態では、六角形外側面)と回転不能に嵌合する構造をなしている。具体的には、嵌合孔21の内側面には、ヘッド部Bhの6つの角部が係合する12の係合縦溝22が均等分に配置されている。つまり、嵌合孔21は、その中心軸を対称中心として30度の回転対称な形状になっていて、ヘッド部Bhにソケット20が嵌合可能な位置から、ソケット20を回転させて再びヘッド部Bhにソケット20が嵌合可能となる位置までの最小回転角が30度となっている。
本実施形態の場合、締め付け後のヘッド部Bhの角部の位置は、60度の範囲でばらつく可能性があるのに対し、そのヘッド部Bhにソケット20を嵌合させた場合のソケット20における位置のばらつきを30度以内に抑えることができる。なお、本実施形態のヘッド部Bhは六角形であるが、ヘッド部Bhが三角形又は四角形であっても同様に、ソケット20の位置のばらつきを30度以内に抑えることができる。
軸状ボディ11のうちソケット20の後方には、本発明に係る「直動支持部」が設けられており、その直動支持部に、可動ベース部材30が直動可能に支持されている。図13に示すように、可動ベース部材30は、アーム支持部31と、1対のアーム部32,32と、1対の係止突部33,33とを備えている。これらアーム支持部31等は、例えば、一定幅の帯状板金をその長手方向の複数箇所で直角に曲げ加工することで形成されている。
図13に示すように、アーム支持部31は、直動支持部に備えられた1対の円弧壁16,16の間を通って、ソケット20の軸方向と直交した方向に延びている(図13(A)参照)。アーム支持部31の長手方向の中央には中心孔34が貫通形成されており、直動支持部に備えた中心シャフト14が、その中心孔34を直動可能に貫通している。1対のアーム部32,32は、ソケット20よりも径方向外側に位置するアーム支持部31の両端部から前方に向かって真っ直ぐ延びており、ソケット20を間に挟んで対峙している。また、各アーム部32の先端部は、ソケット20における嵌合孔21の開口端より前側に位置している。1対の係止突部33は、1対のアーム部32の先端部に設けられて、互いに接近する側に突出したフック状をなしている。
直動支持部のうち、中心シャフト14は、ソケット20の後面を閉塞するソケット後端壁23の中心に抜け止め状態で固定されて後方に延びており、その中心シャフト14の先端部には、抜止ヘッド部15が設けられている。抜止ヘッド部15は、中心孔34の開口縁に係止され、可動ベース部材30を中心シャフト14に対して抜け止めしている。
直動支持部のうち、1対の円弧壁16,16は、ソケット後端壁23の外縁部から後方に突出した筒壁を縦割りに2分割してなり、アーム支持部31を挟んで対峙している。なお、抜止ヘッド部15は、アーム支持部31が最後方まで移動した場合に、そのアーム支持部31が1対の円弧壁16,16の間から抜けることがないように配置されている。
図12(A)に示すように、1対の円弧壁16,16とアーム支持部31との間には隙間が設けられており、その隙間の範囲内で、同図の二点鎖線で示すように、可動ベース部材30に対するソケット20(軸状ボディ11)の回転が許容されている。また、1対の円弧壁16,16がアーム支持部31に当接することで、それ以上のソケット20の回転が禁止されている。本実施形態では、可動ベース部材30に対して最大30度までソケット20(軸状ボディ11)の回転を許容するように前記隙間が設定されており、30度を超えて回転することが禁止されている。なお、1対の円弧壁16とアーム支持部31とが、本発明の「回転規制機構」に相当する。
図13(B)に示すように、1対の円弧壁16,16の内側には、圧縮コイルバネ17が収容されている。圧縮コイルバネ17は、ソケット後端壁23とアーム支持部31の間に配置されており、常には、アーム支持部31を抜止ヘッド部15に押し付けている。そして、可動ベース部材30が軸状ボディ11の前方(ソケット20側)に向かって直動したときに、ソケット後端壁23との間で圧縮コイルバネ17が押し縮められる。ここで、中心シャフト14の先端部に抜止ヘッド部15を備えたので、螺合金具離脱防止具10を構成する全ての部品、即ち、ソケット20(軸状ボディ11)、中心シャフト14、圧縮コイルバネ17、可動ベース部材30等をアッシ化することができ、螺合金具離脱防止具10の取り扱いを容易にすることができる。
図10に示すように、螺合金具離脱防止具10は、ソケット20がクランプボルトBのヘッド部Bhの外側に回転不能に嵌合した状態で、可動ベース部材30が対向板71に対して回り止め状態で係止することで、クランプボルトBの緩みを防止している。なお、対向板71は、本発明に係る「係止相手」に相当する。
詳細には、図11に示すように、1対のアーム部32が、螺子孔72を挟んで対をなした1対の係止台73の各端面に宛がわれ、それら係止台73にそれぞれ形成された係止段差部74の上面に、1対の係止突部33が係止されている。図15に示すように、係止突部33は、係止段差部74を対向板71の上方から見たときの平面視形状と相似した矩形状をなしている。そして、アーム部32が係止台73の端面と当接することによって、対向板71に対する可動ベース部材30の回転が規制されている。
