JP2014100573A - Dlco品質制御試験用の方法およびシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 DLCO品質制御試験用の方法およびシステムを提供する。
【解決手段】 一回呼吸の一酸化炭素取込み測定を行うことが可能な肺疾患診断デバイスを試験するための装置であって、外部からガスを受け入れ、また外部にガスを放出するように構成されたガスポートと、チャンバの体積を変えるように構成された区画とを有し、伸張および収縮することが可能な単一の気密チャンバと、単一の気密チャンバの内部に配設され、区画の移動を制限するように構成され、単一の気密チャンバの所定の最大体積と、単一の気密チャンバが受け入れることができるDLCO試験ガスの所定の体積とを設定するために調節可能である部材と、肺疾患診断デバイスとシミュレーションデバイスとの間でガスポートを介してガスを移送するように構成されたインターフェースとを含むことができる。
【選択図】図1

Description

著作権
[0001] 本特許文献の開示の一部は、著作権保護を受けている資料を含む。著作権の所有者は、本特許開示が米国特許庁のファイルまたは記録の中に現れる場合、いかなる者によるその複製にも異議を唱えないが、それ以外のすべての著作権を保持する。
発明の分野
[0002] 本発明は、DLCO機器の品質制御に関する。特に、限定はしないが、本発明は、肺内への一酸化炭素取込みの一回呼吸決定のために使用される肺疾患試験デバイスの測定精度を保証するためのシステムおよび方法に関する。
発明の背景
[0003] 現在のDLCOシミュレータは、大型で高価なデュアルシリンジデバイスを必要とする。例えば、米国特許第6,415,642号に記載されているようなハンス・ルドルフ(Hans Rudolph)DLCOシミュレータは、三方弁を介して多岐管によって接合された2つのシリンジ(3リットルと5リットル)を必要とする。多岐管は、DLCO機器に接続される。シミュレーション試験の開始前、3リットルシリンジは、高精度ガス混合物で充填され、患者で見られる典型的な肺胞ガス濃度を模倣する。三方弁を使用して、5リットルシリンジがDLCO機器に接続され、3リットルシリンジは隔離され、事前充填された高精度ガス混合物を含む。DLCO試験操作の吸入段階中、5リットルシリンジは、安静呼吸、残留体積への呼気、およびTLCへの急速な吸入をシミュレートする。息止め期間中、三方弁が回転され、3リットルシリンジにDLCOデバイスを向け直す。息止め後、3リットルシリンジの内容物がDLCOデバイス内へ抜かれる。
[0004] ハンス・ルドルフ シミュレータは、吸気量、ならびに吸気ガス濃度および肺胞ガス濃度を制御することによって、試験下のDLCOデバイスに関する近似的なターゲットDLCO値を「確立」する。このシミュレータは、機器の指定の動作範囲にわたって機器性能を検証するために、様々な濃度のCOおよびトレーサガスを含む複数の高精度肺胞ガス混合物を必要とする。
[0005] ハンス・ルドルフは息止め時間を制御しないので、正確なターゲット値を確認するために、試験下でDLCOデバイスによって報告される息止め時間が必要とされる。ハンス・ルドルフは、試験が行われた後に、(式(1)に基づく)正確なターゲット値の計算を行うためのソフトウェアを提供する。
[0006] トラブルシューティングのために、ATS−ERS(MacIntyre N. et.al. Standardization of the single-breath determination of carbon monoxide uptake in the lung. Eur Respir J 2005; 26: 720-735)も以下のことを推奨している。
1.漏れ試験(試験下のデバイスに適切な場合)
2.較正された3.0Lシリンジを用いたDLCO試験を使用すべきである。これは、試験モードでシリンジを計器に取り付けることによって行われる。試験ガスは、シリンジによってDLCO機械から引き抜かれ、次いで、息止めの終了時に再挿入される。測定されるDLCOは、ゼロに近いはずであり、測定されるVは、約3.3L(3.0L×体温・大気圧・水蒸気飽和状態(BTPS:body temperature, ambient pressure, saturated with water vapor)ファクタ)であるはずである。この処置は、DLCO試験モードでの吸入量精度をチェックし、これは、肺活量計測定値がないときにはエラーであることがある。
[0007] ATS−ERS DLCO試験ガイドライン(MacIntyre N. et.al. Standardization of the single-breath determination of carbon monoxide uptake in the lung. Eur Respir J 2005; 26: 720-735)で認識されているシミュレータは、グリスメイヤー(Glissmeyer)他によって開発され(Glissmeyer EW, Jensen RL, Crapo RO, Greenway LW. Initial Testing with a carbon monoxide diffusing capacity simulator. J Invest Med 1999; 47: 37A)、ハンス・ルドルフ インク(Hans Rudolph, Inc.)(米国ミズーリ州カンザスシティ)によって製造された。
[0008] 現在のDLCO試験デバイスおよび実施は、いくつかの不備および欠点を有する。ATS−ERS(3リットルシリンジを使用する)によって提案されるトラブルシューティング方法は、所期の動作範囲にわたるDLCOデバイスのDLCO測定精度を確定しない。最善で、この試験は、DLCOデバイスの流量/体積測定構成要素の精度を確立する。また、CO検出器とトレーサガス検出器が、狭いガス濃度範囲にわたって同様の応答(必ずしも正確または線形ではない)を有することを実証することもできる。
