JP2014105405A - 高深色ポリエステル混繊糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】極細繊維が奏するスエードタッチの風合いを有しながら、繊維表面に微細孔を形成し品位を保ちつつ濃色に染色することが可能な混繊糸を提供する。
【解決手段】単糸0.1〜1dtexのポリエステル繊維A(A)と、該ポリエステル繊維Aより沸水収縮率の大きいポリエステルB(B)が混繊されたポリエステル混繊糸であって、該ポリエステル繊維Aを構成するポリエステルが、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主とするジオール成分からエステル化反応を行ってオリゴマーを生成する工程と、該オリゴマーを重縮合反応させる工程を含む製造工程によって製造されたものであり、かつ該ポリエステルには、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種以上の金属化合物が、ジカルボン酸成分に対して0.5〜2.0モル%となる量、及びリン化合物が特定量含まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、極細繊維が奏するスエードタッチの風合いを有しながら、濃色に染色することが可能な混繊糸に関するものである。さらに詳しくは、その繊維表面に微細溝を形成させることにより、染色後に優れた深みと鮮明性を発現可能な品質面にも優れたポリエステル混繊糸に関するものである。
ポリエステルは多くの優れた特性を有するため、合成繊維として広く使用されている。また、品位に優れた緻密できめ細かなタッチやドレープ性に優れた布帛が上市され、そのような布帛を得るために細繊度繊維が多用されている。細繊度繊維を得る方法として、海島型断面や分割型断面の複合繊維を用い、単糸繊度を0.6dtex未満とした極細繊維を得る方法が知られており、スエードタッチの独特の風合いが市場に受け入れられている。
しかしながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹のごとき天然繊維、レーヨン、アセテート、アクリル系繊維に比較して、染料にて染色した際に色の深みが無く、発色性・鮮明性に劣るという欠点がある。繊維を極細化すると表面積での乱反射によりさらに濃色とすることが困難となり、この欠点を解消すべく、染料の改善はポリエステルの化学的改質が試みられてきたが、いずれも十分な効果は得られなかった。
このような問題を解消する為、例えば特許文献1では、単繊維繊度が0.6dtex以上のポリエステル繊維中に結晶化抑制剤を含ませることにより、極細ポリエステル繊維の風合いと濃色性とを両立させることが提案されている。しかるに、かかる繊維を用いて得られた布帛では、ある程度のソフトでかつヌメリ感のある風合いが得られるものの、スエード調のピーチタッチな風合いとまでは言えないものであった。
また、風合い面と濃色性を両立させる為、例えば特許文献2では単糸繊度を1.0dtex以下とし、特定のアルカリ土類金属化合物と含金属リン化合物を有したポリエステルを用い、表面にボイドを形成した鞘糸からなる混繊糸および布帛が提案されている。これによりピーチタッチな風合いを有する濃色染色可能な繊維や布帛は得られるものの、ボイドを形成するためのアルカリ減量の制御が難しく、工程管理上が煩雑になるなどの問題を有していた。
繊維表面に凹凸を形成する方法としては、例えば特許文献3では、ポリエステル合成反応が完了する前の段階で、特定のリン化合物と、アルカリ土類金属とを添加し、しかる後にポリエステルの合成を完了し、得られたポリエステルを溶融紡糸した後にアルカリ減量処理する事により微細孔を有する合成繊維の製造方法が提案されている。この方法によれば優れた色の深みを有するポリエステル繊維を得る事ができる。
本方法によれば、反応中に不活性粒子をポリエステル中に均一な超微粒子分散状態で生成しせしめることができる。しかしながら、本方法は酸成分として有機カルボン酸エステルを用いた、いわゆるエステル交換反応法において非常に有効である一方、近年主流となっているジカルボン酸を原料として使用する直接エステル化反応法では、リン化合物を該リン化合物の溶解性が非常に低いオリゴマー内に添加するため、添加時にリン化合物が反応系内で析出してしまい、スケール状の粗大粒子を多量に生成する。このため、溶融紡糸等の成形加工を行う事ができず、このような組成物はいわゆる有機カルボン酸エステルを原料として製造するしかないのが実情であった。
これらの問題を解決するため、例えば特許文献4〜5では、添加条件を調整して析出量を低減させる方法が提案されている。しかしながら本方法によっても析出物を完全に抑制することは困難であり、また、溶解性改善のために反応の途中で多量にエチレングリコールを添加する必要があるために反応時間が長くなるなどの問題や、特に単糸1dtex以下の細繊度繊維においては微細孔の形成状態が色相に影響を及ぼしやすい為、アルカリ減量の制御が必要であるなどの問題を有していた。
