JP2014118323A - 周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法及び周期表第13族金属窒化物半導体結晶 - Google Patents

周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法及び周期表第13族金属窒化物半導体結晶 Download PDF

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和典 鎌田
Tatsuhiro Ohata
達寛 大畑
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英夫 藤澤
Shuichi Kubo
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Abstract

【課題】結晶に発生する積層欠陥を低減し、非極性面又は半極性面を主面とする高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができる方法を提供することを課題とする。
【解決手段】超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られた周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、かかる下地基板上に結晶成長させて、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することにより、積層欠陥が極めて少ない非極性面又は半極性面を主面とする高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法及び周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表される周期表第13族金属窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、さらにバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色等の発光ダイオードや半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子として実用化されている。これらの素子は、同種の材料からなり、かつ転位や欠陥の少ない高品質な半導体基板(自立基板)を用いて製造されることが好ましく、このような半導体基板となり得る周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造技術が盛んに研究されている。代表的な製造方法として、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や有機金属化学蒸着法(MOCVD法)等の気相成長法を利用した製造方法が一般的に知られているが、超臨界アンモニア含有溶液を用いる、いわゆるアモノサーマル法を利用した半導体基板の製造方法も提案されている(特許文献1参照)。
周期表第13族金属窒化物半導体基板については、ピエゾ電界の影響を抑制する観点から、非極性面又は半極性面を主面とする半導体基板が必要とされており、例えば(0001)面等の極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その主面上に結晶成長させて、得られた結晶を非極性面又は半極性面が現れるように研磨又は切断することによって製造することができる。しかしながら、極性面を主面とする下地基板を用いる方法では、非極性面又は半極性面を主面とする大口径の半導体基板を効率よく製造することは困難である。そこで最近では、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、かかる主面上に結晶成長させる製造方法が注目されている。
一方で、例えばHVPE法等によって作製された周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その非極性面上又は半極性面上に結晶成長させると、成長層に多数の積層欠陥が発生してしまうことが明らかとなっており、高品質な周期表第13族金属窒化物半導体基板を実現するためには、積層欠陥を低減する技術が必要である。
積層欠陥を低減する方法として、例えば使用するGaN種結晶基板の不純物濃度と形成するGaN結晶層との不純物濃度の差を、3×1018cm−3以下とする成長方法が提案されている(特許文献2参照)。積層欠陥に対する不純物濃度の影響は十分に明らかとなっていないが、GaN種結晶基板とGaN結晶層との間の不純物濃度の差が大きくなりすぎると、形成するGaN結晶層の格子定数が変化し、格子定数差に起因する応力を緩和するため、積層欠陥が発生する原理が報告されている。
特表2006−509710号公報 特開2012−066983号公報
HVPE法等によって作製された周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その非極性面上又は半極性面上に結晶成長させて周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ようとすると、結晶に多数の積層欠陥が発生してしまうことになる。
本発明は、結晶に発生する積層欠陥を低減し、非極性面又は半極性面を主面とする高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られた周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、かかる主面上に結晶成長させて、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することにより、積層欠陥の極めて少ない非極性面又は半極性面を主面とする高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1) 非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法であって、前記下地基板が、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(2) 前記下地基板が、下記(a)〜(d)の条件を少なくとも1つを満たす結晶である、(1)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(a)水素濃度が1.0×1017atoms・cm−3以上。
(b)酸素濃度が1.0×1017〜1.0×1020atoms・cm−3
(c)アルカリ金属濃度が1.0×1017atoms・cm−3以下。
(d)キャリア濃度が1.0×1017〜1.0×1019cm−3
(3) 前記下地基板が、3100〜3200cm−1に赤外線吸収ピークを有する結晶である、(1)又は(2)に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(4) 前記下地基板が、波長405nmにおける光の吸収係数が1〜30cm−1の結晶である、(1)〜(3)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(5) 前記下地基板が、波長445nmにおける光の吸収係数が0.5〜5cm−1の結晶である、(1)〜(4)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(6) 前記下地基板が、主面における基底面転位密度が1.0×10cm−2以下の結晶である、(1)〜(5)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(7) 前記下地基板が、積層欠陥密度10cm−1以下の結晶である、(1)〜(6)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(8) 前記成長工程が、気相成長法によって周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる工程である、(1)〜(7)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
(9) (1)〜(8)の何れかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法によって製造されたことを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
本発明によれば、積層欠陥の極めて少ない非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができる。
本発明に係る下地基板を作製するために使用する装置例の概念図である。 HVPE法に使用する装置例の概念図である。 本発明に係る成長工程の温度変化を経時的に表す概念図である。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法の詳細を説明するに当たり、窒化ガリウム結晶における実施態様や具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
また、本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鉱型結晶構造)における{0001}面と等価な面を意味する。周期表第13族金属窒化物半導体結晶ではC面は極性面であり、+C面は周期表第13族金属面、窒化ガリウムの場合にはGa面に相当する。
本明細書において「M面」とは、{1−100}面として包括的に表される面であり、具体的には(1−100)面、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、および(10−10)面を意味する。かかる面は非極性面である。
本明細書において「A面」とは、{2−1−10}面として包括的に表される面であり、具体的には(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、および(11−20)面を意味する。かかる面は非極性面である。
本明細書において「半極性面」とは、結晶面に周期表第13族金属元素と窒素元素の両方が存在しており、その存在比が1:1でない面であれば特に限定されないが、例えば{20−21}面、{10−11}面、{10−12}面、{11−21}面、{11−22}面、{11−23}面、{11−24}面などがあげられる。
なお、本明細書において<・・・・>との表記は方向の集合表現、[・・・・]との表記は方向の個別表現を表す。それに対して{・・・・}との表記は面の集合表現、(・・・・)との表記は面の個別表現を表す。
また、本明細書においてC面、M面、A面や特定の指数面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から20°以内のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が15°以内であり、より好ましくは10°以内である。
さらに、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
1.周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含む製造方法である。そして、下地基板(以下、「本発明に係る下地基板」と略す場合がある。)が超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶であることを特徴とする。