[0009] DLCO測定の品質制御のためのHans Rudolphシミュレータの使用は、これまでにもよく文献に書かれている(Jensen R, et.al. Quality control of DLCO instruments in global clinical trials. Eur Respir J 2009; 33: 1-7. Jensen RL, et.al. Instrument Accuracy and Reproducibility in Measurements of Pulmonary Function. Chest 2007; 132: 388-395.)。
[0010] ハンス・ルドルフ シミュレータを使用する際のいくつかの課題および欠点がある。第1に、処置が複雑であり、誤差が生じやすい。呼気をシミュレートするために使用される3リットルシリンジは、各試験の前に、濃度が正確に分かっている肺胞ガスで充填しなければならない。充填前に、シリンジを適切にパージしなければならない。難点は、前に使用した任意のガス混合物がシリンジから適切に排気されていることの高い確実性に関して生じる。さらに、試験プロセス中、試験が正確である可能性を保証するために、3リットルシリンジを空にし始める直前に三方弁を回転させなければならない。3リットルシリンジの動作の正確なタイミングが維持されない場合、DLCO機器の試験は無効であり、試験をもう1度実施しなければならず、試験で使用される高精度ガス混合物のためのコストの増加、さらには、不良の試験結果に基づくDLCO機器の不適切な較正が生じる。
[0011] 第2に、試験毎に、および新たなガスシリンダ毎に、ターゲットDLCO値が変化する。DLCOデバイスがその所期の動作範囲にわたって正確に動作することを保証するために、CO濃度とトレーサガス濃度の様々な組合せで試験しなければならず、それにより、いくつかの高精度(典型的には1%またはそれよりも良い)事前混合ガスを必要とする。肺胞ガスボトルの切替えが、シミュレータ試験の複雑さおよび扱いにくさを増す。
[0012] 第3に、高精度ガスは高価である。高精度ガスは、典型的には多くの国で医療用ガスとして分類されているので、これらのガスの配達および輸送は難しい。DLCO機器の1つの目的は、遠隔地で臨床研究または試行を行うことである。統計的に有効な結果を有する研究および試行のために、複数の遠隔地にあることがあるDLCO機器を適切に較正しなければならない。複数の遠隔のDLCO機器シミュレータのこの較正は、それ自体複雑であり、さらには、試験で使用される所要の医療用ガスを輸送する追加のコストおよび複雑さを伴う。
[0013] 第4に、現在のDLCOシミュレータは、DLCOデバイスのコストの一部であるにせよ、比較的高価である。現在のシミュレータは、独自の試験ガスを必要とし、この試験ガスは高価であることがある。
[0014] 第5に、現在のシミュレータは嵩張り、これもシミュレータのコストを高めている。現在のシミュレータは、高精度試験ガスと共に2つのシリンジを必要とする。上述したように、現在のシミュレータに関する輸送およびその他のコストは、所要の高精度ガスによって高いだけでなく、シミュレータおよびシミュレータが必要とするガスの保管に関してもコストが増すことがある。DLCO機器が遠隔地およびしばしば貧困地域で、臨床研究や試行など非営利の努力で多数回使用されることを考慮すると、これらのコストはすべてさらに悪化する。
[0015] 現在のデバイスは機能的であるが、十分に正確ではなく、または他の何らかの形で満足のいくものでない。したがって、現在の技術の欠点に対処し、他の新規の革新的な特徴を提供するためのシステムおよび方法が必要とされる。
発明の概要
[0016] 図面に示される本発明の例示的実施形態を以下に概説する。これらおよび他の実施形態は、詳細な説明の項で、より完全に記載する。しかし、この発明の概要または詳細な説明に記載する形態に本発明を限定する意図はないことを理解されたい。特許請求の範囲に表される本発明の精神および範囲に入るいくつかの修正構成、均等構成、および代替構成が存在することを当業者は理解することができよう。
[0017] 本発明は、DLCO品質制御試験に関するシステムおよび方法を提供することができる。例示的一実施形態では、本発明は、肺疾患診断デバイスを試験するための方法であって、空間の第1の設定された所定の最大体積を許可するステップと、空間内に雰囲気ガスを受け入れるステップと、所定の体積の第1のDLCO試験ガスを肺疾患診断デバイスから空間内に受け入れるステップであって、第1の設定された所定の最大体積が、第1のDLCO試験ガスの所定の体積よりも大きく、第1のDLCO試験ガスが、一酸化炭素およびトレーサガスを含むステップと、空間内で、雰囲気ガスを用いて、第1のDLCO試験ガス中の一酸化炭素およびトレーサガスの濃度を希釈して、第1の希釈されたDLCO試験ガス混合物を生成するステップと、第1の希釈されたDLCO試験ガス混合物を、空間から、肺疾患診断デバイス内に放出するステップと、肺疾患診断デバイスが、第1のDLCO試験ガスの所定の体積と一致する吸気量、空間の第1の最大所定体積と一致する肺胞換気量、およびゼロ拡散と一致するDLCO値を報告することを確認するステップとを含む方法を含むことができる。
[0018] 別の例示的実施形態では、本発明は、一回呼吸の一酸化炭素取込み測定を行うことが可能な肺疾患診断デバイスを試験するための装置であって、単一の気密チャンバであって、チャンバの外部からガスを受け入れるように、および外部にガスを放出するように構成されたガスポートと、単一の気密チャンバの体積を変えるように構成された区画であって、単一の気密チャンバが、伸張および収縮することが可能である区画とを備える単一の気密チャンバと、単一の気密チャンバの内部に配設され、区画の移動を制限するように構成された部材であって、単一の気密チャンバの所定の最大体積と、単一の気密チャンバが受け入れることができるDLCO試験ガスの所定の体積とを設定するために調節可能な部材と、肺疾患診断デバイスとシミュレーションデバイスとの間でガスポートを介してガスを移送するように構成されたインターフェースとを含む装置を含むことができる。
