JP2014106127A - テラヘルツ波計測装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テラヘルツ波計測装置のサイズ及びコストの増大を抑制しながら、テラヘルツ波を発生する発生素子の冷却又は放熱を促進する。
【手段】テラヘルツ波計測装置(100)は、第1レーザ光(LB1)が照射されることで、テラヘルツ波(THz)を発生する発生手段(110)と、第2レーザ光(LB2)が照射されることで、計測対象物に対して照射されたテラヘルツ波を検出する検出手段(130)と、第1レーザ光の光路長と第2レーザ光の光路長との間に所望の光路長差を付与する遅延手段(120)と、検出手段がテラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ遅延手段が付与する光路長差に応じて定まる検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度と比較して、検出期間以外の期間である非検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を減少させる制御手段(143)とを備える
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばテラヘルツ波を用いて計測対象物の特性を分析するテラヘルツ波計測装置及び方法の技術分野に関する。
テラヘルツ波計測装置として、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)を利用する装置が知られている。テラヘルツ波計測装置は、以下の手順で、計測対象物の特性を分析する。まず、超短パルスレーザ光(例えば、フェムト秒パルスレーザ光)を分岐することで得られる一のレーザ光であるポンプ光(言い換えれば、励起光)が、バイアス電圧が印加されているテラヘルツ波発生素子に照射される。その結果、テラヘルツ波発生素子は、テラヘルツ波を発生する。テラヘルツ波発生素子が発生したテラヘルツ波は、計測対象物に照射される。計測対象物に照射されたテラヘルツ波は、計測対象物からの反射光又は透過光として、超短パルスレーザ光を分岐することで得られる他のレーザ光であって且つポンプ光に対する光学的な遅延(つまり、光路長差)が付与されたプローブ光(言い換えれば、励起光)が照射されているテラヘルツ波検出素子に照射される。その結果、テラヘルツ波検出素子は、計測対象物で反射又は透過したテラヘルツ波の強度に応じた電流信号を検出する。当該検出されたテラヘルツ波(つまり、時間領域のテラヘルツ波であり、電流信号)をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波のスペクトル(つまり、振幅及び位相の周波数応答特性)等が取得される。その結果、当該テラヘルツ波のスペクトルを解析することで、計測対象物の特性が分析される。
ところで、テラヘルツ波発生素子を相対的に長時間使用し続けると、テラヘルツ波発生素子が備える2つの導電素子(例えば、ダイポールアンテナ)間のギャップ部に流れる電流が急激に増加してしまうという技術的課題が発生する(例えば、特許文献1参照)。このような技術的課題が発生する一つの原因としては、例えば、テラヘルツ波発生素子内で熱的に励起されたキャリアの増加があげられる。このような技術的課題を解決するために、特許文献1には、テラヘルツ波発生素子を冷却する冷却機構又はテラヘルツ波発生素子の放熱を促進する放熱機構を採用することで、テラヘルツ波発生素子が備える2つの導電素子間のギャップに流れる電流の急激な増加を抑制する技術が開示されている。
その他、本発明に関連する文献として、特許文献2が存在する。
特開2004−22766号公報 特開2008−122306号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、冷却機構又は放熱機構という新たな物理的構造物が必要になってくる。従って、テラヘルツ波計測装置のサイズ及びコストの増大につながるという技術的課題が新たに生ずる。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、テラヘルツ波計測装置のサイズ及びコストの増大を抑制しながら、テラヘルツ波を発生する発生素子の冷却又は放熱を促進することを可能とならしめるテラヘルツ波計測装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するテラヘルツ波計測装置は、第1レーザ光が照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、第2レーザ光が照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段と、前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記検出期間以外の期間である非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御手段とを備える。
上記課題を解決するテラヘルツ波計測方法は、第1レーザ光が照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、第2レーザ光が照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段とを備えるテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波計測方法であって、前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間以外の期間である非検出期間を設定する設定工程と、前記検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御工程とを備える。
第1実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 テラヘルツ波発生素子及びテラヘルツ波検出素子の夫々の構成を示す斜視図である。 第1実施例のテラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。 図3に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 バイアス電圧が直流電圧である状況下で図3に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 第2実施例のテラヘルツ波計測装置が備える光遅延器の構成を示す平面図である。 第2実施例のテラヘルツ波計測装置が図3に示す調整動作を行った場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 第3実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 第3実施例のテラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。 図9に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号駆動電流及びパルスレーザ光の平均光強度の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 第4実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 第4実施例のテラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。 図12に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号駆動電流及びポンプ光の平均光強度の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 第5実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 第5実施例のテラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。 図15に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号、バイアス電圧駆動電流及びパルスレーザ光の平均光強度の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。 第6実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 第6実施例のテラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。 図18に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器によって設定されたポンプ光の光路とプローブ光の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
以下、テラヘルツ波計測装置及び方法の実施形態について順に説明する。
(テラヘルツ波計測装置の実施形態)
<1>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、第1レーザ光が照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、第2レーザ光が照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段と、前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記検出期間以外の期間である非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御手段とを備える。
本実施形態のテラヘルツ波計測装置によれば、発生手段、検出手段及び調整手段の動作により、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)を用いて、測定対象物に照射されたテラヘルツ波が検出される。検出されたテラヘルツ波は、測定対象物の特性の分析に利用される。尚、テラヘルツ時間領域分光法を用いたテラヘルツ波の検出方法自体は、既存の検出方法を用いてもよい。以下、テラヘルツ時間領域分光法を用いたテラヘルツ波の検出方法の概略について、簡単に説明する。
具体的には、発生手段は、当該発生手段に第1レーザ光が励起光(例えば、ポンプ光)として照射されることで、テラヘルツ波を発生させる。発生手段が発生したテラヘルツ波は、測定対象物に照射される。
検出手段は、当該検出手段に第2レーザ光が励起光(例えば、プローブ光)として照射されることで、測定対象物によって反射された又は測定対象物を透過したテラヘルツ波を検出する。
