JP2014108284A - 放射線撮影装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を簡易且つ適切に補正する。
【解決手段】X線検出部102は、入射する放射線に基づいて画像データを撮影する。撮影制御部105は、X線検出部102における撮影モードを切り替える。補正データ生成部106は、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する。画像補正部107は、上記特性データに基づいて、X線検出部102により撮影された画像データを補正する。
【選択図】図1
【解決手段】X線検出部102は、入射する放射線に基づいて画像データを撮影する。撮影制御部105は、X線検出部102における撮影モードを切り替える。補正データ生成部106は、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する。画像補正部107は、上記特性データに基づいて、X線検出部102により撮影された画像データを補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、入射する放射線に基づいて画像データを撮影する技術に関するものである。
近年、放射線画像診断において、微細な固体撮像素子を画素として二次元格子状に配置し、X線情報を電荷に変換するX線撮影装置(FPD:Flat Panel Detector)が使用されている。
FPDの中には、半導体基板を複数枚貼り合わせることにより、一枚の大きな有効画像検出面を形成するものが存在する。半導体基板を貼り合わせた場合、半導体基板を跨ぐ画素ピッチは、半導体基板内の画素ピッチと同一にするのが好ましい。なぜなら、画素ピッチが異なる場合、半導体基板の出力信号を組み合わせて一枚の画像データにした場合、半導体基板のつなぎ目が不自然な形で画像データに現れるからである。
しかしながら、半導体基板を貼り合わせる場合、半導体基板同士を貼り合わせるアライメントマージンをとる必要がある。従って、半導体基板端の画素ピッチを一定にするため、画素の設計を半導体基板端と半導体基板内とで変えなくてはならない。このように、接合部付近の画素の設計を他の画素と変えた場合、設計を変えた画素の電気特性が他の画素と変わることがある。
固体撮像素子は、一般に画素間でオフセット信号が異なる。画素間のオフセット信号のばらつきを補正することをオフセット補正と呼ぶ。オフセット補正を実施するには、各固体撮像素子のオフセット信号を取得し、被写体像から差し引く必要がある。その方法として、オフセット信号が時間的に安定している場合、被写体撮影前にオフセット信号を取得し、被写体像から差し引く方法がある。
一方、ビニング機能を有するFPDのように、オフセット信号の電圧が過渡的に変化する場合、その変動成分を補正するためのオフセット信号を取得し、オフセット補正を行う必要がある。特許文献1には、オフセット信号の取得方法として次の技術が開示されている。即ち、特許文献1に開示された技術では、電源投入直後の画素のオフセット信号が安定するまでの期間を複数区間に分割して、事前にオフセット信号を区間毎に取得する。そして、画像データを撮影した後、画像データから区間毎に対応するオフセット信号を減算する。これにより、電源投入直後のオフセット信号が不安定な時間に撮影された画像データについても、適切なオフセット補正を図っている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術を、上述したFPDのビニング切り替え時に実施した場合、事前にビニング切り替え時のオフセット信号を、基板接合部付近の画素のオフセット信号が安定するまで取得する必要がある。従って、補正データの取得又は生成に時間が掛かってしまう。また、オフセット信号が安定している基板接合部付近以外の画素についても、基板接合部付近の画素のオフセット信号が安定するまでの間の画像データを保持しなければいけないため、オフセット信号を記憶する領域を大きく確保する必要がある。
そこで、本発明の目的は、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を簡易且つ適切に補正することにある。
本発明の放射線撮影装置は、入射する放射線に基づいて画像データを撮影する撮影手段と、前記撮影手段における撮影モードを切り替える切替手段と、前記切替手段による撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記特性データに基づいて、前記撮影手段により撮影された画像データを補正する補正手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を簡易且つ適切に補正することが可能となる。
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明の実施形態として、放射線の一種であるX線を用いて被写体のX線画像データの撮影を行うX線撮影装置に本発明を適用した場合について説明する。また、本発明においては、以下に説明するX線撮影装置に限らず、例えば、他の放射線(例えば、α線、β線、γ線等)を用いて被写体の放射線画像データを撮影する放射線撮影装置に適用することも可能である。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置100の構成を示す図である。本実施形態に係るX線撮影装置100は、特に医療用として使用される。