[0019] DLCO計器は、それが吸気量を正確に測定し、そのCO分析器およびトレーサガス分析器が線形である場合、すなわち分析器出力がガス濃度に正比例する場合に、正確なDLCO値を報告する。ガス分析器に関する絶対精度は必要とされない。本発明は、正確な測定を確認するための方法およびシステムを提供する。
[0020] DLCO試験は、肺が、肺胞毛細血管膜を介して血液とガスをどれほどよく交換しているかに関する尺度を提供する。DLCOの一回呼吸決定は、被験者に関する以下の操作を含む。
・マウスピースおよびノーズクリップが設置された後の安静呼吸
・残留体積(RV)への自発的な呼気
・既知の肺活量(VC)にできるだけ近い(85%VCよりも大きい)吸気量(V)での、総肺活容量(TLC)へのDLCO試験ガスの急速な吸入(4秒未満)
・10±2秒にわたる息止め
・4秒未満の、滑らかな自発的な呼気
[0021] 試験ガスは、主に、少量のCO(典型的には0.3%)と、少量の不活性ガス(典型的にはヘリウムまたはメタン)とを含む空気から構成される。COは、ヘモグロビンとの親和性が非常に高く、肺胞毛細血管膜を横切るとすぐに、血液によって容易に運搬される。不活性ガス(トレーサガスとも呼ぶ)は、低い血中可溶性および低いヘモグロビン親和性に関して選択される。試験ガスが吸気されると、COおよびトレーサガス濃度が、吸入前に肺内の空気によって希釈される。CO濃度は、息止め時間中、COが血中に拡散するときにさらに減少される。
[0022] DLCO機器は、以下の事項を記録および測定する。
・操作の流量/体積時間トレース
・操作にわたるCOおよびトレーサガス濃度時間トレース
(MacIntyre N. et.al. Standardization of the single-breath determination of carbon monoxide uptake in the lung. Eur Respir J 2005; 26: 720-735)
[0023] 記録された時間トレース(データ)から、吸入および吐出されたガスサンプル中のCOおよびトレーサガス濃度が決定される。機器は、以下の式に従って、DLCOを計算する。
Figure 2014100573

ここで、
は、mL STPDで表される肺胞換気量であり、
は、計器の死腔と、被験者の解剖学的死腔との和であり、
は、大気圧であり、
Figure 2014100573

は、肺内の水蒸気圧であり、
I,CO、FA,CO、FI,Tr、およびFA,Trは、それぞれ吸入されたCO、肺胞CO、吸入されたトレーサ、および肺胞トレーサガスの濃度である。
[0024] DLCO機器は、パラメータV、FI,CO、FA,CO、FI,Tr、およびFI,Trを捕捉する。FI,COとFI,Trは、それぞれ、試験ガス中のCOおよびトレーサガスの濃度を表す。ほとんどの機器製造業者によって採用されている典型的なCOおよびトレーサガスは、3000ppm(または0.3%)である。
[0025] 吸気量(V):Vは、肺活量(VC)と同様の大きさであり、したがって、(子供に関する)約1.5リットルから(成人に関する)6リットル超の範囲内の典型的な値を有するべきである(Hankinson, JL, Odencrantz JR, Fedan KB. Spirometric Reference Values from a Sample of the General U.S. Population Am J Respir Crit Care Med 1999;159:179-187)。
[0026] トレーサガス濃度:FA,Trの範囲を推定するために、以下のことに留意する。
Figure 2014100573

および
Figure 2014100573
[0027] ほとんどの被験者に関して、RVとTLCの比は、20%〜50%の間である(Needham CD, Rogan MC, and McDonald I. Normal Standards for Lung Volumes, Intrapulmonary Gas-Mixing, and Maximum Breathing Capacity. Thorax 1954; 9:313-325.)。その結果、FA,Trは、FI,Trの50%〜80%であり、トレーサガス分析器は、DLCO試験ガスで見られるトレーサガス濃度の50%〜100%の間で線形応答を有さなければならない。
[0028] CO濃度:肺胞毛細血管膜にわたる拡散により、吸入されたCOの濃度に対する肺胞CO濃度の比は、トレーサガスに関する対応する比率よりも小さい。肺胞CO濃度に対する拡散の効果は、Crapo他によって提供されるDLCO予想方程式から推定することができる(Crapo RO, Morris AH, Clayton PD, and Nixon CR. Lung Volumes in Healthy Nonsmoking Adults. Bull. Europ. Physiopathol. Respir. 1982; 18:419-425)。
・男性:DLCO=1.0566×身長(インチ)−0.2190×年齢(才)−26.34
・女性:DLCO=0.6502×身長(インチ)−0.1440×年齢(才)−8.36
[0029] 肺胞CO濃度の下限は、高いDLCO値の被験者に関連付けられる。このために、身長78インチ(約2メートル)の21歳の男性を考える。上述した予想方程式(式(2))を使用すると、この被験者は、DLCOが51.48である。
[0030] クラポ(Crapo)からの予想正規方程式を使用すると、この個人は、おそらく、BTPS条件で、肺胞換気量V(≒TLC)が8.35リットルであり、VCが6.79リットルである。これは、STPD条件で6.9リットルのVとなる。