また、ソケット後端壁23とアーム支持部31との間では圧縮コイルバネ17が圧縮されており、その弾発力によって、係止突部33が係止段差部74の上面に押し付けられかつ、ソケット20が対向板71の下面に押し付けられている。
上述したように、締め付け後のクランプボルトBにおけるヘッド部Bhの角部の位置に拘わらず、そのヘッド部Bhに嵌合したソケット20の位置のばらつきは30度以内に抑えることができる。しかも、可動ベース部材30に対するソケット20の最大回転許容角が30度になっているので、クランプボルトBの緩み回転を最小限に抑えつつ、ソケット20に生じ得る位置のばらつきを完全に吸収することができる。つまり、ヘッド部Bhの角部の位置に拘わらず(ヘッド部Bhの角部が対向板71に対して特定の位置になっていなくても)、可動ベース部材30の係止突部33,33を、対向板71の定位置(係止段差部74,74)に係止させることができる。また、ソケット20は可動ベース部材30に対して、30度を超えて回転することはないので、仮に、クランプボルトBが緩んだとしても、その緩み回転は、最大でも30度までに抑えることができる。例えば、クランプボルトBが「M10」と呼称される六角ボルトであった場合、そのクランプボルトBのピッチ(リード)は1.5[mm]であるから、仮に緩んだとしても、クランプボルトBはフランジSfから約0.1[mm]後退するだけである。この程度であれば、フランジSfに対するクランプ装置90の固定力に問題は生じないと考えられる。
螺合金具離脱防止具10の取り付けは以下のようにして行う。まずは、図14に示すように、可動ベース部材30をソケット20側に押し込んだ螺合金具離脱防止具10を、対向板71の下方に配して、可動ベース部材30の先端部(ソケット20における嵌合孔21の開口端)を対向板71に向ける。次に、螺合金具離脱防止具10を上方に移動させて、可動ベース部材30の先端に備えた1対の係止突部33,33を、対向板71の括れ部71Bの側方を通して対向板71より上方位置とする(図14参照)。次に、図15に示すように、螺合金具離脱防止具10を対向板71の長手方向に移動させて、ソケット20をクランプボルトBのヘッド部Bhの真下位置とすると共に、係止突部33,33を係止台73の真上位置とする。この状態で可動ベース部材30を押し込む力を緩めると、圧縮コイルバネ17の弾発力によって可動ベース部材30がソケット20に対して後方に移動すると共に、ソケット20が可動ベース部材30に対して前方に移動する。すると、1対の係止突部33,33が係止段差部74の上面に係止すると共に、ソケット20がクランプボルトBのヘッド部Bhに嵌合する(図10参照)。
ここで、クランプボルトBの螺合操作を何気なく行った場合には、締め付け後のヘッド部Bhにおける角部の位置のばらつきを避けることはできない。一方、締め付け後のヘッド部Bhの角部が特定の位置になるように配慮しながら螺合操作を行うことは、作業効率が悪い。
これに対し、本実施形態によれば、ソケット20が可動ベース部材30に対して一定範囲内で回転可能に連結されているから、締め付け後のヘッド部Bhの角部の位置のばらつきを、可動ベース部材30に対するソケット20の回転によって吸収して、係止突部33,33を対向板71(係止台73)に係止させることができる。また、可動ベース部材30に対するソケット20の回転角が一定範囲内に規制されているから、クランプボルトBの緩み回転を一定範囲内に抑えることができる。
詳細には、締め付け後のヘッド部Bhの角部の位置に拘わらず、ヘッド部Bhに嵌合したソケット20の位置のばらつきを30度以内に抑えることができ、そのソケット20に生じ得る位置のばらつきを、可動ベース部材30に対するソケット20の回転によって完全に吸収することができる。つまり、締め付け後のクランプボルトBのヘッド部Bhの位置に拘わらず、確実に螺合金具離脱防止具10を取り付けることができる。そして、締め付け後のヘッド部Bhの角部を予め特定の位置に合わせておく必要が無くなるので、クランプボルトBの螺合操作を効率よく行うことができる。
また、圧縮コイルバネ17の付勢力によって可動ベース部材30がソケット20の後方に付勢されて、係止突部33が係止段差部74の上面に押し付けられる一方で、ソケット20が前方(クランプボルトBのヘッド部Bh側)に付勢されて、対向板71の下面又はヘッド部Bhに押し付けられるから、クランプボルトBの軸方向における可動ベース部材30及びソケット20の振動及びそれに伴う騒音を防止することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態を図16に基づいて説明する。同図(A)に示すように、本実施形態の螺合金具離脱防止具10では、ソケット後端壁23の中央部から後方に向かって円柱状のガイドポスト40が起立している。可動ベース部材30におけるアーム支持部31は、ガイドポスト40の外側に直動可能に支持されている。アーム支持部31は、ガイドポスト40の径方向外側に張り出した円環状のリング板部42と、そのリング板部42の外周縁から、さらに径方向外側に向かって張り出した1対の帯板部43,43とから構成されている。1対の帯板部43,43は、リング板部42の周方向で互いに180度離れた位置からソケット20の側方に張り出しており、それら帯板部43,43の先端からアーム部32,32が延びている。ガイドポスト40の先端部にはフランジ44が形成されており、可動ベース部材30をガイドポスト40に対して抜け止めしている。ガイドポスト40の外側には圧縮コイルバネ17が遊嵌状態で巻回されている。圧縮コイルバネ17は、ソケット後端壁23とアーム支持部31(リング板部42)の間に配置され、可動ベース部材30がソケット20側に直動すると圧縮変形するようになっている。ここで、ガイドポスト40は、本発明の「直動支持部」に相当する。