図1において、X線照射部101は、被写体PにX線を照射する。X線検出部102は、被写体Pを透過して入射するX線を検出し、X線画像データを生成する。図2は、X線検出部102の構成を示す図である。図2に示すように、X線検出部102は、FPD201で構成され、その有効画像検出面203は、4つの半導体基板202から構成されている。
図3は、FPD201における半導体基板202の構成を示す図である。半導体基板202は、4つの画素の信号を平均して出力するビニング機能を有する。図3に示す例では、基板接合部304付近以外の画素では、サンプルホールド回路302がフォトダイオード301の上下に配置されている。これに対して、基板接合部304付近の画素では、サンプルホールド回路302がフォトダイオード301の左右に配置されている。これにより、回路を実装しない領域と接合部材との距離を確保している。図3の例では、斜線で示した画素で、ビニング制御線303と信号線との距離が近く、ビニングを制御すると、両者の間で電磁誘導が発生する。従って、ビニング機能をオンからオフに切り替えた場合、斜線で示した画素のみ、信号のオフセット信号の電圧が過渡的に変化する。
X線照射部101は、X線を発生する不図示のX線発生部(管球)と、X線発生部において発生したX線のビーム広がり角を規定するコリメータとにより構成される。線量制御部103は、X線照射部101から照射されるX線の線量を制御する。撮影条件設定部104は、被写体に照射されるX線の線量、フレームレート及びビニング等の撮影条件を、操作者の操作に応じて設定する。撮影制御部105は、撮影条件設定部104から出力される信号に基づいて、X線検出部102及び線量制御部103を制御する。
補正データ生成部106は、X線を照射しない状態でX線検出部102において撮影された画像データに基づいて、オフセット補正に用いるデータ(以下、オフセット補正データと称す)を生成する。画像補正部107は、補正データ生成部106で生成されたオフセット補正データに基づいて、X線検出部102で撮影されたX線画像データのオフセット補正を行う。画像表示部108は、画像補正部107でオフセット補正されたX線画像データをモニタ等に出力する。
次に、図4(a)を参照しながら、オフセット過渡データ生成方法について説明する。以下、2×2モードから1×1モードに撮影モードを切り替える場合を例に挙げて説明を行う。ここでは、2×2モードから1×1モードに撮影モードを切り替える際、図3において斜線で示された画素でオフセット信号の過渡的な変化が起こるものとする。一方、1×1モードから2×2モードに撮影モードを切り替える際、何れの画素でもオフセット信号の過渡的な変化が起きないものとする。また、本実施形態では、オフセット信号の過渡的な変化は再現性が高く、オフセット過渡データを撮影毎に更新しないものとする。さらに、過渡変化が発生するのは、撮影モード切り替え直後の10枚であるものとする。なお、図4に示す処理は、本実施形態に係るX線撮影装置に内蔵されるCPUが、必要なデータ及びプログラムを記録媒体から読み出して実行することにより実現する処理である。
ステップS101において、X線検出部102は、X線が照射されていない状態で2×2モードでオフセット画像データを撮影する。ステップS102において、撮影制御部105は、2×2モードから1×1モードに撮影モードを切り替える。ステップS103において、X線検出部102は、撮影モード切り替え直後の10枚のオフセット画像データ(以下、過渡オフセット画像データと称す)を撮影する。ステップS104において、X線検出部102は、上記10枚の過渡オフセット画像データに連続して、32枚のオフセット画像データ(以下、定常オフセット画像データと称す)を撮影し、補正データ生成部106に出力する。ステップS105において、補正データ生成部106は、オフセット過渡データを生成する。なお、ステップS102は、切替手段の処理例である。
ここで、ステップS105におけるオフセット過渡データ生成処理について詳細に説明する。先ず、補正データ生成部106は、撮影モード切り替え時にオフセット信号が過渡的に変化する画素それぞれについて、撮影モード切り替え後の11〜42枚目の定常オフセット画像データにおける画素値の平均値を、次の式(1)により算出する。ここで、オフセット信号が過渡的に変化する画素は、画素の設計情報から予め分かっているものとする。なお、(i,j)は座標であり、nは撮影モード切り替え後のフレーム数である。
次に、補正データ生成部106は、次の式(2)により、撮影モード切り替え直後の1〜10枚目の過渡オフセット画像データにおける各画素値から、式(1)で算出した11〜42枚目の定常オフセット画像データにおける画素値の平均値を減算する。以上により、オフセットが過渡的に変化する画素それぞれについて、撮影モード切り替え後のオフセット過渡データが生成される。なお、オフセット過渡データは、撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データの例である。
次に、図4(b)を参照しながら、被写体の撮影からX線画像データを表示するまでの処理について説明する。ここでは、操作者が撮影モードとして2×2モードから1×1モードを選択した場合について説明する。
ステップS201において、撮影条件設定部104は、操作者の操作に応じて、撮影モード、照射線量、及び、X線照射部101の管電圧といった被写体撮影時の撮影条件を設定する。設定された撮影条件は、撮影制御部105に出力される。
