JP2014115498A - 反射型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】明室での使用に対し、外乱光の観察者側への反射を抑制してコントラストを向上させ、また、スクリーンの水平方向の端部側における明るさを向上させると共に視野角を拡大させ、また、投射光の入射角度が大きくなるスクリーンの水平方向での画像のボケを抑制する反射型スクリーンを提供する。
【解決手段】反射型スクリーン1は、曇価に角度依存性を有し、入射する投射光を拡散する光制御膜(第1光制御膜11、第2光制御膜12)で構成される光制御層10と、視野角を拡大する視野角拡大層20と、視野角拡大層20を透過した透過光を反射する反射層30と、を備え、光制御層10は、光拡散領域の方向が水平方向に揃えられ、視野角拡大層20は、複数の凸状レンズ21が連続的に配列され、凸状レンズ21が反射層30側に配置されると共に、凸状レンズ21の長手方向が垂直方向に揃えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射型スクリーンに関する。
従来、プロジェクター等の投射装置から投射された投射光をスクリーンで反射させて画像を表示する反射型スクリーンが知られている。反射型スクリーンは、明室においても、明るく、コントラストが高く、視野角が広い特性が求められる。
このような反射型スクリーンとして、例えば、特許文献1では、拡散層と、水平方向視野角拡大層と、反射層と、水平方向視野角拡大層と反射層との距離を調節する調節機構と、を備えたものが開示されている。そして、拡散層は、全光線透過率が80%以上でHAZE値(曇価)が75±10%の特性を備えて投射光を拡散する。また、水平方向視野角拡大層は、複数の凸条が連続的に配列され、凸条の頂部が反射層側に配置するように構成され、複数の凸条は各凸条の長手方向が反射型スクリーンの垂直方向に一致するように連続して配設され、水平方向の視野角を拡大する。反射層は、水平方向視野角拡大層を透過した透過光を反射する。
なお、特許文献1に記載されるように、明室においては、投射装置からの投射光以外に、室内の照明灯等からの外乱光がコントラストに影響を与える。また、特許文献1に記載されるように、コントラストを改善するためには、投射光と外乱光とのスクリーンに対する入射角の違いによって、これらの光の反射方向を分離させ、観察者側に対しては、できるだけ投射光の反射光だけが向かうようにすることが必要となる。
なお、特許文献1では、明室においても明るくコントラストが高く、水平方向視野角が良好な反射型スクリーンを実現するとしている。また、スクリーンの斜め上方から入射する照明灯等からの外乱光に対しては、斜め下方に反射させることにより、コントラストを改善している。
スクリーンの背面側から投射光を入射させてスクリーンを透過させることにより投射画像を表示させる透過型スクリーンにおいては、光拡散性能と光線透過性能の両方が重要となる。これは、反射型スクリーンにおいても同様となる。
特許文献2では、スクリーンとして、曇価に角度依存性を有する光制御膜を複数枚積層した構成のものが開示されている。詳細には、特許文献2では、60%以上の曇価を示す光散乱角度域45°以上の光制御膜を用いて、2枚は、光散乱角度域が法線方向に対して偏った向きで、光散乱角度域の方向がほぼ平行で、それぞれの光散乱角度域がフィルム法線方向を中心に逆向きとなり、光散乱角度域が互いに接して積層されている。また、別の1枚が、先の2枚の光制御膜に対して光散乱角度域の方向がほぼ直交するように積層されている。これにより、光透過性(全光線透過率)を犠牲にすることなく、光拡散性の高い光制御膜を用いることで、広い角度範囲にわたって高画質の画像が得られるスクリーンを実現するとしている。
特許第4083191号公報 特許第4665457号公報
特許文献1の反射型スクリーンでは、スクリーンの斜め上方から入射する照明灯等からの外乱光に対して、斜め下方に反射させることにより、外乱光の観察者側への反射を抑制している。しかし、外乱光の観察者側への反射の抑制は、必ずしも十分に満足できる状態には至っておらず、コントラストの改善が課題となっていた。
また、特許文献1の反射型スクリーンでは、正反射方向に多くの光が反射され、投射光の入射角度が大きくなるスクリーンの水平方向の端部側になるに従って暗くなり、視野角も狭くなるという課題があった。
また、特許文献1の反射型スクリーンでは、水平方向視野角拡大層として、シリンドリカル形状の複数の凸条を、長手方向がスクリーンの垂直方向と一致するように連続的に配列することにより、水平方向の視野角を拡大している。しかし、投射光の入射角度が大きくなるスクリーンの水平方向の端部側では、反射層により反射した一部の反射光が、全反射を繰り返す現象が発生し易くなり、その結果、画像のボケやコントラスト低下が発生するという課題があった。
従って、明室での使用に対し、スクリーンの垂直方向では、外乱光の観察者側への反射を抑制してコントラストを向上させ、また、スクリーンの水平方向では、端部側における明るさを向上させ、画像のボケを抑制し、視野角を拡大させると共にコントラストを向上させる反射型スクリーンが要望されていた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る反射型スクリーンは、(a)曇価に角度依存性を有し、入射する投射光を拡散する光制御膜で構成される光制御層と、(b)光制御層の投射光の入射方向とは逆側で、光制御層と積層され、視野角を拡大する視野角拡大層と、(c)視野角拡大層の外面に設置され、視野角拡大層を透過した透過光を反射する反射層と、を備え、光制御層は、光拡散領域の方向が水平方向に揃えられ、視野角拡大層は、複数の凸状レンズが連続的に配列され、凸状レンズが反射層側に配置されると共に、凸状レンズの長手方向が垂直方向に揃えられていることを特徴とする。
このような反射型スクリーンによれば、曇価に角度依存性を有して入射する投射光を拡散する光制御層が、光拡散領域の方向を水平方向に揃えられることにより、反射型スクリーンの正面側の斜め上方から入射する照明灯等からの外乱光の観察者側への反射を抑制することができると共に、反射型スクリーンの正面側から入射する投射光を観察者側へ効率的に反射させることができる。これにより、外乱光と投射光との反射方向を分離させることができ、観察者側にはできるだけ投射光のみを反射させることができる。従って、反射型スクリーンの明室でのコントラストを向上させることができる。また、複数の凸状レンズが連続的に配列され、凸状レンズが反射層側に配置されると共に、凸状レンズの長手方向が垂直方向に揃えられる視野角拡大層、および反射層により、水平方向の視野角を拡大させる。この構成により、明室であっても、水平方向の視野角を拡大し、外乱光の観察者側への反射を抑制してコントラストを向上させる反射型スクリーンを実現することができる。
[適用例2]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、視野角拡大層の凸状レンズは、シリンドリカル形状で構成されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、凸状レンズがシリンドリカル形状で構成されることにより、凸状の円筒形状面および反射層により、反射された光に連続的な広がりを持たせることができ、水平方向の視野角を拡大することができる。
[適用例3]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、凸状レンズは、投射光の入射角度に対応させて形状を異ならせることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、凸状レンズの形状を投射光の入射角度に対応させて異ならせることにより、投射光の入射角度に対応させて投射光の反射を制御することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、凸状レンズは、投射光の入射角度に対応させてレンズ厚みを異ならせていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、投射光の入射角度に対応させてレンズ厚みを異ならせることにより、観察者側に無駄なく効率的に投射光を反射させることができる。
[適用例5]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、凸状レンズは、投射光の入射角度が大きくなるに従い、レンズ厚みを厚くすることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、投射光の入射角度が大きくなるに従い、レンズ厚みを厚くすることにより、スクリーンの入射角度が大きくなる領域であっても、観察者側に効率的に投射光を反射させることができ、反射光の明るさを確保し、視野角も広くすることができる。例えば、投射光が反射型スクリーンの水平方向の中心の法線方向から入射する場合には、入射角度が大きくなる端部側においても観察者側に効率的に投射光を反射させることができ、端部側における明るさを確保し、視野角も広くすることができる。