[0031] 式(1)で、DLCOを51.48 mL/min/mmHg、Vを6900mL、tを10秒、Pを760mmHg、式(1)における
Figure 2014100573

を47mmHgとすると、
Figure 2014100573

または
Figure 2014100573

が得られる。
[0032] 高いDLCOの、したがって健康な被験者は、おそらく、範囲の下端部に近いRV/TLC(20%〜50%)を有する。その結果、この被験者は、(式(3a)および式(3b)から)
Figure 2014100573

比が0.8であり、
Figure 2014100573

比が(式(5)から)約0.3である。COガス分析器は、DLCO試験ガスで見られるCOガス濃度の30%〜100%の間で線形応答を示さなければならない。
[0033] DLCO機器の品質制御に関して、ATS−ERS(MacIntyre N. et.al. Standardization of the single-breath determination of carbon monoxide uptake in the lung. Eur Respir J 2005; 26: 720-735)は、以下のことの実施を推奨する。
1.ガス分析器ゼロイング:各試験前/後
2.体積(流量センサ)精度:毎日
3.標準の被験者またはシミュレータ試験:少なくとも毎週
4.ガス分析器の線形性:3ヶ月毎
5.タイマ精度:3ヶ月毎
[0034] 前述したように、上述した実施形態および実装形態は、例示の目的のものである。本発明のいくつかの他の実施形態、実装形態、および詳細は、以下の説明および特許請求の範囲から当業者には容易に理解されよう。
図面の簡単な説明
[0035] 本発明の様々な目的および利点、ならびにより完全な理解は、添付図面と共に以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を参照すれば明らかになり、より容易に理解される。
LCOシミュレータの一実施形態を示す図である。 LCOシミュレータの一実施形態を示す図である。 LCO試験デバイスおよびDLCOシミュレータを含むシステムの一実施形態の一部を示す図である。 LCOシミュレータを示す図である。 LCOシミュレータのエンドキャップを示す図である。 LCOシミュレータのエンドキャップを示す図である。 LCOシミュレータのエンドキャップを示す図である。 LCOシミュレータのエンドキャップを示す図である。 LCO機器の品質制御のための方法の流れ図である。 LCO機器の品質制御のための方法の流れ図である。
詳細な説明
[0036] 次に図面を参照する。図面中、複数の図を通じて、同様または類似の要素には同一の参照番号が付されている。特に図1を参照すると、図1は、単一シリンジシミュレータ品質制御デバイス100の一実施形態の断面図である。シミュレータシリンジ100は、不活性空間110とストローク体積120とを有し、曲線状のシリンダでも非曲線状のシリンダでもよい。好ましい実施形態では、最大ストローク体積は、6リットル以上である。そのような体積は、身体の大きな成人に関連付けられる吸気量をシミュレートするのに最も有益である。不活性空間110の体積は、ピストン130を前後に移動させることによって調節することができる。不活性空間110の体積は、所定の体積から始まる。すなわち、ピストン130は、所定の位置から始まる。所定の体積は、シミュレータシリンジ100の本体の外部でピストン130のシャフト140に位置されたカラー150によって設定することができる。いくつかの実施形態では、カラー150は調節可能であり、それにより、所定の体積も同様に調節可能である。不活性空間110の最小調節範囲は、総体積の20%〜70%である。そのような体積範囲は、DLCO試験ガス中のCOおよびトレーサガス濃度の80%〜30%の範囲内の肺胞ガス濃度を生成する。不活性空間の体積を調節することによって、ストローク体積も同様に調節される。このようにして、シミュレートされた最大所定体積が調節可能である。通気穴170は、周囲条件の圧力に近い圧力をピストンの後方で維持することによって、ピストン130がストローク体積120を通って自由に移動することができることを保証する。
[0037] ピストン130は、様々な厚さを有することができ、様々な材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、ピストン130は、シミュレータシリンジ100の内壁と完全に接触することができ、それにより、不活性空間110とストローク体積120との間の気密封止を生成する。
[0038] 次に図2を参照すると、シミュレータシリンジ200の切欠図と共に、シミュレータの一例が図示されている。図示される実施形態では、調節可能なストッパ215がシミュレータシリンジの外部にあり、調節可能なストッパ216がシミュレータシリンジ200の内部に配設される。ストッパ215の配置は、不活性空間の開始体積を決定するために調節することができ、ストッパ216の配置は、不活性空間の最大体積を決定するために調節することができる。好ましい実施形態では、ストッパ215とストッパ216は、ストッパ215とストッパ216の配置によって不活性空間205の開始体積と不活性空間205の最大体積を決定することができるように調節可能である。調節可能なストッパ215は、シミュレータシリンジ200の本体の外部から調節することができる。同様に、調節可能なストッパ216は、まず止めねじ262を緩めることによって位置決めキャップ260を取り外すことにより調節することができる。他の実施形態では、シミュレータシリンジ200の本体の内部、外部、またはその両方にストッパを位置させることができ、ストッパを使用して、不活性空間205の開始体積および最大体積を決定することができる。
