JP2014108693A - 水上滑走航行体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水上滑走航行体を効率的に航行させ、かつ動力源に掛かる負荷を抑制する。
【解決手段】速度Vを増加させることにより滑走状態として航行時に発生する水の抵抗Rを減らして航行することができる水上滑走航行体であって、航行に必要な動力を発生させる動力源の負荷状態を検知して動力源の出力を調整可能な制御装置を有し、制御装置は、滑走状態において動力源が所定の高負荷状態線B3にあることを検知すると動力源の出力制限を設定し、動力源が所定の低負荷状態線B1にあることを検知すると動力源の出力制限を解除するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、水上滑走航行体に関する。
水上を移動可能なものとして、船や水陸両用車(特許文献1)などがある。その中でも、水中翼船、水陸両用車、モータボートやFRP漁船のような滑走型の船など(以下、本明細書においては水上滑走航行体と呼ぶ)は、速度を増加させることにより水面上に浮揚し、水上を滑走するように航行する。この滑走状態においては、水上滑走航行体は、木造和船のような排水量型の船に比べ、航行時に発生する水の抵抗を減らして航行することができる。
水上滑走航行体の航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を図10の線aに示す。図10の線aに示すように、水上滑走航行体の航行抵抗Rは、所定の航行速度Vmにおける最大航行抵抗Rm(図10の線aにおける点m)に達するまでは航行速度Vに比例して増加し、所定の航行速度Vmを超えると所定の航行抵抗Raに収束する。これは、所定の航行速度Vmに達するまでは水上滑走航行体は非滑走状態であり、所定の航行速度Vmを超えると水上滑走航行体は滑走状態となることを示している。
特開2010−269764号公報
前述のような速度特性を持つ水上滑走航行体においては、航行状態(滑走状態または非滑走状態)が水上滑走航行体の航行可能な最高速度に大きく影響する。一例として、異なる大きさの出力w1およびw2における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を、それぞれ図10の線b1および線b2に示す。
図10における線b1は、動力源の出力を抑えた低出力w1を一定で掛け続けた場合の低出力航行における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係である。低出力w1を一定で掛け続けると、水上滑走航行体は滑走状態とならずに非滑走状態のまま航行し、動力源の出力w1と航行抵抗Rとが釣合う航行速度V1(図10における線aと線b1との交点c1)が最高速度となる。
一方、図10における線b2は、動力源の出力を上げた高出力w2を一定で掛け続けた場合の高出力航行における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係(等エンジン出力ライン)である。高出力w2を一定で掛け続けると、水上滑走航行体は非滑走状態から滑走状態となって航行し、動力源の出力w2と航行抵抗Rとが釣合う航行速度V2(図10における線aと線b2との交点c2)が最高速度となる。
これら低出力航行(図10における線b1)および高出力航行(図10における線b2)における出力w1、w2と最高速度V1、V2との関係を比べると、(V1/w1)<(V2/w2)となる。このことから、低出力航行(図10における線b1)よりも、高出力航行(図10における線b2)の方が効率的な航行であると言える。
つまり、低出力航行(図10における線b1)における最高速度V1は、非滑走状態における航行によるものであり、水上を滑走するように航行時に発生する水の抵抗を減らして航行するという水上滑走航行体の利点が活かされていない航行によるものである。
一方、高出力航行(図10における線b2)における最高速度V2は、滑走状態における航行によるものであり、水上を滑走するように航行時に発生する水の抵抗を減らして航行するという水上滑走航行体の利点を活かした航行によるものである。
しかし、動力源の出力は動力源に掛かる負荷に比例し、高出力航行を持続させることは、動力源に高負荷を掛け続けることとなる。よって、連続的な高負荷により動力源の疲労寿命が短命化する虞がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、水上滑走航行体を効率的に航行させ、かつ動力源に掛かる負荷を抑制することを目的とする。
上記課題を解決する第一の発明に係る水上滑走航行体は、速度を増加させることにより滑走状態として航行することができる水上滑走航行体であって、航行に必要な動力を発生させる動力源の負荷状態を検知して前記動力源の出力を調整可能な制御装置を有し、前記制御装置は、前記滑走状態において前記動力源が所定の高負荷状態にあることを検知すると前記動力源の出力制限を設定し、前記動力源が所定の低負荷状態にあることを検知すると前記動力源の出力制限を解除することを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係る水上滑走航行体は、第一の発明に係る水上滑走航行体において、前記制御装置は、前記動力源が前記高負荷状態にある場合においても、前記動力源の出力制限を設定不可とする、または前記動力源の出力制限を強制的に解除することが可能な解除部を有することを特徴とする。
上記課題を解決する第三の発明に係る水上滑走航行体は、第一または第二の発明に係る水上滑走航行体において、前記制御装置は、速度を検知する速度検知部を有し、前記速度検知部によって検知した速度が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記速度検知部によって検知した速度が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第四の発明に係る水上滑走航行体は、第一または第二の発明に係る水上滑走航行体において、前記制御装置は、前記動力源の駆動回転数を検知する回転数検知部を有し、前記回転数検知部によって検知した駆動回転数が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記回転数検知部によって検知した駆動回転数が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第五の発明に係る水上滑走航行体は、第一または第二の発明に係る水上滑走航行体において、前記制御装置は、前記動力源の温度を検知する温度検知部を有し、前記温度検知部によって検知した温度が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記温度検知部によって検知した温度が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする。
