JP2014113534A - プラズマ表面処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低電圧で、かつ低コストで、プラズマによって発生する励起活性種を用いて、表面改質や表面殺菌、水処理を行う表面処理装置を提供する。
【解決手段】大気圧プラズマ生成部15と、液体をミストとして発生させるためのミスト放出部9と、大気圧プラズマ及び前記ミストを被処理物7の表面に送出するためのプロセスガス供給部8と、を備え、プラズマ空間4を通過したミストを含んだ大気圧プラズマによって被処理物の表面を照射するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、大気圧プラズマ照射を利用する表面処理に関するものであり、特に、バイオ、医療応用等の関連において被処理物の表面処理をするプラズマ表面処理装置に関するものである。
バイオ、医療応用等の関連の分野においては、従来から様々なプラズマ表面処理装置が提案されている。例えば、
A)プラズマによる医療材料等の表面処理、
B)プラズマによる殺菌・滅菌、
C)プラズマ(照射)による生体組織への直接処理、
などがある。
また、プラズマの応用という意味ではオゾンによる殺菌は古くから知られており、
放電によって生成されたオゾンを用いて滅菌するものであるが、発がん性などの問題もある。
従来、プラズマを生成し、被処理物の清浄化、滅菌などを目的として提案されている文献には以下のようなものがある。特許文献1には、各種溶媒などを添加してプラズマを生成して被処理物を清浄化することが記載されている。
特開2007−551755号公報 特開2006−320517号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、プラズマ生成手段をRF放電としており、電源や装置類が大掛かりとなり、高コストなプロセスとなる。
特許文献2の方法は、気体プラズマに表面処理に有効とされる成分を提供する手法であり、大気圧下でも有効と考えられるが、大気圧グロー放電によるプラズマ生成を前提にしており、大気中において被処理物を処理するためには、現実的には背景ガスは空気でなくてはならない場合が多く、産業上の利用可能性が低い。
また、従来提案されている大気圧プロセスにおいて、コロナ放電、プラズマジェットなどを利用した表面処理は、プラズマ生成および、その駆動電圧が高く、特に対象となる被処理物が生体などのソフトマターの場合、プラズマの直接照射による被処理物表面への加熱作用、放電作用などの問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて、低電圧で、かつ低コストで、プラズマによって発生する励起活性種を用いて、表面改質や表面殺菌、水処理を行う表面処理装置を提供することを目的とする。
(1)本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、大気圧プラズマ生成部と、液体をミストとして発生させるためのミスト放出部と、大気圧プラズマ及び前記ミストを被処理物の表面に送出するためのプロセスガス供給部と、を備え、
プラズマ空間を通過したミストを含んだ大気圧プラズマによって被処理物の表面を照射するようにしたことを特徴とする。
(2)本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、上記(1)において、前記ミスト放出部が、導電性物質からなることを特徴とする。
(3)本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、上記(1)又は(2)において、前記大気圧プラズマ生成部は、対向する印加電極と接地電極とを備え、
前記ミスト放出部は、マイナス電極とすることを特徴とする。
(4)本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、上記(1)において、前記ミスト放出部は、炭素繊維を束ねた放出ピン部材を立設したものであり、該放出ピン部材の先端部からミストを放出させるようにしたことを特徴とする。