[0039] また、シミュレータシリンジ200は、エンドキャップ225も含む。エンドキャップ225の内部には、不活性空間205に雰囲気空気をプライミングするためのファンがある。ファンに電力供給するために、バッテリパック250が使用される。他の実施形態では、ファンは、何らかの他のDCもしくはAC電源によって電力供給することができ、または手動式にすることもできる。エンドキャップ225と同様のエンドキャップを、以下により詳細に論じる。エンドキャップ225には、弁ハンドル235を有する弁230が取り付けられる。弁230を使用して、シミュレータシリンジ200および不活性空間205をDLCO機器から隔離することができる。これは、試験中に呼吸維持をシミュレートするのに有用であり得る。他の実施形態は弁230を有さないことを理解すべきである。
[0040] 排気管240に、マウスピース端部245(すなわち、ガスポート)が取り付けられる。いくつかの実施形態では、シミュレータの端部245は、試験または較正すべきDLCO機器のマウスピースに取り付けられる成形端部でよい。そのような成形端部は、特定のDLCO機器に基づいてカスタマイズすることができる。他の実施形態では、端部245は、シリンジの通常の端部でよく、すなわち、端部245は、DLCO機器のマウスピースまたはマスクの上または中にぴったりと嵌まるようには意図されていない。さらなる他の実施形態では、端部245は、図4〜図8に図示されており、以下に論じるようなエンドキャップを含むことができる。エンドキャップ245に取り付けられた構成要素の構成は、限定を意味しないことを理解すべきである。他の実施形態は、これらの構成要素の部分集合、追加の構成要素、および構成要素の異なる構成を含むことができる。診断デバイスのシリンジ体積の間のシミュレータデバイスの部分の合計の体積が、患者/被験者の解剖学的死腔(すなわち口や気管など)に相当する。
[0041] 次に図3を参照すると、DLCO機器300およびシミュレータ100のシステムの少なくとも一部の一実施形態が示される。図示される実施形態では、シミュレータ100は、DLCO機器300およびそのマウスピース310と連絡するための一般的な端部160(すなわち、ガスポート)を有する。上述したように、シミュレータシリンジ100は、特定のDLCO機器300またはエンドキャップに嵌まるように特注の端部を有することもできる。本発明によるDLCOシミュレータは、様々なタイプのDLCO機器と共に使用することができ、本発明は、任意の特定のタイプのDLCO機器に限定されないことを理解すべきである。
[0042] 図4は、エンドキャップ420を含むシミュレータシリンジ410の一実施形態を示す。シミュレータシリンジ410は、シミュレータシリンジ410の内部のピストンのためのプランジャ450も含む。図示されるエンドキャップ420は、シミュレータシリンジ410をDLCO機器コネクタ(図示せず)に接続するための多岐管として働く。DLCO機器コネクタは、シミュレータとDLCO機器との連絡を可能にし、上述した端部225と同様である。エンドキャップ420の穴430が、DLCO機器コネクタを受け入れる。図示される実施形態では、溝440は、エンドキャップ420をシミュレータシリンジ410に取り付けるために使用される固定具に手が届くようにする。
[0043] 次に図5を参照すると、エンドキャップ420の概略図が示されている。不活性空間110、205内でのガス混合を促進するためのファンまたは送風機を収容するために、キャビティ530を使用することができる。ファンまたは送風機用の排気口を有するプレートを収容するために、キャビティ540を使用することができる。当業者は、ファンまたは送風機および排気口に関する他の構成も理解することができよう。例えば、他の実施形態では、ファンは、シミュレータシリンジの本体に直接配置することができる。コネクタ穴XXXは、DLCO機器コネクタがシミュレータシリンジと連絡できるようにする。キャビティ520は、シミュレータシリンジの本体にエンドキャップ420をねじ留めするためのねじ部分を含むことができる。
[0044] 図6は、上述し、図5に示されるエンドキャップ420の側面図を含む。図7には、上述し、図5および図6に示されるエンドキャップ420の斜視図が示されている。図8には、上述し、図5〜図7に示されるエンドキャップ420の前面図が示されている。図8のエンドキャップ420の図は、図5および図7に示されるキャビティ(430、520、530)に被さるカバー810を含む。
[0045] 次に図9を参照すると、DLCO機器を試験するための方法900を示す流れ図が示されている。ステップ910で、空間の所定最大体積が構成される。好ましい実施形態では、シリンジシリンダの長手方向軸に沿った点にカラーがセットされ、シリンジピストンは、吸気のシミュレーション中にカラーを越えて移動することはできない。他の実施形態では、シミュレータデバイスの何らかの他の剛性部分をセットすることによって最大体積を設定することができ、空間の壁または境界はその剛性部分を越えて移動することができない。そのような剛性部分は、調節可能な外壁または壁部分を含むことができ、空間の境界はそこまで広がる。ステップ920で、雰囲気ガスが空間内に受け入れられる。このステップ920で、シミュレータはプライミングされ、それにより、シミュレータ内部の初期不活性空間が、DLCO機器を使用する患者の肺内にも存在する雰囲気ガスを含む。好ましい実施形態では、雰囲気ガスが適切に受け入れられるようにシミュレータをプライミングすることは、ピストンが往復運動で移動すること、空間内部に真空または部分真空を生成すること、ファンまたは送風機によって雰囲気ガスを機械的に導入することなどによって達成することができる。
[0046] ステップ930で、所定の体積のDLCO試験ガスが受け入れられる。好ましい実施形態では、DLCO試験ガスは、少なくとも一酸化炭素およびトレーサガスを含み、診断デバイスから受け入れられる。そのような場合、患者または被験者での実際の診断中に典型的に使用されるのと同じ試験ガスカートリッジまたは他の容器が、シミュレーションにも使用される。さらに、シリンジを使用する好ましい実施形態では、シリンジ内の体積が、所定の最大体積まで増加される。