ステップS202において、撮影制御部105は、オフセット定常データを取得する。図4(c)は、ステップS202の詳細を示すフローチャートである。ステップS301において、X線検出部102は、X線が照射されていない状態で2×2モードで32枚のオフセット画像データを撮影する。撮影された32枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106に出力される。
ステップS302において、撮影制御部105は、2×2モードから1×1モードに撮影モードを切り替える。ステップS303において、X線検出部102は、撮影モード切り替え直後の10枚のオフセット画像データを撮影する。但し、ここで撮影された10枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106には出力されない(オフセット画像空読み)。ステップS304において、X線検出部102は、上記10枚のオフセット画像データに連続して、32枚のオフセット画像データを撮影する。ここで撮影された30枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106に対して出力される。ステップS305において、補正データ生成部106は、オフセット定常データを生成する。
ここで、ステップS305におけるオフセット定常データ生成処理について詳細に説明する。先ず、補正データ生成部106は、全有効画素のそれぞれについて2×2モードで撮影されたオフセット画像データにおける1〜32枚目の画素値の平均値を、次の式(3)により算出する。
次に、補正データ生成部106は、全有効画素それぞれについて1×1モードで撮影されたオフセット画像データにおける11〜42枚目の画素値の平均値を、次の式(4)により計算する。以上により、全有効画素ついてオフセット定常データが生成される。
ステップS203において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nに初期値1をセットする。ステップS204において、撮影制御部105は、ステップS201で設定された撮影条件に基づいて、線量制御信号を線量制御部103に対して出力する。線量制御部103は、線量制御信号に基づいてX線照射信号をX線照射部101に対して出力する。X線照射部101は、X線照射信号を受けて、被写体にX線を照射する。同時に、撮影制御部105は、2×2モードの画像データ取得信号をX線検出部102に対して出力し、X線検出部102は、2×2モードの画像データ取得信号に基づいて、2×2モードのX線画像データを取得する。取得された2×2モードのX線画像データは、画像補正部107に対して出力される。
ステップS205において、補正データ生成部106は、ステップS202で生成された2×2モードのオフセット定常データを画像補正部107に対して出力する。画像補正部107は、次の式(5)により、ステップS204で撮影された2×2モードのX線画像データから2×2モードのオフセット定常データを減算することにより、オフセット補正を実施する。
ステップS206において、画像表示部108は、ステップS205でオフセット補正された2×2モードのX線画像データを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された2×2モードのX線画像データを確認することができる。画像表示部108は、X線画像データを画像として出力できるものであれば何でもよく、例えば液晶ディスプレイ等でよい。
ステップS207において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nを1加算し、撮影フレーム数を更新する。ステップS208において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、2×2モードの撮影を継続するか否かを判定する。なお、ユーザは、画像表示部108に表示された画像データを確認した上で、2×2モードの撮影を継続するか否かの選択操作を行う。なお、2×2モードの撮影を継続するか否かは、撮影条件設定部104に備えられる撮影継続/終了情報入力部をユーザが操作することにより入力される。2×2モードの撮影を継続する場合、処理はステップS204に戻る。一方、2×2モードの撮影を終了する場合、処理はステップS209に移行する。
ステップS209において、撮影制御部105は、2×2モードから1×1モードに撮影モードを切り替える。ステップS210において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nに初期値1をセットする。ステップS211において、X線検出部102は、ステップS204と同様のプロセスにより、1×1モードでX線画像データを取得し、取得したX線画像データを画像補正部107に対して出力する。
ステップS212において、画像補正部107は、ステップS211で撮影されたX線画像データについてオフセット補正を実施する。即ち、補正データ生成部106は、ステップS105で生成された1×1モードのオフセット過渡データ及びステップS202で生成されたオフセット定常データを、画像補正部107に対して出力する。次に、画像補正部107は、次の式(6)に示すように、ステップS211で撮影された1×1モードのX線画像データから、オフセット過渡データ及びオフセット定常データを減算する。これにより、撮影フレーム数nが1〜10であり、且つ、撮影モード切り替え時にオフセット信号が過渡的に変化する画素について、オフセット補正が実施される。
