JP2014101777A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バーナー装置の作動頻度と燃焼率の両立を図る。
【解決手段】本発明によれば、排気通路内に燃料を添加してこれを着火させるバーナー装置を備える内燃機関の制御装置が提供される。制御装置は、添加燃料の燃焼性に関わる複数のパラメータを対応する第1閾値と比較し、全てのパラメータが第1閾値に対し燃焼良好側の値であるときにバーナー装置を作動させ、この作動時に検出された燃焼率が対応する第2閾値に対し燃焼不良側の値であるときに少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正する。また制御装置は、各パラメータにつきパラメータが第1閾値に対し燃焼良好側の値となる時間比率を算出し、第1閾値を燃焼良好側に補正するとき、少なくとも時間比率が最も高いパラメータの第1閾値を補正する。
【選択図】図4

Description

本発明は内燃機関の制御装置に係り、特に、排気通路にバーナー装置を設けた内燃機関の制御装置に関する。
車両用等の内燃機関の排気通路において、排気浄化装置(触媒等)の上流側にバーナー装置を設け、バーナー装置で生成された加熱ガスにより排気温度を上昇させ、排気浄化装置を加熱昇温し、排気浄化装置の暖機を促進する場合がある。例えば内燃機関の始動後に排気浄化装置の活性化を早めたり、内燃機関の通常運転時に排気浄化装置の活性状態を維持したりするために、バーナー装置が使用される。バーナー装置は、典型的に、排気通路内に添加された燃料を着火して燃焼させることにより、火炎を含む加熱ガスを生成するものである(例えば特許文献1参照)。
特開2012−107634号公報
ところで、バーナー装置の制御において、バーナー装置の作動時に燃焼率を検出し、検出された燃焼率がこれに対応する閾値に対し燃焼不良側、すなわち低い値であるときにはバーナー装置の作動を停止することが考えられる。ここで燃焼率とは、添加燃料のうち実際に燃焼した燃料の割合をいう。
バーナー装置の燃焼率は内燃機関の運転状態に応じて変化する。燃焼率が低いと、排気浄化装置に未燃燃料が付着し、排気温度が急上昇する加速時等に、付着した未燃燃料が一気に燃焼して白煙を発生させる傾向にある。また燃焼率が低いのに燃料を添加し続けることは燃料の不効率使用ひいては燃費悪化につながる。よって、検出された燃焼率が閾値に対し低い値であるときにはバーナー装置の作動を停止するのが好ましい。
一方、バーナー装置の作動もしくは始動条件に関し、添加燃料の燃焼性に関わる複数のパラメータを各パラメータに対応する閾値とそれぞれ比較し、全てのパラメータが閾値に対し燃焼良好側の値であるという条件が成立したときにバーナー装置を作動させることが考えられる。ここで添加燃料の燃焼性に関わるパラメータとは、その大小に応じて添加燃料の燃焼性、ひいては燃焼率を変化させるようなパラメータをいう。
全パラメータが閾値に対し燃焼良好側の値であるとき、原則的にはバーナー装置を作動させても燃焼率が閾値に対し燃焼良好側の値となり、バーナー装置の作動は継続される。逆に言えば、各パラメータの閾値はそうなるように予め設定されている。しかし、製造ばらつきや個々の使用状況等によって実際にそうならない場合もある。すなわち、全パラメータが閾値に対し燃焼良好側の値となっているのに、実際の燃焼率が閾値に対し燃焼良好側の値とならない場合がある。こうなると、全パラメータの条件が成立しているのにバーナー装置が不意に停止され、バーナー装置の作動頻度ひいては排気浄化装置の暖機性能が低下してしまう。
このことに対処するため、燃焼率の閾値をより燃焼不良側の値に変更することが考えられる。しかしこうすると、必然的にバーナー装置作動時の燃焼率が低下し、前述したように加速時等に白煙を生じさせたり燃費を悪化させたりする虞がある。燃焼率の元々の閾値が白煙限界に対し余裕がない場合にはなおさらである。
一方、全パラメータの閾値を適合段階でより燃焼良好側の値に一律に変更設定することが考えられる。こうすることでバーナー装置が作動した時の燃焼率の向上が見込まれるからである。しかし、こうすると全パラメータの条件成立頻度が低下し、やはりバーナー装置の作動頻度を低下させてしまう。
そこで本発明は上記事情に鑑みて創案され、その一の目的は、バーナー装置の作動頻度と燃焼率の両立を図ることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
排気通路内に燃料を添加し、この添加燃料を着火させるバーナー装置を備える内燃機関の制御装置であって、
前記添加燃料の燃焼性に関わる複数のパラメータを各パラメータに対応する第1閾値とそれぞれ比較し、全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値であるときに前記バーナー装置を作動させ、前記バーナー装置の作動時に燃焼率を検出し、検出された前記燃焼率がこれに対応する第2閾値に対し燃焼不良側の値であるときに少なくとも一つの前記第1閾値を燃焼良好側に補正し、
それぞれの前記パラメータについて、前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値となる時間比率を算出し、前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正するとき、少なくとも前記時間比率が最も高いパラメータの前記第1閾値を補正する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
ここで前述したように、「添加燃料の燃焼性に関わるパラメータ」とは、その大小に応じて添加燃料の燃焼性、ひいては燃焼率を変化させるようなパラメータをいい、「燃焼率」とは、添加燃料のうち実際に燃焼した燃料の割合をいう。また「時間比率」とは、所定時間中においてパラメータがパラメータ閾値に対し燃焼良好側の値となっている時間の比率もしくは割合をいう。
好ましくは、前記制御装置は、前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正した後、その補正された前記第1閾値を、燃焼良好側への補正量よりも少ない補正量で燃焼不良側に補正する。
好ましくは、前記制御装置は、前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正した後で且つ前記バーナー装置の作動時に前記燃焼率を検出し、検出された前記燃焼率が前記第2閾値に対し燃焼良好側の値であるとき、その補正された前記第1閾値を、燃焼良好側への補正量よりも少ない補正量で燃焼不良側に補正する。
好ましくは、前記制御装置は、前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正するとき、前記時間比率が最高位のパラメータの前記第1閾値と、前記時間比率がより下位のパラメータの前記第1閾値とを燃焼良好側に補正する。
好ましくは、前記制御装置は、前記時間比率が高いパラメータほど前記第1閾値の燃焼良好側への補正量を大きくする。
好ましくは、前記制御装置は、検出された前記燃焼率が前記第2閾値に対し燃焼不良側の値であるときに前記バーナー装置を停止させる。
好ましくは、前記制御装置は、所定の作動要求が有り、且つ全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値であるときに前記バーナー装置を作動させ、
前記作動要求が有る時間と、全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値となっている時間との割合に基づき、故障診断を実行する。
好ましくは、前記バーナー装置が、前記添加燃料を着火させるための着火装置を含み、