[適用例6]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、凸状レンズは、視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、観察者が反射型スクリーンの水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、水平方向(例えば、反射型スクリーンの左右方向)において、略均一な視認特性(例えば、明るさやコントラスト)を確保することができる。
[適用例7]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、隣接する凸状レンズをそれぞれ第Nの凸状レンズ、第N+1の凸状レンズとし、また、投射光の入射角度が大きくなる側の凸状レンズを第N+1凸状レンズとした場合、第N凸状レンズと接続する第N+1凸状レンズの円弧部の一部が削除され、入射方向に延びる延出部が形成され、第N凸状レンズの円弧部と第N+1凸状レンズの延出部とが接続されると共に、第N+1凸状レンズを含めた以降の凸状レンズにおいても同様に接続されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、投射光の入射角度が大きくなる場合、投射光の入射角度が大きくなる第N+1凸状レンズの第N凸状レンズと接続する円弧部の一部を削除して入射方向に延びる延出部を形成し、第N凸状レンズの円弧部と第N+1凸状レンズの延出部とが接続される。また、第N+1凸状レンズを含めた以降の凸状レンズにおいても同様に順次構成される。この構造により、反射層で反射した一部の反射光が全反射を繰り返して迷光となることを防止することができ、水平方向の両端部側での画像のボケを抑制し、画像のコントラストを向上させることができる。
[適用例8]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、第N+1凸状レンズ以降の凸状レンズは、視野角拡大層の水平方向の端部側に配列されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、第N+1凸状レンズ以降の凸状レンズが、投射光の入射角度が大きくなる水平方向の端部側に配列されていることにより、水平方向の端部側での画像のボケを抑制し、画像のコントラストを向上させることができる。
[適用例9]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、第N+1凸状レンズ以降の凸状レンズは、視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、観察者が反射型スクリーンの水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、水平方向において略均一な視認特性を確保することができる。
[適用例10]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、反射層は、選択的に形成されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、反射層が選択的に形成されることにより、凸状レンズの必要な部分に反射層を形成することができ、反射を制御することができる。そして、反射層で反射した一部の反射光が全反射を繰り返して迷光となることを防止することができ、水平方向の端部側での画像のボケを抑制し、画像のコントラストを向上させることができる。
[適用例11]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、反射層は、視野角拡大層を基準面として、投射光の投射方向と略面対称となる方向からの蒸着により形成されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、蒸着を利用して、反射層を投射光の入射角度に対応させて凸状レンズの外面側に形成させることができる。これにより、凸状レンズの反射層が形成される部分では、投射光の入射角度に対応させて、投射光を反射型スクリーンの正面側に反射させることができる。また、凸状レンズの反射層が形成されない部分では投射光が透過して第2保護層に吸収される。従って、水平方向の端部側での全反射を防止する反射層を容易に形成することができる。
[適用例12]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、反射層は、視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となるように形成されていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、観察者が反射型スクリーンの水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、水平方向において略均一な視認特性を確保することができる。
[適用例13]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、光制御層は、1枚の光制御膜で構成され、光拡散領域の拡散角度が法線に対して略均等または下方向に偏っていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、光拡散領域の拡散角度が法線に対して略均等となっている場合、拡散角度の範囲内に入射する光は反射型スクリーン正面側に反射させ、拡散角度の範囲外に入射する光は反射型スクリーン正面側への反射を抑制させることができる。従って、拡散角度の範囲内に入射する例えばプロジェクターからの入射光は、反射型スクリーン正面側に位置する観察者側へ反射させ、拡散角度の範囲外に入射する照明灯等からの外乱光は、観察者側への反射を抑制させることができる。
また、光拡散領域の拡散角度が法線に対して下方向に偏っている場合、反射型スクリーンの斜め上方から入射する外乱光を、拡散角度の範囲外に入射させやすくすることができるため、外乱光の反射型スクリーン正面側への反射を、更に抑制することができる。従って、外乱光の観察者側への反射を抑制して、コントラストを向上させる反射型スクリーンを実現することができる。
また、光制御層が1枚の光制御膜で構成されるため、厚さを極力薄くした反射型スクリーンを実現することができる。
[適用例14]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、光制御層は、複数の光制御膜が積層されて構成され、少なくとも2枚の光制御膜は、それぞれの光拡散領域の方向が略平行で、それぞれの拡散角度が法線に対して偏っていると共に法線を中心に逆向きとなっていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、積層することにより、光拡散領域の拡散角度の範囲を、隙間を無くして拡げることができる。これにより、垂直方向の視野角を拡大することができる。また、拡散角度の範囲外から入射する外乱光の反射型スクリーンの正面側への反射を抑制し、コントラストを向上させることができる。また、拡散角度が法線を中心に逆向きとなり、拡散角度の一部が重なることにより、明るさを向上させることができる。
[適用例15]上記適用例に係る反射型スクリーンにおいて、2枚の光制御膜は、拡散角度が互いに10°以上の重なりを有し、積層により合成された拡散角度は、法線に対して略均等または下方向に偏っていることが好ましい。
このような反射型スクリーンによれば、拡散角度が互いに10°以上の重なりを有することで、反射型スクリーン正面側で明るい画像を得ることができる。
また、合成された拡散角度が法線に対して略均等となっている場合、光拡散領域の拡散角度の範囲内に入射する光は反射型スクリーン正面側に反射させ、拡散角度の範囲外に入射する光は反射型スクリーン正面側への反射を抑制させることができる。従って、外乱光の観察者側への反射を抑制して、スクリーン面内で均一な明るさを得ることができ、コントラストを向上させる反射型スクリーンを実現することができる。
また、合成された拡散角度が法線に対して偏っている(例えば、下方向に偏っている)場合には、投射光の入射角度が大きくなるとき(例えば、反射型スクリーンの上端部側)にも、拡散角度の範囲内に入射させることができ、反射光は拡散角度の範囲で反射され、反射型スクリーンの正面側に拡散させることができる。また、反射型スクリーンの斜め上方から入射する外乱光を、拡散角度の範囲外に更に入射させやすくすることができるため、外乱光の反射型スクリーン正面側への反射を、更に抑制することができる。これにより、投射光の入射角度が大きい場合であっても、外乱光の観察者側への反射を更に抑制して、スクリーン面内で更に均一な明るさを得ることができ、コントラストを更に向上させる反射型スクリーンを実現することができる。