[0047] いくつかの実施形態では、ピストンは、規定のストッパ位置まで引き戻される。他の実施形態では、体積を所定体積まで伸張させるための他のメカニズムを使用することができる。例えば、他の実施形態での体積は、他のタイプの曲線状の体積、例えば回転楕円形、楕円円筒形、円錐円筒形、円錐形などでよく、または非曲線状の体積、例えば1つまたは複数の伸張面を有する立方体でもよい。さらなる他の実施形態では、シミュレータの1つまたは複数の面でのいくらかの弾性により体積を伸張させることができる。弾性は、制限される、または規定の大きさを有することがある。したがって、体積を増加させるために、体積の他の側面を伸張させることができる。好ましい実施形態では、シミュレータの総体積は一定であり、既知である。シリンジまたは他のタイプのデュアルチャンバ構成が使用される実施形態では、不活性空間とストローク体積の総体積が一定であり、既知である。さらに、好ましい実施形態では、試験ガスの受入れは、診断環境での呼気をシミュレートし、4秒以内にわたり継続すべきである。
[0048] 患者または被験者の実際の試験中には、最大吸入の終了時、肺内のガス体積が総肺活量または肺胞換気量である。好ましい実施形態では、ピストンが完全に引き戻される、または他の何らかの形で空間の体積が所定の最大値に達するとき、空間内のガス体積は、ピストン変位または空間の体積増加に対応する体積(患者/被験者の場合の吸気量に相当する)と、不活性空間の体積(患者/ヒトでの残留体積に相当する)との和である。したがって、シミュレータは、初期不活性空間に関係なく、常に同じ「総肺活量または肺胞換気量」を有する。
[0049] ステップ940で、試験ガスからの一酸化炭素およびトレーサガスの濃度が希釈される。ここで、それらの濃度は、雰囲気ガスと混合して、試験ガス濃度を生成することができる。いくつかの実施形態では、対流または拡散によって希釈を達成または支援することができる。例えば、空間内のガスをファンにさらすことができ、ファンは、空間内部に対流を生じ、それにより、ガスを混合させ、試験ガス濃度を希釈し、シリンジ体積の内部にわたってより均一にする。別の実施形態では、シリンジの入口ポートまたはその付近にある羽根が、シリンジピストンが引き戻されるときにガスの流れを向け直すことができ、それにより、シリンジの内部でガスの旋回を引き起こし、試験ガスと雰囲気ガスの混合を向上させる。他の実施形態では、ガス濃度の拡散は、試験ガス混合物を放出する前に所定の時間量にわたって停止させ、それにより試験ガス濃度を自然に拡散させることによって達成することができる。所定の時間は、最適には、少なくとも10秒である。ステップ950で、DLCO試験ガス混合物が放出される。好ましい実施形態では、放出は、空間の体積を減少させることによって達成される。DLCO試験ガス混合物は、試験のために肺疾患診断機器に放出される。好ましい実施形態では、放出は、呼気をシミュレートし、4秒以内にわたり継続すべきである。
[0050] 患者または被験者の実際の試験中には、最大呼気の終了時、肺内のガス体積が残留体積である。好ましい実施形態では、ピストンを完全に押し込むことによって、または他の何らかの形で空間の体積を減少させることによって試験ガスが放出されるとき、シリンジ内に残るガス体積は不活性空間である。
[0051] ステップ960で、肺疾患診断デバイスからの測定値が確認される。好ましい実施形態では、この方法は、所定の最大体積に関係なく、適切に機能するDLCOデバイスに関して以下の結果を生み出すように設計される。
・測定される肺胞換気量が、肺疾患診断DLCOデバイスの誤差基準内で、所定の最大体積に等しく、かつ同じ条件下(例えばBTPSまたはSTPD)で報告される。
・測定されるDLCO値が、肺疾患診断DLCOデバイスの誤差基準内で、ゼロである。
[0052] 肺胞換気量、吸気量、死腔体積、吸気トレーサガス濃度、および肺胞トレーサガス濃度の間の関係は、以下によって与えられる。
Figure 2014100573
[0053] DLCO試験が患者に対して行われるとき、Vは、DLCO機器の患者インターフェースの死腔と、患者の解剖学的死腔(概して、患者の体重1kg当たり2.2mL)との和である。シリンジシミュレータを用いて試験が行われるとき、DLCO機器の患者インターフェースとシリンジとの連結の体積が、解剖学的死腔の代わりとなる。
[0054] (シリンジのシャフトでのカラー位置を変えることによって)不活性空間が増加するにつれて、吸気量とFA,Trとの両方が減少し、その際、トレーサガス分析器がその所期の動作範囲にわたって線形である場合には、報告される肺胞換気量は一定のままである。肺胞換気量の誤差(すなわち期待値からの偏差)が、トレーサガス分析器の線形誤差の良好な表現である。
[0055] COが、不活性体積内のガスによってトレーサガスと全く同様に希釈されるので、比率FI,CO/FA,COとFI,Tr/FA,Trは同一のはずである。その結果、
Figure 2014100573

(式(2))と、式(1)による報告されるDLCO値とは、不活性空間が増加し、肺胞COおよびトレーサガス濃度が減少するとき、0に近いままであるはずである。0からのわずかな偏差が、DLCO機器の全体的な精度の良好な表現である。
[0056] 比率FI,CO/FA,COとFI,Tr/FA,Trが同一である場合、DLCO値が0であることに留意することが重要である。2つの値は、両方の分析器が濃度に対して同様/同一の応答特性を有するときには同一である。しかし、シリンジを用いた機器の試験中のDLCO値がゼロであることだけでは、ATS/ERSによって推奨されるようにガス(COおよびトレーサ)分析器が線形であることは保証されない。