前記複数のパラメータが、前記バーナー装置に供給される排気ガスの酸素濃度、排気温度および排気流量、ならびに前記着火装置の発熱部の温度の少なくとも一つを含む。
好ましくは、前記パラメータが、前記第1閾値が燃焼良好側の値であるほど前記時間比率が低下するようなパラメータである。
本発明によれば、バーナー装置の作動頻度と燃焼率の両立を図ることができる内燃機関の制御装置を提供することができるという、優れた効果が発揮される。
第1実施形態に係る内燃機関の概略図である。 燃焼率の検出結果の一例を示すタイムチャートである。 各パラメータと燃焼率の高低を示す図である。 エンジン運転中におけるパラメータ条件の成立の有無の一例を示す図である。 第1実施形態におけるバーナー装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるバーナー装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。 第3実施形態における故障診断処理のフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。本実施形態の内燃機関(エンジン)Eは車両(自動車)に搭載された多気筒圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼルエンジンである。シリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン等を含むエンジン本体1には吸気通路2と排気通路3が接続されている。エンジン本体1の各気筒には筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁すなわち筒内噴射弁6が設けられている。
吸気通路2の途中にターボチャージャ5のコンプレッサ5Cが、また排気通路3の途中にターボチャージャ5のタービン5Tがそれぞれ配設されている。
吸気通路2において、コンプレッサ5Cの上流側には吸入空気量を検出するためのエアフローメータ4が設けられ、コンプレッサ5Cの下流側にはインタークーラ7と電子制御式スロットルバルブ8とが直列に設けられている。
排気通路3において、タービン5Tの下流側にはそれぞれ排気浄化装置をなす酸化触媒10およびNOx触媒11が上流側からこの順番で直列に設置されている。また図示しないが、過給圧制御のための機構すなわちタービンバイパス通路とウェイストゲート弁、またはタービン入口部の可変ベーンもしくは可変ノズル(VN)が設けられる。
排気通路3内の排気ガスを吸気通路2に環流させるEGR(外部EGR)を実行するため、EGR装置9が設けられる。EGR装置9は、タービン上流側の排気通路3とスロットルバルブ下流側の吸気通路2とを連通させるEGR通路9Aと、EGR通路9Aに上流側から順に設けられたEGRクーラ9BおよびEGR弁9Cとを備える。
酸化触媒10は、HC,COなどの未燃成分を酸素O2と反応させてCO,CO2,H2O等とする。触媒物質としては例えばPt/CeO2、Mn/CeO2、Fe/CeO2、Ni/CeO2、Cu/CeO2等を用いることができる。
NOx触媒11は例えば吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)からなる。NOx触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比がストイキ(理論空燃比、例えば14.6)より高いときには排気中のNOxを吸蔵し、排気ガスの空燃比がストイキ以下のときには吸蔵NOxを放出して還元する機能を有する。NOx触媒11は、アルミナAl23等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とを担持させて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。なおNOx触媒11は、尿素等の還元剤の供給時に排気中のNOxを連続的に還元処理可能な選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)であってもよい。
これら酸化触媒10およびNOx触媒11に加えて、排気中の煤等の微粒子(PM、パティキュレート)を捕集するパティキュレートフィルタ(DPF)が設けられてもよい。好ましくはDPFは、貴金属からなる触媒が担持され、捕集した微粒子を連続的に酸化燃焼する連続再生式のものである。好ましくはDPFは、少なくとも酸化触媒10の下流側に配置される。なおエンジンは火花点火式内燃機関すなわちガソリンエンジンであってもよく、この場合、排気通路に三元触媒が設けられるのが好ましい。これらDPFおよび三元触媒も排気浄化装置に該当する。
排気通路3において、タービン5Tの下流側且つ酸化触媒6の上流側にはバーナー装置20が設置されている。バーナー装置20は、その下流側の酸化触媒10およびNOx触媒11(特に最上流位置にある酸化触媒10)に供給される排気ガスを昇温させるためのものである。バーナー装置20は、燃料添加弁21と、着火装置またはヒータとしてのグロープラグ22とを含む。
燃料添加弁21は、排気通路3内に液体の燃料Fを噴射、供給あるいは添加する。燃料Fとしては、エンジン用の燃料である軽油が共用されるが、別種の燃料を使用しても良い。燃料添加弁21は概ねグロープラグ22に向けて燃料Fを噴射し、グロープラグ22は燃料添加弁21から噴射された燃料Fもしくはこれと排気ガスとの混合気を着火もしくは燃焼させる。グロープラグ22は燃料添加弁21よりも若干下流側の位置に配置される。
バーナー装置20は、グロープラグ22の直後の位置において排気通路3内に設置された小型酸化触媒(図示せず)を含んでもよい。
エンジンEは、車両に搭載された制御器としての電子制御ユニット(以下、ECUという)100により総括的に制御される。ECU100は、エンジン制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータを記憶するROM、CPUの演算結果等を一時記憶するRAM、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等を備えて構成される。
ECU100には、上述したエアフローメータ4の他、エンジンのクランク角を検出するためのクランク角センサ31と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ32とが接続されている。
ECU100は、クランク角センサ31の出力に基づいて検出値としてのエンジン回転数(機関回転数)Neを算出する。またECU100は、エアフローメータ4の出力に基づいて検出値としての吸入空気量Gaを算出する。そしてECU100は、算出された吸入空気量Gaに基づいてエンジン負荷(機関負荷)KLを算出する。
排気通路3において、タービン5Tの下流側且つバーナー装置20の上流側の位置に第1排気温センサとしての上流排気温センサ33が設けられ、バーナー装置20の下流側且つ酸化触媒10の上流側の位置に第2排気温センサとしての下流排気温センサ34が設けられている。そして酸化触媒10にも触媒温センサ35が設けられている。これら温度センサ33,34,35もECU100に接続されている。
ECU100は、各センサによる各検出値に基づき上述の筒内噴射弁6、スロットルバルブ8、EGR弁9Cおよびバーナー装置20(燃料添加弁21およびグロープラグ22)を制御する。
さて、本実施形態におけるバーナー装置20は、主にエンジンの冷間始動後の暖機中に、最上流位置にある酸化触媒10をできるだけ早く活性化させるために使用ないし作動される。他方、暖機中でなくても、酸化触媒6の温度が最小活性温度を下回り酸化触媒6が未活性となったときに、これを活性化すべくバーナー装置20が作動される。