第一の発明に係る水上滑走航行体によれば、動力源が所定の高負荷状態にある場合に出力制限を設定することにより、高負荷状態が一定以上連続することがないので、動力源に掛かる負荷を抑制することができる。よって、動力源の長寿命化を図ることができる。また、動力源が所定の低負荷状態にある場合に出力制限を解除することにより、水上滑走航行体の運転が低負荷状態における非効率な運転に制限されない。よって、動力源の出力をある程度上昇させ、水上滑走航行体を滑走状態にすることもできるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な航行をすることができる。
第二の発明に係る水上滑走航行体によれば、動力源が高負荷状態にある場合においても、動力源の出力制限を設定不可とする、または動力源の出力制限を強制的に解除することができるので、緊急時などには動力源の出力を上昇させた航行を行うことができる。よって、航行の最高速度が上昇するので、目的地への到着時間を短くすることができる。
第三の発明に係る水上滑走航行体によれば、動力源の出力制限の設定および解除を、速度によって管理することにより、水上滑走航行体の使用目的や安全性等に合わせた速度設定で出力制限を設定することができる。また、水上滑走航行体が滑走状態となる速度以上において出力制限を設定することにより、水上滑走航行体を確実に滑走状態とすることができる。よって、航行時に発生する水の抵抗を減らして航行することができるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な航行をすることができる。
第四の発明に係る水上滑走航行体によれば、動力源の出力制限の設定および解除を、動力源の駆動回転数によって管理することにより、駆動源に掛かる負荷を正確に把握した出力制限を設定することができる。また、水上滑走航行体が滑走状態となると予測される駆動回転数において出力制限を設定することにより、水上滑走航行体を確実に滑走状態とすることができる。よって、航行時に発生する水の抵抗を減らして航行することができるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な航行をすることができる。
第五の発明に係る水上滑走航行体によれば、動力源の出力制限の設定および解除を、駆動源の温度によって管理することにより、駆動源に掛かる負荷を正確に把握した出力制限を設定することができる。また、水上滑走航行体が滑走状態となると予測される温度において出力制限を設定することにより、水上滑走航行体を滑走状態とすることができる。よって、航行時に発生する水の抵抗を減らして航行することができるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な航行をすることができる。
実施例1に係る水陸両用車における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を示すグラフである。 実施例1に係る水陸両用車の非滑走状態を示す概略図である。 実施例1に係る水陸両用車の滑走状態を示す概略図である。 実施例1に係る水陸両用車における制御装置を示すブロック図である。 実施例1に係る水陸両用車における通常モードの動作を示す流れ図である。 実施例2に係る水陸両用車における制御装置を示すブロック図である。 実施例2に係る水陸両用車における通常モードの動作を示す流れ図である。 実施例3に係る水陸両用車における制御装置を示すブロック図である。 実施例3に係る水陸両用車における通常モードの動作を示す流れ図である。 水上滑走航行体における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る水上滑走航行体の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る水上滑走航行体の実施形態として水陸両用車を採用しているが、これに限定されず、水中翼船やモータボート等の滑走型の船でも良い。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることは言うまでもない。また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
先ず、本発明の実施例1に係る水陸両用車の構造について、図1乃至図4を参照して説明する。
本実施例の水陸両用車は、動力源である図示しないエンジンによって推進装置である図示しないプロペラを回転させること等により水上航行が可能である。なお、図2および図3に示すように、水陸両用車1は、水上航行の際に揚力を受け易いように、前方(図2および図3における左方側)にフラップ面2を有している場合もある。
本実施例の水陸両用車1の水上航行における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を図1の線Aに示す。図1の線Aに示すように、水陸両用車1の航行速度Vが増加すると共に航行抵抗Rは増加し、航行速度VMにおける点Mで最大値RMに達するが、それ以降は減少して一定の航行抵抗RAに収束する。
これは、航行速度VMに達するまでの水陸両用車1は、停止または低速航行における喫水の深い非滑走状態(図2)であり、航行速度VMを超えた水陸両用車1は、高速航行における喫水の浅い滑走状態(図3)であることを示している。
つまり、本実施例の水陸両用車1は、航行速度Vを増加させることにより水面上に浮揚して水上を滑走するように滑走状態となり、航行時に発生する水による航行抵抗Rを減らして航行する水上滑走航行が可能である。
なお、図1における線B1、線B2、線B3は、本実施例の水陸両用車1における等エンジン出力ラインの例であり、それぞれ異なる大きさの出力W1、W2、W3における航行速度Vと航行抵抗Rとの関係を示している。