このとき、調整手段は、第1レーザ光の光路と第2レーザ光の光路との間の光路長差を調整する。言い換えれば、調整手段は、第1レーザ光の光路と第2レーザ光の光路との間の光路長差を、所望値に設定する。光路長差を調整するために、調整手段は、例えば、第1レーザ光の光路長及び第2レーザ光の光路長のうちの少なくとも一方を調整してもよい。このような光路長差の調整は、サブピコ秒というオーダーで現れるテラヘルツ波の波形を好適に検出するために行われる。
本実施形態では特に、制御手段は、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を調整する。具体的には、制御手段は、検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度が、非検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度と異なるように、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を調整する。より具体的には、制御手段は、検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度と比較して、非検出期間に発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度が減少する(言い換えれば、小さくなる)ように、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を調整する。
ここで、「検出期間」は、検出手段がテラヘルツ波を検出する期間を意味する。このような検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を精度よく検出することができる期間と一致するように設定されることが好ましい。或いは、このような検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を検出するべきである期間と一致するように設定されることが好ましい。或いは、このような検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を検出することが好ましい期間と一致するように設定されることが好ましい。
一方で、「非検出期間」は、検出期間以外の期間(つまり、検出期間がテラヘルツ波を検出しない期間)を意味する。このような非検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を精度よく検出することができない期間と一致するように設定されることが好ましい。或いは、このような非検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を検出するべきでない期間と一致するように設定されることが好ましい。或いは、このような非検出期間は、典型的には、検出手段がテラヘルツ波を検出することが好ましくない期間と一致するように設定されることが好ましい。
特に、本実施形態では、テラヘルツ波の検出タイミング又は検出精度に影響を与え得る光路長差(つまり、調整手段が調整する光路長差)に応じて、検出期間が定められる。尚、検出期間以外の期間が非検出期間であることを考慮すれば、テラヘルツ波の検出タイミングを規定する光路長差に応じて、非検出期間が定められるとも言える。
ここで、非検出期間には、発生手段は、相対的に光強度が小さいテラヘルツ波を発生する。このため、非検出期間には、相対的に光強度が大きいテラヘルツ波を発生している検出期間と比較して、テラヘルツ波の発生に伴う発生手段の発熱が抑制される。言い換えれば、非検出期間には、検出期間と比較して、発生手段の冷却又は放熱が促進される。従って、非検出期間には、検出期間と比較して、発生手段内で熱的に励起されたキャリアの増加が抑制される。このため、本実施形態では、テラヘルツ波の光強度が固定されている(言い換えれば、意図的に又は積極的に減少することがない)比較例のテラヘルツ波計測装置と比較して、発生手段内を流れる電流(例えば、後に図面を用いて詳述するように、発生手段が備える2つの導電部間のギャップに流れる電流)の急激な増加を抑制することができる。
その一方で、検出期間には、発生手段は、相対的に光強度が大きいテラヘルツ波を発生する。つまり、テラヘルツ波を用いた測定対象物の特性の分析に影響を与えかねないテラヘルツ波の光強度の減少は、検出手段がテラヘルツ波を検出しない非検出期間に行われる。従って、非検出期間にテラヘルツ波の光強度が減少したとしても、テラヘルツ波を用いた測定対象物の特性の分析が好適に行われることに変わりはない。
更には、本実施形態では、冷却機構又は放熱機構という新たな物理的構造物を用いることなく、テラヘルツ波の発生に伴う発生手段の発熱が抑制される。従って、テラヘルツ波計測装置のサイズ及びコストの増大を抑制しながら、発生手段の冷却又は放熱が促進される。
<2>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記非検出期間には、前記発生手段に前記テラヘルツ波を発生させない。
この態様によれば、制御手段は、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を、当該光強度がゼロになるまで減少させることができる。従って、この態様では、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を、当該光強度がゼロよりも大きな値になるまで減少させる態様と比較して、テラヘルツ波の発生に伴う発生手段の発熱がより一層抑制される。このため、発生手段内を流れる電流(例えば、後に図面を用いて詳述するように、発生手段が備える2つの導電部間のギャップに流れる電流)の急激な増加をより一層抑制することができる。
<3>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記発生手段は、間にギャップ部を挟み込むと共にバイアス電圧が印加される2つの導電部を備えており、前記制御手段は、前記検出期間に印加される前記バイアス電圧と比較して、前記非検出期間に印加される前記バイアス電圧を減少させる。
この態様によれば、制御手段は、発生手段に印加されるバイアス電圧を減少させることで、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を比較的容易に且つ好適に減少させることができる。
<4>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記検出期間に前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度と比較して、前記非検出期間に前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度を減少させる。
この態様によれば、制御手段は、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度(例えば、平均光強度)を減少させることで、発生手段が発生するテラヘルツ波の光強度を比較的容易に且つ好適に減少させることができる。
<5>
上述の如く発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を減少させるテラヘルツ波計測装置の態様では、駆動電流に応じて前記第1レーザ光を発生する光源手段を更に備えており、前記制御手段は、前記検出期間における前記駆動電流と比較して、前記非検出期間における前記駆動電流を減少させる。
この態様によれば、制御手段は、第1レーザ光を発生するために光源手段に出力される駆動電流を減少させることで、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を比較的容易に且つ好適に減少させることができる。
<6>
上述の如く発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を減少させるテラヘルツ波計測装置の態様では、前記発生手段に向かう前記第1レーザ光の光路上に配置されると共に、前記第1レーザ光の一部又は全部の伝搬を遮断する遮断手段を更に備えており、前記制御手段は、前記検出期間における前記遮断手段による前記第1レーザ光の遮断量と比較して、前記非検出期間における前記遮断手段による前記第1レーザ光の遮断量を増加させる。
この態様によれば、制御手段は、光源手段から発生手段に向かう途中の光路上での第1レーザ光の遮断量を増加させる(言い換えれば、透過量を減少させる)ことで、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を比較的容易に且つ好適に減少させることができる。
<7>
上述の如く非検出期間に発生手段にテラヘルツ波を発生させないテラヘルツ波計測装置の態様では、前記発生手段は、間にギャップ部を挟み込むと共にバイアス電圧が印加される2つの導電部を備えており、前記制御手段は、前記非検出期間に印加される前記バイアス電圧をゼロに設定する。
この態様によれば、制御手段は、発生手段に印加されるバイアス電圧をゼロに設定することで、発生手段がテラヘルツ波を発生しない状態を比較的容易に且つ好適に実現することができる。
<8>
上述の如く非検出期間に発生手段にテラヘルツ波を発生させないテラヘルツ波計測装置の態様では、前記制御手段は、前記非検出期間には、前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度をゼロに設定する。
この態様によれば、制御手段は、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度をゼロに設定することで、発生手段がテラヘルツ波を発生しない状態を比較的容易に且つ好適に実現することができる。
<9>
上述の如く発生手段に照射される第1レーザ光の光強度をゼロに設定するテラヘルツ波計測装置の態様では、駆動電流に応じて前記第1レーザ光を発生する光源手段を更に備えており、前記制御手段は、前記非検出期間には、前記駆動電流をゼロに設定する。
この態様によれば、制御手段は、第1レーザ光を発生するために光源手段に出力される駆動電流をゼロに設定することで、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を比較的容易に且つ好適にゼロに設定することができる。
<10>
上述の如く発生手段に照射される第1レーザ光の光強度をゼロに設定するテラヘルツ波計測装置の態様では、前記発生手段に向かう前記第1レーザ光の光路上に配置されると共に、前記第1レーザ光の一部又は全部の伝搬を遮断する遮断手段を更に備えており、前記制御手段は、前記非検出期間には、前記遮断手段に前記第1レーザ光の全部の伝搬を遮断させる。
この態様によれば、制御手段は、光源手段から発生手段に向かう途中の光路上において第1レーザ光の全部を遮断させる(言い換えれば、透過量をゼロに設定する)ことで、発生手段に照射される第1レーザ光の光強度を比較的容易に且つ好適にゼロに設定することができる。
<11>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記検出期間は、前記遅延手段が付与する前記光路長差が線形に変化する期間を含む期間である。