具体的には、ECU100は、触媒温センサ35により検出された酸化触媒10の触媒温度を所定の最小活性温度と比較し、触媒温度が最小活性温度未満なら作動要求有り、触媒温度が最小活性温度以上なら作動要求無しと判断する。なお、バーナー装置20は未活性の酸化触媒10を暖機して活性化させるために作動させるものなので、バーナー装置20への作動要求は酸化触媒10への暖機要求と言い換えることもできる。このバーナー装置20への作動要求が有ることが、バーナー装置20を作動させるための第1の基本的条件である。なお、酸化触媒10の触媒温度は触媒温センサ35により直接検出しているが、これを推定してもよい。例えば、下流排気温センサ34による検出温度およびエンジン運転状態等に基づき触媒温度を推定可能である。
バーナー装置20の作動時には、グロープラグ22が連続的に通電(オン)されると共に、燃料添加弁21が間欠的ないしパルス状に通電(オン)され、グロープラグ22に向けて燃料Fが間欠的に噴射される。すると、添加燃料Fもしくはこれと排気ガスとの混合気が、グロープラグ22によって着火、燃焼させられる。これにより火炎を含む加熱ガスが生成され、この加熱ガスにより排気ガスが昇温される。昇温された排気ガスは酸化触媒6に供給され、酸化触媒6の活性化を促す。酸化触媒6が活性化したのと同時に、すなわち酸化触媒10の触媒温度が最小活性温度以上に達したのと同時に、バーナー装置20を停止することが可能である。
なお、バーナー装置20に小型酸化触媒を設けた場合、小型酸化触媒は添加燃料Fの供給を受けて発熱し、排気昇温を助ける。また小型酸化触媒は、添加燃料Fを改質し、この改質された添加燃料を酸化触媒6に送って酸化触媒6の活性化を助ける機能も有する。
ところで本実施形態において、ECU100は、バーナー装置20の作動時に燃焼率を検出し、検出された燃焼率がこれに対応する閾値に対し燃焼不良側、すなわち低い値であるときにバーナー装置の作動を停止する。ここで燃焼率とは、添加燃料のうち実際に燃焼した燃料の割合をいう。なお燃焼率から、添加燃料のうち実際に燃焼していない燃料の割合を算出することが可能である。燃焼率は、全添加燃料量のうち実際に燃焼した燃料量の割合、または、添加燃料が全て完全燃焼したと仮定したときに発生するCO2量に対する実際の燃焼時に発生したCO2量の割合と言い換えることもできる。
バーナー装置20の燃焼率はエンジンの運転状態に応じて変化する。燃焼率が低いと、酸化触媒10(およびNOx触媒11)に未燃燃料が付着し、排気温度が急上昇する加速時等に、付着した未燃燃料が一気に燃焼して白煙を発生させる傾向にある。また燃焼率が低いのに燃料を添加し続けることは燃料の不効率使用ひいては燃費悪化につながる。よって、検出された燃焼率が閾値に対し低い値であるときにはバーナー装置20の作動を停止するのが好ましい。
ここで、ECU100が実行する燃焼率検出の方法を以下に説明する。なお以下の方法以外に、公知方法を含む他の方法により燃焼率を検出してもよい。
一般に、下流排気温センサ34の熱容量をCSとし、下流排気温センサ34の周囲の排ガスから下流排気温センサ34に演算周期τ当たりに伝達される熱エネルギー量をdQとした場合、下流排気温センサ34によって検出される排気温T2の演算周期τ当たりの変化率dT2は
dT2=dQ/CS ・・・(1)
によって表すことができる。ここで演算周期τとはECU100の演算周期のことである。また検出排気温T2の演算周期τ当たりの変化率dT2とは、演算周期τの前後の検出排気温T2(今回値と前回値)の差をいい、今回の検出排気温の微分値ないし傾きと等価である。
また、z3,z5を定数とし、下流排気温センサ34の周囲の排ガスの排気温をTEとし、下流排気温センサ34自体の熱伝導率をκSとし、下流排気温センサ34の周囲の排ガスから下流排気温センサ34に熱が伝わるときの熱伝導率をκEとすると、一般的な伝熱法則から
dQ=(TE−T2)/{(1/z3・κS)+(1/z5・κE)} ・・・(2)
である。(1)式を(2)式に代入してdQを消去すると
E=CS・dT2{(1/z3・κS)+(1/z5・κE)}+T2 ・・・(3)
となる。
一方、燃料添加開始時期から所定時間経過後の所定時期であって且つ燃料添加中における、下流排気温センサ34の周囲の排ガスの排気温TEは、燃料の添加開始直前時期に下流排気温センサ34によって検出された排気温をT2Sとし、所定時間の間に添加された燃料の供給エネルギー量をQFとし、排気の熱容量をCEとし、燃焼率Rcを考慮すると
E=(QF・Rc/CE)+T2S ・・・(4)
である。(4)式を(3)式に代入すると
Rc=(CE/QF)・[CS・dT2{(1/z3・κS)+(1/z5・κE)}+T2−T2S] ・・・(5)
となる。(5)式におけるCS{(1/z3・κS)+(1/z5・κE)}はパラメータZとして表すことができるので、(T2−T2S)を燃料添加開始時期から所定時間経過後の所定時期までの検出排気温の上昇量ΔT2とすると、(5)式は
Rc=(CE/QF)(Z・dT2+ΔT2) ・・・ (6)
のように変形することができる。
そこで本実施形態においては、ECU100が、この(6)式に基づき燃焼率Rcを常時(演算周期τ毎に)演算する。ここでCEとZは定数とみなされ、その値がECU100に予め入力されている。よってECU100は、燃料添加中、QF、dT2およびΔT2の値を検出もしくは算出し、これらの値に基づいて検出値としての燃焼率Rcを算出する。
なお、この燃焼率Rcの検出に際し、下流排気温センサ34による排気温検出位置(一般的には排気通路断面の偏在位置)に起因する誤差を補償すること、および上流排気温センサ33の検出温度変化に起因する誤差を補償することなどの少なくとも一つを行ってもよい。
本実施形態による燃焼率の検出結果の一例を図2に示す。図2(A)において、燃焼率が0(%)となっている期間はバーナー装置20が停止されている期間、そうでない期間はバーナー装置20が作動されている期間を意味する。燃焼率の検出自体はバーナー装置20の停止期間中も実行されるが、その停止期間中には結果的に0(%)という値の燃焼率が検出される。図2(A)と図2(B)実線とを見比べれば分かるように、バーナー装置20の作動中には下流排気温センサ34の検出排気温が上昇し、且つ燃焼率が精度良くリアルタイムで検出されている。図2(B)の二点鎖線は、添加燃料が未燃のときの検出排気温を参考までに示す。
本実施形態において、ECU100は、特にバーナー装置20の作動時において燃焼率Rcを検出し、検出された燃焼率Rcがこれに対応する閾値すなわち燃焼率閾値Rcthより大きい値であるときにはバーナー装置20の作動を継続し、検出された燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcth以下の値であるときにはバーナー装置20の作動を停止する。すなわち、燃焼率Rcの検出値が燃焼率閾値Rcthより大きい値であることが、バーナー装置20を作動させるための第2の追加的条件である。
ところで、バーナー装置20のさらなる作動条件もしくは始動条件に関し、ECU100は、バーナー装置20からの添加燃料の燃焼性に関わる複数のパラメータを各パラメータに対応する閾値(パラメータ閾値ともいう)とそれぞれ比較し、全てのパラメータが閾値に対し燃焼良好側の値であるという条件が成立したときにバーナー装置20を作動もしくは始動させる。ここで添加燃料の燃焼性に関わるパラメータとは、その大小に応じて添加燃料の燃焼性、ひいては燃焼率を変化させるようなパラメータをいう。ECU100は複数のパラメータの値をそれぞれ検出し、検出された各パラメータの値を各閾値と比較する。