前述のように、HVPE法等によって作製された周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を用い、その非極性面上又は半極性面上に結晶成長させる方法では、形成した成長層に多数の積層欠陥が発生してしまうという問題がある。本発明者らが検討したところによると、下地基板に残留する歪みが成長層に発生する応力の一因となっており、かかる応力を緩和しようとする働きによって、成長層に積層欠陥が発生してしまうものと考えられる。従って、残留歪みの小さい下地基板を用いることによって、成長層に発生する積層欠陥を低減することができるものと考えられる。そして、本発明者らは超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させる、いわゆるアモノサーマル法を利用することによって、残留歪みの小さい周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることができ、さらにかかる結晶を下地基板として用いることによって、積層欠陥の極めて少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造することができることを見出したのである。
アモノサーマル法は、原料の溶解と析出による平衡に近い状態下での結晶成長であるため、化学反応により結晶成長させるHVPE法等と比較して低歪みで高品質な周期表第1
3族金属窒化物半導体結晶が得られるものと考えられる。結晶中の残留歪みについては、転位密度や格子面間隔の伸縮によって把握することができ、例えば格子面間隔の伸縮が大きいほど、結晶中の残留歪みは大きくなることを本発明者らは確認している。そして、アモノサーマル法によって得られた非極性面又は半極性面を主面とする結晶が、a軸方向及び/又はc軸方向の格子面間隔についても、その伸縮(Δd/dave)が|5.0×10−6|以下となり、HVPE法によって得られる結晶に比べて(Δd/dave=|1.0〜5.0×10−5|)、一桁も小さくなることを本発明者らは確認している(なお、転位密度については、アモノサーマル法によって得られる結晶が5×10個/cm以下であるのに対し、HVPE法によって得られる結晶が1×10〜10×10個/cmである。)。即ち、アモノサーマル法は、HVPE法等よりも低歪みで高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶が得られるのである。
なお、本発明において「主面」とは、下地基板や形成した成長層等の結晶上に存在する表面のうち、最も広い面を意味し、結晶成長の進むべき面であることを意味する。
また、「超臨界状態」の溶媒とは、溶媒が臨界点(臨界温度及び/又は臨界圧力)を超えた条件下におかれ、超臨界流体の状態にあることを意味する。超臨界流体は、一般的に粘度が低く、拡散性に優れるとともに、液体と同様の溶媒和力を有する特徴を有する。
さらに、「亜臨界状態の溶媒」とは、溶媒が臨界温度近傍の条件下におかれ、臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態にあることを意味する。
本発明に係る下地基板は、「超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶」であるが、これは即ち、臨界温度及び/又は臨界圧力を設定することが可能な結晶成長装置を用い、溶媒を超臨界状態及び/又は亜臨界状態とする条件の下で結晶成長させて得られた結晶であることを意味する。
また、「超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶」は、積層欠陥の低減以外にも優れた効果を発揮する下地基板となることを本発明者らは明らかとしている。例えば、極性面を主面として窒化ガリウム結晶を成長させる場合、下地基板としてライン状やドット状のパターンの凹凸やマスクを持ったテンプレート基板を用いてファセット成長させるのが一般的であるが、この場合、パターンに応じた結晶性のムラが発生してしまい、均一で高品質な結晶を得るのが困難である。しかし、「超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶」を下地基板として用いることで、均一で高品質な結晶を得ることができることを本発明者らは明らかとしている。即ち、「極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法であって、前記下地基板が、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶であることを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法」は、結晶性についてのムラのない、高品質な結晶を得るという課題に対して有効な製造方法であることが言える。
1−1.下地基板
1−1−1.下地基板の特徴
本発明に係る下地基板は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶であれば具体的種類は特に限定されず、GaN、AlN、InN等の1種類の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物のほか、GaInN、AlGaN等の2種類以上の周期表第13族金属を構成元素として含む混晶であってもよい。但し、下地基板と成長層とが下記式で表される格子不整合度の条件を満たすように、下地基板を選択することが好ましい。なお、かかる格子不整合度は、完全結晶の格子定数から算出される理論値を意味するものである。
2|a−a|/[a+a]≦1×10−3
(式中、aは下地基板の格子定数であって前記成長層の成長方向に直交する結晶軸の格子定数を、aは成長層の格子定数であって成長方向に直交する結晶軸の格子定数を表す。)
下地基板と成長層の格子不整合度は、5×10−4以下であることがより好ましく、1×10−4以下であることがさらに好ましく1×10−5以下であることが特に好ましい。なお、成長方向とは、結晶全体の成長において主として成長する方向であり、結晶の厚み方向に相当する。
本発明に係る下地基板の形状は特に限定されず、目的に合わせて、円板状、多角形板状、直方体状等の形状のものを適宜採用することができる。但し、本発明の製造方法の利点を生かし、大きなウェハー(半導体基板)を効率良く製造する観点から、下地基板の最大面積が1cm以上、好ましくは2cm以上、より好ましくは5cm以上であり、更に好ましくは10cm以上である。
本発明に係る下地基板は、非極性面又は半極性面を主面とするものであるが、非極性面又は半極性面であれば、具体的な面方位は特に限定されない。但し、デバイス等の基板として特に好適な成長層を形成することができることから、C面、即ち(0001)面から20°以上90°以下傾斜した面が好ましく、(0001)面から42°以上、90°以下傾斜した面がより好ましい。なお、半極性面とは、C面、即ち(0001)面から傾斜した面であり、周期表第13族金属元素と窒素元素の存在比が1:1でない面を意味する。具体的には(10−11)面、(10−1−1)面、(20−21)面、(20−2−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面などを挙げることができる。また、結晶面は±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から、20°以内のオフ角を有する範囲内の面を含むものであり、好ましくはオフ角が15°以内であり、より好ましくは10°以内である。
本発明の製造方法は、単一の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を下地基板として使用する態様に限られず、複数の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を配列して下地基板として用いる態様であってもよい(以下、複数の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を配列して下地基板として用いる場合の各結晶を「下地結晶」と略す場合がある。)。下地基板として大型のものを準備できない場合でも、複数の下地結晶の主面の面方位を非極性面又は半極性面として配列することによって、大面積の主面を構成することができる。
下地結晶の配列方法は、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶が形成されるように配列するものであればその他については特に限定されず、公知の手法を適宜採用することができる。例えば、下地結晶同士の面方位が揃うように配列しても、或いは異なるように配列してもよい。また、隣り合う下地結晶同士は、互いに接していても、或いは接していなくてもよい。さらに、複数の下地結晶は、同一平面上に配列される必要はなく、平面上で重なり合うように配列されていてもよい。但し、下地結晶の主面と極性面との交線方向を揃えて並べることが好ましく、下地結晶同士の主面と極性面との交線方向の分布が±5°以内となるように揃えることが好ましく、±3°以内となるように揃えることがより好ましく、±1°以内となるようにそろえることがさらに好ましく、±0.5°以内となるように揃えることが特に好ましい。
本発明に係る下地基板は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶であれば、物性等のその他の条件は特に限定されないが、以下に好適な物性について説明する。なお、アモノサーマル法によって低歪みで高品質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることができることを前述したが、以下のような物性について最適化を図ることで、さらに残留歪みの少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させることができることを本発明者らは明らかとしている(例えば、軽元素や点欠陥は、応力を緩和して歪みの発生を抑制する効果がある。)。
(格子面間隔の伸縮)
本発明に係る下地基板は、その格子面間隔の伸縮(Δd/dave)が|1.0×10−5|以下であることが好ましく、|5.0×10−6|以下であることがより好ましく、|2.0×10−6|以下であることがさらに好ましい。前述のように、格子面間隔の伸縮を小さくすることで、結晶中の残留歪みを小さくすることができると考えられる。
なお、格子面間隔の伸縮(Δd/dave)は、(30−30)面又は(3−2−10)面の格子面間隔(Δd)をa軸又はc軸の一方向に多点測定して算出する。この時、測定範囲は4mm以上が好ましく、測定点の数は10点以上が好ましく、各測定点は一定の間隔であることが好ましい。Δdは格子面間隔、daveは測定範囲の全ての格子面間隔Δdの平均値、Δd/daveはΔdとdaveから|1−d/dave|で算出した最大値を意味するものである。
(転位密度)
本発明に係る下地基板は、その転位密度が5×10個cm−2以下であることが好ましく、1.0×10個cm−2以下であることがより好ましく、1.0×10個cm−1以下であることがさらに好ましい。前述のように、転位密度を小さくすることで、結晶中の残留歪みを小さくすることができると考えられる。
なお、転位密度は基底面転位、積層欠陥等すべての種類の転位の数を単位面積(cm)当たりの値に変換したものを意味するものとする。転位密度は、下地基板の主面をTEM(透過型電子顕微鏡法)、SEM−CL(カソードルミネッセンス法)、エッチングによる表面ピットをAFMや光学顕微鏡で観察する方法を利用することによって測定することができる。
(軽元素濃度)