第1実施形態に係る反射型スクリーンの概略部分断面図であり、(a)は反射型スクリーンの水平方向を示す図、(b)は反射型スクリーンの垂直方向を示す図。 第1実施形態に係る光制御層の構成を示す模式図であり、(a)は第1光制御膜を示す図、(b)は第2光制御膜を示す図、(c)は光制御層を示す図。 第1実施形態に係る外乱光が反射型スクリーンに入射する場合の概略的な光路を説明する模式図。 第1実施形態に係る視野角拡大層の凸状レンズの水平方向断面を模式的に示した図であり、(a)は中央部での凸状レンズを示す図、(b)は左端部側での凸状レンズを示す図(c)は右端部側での凸状レンズを示す図。 第1実施形態に係る視野角特性を示す図であり、(a)は中央部に投射光が入射した場合の図、(b)は右側端部に投射光が入射した場合の図。 第1実施形態に係る凸状レンズが全て同様の突出量で形成されている場合であって右側端部に投射光が入射した場合の視野角特性を示す図。 第2実施形態に係る視野角拡大層の凸状レンズの水平方向断面を模式的に示した図であり、(a)は中央部での凸状レンズを示す図、(b)は左端部側での凸状レンズを示す図、(c)は右端部側での凸状レンズを示す図。 第2実施形態に係る凸状レンズに延出部を設けた場合の反射型スクリーンおける入射光および反射光の概略的な光路を説明する模式図。 第2実施形態に係る凸状レンズに延出部を設けない場合の反射型スクリーンにおける入射光および反射光の概略的な光路を説明する模式図。 第3実施形態に係る反射層を形成する方法を模式的に示す図であり、(a)は垂直方向から見た状態を示す図、(b)は水平方向から見た状態を示す図。 第3実施形態に係る視野角拡大層および反射層の水平方向断面を模式的に示した図であり、(a)は凸状レンズの円弧部に蒸着源からの蒸着材料を蒸着する際の蒸着方向を示す図、(b)は円弧部に反射層が形成された状態を示す図。 第4実施形態に係る光制御層の構成を示す模式図であり、(a)は第1光制御膜を示す図、(b)は第2光制御膜を示す図、(c)は光制御層を示す図。 第4実施形態に係る反射型スクリーンの拡散角度とプロジェクターの投射光との関係を模式的に示す図であり、(a)は第4実施形態の光制御層を用いた場合を示す図、(b)は第4実施形態の光制御層を用いない場合を示す図。 視野角拡大層を製造するための型となるベース型を製造する方法を模式的に示す図であり、(a)はベース型を製造する際の切削工具を示す断面図、(b)はベース型の水平方向の中央部を示す断面図、(c)はベース型の水平方向の左端部側を示す断面図、(d)はベース型の水平方向の右端部側を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、各構成層を認識可能な程度の大きさとするため、尺度を実際とは異ならせて図示する。また、同様の機能を有する部分には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る反射型スクリーン1の概略部分断面図であり、図1(a)は、反射型スクリーン1の水平方向を示す図であり、図1(b)は、反射型スクリーン1の垂直方向を示す図である。図1は、投射光が反射型スクリーン1で反射される概光路も図示している。図1を参照して、本実施形態の反射型スクリーン1の概略構成を説明する。
反射型スクリーン1は、プロジェクターPJ(図13参照)から投射された投射光を反射させて画像を表示するものである。反射型スクリーン1は、平面視矩形状で、可撓性を有して巻き取り可能に構成されている。反射型スクリーン1の大きさは、画面サイズで100インチ、アスペクト比は16:9を確保している。反射型スクリーン1は、図1に示すように、プロジェクターPJからの投射光が入射する表側から順番に、第1保護層40、光制御層10、視野角拡大層20、反射層30、第2保護層50で構成されている。
光制御層10は、曇価に角度依存性を有して入射する投射光を拡散する。視野角拡大層20は、光制御層10の投射光の入射方向とは逆側で、光制御層10と積層される。そして、視野角拡大層20は、複数の凸状レンズ21が連続的に配列され、凸状レンズ21の頂部が反射層30側に配置されると共に、凸状レンズ21の長手方向が垂直方向に揃えられている。反射層30は、視野角拡大層20の外面(凸状レンズ21の外面)に設置され、凸状レンズ21を透過した透過光を反射する。第1保護層40は、光制御層10を保護し、第2保護層50は、反射層30を保護する。
図2は、第1実施形態に係る光制御層10の構成を示す模式図であり、図2(a)は第1光制御膜11を示す図であり、図2(b)は第2光制御膜12を示す図であり、図2(c)は光制御層10を示す図である。図2を参照して光制御層10の構成を説明する。
光制御層10は、2枚の光制御膜(第1光制御膜11および第2光制御膜12)が積層されて構成されている。各光制御膜は、それぞれ曇価に角度依存性を有している。なお、各光制御膜の製造方法として、例えば、前述した特許文献2に記載されているように、屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する光硬化性樹脂組成物を膜状に形成し、そこに特定方向から光を照射して硬化させることにより製造される。
このように製造されることにより、各光制御膜は、曇価に角度依存性を有し、入射光に対して、選択的な角度範囲で拡散させ、他の角度範囲では直進透過させる機能を有する。なお、各光制御膜は、屈折率の異なる樹脂が交互に積層された構造となり、選択的な角度範囲に入射する光に対しては、ステップインデックス型の導光板として機能し、入射した光を導光する。
また、2枚の光制御膜は、最初に第2光制御膜12を作成した後、その第2光制御膜12を基材として、その上に光硬化性樹脂組成物を塗布して硬化させ第1光制御膜11を作成することで、第1光制御膜11と第2光制御膜12とを積層している。なお、他の積層方法として、それぞれの光制御膜を個々に作成した後、粘着剤等の媒体を介して接着してもよい。積層された光制御層10は、各光制御膜の上述した機能を併せ持つことになる。
本実施形態の第1光制御膜11および第2光制御膜12は、図2(a),(b)に示すように、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略30°であり、拡散角度が法線に対して偏っている。そして、第1光制御膜11および第2光制御膜12は、それぞれの光拡散領域の方向が略平行で、拡散角度が法線に対してそれぞれ5°偏っている。そして、図2(c)に示すように、第1光制御膜11と第2光制御膜12とを、それぞれの光拡散領域が法線を中心に逆向きとなるように積層する。この積層により、光制御層10は、合成される拡散角度に10°の重なりを有する構成となる。また、光制御層10は、法線を中心に±25°の拡散角度を有する構成となる。これにより、光制御層10は、拡散角度±25°の範囲内に入射する光を拡散させ、範囲外に入射する光は直進透過させる動作を行う。
光制御層10の光拡散領域の方向は、反射型スクリーン1の水平方向に揃えられている。なお、光拡散領域の方向とは、光拡散領域が延在する方向とする。従って、本実施形態では、光制御層10の光拡散領域の拡散角度が水平方向に延在している。
視野角拡大層20は、本実施形態では透明なシート状の樹脂材料を基材として、図1に示すように、一方の面には、片面が円弧状のシリンドリカル形状となる凸状レンズ21が複数形成されている。詳細には、視野角拡大層20は、複数の凸状レンズ21が連続的に配列され、凸状レンズ21の長手方向が垂直方向に揃えられている。
視野角拡大層20の他方の面は投射光の入射側となり、一方の面に形成された凸状レンズ21が反射層30側となるように配置される。視野角拡大層20の他方の面には、光制御層10が積層される。なお、視野角拡大層20の製造方法として、本実施形態では、凸状レンズ21の形状に対して逆形状に形成された型をベース型として、熱転写法により製造している。なお、視野角拡大層20の構成および動作に関しての詳細は後述する。
反射層30は、図1に示すように、視野角拡大層20の凸状レンズ21の外面に設置される。反射層30は、本実施形態では、アルミニウムを蒸着することにより形成している。これにより、反射層30は、視野角拡大層20の凸状レンズ21を透過した透過光を再び視野角拡大層20に反射する。なお、反射層30の材質は、アルミニウム以外に、銀等を用いてもよい。また、蒸着以外に、スパッタリングや塗布等により形成することでもよい。
第2保護層50は、図1に示すように、反射層30の外面側に積層されて構成されている。第2保護層50は、本実施形態では、黒色の塩化ビニルのシート基材を用いている。第2保護層50は、反射型スクリーン1の背面を構成し、汚れ防止や傷防止等の保護を行う。また、第2保護層50は、例えば反射層30から漏れる光を吸収することや、反射型スクリーン1の背面側から入射する外乱光を吸収すること等の機能も有している。なお、第2保護層50は、塩化ビニルのシート基材の他、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等のシート基材を用いることもできる。
第1保護層40は、図1に示すように、光制御層10の外面側(投射光の入射側)に積層されて構成されている。第1保護層40は、透明な塩化ビニルのシート基材を用いている。第1保護層40は、反射型スクリーン1の表面(前面)を構成し、汚れ防止や傷防止等の保護を行う。なお、第1保護層40は、塩化ビニルのシート基材の他、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等のシート基材を用いることもできる。
図1を参照して、プロジェクターPJからの投射光が反射型スクリーン1に入射する場合の概略的な光路に関して説明する。