本実施形態においては以下の4つのパラメータが使用される。第1のパラメータは、バーナー装置20に供給される排気ガス(バーナー入りガスともいう)の酸素濃度(O2濃度ともいう)である。バーナー入りガスはエンジン本体1から排出される排気ガスと等価である。バーナー入りガスのO2濃度が高いほど、バーナー装置20の燃焼性や着火性が良好となり、燃焼率が上昇する。O2濃度に対応する閾値をO2濃度閾値と称する。バーナー装置20を作動もしくは始動させるには、検出されたO2濃度がO2濃度閾値より高いことが必要である。なお添加燃料もしくはその混合気がグロープラグ22の発熱部によって着火されることから、バーナー入りガスとは、グロープラグ22の発熱部に供給される排気ガスであってもよい。
本実施形態においては、O2濃度検出値として、以下の方法により推定されたO2濃度の値を用いる。すなわちECU100は、次式(7)に従ってO2濃度Crを推定する。
Figure 2014101777
λは空気過剰率、mは燃料分子中の炭素原子数、nは燃料分子中の水素原子数である。例えばm=14、n=26としてm,nの値が予め定められ、ECU100に記憶されている。
空気過剰率λは、エアフローメータ4により検出された吸入空気量Gaと、筒内噴射量Qcとに基づき次式(8)に従って算出される。
Figure 2014101777
筒内噴射量Qcは、エンジン回転数Neと、アクセル開度センサ32により検出されたアクセル開度Acとに基づき、所定のマップに従って算出される。この算出された筒内噴射量Qが実際に筒内噴射弁6から噴射されるよう筒内噴射弁6が制御される。
なお、バーナー装置20の上流側の排気通路3に設けられた酸素濃度センサもしくは空燃比センサにより、O2濃度Crを直接的に検出してもよい。
第2のパラメータは、バーナー装置20に供給される排気ガスの排気温度である。排気温度が高いほど、バーナー装置20の燃焼性や着火性が良好となり、燃焼率が上昇する。この排気温度に対応する閾値を排気温度閾値と称する。バーナー装置20を作動もしくは始動させるには、検出された排気温度が排気温度閾値より高いことが必要である。この排気温度は上流排気温センサ33により検出される。
第3のパラメータは、バーナー装置20に供給される排気ガスの排気流量である。排気流量が少ないほど、バーナー装置20の燃焼性や着火性が良好となり、燃焼率が上昇する。逆に排気流量が多いと、添加燃料の着火が困難となり、また着火できたとしてもこれによりできた火炎が吹き消されてしまうことがある。この排気流量に対応する閾値を排気流量閾値と称する。バーナー装置20を作動もしくは始動させるには、検出された排気流量が排気流量閾値より低いことが必要である。
ここで本実施形態では、排気流量の代用値として、単位時間当たりの吸入空気量(g/s)すなわち吸気流量が用いられる。従って検出された排気流量とは、エアフローメータ4によって検出された吸入空気量を意味し、排気流量閾値は吸入空気量閾値と置き換えることができる。以下、排気流量に関しては吸入空気量に置き換えて説明を進める。
第4のパラメータは、グロープラグ22の発熱部の温度である。グロープラグ22の発熱部とは、排気通路3内に位置されて電力供給により発熱し、燃料を実質的に着火させるグロープラグ22の部分である。このグロープラグ22の発熱部の温度をグロー温度と称する。グロー温度が高いほど、バーナー装置20の燃焼性や着火性が良好となり、燃焼率が上昇する。このグロー温度に対応する閾値をグロー温度閾値と称する。バーナー装置20を作動もしくは始動させるには、検出されたグロー温度がグロー温度閾値より高いことが必要である。グロー温度の検出は、本実施形態ではグロープラグ22に内蔵されたグロー温度センサによって行うが、その他の方法によって行うこともできる。
なお、本実施形態では以上の4つのパラメータを用いるが、このパラメータの数や種類は任意に変更可能である。パラメータの数は2以上あればよい。上記以外の種類のパラメータを用いることもできる。上記4つのパラメータのうちの幾つかのみを用いてもよい。
本実施形態において、ECU100は、それぞれ検出したO2濃度Cr、排気温度T1、吸入空気量Gaおよびグロー温度Tgを、それぞれO2濃度閾値Crth、排気温度閾値T1th、吸入空気量閾値Gathおよびグロー温度閾値Tgthと比較する。そしてCr>Crth、T1>T1th、Ga<GathおよびTg>Tgthの全ての条件が成立したとき、すなわち4つのパラメータ条件が全て成立したとき、バーナー装置20を作動もしくは始動させる。これがバーナー装置20を作動させるための第3の追加的条件である。そして4つのパラメータ条件のうち一つでも不成立であれば、バーナー装置20を停止させる。例えば内燃機関の減速フューエルカット時や、アイドルを含む軽負荷運転時に4つのパラメータ条件が成立し易い。
本実施形態において、ECU100は、4つのパラメータ条件が全て成立しているか否かを判断し、全て成立している場合はバーナー装置20を作動させる。このバーナー装置20の作動時に燃焼率Rcを検出し、検出された燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcthより高いときにはバーナー装置20の作動を継続し、燃焼率閾値Rcth以下のときにはバーナー装置20を停止させる。バーナー装置20の停止中に4つのパラメータ条件が全て成立したときは、バーナー装置20を始動可能である。
このように本実施形態では、4つのパラメータ条件が全て成立したときにバーナー装置20を作動させ、このバーナー装置作動時に検出した燃焼率RCに応じてバーナー装置20の作動・停止を制御するフィードバック制御を行う。
4つのパラメータ条件が全て成立したとき、原則的にはバーナー装置20を作動させても燃焼率閾値Rcthより高い燃焼率Rcが得られ、バーナー装置20の作動は継続される。逆に言えば、各パラメータの閾値Crth、T1th、GathおよびTgthはそうなるように予め設定されている。
しかし、製造ばらつきや個々の使用状況等によって実際にはそうならない場合もある。すなわち、4つのパラメータ条件が全て成立しているのに、燃焼率閾値Rcth以下の燃焼率Rcしか得られない場合がある。こうなると、4つのパラメータ条件が全て成立しているのにバーナー装置20が不意に停止され、バーナー装置20の作動頻度ひいては排気浄化装置の暖機性能が低下してしまう。
このことに対処するため、燃焼率閾値Rcthをより低い値に変更することが考えられる。しかしこうすると、必然的にバーナー装置作動時の燃焼率Rcが低下し、加速時等に白煙を生じさせたり燃費を悪化させたりする虞がある。燃焼率の元々の閾値が白煙限界に対し余裕がない場合にはなおさらである。
一方、全パラメータの閾値を適合段階でより燃焼良好側の値に一律に変更設定することが考えられる。すなわち、Crth、T1th、Tgthをより大きい値に変更し、Gathをより小さい値に変更することが考えられる。こうすることでバーナー装置が作動した時の燃焼率の向上が見込まれるからである。しかしこうすると、各パラメータ条件の成立頻度が低下し、やはりバーナー装置20の作動頻度を低下させてしまう。
そこで本実施形態では、バーナー装置作動時に燃焼率閾値Rcth以下の燃焼率Rcが得られた場合に少なくとも一つのパラメータ閾値をより燃焼良好側の値に補正する。そしてこのとき、それぞれのパラメータについて、パラメータがパラメータ閾値に対し燃焼良好側の値となる時間比率を算出する。時間比率とは、所定時間中においてパラメータがパラメータ閾値に対し燃焼良好側の値となっている時間の比率もしくは割合をいう。パラメータ閾値を補正するとき、少なくとも時間比率が最も高いパラメータに対応するパラメータ閾値を補正する。こうすることで、後に理解されるように、バーナー装置20の作動頻度と燃焼率の両立を図ることができる。
以下、本実施形態の当該特徴を詳細に説明する。図3には、各パラメータと燃焼率の高低を示し、(A)にはO2濃度Cr(%)、(B)には排気温度T1(%)、(C)には吸入空気量Ga(g/s)、(D)にはグロー温度Tg(℃)、(E)には燃焼率Rc(%)を示す。