撮影フレーム数nが11以上である画素、又は、撮影フレーム数nが1〜10であり、且つ、撮影モード切り替え時にオフセット信号が過渡的に変化しない画素については、画像補正部107は、次の式(7)に示すように、ステップS211で撮影された1×1モードのX線画像データからオフセット定常データのみを減算することにより、オフセット補正を実施する。
ステップS213において、画像表示部108は、ステップS212でオフセット補正された1×1モードのX線画像データを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正された1×1モードのX線画像データを確認することができる。ステップS214において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nを1加算する。ステップS215において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、1×1モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部108に表示されたX線画像データを確認した上で、1×1モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行う。1×1モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS211に移行する。一方、1×1モードでの撮影を終了する場合、処理は終了する。
本実施形態によれば、撮影モードの切り替えに応じて特定の画素に生じるオフセット信号の過渡特性を簡易且つ適切に補正することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データが既知であることを前提としている。これに対し、第2の実施形態に係るX線撮影装置は、撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データが未知であっても、オフセット信号の過渡特性を適切に補正するものである。なお、第2の実施形態に係るX線撮影装置は、図1に示した構成と同様の構成であるため、以下の説明においても、図1の符号を流用するものとする。
第2の実施形態では、図5(a)に示すように、ビニングの切り替えに加え、フォトダイオードのゲインをHigh、Mid、Lowの3段階に切り替えることが可能な、合計6つの撮影モードを有するFPDを対象とする。また、第2の実施形態では、図5(b)に示すように、合計30の撮影モードの切り替えパターンがあるものとする。
図6は、第2の実施形態におけるオフセット過渡データ生成処理を示すフローチャートである。なお、図6は、撮影モードがM1モードからM2モードに変化するC1の撮影モード切り替えパターンにおける処理を例示している。また、図6及び後述する図7に示す処理は、本実施形態に係るX線撮影装置に内蔵されるCPUが、必要なデータ及びプログラムを記録媒体から読み出して実行することにより実現する処理である。
ステップS401において、X線検出部102は、X線が照射されていない状態で、M1モードでオフセット画像データを撮影する。ステップS402において、撮影制御部105は、M1モードからM2モードに撮影モードを切り替える。ステップS403において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nに初期値1をセットする。
ステップS404において、X線検出部102は、撮影モード切り替え直後のオフセット画像データ(以下、過渡オフセット画像データと称す)を撮影する。ステップS405において、補正データ生成部106は、過渡オフセット画像データのうち、予め定められた閾値を越えるデータの画素を、オフセット信号が過渡的に変化する画素(以下、過渡特性画素と称す)として抽出する。
ステップS406において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nを1加算する。ステップS407において、補正データ生成部106は、過渡特性画素が存在するか否か、即ち、ステップS405で抽出された過渡特性画素の数をカウントし、カウントした過渡特性画素の数が1以上であるか否かを判定する。過渡特性画素が存在する場合(過渡特性画素の数が1以上である場合)、処理はステップS404に戻り、過渡オフセット画像データが再度撮影される。一方、過渡特性画素が存在しない場合(過渡特性画素の数が0である場合)、処理はステップS408に移行する。このようにして、撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データが特定される。
ステップS408において、補正データ生成部106は、過渡特性が発生するフレーム数をn´C1(=n−2)として内部に保存する。ステップS409において、X線検出部102は、上記n−1枚の過渡オフセット画像データに連続して、オフセット画像データ(以下、定常オフセット画像データと称す)を32枚撮影し、補正データ生成部106に出力する。ステップS410において、補正データ生成部106は、オフセット過渡データを生成する。
ここで、ステップS410におけるオフセット過渡データ生成処理について詳細に説明する。先ず、補正データ生成部106は、撮影モード切り替え後の32枚の定常オフセット画像データにおける画素値の平均値を、次の式(8)により算出する。