これらの課題を解決するために特許文献6では特定のリン化合物とアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属とを添加するポリエステル組成物の製造方法が提案されている。しかしながらこの方法においても、特に細繊度の繊維においてはさらに条件を規定する必要があり、この方法で得られた組成物を繊維化するのみでは十分な色相の深みと鮮明性は得られないという問題があった。
特開2002−161447号公報 特開2006−124880号公報 特開昭58−104215号公報 特開平01−068568号公報 特開平05−132855号公報 特開2011−063646号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、極細繊維が奏するスエードタッチの風合いを有しながら、繊維表面に微細孔を形成し品位を保ちつつ濃色に染色することが可能な混繊糸を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、単糸0.1〜1dtexのポリエステル繊維Aと、該ポリエステル繊維Aより沸水収縮率の大きいポリエステルBが混繊されたポリエステル混繊糸であって、該ポリエステル繊維Aを構成するポリエステルが、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主とするジオール成分からエステル化反応を行ってオリゴマーを生成する工程と、該オリゴマーを重縮合反応させる工程を含む製造工程によって製造されたものであり、かつ該ポリエステルには、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種以上の金属化合物が、ジカルボン酸成分に対して0.5〜2.0モル%となる量、及び下記化学式(I)で表されるリン化合物が下記式(1)を満足する量含まれていることを特徴とする高深色ポリエステル混繊糸が提供される。
Figure 2014105405
上記化学式(I)中、Arは未置換もしくは置換された6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子、OH基、OR基を表す。Rは未置換もしくは置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。
0.80<P/M≦2.0 ・・・・(1)
上記式(1)中、Pはリン化合物のモル量を表し、Mはアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のモル量を表す。
本発明によれば、特異な微細溝を細繊度の繊維においても安定して形成させることができる為、染色した際に改善された色の深みと鮮明性を有し、かつスエードタッチな風合いも併せ持つ布帛とすることが可能な高深色ポリエステル混繊糸を提供することができる。
本発明で使用する高深色ポリエステル繊維表面に存在する、凹部の個数の測定方法を説明するための模式図である。 本発明の混繊糸を製造するための装置の概略を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明のポリエステル混繊糸は、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bからなる。
ポリエステル繊維Aを構成するポリエステルにおいて使用されるジカルボン酸は、テレフタル酸が主に用いられるが、物性を失わない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。テレフタル酸以外の成分としては、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを挙げることができるが、得られるポリエステル組成物の基本品質を維持するためには、該ジカルボン酸成分の80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上はテレフタル酸であることが好ましい。
本発明において使用されるジオール成分としては、エチレングリコールが主に用いられるが、物性を失わない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。エチレングリコール以外の成分としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチレングリコール)、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールプロピオン酸、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等を挙げることができる。得られるポリエステル組成物の基本品質を維持するためには、該ジオール成分の80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上はエチレングリコールであることが好ましい。
