JP2014104228A - 消臭抗アレルゲン組成物及び該組成部が付着した壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気中に浮遊して室内に侵入した花粉アレルゲンや、床から舞い上がるハウスダストのアレルゲンが壁紙に付着したときに、有効なアレルゲン低減化機能および優れた消臭機能を発現するとともに、壁紙の風合いや外観品位を損なうことのない組成物及び該組成部が付着した壁紙を提供することを目的とする。
【解決手段】粘土鉱物と金属リン酸とからなるアレルゲン吸着剤と、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物とからなる消臭剤とを、含有してなることを特徴とする消臭抗アレルゲン組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、室内における空気中の、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスや、硫化水素、メルカプタン類等の硫黄系ガス、酢酸、イソ吉草酸等の酸性ガス、アルデヒド等の中性ガスの悪臭を効率よく吸着除去することができると同時にハウスダストや花粉等のアレルゲンを不活化する消臭抗アレルゲン組成物及び該組成部が付着した壁紙に関するものである。
現代人にとって生活臭の問題は大きな関心事となってきている。また、住宅に限らず、自動車の室内や、電車、旅客機等の室内空間の様々ないやな臭いに対する消臭の要求も大きくなってきており、様々な悪臭に有効な消臭剤を用いて消臭する方法が開示されている。
出願人は、このような要求に答えるべく、特許文献1のように消臭性能を安定をして発揮する消臭剤の提案を行ってきた。
また、アレルゲンには種々のタイプがあり、ダニ(虫体、死骸、抜け殻、糞)、カビ、ペット(毛、フケ)、花粉などがあげられ、アレルギー疾患の主な原因物質として考えられている。これらのアレルゲン対策としては、アレルゲンを室内に入れないようにしたり、入ってしまったアレルゲンを取り除いたり、不活性化する方法が開示されている。
例えば特許文献2では、酸化ジルコニウムの無機微粒子化合物、アレルゲン不活化性能のある他の無機化合物、ならびにナノAg微粒子、アミノ酸系界面活性剤を配合し、粒子径が10μm未満の、pHを7.5〜11.5の間に調整した加工剤で繊維製品を加工して、花粉が付着しにくく、また付着したとしても簡単に落ちやすく、残った花粉に対してアレルゲンの不活化が図れる加工剤が提案されている。
特開2009−285164号公報 特開2006−057212号公報
しかしながら、特許文献2に開示の方法では、アレルギー疾患の原因物質や菌には有効ではあるが、消臭能力には劣るものであった。そこで、消臭性能を向上させるとともに、消臭とアレルゲン不活化の機能を同時に満たそうとして、消臭剤とアレルゲンの不活化加工剤を単純に組み合わせて壁紙に適用すると、十分な性能が得られないか、十分な性能を得るための壁紙への最適加工量を超えてしまい十分な付着状態を維持できないという問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、空気中に浮遊して室内に侵入した花粉アレルゲンや、床から舞い上がるハウスダストのアレルゲンが壁紙に付着したときに、有効なアレルゲン低減化機能および優れた消臭機能を発現するとともに、壁紙の風合いや外観品位を損なうことのない組成物及び該組成部が付着した壁紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、以下の手段を講ずることにより前記目的を達成した。
[1]粘土鉱物と金属リン酸とからなるアレルゲン吸着剤と、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物とからなる消臭剤とを、含有してなることを特徴とする消臭抗アレルゲン組成物。
[2]前記粘土鉱物の平均粒径が10nm〜5.0μm、前記金属リン酸の平均粒径が5nm〜20μm、前記多孔質無機物質の平均粒径が5nm〜20μm、前記アミン化合物の平均粒径が5nm〜20μm、前記金属酸化物の平均粒径が5nm〜20μmであることを特徴とする前項1に記載の消臭抗アレルゲン組成物。
[3]前項1または2に記載の消臭抗アレルゲン組成物がバインダー樹脂により少なくとも一部に付着している壁紙。
[4]前記消臭抗アレルゲン組成物の付着量が0.05〜5.0g/mである前項3に記載の壁紙。
[5]前記粘土鉱物の付着量が0.05〜2.0g/m、前記金属リン酸の付着量が0.05〜2.0g/m、前記多孔質無機物質の付着量が0.1〜2.0g/m、前記アミン化合物の付着量が0.1〜1.0g/m、前記金属酸化物の付着量が0.1〜2.0g/mである前項3に記載の壁紙。