図1における線B1は、動力源の出力を抑えた低出力W1を一定で掛け続けた場合の航行速度Vと航行抵抗Rとの関係である。低出力W1を一定で掛け続けると、航行速度Vが増加する一方で乗り越えることのできる波の航行抵抗Rが増加し、動力源の出力W1と航行抵抗Rとが釣合う航行速度VP1(図1の線Aと線B1との交点P1における速度)が最高速度となる。航行速度VP1以上の航行速度V(図1の線B1における破線部)においては、動力源の出力W1よりも航行抵抗Rが大きいため、低出力W1の水陸両用車1は航行することができない。よって、低出力W1の水陸両用車1は、非滑走状態のまま航行する、つまり非滑走状態から滑走状態となって航行することができない。
図1における線B2は、動力源の出力を上げた中出力W2を一定で掛け続けた場合の航行速度Vと航行抵抗Rとの関係である。中出力W2を一定で掛け続けると、航行速度Vが増加する一方で乗り越えることのできる波の航行抵抗Rが低減し、動力源の出力W2と航行抵抗Rとが釣合う航行速度VP2(図1の線Aと線B2との交点P2における速度)が最高速度となる。航行速度VP2以上の航行速度V(図1の線B2における破線部)においては、動力源の出力W2よりも航行抵抗Rが大きいため、中出力W2の水陸両用車1は航行することができない。よって、中出力W2の水陸両用車1は、非滑走状態から滑走状態となって航行することができる。
図1における線B3は、動力源の出力を更に上げた高出力W3を一定で掛け続けた場合の航行速度Vと航行抵抗Rとの関係である。高出力W3を一定で掛け続けると、航行速度Vが増加する一方で乗り越えることのできる波の航行抵抗Rが低減し、動力源の出力W3と航行抵抗Rとが釣合う航行速度VP3(図1の線Aと線B3との交点P3における速度)が最高速度となる。航行速度VP3以上の航行速度V(図1の線B3における破線部)においては、動力源の出力W3よりも航行抵抗Rが大きいため、高出力W3の水陸両用車1は航行することができない。よって、高出力W3の水陸両用車1は、非滑走状態から滑走状態となって航行することができる。
本実施例では、水陸両用車1の水上滑走航行において、図示しないエンジンに掛かる負荷を抑制し、エンジンの長寿命化を図る。そのために、水陸両用車1に以下の制御装置を備え、後述する制御によって水陸両用車1の水上航行における運転を行う。
本実施例の水陸両用車1における制御装置10は、図4に示すように、制御部11と、モード切換スイッチ12と、速度センサ13と、燃料噴射量調整装置14とを備えている。制御部11は、後述する通常モードまたは緊急モードのどちらか一方の運転モードで作動され、モード切換スイッチ12を操作することにより運転モードが切り替えられる。
通常モードとは、水陸両用車1が水面上に浮揚して水上を滑走するような滑走状態(航行時に発生する水の抵抗を減らした航行状態)となった後に、図示しないエンジンの出力制限を設定して航行する運転制御である。この運転制御により、図示しないエンジンに掛かる負荷を抑制することができるので、エンジンの長寿命化を図ることができる。
緊急モードとは、図示しないエンジンの出力を抑えた航行速度よりも速い航行が必要である等の場合に、図示しないエンジンの出力制限を設定しない、または出力制限を強制的に解除して航行する運転制御である。この運転制御により、緊急時などには図示しないエンジンの出力を増大させ、航行の最高速度を上昇させることができるので、目的地への到着時間を短くすることができる。
速度センサ13は、水陸両用車1の航行速度Vを測定するものであり、燃料噴射量調整装置14は、水陸両用車1の図示しないエンジンへ噴射させる燃料の量(図示しないエンジンの出力)を調整するものである。制御部11は、前述した運転モードのうち通常モードで作動する場合において、速度センサ13によって検知された航行速度の値を基に燃料噴射量調整装置14によって燃料の噴射量Qfを調整し、図示しないエンジンの出力を制御する。
次に、本発明の実施例1に係る水陸両用車1における通常モードの動作について、図1および図5を参照して説明する。
図5に示すように、ステップS1において、水陸両用車1の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。すなわち、制御部11が、モード切換スイッチ12を操作することにより選択した水陸両用車1の運転モードが通常モードであるか、または緊急モードであるかを判断する。
ステップS1において、水陸両用車1の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS2において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS1において、水陸両用車1の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS3において図示しないエンジンの出力を制限する通常モードを作動させ、ステップS4へ移行する。
ステップS4において水陸両用車1の航行速度Vをモニタリングし、ステップS5において水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)を超えているか否かを判断する。
本実施例では、所定の航行速度Vaとして、水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定する航行速度VQ1(図1の線Aに示す航行抵抗Rが所定の航行抵抗Raに集束する手前の変化点Q1における航行速度)を採用する。
もちろん、本発明はこれに限定されない。例えば、水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わる航行速度VM(図1の線Aに示す航行抵抗Rが最大値RMとなる点Mにおける航行速度)、または水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定へ向かう航行速度VQ2(図1の線Aに示す点Mから点Q1までの間における任意の点Q2における航行速度)、または水陸両用車1の図示しないエンジンに掛かる負荷を許容できる航行速度VQ3(図1の線Aに示す点Q1以降の任意の点Q3における航行速度)を、所定の航行速度Vaとしても良い。
ステップS5において、水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)以下である(NO)と判断された場合には、ステップS6において燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可し、ステップS4へ戻る。