図1(a)に示すように、反射型スクリーン1の水平方向において、プロジェクターPJからの投射光A1,A2は、第1保護層40、光制御層10を透過して、視野角拡大層20に入射し、視野角拡大層20の凸状レンズ21を透過して、反射層30で反射する。
反射した光(反射光)は、再び視野角拡大層20、光制御層10を透過する。そして、光制御層10、第1保護層40を透過した反射光は、水平方向に拡散して反射型スクリーン1の正面側に射出される。なお、図1(a)において、視野角拡大層20と光制御層10と第1保護層40とは屈折率が略同様であるため、水平方向における各層での入射光および反射光は略直進して透過するものとして図示している。これは以降の図においても同様に図示し、説明も省略する。
このように、反射型スクリーン1の水平方向において、投射光A1,A2は、シリンドリカル形状の凸状レンズ21および反射層30により反射され、かつ凸状レンズ21のレンズ効果により、正面側の水平方向に広く拡散される。これにより、水平方向での視野角が得られる。なお、本実施形態の水平方向での視野角は±50°を想定している。なお、視野角に関しての詳細は後述する。
図1(b)に示すように、反射型スクリーン1の垂直方向において、プロジェクターPJからの投射光A3(光拡散領域の拡散角度の範囲内に入射する場合)は、第1保護層40、光制御層10を透過し、光制御層10からの射出時に垂直方向に拡散する。
拡散した投射光A3は、視野角拡大層20を透過して反射層30で反射する。反射した光(反射光)は、視野角拡大層20を透過して、再び光制御層10を透過する。そして、光制御層10(第1保護層40)からの射出時に再び垂直方向に拡散し、反射型スクリーン1の正面側に射出される。なお、垂直方向での拡散は、光拡散領域の拡散角度(前述するように法線を中心として±25°)で拡散する。これにより、垂直方向での視野角が得られる。
なお、上述したように、光制御層10は、本実施形態では垂直方向において、投射光A3が光拡散領域の拡散角度の範囲内に入射する場合には、ステップインデックス型の導光板として機能する。また、垂直方向において、光制御層10から第1保護層40に入射した反射光は、正確には第1保護層40で拡散される。しかし、光制御層10と第1保護層40とは屈折率が略同様であるため、第1保護層40での拡散は若干となる。従って、図1(b)においては、光制御層10から第1保護層40に入射した反射光が第1保護層40で若干拡散しても略直進して透過するものとして図示している。これは以降の図においても同様に図示し、説明も省略する。
図3は、第1実施形態に係る外乱光が反射型スクリーン1に入射する場合の概略的な光路を説明する模式図である。また、図3は、反射型スクリーン1の垂直方向の部分断面図を示している。図3を参照して、外乱光B1が反射型スクリーン1に入射した場合の光路に関して説明する。
照明灯等から入射する外乱光B1は、図3に示すように、反射型スクリーン1の正面側斜め上方から入射する。外乱光B1の入射角度が光制御層10の拡散領域(拡散角度)の範囲外となる場合、入射した外乱光B1は、光制御層10では拡散せずに直進透過し、視野角拡大層20を透過して反射層30で反射する。
反射した光(反射光)は、視野角拡大層20を透過して、再び光制御層10を直進透過し、第1保護層40から反射型スクリーン1の正面側斜め下方に射出される。これにより、反射型スクリーン1の正面側に位置する観察者の方向に、反射光(外乱光)が射出されることを抑制する。
図4は、第1実施形態に係る視野角拡大層20の凸状レンズ21の水平方向断面を模式的に示した図であり、図4(a)は、中央部での凸状レンズ21を示す図であり、図4(b)は、左端部側での凸状レンズ21を示す図であり、図4(c)は、右端部側での凸状レンズ21を示す図である。なお、図4は、視野角拡大層20のみを図示している。
図5は、第1実施形態に係る水平方向の視野角特性を示す図であり、図5(a)は、中央部に投射光が入射した場合の図であり、図5(b)は、右側端部に投射光が入射した場合の図である。図6は、第1実施形態に係る凸状レンズ21が全て同様の突出量T0で形成されている場合であって右側端部に投射光が入射した場合の視野角特性を示す図である。なお、図5、図6は、シミュレーション結果を図示している。図4、図5、図6を参照して、本実施形態の視野角拡大層20の構成と動作を説明する。
投射光は、本実施形態では、反射型スクリーン1の正面側で、反射型スクリーン1の下端部で水平方向の中央部における法線方向に位置するプロジェクターPJから、反射型スクリーン1に向かって射出されることを想定している。従って、投射光の入射角度は、反射型スクリーン1の中央部から左右端部側に行くに従い大きくなる。
本実施形態の視野角拡大層20の凸状レンズ21は、図4に示すように、投射光の入射角度に対応させて、凸状レンズ21の形状(詳細には凸状レンズ21のレンズ厚み)を異ならせている。これにより、投射光の入射角度に対応させて投射光の反射を制御している。
なお、凸状レンズ21のレンズ厚みは、図4に示すように、視野角拡大層20のベース部200からの凸状レンズ21の突出量に対応する。本実施形態では、凸状レンズ21は、詳細には、投射光の入射角度が大きくなるに従い、レンズ厚み(レンズ突出量)を厚く(突出量を大きく)するように形成されている。なお、本実施形態での凸状レンズ21の外形の曲率は全て同一である。
図4(a)に示すように、中央部での凸状レンズ21において、視野角拡大層20の凸状レンズ21の投射光の入射側の端部であるベース部200からのレンズの突出量は、突出量T0としている。また、図4(b)に示すように、左端部側に行くに従い突出量をT0からT1,T2,T3と除々に増加(T0<T1<T2<T3)させ、左端部の凸状レンズ21の突出量を最も多く突出(レンズ厚みを最も厚く)させている。詳細には、投射光の左側への入射角度に対応させ、入射角度が大きくなるのに対応させて、突出量をT0,T1,T2,T3と徐々に増加させている。
また、図4(c)に示すように、右端部側でも、左端部側と同様に形成されており、右端部側に行くに従い(入射角度が大きくなるのに対応させて)突出量をT0からT1,T2,T3と除々に増加(T0<T1<T2<T3)させ、右端部の凸状レンズ21の突出量を最も多く突出させている。そして、本実施形態では、視野角拡大層20(凸状レンズ21)は、垂直方向に二分する面(左右方向に二分する面)に対して略対称となる突出量で形成して配列させている。
なお、本実施形態の凸状レンズ21は、言い換えると、凸状レンズ21の円弧の端部における接線とベース部200との成す角度が反射型スクリーン1の端部側へ行くに従い大きくなるように形成されている。
上述した突出量T0,T1,T2,T3は、突出量を説明するために便宜上使用している。各凸状レンズ21の突出量は、各凸状レンズ21に入射する投射光の入射角度に応じて、後述するように、水平方向での視野角±50°を確保できる突出量となるように設定され、個々の凸状レンズ21が形成される。
図5、図6において、横軸Xは水平方向の角度を表し、縦軸Yは反射光の拡散分布(拡散の割合)を表している。図5(a)に示すように、水平方向の中央部(突出量T0)では、左右50°の範囲で反射光を多く拡散させることができる。
ここで、例えば、全ての凸状レンズ21が中央部での突出量T0で形成されていた場合に、反射型スクリーン1の例えば右側端部に投射光が入射(水平方向に傾いて入射)するときには、右側端部での凸状レンズ21による反射により正反射方向に多く反射する。そして、正反射方向とは反対側(投射光の入射側)へ反射する光は少なくなり、図6に示すように、右側端部での法線に対して偏った拡散分布となる。この場合、観察者側に効率的に投射光を反射させることができずに、反射型スクリーン1の右側端部が暗くなり、視野角も狭くなる。また、この現象は、投射光の入射角度が大きくなるに従って現れ、左右端部で最大となる。
この現象に対して、上述したように、投射光の入射角度に対応させて、凸状レンズ21の突出量(レンズ厚み)を異ならせることにより、正反射方向への反射を少なくし、反対側(投射光の入射側)への反射を多くする。その結果、図5(b)に示すように、右側端部での視野角特性において、左右50°の範囲で反射光を多く拡散させることができる。これは、左側端部でも同様となる。これにより、投射光の入射角度が大きくなる左右端部側においても観察者側に効率的に投射光を反射させることができることにより、明るさを確保するこができ、本実施形態の目標とする水平方向での視野角±50°を得ることができる。