この態様によれば、このような検出期間には、相対的に光強度が大きいテラヘルツ波を発生手段が発生するがゆえに、テラヘルツ波を用いた測定対象物の特性の分析が好適に行われる。一方で、このような検出期間以外の非検出期間には、発生手段の冷却又は放熱が促進される。
(テラヘルツ波計測方法の実施形態)
<12>
本実施形態のテラヘルツ波計測方法は、第1レーザ光が励起光として照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、第2レーザ光が励起光として照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段とを備えるテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波計測方法であって、前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間以外の期間である非検出期間を設定する設定工程と、前記検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御工程とを備える。
本実施形態のテラヘルツ波計測方法によれば、上述した本実施形態のテラヘルツ波計測装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態のテラヘルツ波計測装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態のテラヘルツ波計測方法もまた各種態様をとってもよい。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、発生手段と、検出手段と、遅延手段と、制御手段とを備える。本実施形態のテラヘルツ波計測方法は、設定工程と、制御工程とを備える。従って、テラヘルツ波計測装置のサイズ及びコストの増大を抑制しながら、テラヘルツ波を発生する発生手段の冷却又は放熱を促進することができる。
以下、図面を参照しながら、実施例について説明する。
(1)第1実施例
初めに、図1から図5を参照しながら、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100について説明する。
(1−1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図1を参照しながら、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成について説明する。図1は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、テラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ波THzを測定対象物に照射すると共に、測定対象物を透過した又は測定対象物から反射したテラヘルツ波THz(つまり、測定対象物に照射されたテラヘルツ波THz)を検出する。
テラヘルツ波THzは、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(つまり、テラヘルツ領域)に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。テラヘルツ領域は、様々な物質が固有の吸収スペクトルを有する周波数領域である。従って、テラヘルツ波計測装置100は、測定対象物に照射されたテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを解析することで、測定対象物の特性を分析することができる。
測定対象物に照射されたテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを取得するために、テラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)を採用している。テラヘルツ時間領域分光法は、テラヘルツ波THzを測定対象物に照射すると共に、測定対象物を透過した又は測定対象物から反射したテラヘルツ波THzの時間波形をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波の周波数スペクトル(つまり、周波数毎の振幅及び位相)を取得する方法である。
ここで、テラヘルツ波THzの周期は、サブピコ秒のオーダーの周期であるがゆえに、当該テラヘルツ波THzの時間波形を直接的に検出することが技術的に困難である。そこで、テラヘルツ波計測装置100は、時間遅延走査に基づくポンプ・プローブ法を採用する、テラヘルツ波THzの時間波形を間接的に検出する。
図1に示すように、このようなテラヘルツ時間領域分光法及びポンプ・プローブ法を採用するテラヘルツ波計測装置100は、「光源手段」の一具体例であるパルスレーザ装置101と、「発生手段」の一具体例であるテラヘルツ波発生素子110と、ビームスプリッタ161と、反射鏡162と、反射鏡163と、「遅延手段」の一具体例である光遅延器120と、「検出手段」の一具体例であるテラヘルツ波検出素子130と、バイアス電圧生成部141と、測定区間信号生成部142と、「制御手段」の一具体例であるテラヘルツ波発生制御部143と、I−V(電流−電圧)変換部144と、演算処理部150とを備えている。
パルスレーザ装置101は、当該パルスレーザ装置101に入力される駆動電流に応じた光強度を有するサブピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーのパルスレーザ光LBを生成する。パルスレーザ装置101が生成したパルスレーザ光LBは、不図示の導光路(例えば、光ファイバ等)を介して、ビームスプリッタ161に入射する。
ビームスプリッタ161は、パルスレーザ光LBを、「第1レーザ光」の一具体例であるポンプ光LB1と「第2レーザ光」の一具体例であるプローブ光LB2とに分岐する。ポンプ光LB1は、不図示の導光路を介して、テラヘルツ波発生素子110に入射する。一方で、プローブ光LB2は、不図示の導光路及び反射鏡162を介して、光遅延器120に入射する。
光遅延器120は、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を調整する。具体的には、光遅延器120は、プローブ光LB2の光路長を調整することで、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を調整する。尚、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を調整することで、ポンプ光LB1がテラヘルツ波発生素子110に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波発生素子110から出射するテラヘルツ波THzがテラヘルツ検出素子130に入射するタイミング)と、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミングとの間の相対的なずれ量を調整することができる。例えば、光遅延器120によってプローブ光LB2の光路が0.3ミリメートル(但し、空気中での光路長)だけ長くなると、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミングが1ピコ秒だけ遅くなる。この場合、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングが、1ピコ秒だけ遅くなる。テラヘルツ波検出素子130に対して同一の波形を有するテラヘルツ波THzが数十MHz程度の間隔で繰り返し入射することを考慮すれば、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングを徐々にずらすことで、テラヘルツ検出素子130は、テラヘルツ波THzの時間波形を間接的に検出することができる。
但し、光遅延器120は、プローブ光LB2の光路長に加えて又は代えて、ポンプ光LB1の光路長を調整することで、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を調整してもよい。この場合、光遅延器120は、ビームスプリッタ111とテラヘルツ波発生素子110との間のポンプ光LB1の光路上に配置されることが好ましい。
プローブ光LB2の光路長を調整するために、光遅延器120は、再帰反射鏡121と、送りネジ機構122と、モータ123とを備えている。
再帰反射鏡121は、当該再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を再帰反射する。つまり、再帰反射鏡121は、当該再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を、当該プローブ光LB2の入射方向と平行な方向に向けて反射する。第1実施例では、再帰反射鏡121は、90度の角度で交わる第1反射面121aと第2反射面121bとを備えている。第1反射面121aは、再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を、第2反射面121bに向けて反射する。第2反射面121bは、第1反射面121aから第2反射面121bに入射してくるプローブ光LB2を、再帰反射鏡120の外部(例えば、反射鏡163)に向けて反射する。
再帰反射鏡121は、送りネジ機構122に嵌合する送り溝を備えている。その結果、再帰反射鏡121は、モータ123の駆動による送りネジ機構122の回転に合わせて、プローブ光LB2の光路(具体的には、再帰反射光121に入射する時点でのプローブ光LB2の光路であって、図1中の上下方向)に沿って移動する。再帰反射鏡121の移動により、プローブ光LB2の光路長が調整される。
尚、再帰反射鏡121の移動は、演算処理部150の制御の下で行われる。つまり、演算処理部150は、モータ123の駆動量を指定する制御信号をモータ123に出力することで、モータ123の動作を制御する。
光遅延器120から出射したプローブ光LB2は、不図示の導光路及び反射鏡163を介して、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
ここで、図2を参照しながら、ポンプ光LB1が照射されるテラヘルツ波発生素子110及びプローブ光LB2が照射されるテラヘルツ検出素子130について更に詳細に説明する。図2は、テラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130の夫々の構成を示す斜視図である。尚、図2に示すテラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130の構成はあくまで一例であり、図2に示す構成とは異なる構成を有する光伝導アンテナ又は光伝導スイッチが、テラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130として用いられてもよい。