ガイドポスト40の外周面には、その軸方向に沿って延びた突条45が形成されている。これに対し、可動ベース部材30のうちリング板部42の内周縁には円弧状切欠部46が形成されており、その円弧状切欠部46に突条45が受容されている。つまり、可動ベース部材30に対するソケット20の回転が、円弧状切欠部46の範囲内で(例えば、最大30度まで)許容されている。ここで、突条45と円弧状切欠部46とによって、本発明の「回転規制機構」が構成されている。その他の構成は、上記第5実施形態と同一であるから、重複した説明は省略する。本実施形態でも、上記第5実施形態と同等の作用効果を奏する。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態を図17に基づいて説明する。同図(A)に示すように、本実施形態の螺合金具離脱防止具10では、ソケット後端壁23から後方に向かって1対のガイドピン47,47が起立している。ガイドピン47はソケット後端壁23の中心から側方にずれた位置に設けられて、可動ベース部材30のアーム支持部31を貫通している。アーム支持部31には、1対の円弧状長孔48,48が設けられており(図17(B)参照)、それら円弧状長孔48をガイドピン47が直動可能に貫通している。ガイドピン47の先端には抜止ヘッド部15が設けられており、その抜止ヘッド部15が円弧状長孔48の開口縁に係止されて、可動ベース部材30をガイドピン47に対して抜け止めしている。ガイドピン47の外側には圧縮コイルバネ17が遊嵌状態で巻回されている。圧縮コイルバネ17は、ソケット後端壁23とアーム支持部31との間に配置されており、可動ベース部材30がソケット20側に移動すると、圧縮コイルバネ17が圧縮変形するようになっている。
ところで、アーム支持部31に形成された1対の円弧状長孔48,48は、ソケット20の中心軸を中心とした円弧状をなしており、その円弧状長孔48の範囲内でガイドピン47が移動可能となっている。つまり、可動ベース部材30に対するソケット20の回転が、円弧状長孔48の範囲内で(例えば、最大30度まで)許容されている。ここで、ガイドピン47は、本発明の「直動支持部」に相当し、ガイドピン47と円弧状長孔48とによって、本発明の「回転規制機構」が構成されている。その他の構成は、上記第5実施形態と同一であるから、重複した説明は省略する。本実施形態でも、上記第5実施形態と同等の作用効果を奏する。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態を、図18に基づいて説明する。同図(A)に示すように、本実施形態の螺合金具離脱防止具10では、ソケット後端壁23から後方に向かって円筒形のガイド筒50が突出している。ガイド筒50は、中心シャフト14の周囲を囲んだ円筒形をなしている。これに対し、可動ベース部材30のうちアーム支持部31の長手方向中央からは、ガイド筒50に向かってガイド柱53が突出している。ガイド柱53は円柱形をなしており、ガイド筒50の内側に直動可能に挿入されている。中心シャフト14は、ガイド柱53の軸心部に形成された軸心孔54を直動可能に貫通しており、その先端部に設けられた抜止ヘッド部15によって、可動ベース部材30が中心シャフト14に対して抜け止めされると共に、ガイド柱53がガイド筒50に対して抜け止めされている。ここで、ガイド筒50及び中心シャフト14は、本発明の「直動支持部」に相当する。
ガイド筒50の内側には圧縮コイルバネ17が収容されている。圧縮コイルバネ17は、ソケット後端壁23とガイド柱53との間に配置されており、可動ベース部材30がソケット20側に移動すると、圧縮変形するようになっている。
さて、ガイド筒50の内周面には、その軸方向に沿って延びた突条51が形成されている。これに対し、ガイド柱53の外周面には、その軸方向(直動方向)に沿って延びた縦溝55が形成されており、その縦溝55に突条51が受容されている。縦溝55の溝幅は、突条51の幅よりも広くなっており、その溝幅の範囲で突条51が移動可能となっている。つまり、可動ベース部材30に対するソケット20の回転が、縦溝55の溝幅の範囲内で(例えば、最大30度まで)許容されている。ここで、突条51と縦溝55とによって、本発明の「回転規制機構」が構成されている。その他の構成は、上記第5実施形態と同一であるから、重複した説明は省略する。本実施形態でも、上記第5実施形態と同等の作用効果を奏する。