例えば、図1の線B1に示す低出力W1の状態における航行速度VP1は所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)以下である。よって、燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfを増量(図示しないエンジンの出力を増大)させる。つまり、水陸両用車1を、図1の線B1に示す高出力W1の状態から図1の線B3に示す高出力W3の状態へと変化させる。
もちろん、ステップS6においては、燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可するだけなので、必ずしも燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfを増量させ、エンジンの出力を増大させる必要はない。
一方、ステップS5において、水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS7において燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfに上限を設定し(Qf≦Qfa)、ステップS8へ移行する。
例えば、図1の線B3に示す高出力W3の状態における航行速度VP3は所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)を超えている。よって、燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfに上限を設定する(Qf≦Qfa)。なお、本実施例では、燃料噴射量Qfの上限設定Qfaに対応する図示しないエンジンの出力を中出力W2とする。つまり、水陸両用車1を、図1の線B3に示す高出力W3の状態から図1の線B2に示す中出力W2の状態へと変化させる。
ステップS8において、水陸両用車1の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。ステップS8において、水陸両用車1の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS9において通常モードを終了させると共に、ステップS2において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS8において、水陸両用車1の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS10において航行速度Vをモニタリングし、ステップS11において水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)を超えているか否かを判断する。
ステップS11において、水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)以下である(NO)と判断された場合には、ステップS6において燃料噴射量調整装置14における燃料噴射量Qfの上限設定(Qf≦Qfa)を解除し、ステップS4へ戻る。
一方、ステップS11において、水陸両用車1の航行速度Vが所定の航行速度Va(本実施例では、航行速度VQ1)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS12において水陸両用車1の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。
ステップS12において、水陸両用車1の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS9において通常モードを終了させると共に、ステップS2において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS12において、水陸両用車1の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS3へ戻り、通常モードを継続させる。
本実施例では、所定の航行速度Vaを点Q1における航行速度VQ1としたが、本発明はこれに限定されず、所定の範囲の航行速度Vとしても良い。例えば、図1に示す前述の点Q2における航行速度VQ2から前述の点Q3における航行速度VQ3までの範囲の航行速度Vを所定の航行速度Vaとした場合には、前述したステップS5における所定の航行速度Vaを航行速度VQ3と置き換えて所定の上限値とし、ステップS11における所定の航行速度Vaを航行速度VQ2と置き換えて所定の下限値とする。
先ず、本発明の実施例2に係る水陸両用車の構造について、図6を参照して説明する。
本実施例の水陸両用車は、制御装置の構成を除いて、実施例1と同様な構成および速度特性を有するので、同様な構成および速度特性についての重複説明は省略する。
本実施例の水陸両用車における制御装置110は、図6に示すように、制御部111と、モード切換スイッチ112と、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)113と、燃料噴射量調整装置114とを備えている。制御部111は、通常モードまたは緊急モードのどちらか一方の運転モードで作動され、モード切換スイッチ112を操作することにより運転モードが切り替えられる。
ECU113は、水陸両用車における図示しないエンジンの駆動回転数Nや燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfを管理するものであり、駆動回転数NをECUマップ(図示せず)として表示可能である。燃料噴射量調整装置114は、水陸両用車の図示しないエンジンへ噴射させる燃料の量を調整するものである。制御装置110は、ECU113によって検知された駆動回転数Nから燃料噴射量調整装置114によって燃料の噴射量Qfを調整し、図示しないエンジンの出力を制御する。
次に、本発明の実施例2に係る水陸両用車における通常モードの動作について、図1および図7を参照して説明する。なお、本実施例の水陸両用車は実施例1と同様な速度特性を有するので、同様な速度特性に関する説明については実施例1と同一の図面(図1)および符号(図1において付した符号)を用いる。