[1]の発明によれば、粘土鉱物と金属リン酸とからなるアレルゲン吸着剤がバインダー樹脂により固着されているので、空気中に浮遊して室内に入り込んだ花粉アレルゲンや、床から舞い上がるハウスダスト等のアレルゲンは、自然対流によって壁紙に接触し、吸着によって粘土鉱物内の細孔に取り込まれ不活性化することができる。特に、金属リン酸を含有しているのでダニアレルゲンに対し高いアレルゲン吸着能を示すことができる。また、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物とからなる消臭剤を含有しているので、各臭気(塩基性ガス、酸性ガス、中性ガス、硫黄系ガス、タバコ臭)に優れた消臭効果を発揮することができる。すなわち、多孔質無機物質を含有しているので、酢酸やアンモニア等の様々な臭気に対して優れた吸着能力を発揮することができ、アミン化合物を含有しているので、ホルムアルデヒド等の中性ガスの消臭を長期間にわたって十分に行うことができる。さらに、金属酸化物を含有しているので、その強い酸化力で有機物を酸化分解し、酸性ガスや硫黄系ガスの消臭に優れた効果を発揮することができる。このような構成にすることで、有効なアレルゲン低減化機能および優れた消臭機能を発現するとともに、壁紙の風合いや外観品位を損なうことのない組成物を提供することができる。
[2]の発明によれば、粘土鉱物の平均粒径が10nm〜5.0μm、金属リン酸の平均粒径が5nm〜20μm、多孔質無機物質の平均粒径が5nm〜20μm、アミン化合物の平均粒径が5nm〜20μm、金属酸化物の平均粒径が5nm〜20μmの範囲なので、アレルゲンを効果的に吸着するアレルゲン低減化機能と、各臭気(塩基性ガス、酸性ガス、中性ガス、硫黄系ガス、タバコ臭)に対する消臭効果を同時に発揮しながら、壁紙に付着したとき、ざらつき感を受けることなく、風合も良好な壁紙を提供すことができる。
[3]の発明によれば、消臭抗アレルゲン組成物がバインダー樹脂により少なくとも一部に付着しているので、耐久性に優れるとともに、壁紙の風合を生かしたまま、有効なアレルゲン低減化機能および優れた消臭機能を発現するとともに、壁紙の風合いや外観品位を損なうことのない組成物及び該組成部が付着した壁紙を提供することができる。
[4]の発明によれば、消臭抗アレルゲン組成物の付着量が0.05〜5.0g/mであるので、付着状態を維持でき十分なアレルゲン低減化機能および消臭機能を同時に発現する壁紙を提供することができる。
[5]の発明によれば、粘土鉱物の付着量が0.05〜2.0g/m、金属リン酸の付着量が0.05〜2.0g/m、多孔質無機物質の付着量が0.1〜2.0g/m、アミン化合物の付着量が0.1〜1.0g/m、金属酸化物の付着量が0.1〜2.0g/mの範囲なので、徒に付着量を増加させることなく、かつ材料コストを抑制できるとともに、十分なアレルゲン低減化機能および消臭機能を発揮する壁紙を提供することができる。
本発明において、アレルゲン吸着剤を構成する粘土鉱物としては、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイデライト、ヘクトライト、雲母、タルクから選ばれる少なくとも1種を含むアレルゲン吸着剤が好ましい。これらの粘土鉱物は、吸湿性能に優れ、空気中の水分を吸収するのと同様に花粉等のアレルゲンを吸着し粘土鉱物内の細孔にとりこむ。アレルゲン性を有する蛋白質は水に溶ける性質があり、粘土鉱物内の細孔に取り込まれたアレルゲンは不活化されることになる。
粘土鉱物は、無機系なのでフェノール系のアレルゲン低減化剤と比較し耐熱性に優れ、200℃を超える高温で加工する壁紙に固着させても、性能低下することなく、壁紙を変色させないで加工することができる。
粘土鉱物は、保水性に優れ化粧品としてもよく使われるものでもあるが、中でも、モンモリロナイトは、層状ケイ酸塩鉱物の一種に分類される粘土鉱物で、結晶構造はケイ酸四面体層−アルミナ八面体層−ケイ酸四面体層の三層が重なっており、その単位層は厚さ約10Å、広がり0.1〜1μmのアスペクト比の高い板状構造で構成され、何層も重なり合った状態で存在することから、極めて大きな表面積を有し、吸着能に優れ、アレルゲン吸着剤として好適である。また、ベントナイトは、モンモリロナイトを主成分とし、他に石英、雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含み、モンモリロナイトのもつ特異な物性が、そのままベントナイトの物性となっている。
また、粘土鉱物の壁紙への付着量は0.05〜2.0g/mであるのが好ましい。0.05g/mを下回ると、十分なアレルゲン吸着機能のある壁紙が得られない。また、2.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くので好ましくない。さらに好ましい粘土鉱物の付着量は、0.1〜1.5g/mである。