なお、本発明におけるポリエステルにはトリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸、グリセリン、ペンタエリトリトール、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどの多価ヒドロキシ化合物を、本発明の目的を達成する範囲内であれば、該酸成分の1モル%以内で共重合してもよい。
テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主とするジオール成分からエステル化反応を行いオリゴマーを生成する工程を、本発明のポリエステル組成物の製造方法においては包含する。ここで、オリゴマーとはジカルボン酸成分、ジオール成分がそれぞれテレフタル酸、エチレングリコールの場合にはビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの他、一分子内にエチレンテレフタレートの繰り返し単位を2以上含み、いまだポリエチレンテレフタレートと呼べるほど固有粘度・分子量・重合度が上がっておらず、末端がカルボキシル基またはヒドロキシエチル基である化合物を表す。そのようなオリゴマーが生成するまでエステル化反応を行う。エステル化反応の反応率は生成する水の量を測定することによって検知することができる。
本発明におけるポリエステル組成物は、固有粘度が0.60dL/g以上であることが好ましい。固有粘度が0.60dL/g未満であると、当該ポリエステルを溶融紡糸して得られる繊維成形物の物性が低下するようになり実用性に乏しい。固有粘度の上限は特に限定する必要はないが、ポリエステル組成物の製造のしやすさや、それより得られる繊維成形物の成形のしやすさから、1.2dL/g以下とするのが好ましい。ポリエステルの重縮合条件を適宜調整することによって、固有粘度がこの値の範囲内にあるポリエステル組成物を製造することができる。
本発明のポリエステル組成物は、下記一般式(I)で表されるリン化合物と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を、あらかじめ反応させることなく、個別にポリエステル組成物製造段階に添加し、ポリエステル組成物の合成反応中にアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とリン化合物が反応することで形成される微粒子を含有することが好ましい。これを反応槽内部で反応することによって形成される微粒子であることから、以下「内部析出粒子」と称することがある。
Figure 2014105405
上記化学式(I)中、Arは未置換もしくは置換された6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子、OH基、OR基を表す。Rは未置換もしくは置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。
本発明にかかるアルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素に関しては、Li,Na,Mg,Ca,Sr,Baが好ましく、特にCa,Sr,Baが好ましく用いられる。そのなかでもCaが最も好ましく用いられる。また、本発明にかかるアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物としては、上記リン化合物と反応して含金属リン化合物を形成するものであれば特に限定されない。具体的には、有機カルボン酸との塩が好ましく、なかでも酢酸塩は反応により副生する酢酸を容易に除去できるので、特に好ましく用いられる。前記アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物は1種のみに単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
上記アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は、溶媒に溶解させた状態で使用されることが望ましい。このときの溶媒としては、公知の溶媒から適切なものを選択することができるが、対象のポリエステルの原料として使用するグリコールを使用することが最も好ましい。すなわち本発明においては上記の説明から明らかなようにエチレングリコールを用いることである。