本発明に係る下地基板は、軽元素を含有する結晶であることが好ましい。「軽元素」とは、本発明において周期表第1周期又は第2周期に属する非金属元素を意味し、具体的には水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、及びフッ素(F)を意味するものとする。前述のように軽元素は結晶中に発生する歪みを緩和する効果があり、その歪みに起因した積層欠陥の発生を抑制することができるものと考えられる。
下地基板中に含まれる軽元素の濃度は特に限定されないが、好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以上、より好ましくは2.0×1017atoms・cm−3以上、さらに好ましくは1.0×1018atoms・cm−3以上、よりさらに好ましくは2.0×1018atoms・cm−3以上、特に好ましくは5.0×1018atoms・cm−3以上であり、好ましくは1.0×1020atoms・cm−3以下、より好ましくは5.0×1019atoms・cm−3以下である。
軽元素の中でも特に水素濃度は、好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以上、より好ましくは2.0×1017atoms・cm−3以上、さらに好ましくは5.0×1017atoms・cm−3以上、よりさらに好ましくは1.0×1018atoms・cm−3以上であり、好ましくは1.0×1020atoms・cm−3以下、より好ましくは5.0×1019atoms・cm−3以下である。
また、酸素濃度は、好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以上、より好ましくは2.5×1017atoms・cm−3以上、さらに好ましくは5.0×1017atoms・cm−3以上であり、好ましくは1.0×1020atoms・cm−3以下、より好ましくは5.0×1019atoms・cm−3以下である。
フッ素については、含むものであっても或いは含まないものであってもよいが、含む場合、その濃度は好ましくは5.0×1016atoms・cm−3以上、より好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以上、さらに好ましくは5.0×1017atoms・cm−3以上であり、好ましくは5.0×1018atoms・cm−3以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易くなる。
なお、軽元素濃度は、SIMS(二次イオン質量分析装置)又はGDMS(グロー放電
質量分析)にて測定することができる。
(アルカリ金属濃度)
本発明に係る下地基板は、アルカリ金属濃度が低い結晶であることが好ましい。アルカリ金属は、金属結合性を示し、水素(H)や酸素(O)のほか、ハロゲンとも反応してしまうため、軽元素の効果に悪影響を与えるものと考えられる。
下地基板中に含まれるアルカリ金属濃度は特に限定されないが、好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以下、より好ましくは1.0×1016atoms・cm−3以下、さらに好ましくは1.0×1015atoms・cm−3以下である。上記範囲内であると、積層欠陥の少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易くなる。
なお、アルカリ金属濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)又はGDMS(グロー放電質量分析)にて測定することができる。
(キャリア濃度)
本発明に係る下地基板のキャリア濃度は特に限定されず、導電型であっても半絶縁性型であってもよい。
(赤外線吸収ピーク)
本発明に係る下地基板は、3100〜3200cm−1に赤外線吸収ピークを有する結晶であることが好ましい。「3100〜3200cm−1」には、特に結晶中のN−H結合に起因したピークが現れるものと考えられる。詳細なメカニズムは明らかではないが、N−H結合の存在は、結晶中に点欠陥が存在することを示唆しているものと考えられている。この点欠陥には、軽元素が取り込まれ易い傾向があり、取り込まれた軽元素の効果によって、積層欠陥の少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易くなる。
赤外線吸収ピークの具体的種類は特に限定されないが、結晶中のN−H結合に起因したピークとして考えられる3150±1.5cm−1、3164±1.5cm−1、3175±1.5cm−1、3188±1.5cm−1の少なくとも1つを有する下地基板であることが好ましい。
なお、赤外線吸収ピークは、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて、主面と裏面の両面をCMPした基板に赤外光を透過させて測定することができる。
(光の吸収係数)
本発明に係る下地基板は、波長405nmにおける光の吸収係数が1.0〜30cm−1及び/又は波長445nmにおける光の吸収係数が0.5〜5cm−1であることが好ましい。詳細なメカニズムは明らかではないが、光の吸収係数は結晶中の不純物濃度や点欠陥密度に関係するものと考えられ、光の吸収係数が上記範囲であると、不純物濃度や点欠陥密度が好適な範囲になるものと考えられる。波長405nmにおける光の吸収係数の具体的な数値は特に限定されないが、好ましくは1.5cm−1以上、より好ましくは2.0cm−1以上であり、好ましくは20cm−1以下、より好ましくは15cm−1以下である。一方、波長445nmにおける光の吸収係数も特に限定されないが、好ましくは0.6cm−1以上、より好ましくは0.7cm−1以上であり、好ましくは4.5cm−1以下、より好ましくは4.2cm−1以下である。
なお、光の吸収係数は、積分球の中に405nm、445nmのレーザー光線をそれぞれ照射した時の吸収特性を評価し、Lambert−Beer則から吸収係数を求めることができる。積分球内で測定することで吸収以外の損失ファクターを排除することができる。
(基底面転位)
本発明に係る下地基板は、主面における基底面転位密度が低い結晶であることが好ましい。積層欠陥の一部は、基底面転位を起点として発生するものと考えられ、基底面転位密
度の低い下地基板であると、積層欠陥の少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易くなる。具体的な基底面転位密度は特に限定されないが、好ましくは1.0×10cm−2以下、より好ましくは1.0×10cm−2以下、さらに好ましくは1.0×10cm−2以下、最も好ましくは0cm−2である。
なお、「主面における基底面転位密度」とは、主面を観察した場合における基底面転位の数を、単位面積(cm)当たりの値に変換したものを表す。基底面転位は、透過型電子顕微鏡法(TEM法)、カソードルミネッセンス法(SEM−CL法)、エッチングによる表面ピットをAFMや光学顕微鏡等で観察する方法を利用することによって測定することができる。
(積層欠陥密度)
本発明に係る下地基板は、積層欠陥密度の低い結晶であることが好ましい。下地基板の積層欠陥は成長層に伝播すると考えられ、基底面転位密度の小さい下地基板であると、積層欠陥の少ない周期表第13族金属窒化物半導体結晶を製造し易くなる。具体的な積層欠陥密度は特に限定されないが、好ましくは10cm−1以下、より好ましくは5cm−1以下、さらに好ましく1cm−1以下である。
なお、積層欠陥密度は、カソードルミネッセンス法(SEM−CL法)によって測定できるほか、低温PL測定によって見積もることができる。
1−1−2.下地基板の作製方法
本発明に係る下地基板は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させる、いわゆるアモノサーマル法を利用して得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶であることを特徴とするが、結晶成長に使用する装置、原料、溶媒等の詳細な成長条件は特に限定されない。以下、図1の装置を参照して、具体的な条件を説明するが、本発明はかかる態様に限定されるものではなく、公知の構成を適宜採用して実施することができる。
図1の(a)に示す装置は、耐圧性容器(オートクレーブ)1中に内筒として反応容器20を備える装置であり、かかる装置を用いた製造方法では、種結晶、溶媒、原料、さらには原料の溶解度を高める鉱化剤を用いる。反応容器20の内部は、原料を溶解するための原料溶解領域9と、結晶成長させるための結晶成長領域6に分けられた構造となっており、2つの領域を区画するバッフル板5を備えている。例えば、原料溶解領域9には、原料8と鉱化剤を装填することができ、結晶成長領域6には種結晶7をワイヤーに吊るすなどして設置することができる。また、バルブ10を介して窒素ボンベ13から窒素ガスを充填したり、アンモニアボンベ12からマスフローメーター14で流量を確認したりしながらアンモニアを充填することができる。また、真空ポンプ11により必要な減圧を行うこともできる。
また、図1(b)に示す装置のように、耐圧性容器の内部に直接種結晶、周期表第13族金属元素を含む原料を入れ、さらに窒素元素を含有する溶媒を充填する態様であってもよい。
「アモノサーマル法」は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニア溶媒等の窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。アモノサーマル法を結晶成長へ適用するときは、アンモニア溶媒への原料溶解度の温度依存性を利用して温度差により過飽和状態を発生させて結晶を析出させる。アモノサーマル法による結晶成長は、高温高圧の超臨界アンモニア環境下での反応であり、さらに、超臨界状態の純アンモニア中への周期表第13族金属窒化物の溶解度が極めて小さいため、溶解度を向上させ結晶成長を促進させるために通常好ましくは鉱化剤が用いられる。本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、種結晶、窒素を含有する溶媒、原料、ならびに鉱化剤を入れた反応容器内の温度及び圧力を、前記溶媒が超臨界状態及び/又は亜臨界状態となるように制御して種結晶の表面に周期表第13族金属窒
化物半導体結晶を成長させる工程を含むことが好ましい。
以下、図1の(a)に示す装置を使用する場合の具体的な手順について説明する。
(1)種結晶、溶媒、原料、及び鉱化剤等の材料を反応容器に導入し、反応容器を密閉する。
種結晶、溶媒、原料、及び鉱化剤等の材料を反応容器に導入する具体的操作や手順は特に限定されず、材料の種類や装置の構造等に応じて公知の方法を適宜採用することができる。例えば、材料が常温常圧下において気体である場合、反応容器を冷却し、材料を反応容器内で液化させることよって導入することもできる。アンモニア(NH)を溶媒として用いる場合、反応容器をドライアイスエタノール溶媒等によって冷却した後、アンモニアガスを反応容器内に吹き込むことによって、液体として導入(充填)することができる。
なお、材料を導入する前又は導入した後に反応容器内を脱気したり、さらには材料を導入する際に窒素ガス(N)等の不活性ガスを流通させたりして、不純物の混入を抑制する手段を講じることが好ましい。また、種結晶を設置するためのワイヤー等の治具は、耐食性に優れる貴金属製のものを採用することが好ましい。
反応容器を密閉する方法は、結晶成長の圧力条件に耐え得る方法であれば特に限定されないが、通常は導入口を溶接するなどして、封止して密閉する。
(2)反応容器を耐圧性容器に装填し、耐圧性容器と反応容器の間の空隙に溶媒を充填して、耐圧性容器を密閉する。