(A)に示すO2濃度に関して、基準値または初期値としてのO2濃度閾値Crth0は例えば17(%)である。図中上方に向かうほど値が増加し、燃焼良好となり、燃焼率が上昇する。但しO2濃度閾値Crthをより高い値に変更するとCr>Crthという条件の成立頻度は低くなる。逆に、図中下方に向かうほど値が減少し、燃焼不良となり、燃焼率が低下する。但しO2濃度閾値Crthをより低い値に変更するとCr>Crthという条件の成立頻度は高くなる。また、例えば0.5(%)というステップ量ΔCrが予め定められている。このステップ量は後に説明するパラメータ閾値補正の際の補正量の1単位である。
(B)に示す排気温度、(D)に示すグロー温度、および(E)に示す燃焼率RcにもO2濃度と同様の傾向がある。例えば、基準の排気温度閾値T1th0は100(℃)、排気温度ステップ量ΔT1は5(℃)、基準のグロー温度閾値Tgth0は1100(℃)、グロー温度ステップ量ΔTgは10(℃)である。また燃焼率閾値Rcthは80(%)である。
(C)に示す吸入空気量にはO2濃度等と逆の傾向がある。すなわち、図中上方に向かうほど値が減少し、燃焼良好となり、燃焼率が上昇する。逆に、図中下方に向かうほど値が増大し、燃焼不良となり、燃焼率が低下する。基準の吸入空気量閾値Gath0は例えば16(g/s)であり、吸入空気量閾値Gathをより小さい値に変更するとGa<Gathという条件の成立頻度は低くなり、吸入空気量閾値Gathをより大きい値に変更するとGa<Gathという条件の成立頻度は高くなる。また、例えば0.5(g/s)というステップ量ΔGaが予め定められている。なお、吸入空気量閾値Gathをより小さい値に変更すると、この閾値Gathより小さい吸入空気量の範囲が少なくなるので、Ga<Gathという条件の成立頻度は低くなる。
図4には、エンジン運転中におけるパラメータ条件の成立の有無の一例を示す。成立の場合を○、不成立の場合を×で表す。(A)にはO2濃度の場合、(B)には排気温度の場合、(C)には吸入空気量の場合、(D)にはグロー温度の場合を示す。(E)には、4つのパラメータ条件が全て成立したか否か(全条件が成立したか否か)を示す。
(F)には、各時間(t1,t2,t3,t4,t5)毎のパラメータ条件の成立比率(時間毎成立比率という)を示す。これは、各時間毎に、4つのパラメータ条件のうち成立したものの割合を意味する。例えば、時刻t1ではいずれのパラメータ条件も成立していないので時間毎成立比率は0(%)であり、時刻t3では2つのパラメータ条件が成立しているので時間毎成立比率は50(%)であり、時刻t5では4つ全てのパラメータ条件が成立しているので時間毎成立比率は100(%)である。なお、時刻t5のように時間毎成立比率が100(%)となったとき、バーナー装置20が作動可能である。
(G)には、t1からt5までの全期間中におけるパラメータ条件成立比率を示す。このパラメータ条件成立比率が前述の時間比率に相当する。例えば、O2濃度の場合には、時刻t1,t2,t3,t4,t5のうち時刻t5のみでしかパラメータ条件が成立していないので、時刻t5の時点においてパラメータ条件成立比率は20(%)である。グロー温度の場合には、時刻t2,t3,t4,t5でパラメータ条件が成立しているので、時刻t5の時点においてパラメータ条件成立比率は80(%)である。
ここでECU100における演算上、各時刻の間隔は演算周期τに等しく、各時刻は演算時期に該当する。そして現時点ないし今回におけるパラメータ条件の成立結果は、前回から今回までの1演算周期τ間の成立結果として扱われる。例えば、現時点ないし今回が時刻t5のときO2濃度のパラメータ条件は成立しているが、このとき、前回の時刻t4から今回の時刻t5までの期間でO2濃度のパラメータ条件は成立していると扱われる。こうして、各パラメータ条件の成立の有無と成立比率とが、演算周期τ毎に逐次的に判定および算出される。
もっとも、必ずしもこのように演算周期τ毎に判定および算出を行う必要はない。これらを行う時間間隔は任意に設定できる。例えば演算周期τの複数倍の時間間隔(2τ、3τ、4τ等)で判定および算出を行ってもよい。また、現時点から所定時間前までの複数サンプルのうちパラメータ条件が成立したサンプルの数の割合でもって時間比率を定めてもよい。
さて、図示例によると時刻t5の時点でパラメータ条件成立比率が最も高いのはグロー温度(80%)である。よってECU100は、この結果に基づき、少なくともグロー温度閾値Tgthを燃焼良好側の値に補正する。図3(D)に矢印aで示すように、例えば、グロー温度閾値Tgthを、基準値Tgth0の1100(℃)から2ステップ量(2ΔTg)だけ増大させた1120(℃)に補正する。
こうすると、グロー温度閾値Tgthを上昇させた分、実際にバーナー装置20を作動させたときの燃焼率Rcを上昇させることができる。また、補正するのは少なくとも成立比率が最も高いグロー温度の閾値Tgthなので、閾値補正によりその成立比率が多少低下しても、全体に及ぼす影響は少なく、全てのパラメータ条件の成立比率すなわち時間毎成立比率(図4(F))の低下を最小限に止めることができる。よって、バーナー装置20の作動頻度と燃焼率の両立を図ることが可能となる。
このパラメータ閾値の補正方法については次のような様々な例が考えられる。
(1)一つのパラメータ閾値のみを補正する場合
この場合、パラメータ条件成立比率が最も高いパラメータの閾値のみが補正される。例えば前述の例のように、パラメータ条件成立比率が最も高いグロー温度閾値Tgthのみが基準値Tgth0の1100(℃)から2ステップ量(2ΔTg)だけ増大された1120(℃)に補正される。なおパラメータ条件成立比率が最も高いパラメータが複数ある場合、この複数のパラメータのうち全ての閾値または選択された一つもしくは一部の閾値が補正されてもよい。以下の例も含め、補正する際の補正量またはステップ量は任意に定め得る。
(2)一部(二つまたは三つ)のパラメータ閾値を補正する場合
この場合、パラメータ条件成立比率が最も高い(最高位の)パラメータの閾値と、それより下位のパラメータの閾値とが補正される。補正されるパラメータ閾値の数は二つでも三つでもよい。例えば、成立比率が最も高い(最高位の)グロー温度の閾値Tgthと、成立比率が次に高い(次に下位の)排気温度の閾値T1thとの二つが補正される。これら閾値に対する補正量としてのステップ量は、等しくてもよいし、異なっていてもよい。例えばグロー温度閾値Tgthを基準値Tgth0の1100(℃)から2ステップ量(2ΔTg)だけ増大させた1120(℃)に補正する(図3(D)矢印a参照)と共に、排気温度閾値T1thを基準値T1th0の100(℃)から同様に2ステップ量(2ΔT1)だけ増大させた110(℃)に補正する(図3(B)矢印b参照)ことができる。
このように複数のパラメータ閾値を補正する場合、好ましくは、成立比率が高いパラメータほどその閾値の補正量を大きくする。成立比率が相対的に高いパラメータについては、全体とのバランスからして、その閾値を大きく補正しても、全てのパラメータ条件の成立比率をそれ程低下させるとは思われないし、またその閾値を大きく補正することで燃焼率の格段の向上を見込めるからである。また成立比率が相対的に低いパラメータについては、その閾値補正量を小さくして成立比率の低下を抑制し、なおかつ閾値補正による燃焼率向上を見込めるからである。
例えば、グロー温度閾値Tgthを基準値Tgth0の1100(℃)から2ステップ量(2ΔTg)だけ増大させた1120(℃)に補正する(図3(D)矢印a参照)と共に、排気温度閾値T1thを基準値T1th0の100(℃)からより少ない1ステップ量(ΔT1)だけ増大させた105(℃)に補正する(図3(B)矢印c参照)ことができる。