上記のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は、上述のジカルボン酸成分に対して、0.5〜2.0モル%の範囲で含有するように添加する必要がある。添加量が0.5モル%未満では、後述するリン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から形成される粒子量が減少するため、得られるポリエステル組成物を溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となり、十分な鮮明性を発現できない。一方、2.0モル%を越えると、これらのリン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から形成される粒子が粗大な粒子を形成するため、得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となるうえ、溶融紡糸工程での製糸性を著しく悪化させるため好ましくない。これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加量は、金属元素換算として0.8〜1.5モル%の範囲が好ましい。
上記のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のポリエステル組成物の製造工程中への添加時期は、エステル化反応工程、重縮合反応工程の中の任意の段階を選択することができるが、エステル化反応及び重縮合反応へ及ぼす影響から、エステル化反応中、若しくはエステル化反応終了後、重縮合反応開始の前半(30分以内)で添加することが望ましい。
本発明にかかるリン化合物に関しては、下記化学式(I)で表される化合物である必要がある。
Figure 2014105405
上記化学式(I)中、Arは未置換もしくは置換された6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子、OH基、OR基を表す。Rは未置換もしくは置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。
R2で示される官能基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ジメチルフェニル基等を挙げることができる。更にこれらの炭化水素基中の1または2以上の水素原子がカルボキシル基、エステル基、ハロゲン基、アルキルオキシ基等に置換されていても良い。
Arで示される官能基としてはフェニル基、モノ−(ジ−又はトリ−)ハロゲン化フェニル基、メトキシフェニル基、モノ−(ジ−又はトリ−)カルボキシフェニル基、1−(2−)ナフチル基、モノ−(ジ−又はトリ−)ハロゲン化−1−(2−)ナフチル基、1−(2−、又は、9−)アントラニル基、4−(2−、又は、3−)ビフェニル基を挙げることができる。
このような化学式(I)の化合物としては、例えばフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ノルマルプロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸が例示されるが、中でもフェニルホスホン酸がもっとも好ましく用いられる。
上記のリン化合物は溶媒に溶解させた状態で使用されることが望ましい。このときの溶媒としては、公知の溶媒から適切なものを選択することができるが、対象のポリエステルの原料として使用するグリコールを使用することが最も好ましい。すなわち本発明においては上記の説明から明らかなようにエチレングリコールを用いることである。
上記リン化合物のポリエステル中への添加時期は、前述のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加前若しくは添加後のどちらでも良い。リン化合物はアルカリ金属化合物及び/アルカリ土類金属化合物と反応して、ポリエステルに不溶の粒子を形成するが、どちらを先に添加しても同様の粒子が形成される。但し、リン化合物をエステル化反応の初期に添加すると、エステル化反応を阻害する可能性があるため、望ましくはエステル化反応の後半、若しくはエステル化反応終了後、重縮合反応開始の前半(30分以内)で添加することが望ましい。
しかしながらポリエステルに添加する前に、あらかじめリン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とを反応させたものをポリエステルに添加する方法では、あらかじめ調整されるリン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とから形成される粒子の大きさが大きくなる。そのため、それをポリエステル中に添加して得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造が、所望の微細化した凹凸構造を形成することができず、目的の鮮明性を発現するポリエステル繊維を得ることができない。従って本願のポリエステル組成物の製造方法においては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とリン化合物を、オリゴマーを生成する工程及び/又は重縮合反応を行う工程に添加する前に反応させる事なく、個別にポリエステルの製造工程に添加する方法を好ましく採用することができる。但し必要に応じて、双方の化合物の単なる混合物として添加することは本発明の範囲に含まれる。