(5)本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、上記(1)〜(4)において、前記プラズマ空間に供給される液状の作用物質は、水、過酸化水素水、オゾン水、炭酸水、又は有機溶剤から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、生成された大気圧プラズマ空間の上流に、液体をミストとして発生させるためのミスト放出部が設けられており、プロセスガスによって、大気圧プラズマ及びミストを被処理物の表面に送出され、ミストを含んだ大気圧プラズマによって被処理物の表面を照射するようにしたので、低電圧で、かつ低コストで、プラズマによって発生する励起活性種を用いて、表面改質や表面殺菌、水処理を行うことができる。
図1は本発明の実施形態の表面処理装置の全体概略図である。 図2は反応器部分の拡大概略図である。 図3はミスト放出部9の概略説明図である。 図4はミスト放出部9に用いられる放出ピン部材の概略説明図である。 図5は、炭素繊維とフェルトを素材とした放出ピン部材を用いたミスト放出部のミスト放出量を測定した結果を示すグラフである。 図6は実施例1の評価結果である。 図7は実施例2の評価結果である。 図8は、実施例2において、開口部と被処理物との距離を高さ調整機構によって変化させた場合の殺菌効果の結果を示すSEM観察像である。
図1に、本発明の実施形態の表面処理装置の全体概略図を示す。図2は、反応器部分の拡大概略図である。
図に示すように、実施形態にかかるプラズマ表面処理装置は、大気圧プラズマ生成部と、液体をミストとして発生させるためのミスト放出部と、大気圧プラズマ及び前記ミストを被処理物の表面に送出するためのプロセスガス供給部と、を備え、大気圧プラズマ空間を通過したミストを含んだ大気圧プラズマによって被処理物の表面を照射するようにした。
すなわち、この表面処理装置の大気圧プラズマ生成部15は、貫通孔を備えた、印加電極2と接地電極3とが対向するように備えられており、印加電極2と接地電極3とで形成される空間4(プラズマ空間)に大気圧プラズマを生成せしめるようになっている。
ここで、印加電極2と接地電極3とは、大気圧下において低電圧でプラズマが生成されるような電極間距離で配置されていることが好ましく、そのためにはその電極間距離は、1〜100μmとすることが好ましい。印加電極2と接地電極3との電極間距離を1μm以上とすることにより、荷電粒子の平均自由行程以上の空間を形成できるためプラズマを安定に維持することができる。
また、印加電極2と接地電極3との電極間距離を100μm以下とすることにより、二次電子の過剰な発生が抑えられ、アーク放電に遷移することなくプラズマ状態を安定に維持することができる。
さらに、プラズマ空間を50μm以下とすることが好ましく、パルス駆動による誘電体バリア放電によって極めて電界強度の高い大気圧プラズマを生成せしめることができる。
印加電極2と接地電極3間の放電電圧は、0.5〜2.0kVとすることが好ましい。0.5kV未満では、プラズマ生成空間でのイオンを含む十分な荷電粒子や活性種の生成が行われず、2.0kVを超えるとアーク放電を誘発し、誘電体膜や電極の破損に繋がる可能性がある。
さらに、印加電極2と接地電極3との電極間距離を極力小さくすることによって、低電圧で大気圧プラズマ生成が可能となる。
それゆえ、大掛かりな真空装置を用いる必要がなく、簡便に表面処理を行うことができる。
また、真空中で表面処理を行う必要がないため被処理物7を簡易に処理することができる。
なお、印加電極2は、プラズマ生成用電源に接続されている。
印加電極2及び接地電極3を形成する金属板の表面には、強誘電体(アルミナ、チタン酸バリウム(BaTiO)、窒化ホウ素、DLC、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のセラミックス)をプラズマ溶射法やCVD法によりコーティングすることが好ましい。
セラミックスコーティングの厚みは50〜500μmであることが好ましく、100〜200μmであることがより好ましい。
この強誘電体のコーティングにより、誘電体バリア放電による電界強度の高い大気圧プラズマを生成せしめることができる。
反応器1の上部には、プロセスガス導入管が設けられており、プロセスガス供給部8からプロセスガスがプラズマ電極の貫通孔に供給されるようになっている。ガスボンベ等のプロセスガス供給部8からの、プロセスガスは、圧力調節器、流量調節器、開閉弁等を介して、ガス導入管から反応器1内に供給されるようになっている。
なお、ここで、プロセスガスとは、大気圧プラズマ及び前記ミストを被処理物の表面に送出するためのキャリアガスをいい、例えば、空気、アルゴン、窒素などが挙げられる。