図2(a)に示すように、テラヘルツ波発生素子110は、基板111と、「導電部」の一具体例であるアンテナ(言い換えれば、伝送線路)112と、「導電部」の一具体例であるアンテナ(言い換えれば、伝送線路)113とを備えている。
基板111は、例えば、GaAs(Gallium Arsenide)基板等の半導体基板である。アンテナ112及びアンテナ113の夫々は、長手方向に延在する形状を有するモノポールアンテナである。アンテナ112及びアンテナ113は、短手方向に沿って並列するように基板111上に配置される。アンテナ112とアンテナ113との間には、数マイクロメートル程度のギャップ(つまり、間隙)114が確保される。従って、アンテナ112及びアンテナ113全体として、ダイポールアンテナを構成する。
ギャップ114には、アンテナ112及びアンテナ113並びにテラヘルツ波発生制御部143を介して、バイアス電圧生成部141から出力されるバイアス電圧が印加されている。有効なバイアス電圧(例えば、0Vでないバイアス電圧)がギャップ114に印加されている状態でポンプ光LB1がギャップ114に照射されると、テラヘルツ波発生素子110には、ポンプ光LB1による光励起によってキャリアが発生する。その結果、テラヘルツ波発生素子110には、発生したキャリアに応じたサブピコ秒オーダーの又はフェムト秒オーダーのパルス状の電流信号が発生する。その結果、テラヘルツ波発生素子110には、当該パルス状の電流信号に起因したテラヘルツ波THzが発生する。
図2(b)に示すように、テラヘルツ波検出素子130もまた、テラヘルツ波発生素子110と同様の構成を有している。つまり、テラヘルツ波検出素子130は、基板131と、「導電部」の一具体例であるアンテナ(言い換えれば、伝送線路)132と、「導電部」の一具体例であるアンテナ(言い換えれば、伝送線路)133とを備えている。基板131、アンテナ132及びアンテナ133は、夫々、基板111、アンテナ112及びアンテナ113と同様の構成を有している。
プローブ光LB2がギャップ134に照射されると、テラヘルツ検出素子130には、プローブ光LB2による光励起によってキャリアが発生する。プローブ光LB2がギャップ134に照射されている状態でテラヘルツ検出素子130にテラヘルツ波THzが照射されると、ギャップ134には、テラヘルツ波THzの光強度に応じた信号強度を有する電流信号が発生する。当該電流信号は、アンテナ132及びアンテナ133を介して、I−V変換部144に出力される。
再び図1において、テラヘルツ波発生素子110から出射したテラヘルツ波THzは、不図示の光学系(例えば、レンズ等)を介して、測定対象物に照射される。測定対象物に照射されたテラヘルツ波THzは、測定対象物からの反射光又は透過光として、不図示の光学系(例えば、レンズ等)を介して、テラヘルツ波検出素子130に入射する。その結果、テラヘルツ波検出素子130からは、テラヘルツ波THzの光強度に応じた信号強度を有する電流信号が出力される。
テラヘルツ波検出素子130から出力される電流信号は、I―V変換部144によって、電圧信号に変換される。その後、演算処理部150は、電圧信号に対して、バイアス電圧を参照信号とする同期検波を行う。その結果、演算処理部150は、テラヘルツ波THzのサンプル値を検出する。その後、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を適宜調整しながら同様の動作が繰り返されることで、演算処理部150は、テラヘルツ波形の時間波形を検出することができる。合わせて、演算処理部150は、検出されたテラヘルツ波形の時間波形をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波の周波数スペクトル(つまり、周波数毎の振幅及び位相)を取得してもよい。更に、演算処理部150は、テラヘルツ波の周波数スペクトルを解析することで、測定対象物の特性を分析してもよい。
ここで、テラヘルツ波発生素子110が長時間継続してテラヘルツ波THzを出射し続けると、テラヘルツ波発生素子110のギャップ114に流れる電流が過度に又は急激に大きくなってしまうという技術的問題が生ずる。ギャップ114に流れる電流が過度に又は急激に大きくなる原因の一つとして、テラヘルツ波発生素子110内で熱的に励起されたキャリアの増加があげられる。従って、第1実施例では、テラヘルツ波発生制御部143は、テラヘルツ波発生素子110における発熱を抑制するために、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。特に、第1実施例では、テラヘルツ波発生制御部143は、バイアス電圧生成部141が生成するバイアス電圧を調整することで、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。
加えて、第1実施例では、テラヘルツ波発生制御部143は、測定区間信号生成部142が生成する測定区間信号に応じて、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。測定区間信号生成部142は、演算処理部150の制御の下で、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出する期間中にハイレベル(或いは、第1レベル)になる一方でテラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出しない期間中にローレベル(或いは、第1レベルとは異なる第2レベル)になる測定区間信号を生成する。テラヘルツ波発生制御部143は、測定区間信号がハイレベルとなる期間中におけるテラヘルツ波THzの光強度よりも、測定区間信号がローレベルとなる期間中におけるテラヘルツ波THzの光強度が小さくなるように、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。
以下、このようなテラヘルツ波THzの光強度の調整(第1実施例では、バイアス電圧の調整によるテラヘルツ波THzの光強度の調整)の態様について更に説明を進める。
尚、上述の説明では、バイアス電圧生成部141、測定区間信号生成部142及びテラヘルツ波発生制御部143が、CPUである演算処理部150から独立した構成要件(例えば、ハードウェア回路)として構成されている。しかしながら、バイアス電圧生成部141、測定区間信号生成部142及びテラヘルツ波発生制御部143は、CPUである演算処理部150の内部にコンピュータプログラムによって実現される論理的な処理ブロックであってもよい。
(1−2)テラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作
続いて、図3から図4を参照しながら、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作について説明を進める。図3は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。図4は、図3に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図3に示すように、測定区間信号生成部142は、現在時刻が、テラヘルツ検出素子130がテラヘルツ波THzの検出を行う測定期間に含まれる時刻であるか否かを判定する(ステップS11)。言い換えれば、測定区間信号生成部142は、現在時刻が、テラヘルツ検出素子130がテラヘルツ波THzの検出を行わない非測定期間に含まれない時刻であるか否かを判定する。
第1実施例では、測定期間は、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差に応じて規定される。また、非測定期間は、測定期間以外の期間である。
一例として、例えば、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化している期間が測定期間となる例について、図4を参照しながら説明する。ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差を調整する際には、再帰反射鏡121は、加減速を繰り返しながら移動する。その結果、図4の1段目のグラフに示すように、再帰反射鏡121の移動速度が固定された期間(例えば、時刻t1から時刻t2の期間及び時刻t3から時刻t4の間の期間)と再帰反射鏡121の移動速度が変化する期間(例えば、時刻t2から時刻t3の期間及び時刻t4から時刻t5の間の期間)とが交互に現れることになる。従って、図4の2段目のグラフに示すように、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間(例えば、時刻t1から時刻t2の期間及び時刻t3から時刻t4の間の期間)と、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が非線形に変化する期間(例えば、時刻t2から時刻t3の期間及び時刻t4から時刻t5の間の期間)とが交互に現れることになる。ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間は、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が非線形に変化する期間と比較して、テラヘルツ波検出素子130はテラヘルツ波THzを検出しやすい。従って、例えば、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間が、測定期間として用いられてもよい。一方で、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が非線形に変化する期間が、非測定期間として用いられてもよい。
但し、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が非線形に変化する期間であっても、当該期間の一部又は全部が、測定期間として用いられてもよい。
尚、演算処理部150から測定区間信号生成部142に対して、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間を直接的に示す制御情報が通知されてもよい。或いは、演算処理部150から測定区間信号生成部142に対して、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間を間接的に示す制御情報(例えば、モータ123の駆動量等)が通知されてもよい。いずれにせよ、測定区間信号生成部142は、演算処理部150から通知される情報を参照することで、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が線形に変化する期間を比較的容易に認識することができる。
再び図3において、ステップS11の判定の結果、現在時刻が、テラヘルツ検出素子130がテラヘルツ波THzの検出を行う測定期間に含まれる時刻であると判定される場合には(ステップS11:Yes)、測定区間信号生成部142は、図4の3段目のグラフに示すように、測定区間信号の信号レベルを、ハイレベルに設定する(ステップS12)。測定区間信号生成部142は、生成した測定区間信号を、適宜、テラヘルツ波発生制御部143に対して出力する。
ハイレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、バイアス電圧生成部141から出力されるバイアス電圧(以降、バイアス電圧生成部141から出力されるバイアス電圧を、適宜“基準電圧”と称する)に対して所定の係数A(但し、Aは1以上の実数)を乗算することで得られる電圧を、バイアス電圧としてテラヘルツ波発生素子110に出力する(ステップS13)。
他方で、ステップS11の判定の結果、現在時刻が、テラヘルツ検出素子130がテラヘルツ波THzの検出を行う非測定期間に含まれる時刻であると判定される場合には(ステップS11:No)、測定区間信号生成部142は、図4の3段目のグラフに示すように、測定区間信号の信号レベルを、ローレベルに設定する(ステップS14)。測定区間信号生成部142は、生成した測定区間信号を、適宜、テラヘルツ波発生制御部143に対して出力する。
ローレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、バイアス電圧生成部141から出力される基準電圧に対して所定の係数B(但し、Bは0以上であって且つ1未満の実数)を乗算することで得られる電圧を、バイアス電圧としてテラヘルツ波発生素子110に出力する(ステップS15)。つまり、第1実施例では、非測定期間中にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧は、測定期間中にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧よりも小さくなっている。言い換えれば、第1実施例では、測定期間中にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧と比較して、非測定期間中にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧が減少している。
以上の動作が、テラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの検出動作が終了するまで繰り返し行われる(ステップS16)。
ここで、バイアス電圧について、図4を参照しながら更に詳細に説明する。図4の4段目のグラフに示すように、バイアス電圧生成部141が交流電圧であるバイアス電圧を生成する場合を例にあげる。
ここで、所定の係数A=1であり且つ所定の係数B=0.5であるとすると、図4の5段目のグラフに示すように、測定期間には、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧がそのままテラヘルツ波発生素子110に対して出力される。その一方で、図4の5段目のグラフに示すように、非測定期間には、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧の電圧値が半分に減少された上でテラヘルツ波発生素子110に対して出力される。
或いは、所定の係数A=1であり且つ所定の係数B=0であるとすると、図4の5段目のグラフに示すように、測定期間には、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧がそのままテラヘルツ波発生素子110に対して出力される。その一方で、図4の6段目のグラフに示すように、非測定期間には、バイアス電圧がテラヘルツ波発生素子110に対して出力されない。
以上説明したように、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100では、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧は、測定期間にテラヘルツ波発生素子110に対して出力されるバイアス電圧よりも小さい。このため、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度は、測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度よりも小さくなる。このため、非測定期間には、相対的に光強度が大きいテラヘルツ波THzを出射している測定期間と比較して、テラヘルツ波THzの出射に伴うテラヘルツ波発生素子110の発熱が抑制される。言い換えれば、非測定期間には、測定期間と比較して、テラヘルツ波発生素子110の冷却又は放熱が促進される。従って、非測定期間には、測定期間と比較して、テラヘルツ波発生素子110内で熱的に励起されたキャリアの増加が抑制される。このため、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ波THzの光強度が意図的に減少することがない比較例のテラヘルツ波計測装置と比較して、テラヘルツ波発生素子110のギャップ114を流れる電流の急激な増加を抑制することができる。
その一方で、測定期間には、テラヘルツ波発生素子110は、相対的に光強度が大きいテラヘルツ波THzを出射する。つまり、テラヘルツ波THzを用いた測定対象物の特性の分析に影響を与えかねないテラヘルツ波THzの光強度の減少は、テラヘルツ検出素子130がテラヘルツ波THzを検出しない非測定期間に行われる。従って、非測定期間にテラヘルツ波THzの光強度が小さくなったとしても、テラヘルツ波THzを用いた測定対象物の特性の分析が好適に行われることに変わりはない。
更には、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100では、冷却機構又は放熱機構という新たな物理的構造物を用いることなく、テラヘルツ波THzの発生に伴うテラヘルツ波発生素子110の発熱が抑制される。従って、テラヘルツ波計測装置100のサイズ及びコストの増大を抑制しながら、テラヘルツ波発生素子110の冷却又は放熱が促進される。
尚、上述の説明では、バイアス電圧が交流電圧である例を用いて説明を進めた。しかしながら、バイアス電圧は直流電圧であってもよい。以下、図5を参照しながら、バイアス電圧が直流電圧である場合のバイアス電圧の波形について説明する。図5は、バイアス電圧が直流電圧である状況下で図3に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図5の3段目のグラフに示すように、測定区間信号生成部142は、バイアス電圧が直流電圧である場合であっても、バイアス電圧が交流電圧である場合と同様に、測定区間信号を生成する。
また、図5の4段目のグラフに示すように、バイアス電圧生成部141が、直流電圧であるバイアス電圧を生成するとする。このようなバイアス電圧に対して所定の係数A=1であり且つ所定の係数B=0.5である調整動作が行われると、テラヘルツ波発生素子110には、図5の5段目のグラフに示すバイアス電圧が出力される。或いは、所定の係数A=1であり且つ所定の係数B=0である調整動作が行われると、テラヘルツ波発生素子110には、図5の6段目のグラフに示すバイアス電圧が出力される。
従って、バイアス電圧が直流電圧である場合であっても、バイアス電圧が交流電圧である場合に享受される効果と同様の効果が好適に享受される。
尚、バイアス電圧が直流電圧である場合には、演算処理部150における同期検波が行われなくともよい。言い換えれば、演算処理部150が同期検波を行わない場合には、バイアス電圧が直流電圧でもよいがゆえに、図5に示す態様でバイアス電圧の調整が行われてもよい。
(2)第2実施例
続いて、図6及び図7を参照しながら、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200について説明する。図6は、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200が備える光遅延器220の構成を示す平面図である。図7は、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200が図3に示す調整動作を行った場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器220によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
尚、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と比較して、光遅延器220の構成が異なるという点において異なっている。第2実施例のテラヘルツ波計測装置200のその他の構成要素は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100のその他の構成要素と同一である。従って、以下では、光遅延器200に着目した説明を進める。
図6に示すように、第2実施例の光遅延器220は、不図示のモータ123の動作により回転可能な回転基板221と、複数の(図6では、4つの)再帰反射鏡121を備えている。複数の再帰反射鏡121は、回転基板221の回転軸を中心とする円C上に、等間隔に配置されている。従って、複数の再帰反射鏡121の夫々は、回転基板221の回転に伴って、円C上を周回する。
このような光遅延器220を備えるテラヘルツ波計測装置200では、例えば、図7の1段目のグラフに示すように、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が変化している期間が測定期間となってもよい。言い換えれば、ポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差が変化していない期間が非測定期間となってもよい。
ここで、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と同様に、図3に示す態様でテラヘルツ波THzの光強度の調整動作を行う。つまり、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200が備える測定区間信号生成部142は、図7の2段目のグラフに示す測定区間信号を生成する(図3のステップS12及びステップS14)。更に、第2実施例のテラヘルツ波計測装置200が備えるテラヘルツ波発生制御部143は、図7の2段目のグラフに示す測定区間信号に基づいて、図7の4段目又は5段目のグラフに示すバイアス電圧をテラヘルツ波発生素子110に出力する(図3のステップS13又はステップS15)。
このような第2実施例のテラヘルツ波計測装置200であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。加えて、第2実施例では、第1実施例と比較して、図7の2段目のグラフに示すように、測定区間信号がローレベルになる期間が相対的に長くなる。従って、第2実施例では、第1実施例と比較して、テラヘルツ波THzの出射に伴うテラヘルツ波発生素子110の発熱がより一層抑制される。言い換えれば、第2実施例では、第1実施例と比較して、テラヘルツ波発生素子110の冷却又は放熱がより一層促進される。このため、第2実施例では、第1実施例と比較して、テラヘルツ波発生素子110のギャップ114を流れる電流の急激な増加をより一層抑制することができる。