[第9実施形態]
本実施形態の螺合金具離脱防止具100は、本発明の請求項6に対応するものであり、複数の各嵌合部材の嵌合孔の中心軸同士を相互に平行かつ間隔(軸間距離)を一定に保持する連結ベースと、連結ベースに対する各嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制するストッパ機構とを備えた構成となっている。以下、上記第1実施形態との相違点のみを説明することとし、同一の構成については、同一符号を付すことで重複した説明を省略する。
図19(A)に示すように、本実施形態の螺合金具離脱防止具100は、直線状に延びた板状の連結ベース101と、「嵌合部材」としての1対のソケット20,20とを備え、連結ベース101の両端部がソケット20のソケット後端壁23に重ねられている。連結ベース101の両端部をそれぞれ連結ピン130が抜け止め状態で貫通しており、それら連結ピン130が、ソケット後端壁23のうち嵌合孔21の中心軸上に形成されたピン孔24を貫通して抜け止めされている。即ち、1対のソケット20は、それぞれの嵌合孔21の中心軸同士を相互に平行かつ間隔を一定にした状態で、連結ベース101に回転可能に連結されている。
ソケット後端壁23には、1対のストッパ突部25,25が設けられている。これらストッパ突部25,25は、連結ベース101の端部を挟んだ両側位置で嵌合孔21の中心軸と平行に起立しており、ソケット後端壁23の中心から外縁部に向かうに従って互いに離れるように延びた壁状をなしている。連結ベース101は、これら1対のストッパ突部25,25の間で回転可能となっており、ストッパ突部25が連結ベース101の側面に当接することで、連結ベース101に対するソケット20の回転角が一定範囲内に規制されている。即ち、ストッパ突部25,25と連結ベース101とによって、本発明の「ストッパ機構」が構成されている。
本実施形態では、例えば、嵌合孔21の内側面に、螺合操作部材(六角ボルト又は六角ナット)の角部と係合可能な12の係合縦溝(図示せず)が均等分に配置されており、締め付け後の螺合操作部材における角部の位置に拘わらず、その螺合操作部材に嵌合したソケット20の位置のばらつきを、それぞれ30度以内に抑えることが可能となっている。また、これに伴い、連結ベース101に対する各ソケット20の回転が最大30度まで許容されている。これにより、螺合操作部材の緩み回転を最小限に抑えつつ、ソケット20に生じ得る位置のばらつきを完全に吸収することができる。本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
本実施形態のストッパ突部25,25は壁状であったが、次述する第10実施形態(図20参照)のように軸状としてもよい。また、上記第1又は第3実施形態で説明したような固定ベース160と、固定ベース160と連結ベース101とに設けられて互いに係合し、連結ベース101における嵌合孔111の軸方向への移動を規制する軸移動規制手段(例えば、固定ベース160から連結ベース101に向かって起立して、連結ベース101の幅方向の両側縁部に係止するスナップフィット構造の係止アーム)とを備えた構成としてもよい。さらに、例えば、連結ベース101の軸方向の両端部と中間部とを含む3つ以上の複数のソケット20を連結ベース101に連結した構成としてもよい。
[第10実施形態]
本実施形態の螺合金具離脱防止具100は、本発明の請求項7に対応するものであり、上記第9実施形態の螺合金具離脱防止具100に対して、1対のソケット20同士の間隔を任意に変更するための「嵌合部材間距離可変機構」を追加したものである。具体的には、図20(A)及び同図(B)に示すように、連結ベース101の両端部に形成されたピン孔103のうち、少なくとも一方は、連結ベース101の軸方向に延びた長孔になっていて、その長孔の範囲で連結ピン130が移動可能となっている。つまり、ソケット20同士の間隔を任意に拡縮することが可能となっており、1対のソケット20と嵌合する1対の螺合操作部材同士の間隔(軸間距離)のばらつきを吸収することができる。即ち、1対の螺合操作部材同士の間隔が一定でなくても、螺合金具離脱防止具100を取り付けることが可能になり、取り付けの適応性を高めることができる。
なお、本実施形態におけるストッパ突部25は軸状であるが、上記第9実施形態(図19参照)のような壁状でもよい。また、本実施形態では、連結ベース101の両端部に備えた1対のピン孔103が共に長孔になっていたが、何れか一方のピン孔103のみを長孔にしてもよい。
図21(A)及び同図(B)には、「嵌合部材間距離可変機構」の変形例が示されている。同図に示すように、連結ベース101は、一方のソケット20と連結した帯板状の第1の連結ベース構成部材101Aと、他方のソケット20と連結した帯板状の第2の連結ベース構成部材101Bとから構成され、それら第1と第2の連結ベース構成部材101A,101Bが互いに軸方向にスライド可能に係合している。この構成によれば、連結ベース101を軸方向に伸縮させることで、1対のソケット20同士の間隔を任意に変更することが可能となる。なお、第1と第2の連結ベース構成部材101A,101Bは、軸方向へのスライド移動以外の移動が規制された構成にするとより好ましい。例えば、第1と第2の連結ベース構成部材101A,101Bのスライド係合を、アリ溝とホゾによる凹凸係合としてもよい。