本発明において、アレルゲン吸着剤を構成する金属リン酸としては、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸スズ、リン酸アルミニウム、リン酸セリウムから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、金属リン酸の壁紙への付着量は0.05〜2.0g/mであるのが好ましい。0.05g/mを下回ると、十分なアレルゲン吸着機能のある壁紙が得られない。また、2.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くので好ましくない。さらに好ましい金属リン酸の付着量は、0.08〜1.5g/mである。
次に、本発明の消臭剤を構成する多孔質無機物質は、多孔質故に表面積が大きく、悪臭の吸着能力の優れたものとなる。例えばこのような多孔質無機物質としては、多孔質シリカ、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、麦飯石等が挙げられる。中でも、酢酸やアンモニアガス等に対して優れた吸着能を有するゼオライトを用いるのが好ましい。また、ゼオライトは、白色であり壁紙に付着させた場合に活性炭よりも壁紙の色彩に与える影響が少ないので良好である。ゼオライトは、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して三次元的に結合した骨格構造をしている。この骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開き、水や有機分子など様々な分子を骨格中に取り込むことから、吸着剤として非常に有用なものである。
ゼオライトには、種々のものが存在し、中でも人工ゼオライトのMFI型ゼオライトは、結晶構造に由来する2種類の細孔が三次元的につながっていることから、吸着剤として非常に効果のあるものとして認められている。本発明では、MFI型ゼオライトを、吸着剤として使用すれば、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスに優れた吸着能を発揮し、アルデヒド類や1−ノネン等の微量な中性ガスの吸着にも優れた効果を発揮する。
また、多孔質無機物質の壁紙への付着量は0.1〜2.0g/mであるのが好ましい。0.1g/mを下回ると、十分な消臭機能のある壁紙が得られない。また、2.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くので好ましくない。さらに好ましい多孔質無機物質の付着量は、0.2〜1.5g/mである。
続いて、本発明の消臭剤を構成するアミン化合物としては、ヒドラジン誘導体あるいは、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物を挙げられる。ヒドラジン誘導体は、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、あるいはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジン及びセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体及びジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。
このようなヒドラジン誘導体を用いることによりアルデヒド類に対して化学反応を起こし優れた吸着作用を発揮し悪臭除去性能を確保することができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンニ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を挙げられる。なお、このようなヒドラジン誘導体の水に対する溶解度は25℃において5g/L以下であるのが望ましい。水に対する溶解度がこの範囲内であれば、洗濯等によって水と接触することがあっても、ヒドラジン誘導体がこの水に溶解して流出してしまうことが防止される。
また、ポリアミン化合物を担持した無機ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、例えばポリアミン化合物を担持した多孔質二酸化ケイ素、ポリアミン化合物を担持したケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン等が挙げられる。具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物は、特にアルデヒドガスの消臭に有効で、また、無機ケイ素化合物は塩基性ガスの消臭に有効であって、さらに多孔質無機物質と、金属酸化物と、水酸化金属を併用することにより、様々な臭気を効果的に消臭することができる。
また、アミン化合物の壁紙への付着量は0.1〜1.0g/mであるのが好ましい。0.1g/mを下回ると、十分な消臭機能のある壁紙が得られない。また、1.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くので好ましくない。さらに好ましいアミン化合物の付着量は、0.2〜0.8g/mである。