図7に示すように、ステップS101において、水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。すなわち、制御部111が、モード切換スイッチ112を操作することにより選択した水陸両用車1の運転モードが通常モードであるか、または緊急モードであるかを判断する。
ステップS101において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS102において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS101において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS103において図示しないエンジンの出力を制限する通常モードを作動させ、ステップS104へ移行する。
ステップS104において水陸両用車のECU113におけるECUマップをモニタリングし、ステップS105において図示しないエンジンの駆動回転数Nが所定の駆動回転数(上限)Naを超え、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量(上限)Qfaを超えているか否かを判断する。
ここで、所定の駆動回転数Naと所定の燃料噴射量Qfaは、水陸両用車の図示しないエンジンに掛かる負荷を考慮したものである。本実施例では、図示しないエンジンが疲労破壊等を起こす虞のない中出力W2(図1の線B2)を発生させることが可能な駆動回転数NP2かつ燃料噴射量QfP2の状態を通常モードにおいて許容し、駆動回転数NP2を所定の駆動回転数Na、燃料噴射量QfP2を所定の燃料噴射量Qfaとして採用する。
もちろん、本発明はこれに限定されず、水陸両用車が滑走状態となる航行速度VMに達する出力WMを発生させることが可能な状態における駆動回転数NMおよび燃料噴射量QfM以上であれば良い。所定の駆動回転数Naおよび所定の燃料噴射量Qfaをそれぞれ駆動回転数NMおよび燃料噴射量QfM以上とすることにより、水陸両用車が滑走状態となった後に後述する燃料噴射量Qfの上限が設定されるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な運転をすることができる。
例えば、水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定する航行速度VQ1(図1の線Aに示す航行抵抗Rが所定の航行抵抗Raに集束する手前の変化点Q1における航行速度)に達する出力WQ1を発生させることが可能な状態における駆動回転数NQ1および燃料噴射量QfQ1、または水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定へ向かう航行速度VQ2(図1の線Aに示す点Mから点Q1までの間における任意の点Q2)に達する出力WQ2を発生させることが可能な状態における駆動回転数NQ2および燃料噴射量QfQ2、または水陸両用車1の図示しないエンジンに掛かる負荷を許容できる航行速度VQ3(図1の線Aに示す点Q1以降の任意の点Q3)に達する出力WQ3を発生させることが可能な状態における駆動回転数NQ3および燃料噴射量QfQ3を、それぞれ所定の駆動回転数Naおよび所定の燃料噴射量Qfaとして採用しても良い。
ステップS105において、水陸両用車における図示しないエンジンの駆動回転数Nが所定の駆動回転数Na(本実施例では、駆動回転数NP2)以下である(NO)、または燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfa(本実施例では、燃料噴射量QfP2)以下である(NO)と判断された場合には、ステップS106において燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可し、ステップS104へ戻る。
例えば、図1の線B1に示す航行速度VP1に達する低出力W1を発生させることが可能な状態における駆動回転数NP1および所定の燃料噴射量QfP1の少なくともどちらか一方は、所定の駆動回転数Na(本実施例では、駆動回転数NP2)または所定の燃料噴射量Qfa(本実施例では、燃料噴射量QfP2)以下である。よって、燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfを増量(図示しないエンジンの出力を増大)させ、図1の線B3に示す航行速度VP3に達する高出力W3を発生させることが可能な駆動回転数NP3かつ燃料噴射量QfP3の状態へと変化させる。
もちろん、ステップS106においては、燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可しているだけなので、必ずしも燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfを増量させ、エンジンの出力を増大させる必要はない。
なお、ステップS105において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Na(本実施例では、駆動回転数NP2)以下である(NO)、または燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfa(本実施例では、燃料噴射量QfP2)以下である(NO)と判断され、後述する経過時間t1が積算されている場合には、ステップS106において積算の経過時間t1をリセットしてゼロに戻す。
一方、ステップS105において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Na(本実施例では、駆動回転数NP2)を超え、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfa(本実施例では、燃料噴射量QfP2)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS107において経過時間t1を積算し(t1=t1+1)、ステップS108へ移行する。
ステップS108において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Na(本実施例では、駆動回転数NP2)を超え、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfa(本実施例では、燃料噴射量QfP2)を超えている状態の積算の経過時間t1が所定の経過時間taを超えているか否かを判断する。