リン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加量は、下記式(1)で示す比率で添加する必要がある。
0.80<P/M≦2.0 ・・・・(1)
上記式(1)中、Pはリン化合物添加によるリン原子のモル量を表し、Mはアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加によるアルカリ金属原子及び/又はアルカリ金属原子のモル量を表す。
上記式(1)のP/Mが0.80未満では、リン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から形成される粒子量が減少するため、得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となり、特に細繊度の繊維においては十分な鮮明性を発現できないうえ、ポリエステル中のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物量が過剰となり、過剰な金属原子成分がポリエステルの熱分解を促進し、熱安定性を著しく損なうため好ましくない。一方、P/Mが2.0を越えると、逆にリン化合物が過剰となり、過剰なリン化合物がポリエステルの重合反応を阻害するため好ましくない。P/Mは好ましくは0.82〜1.5の範囲である。
次にポリエステル繊維Aを構成するポリエステルを得るための好ましい製造方法の一例を詳細に説明する。すなわち、ポリエステルを作成した後に上記リン化合物やアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物をブレンド等の方法で混合してポリエステル組成物を得るのではなく、ポリエステルを製造する途中の段階で、本発明に係るリン化合物並びにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物を添加してポリエステルの重合反応を行いポリエステル組成物を製造する方法である。この手法により内部析出粒子を生成させることができる。さらに本発明方法におけるポリエステル製造反応条件には格別の制限はないが、重縮合反応は一般に230〜320℃の温度において、常圧下、又は減圧下(0.1Pa〜0.1MPa)において、或はこれらの条件を組み合わせて、15〜300分間重縮合することが好ましい。
ポリエステル繊維Aの表面に形成される凹凸部は、凹部短軸が0.1〜1μm、長軸が0.5〜10μmであることが好ましい。凹部の短軸が0.1μm未満、および長軸が0.5μm未満では凹部が小さすぎる為深色効果は得られず、短軸が1μmを超える場合や長軸が10μmを超える場合は、微細構造とはいえずこの場合も深色効果は得ることは困難となる。より好ましくは短軸は0.2〜0.8μm、長軸は0.6〜8μmの範囲である。
また、凹部の数は、該凹部が繊維軸直角方向に対し繊維幅両端の10%を除いた表面上に10μm長当たり5個以上存在することが好ましい。5個未満では深色効果が得られず、5個以上では染色時に斑ができやすくなる為、20個以下、好ましくは15個以下が良い。
該凹凸部を付与する方法としては塩基性化合物と接触させて減量する方法が好ましい。この塩基性化合物との接触には、繊維を必要に応じて延伸加熱処理又は仮撚加工などの処理に供した後、又は更に布帛にした後に、例えば塩基性化合物の水溶液で処理することにより容易に行うことができる。
ここで使用する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。この塩基性化合物水溶液の濃度は、塩基性化合物の種類、処理条件などによって異なるが、特に0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常温〜100℃の範囲である事が好ましい。
この塩基性化合物水溶液の処理などによってポリエステル繊維を減量する量は、繊維重量に対して5重量%以上、好ましくは10重量%以上の範囲とすることが好ましい。このように塩基性化合物水溶液で処理する事により、繊維軸方向に配列した微細孔を繊維表面及びその近傍に多数形成させることができ、染色した際により優れた色の深みと鮮明性を呈するようになる。
本発明におけるポリエステル繊維Aの総繊度とフィラメント数は特に限定されないが、総繊度33〜330dtex、フィラメント数100〜300の範囲が好ましい。
ポリエステル繊維Aの単糸繊度は0.1〜1dtexであることが必要である。単糸が1dtexを超えると布帛とした際にスエードタッチの風合いを得ることはできず、0.1dtex未満の場合は製糸工程が不安定となる。好ましくは0.3〜0.8dtexである。