あるいは、各閾値の補正量を成立比率に基づいて定めてもよい。例えば、補正量を、成立比率とステップ量の積に等しくすることができる。この場合、グロー温度閾値Tgthの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.8ΔTg=8(℃)であり、排気温度閾値T1thの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.6ΔT1=3(℃)である。よってグロー温度閾値Tgthは基準値Tgth0の1100(℃)から1108(℃)に補正され、排気温度閾値T1thは基準値T1th0の100(℃)から103(℃)に補正される。
(3)全て(四つ)のパラメータ閾値を補正する場合
この場合、好ましくは成立比率が高いパラメータほどその閾値の補正量を大きくし、より好ましくは各パラメータ閾値の補正量を成立比率に基づいて定め、さらに好ましくは補正量を成立比率とステップ量の積に等しくする。この場合、グロー温度閾値Tgthの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.8ΔTg=8(℃)であり、排気温度閾値T1thの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.6ΔT1=3(℃)であり、吸入空気量閾値Gathの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.4ΔGa=0.2(g/s)であり、O2濃度閾値Gathの補正量は(成立比率)×(ステップ量)=0.2ΔCr=0.1(%)である。よってグロー温度閾値Tgthは基準値Tgth0の1100(℃)から1108(℃)に補正され、排気温度閾値T1thは基準値T1th0の100(℃)から103(℃)に補正され、吸入空気量閾値Gathは基準値Gath0の16(g/s)から16.2(g/s)に補正され、O2濃度閾値Crthは基準値Crth0の17(%)から17.1(%)に補正される。
このように、成立比率が低いパラメータほどその閾値の補正量を小さくするので、成立比率が低いパラメータを補正しても全条件成立比率ひいてはバーナー装置作動頻度を極度に低下させることがない。
以上の方法で、各パラメータ閾値がエンジン運転中に時々刻々と補正され、更新されていく。そして現状の個体や使用状況等に見合った最適値に徐々に近づいていく。これにより、全てのパラメータ条件が成立し、バーナー装置20を作動させたときには、燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcをより多くの時点で上回るようになり、安定した着火制御、燃焼制御を実現することができる。しかもこれによるバーナー装置作動頻度の低下は最小限で済むため、当該作動頻度を実質的に犠牲にすることなく高い燃焼率が得られる。
なお、各パラメータ閾値について燃焼良好側のガード値を定め、これらガード値を超えて閾値が補正、更新されないようにしてもよい。これによりパラメータ条件成立比率が極端に低下することを抑制できる。
次に、図5を参照して本実施形態のバーナー装置の制御を具体的に説明する。図示するルーチンはECU100により所定の時間もしくは演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、バーナー装置20に対する作動要求(すなわち酸化触媒10に対する暖機要求)の有無が判断される。作動要求が無ければステップS112に進んでバーナー装置20が停止(オフ)され、ルーチンが終了される。
作動要求が有る場合、ステップS102に進んで、4つ全てのパラメータ条件が成立しているか否かが判断される。
成立している場合、ステップS103に進んで、各パラメータ条件成立比率が算出される。そしてステップS104においてバーナー装置20が作動(オン)され、ステップS105で燃焼率Rcが検出される。なおバーナー装置20の作動開始と同時に即時に燃焼率Rcが立ち上がらない可能性もあるので、この場合にはバーナー装置20の作動開始から所定時間経過後に燃焼率Rcの検出を開始しても良い。
次いでステップS106において、検出された燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcthと比較される。燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcthより高い場合、ルーチンが終了され、バーナー装置20の作動が継続される。
他方、燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcth以下の場合、ステップS107でバーナー装置20が停止され、ステップS108において、少なくともパラメータ条件成立比率が最も高いパラメータの閾値が燃焼良好側の値に補正され、ルーチンが終了される。
一方、ステップS102において、全てのパラメータ条件成立とは判断されない場合、ステップS109に進んでバーナー装置20が停止され、ステップS110においていずれかのパラメータ条件が成立しているか否かが判断される。いずれのパラメータ条件も成立していない場合、ステップS112に進んでバーナー装置20が停止され、ルーチンが終了される。
他方、いずれかのパラメータ条件が成立している場合、ステップS111に進んで各パラメータ条件成立比率が算出され、ルーチンが終了される。ここで分かるように、この例ではいずれかの(少なくとも一つの)パラメータ条件が成立している場合に限って、各パラメータ条件成立比率の算出が行われる。いずれのパラメータ条件も成立していない場合には、各パラメータ条件成立比率の算出は行われない。従って図4(F)、時刻t1に示すように、時間毎成立比率が0(%)の時には各パラメータ条件成立比率の算出が行われず、その時の条件非成立の結果は、各パラメータ条件成立比率の算出結果に反映されない。こうする理由は、いずれのパラメータ条件も成立しない期間も含めて算出を行ってしまうと、各パラメータ条件成立比率の値自体が小さくなりすぎて取り扱いが不便になる可能性があるからである。従ってこの場合、ある特定パラメータのパラメータ条件成立比率とは、いずれかのパラメータ条件が成立している期間中における、特定パラメータのパラメータ条件が成立している期間の割合(後者を前者で割った値)をいう。
なお、同様の考え方で、全てのパラメータ条件が成立したときの各パラメータ条件成立比率の算出(ステップS103)を省略してもよい。また、いずれのパラメータ条件も成立しないときと、全てのパラメータ条件が成立したときとを含めて、各パラメータ条件成立比率の算出を行ってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
この第2実施形態は、概して、燃焼良好側に補正したパラメータ閾値を燃焼不良側に戻すような補正を行う点に特徴がある。
すなわち、第1実施形態では、例えば図3(D)に矢印aで示したように、パラメータ条件成立比率が最も高いグロー温度閾値Tgthのみが2ステップ量(2ΔTg)だけ増大補正され、グロー温度閾値Tgthが基準の1100(℃)から1120(℃)に補正される。
一方、こうした結果、燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcを上回るようになれば、グロー温度閾値Tgthを、増大補正量より少ない量だけ燃焼不良側すなわち減少側に戻せる可能性も出てくる。
そこで本実施形態では、パラメータ閾値を燃焼良好側に補正した後に燃焼率Rcを検出し、この検出された燃焼率Rcが燃焼率閾値Rcを上回る場合には、燃焼良好側への補正量より少ない量だけ、パラメータ閾値を燃焼不良側に補正する。これにより、バーナー装置20の作動頻度と燃焼率の両立に最適なパラメータ閾値を探索的且つ自動的に設定することが可能となる。また一旦燃焼良好側に補正したパラメータ閾値を燃焼不良側に補正するので、このパラメータ閾値に対応するパラメータの条件成立比率を増大し、バーナー装置20の作動頻度を増大させることができる。