[0057] 一定の肺胞換気量とゼロDLCO値との組合せが、(1)トレーサガス分析器が線形であること、および(2)COガス分析器とトレーサガス分析器が同一の線形性特性を有することを保証する。したがって、COガス分析器も線形であるはずである。
[0058] DLCO機器は、その性能を適切に検証するために、被験者試験で生じる条件に対応する吸気量、COガス濃度、およびトレーサガス濃度の様々な組合せで試験すべきである。
[0059] 1リットルマークで設定されたカラーの場合、7リットルシミュレータシリンジが採用されるとき、吸気量(V)は、6リットル(ATPD)±3%またはそれよりも良くすべきである。DLCOデバイスは、BTPSでVを報告することがあることに留意されたい。期待値との比較の前に、適切な変換を行わなければならない。同様に、2、3、4、および5リットルマークで設定されたカラーの場合、Vは、それぞれ5、4、3、および2リットルにすべきである。肺胞換気量(V)は、妥当な条件でのDLCO機器に関するシミュレータ(シリンジ)の総内部体積の5%以内またはそれよりも良くすべきである。DLCOデバイスは、BTPSまたはSTPDでVを報告することがあることに留意されたい。期待値との比較の前に、適切な変換を行わなければならない。DLCO値は、2mL/min/mmHg未満にすべきである。シミュレータは、DLCO値がすべてのカラー位置に関して期待されるよりも高い場合には、漏れに関してもチェックすべきである。
[0060] 次に図10を参照すると、本発明による方法1000に関する流れ図が示されている。ステップ1010で、シリンジの設定された所定最大体積が受け付けられる。好ましい実施形態では、カラーは、特定の最大体積に達する点でシリンジ内のピストンが止められるように調節される。一実施形態では、最適な最大体積は、少なくとも1リットルであり、7リットル以下である。ステップ1020で、シリンジのピストンが往復運動される。好ましい実施形態では、ピストンの往復運動は、プランジャによって達成され、その結果、シリンジが周囲空気で満たされる。
[0061] ステップ1030で、シリンジがDLCO診断デバイスに接続される。好ましい実施形態では、シリンジは、DLCO診断デバイスのマウスピースまたは他の患者インターフェースに接続するエンドキャップを含む。ステップ1040で、ピストンが再び往復運動される。ピストンの往復運動は、患者/被験者の安静呼吸をシミュレートする。好ましい実施形態では、ピストンは、各往復運動が0.5リットルと1リットルを押し退けるように往復運動され、最大呼気のシミュレーションでは、ピストンが完全に押し込まれ、最大吸入のシミュレーションでは、ピストンが急速に引き出される。最大吸入により、DLCO診断デバイスからの試験ガスが、シリンジによって受け入れられる。
[0062] ステップ1050で、シリンジがDLCO診断デバイスから係合解除される。好ましい実施形態では、シリンジ空間をDLCO診断デバイスから切り離すために弁を閉じることができ、シリンジは、約10秒間、係合解除される。ステップ1060で、シリンジがDLCO診断デバイスと再び係合される。好ましい実施形態では、シリンジ空間とDLCO診断デバイスとの間の切離しを解除するために弁を開くことができる。他の実施形態では、ステップ1030および1050は、DLCO診断デバイスからシミュレータシリンジを取り外して、シミュレータシリンジの端部を封止する部材を作動させることによって達成することができる。他のメカニズムによって係合解除を達成することができることを当業者は理解することができよう。
[0063] ステップ1060で、シリンジがDLCO診断デバイスと再び係合される。ステップ1070で、ピストンが往復運動される。好ましい実施形態では、ピストンが、シミュレータシリンジから測定用のDLCO診断デバイスに試験ガスを放出するために押し込まれる。ステップ1080で、シリンジの第2の設定された所定最大体積が受け付けられる。好ましい実施形態では、第2の設定された所定の最大体積は、ステップ1010での設定された所定の最大体積とは異なる。さらに、第2の設定された所定の最大体積は、本明細書で述べる実施形態に従って設定することができる。好ましい実施形態では、ステップ1020〜1070が繰り返される。このようにして、DLCO診断デバイスの測定値の精度を検証することができる。好ましい実施形態では、ステップは、シミュレータシリンジの不活性空間が1リットル間隔で1〜5リットルの範囲になるように設定された所定の体積で繰り返される。
[0064] 結論として、本発明は、とりわけ、DLCO機器の品質制御のためのシステムおよび方法を提供する。本発明、その使用、およびその構成においていくつかの変形および置換を行って、本明細書で述べる実施形態によって実現されるのと実質的に同じ結果を実現することができることを当業者は容易に理解できよう。したがって、開示した例示的な形態に本発明を限定する意図はない。多くの変形形態、修正形態、および代替構成が、特許請求の範囲に表す開示する本発明の範囲および精神に入る。
100 単一シリンジシミュレータ品質制御デバイス
110 不活性空間
120 ストローク体積
130 ピストン
140 シャフト
150 カラー
160 端部
170 通気穴
200 シミュレータシリンジ
205 不活性空間
215 ストッパ
216 ストッパ
225 エンドキャップ
230 弁
235 弁ハンドル
240 排気管
245 エンドキャップ
250 バッテリパック
260 位置決めキャップ
262 止めねじ
300 DLCO機器
310 マウスピース
410 シミュレータシリンジ
420 エンドキャップ
430 穴
440 溝
450 プランジャ
520 キャビティ
530 キャビティ
540 キャビティ
810 カバー

Claims (19)

  1. 肺疾患診断デバイスを試験するための方法であって、
    空間の第1の設定された所定の最大体積を許可するステップと、
    前記空間内に雰囲気ガスを受け入れるステップと、