該ポリエステル繊維Aは、係るリン化合物並びにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物を含むポリエステルを、常法により紡糸し、2000〜4500m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取ったものでもよいし、さらに180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)であってもよい。なかでも、後者のほうがスエードタッチな風合いが得られやすく好ましい。
なお、ポリエステル繊維A の単繊維の断面形状は特に限定されず、丸、三角、扁平など公知の断面形状が選択できる。
本発明のポリエステル混繊糸は、前記ポリエステル繊維Aと、該ポリエステル繊維Aよりも沸水収縮率の大きいポリエステル繊維Bとが混繊されたものである。
ここで、ポリエステル繊維Bは、従来公知のポリエステルを任意に用いることができ、ポリエステル繊維Aと同等のものでも良く、ポリエステルの種類、総繊度、単繊維繊度、フィラメント数など特に限定されないが、混繊糸の芯成分として機能するためには、前記前記ポリエステル繊維Aより沸水収縮率が大きいことが必要である。
このように沸水収縮率の大きいポリエステル繊維としては、通常のジカルボン酸成分及びアルキレングリコール成分に加えて、第3 成分としてイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、ビスフェノールA 及びビスフェノールスルフォンなどからなる群から選ばれた1 種以上を共重合させた共重合ポリエステル樹脂を、常法により紡糸、延伸することにより得られる。
本発明のポリエステル混繊糸において、前記のポリエステル繊維A とポリエステル繊維Bとの重量比は、A:Bで80:20〜30:70の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明のポリエステル混繊糸には、混繊糸全体の30重量% 以下であれば、他の繊維が含まれていてもさしつかえない。
本発明のポリエステル混繊糸を製造する方法は特に限定されず、通常の空気交絡ノズルを用いた空気混繊方法や複合仮撚加工などが例示される。なかでも、空気混繊方法が好ましい。複合仮撚加工では、複合仮撚加工の際の熱処理により、繊維の配向結晶化が進み、本発明の効果が奏されないおそれがある。
なお、ポリエステル繊維Aに前記のように弛緩状態で熱処理を施す場合は、熱処理後、ポリエステル繊維Bと混繊してもよいし、ポリエステル繊維Aとポリエステル繊維Bとを混繊させたのち、該混繊糸として弛緩状態で熱処理を施してもよい。
本発明のポリエステル混繊糸には、ポリエステルの製造時に通常用いられるアンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの化合物の金属化合触媒、着色防止剤としてのリン化合物、その他として酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤又は艶消し剤などを、本発明の目的を奏する範囲内で含有していても良い。
次に、本発明を実施例によって本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例中の評価、測定は次のとおり実施した。
(1) 繊維の沸水収縮率
繊維糸条を、周長1.125mの検尺機のまわりに10回巻きつけて、かせを調製し、このかせを、スケール板の吊るし釘に懸垂し、懸垂しているかせの下端に、かせの総重量の1/30の荷重をかけて、かせの収縮処理前の長さL1を測定した。 このかせから荷重を除き、かせを木綿袋に入れ、このかせを収容している木綿袋を沸騰水から取り出し、この木綿袋からかせを取り出し、かせに含まれる水をろ紙により吸収除去した後、これを室温において2 4 時間風乾した。この風乾されたかせを、前記スケール板の吊し釘に懸垂し、かせの下部分に、前記と同様に、かせの総質量の1/3 の荷重をかけて、収縮処理後のかせの長さL2を測定した。沸水収縮率(BWS)は、下記式により算出した。
BWS (%) = ((L1−L2)/L1) ×100
(2) 短軸方向及び長軸方向における凹部の平均長さ
アルカリ減量したポリエステル繊維布帛を操作型電子顕微鏡にて4000倍の倍率で観察し、凹部の形状の内長手方向を長軸、短い方を短軸として計測し、20個の平均値として求めた。
(3) 凹部の個数
倍率4000倍で、繊維軸と直角方向から走査型電子顕微鏡による側面写真を撮影し、該側面写真における繊維幅両端から10%の長さを除いた繊維表面上の任意の20ヶ所において、図1に示す如く、繊維軸と直角方向に、上記10%の長さを除いた繊維幅の80%の長さに存在する、短軸方向における長さが0.1〜1μm、長軸方向における長さが0.5〜10μmの凹部の個数を数えて長さ10μm当たりに換算し、この20ヶ所における平均値を凹部の個数とした。