本実施形態の反射型スクリーン1の各構成層の厚さは、第1保護層40が約50μm、光制御層10が約400μm、視野角拡大層20(反射層30含む)が約150μm、第2保護層50が約100μmである。従って、反射型スクリーン1の総厚は、反射層30や接着層等を加味しても800μm程度となる。また、各構成層は可撓性を有するため、反射型スクリーン1を軸芯等に巻きつけることが可能である。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の反射型スクリーン1は、曇価に角度依存性を有して入射する投射光を拡散する光制御層10が、光拡散領域の方向を水平方向に揃えられることにより、反射型スクリーン1の正面側の斜め上方から入射する照明灯等からの外乱光の観察者側への反射を抑制することができると共に、反射型スクリーン1の正面側から入射する投射光を観察者側へ効率的に反射させることができる。これにより、外乱光と投射光との反射方向を分離させることができ、観察者側にはできるだけ投射光のみを反射させることができる。従って、反射型スクリーン1の明室でのコントラストを向上させることができる。また、視野角拡大層20および反射層30により、水平方向の視野角を拡大させる。この構成により、明室であっても、水平方向の視野角を拡大し、外乱光の観察者側への反射を抑制してコントラストを向上させる反射型スクリーン1を実現することができる。
本実施形態の反射型スクリーン1は、光制御層10が、2枚の光制御膜(第1光制御膜11、第2光制御膜12)を積層して構成され、それぞれの光拡散領域の方向が略平行で、それぞれの拡散角度が法線に対して偏っていると共に法線を中心に逆向きとなっている。この積層により、光拡散領域の拡散角度の範囲を、隙間を無くして拡げることができ、垂直方向の視野角を拡大することができる。そして、積層された光制御層10の拡散角度は、法線に対して±25°を有している。これにより、反射型スクリーン1の正面側から入射する投射光を観察者側へ効率的に反射させることができ、拡散角度の範囲外から入射する外乱光の反射型スクリーン1の正面側への反射を抑制できることで、コントラストを向上させることができる。また、拡散角度が10°の重なりを有することにより、反射型スクリーン1の正面側での画像の明るさを向上させることができる。
本実施形態の視野角拡大層20は、シリンドリカル形状の複数の凸状レンズ21が連続的に配列され、凸状レンズ21が反射層30側に配置されると共に、凸状レンズ21の長手方向が垂直方向に揃えられている。これにより、反射型スクリーン1は、水平方向の視野角を拡大させることができる。
本実施形態の視野角拡大層20の凸状レンズ21は、投射光の入射角度に対応させてレンズ厚み(レンズの突出量)を異ならせて形成されている。これにより、反射型スクリーン1は、投射光の入射角度に対応させて投射光の反射を制御可能としている。詳細には、投射光の入射角度が大きくなるに従い、レンズ厚みを厚く(レンズの突出量を多く)している。これにより、反射型スクリーン1は、入射光の入射角度が大きくなる左右の端部側であっても、観察者側に効率的に投射光を反射させることができ、反射光の明るさを確保し、視野角も本実施形態では水平方向視野角±50°を得ることができる。
本実施形態の視野角拡大層20の凸状レンズ21は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されている。これにより、反射型スクリーン1は、観察者が反射型スクリーン1の水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、スクリーンの水平方向(左右方向)において、略均一な視認特性(例えば、明るさやコントラスト)を確保することができる。
本実施形態の反射型スクリーン1は、総厚が800μm程度となり、各構成層は可撓性を有し、軸芯等に巻きつけることが可能となる。従って、巻き取り収納が可能であり、反射型スクリーン1の可搬性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る視野角拡大層20の凸状レンズ21の水平方向断面を模式的に示した図であり、図7(a)は、中央部での凸状レンズ21を示す図であり、図7(b)は、左端部側での凸状レンズ21を示す図であり、図7(c)は、右端部側での凸状レンズ21を示す図である。なお、図7は、視野角拡大層20のみを図示している。なお、図7には、投射光が入射した場合の概光路を図示している。
図8は、第2実施形態に係る凸状レンズ21に延出部212を設けた場合の反射型スクリーン1における入射光および反射光の概略的な光路を説明する模式図である。図9は、第2実施形態に係る凸状レンズ21に延出部212を設けない場合の反射型スクリーン1における入射光および反射光の概略的な光路を説明する模式図である。なお、図8、図9は、右端部側の部分拡大断面図としている。また、図8、図9は、シミュレーション結果を図示している。また、図8は、反射型スクリーン1を視野角拡大層20のみで代用している。図7、図8、図9を参照して、本実施形態の凸状レンズ21の構成と動作を説明する。
本実施形態の反射型スクリーン1は、第1実施形態の凸状レンズ21と比較して、凸状レンズ21の円弧部211の端部に、図7、図8に示す延出部212が形成されていることが異なる点であり、それ以外は、第1実施形態と同様の構成となる。
最初に、図9を参照して、延出部212を設けない場合の投射光の反射型スクリーン1における光路を説明する。図9は、水平方向において、投射光の入射角度が大きくなる右端部側の一部を拡大した図となる。
図9に示すように、隣接する2つの凸状レンズ21において、投射光の入射角度が大きくなる側の凸状レンズ21(右側の凸状レンズ21)を、第N+1の凸状レンズ21(以降、第N+1凸状レンズ21という)とし、第N+1凸状レンズ21より入射角度が小さくなる側の凸状レンズ21(左側の凸状レンズ21)を、第Nの凸状レンズ21(以降、第N凸状レンズ21という)とする。
図9に示すように、反射型スクリーン1に投射光A5が入射した場合、第N凸状レンズ21の領域Aおよび領域Bで示す円弧部211に投射光A5が入射した場合には、反射光A51として反射型スクリーン1の正面側に反射されて拡散される。また、第N+1凸状レンズ21の領域Aで示す円弧部211に投射光A5が入射した場合には、反射光A51として反射型スクリーン1の正面側に反射されて拡散される。
しかし、投射光A5が、第N凸状レンズ21と接続する前記第N+1凸状レンズ21の円弧部211の一部となる領域Bで示す円弧部211に入射した場合には、反射された反射光A52が、光制御層10(第1保護層40含む)の入射側端面で全反射されるという現象が発生する。なお、第N+1凸状レンズ21を含めた以降の凸状レンズ21の同様の領域でも全反射が発生する。
光制御層10(第1保護層40)の入射側端面で全反射された反射光A52は、それ以降、全反射を繰り返し、反射型スクリーン1内部で迷光となってしまう。その結果、反射型スクリーン1の投射光の入射角度が大きくなる領域においては、画像のボケやコントラスト低下が発生してしまう。特に、投射光の入射角度が大きくなる反射型スクリーン1の水平方向の端部側で顕著となる。
上述した全反射を防止するために、本実施形態では、図9で示す、第N+1凸状レンズ21以降の領域Bを切り欠き、図8で示すように、入射方向となる視野角拡大層20のベース部200まで延びる延出部212を形成している。そして、第N凸状レンズ21の円弧部211の端部と第N+1凸状レンズの延出部212の端部とを接続している。また、第N+1凸状レンズ21を含めた以降の凸状レンズ21においても同様に接続している。
なお、本実施形態では、図7(a)に示すように、中央部での凸状レンズ21では、入射角度が小さいため、延出部212は形成していない。そして、図7(c)に示すように、右端部側に行くに従い、入射角度が徐々に大きくなるため、ある角度以上では全反射が発生する。本実施形態では、第N+1凸状レンズ21から発生することとしている。この第N+1凸状レンズ21以降の凸状レンズ21に対して全反射が発生する領域Bに対してそれぞれ延出部212を形成し、上述したように、隣接する凸状レンズ21の円弧部211と接続する。
図8に示すように、全反射が発生する第N+1凸状レンズ21、および、それ以降の凸状レンズ21において、全反射する領域Bが削除されるため、投射光A6が入射した場合、全反射を防止することができる。このため、反射光A61は、迷光とはならずに、効率的に反射型スクリーン1の正面側に反射される。
本実施形態では、図7(b)に示すように、入射角度が徐々に大きくなる左端部側でも、右端部側と同様に形成されている。そして、右端部側および左端部側の延出部212を含めた凸状レンズ21は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されている。なお、本実施形態の延出部212の長さは、投射光の入射角度および凸状レンズ21のレンズ厚み(突出量)との兼ね合いで、それぞれ異なって設定されることになる。
なお、本実施形態の凸状レンズ21において、延出部212は、反射型スクリーン1の中央部側となる端部に形成される。
上述した実施形態によれば、第1実施形態での効果に加えて、以下の効果が得られる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、投射光の入射角度が大きくなる第N+1凸状レンズ21の第N凸状レンズ21と接続する円弧部211の一部となる領域Bを削除して入射方向に延びる延出部212を形成し、第N凸状レンズ21の円弧部211と第N+1凸状レンズ21の延出部212とが接続される。また、第N+1凸状レンズ21を含めた以降の凸状レンズ21においても同様に順次構成される。この構造により、反射層30で反射した一部の反射光が全反射を繰り返して迷光となることを防止することができ、水平方向の左右端部側での画像のボケを抑制し、画像のコントラストを向上させることができる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、第N+1凸状レンズ21以降の凸状レンズ21は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されている。これにより、観察者が反射型スクリーン1の水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、水平方向(左右方向)において略均一な視認特性を確保することができる。