図1に示すように耐圧性容器中に反応容器を装填する装置の場合、反応容器内部の圧力上昇によって、反応容器の内側と外側に圧力差が生じることになる。従って、結晶成長中に反応容器が破裂することを抑制する観点から、耐圧性容器と反応容器の間の空隙に溶媒を充填することが好ましい。なお、溶媒の充填量は圧力差を軽減することを目的とし、空隙の有効容積を考慮して適宜調節することが好ましい。
(3)耐圧性容器を設定温度まで加熱し、結晶成長を進める。
耐圧性容器を加熱する方法は特に限定されないが、耐圧性容器を電気炉内に収納して加熱する方法が挙げられる。また、前述のように原料溶解領域と結晶成長領域に温度差が生じるように設定して結晶成長させる場合には、複数に分割されたヒーターを備える電気炉を使用する方法が挙げられる。
(4)耐圧性容器を降温し、耐圧性容器及び反応容器を開栓して、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を回収する。
(種結晶)
種結晶は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の結晶成長に用いられる公知のものであればその種類は特に限定されず、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)等の目的とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶と同種のものを用いるほか、サファイア(Al)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物、炭化ケイ素(SiC)、シリコン(Si)等の珪素含有物、又はヒ素ガリウム(GaAs)等を用いることができる。但し、目的の周期表第13族金属窒化物半導体結晶と一致し、若しくは適合した格子定数、結晶格子のサイズパラメータを有する種結晶であるか、またはヘテロエピタキシー(すなわち若干の原子の結晶学的位置の一致)を保証するように配置した単結晶材料片若しくは多結晶材料片から構成されている種結晶を用いることが好ましい。
種結晶は、溶媒への溶解度及び鉱化剤との反応性を考慮して決定することができる。例えば、窒化ガリウム(GaN)の種結晶としては、MOCVD法やHVPE法でサファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得られた単結晶、金属ガリウム(Ga)からナトリウム(Na)やリチウム(Li)をフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、LPE法を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、
アモノサーマル法により作製された単結晶及びそれらを切断した結晶などを用いることができる。
種結晶の主面の面方位は特に限定されないが、非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を効率よく作製する観点から、目的とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶に合わせて、非極性面又は半極性面を主面とする種結晶を選択することが好ましい。また、(1)下地基板中の残留歪みを抑制する観点からは、前記下地基板の主面に相当する結晶面を広げるようにアモノサーマル法で成長させた結晶を種結晶として用いることが好ましい。また、(2)種結晶上に結晶成長させる際に、前記下地基板の主面に相当する結晶面を広げるように成長させることでも、残留歪みを抑制した下地基板を得ることができる。
下地基板の主面に相当する結晶面を広げるように成長させる具体的な成長方法としては、(i)下地基板の主面と略同じ結晶面を主面とする結晶の側面から横方向成長させる方法、(ii)下地基板の主面とは異なる結晶面を主面とする結晶の該主面から成長させる方法、(iii)下地基板の主面とは異なる結晶面を主面とする結晶の側面から成長させる方法などが挙げられる。より具体的には、(i)下地基板の主面と略同じ結晶面を主面とする結晶の側面から横方向成長させる方法としては、複数の成長開始面(側面)を有するシード、例えば、V字型シード、コ字型シード、ロ字型シード、L字型シード、O字型シード、任意の1以上の穴が空いたシードを用いる方法や、結晶成長させたい領域を囲うようにガイドを設ける方法などが挙げられる。また、(ii)下地基板の主面とは異なる結晶面を主面とする結晶の該主面から成長させる方法としては、主面の一部をマスクで被覆したシードから成長させる方法、主面の一部に板状部材の側面を密着させたシードから成長させる方法、などが挙げられる。さらに、(iii)下地基板の主面とは異なる結晶面を主面とする結晶の側面から成長させる方法としては、国際公開2008/143166号パンフレットの図4のように、前記側面から主面の法線方向に伸びるように成長させる方法などが挙げられる。
(溶媒)
溶媒は、窒素を含有する溶媒を用いる。窒素を含有する溶媒としては、成長させる周期表第13族金属窒化物半導体結晶の安定性を損なうことのない溶媒を挙げることができ、具体的には、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、尿素(CHO)、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
溶媒は、水(HO)や酸素(O)等の不純物ができるだけ少ないことが好ましく、これらの含有量は好ましくは1000ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは0.1ppm以下である。アンモニア(NH)を溶媒として用いる場合、その純度は通常99.9%以上、好ましくは99.99%以上、より好ましくは99.999%以上、特に好ましくは99.9999%以上である。
(原料)
原料は、目的とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板を構成する元素を含む化合物を用いる。例えば周期表第13族金属窒化物半導体多結晶原料(以下、「多結晶原料」と略す場合がある。)及び/又は周期表第13族元素の金属であり、好ましくは窒化ガリウム及び/又はガリウムである。多結晶原料は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては周期表第13族元素がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分を含有してもよく、例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。
原料として多結晶原料を用いる場合、その製造方法は特に制限されないが、アンモニアガスを流通させた反応容器内で、金属またはその酸化物若しくは水酸化物をアンモニアと反応させることにより生成したものを用いることができる。また、より反応性の高い金属化合物原料として、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、ガラザンなどの共有結合性M−N結合を有する化合物などを用いることができる。さらに、Gaなどの金属を高温高圧で窒素と反応させて作製した窒化物多結晶を用いることもできる。
本発明に係る下地基板は、軽元素を含有する結晶であることが好ましいことを前述したが、下地基板に含まれる不純物濃度は、例えば原料に含まれる不純物の濃度でコントロールすることができる(なお、鉱化剤や溶媒(ガスに不純物を含ませる)に所定の不純物を含ませてコントロールすることもできる。)。従って、下地基板の軽元素濃度、例えば酸素(O)濃度を好適な範囲に設定する観点から、原料多結晶に含まれる酸素濃度は、通常5×1020atoms・cm−3以下、好ましくは1×1020atoms・cm−3以下、特に好ましくは5×1019atoms・cm−3以下である。
(鉱化剤)
鉱化剤は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の結晶成長に用いられる公知のものであればその種類は特に限定されず、ハロゲン元素を含む鉱化剤やアルカリ金属を含む鉱化剤を用いることができる。但し、前述のように本発明に係る下地基板は、アルカリ金属濃度が低い結晶であることが好ましく、ハロゲン元素を含む鉱化剤を用いることが好ましい。
鉱化剤に含まれるハロゲン元素は1種類でもよいし、2種類以上が組み合わせられていてもよい。2種類以上を組み合わせる場合は、塩素とフッ素、臭素とフッ素、ヨウ素とフッ素といった2元素の組合せであってもよいし、塩素と臭素とフッ素、塩素とヨウ素とフッ素、臭素とヨウ素とフッ素といった3元素の組み合せであってもよいし、塩素と臭素とヨウ素とフッ素といった4元素の組み合せであってもよい。
ハロゲン元素を含む鉱化剤の具体例としては、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素、アンモニウムヘキサハロシリケート、及びヒドロカルビルアンモニウムフルオリド、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジプロピルアンモニウム、及びハロゲン化イソプロピルアンモニウム等のアルキルアンモニウム塩、フッ化アルキルナトリウムのようなハロゲン化アルキル金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化金属等が例示される。このうち、好ましくはハロゲン元素を含む添加物(鉱化剤)であるハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属のハロゲン化物、金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素であり、さらに好ましくはハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アンモニウム、周期表第13族金属のハロゲン化物、ハロゲン化水素であり、特に好ましくはハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化水素である。
ハロゲン元素を含有する鉱化剤とともに、ハロゲン元素を含まない鉱化剤を用いることも可能であり、例えばNaNHやKNHやLiNHなどのアルカリ金属アミドと組み合せて用いることもできる。ハロゲン化アンモニウムなどのハロゲン元素含有鉱化剤とアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤とを組み合せて用いる場合は、ハロゲン元素含有鉱化剤の使用量を多くすることが好ましい。具体的には、ハロゲン元素含有鉱化剤100質量部に対して、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤を50〜0.01質量部とすることが好ましく、20〜0.1質量部とすることがより好ましく、5〜0.2質量部とすることがさらに好ましい。アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤を添加することによって、c軸方向の結晶成長速度に
対するm軸の結晶成長速度比(m軸/c軸)を一段と大きくすることも可能である。
鉱化剤は精製、乾燥してから使用することが好ましい。鉱化剤の純度は、通常95%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは99.99%以上である。なお、反応容器にハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化ビスマスなどを存在させておいてもよい。
(反応容器)