(4) 深色性
色の深みを示す尺度として深色度(K/S)を用いた。染色した布帛の分光反射率を、島津製作所製RC−330型自記分光光度計にて測定し、下記のクベルカ・ムンクの指揮により求めた。この値が大きいほど深色効果が大きい事を示す。
K/S=(1−R)2/2R
なお、Rは反射率、Kは吸収計数、Sは散乱計数を示す。
(5) 明度指数(L値)
明度指数L として、JIS Z8729(L*a*b*表色系およびL*u*v*表色系による物体色の表示方法)に示すL*a*b*表示系で表示した。
(6) 外観
染色した布帛を色斑を目視にて3段階で判定した。○;均一に染色されている、△;一部に濃淡が淡くみられる、×;濃淡がみられる。
(7) 風合い
染色した布帛の、風合いを触感にて○、△、×の3段階で評価し、○を良とした。
実施例1
エステル化反応槽にて、テレフタル酸86部とエチレングリコール40部とを、常法に従ってエステル化反応させオリゴマーを得た。このオリゴマーに、テレフタル酸86部とエチレングリコール40部を65分間かけて連続的に供給し、245℃にてエステル化反応を行った。ついで三酸化アンチモン0.045部を添加して20分後、追加供給したテレフタル酸とエチレングリコールとから生成されるオリゴマー量と等モル量のオリゴマーを重縮合反応槽へ送液した。送液終了後直ちに酢酸カルシウムをポリマー中の酸成分に対して1.0モル%を重縮合反応槽に添加した。さらに5分後にフェニルホスホン酸をポリマー中の酸成分に対して1.25モル%を重縮合反応槽に添加した。その後290℃まで昇温し、0.03kPa以下の高真空化にて重縮合反応を行い、固有粘度が0.64dL/gのポリエステルチップを得た。固有粘度は100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
このチップを140℃にて6時間乾燥し、孔径0.15mm(円形)、144ホールの紡糸口金を使用し、溶融温度280℃、引き取り速度3000m/minで引き取ることにより、70dtexのポリエステル繊維A(単糸繊度0.48dtex)を得た。
一方、酸成分がモル比93/7のテレフタル酸及びイソフタル酸からなり、グリコール成分がエチレングリコールからなり、固有粘度0.52を有する共重合ポリエステルを調製した。この共重合ポリエステル樹脂を、通常の紡糸方法により、ポリエステル繊維Bとして、30dtex/12フィラメントの延伸糸(単糸繊度2.5dtex)を得た。
次いで、前記ポリエステル繊維Aおよびポリエステル繊維Bを用い、混繊糸を製造した。すなわち、図2に示す如く、両糸を引き揃えて、供給ロール1と第1引取りロール(表面温度が120℃の加熱ロール)2との間に設けたインターレースノズル(空気交絡ノズル)3に、600m/分の速度、1.2% のオーバーフィード率で供給し、0.2MPa(2kgf/cm) の圧空により交絡させ、65ケ/mの交絡を付与した。
次いで、1.2%のオーバーフィード率のままで、表面温度が120℃の加熱ロール2に糸条を8回巻回し、弛緩熱処理を施した。その後、加熱ロール2と第2引取りロール4との間に設けたスリットヒーター5により、230℃で、1.8%のオーバーフィード率にて0.05秒間、第2の弛緩熱処理を施して熱固定を行い、第2引取ロール(冷ロール)4に2回巻回した後、パッケージ6に巻き取った。得られた混繊糸において、ポリエステル繊維Aの沸水収縮率は2%あり、一方ポリエステル繊維Bの沸水収縮率は19%であった。
次いで、かかるポリエステル混繊糸に、S方向に600T/Mの撚りを付与し、経密度:200本/2.54cm、緯密度:90本/2.54cmのサテン織物を織成した。この織物を、常法により減量率20%でアルカリ減量加工し、Dianix Black HG−FS(三菱化成工業(株)製)15%owfで130℃×60分間染色後、水酸化ナトリウム1g/リットルおよびハイドサルファイト1g/リットルを含む水溶液にて70℃で20分間還元洗浄して黒染布を得た。
得られた黒染布は、ポリエステル繊維A が主として現れており、スエード調のピーチタッチな風合いを呈し、光沢が少なく、濃色に優れていた。得られた黒染布の性状を表1に示す。
実施例2
実施例1において、酢酸カルシウムを酢酸マグネシウムとしその添加量、およびリン化合物の添加量を表1に示す如く変更した以外は実施例1と同様にして黒染布帛を得た。得られた黒染布帛の物性を表1に示す。
比較例1