ここで、所定の経過時間taは、水陸両用車の図示しないエンジンに掛かる負荷を考慮したものである。本実施例では、駆動回転数Nが所定の駆動回転数Naである駆動回転数NP2を超え、かつ燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfaである燃料噴射量QfP2を超えている状態が連続した場合でも、疲労破壊等を起こす虞のない経過時間tP2を、所定の経過時間taとして採用する。
ステップS108において、積算の経過時間t1が所定の経過時間ta(本実施例では、経過時間tP2)を超えていない(NO)と判断された場合には、ステップS106において燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可し、ステップS104へ戻る。
一方、ステップS108において、積算の経過時間t1が所定の経過時間ta(本実施例では、経過時間tP2)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS109において燃料噴射量Qfに上限を設定し(Qf≦Qfa)、ステップS110へ移行する。
例えば、図1の線B3に示す高出力W3を発生させることが可能な駆動回転数NP3かつ燃料噴射量Qf3の状態が所定の経過時間tP2以上連続した場合には、燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfに上限を設定し(Qf≦Qfa)、水陸両用車1を、図1の線B3に示す高出力W3の状態から図1の線B2に示す中出力W2の状態へと変化させる。
ステップS110において、水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。ステップS110において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS111において通常モードを終了させると共に、ステップS102において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS110において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS112において水陸両用車のECU113におけるECUマップをモニタリングし、ステップS113において水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数(下限)Nb未満、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量(下限)Qfb未満であるか否かを判断する。
ここで、所定の駆動回転数Nbと所定の燃料噴射量Qfbは、水陸両用車の図示しないエンジンに掛かる負荷を考慮したものであり、所定の駆動回転数Naかつ所定の燃料噴射量Qfaの状態よりも低負荷の状態とする。よって、所定の駆動回転数Nbおよび所定の燃料噴射量Qfbの状態が疲労破壊等を起こす虞のないことは明らかである。本実施例では、水陸両用車が滑走状態となる航行速度VM(図1)に達する出力WM(図示せず)を発生させることが可能な状態における駆動回転数NMおよび燃料噴射量QfMを通常モードとして許容し、駆動回転数NMを所定の駆動回転数Nb、燃料噴射量QfMを所定の燃料噴射量Qfbとして採用する。
ステップS113において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Nb(本実施例では、駆動回転数NM)以上、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfb(本実施例では、燃料噴射量QfM)以上である(NO)と判断された場合には、ステップS114において燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの上限設定(Qf≦Qfa)を継続する。
なお、ステップS113において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Nb(本実施例では、駆動回転数NM)以上、かつ燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfb(本実施例では、燃料噴射量QfM)以上である(NO)と判断され、後述する経過時間t2が積算されている場合には、ステップS114において積算の経過時間t2をリセットしてゼロに戻す。
一方、ステップS113において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Nb(本実施例では、駆動回転数NM)未満である(YES)、または燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfb(本実施例では、燃料噴射量QfM)未満である(YES)と判断された場合には、ステップS115において経過時間t2を積算し(t2=t2+1)、ステップS116へ移行する。
ステップS116において、水陸両用車の駆動回転数Nが所定の駆動回転数Nb(本実施例では、駆動回転数NM)未満、または燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfb(本実施例では、燃料噴射量QfM)未満である状態の積算の経過時間t2が所定の経過時間tbを超えているか否かを判断する。
ここで、所定の経過時間tbは、水陸両用車の水上航行における効率を考慮したものである。本実施例では、駆動回転数Nが所定の駆動回転数Nbである駆動回転数NM未満、または燃料噴射量Qfが所定の燃料噴射量Qfbである燃料噴射量QfM未満の状態が連続した場合に、水陸両用車の航行が滑走状態から非滑走状態へと変わる虞のある経過時間tP2を、所定の経過時間tbとして採用する。
ステップS116において、積算の経過時間t2が所定の経過時間tb(本実施例では、経過時間tP2)を超えていない(NO)と判断された場合には、ステップS114において燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの上限設定(Qf≦Qfa)を継続し、ステップS110へ戻る。
一方、ステップS116において、積算の経過時間t2が所定の経過時間tb(本実施例では、経過時間tP2)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS117において燃料噴射量調整装置114における燃料噴射量Qfの上限設定(Qf≦Qfa)を解除し、ステップS118へ移行する。