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る反射層30を形成する方法を模式的に示す図であり、図10(a)は、垂直方向から見た状態を示す図であり、図10(b)は、水平方向から見た状態を示す図である。なお、図10は、視野角拡大層20のみを図示している。図11は、第3実施形態に係る視野角拡大層20および反射層30の水平方向断面を模式的に示した図であり、図11(a)は、凸状レンズ21の円弧部211に蒸着源Sからの蒸着材料を蒸着する際の蒸着方向を示す図であり、図11(b)は、円弧部211に反射層30が形成された状態を示す図である。なお、図11は、視野角拡大層20の右端部側の部分拡大図としている。図10、図11を参照して、本実施形態の反射層30の形成方法、構成、および動作を説明する。
本実施形態の反射型スクリーン1は、第1実施形態の反射層30と比較して、凸状レンズ21の円弧部211の外面に反射層30が選択的に形成されることが異なる点であり、それ以外は、第1実施形態と同様の構成となる。
本実施形態の反射層30は、図10(a)に示すように、視野角拡大層20を基準面として、投射光Lpの投射方向と略面対称となる方向から凸状レンズ21の外面(円弧部211)に向けて斜め方向から蒸着材料(本実施形態ではアルミニウム)を蒸着することにより形成されている。
詳細には、図10(a)に示すように、プロジェクターPJが設置される位置(仮想光源位置P)は、視野角拡大層20の正面側で、視野角拡大層20の下端部202側の水平方向中央部における法線方向の所定位置に設置されることを想定している。そして、本実施形態の蒸着源Sは、図10(a)に示すように、反射型スクリーン1(視野角拡大層20)を挟んで、仮想光源位置Pとは逆側(視野角拡大層20の凸状レンズ21側)となる背面側に設置される。言い換えると、蒸着源Sは、仮想光源位置Pとは面対称の位置となる、視野角拡大層20の背面側で、視野角拡大層20の下端部202側の水平方向中央部における法線方向の所定位置に設定される。
また、蒸着源Sは、反射層30を形成する際、図10(a)に示すように、垂直方向において、凸状レンズ21の円弧部211に対する蒸着源Sからの蒸着の角度θsが、入射面201に対する仮想光源位置Pからの投射光Lpの入射角度θpと等しいか、それよりも大きくなるように設置される。
また、蒸着源Sは、反射層30を形成する際、図10(b)に示すように、水平方向において、凸状レンズ21の円弧部211に対する蒸着源Sからの蒸着の角度θssが、入射面201に対する仮想光源位置Pからの投射光Lpの入射角度θppと等しいか、それよりも大きくなるように設置される。
上述したように設置された蒸着源Sから凸状レンズ21の外面(円弧部211)に向けて蒸着材料を蒸着させることにより、円弧部211には反射層30が選択的に形成される。このように、蒸着対象面(凸状レンズ21の円弧部211)に対して斜め方向から蒸着する方法を以降では適宜、斜方蒸着と呼称する。
斜方蒸着により蒸着される状態を示す図が図11となる。図11(a)では、凸状レンズ21の円弧部211に蒸着源Sからの蒸着材料を蒸着する際の蒸着方向を矢印により図示している。この斜方蒸着により、図11(b)に示すように、凸状レンズ21の円弧部211において、領域Dの部分は蒸着されず、それ以外の円弧部211となる領域Cの部分に反射層30が形成される。また、左端部側でも右端部側と同様に形成される。そして、右端部側および左端部側の凸状レンズ21に形成される反射層30は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して形成される。
なお、この領域Dは、入射光に対して全反射させる領域を含む部分となる。また、領域Dは、第2実施形態で説明した全反射する領域B(図9参照)を含む部分となる。図11(b)に示すように、領域Cのみに反射層30を形成した視野角拡大層20を用いて製造された反射型スクリーン1において、入射光は、領域Cの部分でのみ正面側に反射される。そして、反射層30が形成されない領域Dの部分では、入射光は、反射されずに凸状レンズ21を透過する。凸状レンズ21を透過した入射光は、そのまま第2保護層50に吸収される。
この構成により、反射型スクリーン1は、全反射される領域を含む領域Dにおいて、入射光が反射されずに第2保護層50に吸収されることにより、入射光が全反射されて迷光となることを防止することができる。
上述した実施形態によれば、第1実施形態での効果に加えて、以下の効果が得られる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、反射層30は、視野角拡大層20を基準面として、投射光の投射方向と略面対称となる方向からの斜方蒸着により形成される。これにより、反射層30は、投射光の入射角度に対応させて凸状レンズ21の円弧部211(領域C)の部分に選択的に形成することができる。このため、凸状レンズ21の反射層30が形成される領域Cでは、投射光Lpの入射角度に対応させて、投射光を反射型スクリーン1の正面側に反射させることができる。また、凸状レンズ21の反射層30が形成されない領域Dでは、投射光Lpが凸状レンズ21を透過して第2保護層50に吸収される。従って、水平方向(左右方向)の端部側での全反射を防止する反射層30を容易に形成することができる。また、この構成により、投射光Lpの反射を制御することができ、反射層30で反射した一部の反射光が全反射を繰り返して迷光となることを防止することができ、水平方向の左右端部側での画像のボケを抑制し、画像のコントラストを向上させることができる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、反射層30は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となるように形成されている。これにより、観察者が反射型スクリーン1の水平方向の略中心位置に位置して反射された画像を観察する場合、水平方向(左右方向)において略均一な視認特性を確保することができる。
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態に係る光制御層10の構成を示す模式図であり、図12(a)は、第1光制御膜11を示す図であり、図12(b)は、第2光制御膜12を示す図であり、図12(c)は、光制御層10を示す図である。図13は、第4実施形態に係る反射型スクリーン1の拡散角度とプロジェクターPJの投射光Lpとの関係を模式的に示す図であり、図13(a)は、第4実施形態の光制御層10を用いた場合を示す図であり、図13(b)は、第4実施形態の光制御層10を用いない場合を示す図である。図12、図13を参照して光制御層10の構成および動作を説明する。
本実施形態の反射型スクリーン1は、第1実施形態の光制御層10と比較して、積層により合成された拡散角度が、法線に対して下方向に偏っていることが異なる点であり、それ以外は、第1実施形態と同様の構成となる。
本実施形態の光制御層10は、図12に示すように、第1実施形態の光制御層10と同様に、2枚の光制御膜(第1光制御膜11および第2光制御膜12)が積層されて構成されている。本実施形態の第1光制御膜11は、図12(a)に示すように、第1実施形態の第1光制御膜11と同様に、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略30°である。異なる点は、拡散角度が法線に対して偏っておらずに均等となっていることである。また、本実施形態の第2光制御膜12は、図12(b)に示すように、第1実施形態の第2光制御膜12と同様に、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略30°である。異なる点は、拡散角度が法線に対して20°偏っていることである。
本実施形態の第1光制御膜11および第2光制御膜12は、図12(c)に示すように、それぞれの光拡散領域の方向が略平行(反射型スクリーン1としては、水平方向)で、第2光制御膜12の拡散角度が法線に対して下向きとなるように積層される。この積層により、本実施形態の光制御層10は、図12(c)に示すように、合成された拡散角度の範囲が50°を有すると共に、拡散角度に10°の重なりを有した構成となる。詳細には、合成された拡散角度は、法線を中心に上方向に15°(+15°)、下方向に35°(−35°)の拡散角度(+15°/−35°)を有する構成となる。