[第11実施形態]
以下、本発明の第11実施形態を図22に基づいて説明する。本実施形態の螺合金具離脱防止具10は、嵌合孔21を有したソケット20と、ソケット20の側方に張り出すと共に、嵌合孔21の中心軸を中心にしてソケット20に対して回転可能に支持されたアーム支持部31を有する可動ベース部材30(本発明の「係止部材」に相当する)と、アーム支持部31の先端からソケット20の中心軸と平行に延びて先端部がソケット20における嵌合孔21の開口端より前側に位置したアーム部32と、アーム部32の先端に設けられて、螺合操作部材とは別の固定された係止相手Tに係止する係止突部33と、アーム支持部31に対するソケット20の回転角を一定範囲内に規制する回転規制機構とを備えている。
詳細には、図22(B)に示すように、ソケット20におけるソケット後端壁23にアーム支持部31が重ねて配置されると共に、そのアーム支持部31の基端部を抜け止め状態で貫通した連結ピン130が、ソケット後端壁23のうち嵌合孔21の中心軸上に形成されたピン孔24を貫通して抜け止めされている。アーム部32は、アーム支持部31の先端部から片持ち梁状に延びており、アーム部32の先端部に形成された係止突部33は、ソケット20側に突出した矢尻形状をなしている。また、アーム部32は、ソケット20に接離するように弾性変形可能となっている。
ソケット後端壁23には、1対のストッパ突部25,25が設けられている。図22(A)に示すように、1対のストッパ突部25は、アーム支持部31を挟んだ両側位置で嵌合孔21の中心軸と平行に起立しており、ソケット後端壁23の中心から外縁部に向かうに従って互いに離れるように延びた壁状をなしている。アーム支持部31は、連結ピン130を中心にしてこれら1対のストッパ突部25の間で回転可能となっており、ストッパ突部25がアーム支持部31の側面に当接することで、可動ベース部材30に対するソケット20の回転角が一定範囲内に規制されている。即ち、1対のストッパ突部25と連結ベース101とによって、本発明の「回転規制機構」が構成されている。
ソケット20を螺合操作部材の外側に嵌合させる過程で、係止突部33が係止相手Tの側面に摺接してアーム部32が弾性変形し、係止突部33が係止相手Tを乗り越えると、アーム部32が復元して係止突部33が係止相手Tと係止する。そして、アーム部32が係止相手Tの側面に近接配置されることで、係止相手Tに対するソケット20の回転が一定範囲内(例えば、30度以内)に規制されて、螺合操作部材が緩み止めされると共に、係止突部33が係止相手Tと係止することで、螺合操作部材から離脱する方向へのソケット20の移動が規制される。
本実施形態では、例えば、嵌合孔21の内側面に、螺合操作部材(六角ボルト又は六角ナット)の角部と係合可能な12の係合縦溝(図示せず)が均等分に配置されており、締め付け後の螺合操作部材における角部の位置に拘わらず、その螺合操作部材に嵌合したソケット20の位置のばらつきを、それぞれ30度以内に抑えることが可能となっている。また、これに伴い、可動ベース部材30に対するソケット20の回転が最大30度まで許容されている。これにより、螺合操作部材の緩み回転を最小限にしつつ、ソケット20に生じ得る位置のばらつきを完全に吸収することができる。なお、ストッパ突部25,25を壁状ではなく、軸状としてもよい。
本実施形態の螺合金具離脱防止具10によれば、螺合操作部材の角部の位置のばらつきによって発生し得るソケット20の位置のばらつきを、可動ベース部材30に対するソケット20の回転によって完全に吸収することができるから、締め付け後の螺合操作部材における角部の位置に拘わらず(角部の位置が係止相手Tに対して特定の位置になっていないときでも)、確実に可動ベース部材30を係止相手Tに係止させることが可能になり、螺合金具離脱防止具10を従来より容易に取り付けることが可能になる。
図23には、本実施形態の変形例が示されている。この螺合金具離脱防止具10は、上記第1実施形態と同一構造の嵌合部材110を有しており、その嵌合部材110にL字形の係止部材140が連結されている。係止部材140におけるL形第1辺141が嵌合部材110の一部に重ねて配置され、そのL形第1辺141から突出した連結ピン144が、嵌合部材110の円弧孔113を貫通して抜け止めされている。係止部材140におけるL形第2辺142は、嵌合孔111の中心軸と平行に延びて先端部に矢尻形状の係止突部143を備えている。