図1の(a)に示す装置は、耐圧性容器中に内筒として反応容器を備える装置であるが、かかる反応容器は、結晶成長の際の高温高圧条件に耐え得るものの中から選択する。なお、「反応容器」とは、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒がその内壁面に直接接触し得る状態で周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造を行うための容器を意味し、図1の(b)に示す装置の場合は、耐圧性容器が「反応容器」に該当するものとする。
反応容器は、特表2003−511326号公報(国際公開第01/024921号パンフレット)や特表2007−509507号公報(国際公開第2005/043638号パンフレット)に記載されるように反応容器の外から反応容器とその内容物にかける圧力を調整する機構を備えたものであってもよいし、そのような機構を有さないオートクレーブであってもよい。
反応容器は、耐圧性と耐食性を有する材料で構成されているものが好ましく、特にアンモニア等の溶媒に対する耐食性に優れたNi系の合金、ステライト(デロロ・ステライト・カンパニー・インコーポレーテッドの登録商標)等のCo系合金を用いることが好ましい。より好ましくはNi系の合金であり、具体的には、Inconel625(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標、以下同じ)、Nimonic90(Nimonicはスペシャル メタルズ ウィギン リミテッドの登録商標、以下同じ)、RENE41(Teledyne Allvac,Incの登録商標)、Inconel718(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標)、ハステロイ(Haynes International,Incの登録商標)、ワスパロイ(United Technologies,Inc.の登録商標)が挙げられる。
これらの合金の組成比率は、系内の溶媒の温度や圧力条件、および系内に含まれる鉱化剤及びそれらの反応物との反応性及び/又は酸化力・還元力、pHの条件に従い、適宜選択すればよい。これら耐圧性の反応容器に用いられる合金の耐食性は高いとはいえ、結晶品質に影響を全く及ぼさないほどに高い耐食性を有しているわけではない。これら合金は超臨界溶媒雰囲気、特に鉱化剤を含有するより厳しい腐食環境下においてはNi、Cr、Fe等の成分が溶液中に溶け出し結晶中に取り込まれることとなる。従って、本発明では、これら耐圧性容器の内面腐食を抑制するために、内面を更に耐食性に優れる材料によって直接ライニング又はコーティングする方法や、更に耐食性に優れる材料からなるカプセルを耐圧性容器内に配置する方法などにより反応容器を形成することが好ましい。
温度条件は特に限定されないが、反応容器内の温度は、好ましくは500℃以上、より好ましくは515℃以上、さらに好ましくは530℃以上であり、好ましくは700℃以下、より好ましくは650℃以下、さらに好ましくは630℃以下である。
また、原料溶解領域と結晶成長領域に温度差が生じるように設定する場合、原料溶解領域の温度が、結晶成長領域の温度よりも高いことが好ましい。原料溶解領域と結晶成長領域との温度差(|ΔT|)は、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。反応容器内の最適な温度や圧力は、結晶成長の際に用いる鉱化剤や添加剤の種類や使用量等によって、適宜決定することができる。
なお、反応容器内の温度は、反応容器の外面に接するように設けられた熱電対、及び/
又は外表面から一定の深さの穴に差し込まれた熱電対によって測定され、反応容器の内部温度へ換算して推定することができる。これら熱電対で測定された温度の平均値をもって平均温度とする。通常は、原料溶解領域の温度と結晶成長領域の温度の平均値を平均温度とし、反応容器内の温度とする。
反応容器内での周期表第13族金属窒化物半導体の成長は、熱電対を有する電気炉等を用いて反応容器を加熱昇温することにより、反応容器内をアンモニア等の溶媒の亜臨界状態又は超臨界状態に保持することにより行われる。加熱の方法、所定の反応温度への昇温速度に付いては特に限定されないが、通常、数時間から数日かけて行われる。必要に応じて、多段階の昇温を行ったり、温度域において昇温スピードを変えたりすることもできる。また、部分的に冷却しながら加熱したりすることもできる。
超臨界条件では、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に鉱化剤の反応性及び熱力学的パラメータ、即ち温度及び圧力の数値に依存する。周期表第13族金属窒化物半導体結晶の合成中或いは成長中の圧力は120MPa以上にすることが好ましく、150MPa以上にすることがより好ましく、180MPa以上にすることがさらに好ましい。また、700MPa以下にすることが好ましく、500MPa以下にすることがより好ましく、350MPa以下にすることがさらに好ましく、300MPa以下にすることが特に好ましい。
所定の温度に達した後の反応時間については、窒化物結晶の種類、原料、鉱化剤の種類、製造する結晶の大きさや量によっても異なるが、通常、数時間から数百日とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温又は降温させることもできる。
なお、窒化ガリウムを製造する場合、上記以外の材料、製造条件、製造装置、工程の詳細については特開2009−263229号公報を好ましく参照することができる。該公開公報の開示全体を本明細書に引用して援用する。
1−2.成長工程
1−2−1.成長方法及び結晶成長装置の構成
本発明の製造方法は、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程(以下、「本発明に係る成長工程」と略す場合がある。)を含むものであるが、成長工程における具体的な成長方法は特に限定されず、ハイドライド気相成長法(HVPE法)、有機金属化学蒸着法(MOCVD法)、有機金属塩化物気相成長法(MOC法)等の気相成長法、フラックス法等の液相成長法、さらには前述のアモノサーマル法等の公知の成長方法を採用しても行うことができる。これらの中でも、HVPE法、フラックス法、アモノサーマル法が好ましく、成長速度が速い観点から、HVPE法を採用することが特に好ましい。
以下、本発明に係る成長工程の詳細を説明するに当たり、HVPE法によってGaN結晶を製造する場合の結晶成長装置の構成について具体例を挙げて説明するが、以下の態様に限定されるものではない。また、アモノサーマル法を採用する場合には、「1−1−2.下地基板の作製方法」で挙げた方法を、成長工程として実施することができる。
図2に示される結晶成長装置は、HVPE法に用いられる一般的な装置であり、リアクター(反応容器)100、下地基板を載置するためのサセプター108、周期表第13族金属源等を入れるリザーバー106、リアクター内にガスを導入するための導入管101〜105、排気するための排気管108、リアクターを加熱するためのヒーター107を備えている。なお、導入管の数は、使用するガスの種類に応じて適宜変更してもよい。
リアクターの材質は、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられるが、特に石英であることが好ましい。サセプターの材質はカーボンであることが好ましく、特にSiCで表面をコーティングしているものが好ましい。
本発明に係る成長工程(HVPE法の場合)に使用するガス種は、ガリウム源(周期表第13族金属原料)の塩化ガリウム(GaCl)、窒素原料のアンモニア(NH)、キャリアガス、セパレートガス、ドーパント等が挙げられる。ガリウム源となる塩化ガリウム(GaCl)は、例えばリザーバー106内にガリウム(Ga)を入れ、導入管103から塩化水素(HCl)等のガリウム(Ga)と反応するガスを供給することにより発生させ、供給することができる。リザーバー106内にはガリウム(Ga)のほか、目的に応じてアルミニウム(Al)、インジウム(In)等を入れることもできる。また、導入管103からは塩化水素(HCl)とともにキャリアガスを供給してもよく、キャリアガスとしては水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)又はこれらの混合ガス等を挙げることができる。窒素原料となるアンモニアガス(NH)、キャリアガス、セパレートガス、ドーパント等は導入管101、102、104、105から供給することが挙げられ、セパレートガスとしては水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)又はこれらの混合ガス等が、ドーパントガスとしては酸素(O)、水(HO)、シランガス(SiH4)、硫化水素(H2S)等が挙げられる。
排気管109は、リアクター100内壁の上面、底面、側面の何れの位置に存在してもよいが、ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図2のようにリアクター底面に設置されていることがより好ましい。
1−2−2.成長条件
以下、HVPE法によってGaN結晶を製造する場合の成長条件について具体例を挙げて説明する。
HVPE法によってGaN結晶を製造する場合、温度条件は通常900〜1200℃の範囲に設定して行われる(温度条件とは、結晶成長が進行する下地基板表面近傍の温度を意図するものであるが、厳密には下地基板を設置するサセプターの温度を意味するものとし、以下「成長部の温度」と略すものとする。)。従って、成長部の温度を昇温することが必要になるが、成長工程において成長部の温度を昇温している状態を「昇温過程」と略して表現するものとする。また、結晶成長を進める上での主条件に設定されている状態を「本成長過程」と略して表現するものとする。さらに周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給を行いながら成長部の温度を昇温している状態を「昇温成長過程」と略して表現するものとする(実際に結晶成長が進行しているか否かは問わないものとする。)。なお、「昇温過程」は、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給を行わずに、成長部の温度を昇温している状態を意味し、「昇温成長過程」とは区別して使用するものとする。
本発明に係る成長工程としては、例えば、
(a)昇温過程及び本成長過程を含む成長工程(昇温成長過程は含まない)、
(b)昇温過程、昇温成長過程、及び本成長過程を含む成長工程
が挙げられるが(図3(a)及び(b)を参照)、(b)の昇温過程、昇温成長過程、及び本成長過程を含む成長工程が特に好ましい態様である。
昇温成長過程を含むことによって、下地基板表面上に付着する不純物量を低減して表面エネルギーの低下を抑制するとともに、成長開始時の下地基板温度を比較的低温にすることによって2次元成長を促進させることができ、結果積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。以下、本成長過程、昇温過程、昇温成長過程について詳細に説明する。なお、本成長過程において設定する成長部の温度を温度T2と略して表現するものとし、さらに昇温過程と昇温成長過程の両方を含む場合の昇温過程において到達する成長部の
温度を温度T1と略して表現するものとする。
(本成長過程)
本成長過程において設定する成長部の温度T2は、通常900℃以上、好ましくは920℃以上、より好ましくは940℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1050℃以下、さらに好ましくは1020℃以下である。上記のような範囲であれば、良質な周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく成長させることができる。