本発明の消臭剤を構成する金属酸化物としては、例えば酸化銅、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を挙げられるが、これら例示のものに特に限定されるものではない。
また、金属酸化物の壁紙への付着量は0.1〜2.0g/mであるのが好ましい。0.1g/mを下回ると、十分な消臭機能のある壁紙が得られない。また、2.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くので好ましくない。さらに好ましい金属酸化物の付着量は、0.2〜1.5g/mである。
消臭抗アレルゲン組成物の壁紙へ付着量が0.05〜5.0g/mであるのが好ましい。0.05g/mを下回ると、十分なアレルゲン低減化機能および消臭機能を同時に発現する壁紙が得られない。また、5.0g/mを超えても、徒に材料コストの上昇を招くばかりでなく、壁紙の風合いを損ねる虞があるので好ましくない。
消臭抗アレルゲン組成物のそれぞれの粒径としては、粘土鉱物の平均粒径が10nm〜5.0μm、金属リン酸の平均粒径が5nm〜20μm、多孔質無機物質の平均粒径が5nm〜20μm、アミン化合物の平均粒径が5nm〜20μm、金属酸化物の平均粒径が5nm〜20μmが好ましい。平均粒径をこの範囲に規定することで、アレルゲンを効果的に吸着するアレルゲン低減化機能と、各臭気(塩基性ガス、酸性ガス、中性ガス、硫黄系ガス、タバコ臭)に対する消臭効果を同時に発揮しながら、壁紙に付着したとき、ざらつき感を受けることなく、風合も良好な壁紙を提供することができる。
前記消臭抗アレルゲン組成物の壁紙への付着量は、粘土鉱物の付着量が0.05〜2.0g/m、金属リン酸の付着量が0.05〜2.0g/m、多孔質無機物質の付着量が0.1〜2.0g/m、アミン化合物の付着量が0.1〜1.0g/m、金属酸化物の付着量が0.1〜2.0g/mの範囲なので徒に付着量を増加させることなく、かつ材料コストを抑制できるとともに、十分なアレルゲン低減化機能および消臭機能を発揮する壁紙を提供することができる。
前記消臭抗アレルゲン組成物の塗布液の作成方法は、まず、粘土鉱物と、金属リン酸と、多孔質無機物質と、アミン化合物、金属酸化物とを水に分散させておき、バインダ−樹脂を配合し、処理液を調合する。この時、これらの五種とバインダ−樹脂を可能な限り分散させることが好ましく、バインダ−樹脂については、水との間でエマルジョン状態を形成することがより好ましい。また、調合の際予め先にこれらの五種を水に分散させておいてから、バインダ−樹脂を分散するのが、均一に分散させるのに好ましい。
前記バインダ−樹脂は、どのような樹脂でも使用することができる。例えば、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、グリオキザ−ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレ−ト共重合体樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してバインダ−樹脂としてもよい。
また、前記消臭抗アレルゲン組成物の塗布液には、分散剤や、増粘剤などの各種添加剤を、各種特性向上のため配合してもよい。こうして得られる消臭抗アレルゲン組成物の処理液を壁紙に塗布させる。この塗布する手段としては、特に限定されるものではないが、例えばスプレ−法、浸漬法、ロールコ−ティング法、プリント加工等が挙げられる。
上記のように、処理液を付与した後に乾燥させるが、乾燥手段としては、加熱処理する方法が乾燥効率の観点から好ましい。加熱処理温度は、150〜240℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理によって、消臭抗アレルゲン組成物の固着性をより高め、アレルゲン低減化性能及び悪臭除去性能の持続耐久性を一層向上させることができる。
壁紙を構成する素材としては、繊維としては特に限定されるものではなく、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなるもの、ケナフ、パルプ等の紙からなるもの、綿、麻、レ−ヨン繊維等からなるもの等を使用できるが、特に紙の主原料であるセルロース系繊維を含んでいるのがより好ましい。セルロース系繊維は、吸湿性に優れていることから、アレルゲン吸着剤の補助的な役割をなして、アレルゲン低減化の効果を向上することができる。
<実施例1>
基材層として表面に木目模様をプリントしたクラフト紙を用い、その上に表面層として透明な塩化ビニルフィルムをラミネートした壁紙を用意した。表面層の上側に下記要領で作成した処理液をロールコーターによって塗布し、230℃10秒間乾燥して壁紙を作成した。処理液として、平均粒径1μmのベントナイト1質量部と、平均粒径4μmのリン酸ジルコニウム0.5質量部と、平均粒径5μmのゼオライト1.5質量部と、平均粒径1μmのヒドラジド化合物を1.5質量部と、平均粒径15μmの酸化亜鉛2.5質量部とを、20質量部の水に加えた後、攪拌機により攪拌を行ない、さらに7質量部のアクリル系バインダー樹脂(日本エヌエスシー社製商品名ヨドゾール、固形分25%)を加え、良く攪拌して均一な処理液を得た。ベントナイトの壁紙表面層への付着量は0.4g/m、リン酸ジルコニウム壁紙表面層への付着量は0.2g/m、ゼオライトの壁紙表面層への付着量は0.6g/m、ヒドラジド化合物の壁紙表面層への付着量は0.6g/m、酸化亜鉛の壁紙表面層への付着量は1.0g/m、であった。こうして得られた壁紙を、下記のアレルゲン低減性能試験を行った結果と、各種ガスの消臭性能試験を行い算出した悪臭の除去率を、表3に記載した。