尚、以下に説明する第3実施例から第6実施例においても、光遅延器120に加えて又は代えて、第2実施例の光遅延器220が用いられてもよい。
(3)第3実施例
続いて、図8から図10を参照しながら、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300について説明する。尚、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と同一の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付することで、それらの詳細な説明を省略する。
(3−1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図8を参照しながら、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300の構成について説明する。図8は、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300は、テラヘルツ波発生制御部343の配置位置及び動作が第1実施例のテラヘルツ波発生制御部143の配置位置及び動作と異なるという点において、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と異なる。第3実施例のテラヘルツ波計測装置300のその他の構成は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100のその他の構成と同一であってもよい。
具体的には、第3実施例では、テラヘルツ波発生制御部343は、パルスレーザ装置101に出力される駆動電流を測定区間信号に基づいて調整することで、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。更に、第3実施例では、バイアス電圧生成部141は、テラヘルツ波発生制御部343を介することなく、バイアス電圧をテラヘルツ発生素子110に出力する。つまり、テラヘルツ発生素子110には、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧が調整されることなく(言い換えれば、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧がそのまま)出力される。
以下、このようなテラヘルツ波THzの光強度の調整(第3実施例では、駆動電流の調整によるテラヘルツ波THzの光強度の調整)の態様について更に説明を進める。
(3−2)テラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作
続いて、図9から図10を参照しながら、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作について説明を進める。図9は、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。図10は、図9に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号、駆動電流及びパルスレーザ光LBの平均光強度の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図9に示すように、第3実施例においても、第1実施例と同様に、測定区間信号生成部142は、測定区間信号を生成する(ステップS11、ステップS12及びステップS14)。
その後、ハイレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、基準電流に対して所定の係数C(但し、Cは1以上の実数)を乗算することで得られる電流を、駆動電流としてパルスレーザ装置101に出力する(ステップS33)。
一方で、ローレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、基準電流に対して所定の係数D(但し、Dは0以上であって且つ1未満の実数)を乗算することで得られる電流を、駆動電流としてパルスレーザ装置101に出力する(ステップS35)。つまり、第3実施例では、非測定期間中にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流は、測定期間中にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流よりも小さくなっている。言い換えれば、第3実施例では、測定期間中にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流と比較して、非測定期間中にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流が減少している。
以上の動作が、テラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの検出動作が終了するまで繰り返し行われる(ステップS16)。
ここで、駆動電流及びパルスレーザ光LBの平均光強度について、図10を参照しながら更に詳細に説明する。
図10の4段目のグラフに示す基準電流(例えば、直流電流)に対して所定の係数C=1であり且つ所定の係数D=0.5である調整動作が行われるとする。この場合、図10の5段目のグラフに示すように、測定期間には、相対的に大きな(言い換えれば、非測定期間における駆動電流よりも大きな)駆動電流がパルスレーザ装置101に対して出力される。その結果、図10の6段目のグラフに示すように、測定期間には、パルスレーザ装置101は、相対的に大きな(言い換えれば、非測定期間に生成されるパルスレーザ光LBの平均光強度よりも大きな)平均光強度を有するパルスレーザ光LBを生成する。その一方で、図10の5段目のグラフに示すように、非測定期間には、相対的に小さな(言い換えれば、測定期間における駆動電流よりも小さな)駆動電流がパルスレーザ装置101に対して出力される。その結果、図10の6段目のグラフに示すように、非測定期間には、パルスレーザ装置101は、相対的に小さな(言い換えれば、測定期間に生成されるパルスレーザ光LBの平均光強度よりも小さな)平均光強度を有するパルスレーザ光LBを生成する。
或いは、図10の4段目のグラフに示す基準電流(例えば、直流電流)に対して所定の係数C=1であり且つ所定の係数D=0である調整動作が行われるとする。この場合、図10の7段目のグラフに示すように、測定期間には、基準電流と一致する駆動電流がパルスレーザ装置101に対して出力される。その結果、図10の8段目のグラフに示すように、測定期間には、パルスレーザ装置101は、基準電流に応じた平均光強度を有するパルスレーザ光LBを生成する。その一方で、図10の7段目のグラフに示すように、非測定期間には、駆動電流がパルスレーザ装置101に対して出力されることはない。その結果、図10の6段目のグラフに示すように、非測定期間には、パルスレーザ装置101は、パルスレーザ光LBを生成しない。
以上説明したように、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300では、非測定期間にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流は、測定期間にパルスレーザ装置101に対して出力される駆動電流よりも小さくなっている。従って、非測定期間にパルスレーザ装置101が出力するパルスレーザ光LBの平均光強度は、測定期間にパルスレーザ装置101が出力するパルスレーザ光LBの平均光強度よりも小さくなる。従って、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110に照射されるポンプ光LB1の光強度もまた、測定期間にテラヘルツ波発生素子110に照射されるポンプ光LB1の光強度よりも小さくなる。このため、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度は、測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度よりも小さくなる。このため、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。
(4)第4実施例
続いて、図11から図13を参照しながら、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400について説明する。尚、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と同一の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付することで、それらの詳細な説明を省略する。
(4−1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図11を参照しながら、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400の構成について説明する。図11は、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400は、テラヘルツ波発生制御部443の配置位置及び動作が第1実施例のテラヘルツ波発生制御部143の配置位置及び動作と異なるという点において、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と異なる。加えて、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400は、ビームスプリッタ161とテラヘルツ波発生素子110との間の光路(つまり、ポンプ光LB1の光路)上に光シャッタ401を備えているという点において、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と異なる。第4実施例のテラヘルツ波計測装置400のその他の構成は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100のその他の構成と同一であってもよい。
光シャッタ401は、当該光シャッタ401によって遮断されるポンプ光LB1の光量を調整可能なシャッタである。言い換えれば、光シャッタ401は、当該光シャッタ401を透過するポンプ光LB1の光量を調整可能なシャッタである。このような光シャッタ401として、例えば、メカニカルシャッタや液晶シャッタ等が一例としてあげられる。