反応器1上部のガス導入管(図示せず)からプロセスガスが導入される部分とプラズマ空間4との間には、液体をミストとして発生させるためのミスト放出部9が設置されている。
これにより、プロセスガスによってミスト放出部9から発散されたミストをプラズマ空間4に送出するようになっている。
ミストとしては、表面処理の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、被処理物7表面の滅菌を行う場合は水、過酸化水素水、オゾン水、炭酸水、アルコール等が挙げられる。
送出されるミストの平均粒径は、1nm〜50μmであることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。平均粒径が1nm〜50μmの微小粒径のミストを用いることにより、被処理物表面を濡らしてしまうという不都合を回避することができる。このような微小粒径のミストは、ミスト放出部9にマイナス電荷を付与することによって実現できる(後述する)。このため、ミスト放出部9の放出ピン部材としては、マイナス電荷を付与することができる導電性物質を用いることが好ましい。
このようにプラズマ空間に送出されたミストは、電極間で発生しているプラズマ中でのガス分子との衝突により活性化し、被処理物の表面処理に寄与する。なお、ミストの粒径が大きいと、プラズマ空間中で生成されたラジカル同士の再結合による消滅の効果が大きくなり、有効な表面処理効果が得られない。すなわち、ミストはプラズマ中の荷電粒子により分解されて様々な反応生成物を生成する。例えば、水のミストとをプラズマ空間に送出した場合には以下のような反応を経て活性種が生成すると考えられる。
O → OH+H
O+e: → H+O 又は 2H+O
O+O → H
+O → O
これらの活性種のうち、OHラジカル、原子状酸素、H、Oはいずれも酸化力を有する励起活性種であり、被処理物7の表面処理において重要な働きを行うと考えられる。
例えば、これらの励起活性種は、菌を酸化することにより滅菌処理を行うことができ、被処理物7の表面を酸化処理することができる。
図3はミスト放出部9の概略説明図である。図4はミスト放出部9に用いられる放出ピン部材の概略説明図である。
放出ピン部材10は、ミスト放出部9においてミストを外部に放出する部材であり、複数本の炭素繊維10aと、これらを束ねる留め部材10bと、を有する。放出ピン部材10は、貯水部10cに保持された液体10dを吸い上げ、その先端部からミストを外部に放出する役割を果たす。従って、放出ピン部材10は高い吸水力及び保水力を備えている。
放出ピン部材の炭素繊維10aは、炭素繊維に金属繊維とを混合したものでもよい。これにより、炭素繊維の柔軟性と、金属繊維の耐久性とをバランスよく織り交ぜることができる。また、芯部に位置する金属繊維と、この芯部より外側に位置する周縁部における炭素繊維とで、二層構造としてもよい。
留め部材10bは、炭素繊維を外方から束ねるための部材であり、例えば円筒状やリング状の樹脂、金属、セラミックス材料が用いられる。また、留め部材に代えて、炭素繊維中に結合剤を混ぜて固化させることもできる。この場合は、炭素繊維を外方から束ねるための円筒やリングなどは不要となる。
なお、留め部材10bを熱収縮チューブを用いて形成することもできる。ドライヤーなどの加熱手段によって熱収縮チューブ(留め部材)を収縮させて、複数の導電性繊維を留め部材の中に簡単に束ねることができる。熱収縮チューブとしては、ポリオレフィン、PET、フッ素系の熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、熱収縮チューブの素材にカーボン粉末等の導電粉末を混合して導電性を付与することもできる。
放出ピン部材10の形状としては、炭素繊維を棒状体として形成したものが挙げられるが、形状はこれに限定されるものではなく、楕円柱形状、円錐形状、角柱形状等でもよい。
なお、炭素繊維に代えて、フェルトを素材としても放出ピン部材とすることができる。
図5に炭素繊維とフェルトを素材とした放出ピン部材を用いたミスト放出部のミスト放出量を測定した。ミスト放出量測定には、ワイコフ科学社製の粒子分布測定器(DMAシステム)を用いた結果を示す。