本成長過程の圧力(リアクター内の圧力)は、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
本成長過程における周期表第13族金属原料の供給量は、GaClを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧として、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.60×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
窒素原料としてNHを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるNHの分圧として、通常3.5×10Pa以上、好ましくは6.2×10Pa以上、より好ましくは9.3×10Paであり、通常2.7×10Pa以下、好ましくは圧力2.0×10Pa以下、より好ましくは1.2×10Pa以下である。
キャリアガスとして水素(H)を使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるHの分圧として、1.00×10Pa以上、好ましくは5.00×10Pa以上、より好ましくは1.00×10Pa以上である。
本成長過程における雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることが好ましく、全体のガス流量の70体積%以上を不活性ガス種とすることよりが好ましく、90体積%以上を不活性ガス種とすることがより好ましい。
また不活性ガス種の濃度は、成長工程中一定であっても、或いは成長工程中に変更するものであってもよい。但し、不活性ガス種の濃度を変更する場合には、変更時間は1秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましく、1時間以上であることが更に好ましい。前記変更は、全ガス種を同時に変更してもよいし、ガス種毎に順次変更してもよい。また、成長工程中の間にガス種を変更せずに一定にしてもよいし、変更してもよく、例えば成長初期の不活性ガスとしてNを用い、本成長は不活性ガスとしてArを用いるといった場合が考えられる。
(昇温過程)
昇温過程及び本成長過程を含む成長工程(昇温成長過程は含まない)の場合、昇温過程において到達する成長部の温度は、前述の本成長過程の設定する成長部の温度T2と同義である。
一方、(b)昇温過程、昇温成長過程、及び本成長過程を含む成長工程の場合、昇温過程において到達する成長部の温度T1は、通常700℃以上、好ましくは750℃以上、より好ましくは790℃以上、さらに好ましくは830℃以上であり、通常950℃以下、好ましくは940℃以下、より好ましくは910℃以下、さらに好ましくは870℃以下である。上記範囲内であると、結晶性の悪い周期表第13族金属窒化物半導体結晶の形成や不純物の付着を抑制して、積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
昇温過程における昇温速度は、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは12℃/min以上であり、通常20℃/min以下、好ましくは25℃/min以下、より好ましくは30℃/min以下である。上記範囲内であると、結晶性
の悪い周期表第13族金属窒化物半導体結晶の形成や不純物の付着を抑制して、積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
昇温過程における雰囲気ガスの種類は特に限定されないが、水素(H)、アンモニア(NH)、若しくは窒素(N)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等の不活性ガス種、又はこれらの混合ガスが挙げられる。この中でも、水素(H)、アンモニア(NH)、窒素(N)を含むことが好ましく、アンモニア(NH)および窒素(N)であることがより好ましい。
また、雰囲気ガス中の各ガス濃度も特に限定されないが、不活性ガス種の濃度は、通常10体積%以上、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30%体積%以上である。水素(H)の濃度は、通常1体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは8%体積%以上であり、通常90体積%以下、好ましくは80体積%以下、より好ましくは70%体積%以下である。アンモニア(NH)の濃度は、通常5体積%以上、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15%体積%以上である。
さらに昇温過程は、密閉系で行われても、或いは雰囲気ガスを逐次導入する流通系で行われてもよいが、雰囲気ガスの条件を制御し易くなる観点から、雰囲気ガスを逐次導入する流通系で行われることが好ましい。
昇温過程から昇温成長過程又は本成長過程に移行するまでの間に、リアクター内の温度条件等が安定するまで、設定条件を短時間保持するような保持過程が含まれるものであってもよい。例えば、温度T1に達した後、昇温成長過程に移行する前、即ち、周期表第13族金属原料及び窒素原料の両原料の同時供給が始まる前に保持過程が含まれる態様が挙げられる(以下、温度T1に達した後、第13族原料および窒素原料の両方が供給されている状態になるまでの所定の時間を「時間M1」と略す場合がある。)。時間M1は、不純物の付着を低減する観点から極力短い方が好ましいが、製造装置の構造等によって、リアクター内の温度が安定するまでに時間を要する場合もある。従って、M1の具体的な時間は、製造装置の構造等によって適宜設定されるべきものであるが、通常60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは10以下である。上記範囲内であれば、不純物の付着量を低減して、積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
(昇温成長過程)
昇温成長過程におけるT2までの昇温速度は、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは11℃/min以上であり、通常30℃/min以下、好ましくは27℃/min以下、より好ましくは24℃/min以下である。上記範囲内であると、結晶性の悪い周期表第13族金属窒化物半導体結晶の形成や不純物の付着を抑制して、積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
昇温過程における周期表第13族金属原料及び窒素原料の供給量は特に限定されないが、周期表第13族金属原料としてGaClを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるGaClの分圧は、通常1.20×10Pa以上、好ましくは1.60×10Pa以上、より好ましくは2.00×10Paであり、通常9.00×10Pa以下、好ましくは7.00×10Pa以下、より好ましくは5.00×10Pa以下である。
窒素原料としてNHを使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるNHの分圧は、通常3.5×10Pa以上、好ましくは6.2×10Pa以上、より好ましくは9.3×10Paであり、通常2.7×10Pa以下、好ましくは圧力2.0×10Pa以下、より好ましくは1.2×10Pa以下である。
キャリアガスとして水素(H)を使用する場合、成長部の圧力1.01×10PaにおけるHの分圧として、1.00×10Pa以上、好ましくは5.00×10Pa以上、より好ましくは1.00×10Pa以上である。上記範囲内であると、、昇温
成長過程における結晶成長速度を適度な範囲に制御し、積層欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
昇温成長過程の雰囲気ガスについて、全体のガス流量の40体積%以上を窒素等の不活性ガス種とすることが好ましい。なお、全体のガス流量の70体積%以上を不活性ガス種とすることが好ましく、90%体積%以上を不活性ガス種とすることがより好ましい。全体のガス流量における不活性ガス種の濃度は、反応装置に流通させたすべてのガスの流量の総和に対する反応装置に流通させたすべての不活性ガス種の流量の総和から算出することができる。不活性ガス種の具体的種類も特に限定されず、窒素(N)のほか、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等も挙げられる。
成長工程のガス導入に際して、各ガスが所定のガス分圧(ガス流量)に達するまでにかかる時間(以下、ガス導入時間と称する)を、比較的短時間にすることで、初期成長層の表面モフォロジーや成長様式に影響を与え、その後に第13族窒化物層を厚膜化する場合にも、成長方向と成長面との間の異方的な歪みの発生が抑制され、積層欠陥の拡大・伝播を抑制することが可能となるので好ましい。具体的には、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましく、2分以下であることがさらに好ましい。特に、成長工程において、水素ガスを含むキャリアガスを用いる場合に、上述の効果が得やすいため好ましい。
本発明に係る成長工程は、下地基板を回転させながら実施することが好ましい。下地基板の回転速度は、特に限定されないが、1〜50rpmであることが好ましく、5〜20rpmであることがより好ましい。
本発明に係る成長工程の成長速度は、通常80μm/h〜300μm/hの範囲であり、100μm/h以上が好ましく、120μm/h以上がより好ましく、150μm/h以上が特に好ましい。
本発明に係る成長工程において成長させる成長層の厚みは、最終的に取得したい周期表第13族金属窒化物半導体結晶のサイズ等に応じて適宜設定することができるが、より厚く成長させるほど本発明の効果をより好適に利用することができる。具体的な厚みとしては、通常100μm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは10mm以上であり、通常51mm以下、好ましくは24mm以下、より好ましくは14mm以下である。なお、「厚み」は、下地基板の主面に対して垂直な方向の厚さを意味する。
本発明の製造方法には、前述した成長工程のほかに、得られた結晶を下地基板と分離する分離工程、その他スライス工程、表面研磨工程等の公知の処理工程が含まれてもよい。スライス工程としては、具体的にはワイヤースライス、内周刃スライス等が挙げられ、表面研磨工程としては、例えばダイヤモンドやコロイダルシリカ等の砥粒を用いて表面を研磨する操作、CMP(chemical mechanical polishing)、機械研磨後RIEでダメージ層エッチングする操作が挙げられる。また、スライスする面方位は、目的に応じて適宜設定することができるが、C面、A面、M面のそれぞれに対して通常±90°以内、好ましくは±60°以内、より好ましくは±30°以内である。
本発明の製造方法が目的とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物結晶であればその種類は特に限定されないが、GaN、AlN、InN等の1種類の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物のほかに、GaInN、AlGaN等の2種類以上の周期表第13族金属を構成元素として含む混晶も挙げられる。