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸カルシウム1水和物0.06重量部をエステル交換反応槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で140℃から230℃まで昇温し、生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交換反応を行った。続いて0.56部のリン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して0.7モル%)と0.8部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメチルに対して1/2倍モル)を6.8部のエチレングリコール中で120℃の温度において60分間反応せしめて調整したリン酸ジエステルカルシウム塩の透明溶液を添加し、次いで三酸化アンチモン0.04重量部を添加して重縮合反応槽に移した。その後290℃まで昇温し、0.03kPa以下の高真空化にて重縮合反応を行い、固有粘度が0.64dL/gのポリエステルチップを得た。
得られたポリエステルを実施例1と同様の方法で紡糸・減量・染色処理を実施した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、孔径0.27mm、36ホールの紡糸口金を用い、総繊度84dtexとしたポリエステル繊維を用いた以外は実施例1と同様にして黒染布帛を得た。得られた黒染布帛の物性を表1に示す。
比較例3〜5
実施例1において、酢酸カルシウムとリン化合物の添加量を変更した以外は実施例1と同様にして黒染布帛を得た。得られた黒染布帛の物性を表1に示す。
比較例6
実施例1において、ポリエステル繊維Bとして、テレフタル酸とエチレングリコールからなる、固有粘度0.64ポリエステルを用い、弛緩熱処理して作成した、沸水収縮率2%の30dtex/12フィラメントの延伸糸(単糸繊度2.5dtex)に変更した以外は実施例1と同様にして黒染布帛を得た。得られた黒染布帛の物性を表1に示す。
Figure 2014105405
実施例1、および実施例2で得られた布帛の深色性、風合い、外観はともに良好であった。本発明外であるエステル交換法により得られたポリエステルを用いた比較例1は、深色性や風合いは良好であるが、アルカリ減量の制御が難しく、色斑が若干発生し外観に劣るものとなった。単糸繊度の大きい比較例2はスエードタッチの風合いとはならず、金属化合物に対してリン化合物の量の少ない比較例3は、微細孔の数が少なく深色性に劣るものとなり、金属化合物の量が少ない比較例4では凹部が大きくなり深色性、外観が不十分となった。金属化合物、リン化合物共に添加量が少なく本発明範囲外の比較例5は深色性が不十分であった。ポリエステル繊維AとBの沸水収縮率差の小さい比較例6は混繊糸の外側に十分細繊度のポリエステルAが存在せず、濃色性、外観、風合いとも良くないものとなった。
本発明により、染色した際に色の深みと鮮明性を有する外観と、風合いにも優れた布帛とすることが可能な混繊糸を安定した品質で提供することができ、審美性や触感を重視する衣料や資材に好適に用いることができる。
A:ポリエステルマルチフィラメントA
B:ポリエステルマルチフィラメントB
1:供給ロール
2:第1 引取ロール(加熱ロール)
3:インターレースノズル
4:第2 引取ロール
5:非接触ヒータ(スリットヒータ)
6:パッケージ

Claims (2)

  1. 単糸0.1〜1dtexのポリエステル繊維Aと、該ポリエステル繊維Aより沸水収縮率の大きいポリエステルBが混繊されたポリエステル混繊糸であって、該ポリエステル繊維Aを構成するポリエステルが、テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主とするジオール成分からエステル化反応を行ってオリゴマーを生成する工程と、該オリゴマーを重縮合反応させる工程を含む製造工程によって製造されたものであり、かつ該ポリエステルには、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種以上の金属化合物が、ジカルボン酸成分に対して0.5〜2.0モル%となる量、及び下記化学式(I)で表されるリン化合物が下記式(1)を満足する量含まれていることを特徴とする高深色ポリエステル混繊糸。
    Figure 2014105405
    (上記化学式(I)中、Arは未置換もしくは置換された6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子、OH基、OR基を表す。Rは未置換もしくは置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。)
    0.80<P/M≦2.0 ・・・・(1)
    (上記式(1)中、Pはリン化合物のモル量を表し、Mはアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のモル量を表す。)
  2. ポリエステル繊維Aが鞘部、ポリエステル繊維Bが芯部に位置された芯鞘構造を有しており、ポリエステル繊維Aの単糸繊度が0.1〜0.6dtexである請求項1記載のポリエステル混繊糸。
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