図6は本実施形態のバーナー装置の制御ルーチンを示す。この制御ルーチンは第1実施形態の制御ルーチンと大略同様であり、ステップS201〜S212は前記ステップS101〜S112と同様である。異なるのは、ステップS206AとS211Aが追加された点のみである。
ステップS206の判定がイエス(Rc>Rcth)の場合にステップS206Aが実行され、ルーチンが終了される。またステップS211の後にステップS211Aが実行され、ルーチンが終了される。
ステップS206Aでは、ステップS208の実行により既に燃焼良好側に補正されているパラメータ閾値が燃焼不良側に補正される。このとき、燃焼不良側への補正量は燃焼良好側への補正量より少なくされる。なお、燃焼良好側に補正されているパラメータ閾値がない場合にはこのような燃焼不良側への補正は実行されない。
例えば、前述の補正方法(1)に対応して、グロー温度閾値Tgthのみが既に基準値に対し2ステップ量(2ΔTg)増大補正されている場合(図3矢印a参照)、ステップS206Aが実行されると、そのグロー温度閾値Tgthが、2ステップ量より少ない1ステップ量(ΔTg)だけ減少補正される。この様子を図3(D)に矢印dで示す。
その後のルーチン実行時にステップS206の判定が再度イエスになると、再びステップS206Aにおいてグロー温度閾値Tgthが1ステップ量減少補正され、グロー温度閾値Tgthは元の基準値Tgth0に戻される。本実施形態ではこれ以上の減少補正はなされない。すなわちパラメータ閾値が基準値に戻った時点で燃焼不良側への補正が実質的に終了され、それ以上燃焼不良側に補正されることはない。基準値よりもさらに燃焼不良側に補正してしまうと、燃焼率閾値Rcを上回る燃焼率Rcを確保するのが著しく困難になると予想されるからである。もっとも、基準値より燃焼不良側への補正を行っても特に問題ない場合はこれを行ってもよい。
ステップS211AでもステップS206Aと同様の補正が実行される。ここで全パラメータ条件が成立せず、バーナー装置20が停止されている場合にも燃焼不良側への補正を実行する理由は次の通りである。ステップS208の燃焼良好側への補正を特定のパラメータ閾値に対し繰り返し実行すると、当該パラメータ閾値がパラメータ条件成立頻度低下側に大きく変更され、全条件成立頻度ひいてはバーナー装置作動頻度が著しく低下し、最悪バーナー装置を作動させられなくなる虞がある。そこでこのことを抑制または防止するため、かかる場合にもパラメータ閾値を燃焼不良側に補正している。これにより一定以上のバーナー装置作動頻度を安定して確保することが可能となる。
また例えば、前述の補正方法(2)に対応して、最高位とこれより下位のパラメータの閾値が既に等しい補正量で補正されている場合には次のようになる。例えば、グロー温度閾値Tgthと排気温度閾値T1thとが基準値に対し2ステップ量(2ΔTg、2ΔT1)ずつ増大補正されている場合(図3矢印a、b参照)、ステップS206Aが実行されると、これらグロー温度閾値Tgthと排気温度閾値T1thとが、それぞれ1ステップ量(ΔTg、ΔT1)ずつ減少補正される。この様子を図3に矢印d、eで示す。
また例えば、前述の補正方法(2)に対応して、最高位とこれより下位のパラメータの閾値が既に補正されており、且つ成立比率が高いパラメータほどその閾値の補正量が大きくされている場合、燃焼不良側に補正する際には次の補正方法を採用することができる。ここでは前述の例、すなわちグロー温度閾値Tgthが基準値に対し2ステップ量(2ΔTg)増大補正され(図3矢印a参照)、排気温度閾値T1thが基準値に対し1ステップ量(ΔT1)増大補正されている場合(図3矢印c参照)を考える。
例えば、燃焼良好側への補正量が大きかったパラメータほど、燃焼不良側への補正量も大きくすることが可能である。この場合、ステップS206Aが実行されると、グロー温度閾値Tgthが1ステップ量(ΔTg)減少補正され(図3矢印d参照)、排気温度閾値T1thが0.5ステップ量(0.5ΔT1)減少補正される(図3矢印f参照)。
あるいは、燃焼良好側への補正量が最小であったパラメータ閾値の燃焼不良側への補正量で、全てのパラメータ閾値を等しく燃焼不良側に補正することが可能である。この場合、ステップS206Aが実行されると、グロー温度閾値Tgthが0.5ステップ量(0.5ΔTg)減少補正され(図3矢印g参照)、排気温度閾値T1thが0.5ステップ量(0.5ΔT1)減少補正される(図3矢印f参照)。
また例えば、前述の補正方法(3)の例について燃焼不良側への補正を実施する際には次の補正方法を採用することができる。前述の例だと、燃焼良好側への補正量は(成立比率)×(ステップ量)であり、グロー温度閾値Tgthの補正量は0.8ΔTg、排気温度閾値T1thの補正量は0.6ΔT1、吸入空気量閾値Gathの補正量は0.4ΔGa、O2濃度閾値Gathの補正量は0.2ΔCrであった。これに対し、燃焼不良側への補正量は(係数)×(成立比率)×(ステップ量)とすることができる。係数は0より大きく1より小さい所定の値である。例えば係数を0.5とすると、燃焼不良側への補正量は、グロー温度閾値Tgthについては0.4ΔTg、排気温度閾値T1thについては0.3ΔT1、吸入空気量閾値Gathについては0.2ΔGa、O2濃度閾値Gathについては0.1ΔCrである。
この燃焼不良側への補正方法も上記以外に様々な例が可能である。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。なお第1および第2実施形態と同様の部分については説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本実施形態は概して故障診断に関する。すなわち、第1または第2実施形態において、何等かの故障により全てのパラメータ条件が成立しなくなると、バーナー装置20を作動させることができず、エミッションが悪化する。従ってこの状態を早急に検出するため、本実施形態では以下のような故障診断を実行する。
図7は本実施形態に係る故障診断のルーチンを示す。図示するルーチンはECU100により所定の時間もしくは演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS301では、故障フラグがオフか否かが判断される。故障フラグとは、後述のステップで故障と判断されたときにオンされるフラグであり、初期状態はオフである。故障フラグがオフのときにはステップS302に進み、故障フラグがオンのときにはルーチンが終了される。
ステップS302では、バーナー装置20に対する作動要求の有無が判断される。作動要求が無ければルーチンが終了され、作動要求が有ればステップS303に進む。
ステップS303では、作動要求が有りとなっている時間すなわち作動要求時間が積算される。この作動要求積算時間はΣS1で表される。このとき、今回から前回までの間で作動要求有りとなっていたと扱われ、今回から前回までの時間が前回までの作動要求積算時間に加算される。
次いでステップS304では、全てのパラメータ条件が成立しているか否かが判断される。成立していなければルーチンが終了され、成立していればステップS305に進む。
ステップS305では、全てのパラメータ条件が成立している時間すなわち全条件成立時間が積算される。この全条件成立積算時間はΣS2で表される。この積算時間の求め方は作動要求積算時間のときと同じである。