本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、さまざまな用途に用いることができる。特に紫外〜青色の発光ダイオード又は半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子、及び緑色〜赤色の比較的長波長側の発光素子を製造するための半導体基板として、さらに電子デバイス等の半導体デバイスの半導体基板としても有用である。
2.周期表第13族金属窒化物半導体結晶
前述した本発明の製造方法によって、積層欠陥の極めて少ない非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶を効率よく製造することができるが、本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物半導体結晶の具体的な積層欠陥密度は特に限定されない。但し、本発明の製造方法によって、通常10cm−1以下、好ましくは8cm−1以下、より好ましくは5cm−1以下の周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物半導体結晶のその他の物性については特に限定されないが、好ましい物性を以下に説明する。
(キャリア濃度)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶のキャリア濃度は、GaN結晶の場合、通常5.0×1017cm−3以上、好ましくは9.0×1017cm−3以上であり、通常1×1019cm−3以下、好ましくは8.0×1018cm−3以下である。
(不純物濃度)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の水素濃度は、通常1.0×1016atoms・cm−3以上、好ましくは5.0×1016atoms・cm−3以上であり、通常1.0×1020atoms・cm−3以下、好ましくは5.0×1019atoms・cm−3以下、より好ましくは3.0×1019atoms・cm−3以下、さらに好ましくは5.0×1018atoms・cm−3以下、特に好ましくは1.0×1018atoms・cm−3以下である。特に、成長工程における成長方法として気相成長法を採用することで1.0×1018atoms・cm−3以下の結晶を得ることができる。前記上限値以下とすると発光特性や電気特性に優れる傾向があり、発光素子等の発光デバイス形成用の下地基板として、またはトランジスタ等のパワーデバイス形成用の下地基板として好適に用いることができる。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の酸素濃度は、通常1.0×1017atoms・cm−3以上、好ましくは2.5×1017atoms・cm−3以上、より好ましくは5.0×1017atoms・cm−3以上であり、通常1.0×1020atoms・cm−3以下、好ましくは5.0×1019atoms・cm−3以下、より好ましくは3.0×1019atoms・cm−3以下である。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶のハロゲン濃度は、通常5.0×1018atoms・cm−3以下、好ましくは3.0×1018atoms・cm−3以下、より好ましくは1.0×1018atoms・cm−3以下、さらに好ましくは1.0×1017atoms・cm−3以下、特に好ましくは5.0×1016atoms・cm−3以下である。特に、成長工程における成長方法として気相成長法を採用することで、5.0×1016atoms・cm−3以下の結晶を得ることができる。前記上限値以下とすると発光特性や電気特性に優れる傾向があり、発光素子等の発光デバイス形成用の下地基板として、またはトランジスタ等のパワーデバイス形成用の下地基板として好適に用いることができる。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶のアルカリ金属濃度は、通常1.0×1017atoms・cm−3以下、好ましくは1.0×1016atoms・cm−3以下、より好ましくは1.0×1015atoms・cm−3以下である。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の遷移金属濃度は、通常1.0×1017atoms・cm−3以下、好ましくは1.0×1016atoms・cm−3以下、より好ましくは1.0×1015atoms・cm−3以下である。
(光の吸収係数)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の波長405nmにおける光の吸収係数は、通常5cm−1以下、好ましくは3cm−1以下であり、通常0.01cm−1以上、好ましくは0.1cm−1以上である。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の波長455nmにおける光の吸収係数は、通常3cm−1以下、好ましくは2cm−1以下であり、通常0.01cm−1以上、好ましくは0.1cm−1以上である
(X線回折ピークのロッキングカーブの半値幅)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶のX線回折の(100)回折ピークのロッキングカーブの半値幅は、通常50arcsec以下、好ましくは40arcsec以下、より好ましくは35arcsec以下、さらに好ましくは30arcsecである。
(曲率半径)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の曲率半径は、通常5m以上、好ましくは7m以上、より好ましくは10m以上であり、通常100m以下である。
(積層欠陥密度)
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の積層欠陥密度は、通常10cm−1以下、好ましくは5cm−1以下、より好ましく1cm−1以下である。
なお、積層欠陥密度は、カソードルミネッセンス法(SEM−CL法)によって測定できるほか、低温PL測定によって見積もることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
[下地基板の準備]
本実施例では、図1に示すような反応装置を用いて窒化物結晶を成長させた。
(1)ニッケル基合金製のオートクレーブ1を耐圧容器として用い、Pt−Ir製カプセル20を反応容器として下地基板を得るための結晶成長を行なった。
原料8として多結晶GaN粒子をカプセル下部領域(原料溶解領域9)内に設置し鉱化剤として高純度のNHFをカプセル内に投入した。さらに下部の原料溶解領域9と上部の結晶成長領域6の間には白金製のバッフル板5を設置した。種結晶7として、HVPE法で得られた直径50mmのC面基板を、白金製のワイヤーとシード支持枠を用いて吊るし、カプセル上部の結晶成長領域6に設置した。種結晶7の主面(−C面)表面にはCMP仕上げされた領域を一部露出させ、横方向成長によりM面が広がるように結晶成長させた。
(2)カプセル20の上部にPt−Ir製のキャップを溶接により接続したのち、カプセル下部を液体窒素で冷却し、バルブを開け外気に触れることなくHIを充填した。次いで、カプセルをNHガスラインに接続し、外気に触れることなくNHを充填した。流量制御に基づき、NHをカプセルの有効容積の約55%に相当する液体として充填(−33℃のNH密度で換算)した後、再びバルブを閉じた。その後、キャップ上部のチューブを溶接機により封じ切った。なお、カプセル中に導入されたF濃度はNHに対して0
.5mol%、I濃度は2.0mol%であった。
(3)カプセルをオートクレーブに挿入し、オートクレーブを密封した。
(4)バルブを開けて真空脱気し、真空状態を維持しながらオートクレーブ1をドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、導管をNHボンベ12に通じて外気に触れることなくNHをオートクレーブ1に充填した。NHをオートクレーブ1の有効容積(オートクレーブ容積−充填物容積)の約56%に相当する液体として充填(−33℃のNH密度で換算)した後、再びバルブ10を閉じた。
(5)オートクレーブ1を複数に分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブ内部の平均温度が600℃、内部の温度差が20℃になるようにオートクレーブ外面温度で制御しながら昇温し、設定温度に達した後、その温度にて30日間保持した。オートクレーブ内の圧力は215MPaであった。また保持中のオートクレーブ外面制御温度のバラツキは±0.3℃以下であった。
(6)オートクレーブ1を冷却しながら、オートクレーブに付属したバルブ10を開放し、オートクレーブ内のNHを取り除いた。この時、オートクレーブとカプセルとの圧力差を利用しカプセルを割り、カプセル内に充填したNHも取り除いた。
(7)オートクレーブ1を計量しNHの排出を確認した後、オートクレーブの蓋を開け、カプセル20を取り出し、更に内部の結晶を取り出した。種結晶上に窒化ガリウム結晶が成長しており、c軸厚みは7mmであった。
上記窒化ガリウム結晶より、C軸に沿ってM面を主面とする窒化ガリウムウエハを複数切り出すことができた。このウエハをM主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表1に記載する。
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
前述のように作製したM面を主面とする長辺35mm×短辺7mm、厚み330umのウエハを下地基板とし、鉱化剤をF濃度0.5mol%、I濃度1.5mol%、育成日数を20日とした。下地基板は、M面方向へホモ成長させるため主面(M面)全面をCMP仕上げした。その他は前述の[下地基板の準備]と同じ方法で結晶成長を行った。
取り出した結晶を観察したところ、M面を主面とする窒化ガリウム結晶が成長しており、そのサイズはc軸10mm×a軸40mm×m軸6mmであった。
続いて得られた窒化ガリウム結晶をM主面として複数切り出し、M主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表2に記載する。積層欠陥が無いM面結晶が得られた。
<実施例2>
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
実施例1「下地基板の主面上にホモ成長させる工程」で得られたM面基板を下地基板として用い、鉱化剤をF濃度0.5mol%、I濃度1.5mol%とした他は前述の[下地基板の準備]と同じ方法で結晶成長を行った。
取り出した結晶を観察したところ、M面を主面とする窒化ガリウム結晶が成長しており、そのサイズはc軸10mm×a軸40mm×m軸6mmであった。
続いて得られた窒化ガリウム結晶を実施例1と同様にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表2に記載する。積層欠陥が無いM面結晶が得られた。
<実施例3>
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
実施例1「下地基板の主面上にホモ成長させる工程」で得られた長辺17mm×短辺8mmの四角形、および330μmの厚さを有する単結晶GaNを下地基板として準備した。なお、下地基板の主面は(10−10)面から[0001]方向に−2°、[−12−10]方向に0°のオフ角を有する面である。