嵌合部材110を螺合操作部材の外側に嵌合させる過程で、係止突部143が係止相手Tの側面に摺接してL形第2辺142が弾性変形し、係止突部143が係止相手Tを乗り越えると、L形第2辺142が復元して係止突部143が係止相手Tと係止する。L形第2辺142が係止相手Tの側面に近接配置されることで、係止相手Tに対する嵌合部材110の回転が一定範囲内(例えば、30度以内)に規制されて、螺合操作部材が緩み止めされると共に、係止突部143が係止相手Tと係止することで、嵌合部材110の中心軸方向への移動が規制される。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1〜第4実施形態及び図23に示した嵌合部材110は板状をなしていたが、例えば、鍔付き帽子のように、螺合操作部材の外側に嵌合するソケットの外側面から鍔部が張り出して、その鍔部に円弧孔が形成された構造としてもよい。
(2)本発明に係る「連結ベース」又は「係止部材(可動ベース部材)」に対する「嵌合部材(ソケット)」の最大回転許容角は、以下の要件を満たす角度であればよい。即ち、螺合操作部材を嵌合孔に嵌合可能な位置から嵌合部材を回転させて再び螺合操作部材が嵌合孔に嵌合可能となる位置までの嵌合部材の最小回転角をθmとし、嵌合孔の中心軸を中心とした嵌合部材の最大回転許容角をθsとしたときに、
θm ≦ θs <2・θm
上記関係式を満たす角度であればよい。ここで、緩み止めの観点からは、最小回転角θmと最大回転許容角θsとの差はなるべく小さい方が好ましく、上記実施形態のように、θm=θsとすることが最も理想的である。
具体的には、例えば、嵌合孔の内側面に18の係合縦溝を均等分に形成して、嵌合孔を20度の回転対称な形状とし、嵌合孔の中心軸を中心とした最大回転許容角θsを20度以上40度未満、理想的には、最大回転許容角θsを20度とした構成にしてもよい。
また、例えば、嵌合孔の内側面に24の係合縦溝を均等分に形成して、嵌合孔を15度の回転対称な形状とし、嵌合孔の中心軸を中心とした最大回転許容角θsを15度以上30度未満、理想的には、最大回転許容角θsを15度とした構成にしてもよい。
(3)上記第3実施形態では、弾性クランプ165が固定ベース160に設けられていたが、例えば、連結ベース105を板状にすると共に、固定ベース160の中間部をパイプ状にして、連結ベース105に一体に備えた弾性クランプで、パイプ状をなした固定ベース160の中間部を外側からクランプするように構成してもよい。
(4)上記第1〜第4実施形態では、螺合金具離脱防止具100の連結ベース101,105を、折爪162,162又は弾性クランプ165によって保持していたが、固定ベース160又は連結ベース101,105の双方又は一方に設けた磁石の磁力によって連結ベース101,105を固定ベース160に保持するように構成してもよい。
(5)上記第1〜第4,第9,第10実施形態において、螺合金具離脱防止具100は、直線状に延びた連結ベース101,105の両端に、1対の嵌合部材110又はソケット20を回転可能に連結した構成であったが、例えば、図24及び図25に示すように、直線状又は円弧状に湾曲して延びた連結ベース101の両端部と中間部とを含む3箇所以上の位置に、それぞれ嵌合部材110又はソケット20を、嵌合孔111,21の中心軸を中心として一定の回転角の範囲で回転可能に連結した構成としてもよい。さらに、図25に示すように、連結ベース101に設けられた複数のピン孔103の少なくとも1つを長孔にして、隣り合ったソケット20同士の間隔(軸間距離)を任意に変更可能な構成としてもよい。例えば、図25に示すように、連結ベース101の一端部と中間部の両ピン孔103を長孔にしてもよいし、連結ベース101の中間部のピン孔103のみを長孔にしてもよいし、連結ベース101の両端部のピン孔103をそれぞれ長孔にしてもよい。
(6)また、例えば、図26に示すように、多角形(図26では三角形)の板状をなした連結ベース101における複数の各角部に、それぞれ嵌合部材110又はソケット20を、嵌合孔の中心軸を中心として一定の回転角の範囲で回転可能に連結した構造としてもよい。さらに、連結ベース101に形成された複数のピン孔(図示せず)の少なくとも1つを長孔にして、支持ピン102同士の間隔(軸間距離)を任意に変更可能な構成にしてもよい。
(7)上記第5〜第8実施形態では、1対のアーム部32で、対向板71から側方に突出した係止台73を挟んでいたが、対向板71から係止台73(及び括れ部71B)を排除して、1対のアーム部32で対向板71を幅方向から挟むような構成としてもよい。その場合には、係止突部33を矢尻形状にして、1対のアーム部32を、所謂、スナップフィットのように弾性変形可能な構成としておくとよい。このような構成にすると、螺合金具離脱防止具10を対向板71に近づけていく過程で、1対のアーム部32に備えた係止突部33が対向板71の長辺側面71A,71Aに摺接してアーム部32が弾性変形し、係止突部33が対向板71を乗り越えると、1対のアーム部32が復元して、それらアーム部32が対向板71の長辺側面71Aに宛がわれると共に、係止突部33が対向板71の長辺縁部に係止する。このような構成としても、上記第5実施形態と同等の効果を奏する。
(8)上記第1〜第11実施形態で説明した螺合金具離脱防止具10,100は、パイプ固定装置190及びクランプ装置90だけでなく、螺合操作部材を使用したその他の装置、機器、構造物に用いてもよい。