次いでステップS306では、故障か否かを判定する判定タイミングであるかどうかが判断される。判定タイミングでなければルーチンが終了され、判定タイミングならばステップS307に進む。ここでは判定タイミングが1トリップの終了時、すなわちエンジン停止時に定められている。なお1トリップとは、エンジンが始動されてから停止されるまでの1回の期間をいう。つまりここでは1トリップ毎に1回、故障判定を実行するようにしている。
ステップS307では、作動要求積算時間ΣS1に対する全条件成立積算時間ΣS2の割合、すなわち全条件成立時間割合H=ΣS2/ΣS1が算出される。これは、作動要求有りとなっている時間中の、全パラメータ条件が成立している時間の割合を意味する。
次いでステップS308では、全条件成立時間割合Hが所定の閾値Hthと比較される。全条件成立時間割合Hが閾値Hthより高い場合には、ステップS309で故障フラグがオフされ、ルーチンが終了される。これにより実質的に故障無しすなわち正常と判定される。
他方、全条件成立時間割合Hが閾値Hth以下の場合には、ステップS310で故障フラグがオンされ、ルーチンが終了される。これにより実質的に故障有りと判定され、後のバーナー装置20の作動が禁止される。図5または図6に示した制御ルーチンも実行されない。そして警告ランプ等の警告装置が起動され、ユーザーに対して故障箇所を修理すべき旨の警告が発せられる。これにより、バーナー装置20の作動頻度が異常なまでに低下してエミッションが悪化する事態を早期に改善することができる。一旦故障フラグがオンされれば、ステップS301から直ちにルーチンが終了され、本ルーチンは実質的に実行されない。
なお、ここでは全条件成立時間割合Hが1回だけ閾値Hth以下となれば故障有りと判定したが、2回以上の所定回数連続して閾値Hth以下となった場合に故障有りと判定してもよい。判定精度を高めるためである。
ところで、バーナー装置20の作動頻度が異常に低下すると触媒暖機完了時間が長期化したりエミッション量が増大したりすることから、これら触媒暖機完了時間やエミッション量に基づいて間接的にバーナー装置20の作動頻度異常低下を検出し、故障判定を行ってもよい。
例えば、触媒暖機完了時間を用いる場合、エンジンの冷間始動時から酸化触媒10が活性化するまでの時間すなわち暖機完了時間を計測し、暖機完了時間を所定の目標暖機完了時間で除して時間比を算出する。そしてこの時間比が所定の閾値より大きければ故障と判定し、閾値以下ならば正常と判定する。この場合、前記判定タイミングは暖機完了時間計測終了時とすることができる。
また、エミッション量を用いる場合、エンジンの冷間始動時から所定期間の間、例えばトリップ終了時までの間、エミッションを構成する特定成分、例えばNOxの量を積算計測する。このとき例えば、NOx触媒11の下流側の排気通路3にNOxセンサを設け、その出力値を利用する。そして積算NOx量を所定の目標積算NOx量で除してNOx比を算出する。NOx比が所定の閾値より大きければ故障と判定し、閾値以下ならば正常と判定する。
以上、本発明の好適実施形態を説明したが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば本発明は火花点火式内燃機関すなわちガソリンエンジンにも適用可能であり、特にストイキよりもリーンな空燃比で運転するリーンバーンガソリンエンジンにも好適に適用可能である。また燃料噴射方式は直噴式に限らず、吸気ポートに噴射するポート噴射式であってもよい。上記実施形態の各構成要素は可能な限り組み合わせることが可能である。上記の数値はあくまで例示であり適宜変更可能である。バーナー装置の用途は特に限定されず、必ずしも排気浄化装置の暖機目的でなくてもよい。
本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
E 内燃機関(エンジン)
1 エンジン本体
2 吸気通路
3 排気通路
10 酸化触媒
11 NOx触媒
20 バーナー装置
21 燃料添加弁
22 グロープラグ
33 上流排気温センサ
34 下流排気温センサ
35 触媒温センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (9)

  1. 排気通路内に燃料を添加し、この添加燃料を着火させるバーナー装置を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記添加燃料の燃焼性に関わる複数のパラメータを各パラメータに対応する第1閾値とそれぞれ比較し、全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値であるときに前記バーナー装置を作動させ、前記バーナー装置の作動時に燃焼率を検出し、検出された前記燃焼率がこれに対応する第2閾値に対し燃焼不良側の値であるときに少なくとも一つの前記第1閾値を燃焼良好側に補正し、
    それぞれの前記パラメータについて、前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値となる時間比率を算出し、前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正するとき、少なくとも前記時間比率が最も高いパラメータの前記第1閾値を補正する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正した後、その補正された前記第1閾値を、燃焼良好側への補正量よりも少ない補正量で燃焼不良側に補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正した後で且つ前記バーナー装置の作動時に前記燃焼率を検出し、検出された前記燃焼率が前記第2閾値に対し燃焼良好側の値であるとき、その補正された前記第1閾値を、燃焼良好側への補正量よりも少ない補正量で燃焼不良側に補正する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記少なくとも一つの第1閾値を燃焼良好側に補正するとき、前記時間比率が最高位のパラメータの前記第1閾値と、前記時間比率がより下位のパラメータの前記第1閾値とを燃焼良好側に補正する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記時間比率が高いパラメータほど前記第1閾値の燃焼良好側への補正量を大きくする
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 検出された前記燃焼率が前記第2閾値に対し燃焼不良側の値であるときに前記バーナー装置を停止させる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 所定の作動要求が有り、且つ全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値であるときに前記バーナー装置を作動させ、
    前記作動要求が有る時間と、全ての前記パラメータが前記第1閾値に対し燃焼良好側の値となっている時間との割合に基づき、故障診断を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記バーナー装置が、前記添加燃料を着火させるための着火装置を含み、
    前記複数のパラメータが、前記バーナー装置に供給される排気ガスの酸素濃度、排気温度および排気流量、ならびに前記着火装置の発熱部の温度の少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記パラメータが、前記第1閾値が燃焼良好側の値であるほど前記時間比率が低下するようなパラメータである
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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