ステップS118において、水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。ステップS118において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS111において通常モードを終了させると共に、ステップS102において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS118において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS103へ戻り、通常モードを継続させる。
本実施例では、所定の駆動回転数(上限)Naおよび所定の燃料噴射量(上限)Qfaをそれぞれ駆動回転数NMおよび燃料噴射量QfMとし、所定の駆動回転数(下限)Nbおよび所定の燃料噴射量(下限)Qfbをそれぞれ駆動回転数NMおよび燃料噴射量QfMとしが、本発明はこれに限定されず、上限値と下限値とを同一の値としても良い。例えば、所定の駆動回転数(上限)Naおよび所定の駆動回転数(下限)Nbを駆動回転数NMとし、所定の燃料噴射量(上限)Qfaおよび所定の燃料噴射量(下限)Qfbを燃料噴射量QfMとしても良い。
先ず、本発明の実施例3に係る水陸両用車の構造について、図8を参照して説明する。
本実施例の水陸両用車は、制御装置の構成を除いて、実施例1および実施例2と同様な構成および速度特性を有するので、同様な構成および速度特性についての重複説明は省略する。
本実施例の水陸両用車における制御装置210は、図8に示すように、制御部211と、モード切換スイッチ212と、メタル温度センサ213と、燃料噴射量調整装置214とを備えている。制御部211は、通常モードまたは緊急モードのどちらか一方の運転モードで作動され、モード切換スイッチ212を操作することにより運転モードが切り替えられる。
メタル温度センサ213は、水陸両用車における図示しないエンジンのライナーやヘッドなどの温度を測定するものであり、燃料噴射量調整装置214は、水陸両用車の図示しないエンジンへ噴射させる燃料の量を調整するものである。制御装置210は、メタル温度センサ213によって検知されたメタル温度Tから燃料噴射量調整装置214によって燃料の噴射量Qfを調整し、図示しないエンジンの出力を制御する。
次に、本発明の実施例3に係る水陸両用車における通常モードの動作について、図1および図9に基づいて説明する。なお、本実施例の水陸両用車は実施例1および実施例2と同様な速度特性を有するので、同様な速度特性に関する説明については実施例1および実施例2と同一の図面(図1)および符号(図1において付した符号)を用いる。
ステップS201において、水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。すなわち、制御部211が、モード切換スイッチ212を操作することにより選択した水陸両用車の運転モードが通常モードであるか、または緊急モードであるかを判断する。
ステップS201において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS202において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS201において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS203において図示しないエンジンの出力を制限する通常モードを作動させ、ステップS204へ移行する。
ステップS204において水陸両用車のメタル温度Tをモニタリングし、ステップS205において水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Taを超えているか否かを判断する。
ここで、所定のメタル温度Taは、水陸両用車の図示しないエンジンに掛かる負荷を考慮したものである。本実施例では、図示しないエンジンが疲労破壊等を起こす虞のない中出力W2(図1の線B2)における航行速度VP2に達した際のメタル温度TP2を、所定のメタル温度Taとして採用する。
もちろん、本発明はこれに限定されず、水陸両用車が滑走状態となる航行速度VMに達する際のメタル温度TM以上であれば良い。所定のメタル温度Taをメタル温度TM以上とすることにより、水陸両用車が滑走状態となった後に後述する燃料噴射量Qfの上限が設定されるので、水上滑走航行体の利点を活かした効率的な運転をすることができる。
例えば、水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定する航行速度VQ1(図1の線Aに示す航行抵抗Rが所定の航行抵抗Raに集束する手前の変化点Q1における航行速度)に達する際のメタル温度TQ1、または水陸両用車1が水上航行する際に非滑走状態から滑走状態へと変わり、滑走状態での水上航行が安定へ向かう航行速度VQ2(図1の線Aに示す点Mから点Q1までの間における任意の点Q2における航行速度)に達する際のメタル温度TQ2、または水陸両用車1の図示しないエンジンに掛かる負荷を許容できる航行速度VQ3(図1の線Aに示す点Q1以降の任意の点Q3における航行速度)に達する際のメタル温度TQ3を、所定のメタル温度Taとして採用しても良い。
ステップS205において、水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)以下である(NO)と判断された場合には、ステップS206において燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可し、ステップS204へ戻る。
例えば、図1の線B1に示す低出力W1の航行速度VP1におけるメタル温度TP1は、所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)以下である。よって、燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfを増量(図示しないエンジンの出力を増大)させ、水陸両用車1を、図1の線B1に示す高出力W1の状態から図1の線B3に示す高出力W3の状態へと変化させる。