図5の横軸は放出したミスト粒子の直径を示し、縦軸は放出したミスト粒子の数量(個数)を示す。放出ピン部材に、3kVを負荷した場合、ミスト粒子径が2nmのときにピーク値を有している。このことから、放出ピン部材に電圧を負荷した場合に大量の微小粒径のミストを放出することが分かった。
また、ミスト放出部9は、液体からミストを放出可能な手段であればその種類を特に限定されるものではなく、例えば、ネブライザーなどの噴霧器や、超音波振動素子、ペルチェ素子などの振動部材、カーボン、ガラス、石英、セラミックス、金属の焼結体、有機高分子等の多孔部材を用いることができる。
反応器1の下端は、接地電極3の下端と一致し、接地電極3の下端は、外部に向かって開口する開口部11を備えており、プラズマ空間4を通過したプロセスガスは、開口部11から外部に放出される。
開口部11の下流には、被処理物7が配置されており、開口部11から放出されるプロセスガスは活性化されたミストを含んだ大気圧プラズマガスとなり、被処理物の表面に照射され表面処理に寄与するようになっている。
開口部11から被処理物7までの距離は、0を超えて100mm以下とすることが好ましい。開口部11から被処理物7までの距離が100mm以下であれば、所望とする表面処理の実現に寄与するプラズマにより生成される活性種が、消滅することなく被処理物7に到達し、表面処理の能力を発揮することができる。
開口部11におけるプラズマ中を通過したプロセスガスの流速は1〜100m/sであることが好ましい。プラズマ中を通過したガスの流速が1m/s以上であれば、プラズマにより生成される活性種が消滅することなく被処理物7に到達し、表面処理の効果を発揮することができる。
プラズマ生成用電源6は、50Hz〜500kHzとすることが好ましい。また、印加される周波数の範囲は、0.5kHz〜50kHzとすることが好ましい。印加される周波数が0.5kHz未満ではプラズマ生成が不十分であり、50kHzを超えると、キャリアガスを空気とした場合に余剰オゾンの産生に繋がるからである。
なお、被処理物の設置高さを上下させるための高さ調整機構16を備えることも好ましい。これにより、省電力なプラズマ生成であっても、被処理物の設置を上下させて反応器の開口部との距離を調整することができ、効率的な被処理物への表面処理効果が得られる。
なお、被処理物近辺に、イオンセンサー、イオンカウンターなどを配設して、これらのセンサーからの情報を得ることによって、高さ調整機構16を上下させることもできる。
また、これらのセンサーからの情報をフィードバックすることによって、プラズマ生成用電源の最適化(駆動電圧、周波数などの調整)、プロセスガスの流量の調整が可能となる。
また、ミスト放出部9へのマイナス電圧を調整したり、ミスト放出部9の貯水部10cの液体10dの温度調整をすることによって、ミスト放出量を調整することもできる。
[実施例1]
印加電極2と接地電極3間のプラズマ空間を50μmとし、開口部と被処理物との距離を17mmとした。周波数27kHzのNeトランス電源6を用いて、放電電圧1.5kV、プロセスガスとして流量10L/minの空気(湿度40%)を用いて、反応器1のプラズマ空間4に大気圧プラズマを生成させた。印加電極2と接地電極3の電極面積は10mm×10mmの矩形状とした。
反応器1において、プラズマ空間4の前工程に、ミスト放出部として炭素繊維を束ねた放出ピン部材を設置し、その放出ピン部材の下部を、水とエタノールの混合液中に浸漬し、放出ピン部材にマイナス電荷を負荷させることによって、マイナスイオンを有したミストを、プロセスガスである空気によりプラズマ空間4に送出した。
被処理物とした指標菌としては、大腸菌を用いた。この指標菌を載せたシャーレを4皿、反応器1の開口部11の下流17mmの位置に配置し、1分間プラズマ照射して滅菌処理を行った。
<滅菌の評価:生菌の存在の確認>
プラズマ照射後、シャーレの菌を、専用培地にて37℃、16時間培養した。生菌の生存の有無は、コロニーカウンターによるコロニー数の変化により確認した。
<評価結果>
図6に実施例1の評価結果を示す。実施例で用いたプラズマ表面処理装置を用い、プロセスガスに、ミストを含んだもの、含まないもの、プラズマ照射をしたもの、しないものについて評価した。
(a)サンプル1(空気+エタノール+プラズマ照射1分間)
100%滅菌が完了していることが判る。
(b)サンプル2(空気+水+プラズマ照射1分間)
50%滅菌が完了していることが判る。
(c)サンプル3(空気+水+プラズマ照射なし)
20%滅菌程度完了していることが判る。