(9)上記第5実施形態で説明したクランプ装置90における1対の締結ボルト64,64に対して、上記第1〜第4,第9及び第10実施形態で説明した螺合金具離脱防止具100(本発明の請求項1乃至8に記載の螺合金具離脱防止具)を取り付けて締結ボルト64,64の緩み止めを行ってもよい。
(10)螺合金具離脱防止具100は、図27(A)及び同図(B)に示すような構成としてもよい。即ち、ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔111を有した1対の嵌合部材110のそれぞれに、嵌合孔111に対して同心の円弧孔113を設け、引っ張りコイルバネ120の両端に備えた1対の引掛部121を1対の嵌合部材110の各円弧孔113に引っ掛けた構成としてもよい。また、引っ張りコイルバネ120のコイル部の外側にパイプ部材122を嵌合させておき、そのパイプ部材122を、上記第3実施形態で説明した固定ベース160の弾性クランプ165(図8参照)によってクランプして保持するようにしてもよい。
また、上記した螺合金具離脱防止具100における引っ張りコイルバネ120を、ターンバックル(1対のターンバックルボルトをターンバックル胴の両端部に螺合させたもの)に変更してもよい。
10,100 螺合金具離脱防止具
14 中心シャフト
15 抜止ヘッド部
16 円弧壁
17 圧縮コイルバネ
20 ソケット
21 嵌合孔
22 係合縦溝
23 ソケット後端壁
25 ストッパ突部
30 可動ベース部材(係止部材)
31 アーム支持部
32 アーム部
33 係止突部
34 中心孔
71 対向板(一方の対向壁)
90 クランプ装置
101,105 連結ベース
102 支持ピン(係合突起)
107 ピン孔
108 縦割スリット
109 支持ピン
110 嵌合部材
111 嵌合孔
112 係合縦溝
113 円弧孔
120 引っ張りコイルバネ
121 引掛部
140 係止部材
143 係止突部
150 Uボルト
160 固定ベース
161 ボルト挿通孔
162 折爪(軸移動規制手段)
165 弾性クランプ(軸移動規制手段)
B クランプボルト(螺合操作部材)
Bh ヘッド部
N ナット(螺合操作部材)
P パイプ
S アングル材(取付対象物)
T 係止相手

Claims (18)

  1. ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した複数の嵌合部材と、
    前記複数の嵌合部材が共通して連結され、それら嵌合部材の前記嵌合孔の中心軸同士を相互に平行になった状態で保持する連結ベースと、
    前記連結ベース及び前記嵌合部材の一方に形成され、前記嵌合孔の中心軸を中心とする円弧状に湾曲した円弧孔と、
    前記連結ベース及び前記嵌合部材の他方に設けられ、前記円弧孔に凹凸係合すると共に、前記円弧孔の両端間を移動可能な係合突起とを備えたことを特徴とする螺合金具離脱防止具。
  2. 前記連結ベースは、直線状をなしかつその両端部を直交するように貫通した前記係合突起としての支持ピンを備え、
    前記複数の嵌合部材は板状をなしかつ前記円弧孔を有し、
    前記連結ベースの両端部にそれぞれ前記嵌合部材の一部を重ねて、前記円弧孔に前記支持ピンを貫通させたことを特徴とする請求項1に記載の螺合金具離脱防止具。
  3. 前記連結ベースの両端部の前記支持ピン同士の間隔を任意に変更するための支持ピン間距離可変機構を備えたことを特徴とする請求項2に記載の螺合金具離脱防止具。
  4. 前記連結ベースの一端部又は他端部には、それら両端部間を連絡する方向に延びた長孔が形成され、その長孔に前記支持ピンが嵌合されて、前記支持ピン同士の間隔を任意に変更可能としたことを特徴とする請求項2に記載の螺合金具離脱防止具。
  5. 前記嵌合部材は、板金を打ち抜いてなり、
    前記連結ベースは、パイプの両端部に前記嵌合部材の一部を受容した縦割スリットを形成してなり、
    前記パイプの両端部に形成されて前記縦割スリットを挟んで対向したピン孔に、前記支持ピンの両端部を嵌合させたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具。
  6. ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した複数の嵌合部材と、
    前記複数の嵌合部材が共通して回転可能に連結され、それら嵌合部材の前記嵌合孔の中心軸同士を相互に平行かつ一定間隔に保持した状態に保持する連結ベースと、
    前記連結ベースと前記嵌合部材とに形成され、前記連結ベースに対する前記嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制するストッパ機構とを備えたことを特徴とする螺合金具離脱防止具。
  7. ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した1対の嵌合部材と、
    前記1対の嵌合部材が、各嵌合孔を中心に回転するように連結された連結ベースと、
    前記連結ベースと前記嵌合部材とに形成され、前記連結ベースに対する前記嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制するストッパ機構とを備え、