第4実施例では、テラヘルツ波発生制御部443は、光シャッタ401によるポンプ光LB1の遮断量を測定区間信号に基づいて調整することで、テラヘルツ波発生素子120が発生するテラヘルツ波THzの光強度を適宜調整する。更に、第4実施例では、バイアス電圧生成部141は、テラヘルツ波発生制御部343を介することなく、バイアス電圧をテラヘルツ発生素子110に出力する。つまり、テラヘルツ発生素子110には、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧が調整されることなく(言い換えれば、バイアス電圧生成部141が生成したバイアス電圧がそのまま)出力される。
以下、このようなテラヘルツ波THzの光強度の調整(第4実施例では、ポンプ光LB1の遮断量の調整によるテラヘルツ波THzの光強度の調整)の態様について更に説明を進める。
(4−2)テラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作
続いて、図12から図13を参照しながら、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作について説明を進める。図12は、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。図13は、図12に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びポンプ光LB1の平均光強度の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図12に示すように、第4実施例においても、第1実施例と同様に、測定区間信号生成部142は、測定区間信号を生成する(ステップS11、ステップS12及びステップS14)。
その後、ハイレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、光シャッタ401の遮断量をEに設定する(ステップS43)。一方で、ローレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、光シャッタ401の遮断量をF(但し、Fは、Eよりも多い遮断量)に設定する(ステップS45)。つまり、第4実施例では、非測定期間中に光シャッタ401に遮断されるポンプ光LB1の光量は、測定期間中に光シャッタ401に遮断されるポンプ光LB1の光量よりも多くなっている。言い換えれば、第4実施例では、測定期間中に光シャッタ401に遮断されるポンプ光LB1の光量と比較して、非測定期間中に光シャッタ401に遮断されるポンプ光LB1の光量が増加している。
以上の動作が、テラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの検出動作が終了するまで繰り返し行われる(ステップS16)。
ここで、ポンプ光LB1の平均光強度について、図13を参照しながら更に詳細に説明する。
図13の4段目のグラフに示す光強度を有する(つまり、遮断前には一定の光強度を有する)ポンプ光LB1に対して、測定期間中の遮断量が0%であり且つ非測定期間中の遮断量が50%である調整動作が行われるとする。つまり、測定期間中にはポンプ光LB1が遮断されることがない一方で非測定期間中にはポンプ光LB1の光量の半分が遮断される調整動作が行われるとする。この場合、図13の5段目のグラフに示すように、測定期間には、テラヘルツ波発生素子110には、相対的に大きな(つまり、非測定期間に照射されるポンプ光LB1の光強度よりも大きな)光強度を有するポンプ光LB1が照射される。その一方で、図13の5段目のグラフに示すように、非測定期間には、テラヘルツ波発生素子110には、相対的に小さな(つまり、測定期間に照射されるポンプ光LB1の光強度よりも小さな)光強度を有するポンプ光LB1が照射される。
或いは、図13の4段目のグラフに示す光強度を有する(つまり、遮断前には一定の光強度を有する)ポンプ光LB1に対して、測定期間中の遮断量が0%であり且つ非測定期間中の遮断量が100%である調整動作が行われるとする。つまり、測定期間中にはポンプ光LB1が遮断されることがない一方で非測定期間中にはポンプ光LB1の光量の全てが遮断される調整動作が行われるとする。この場合、図13の6段目のグラフに示すように、測定期間には、テラヘルツ波発生素子110には、ビームスプリッタ161で分岐されたポンプ光LB1がそのまま照射される。その一方で、図13の6段目のグラフに示すように、非測定期間には、テラヘルツ波発生素子110には、ポンプ光LB1が照射されない。
以上説明したように、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400では、非測定期間に光シャッタ401が遮断するポンプ光LB1の光量は、非測定期間に光シャッタ401が遮断するポンプ光LB1の光量よりも多くなっている。従って、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110に照射されるポンプ光LB1の光強度は、測定期間にテラヘルツ波発生素子110に照射されるポンプ光LB1の光強度よりも小さくなる。このため、非測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度は、測定期間にテラヘルツ波発生素子110から出射されるテラヘルツ波THzの光強度よりも小さくなる。このため、第4実施例のテラヘルツ波計測装置400であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。
(5)第5実施例
続いて、図14から図16を参照しながら、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500について説明する。尚、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と同一の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付することで、それらの詳細な説明を省略する。
(5−1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図14を参照しながら、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500の構成について説明する。図14は、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500の構成を示すブロック図である。
図14に示すように、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500は、テラヘルツ波発生制御部543が、テラヘルツ波発生素子110に出力されるバイアス電圧を測定区間信号に基づいて調整することに加えて、パルスレーザ光素子101に出力される駆動電流を測定区間信号に基づいて調整するという点において、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と異なる。つまり、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100及び第3実施例のテラヘルツ波計測装置300を組み合わせた構成を有している。第5実施例のテラヘルツ波計測装置500のその他の構成は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100及び第3実施例のテラヘルツ波計測装置300のその他の構成と同一であってもよい。
(5−2)テラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作
続いて、図15から図16を参照しながら、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作について説明を進める。図15は、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。図16は、図15に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号、バイアス電圧、駆動電流及びパルスレーザ光LBの平均光強度の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図15に示すように、第5実施例においても、第1実施例と同様に、測定区間信号生成部142は、測定区間信号を生成する(ステップS11、ステップS12及びステップS14)。
その後、ハイレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部543は、バイアス電圧生成部141から出力される基準電圧に対して所定の係数A(但し、Aは1以上の実数)を乗算することで得られる電圧を、バイアス電圧としてテラヘルツ波発生素子110に出力する(ステップS13)。更に、ハイレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、基準電流に対して所定の係数C(但し、Cは1以上の実数)を乗算することで得られる電流を、駆動電流としてパルスレーザ装置101に出力する(ステップS33)。
一方で、ローレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、バイアス電圧生成部141から出力される基準電圧に対して所定の係数B(但し、Bは0以上であって且つ1未満の実数)を乗算することで得られる電圧を、バイアス電圧としてテラヘルツ波発生素子110に出力する(ステップS15)。更に、ローレベルの測定区間信号が入力されたテラヘルツ波発生制御部143は、基準電流に対して所定の係数D(但し、Dは0以上であって且つ1未満の実数)を乗算することで得られる電流を、駆動電流としてパルスレーザ装置101に出力する(ステップS35)。
以上の動作が、テラヘルツ波計測装置100によるテラヘルツ波THzの検出動作が終了するまで繰り返し行われる(ステップS16)。
尚、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作が行われた場合には、バイアス電圧は、図16の5段目のグラフに示す態様で調整される(但し、図16の5段目のグラフは、所定の係数A=1であり且つ所定の係数B=0である場合の例を示す)。尚、図16に示すバイアス電圧の調整の態様は、図4の6段目のグラフに示す第1実施例でのバイアス電圧の調整の態様と同一である。また、駆動電流は、図16の6段目のグラフに示す態様で調整される(但し、図16の6段目のグラフは、所定の係数C=1であり且つ所定の係数D=0である場合の例を示す)。その結果、パルスレーザ装置101が生成するパルスレーザ光LBの平均光強度は、図16の7段目のグラフに示す態様で調整される。尚、図16に示す駆動電流及びパルスレーザ光LBの平均光強度の調整の態様は、図10の7段目及び8段目のグラフに示す第3実施例での駆動電流及びパルスレーザ光LBの平均光強度の調整の態様と同一である。