(d)サンプル4は(何らの処理せず)
0%滅菌であったことが判る。
以上のことからミストをプロセスガスに含ませることにより、滅菌の完全化が達成されたことが確認された。
[実施例2]
印加電極2と接地電極3間のプラズマ空間を30μmとし、開口部11から被処理物7までの距離を23mmとした。周波数27kHzのNeトランス電源6を用いて、放電電圧1.2〜1.4kV、プロセスガスとして流量10L/minの空気(湿度54%)を用いて、反応器1のプラズマ空間4に大気圧プラズマを生成させた。
印加電極2と接地電極3の電極面積は10mm×10mmの矩形状とした。
反応器1において、プラズマ空間4の前工程に、ミスト放出部としてネブライザーを設置し、水とエタノールの混合液(エタノール濃度1.3%)のミストを、プロセスガスである空気によりプラズマ空間4に送出した。
被処理物とした指標菌としては、大腸菌を用いた。この指標菌を載せたシャーレを2皿、反応器1の開口部11の下流2.3〜30mmの位置に配置し、1分間プラズマ照射して滅菌処理を行った。なお、開口部と被処理物との距離を高さ調整機構16によって調整した。
<滅菌の評価:生菌の存在の確認>
プラズマ照射後、シャーレの菌を、専用培地にて37℃、16時間培養した。生菌の生存の有無は、コロニーカウンターによるコロニー数の変化により確認した。
<評価結果>
図7に実施例2の評価結果を示す。実施例2で用いたプラズマ表面処理装置を用い、プロセスガスに、ミストを含んだもの、含まないもの、プラズマ照射をしたもの、しないものについて評価した。
(a)サンプル1(空気+エタノール+1.4kV、プラズマ照射1分間)
その結果、100%滅菌が完了していることが判る。
(b)サンプル2は何らの処理もしていないので0%滅菌であった。
以上のことからミストをプロセスガスに含ませることにより、滅菌の完全化が達成されたことが確認された。
<開口部と被処理物との距離を高さ調整による評価>
図8は、実施例2において、開口部と被処理物との距離を高さ調整機構16によって変化させた場合の殺菌効果の結果を示すSEM観察像である。1.4kV、15cmの距離であっても6桁以上の滅菌効果があった。
本発明にかかるプラズマ表面処理装置は、以上のように、多孔質体にミストとして発生させる液体を浸透させた状態で、プロセスガスを通過させることによって、ミストがプロセスガスに混合されて大気圧プラズマ空間中に導入された活性化されるため、低温で表面処理が可能であり、バイオ、医療分野等において産業上の利用可能性が極めて高い。
1 反応器
2 印加電極
3 接地電極
4 プラズマ空間
7 被処理物
8 プロセスガス供給部
9 ミスト放出部
10 放出ピン部材
10a 炭素繊維
10b 留め部材
10c 貯水部
10d 液体
11 開口部
15 大気圧プラズマ生成部
16 高さ調整機構

Claims (5)

  1. 大気圧プラズマ生成部と、
    液体をミストとして発生させるためのミスト放出部と、
    大気圧プラズマ及び前記ミストを被処理物の表面に送出するためのプロセスガス供給部と、
    を備え、
    プラズマ空間を通過したミストを含んだ大気圧プラズマによって被処理物の表面を照射するようにしたことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  2. 前記ミスト放出部は、導電性物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表面処理装置。
  3. 前記大気圧プラズマ生成部は、対向する印加電極と接地電極とを備え、
    前記ミスト放出部は、マイナス電極とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ表面処理装置。
  4. 前記ミスト放出部は、炭素繊維を束ねた放出ピン部材を立設したものであり、該放出ピン部材の先端部からミストを放出させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表面処理装置。
  5. 前記プラズマ空間に供給される液状の作用物質は、水、過酸化水素水、オゾン水、炭酸水、又は有機溶剤から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置。
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