ここで、図13(b)に示すように、積層される光制御層10の拡散角度が法線を中心に均等であり、例えば、±25°(+25°/−25°)である場合、プロジェクターPJの投射角度や設置位置によっては、特に反射型スクリーン1の上端部側において、光制御層10の拡散角度の範囲よりもプロジェクターPJからの投射光Lpの入射角度が大きくなる場合(例えば30°)がある。このような場合、反射光は拡散角度の範囲では拡散せず、直進光として正反射方向にそのまま反射されてしまうことにより、画像が見えなくなる。
これに対し、図13(a)に示すように、本実施形態の光制御層10を用いた反射型スクリーン1の場合、反射型スクリーン1の上端部側において、プロジェクターPJからの投射光Lpの入射角度が大きくなる場合(例えば30°)であっても、光制御層10の拡散角度の範囲に入射させることができる。従って、反射光は拡散角度の範囲で拡散し、反射型スクリーン1の正面側に拡散させることができることで、観察者は、画像を見ることができる。
上述した実施形態によれば、第1実施形態での効果に加えて、以下の効果が得られる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、光制御層10は、2枚の光制御膜(第1光制御膜11、第2光制御膜12)が積層されて構成され、拡散角度が互いに10°の重なりを有し、積層により合成された拡散角度は、法線に対して下方向に偏っている。この構成により、スクリーン正面側で明るい画像を得ることができる。また、プロジェクターPJの投射角度や設置位置により、特に反射型スクリーン1の上端部側において、投射光Lpの入射角度が大きくなる場合にも、拡散角度の範囲に入射させることができ、反射光は拡散角度の範囲で反射され、反射型スクリーン1の正面側に拡散させることができる。これにより、反射型スクリーン1は、投射光Lpの入射角度が大きい場合であっても、投射光Lpを拡散角度の範囲で反射させることができ、スクリーン面内で均一な明るさを得ることができる。また、反射型スクリーン1の斜め上方から入射する外乱光を、拡散角度の範囲外に入射させやすくすることができるため、外乱光の反射型スクリーン1正面側への反射を、更に抑制することができ、コントラストを向上させる。
(視野角拡大層20の製造方法)
以降では、第2実施形態での視野角拡大層20を例に、視野角拡大層20(凸状レンズ21)の製造方法を簡略に説明する。
図14は、視野角拡大層20を製造するための型となるベース型60を製造する方法を模式的に示す図であり、図14(a)は、ベース型60を製造する際の切削工具70を示す断面図であり、図14(b)は、ベース型60の水平方向の中央部を示す断面図であり、図14(c)は、ベース型60の水平方向の左端部側を示す断面図であり、図14(d)は、ベース型60の水平方向の右端部側を示す断面図である。なお、図14(b)〜(d)は、ベース型60と切削工具70とを図示している。また、図14(c),(d)は、切削工具70を水平方向に傾斜させて回転する図も併せて図示している。また、図14(c),(d)は、切り刃71の位置をずらして図示することで、切り刃71を視認できるようにしている。
また、図14(b)に示すベース型60の水平方向の中央部は、視野角拡大層20の水平方向の中央部に対応する部分となる。また、図14(c)に示すベース型60の水平方向の左端部側は、視野角拡大層20の水平方向の左端部側に対応する部分となる。また、図14(d)に示すベース型60の水平方向の右端部側は、視野角拡大層20の水平方向の右端部側に対応する部分となる。
第2実施形態における視野角拡大層20(凸状レンズ21を含む)は、第1実施形態の視野角拡大層20と同様に製造される。視野角拡大層20の製造方法として、凸状レンズ21(図7参照)の形状に対して逆形状に形成された型をベース型60(図14参照)として、ベース型60にシート状基材を押し付け、熱と圧力を加えて転写する熱転写法により製造している。従って、転写用のベース型60を製造することが必要となる。
ベース型60は、図14(b)に示すように、ガラス基板61をベースとして、その表面に、シリンドリカル形状の凸状レンズ21(図7参照)と同様の形状が切り欠かれた形状(凸状レンズ21と逆形状)として形成される。なお、ガラス基板61を切り欠いて形成される凸状レンズ21に対応する形状部分を、以降では、転写用凹部62と呼称する。
転写用凹部62の形成は、図14(a)に示すように、先端部が切り刃71となる円板状の切削工具70を回転させて切削する切削加工方法を用いている。この切削工具70は、回転軸AX1を中心に回転し、また、回転軸AX1を水平方向に傾斜させて回転することもできる。また、切削工具70はスライドすることができる。
図14(c)に示すように、切り刃71の断面形状は、凸状レンズ21の曲率に合わせた形状としている。また、切り刃71の厚さは、左右端部の凸状レンズ21において、凸状レンズ21の曲率中心を通る視野角拡大層20の法線203と凸状レンズ21の延出部212との距離が略半分の厚さとなるように構成されている。図14(c),(d)では、凸状レンズ21の法線203、円弧部211、延出部212を、転写用凹部62に対応させて図示している。
図14(c),(d)に示すように、ベース型60の水平方向の左端部側および右端部側の加工は、凸状レンズ21の延出部212および円弧部211に対応させて、回転軸AX1を中心に切削工具70を回転させ、垂直方向に移動させることでガラス基板61を切り欠く。また、回転軸AX1を図中矢印で示すように水平方向に傾斜させて回転させ、垂直方向に移動させることでガラス基板61を切り欠く。このとき、各凸状レンズ21のレンズ突出量に対応させて切削深さも調整する。この動作を繰り返すことにより、1つのシリンドリカル形状となる転写用凹部62を形成する。図14(b)に示すように、ベース型60の水平方向の中央部の加工も上述したと同様に切削を行う。但し、中央部では延出部212に対応する加工は必要ない。
この動作を繰り返すことで、左端部側、中央部、および右端部側のシリンドリカル形状となる転写用凹部62を形成する。これにより、ベース型60が製造される。
なお、切削加工の手順は、任意であるが、ガラス基板61の品質を維持しながら高精度に加工することが必要となる。なお、転写用凹部62の1つの幅は200μm程度である。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記第1〜第4実施形態の反射型スクリーン1において、光制御層10は、2枚の光制御膜(第1光制御膜11、第2光制御膜12)を積層することで構成されている。しかし、光制御層10は3つ以上の光制御膜が積層されて構成されていても良い。
前記第1〜第4実施形態の反射型スクリーン1において、光制御層10は、2枚の光制御膜を積層することで構成されている。しかし、光制御層10は1枚の光制御膜で構成されていてもよい。その際、1枚の光制御膜は、光拡散領域の拡散角度が法線に対して略均等または下方向に偏っていることがよい。
このような光制御膜を用いることにより、光拡散領域の拡散角度が法線に対して略均等となっている場合、拡散角度の範囲内に入射するプロジェクターPJからの投射光は、反射型スクリーン1の正面側に位置する観察者側へ反射させ、拡散角度の範囲外に入射する照明灯等からの外乱光は、観察者側への反射を抑制させることができる。
そして、光拡散領域の拡散角度が法線に対して下方向に偏っている場合、投射光Lpの入射角度が大きい場合であっても、投射光Lpを拡散角度の範囲で反射させることができ、スクリーン面内で均一な明るさを得ることができる。また、反射型スクリーン1の斜め上方から入射する外乱光を、拡散角度の範囲外に入射させやすくすることができるため、外乱光の反射型スクリーン1の正面側への反射を、更に抑制することができる。従って、外乱光の観察者側への反射を抑制して、コントラストを向上させる反射型スクリーン1を実現することができる。
また、光制御層10が1枚で構成されるため、厚さを極力薄くした反射型スクリーン1を実現することができる。そして、複数枚を積層して構成される場合に比較して、反射型スクリーン1の製造コストを低減することができる。また、厚さを薄くできるため巻き取り収納が容易となり、反射型スクリーン1の可搬性を向上させることができる。
なお、前記第1〜第3実施形態の反射型スクリーン1において、光制御層10を1枚の光制御膜で構成する場合、光制御膜が、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略50°であり、拡散角度が法線に対して均等(±25°)となっていれば、前記第1〜第3実施形態の光制御層10と略同等の性能を示す。また、前記第4実施形態の反射型スクリーン1において、光制御層10を1枚の光制御膜で構成する場合、光制御膜が、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略50°であり、拡散角度が法線を中心に上方向に15°(+15°)、下方向に35°(−35°)となるように、拡散角度が法線に対して下方向に偏った構成となっていれば、前記第4実施形態の光制御層10と略同等の性能を示す。