もちろん、ステップS206においては、燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfの増量(エンジン出力の増大)を許可しているだけなので、必ずしも燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfを増量させ、エンジンの出力を増大させる必要はない。
一方、ステップS205において、水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS207において燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfの上限を設定し(Qf≦Qfa)、ステップS208へ移行する。
例えば、図1の線B3に示す高出力W3の航行速度VP3におけるメタル温度TP3は、所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)を超えている。よって、燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfに上限を設定し(Qf≦Qfa)、水陸両用車1を、図1の線B3に示す高出力W3の状態から図1の線B2に示す中出力W2の状態へと変化させる。
ステップS208において、水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。ステップS208において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車1の運転モードは緊急モードであるので、ステップS209において通常モードを終了させると共に、ステップS202において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS208において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS210において水陸両用車のメタル温度Tをモニタリングし、ステップS211において水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)を超えているか否かを判断する。
ステップS211において、水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)以下である(NO)と判断された場合には、ステップS206において燃料噴射量調整装置214における燃料噴射量Qfの上限設定(Qf≦Qfa)を解除し、ステップS204へ戻る。
一方、ステップS211において、水陸両用車のメタル温度Tが所定のメタル温度Ta(本実施例では、メタル温度TM)を超えている(YES)と判断された場合には、ステップS212において水陸両用車の運転モードが通常モードであるか否かを判断する。
ステップS212において、水陸両用車の運転モードが通常モードではない(NO)と判断された場合には、水陸両用車の運転モードは緊急モードであるので、ステップS209において通常モードを終了させると共に、ステップS202において図示しないエンジンの出力を制限しない緊急モードを作動させる。
一方、ステップS212において、水陸両用車の運転モードが通常モードである(YES)と判断された場合には、ステップS203へ戻り、通常モードを継続させる。
本実施例では所定のメタル温度Taを航行速度VMに達するメタル温度TMとしたが、所定の範囲のメタル温度Tとしても良い。例えば、航行速度VQ2に達する低いメタル温度TQ2から航行速度VQ3に達する高いメタル温度TQ3までの範囲とした場合には、前述したステップS205における所定の航行速度Vaを航行速度VQ3と置き換えて所定の上限値とし、ステップS211における所定の航行速度Vaを航行速度VQ2と置き換えて所定の下限値とする。
1 水陸両用車
2 フラップ面
10 制御装置
11 制御部
12 モード切換スイッチ
13 速度センサ
14 燃料噴射量調整装置
110 制御装置
111 制御部
112 モード切換スイッチ
113 ECU(エンジン・コントロール・ユニット)
114 燃料噴射量調整装置
210 制御装置
211 制御部
212 モード切換スイッチ
213 メタル温度センサ
214 燃料噴射量調整装置

Claims (5)

  1. 速度を増加させることにより滑走状態として航行することができる水上滑走航行体であって、
    航行に必要な動力を発生させる動力源の負荷状態を検知して前記動力源の出力を調整可能な制御装置を有し、
    前記制御装置は、前記滑走状態において前記動力源が所定の高負荷状態にあることを検知すると前記動力源の出力制限を設定し、前記動力源が所定の低負荷状態にあることを検知すると前記動力源の出力制限を解除する
    ことを特徴とする水上滑走航行体。
  2. 前記制御装置は、前記動力源が前記高負荷状態にある場合においても、前記動力源の出力制限を設定不可とする、または前記動力源の出力制限を強制的に解除することが可能な解除部を有することを特徴とする請求項1に記載の水上滑走航行体。
  3. 前記制御装置は、速度を検知する速度検知部を有し、前記速度検知部によって検知した速度が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記速度検知部によって検知した速度が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水上滑走航行体。
  4. 前記制御装置は、前記動力源の駆動回転数を検知する回転数検知部を有し、前記回転数検知部によって検知した駆動回転数が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記回転数検知部によって検知した駆動回転数が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水上滑走航行体。
  5. 前記制御装置は、前記動力源の温度を検知する温度検知部を有し、前記温度検知部によって検知した温度が所定の上限値よりも大きい場合を前記高負荷状態とし、前記温度検知部によって検知した温度が所定の下限値よりも小さい場合を前記低負荷状態としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水上滑走航行体。
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