図2に示すようなHVPE装置を用い、準備した単結晶GaN下地基板を、サセプター108(基板ホルダー110)上に置き、反応室の温度を850℃まで上げ、15分間保持した。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを主面方向から供給し、成長温度950℃(昇温速度:21℃/min)まで昇温して、該温度に到達後GaNを30時間成長させた。この成長工程においては成長圧力を1.01×10Paとし、GaClガスの分圧を3.54×10Paとし、NHガスの分圧を1.13×10Paとし、全体のガス流量中の不活性ガス(N)の割合を48体積%とした。成長工程が終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。
得られたGaN単結晶のm軸方向の膜厚は約0.8mmであった。
得られたGaN結晶の転位密度をas−grownの状態で3kV、100pA、1000倍視野でカソードルミネッセンス(CL)観察にて評価した。CL観察にて結晶内の転位を暗点密度より算出したところ、9.4×10cm−2であった。
次に得られたGaNバルク結晶の積層欠陥密度をas−grownの状態で、5kV、500pA、200倍視野で低温カソードルミネッセンス(LTCL)観察にて評価した。LTCL観察像のC面と平行方向に存在する横線が積層欠陥であるが、観測されなかった。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表2に記載する。積層欠陥が無いM面結晶が得られた。
<比較例1>
[下地基板の準備]
サファイア基板上に有機金属化学堆積(MOCVD)法により窒化ガリウム(GaN)を成長した、ノンドープで主面をC面とするGaNテンプレートを準備し、テンプレート上にSiのマスクを形成し、マスクの開口部を通じるエピタキシャル横方向過度成長でC面−GaN層を成長させて、種基板を準備した。
次いで、図2に示すようなHVPE装置を用い、種基板のC面−GaN層が上面に露出するようにサセプター108上に配置した。このときのガス導入管104の先端と下地基板の距離は、9cmとした。その後、反応室の温度を1010℃まで上げ、GaN単結晶を成長させた。この成長工程においては成長圧力を1.01×10Paとし、GaClガスの分圧を6.55×10Paとし、NHガスの分圧を7.58×10Paとした。成長時間は64時間とした。
成長終了後、室温まで降温し、GaN単結晶を得た。種基板上に厚さが8.3mmであって主面がC面であるGaN単結晶(以下、C面−GaN単結晶と称する)が得られた。C面−GaN単結晶の厚みと成長時間から成長速度を算出したところ、130μm/hであった。
得られた結晶から、主面として、(10−10)面から[0001]方向に−2°、
[−12−10]方向に0°のオフ角を有する面となる様に、スライスを行い、小片基板を複数枚得た。これらの中から、長辺50mm×短辺5mmの四角形、および330μmの厚さを有する単結晶GaN(自立)を、下地基板として準備した。
得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表1に記載する。
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
得られた下地基板を、図2に示すようなHVPE装置のサセプター108(基板ホルダー110)上に置き、反応室の温度を850℃まで上げ、15分間保持した。その後、周期表第13族金属原料であるGaClと窒素原料であるNHを主面方向から供給し、成長温度950℃(昇温速度:21℃/min)まで昇温して、該温度に到達後GaNを30時間成長させた。この成長工程においては成長圧力を1.01×10Paとし、GaClガスの分圧を3.54×10Paとし、NHガスの分圧を1.13×10Paとし全体のガス流量中の不活性ガス(N)の割合を48体積%とした。成長工程が終了後室温まで降温し、GaN結晶を得た。
得られたGaN単結晶のm軸方向の膜厚は約0.8mmであった。
得られたGaN結晶の転位密度をas−grownの状態で3kV、100pA、1000倍視野でカソードルミネッセンス(CL)観察にて評価した。CL観察にて結晶内の転位を暗点密度より算出したところ、1.5×10cm−2であった。
次に得られたGaNバルク結晶の積層欠陥密度をas−grownの状態で、5kV、500pA、200倍視野で低温カソードルミネッセンス(LTCL)観察にて評価した。
LTCL観察像のC面と平行方向に存在する横線が積層欠陥であり、積層欠陥密度は1.5×10cm−1であった。
<比較例2>
[下地基板の準備]
比較例1の[下地基板の準備]と同じ方法で得られた結晶から、主面として、(10−10)面から[0001]方向に0°、[−12−10]方向に0°のオフ角を有する面となる様に、スライスを行い、小片基板を複数枚得た。続いてM主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表1に記載する。
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
前述のように作製した下地基板の中から長辺20mm×短辺10mmの四角形、および330μmの厚さを有する単結晶GaNを下地基板7とし、鉱化剤をF濃度0.2mol%、I濃度1.5mol%、育成日数を9.1日とした他は実施例1の[下地基板の準備]と同じ方法で結晶成長を行った。
取り出した結晶を観察したところ、M面を主面とする窒化ガリウム結晶が成長しており、そのサイズはc軸11mm×a軸20mm×m軸1.8mmであった。
続いて得られた窒化ガリウム結晶をm主面として複数切り出し、M主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨基板のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表2に記載する。積層欠陥密度は1.0×10cm−1であった。
<比較例3>
[下地基板の準備]
比較例1の[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]で得られた結晶から、主面として、(10−10)面から[0001]方向に0°、[−12−10]方向に0°のオフ角を有する面となる様に、スライスを行い、小片基板を複数枚得た。続いてM主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にM主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨基板のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表1に記載する。
[下地基板の主面上にホモ成長させる成長工程]
前述のように作製した下地基板の中から長辺14mm×短辺10mmの四角形、および330μmの厚さを有する単結晶GaNを下地基板7とし、鉱化剤をF濃度0.5mol%、I濃度1.5mol%、育成日数を12日とした他は実施例1の[下地基板の準備]と同じ方法で結晶成長を行った。
取り出した結晶を観察したところ、M面を主面とする窒化ガリウム結晶が成長しており、そのサイズはc軸10mm×a軸14mm×m軸2mmであった。
続いて得られた窒化ガリウム結晶をM主面として複数切り出し、M主面の表裏と4側面をエッチングしてダメージを除去し、更にm主面の表裏をミラー研磨した。得られた両面研磨結晶のX線回折測定を行い、結晶系は六方晶系で立方晶GaNは含まれていないことが確認された。続いてその他の物性について分析評価を行った。結果を表2に記載する。積層欠陥密度は1.5×10cm−1であった。
<参考例1>
実施例1と同じ方法で得られたM面結晶から切り出したM面基板(実施例2,3で使用した下地基板と同じ方法で作ったM面基板)の格子面間隔の伸縮Δd/daveは2.0×10−6、M面主面における転位密度は0〜1×10個/cmであった。なお、格子面間隔(Δd)はXRDを用いて(30−30)面を測定し、測定範囲はc軸方向へ4mm、測定間隔は0.1mmで合計40点の測定データから格子面間隔の伸縮(Δd/dave)を算出した。転位密度はSEM−CLにより測定した。
<参考例2>
比較例1、2で使用した下地基板と同じ方法で作ったM面基板の格子面間隔の伸縮Δd/daveは3.0×10−5、M面主面における転位密度は1〜5×10個/cmであった。なお、格子面間隔(Δd)はXRDを用いて(30−30)面を測定し、測定範囲はc軸方向へ4mm、測定間隔は0.1mmで合計40点の測定データから格子面間隔の伸縮(Δd/dave)を算出した。転位密度はSEM−CLにより測定した。
1 耐圧性容器(オートクレーブ)
2 耐圧性容器の内部
3 ライニング
4 ライニング内面
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料溶解領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニア(NH)ボンベ
13 窒素(N)ボンベ
14 マスフローメーター
20 反応容器
21 反応容器内部
100 リアクター(反応容器)
101〜105 導入管
106 リザーバー
107 ヒーター
108 サセプター
109 排気管
110 基板ホルダー

Claims (9)

  1. 非極性面又は半極性面を主面とする周期表第13族金属窒化物半導体下地基板上に、周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法であって、
    前記下地基板が、超臨界状態及び/又は亜臨界状態の溶媒存在下で結晶成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  2. 前記下地基板が、下記(a)〜(d)の条件を少なくとも1つを満たす結晶である、請求項1に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
    (a)水素濃度が1.0×1017atoms・cm−3以上。
    (b)酸素濃度が1.0×1017〜1.0×1020atoms・cm−3
    (c)アルカリ金属濃度が1.0×1017atoms・cm−3以下。
    (d)キャリア濃度が1.0×1017〜1.0×1019cm−3
  3. 前記下地基板が、3100〜3200cm−1に赤外線吸収ピークを有する結晶である、請求項1又は2に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  4. 前記下地基板が、波長405nmにおける光の吸収係数が1.0〜30cm−1の結晶である、請求項1〜3の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  5. 前記下地基板が、波長445nmにおける光の吸収係数が0.5〜5cm−1の結晶である、請求項1〜4の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  6. 前記下地基板が、主面における基底面転位密度が1.0×10cm−2以下の結晶である、請求項1〜5の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  7. 前記下地基板が、積層欠陥密度10cm−1以下の結晶である、請求項1〜6の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  8. 前記成長工程が、気相成長法によって周期表第13族金属窒化物半導体結晶を成長させる工程である、請求項1〜7の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法によって製造されたことを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
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