次に、補正データ生成部106は、次の式(9)により、撮影モード切り替え後の定常オフセット画像データにおける各画素から、式(8)で算出した定常オフセット画像データにおける画素値の平均値を減算する。これにより、オフセットが過渡的に変化する画素それぞれについて、撮影モード切り替え後のオフセット過渡データが生成される。以上の処理が図5(b)に示すC1〜C30の全ての撮影モード切り替えパターンについて実行される。これにより、全ての撮影モード切り替えパターンについて、オフセット過渡データが生成される。
次に、図7(a)を参照しながら、被写体の撮影からX線画像データを表示するまでの処理について説明する。ここでは、M3モードで撮影されている状態から、M3モード→M1モード→M2モードのように撮影モードの切り替えが行われた場合について説明する。
ステップS501において、撮影条件設定部104は、操作者の操作に応じて、撮影モード、照射線量、及び、X線照射部101の管電圧といった被写体撮影時の撮影条件を設定する。設定された撮影条件は、撮影制御部105に出力される。
ステップS502において、撮影制御部105は、オフセット定常データを取得する。図7(b)は、ステップS502の詳細を示すフローチャートである。ステップS601において、撮影制御部105は、M3モードからM1モードに撮影モードを切り替える。ステップS602において、X線検出部102は、X線が照射されていない状態で、M1モードでn´C1枚のオフセット画像データを撮影する。但し、ここで撮影されたn´C1枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106には出力されない(オフセット画像空読み)。ステップS603において、X線検出部102は、上記n´C1枚のオフセット画像データに連続して、M1モードで32枚のオフセット画像データを撮影する。ここで撮影された32枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106に対して出力される。
ステップS604において、撮影制御部105は、M1モードからM2モードに撮影モードを切り替える。ステップS605において、X線検出部102は、X線が照射されていない状態で、M2モードでn´C1枚のオフセット画像データを撮影する。ここで撮影されたn´C1枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106には出力されない(オフセット画像空読み)。ステップS606において、X線検出部102は、上記n´C1枚のオフセット画像データに連続して、M2モードで32枚のオフセット画像データを撮影する。ここで撮影された32枚のオフセット画像データは、補正データ生成部106に対して出力される。ステップS607において、補正データ生成部106は、オフセット定常データを生成する。
ここで、ステップS607におけるオフセット定常データ生成処理について詳細に説明する。先ず、補正データ生成部106は、全有効画素のそれぞれについてM1モードで撮影された32枚のオフセット画像データの画素値の平均値を、次の式(10)により算出する。
次に、補正データ生成部106は、全有効画素それぞれについてM2モードで撮影された32枚のオフセット画像データの画素値の平均値を、次の式(11)により計算する。以上により、全有効画素ついてオフセット定常データが生成される。
以上のように、第2の実施形態においては、オフセット画像空読みを、M1モード及びM2モードともに過渡特性画素が存在するフレーム数n´C1だけ行うようにしている。
ステップS503において、撮影制御部105は、M2モードからM1モードに撮影モードを切り替える。ステップS504において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nに初期値1をセットする。ステップS504において、撮影制御部105は、ステップS501で設定された撮影条件に基づいて、線量制御信号を線量制御部103に対して出力する。線量制御部103は、線量制御信号に基づいてX線照射信号をX線照射部101に対して出力する。X線照射部101は、X線照射信号を受けて、被写体にX線を照射する。同時に、撮影制御部105は、M1モードでの画像データ取得信号をX線検出部102に対して出力し、X線検出部102は、M1モードでの画像データ取得信号に基づいて、M1モードのX線画像データを取得する。取得されたM1モードのX線画像データは、画像補正部107に対して出力される。
ステップS505において、画像補正部107は、次の式(12)に示すように、ステップS504で撮影されたX線画像データから、オフセット過渡データ及びオフセット定常データを減算する。これにより、撮影モード切り替え後の1枚目からn´C1枚目までのM1モードのX線画像データにおける過渡特性画素について、オフセット補正が実施される。
撮影モード切り替え後のn´C1+1枚目からn´C1+32枚目までのM1モードのX線画像データ、又は、撮影モード切り替え後の1枚目からn´C1枚目までのM1モードのX線画像データにおける過渡特性画素ではない画素については、画像補正部107は、次の式(13)に示すように、ステップS504で撮影されたX線画像データからオフセット定常データを減算することにより、オフセット補正を実施する。
ステップS506において、画像表示部108は、ステップS505でオフセット補正されたM1モードのX線画像データを表示する。これにより、ユーザは、オフセット補正されたM1モードのX線画像データを確認することができる。ステップS514において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nを1加算する。ステップS508において、撮影制御部105は、ユーザの操作に応じて、M1モードでの撮影を継続するか否かを判定する。ユーザは、画像表示部108に表示されたX線画像データを確認した上で、M1モードでの撮影を継続するか否かの選択操作を行う。M1モードでの撮影を継続する場合、処理はステップS504に戻る。一方、M1モードでの撮影を終了する場合、処理はステップS509に移行する。