前記第1実施形態の反射型スクリーン1において、視野角拡大層20の凸状レンズ21は、入射光の入射角度に対応させて形状を異ならせ(凸状レンズ21のレンズ突出量(レンズ厚み)を変化させ)ている。しかし、凸状レンズ21の形状を異ならせずに、レンズ厚みが全て一定となる凸状レンズ21を用いてもよい。そして、このような視野角拡大層20に、曇価に角度依存性を有し、光拡散領域の方向を水平方向に揃え、入射する投射光を拡散する光制御層10を備えることにより、照明灯等からの外乱光の観察者側への反射を抑制する。これにより、従来の反射型スクリーンに比べて、コントラストを向上させることができる。
前記第1実施形態の反射型スクリーン1において、視野角拡大層20の凸状レンズ21は、片面が円弧状のシリンドリカル形状で構成されている。しかし、これに限られず、凸状レンズの片面がプリズム状や波型状で垂直方向に延びて構成されるシート部材を視野角拡大層として用いても、水平方向の視野角を拡大させることができ、光制御層10により、照明灯等からの外乱光の観察者側への反射を抑制することにより、従来の反射型スクリーンに比べて、コントラストを向上させることができる。
前記第1、第2実施形態の凸状レンズ21は、視野角拡大層20を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されている。しかし、略対称となる基準面は垂直方向に二分する面でなくてもよく、その場合、反射型スクリーン1と、プロジェクターPJの位置および観察者の位置を考慮して適宜設定することでよい。
前記第1〜第3実施形態での光制御層10は、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略50°であり、拡散角度が法線に対して均等(±25°)となっている。また、前記第4実施形態での光制御層10は、60%以上の曇価を示す光拡散領域の拡散角度が略50°であり、拡散角度が法線を中心に上方向に15°(+15°)、下方向に35°(−35°)となるように、拡散角度が法線に対して下方向に偏った構成となっている。しかし、拡散角度の範囲と法線に対する偏り等は、反射型スクリーン1と、プロジェクターPJの位置および観察者の位置を考慮して適宜設定することができる。
前記第1〜第3実施形態の反射型スクリーン1において、視野角拡大層20(凸状レンズ21)の製造方法として、切削工具70を用いた切削加工方法によりベース型60を製造している。しかし、切削加工ではなく、エッチングを用いる加工方法で、ベース型60を製造してもよい。
前記第1〜第3実施形態の反射型スクリーン1において、視野角拡大層20の凸状レンズ21の形状を投射光の入射角度に対応させて異ならせている。具体的には、レンズ厚みを異ならせたり、延出部212を形成したりしている。しかし、これに限られず、凸状レンズ21の曲率を投射光の入射角度に対応させて異ならせてもよい。
前記第3実施形態の反射型スクリーン1では、第1実施形態での凸状レンズ21(投射光の入射角度に対応してレンズ厚みを異ならせた凸状レンズ21)に対して蒸着を行うことで、選択的に反射層30を形成している。しかし、これに限られず、形状が同一に形成される凸状レンズ21に対して斜方蒸着を行うことで、選択的に反射層30を形成することでもよい。
1…反射型スクリーン、10…光制御層、11…第1光制御膜、12…第2光制御膜、20…視野角拡大層、21…凸状レンズ、30…反射層、40…第1保護層、50…第2保護層、211…円弧部、212…延出部、T0,T1,T2,T3…レンズ突出量(レンズ厚み)。

Claims (15)

  1. 曇価に角度依存性を有し、入射する投射光を拡散する光制御膜で構成される光制御層と、
    前記光制御層の前記投射光の入射方向とは逆側で、前記光制御層と積層され、視野角を拡大する視野角拡大層と、
    前記視野角拡大層の外面に設置され、前記視野角拡大層を透過した透過光を反射する反射層と、を備え、
    前記光制御層は、光拡散領域の方向が水平方向に揃えられ、
    前記視野角拡大層は、複数の凸状レンズが連続的に配列され、前記凸状レンズが前記反射層側に配置されると共に、前記凸状レンズの長手方向が垂直方向に揃えられていることを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射型スクリーンであって、
    前記視野角拡大層の前記凸状レンズは、シリンドリカル形状で構成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  3. 請求項2に記載の反射型スクリーンであって、
    前記凸状レンズは、前記投射光の入射角度に対応させて形状を異ならせることを特徴とする反射型スクリーン。
  4. 請求項3に記載の反射型スクリーンであって、
    前記凸状レンズは、前記投射光の前記入射角度に対応させてレンズ厚みを異ならせていることを特徴とする反射型スクリーン。
  5. 請求項4に記載の反射型スクリーンであって、
    前記凸状レンズは、前記投射光の前記入射角度が大きくなるに従い、前記レンズ厚みを厚くすることを特徴とする反射型スクリーン。
  6. 請求項4に記載の反射型スクリーンであって、
    前記凸状レンズは、前記視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  7. 請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の反射型スクリーンであって、
    隣接する前記凸状レンズをそれぞれ第Nの凸状レンズ、第N+1の凸状レンズとし、また、前記投射光の前記入射角度が大きくなる側の前記凸状レンズを前記第N+1凸状レンズとした場合、
    前記第N凸状レンズと接続する前記第N+1凸状レンズの円弧部の一部が削除され、入射方向に延びる延出部が形成され、前記第N凸状レンズの円弧部と前記第N+1凸状レンズの前記延出部とが接続されると共に、前記第N+1凸状レンズを含めた以降の前記凸状レンズにおいても同様に接続されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  8. 請求項7に記載の反射型スクリーンであって、
    前記第N+1凸状レンズ以降の前記凸状レンズは、前記視野角拡大層の前記水平方向の端部側に配列されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  9. 請求項8に記載の反射型スクリーンであって、
    前記第N+1凸状レンズ以降の前記凸状レンズは、前記視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となる形状を有して配列されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  10. 請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の反射型スクリーンであって、
    前記反射層は、選択的に形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  11. 請求項10に記載の反射型スクリーンであって、
    前記反射層は、前記視野角拡大層を基準面として、前記投射光の投射方向と略面対称となる方向からの蒸着により形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  12. 請求項10または請求項11に記載の反射型スクリーンであって、
    前記反射層は、前記視野角拡大層を垂直方向に二分する面に対して略対称となるように形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の反射型スクリーンであって、
    前記光制御層は、1枚の前記光制御膜で構成され、前記光拡散領域の拡散角度が法線に対して略均等または下方向に偏っていることを特徴とする反射型スクリーン。
  14. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の反射型スクリーンであって、
    前記光制御層は、複数の前記光制御膜が積層されて構成され、少なくとも2枚の前記光制御膜は、それぞれの前記光拡散領域の方向が略平行で、それぞれの拡散角度が法線に対して偏っていると共に前記法線を中心に逆向きとなっていることを特徴とする反射型スクリーン。
  15. 請求項14に記載の反射型スクリーンであって、
    前記2枚の光制御膜は、前記拡散角度が互いに10°以上の重なりを有し、
    積層により合成された拡散角度は、前記法線に対して略均等または下方向に偏っていることを特徴とする反射型スクリーン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020224045A1 (zh) * 2019-05-08 2020-11-12 深圳市华星光电技术有限公司 显示面板和显示装置
CN114690530A (zh) * 2020-12-29 2022-07-01 成都菲斯特科技有限公司 一种成像显示均匀性高的光学投影屏幕及投影***
WO2023176022A1 (ja) * 2022-03-17 2023-09-21 リンテック株式会社 プロジェクションスクリーン

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