    前記連結ベースは、直線状をなして両端部に前記1対の嵌合部材が回転可能に連結されると共に、それら嵌合部材同士の間隔を任意に変更するための嵌合部材間距離可変機構を備えたことを特徴とする螺合金具離脱防止具。
  8. 複数のボルト挿通孔を有し、それらボルト挿通孔にそれぞれボルトを通した状態で前記螺合操作部材にて押さえられて固定される固定ベースと、
    前記固定ベースと前記連結ベースとに設けられて互いに係合し、前記連結ベースにおける前記嵌合孔の軸方向の移動を規制する軸移動規制手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具。
  9. ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した嵌合部材と、
    前記嵌合部材に回転可能に連結され、前記螺合操作部材とは別の固定された係止相手に対して回り止め状態で係止される係止部材と、
    前記係止部材と前記嵌合部材とに形成され、前記係止部材に対する前記嵌合部材の回転角を一定範囲内に規制する回転規制機構とを備えたことを特徴とする螺合金具離脱防止具。
  10. 前記嵌合部材としてのソケットと、
    前記ソケットの側方に張り出すと共に前記嵌合孔の中心軸を中心にして前記ソケットに対して回転可能に支持されたアーム支持部を有する前記係止部材としての可動ベース部材と、
    前記アーム支持部から前記ソケットの中心軸と平行に延びて先端部が前記ソケットにおける前記嵌合孔の開口端より前側に位置したアーム部と、
    前記アーム部の先端部に設けられて前記係止相手に係止する係止突部とを備えたことを特徴とする請求項9に記載の螺合金具離脱防止具。
  11. 前記ソケットに設けられて前記ソケットの軸方向に延びた直動支持部を備え、
    前記可動ベース部材は、前記直動支持部に直動可能に支持されると共に、前記アーム部が対をなして前記アーム支持部から延びて前記ソケットを間に挟んで対峙しかつ、前記係止突部が前記1対のアーム部の先端部から互いに接近する側に突出し、
    前記可動ベース部材を前記ソケットの後方に向けて付勢するバネ部材を備えたことを特徴とする請求項10に記載の螺合金具離脱防止具。
  12. 前記アーム支持部は、前記ソケットの軸方向と直交する方向に延びた帯板状をなして、その長手方向の中央に中心孔を有し、
    前記ソケットの後面を閉塞するソケット後端壁の中心から後方に延び、前記アーム支持部の前記中心孔を貫通した中心シャフトと、前記中心シャフトの先端部に設けられて前記中心孔の開口縁に係止し、前記可動ベース部材を中心シャフトに抜け止めする抜止ヘッド部と、前記ソケット後端壁の外縁部から後方に突出した筒壁を縦割りに2分割してなり、前記アーム支持部を間に挟んで対峙した1対の円弧壁とで、前記直動支持部が構成され、
    前記1対の円弧壁と前記アーム支持部との間に隙間を設けて前記可動ベース部材の回転を許容すると共に、前記1対の円弧壁と前記アーム支持部とで前記回転規制機構が構成され、
    前記バネ部材は、圧縮コイルバネであって、前記ソケット後端壁と前記アーム支持部の間に配置されて、前記1対の円弧壁の内側に収容されていることを特徴とする請求項11に記載の螺合金具離脱防止具。
  13. ボルトのヘッド部、ナットその他の多角形の螺合操作部材の外側に回転不能に嵌合される嵌合孔を有した1対の嵌合部材のそれぞれに、前記嵌合孔に対して同心の円弧孔を設け、引っ張りコイルバネの両端に備えた1対の引掛部を前記1対の嵌合部材の各円弧孔に引っ掛けたことを特徴とする螺合金具離脱防止具。
  14. 前記嵌合孔の中心軸を中心とした前記嵌合部材の最大回転許容角を30度以上60度未満としたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1の請求項に記載の螺合金具離脱防止具。
  15. 前記最大回転許容角は、30度であることを特徴とする請求項14に記載の螺合金具離脱防止具。
  16. 前記嵌合部材の内側面には、前記螺合操作部材の角部が係合する12の係合縦溝が均等分に配置されたことを特徴とする請求項15に記載の螺合金具離脱防止具。
  17. 1対の対向壁を有したコの字形のクランプ本体のうち、一方の前記対向壁に螺子孔が貫通形成されて、その螺子孔に螺合されたクランプボルトの先端部と、他方の前記対向壁との間で取付対象物を挟み込むネジ式クランプと、
    請求項11又は12に記載の螺合金具離脱防止具とを備え、
    前記ソケットが前記クランプボルトのヘッド部に嵌合すると共に、前記1対のアーム部で前記一方の対向壁又は前記一方の対向壁から側方に突出した突片を挟んだことを特徴とするクランプ装置。
  18. 前記ネジ式クランプのうち前記他方の対向壁に固定されて、流体が通過するパイプの途中を挟んで保持することが可能なパイプクランプを備えたことを特徴とする請求項17に記載のクランプ装置。
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