ステップS509において、撮影制御部105は、M1モードからM2モードに撮影モードを切り替える。ステップS510において、撮影制御部105は、撮影フレーム数nに初期値1をセットする。ステップS511において、ステップS504と同様に、M2モードのX線画像データが取得される。取得されたM2モードのX線画像データは、画像補正部107に対して出力される。
ステップS512において、画像補正部107は、次の式(14)に示すように、ステップS511で撮影されたX線画像データから、オフセット過渡データ及びオフセット定常データを減算する。これにより、撮影モード切り替え後の1枚目からn´C1枚目までのM2モードのX線画像データにおける過渡特性画素について、オフセット補正が実施される。
撮影モード切り替え後のn´C1+1枚目からn´C1+32枚目までのM2モードのX線画像データ、又は、撮影モード切り替え後の1枚目からn´C1枚目までのM2モードのX線画像データにおける過渡特性画素ではない画素については、画像補正部107は、次の式(15)に示すように、ステップS511で撮影されたX線画像データからオフセット定常データを減算することにより、オフセット補正を実施する。
ステップS513〜S515においては、上述したステップS506〜S508と同様の処理がM2モードについて実行される。以上により、第2の実施形態においては、撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データが未知であっても、オフセット信号の過渡特性を適切に補正することができる。
なお、オフセット過渡データは、図4(c)のステップS303、又は、図7(b)のステップS602及びステップS605でオフセット画像データを撮影し、そのオフセット画像データから被写体撮影毎に更新してもよい。また、オフセット補正後のX線画像データを生成する際、画素毎の感度ばらつきを補正してもよいし、ダイナミックレンジ圧縮又はエッジ強調等の画像処理を加えてもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100:X線撮影装置、101:X線照射部、102:X線検出部、103:線量制御部、104:撮影条件設定部、105:撮影制御部、106:補正データ生成部、107:画像補正部、108:画像表示部
Claims (5)
- 入射する放射線に基づいて画像データを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段における撮影モードを切り替える切替手段と、
前記切替手段による撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記特性データに基づいて、前記撮影手段により撮影された画像データを補正する補正手段とを有することを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記生成手段は、撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データに基づいて、前記特性データを生成することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
- 撮影モードの切り替えに応じて特性が変化したオフセット信号を含む画像データを特定する特定手段を更に有し、
前記生成手段は、前記特定手段により特定された画像データに基づいて、前記特性データを生成することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。 - 入射する放射線に基づいて画像データを撮影する撮影手段を有する放射線撮影装置の制御方法であって、
前記撮影手段における撮影モードを切り替える切替ステップと、
前記切替ステップによる撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された前記特性データに基づいて、前記撮影手段により撮影された画像データを補正する補正ステップとを有することを特徴とする放射線撮影装置の制御方法。 - 入射する放射線に基づいて画像データを撮影する撮影手段における撮影モードを切り替える切替ステップと、
前記切替ステップによる撮影モードの切り替えに応じて変化するオフセット信号の特性を示す特性データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された前記特性データに基づいて、前記撮影手段により撮影された画像データを補正する補正ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2017005627A (ja) * | 2015-06-15 | 2017-01-05 | キヤノン株式会社 | 放射線撮像装置及びその制御方法 |
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2012
- 2012-12-03 JP JP2012264601A patent/JP2014108284A/ja active Pending
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