このような第5実施例のテラヘルツ波計測装置500であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100や第3実施例のテラヘルツ波計測装置300が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、第5実施例のテラヘルツ波計測装置500は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100及び第3実施例のテラヘルツ波計測装置300の組み合わせに相当する。一方で、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100及び第4実施例のテラヘルツ波計測装置400の組み合わせに相当するテラヘルツ波計測装置であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100や第4実施例のテラヘルツ波計測装置400が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。或いは、第3実施例のテラヘルツ波計測装置100及び第4実施例のテラヘルツ波計測装置400の組み合わせに相当するテラヘルツ波計測装置であっても、第3実施例のテラヘルツ波計測装置300や第4実施例のテラヘルツ波計測装置400が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。
(6)第6実施例
続いて、図17から図19を参照しながら、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600について説明する。尚、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と同一の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付することで、それらの詳細な説明を省略する。
(6−1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図17を参照しながら、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600の構成について説明する。図17は、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600は、テラヘルツ波発生素子110と測定対象物との間にチョッパ601を備えているという点において、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100と異なる。第3実施例のテラヘルツ波計測装置300のその他の構成は、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100のその他の構成と同一であってもよい。
チョッパ601は、演算処理部150から出力されるチョッパ制御信号に応じて、テラヘルツ波発生素子110から出射したテラヘルツ波THzの透過及び遮断を交互に且つ繰り返し行う。
尚、第6実施例では、チョッパ601によってテラヘルツ波THzが変調されるがゆえに、テラヘルツ波発生素子110に出力されるバイアス電圧は、直流電圧であってもよい(言い換えれば、交流電圧でなくともよい)。更に、第6実施例では、演算処理部150が同期検波を行う場合には、バイアス電圧に応じた信号を参照信号として用いることに加えて又は代えて、チョッパ制御信号(或いは、当該チョッパ制御信号に同期した信号)を参照信号として用いることが好ましい。
(6−2)テラヘルツ波計測装置によるテラヘルツ波の光強度の調整動作
続いて、図18から図19を参照しながら、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作について説明を進める。図18は、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の流れを示すフローチャートである。図19は、図18に示す調整動作が行われた場合に観測される測定区間信号及びバイアス電圧の波形を、光遅延器120によって設定されたポンプ光LB1の光路とプローブ光LB2の光路との間の光路長差と共に示すグラフである。
図18に示すように、第6実施例では、第1実施例と同一の態様で、テラヘルツ波THzの光強度の調整動作が行われる(ステップS11からステップS16)。従って、第6実施例のテラヘルツ波計測装置600によるテラヘルツ波THzの光強度の調整動作の説明は省略する。
また、図19に示すように、バイアス電圧もまた、第1実施例と同様の態様(図5に示す、バイアス電圧が直流電圧である場合の例参照)で調整される。尚、図19の7段目のグラフには、チョッパ601で変調された後のテラヘルツ波THzの波形が示されている。
このような第6実施例のテラヘルツ波計測装置600であっても、第1実施例のテラヘルツ波計測装置100が享受することができる効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した第2実施例から第5実施例においても、第6実施例に説明したチョッパ601が用いられてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うテラヘルツ波計測装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
100、200、300、400、500、600 テラヘルツ波計測装置
101 パルスレーザ装置
110 テラヘルツ波発生素子
120、220 光遅延器
121 再帰反射鏡
122 送りネジ機構
123 モータ
130 テラヘルツ波検出素子
141 バイアス電圧生成部
142 測定区間信号生成部
143、343、443、543 テラヘルツ波発生制御部
144 I−V変換部
150 演算処理部
161 ビームスプリッタ
162、163 反射鏡
401 光シャッタ
601 チョッパ
LB パルスレーザ光
LB1 ポンプ光
LB2 プローブ光
THz テラヘルツ波

Claims (12)

  1. 第1レーザ光が照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、
    第2レーザ光が照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、
    前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段と、
    前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記検出期間以外の期間である非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御手段と
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波計測装置。
  2. 前記制御手段は、前記非検出期間には、前記発生手段に前記テラヘルツ波を発生させないことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波計測装置。
  3. 前記発生手段は、間にギャップ部を挟み込むと共にバイアス電圧が印加される2つの導電部を備えており、
    前記制御手段は、前記検出期間に印加される前記バイアス電圧と比較して、前記非検出期間に印加される前記バイアス電圧を減少させることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波計測装置。
  4. 前記制御手段は、前記検出期間に前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度と比較して、前記非検出期間に前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度を減少させることを特徴とする請求項1又は3に記載のテラヘルツ波計測装置。
  5. 駆動電流に応じて前記第1レーザ光を発生する光源手段を更に備えており、
    前記制御手段は、前記検出期間における前記駆動電流と比較して、前記非検出期間における前記駆動電流を減少させることを特徴とする請求項4に記載のテラヘルツ波計測装置。
  6. 前記発生手段に向かう前記第1レーザ光の光路上に配置されると共に、前記第1レーザ光の一部又は全部の伝搬を遮断する遮断手段を更に備えており、
    前記制御手段は、前記検出期間における前記遮断手段による前記第1レーザ光の遮断量と比較して、前記非検出期間における前記遮断手段による前記第1レーザ光の遮断量を増加させることを特徴とする請求項4又は5に記載のテラヘルツ波計測装置。
  7. 前記発生手段は、間にギャップ部を挟み込むと共にバイアス電圧が印加される2つの導電部を備えており、
    前記制御手段は、前記非検出期間に印加される前記バイアス電圧をゼロに設定することを特徴とする請求項2に記載のテラヘルツ波計測装置。
  8. 前記制御手段は、前記非検出期間には、前記発生手段に照射される前記第1レーザ光の光強度をゼロに設定することを特徴とする請求項2又は7に記載のテラヘルツ波計測装置。
  9. 駆動電流に応じて前記第1レーザ光を発生する光源手段を更に備えており、
    前記制御手段は、前記非検出期間には、前記駆動電流をゼロに設定することを特徴とする請求項8に記載のテラヘルツ波計測装置。
  10. 前記発生手段に向かう前記第1レーザ光の光路上に配置されると共に、前記第1レーザ光の一部又は全部の伝搬を遮断する遮断手段を更に備えており、
    前記制御手段は、前記非検出期間には、前記遮断手段に前記第1レーザ光の全部の伝搬を遮断させることを特徴とする請求項8又は9に記載のテラヘルツ波計測装置。
  11. 前記検出期間は、前記調整手段が前記光路長差の変動率が線形に変化するように前記光路長を調整している期間を含む期間であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
  12. 第1レーザ光が照射されることで、テラヘルツ波を発生する発生手段と、
    第2レーザ光が照射されることで、前記発生手段から計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、
    前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との間の光路長差を調整する調整手段と
    を備えるテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波計測方法であって、
    前記検出手段が前記テラヘルツ波を検出する検出期間であって且つ前記調整手段が調整する前記光路長差に応じて定まる検出期間以外の期間である非検出期間を設定する設定工程と、
    前記検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度と比較して、前記非検出期間に前記発生手段が発生する前記テラヘルツ波の光強度を減少させる制御工程と
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波計測方法。
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