<実施例2〜9、比較例1〜5>
実施例1において、処理液の組成を表1のようにした以外は実施例1と同様にして壁紙を得た。各種組成物の付着量(g/m)を表2にそれぞれ記載した。
表3から、実施例1〜9は、有効なアレルゲン低減化機能および優れた消臭機能を発現することが分かる。一方比較例1〜5では、一部満足できる性能が見られるものの、総合的な性能では、実施例より劣る結果であった。
なお、各アレルゲン低減性能(不活性化性能)及び各種消臭性能の測定結果と評価は次のように行った。
<ダニアレルゲン低減性能試験>
ダニアレルゲン溶液1ミリリットル中に壁紙(3cm×3cm)を浸し、35℃で17時間経過後のアレルゲン量を、マイティーチェッカー(住友エンビロサイエンス社製)を用い測定した。発色の様子を目視で確認し、下記の4段階で評価し、評価「−」「+−」を合格とした。
(判定基準)
「−」 ・・アレルゲンの汚染はない。
「+−」・・ややアレルゲンに汚染されている程度である。
「+」 ・・アレルゲンに汚染されている。
「++」・・非常にアレルゲンに汚染されている。
<スギ花粉アレルゲン低減性能試験>
スギ花粉アレルゲン溶液1mL中に壁紙(3cm×3cm)を浸し、35℃で17時間経過後のスギ花粉アレルゲン量を、ELISA法のサンドイッチ法にて測定し、生成した発色物質の吸光度を光度計で読み取り、濃度既知の標準品を用いて作成した標準曲線から、アレルゲン量を定量した。
次の式からアレルゲン低減化率(%)を算出した。
アレルゲン低減化率(%)=(当初のアレルゲン濃度−試験後のアレルゲン濃度)÷(当初のアレルゲン濃度)×100
アレルゲン低減化率(%)から、アレルゲン低減化率90%以上を「◎」、アレルゲン低減化率80%以上90%未満を「○」、アレルゲン低減化率80%未満を「×」と評価し、「◎」と「○」を合格とした。
<消臭試験>
なお上記例における各種消臭性能の測定は次のように行った。
(アンモニア消臭性能)
試験片(10cm×10cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸ガスの除去率(%)を算出した。
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が20ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして硫化水素ガスの除去率(%)を算出した。
(ホルムアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてホルムアルデヒドを用いて袋内において濃度が100ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にしてホルムアルデヒドの除去率(%)を算出した。
そして、除去率が90%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上90%未満であるものを「○」、除去率が80%未満であるものを「×」と評価し、「◎」と「○」を合格とした。

Claims (5)

  1. 粘土鉱物と金属リン酸とからなるアレルゲン吸着剤と、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物とからなる消臭剤とを、含有してなることを特徴とする消臭抗アレルゲン組成物。
  2. 前記粘土鉱物の平均粒径が10nm〜5.0μm、前記金属リン酸の平均粒径が5nm〜20μm、前記多孔質無機物質の平均粒径が5nm〜20μm、前記アミン化合物の平均粒径が5nm〜20μm、前記金属酸化物の平均粒径が5nm〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の消臭抗アレルゲン組成物。
  3. 請求項1または2に記載の消臭抗アレルゲン組成物がバインダー樹脂により少なくとも一部に付着している壁紙。
  4. 前記消臭抗アレルゲン組成物の付着量が0.05〜5.0g/mである請求項3に記載の壁紙。
  5. 前記粘土鉱物の付着量が0.05〜2.0g/m、前記金属リン酸の付着量が0.05〜2.0g/m、前記多孔質無機物質の付着量が0.1〜2.0g/m、前記アミン化合物の付着量が0.1〜1.0g/m、前記金属酸化物の付着量が0.1〜2.0g/mである請求項3に記載の壁紙。
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