    所定の体積の第1のDLCO試験ガスを前記肺疾患診断デバイスから前記空間内に受け入れるステップであって、前記第1の設定された所定の最大体積が、前記第1のDLCO試験ガスの前記所定の体積よりも大きく、前記第1のDLCO試験ガスが、一酸化炭素およびトレーサガスを含むステップと、
    前記空間内で、雰囲気ガスを用いて、前記第1のDLCO試験ガス中の前記一酸化炭素および前記トレーサガスの濃度を希釈して、第1の希釈されたDLCO試験ガス混合物を生成するステップと、
    前記第1の希釈されたDLCO試験ガス混合物を、前記空間から、前記肺疾患診断デバイス内に放出するステップと、
    前記肺疾患診断デバイスが、第1のDLCO試験ガスの所定の体積と一致する吸気量、前記空間の前記第1の最大所定体積と一致する肺胞換気量、およびゼロ拡散と一致するDLCO値を報告することを確認するステップと
    を含む方法。
  2. 所定の体積の第2のDLCO試験ガスを前記肺疾患診断デバイスから前記空間内に受け入れるステップであって、前記第1の設定された所定の最大体積が、前記第2のDLCO試験ガスの所定の体積よりも大きく、前記第2のDLCO試験ガスが、一酸化炭素およびトレーサガスを含むステップと、
    前記空間内で、雰囲気ガスを用いて、前記第2のDLCO試験ガス中の前記一酸化炭素および前記トレーサガスの濃度を希釈して、第2の希釈されたDLCO試験ガス混合物を生成するステップと、
    前記第2の希釈されたDLCO試験ガス混合物を、前記空間から、前記肺疾患診断デバイス内に放出するステップと、
    前記肺疾患診断デバイスが、第2のDLCO試験ガスの所定の体積と一致する吸気量、前記空間の前記第1の最大所定体積と一致する肺胞換気量、およびゼロ拡散と一致するDLCO値を報告することを確認するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 空間の第2の設定された所定の最大体積を許可するステップと、
    所定の体積の第2のDLCO試験ガスを前記肺疾患診断デバイスから前記空間内に受け入れるステップであって、前記第2の設定された所定の最大体積が、前記第1のDLCO試験ガスの所定の体積よりも大きく、前記第2のDLCO試験ガスが、一酸化炭素およびトレーサガスを含むステップと、
    前記空間内で、前記雰囲気ガスを用いて、前記第2のDLCO試験ガスの前記一酸化炭素の濃度を希釈して、第2の希釈されたDLCO試験ガス混合物を生成するステップと、
    前記第2の希釈されたDLCO試験ガス混合物を、前記空間から、前記肺疾患診断デバイス内に放出するステップと、
    前記肺疾患診断デバイスが、第2のDLCO試験ガスの所定の体積と一致する吸気量、前記空間の前記第2の最大所定体積と一致する肺胞換気量、およびゼロ拡散と一致するDLCO値を報告することを確認するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1のDLCO試験ガス中の前記一酸化炭素および前記トレーサガスの濃度を希釈する前記ステップが、前記一酸化炭素、前記トレーサガス、および前記雰囲気ガスの濃度を対流するステップを含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のDLCO試験ガス中の前記一酸化炭素および前記トレーサガスの濃度を希釈する前記ステップが、前記雰囲気ガス中で一酸化炭素および前記トレーサガスの濃度を拡散させるステップを含む請求項1に記載の方法。
  6. 一回呼吸の一酸化炭素取込み測定を行うことが可能な肺疾患診断デバイスを試験するための装置であって、
    単一の気密チャンバであって、前記チャンバの外部からガスを受け入れるように、および外部にガスを放出するように構成されたガスポートと、前記単一の気密チャンバの体積を変えるように構成された区画であって、前記単一の気密チャンバが、伸張および収縮することが可能である区画とを備える単一の気密チャンバと、
    前記単一の気密チャンバの内部に配設され、前記区画の移動を制限するように構成された部材であって、前記単一の気密チャンバの所定の最大体積と、前記単一の気密チャンバが受け入れることができるDLCO試験ガスの所定の体積とを設定するために調節可能な部材と、
    前記肺疾患診断デバイスと前記シミュレーションデバイスとの間で前記ガスポートを介してガスを移送するように構成されたインターフェースと
    を含む装置。
  7. 前記単一の気密チャンバがシリンダであり、前記移動可能な区画が、前記シリンダ内部のピストンである請求項6に記載の装置。
  8. 前記単一の気密チャンバの内部に配設された前記部材が、前記ピストンに接続されたシャフトにカラーを含む請求項7に記載の装置。
  9. 前記インターフェースが、エンドキャップを含む請求項6に記載の装置。
  10. 前記エンドキャップに接続され、前記チャンバの内部でガスを混合するように構成された電動ファン
    をさらに含む請求項9に記載の装置。
  11. 前記ピストンに接続されたプランジャをさらに含み、前記プランジャが、前記ピストンを往復運動させるように構成される、
    請求項7に記載の装置。
  12. 前記カラーが、前記ピストンのシャフトに沿って移動可能に配設される請求項7に記載の装置。
  13. 一回呼吸の一酸化炭素取込み測定を行うことが可能な肺疾患診断デバイスを試験するためのシステムであって、
    肺疾患診断デバイスと、
    単一の気密チャンバであって、前記チャンバの外部からガスを受け入れるように、および外部にガスを放出するように構成されたガスポートと、前記単一の気密チャンバの体積を変えるように構成された区画であって、前記単一の気密チャンバが、伸張および収縮することが可能である区画とを備える単一の気密チャンバと、
    前記単一の気密チャンバの内部に配設され、前記区画の移動を制限するように構成された部材であって、前記単一の気密チャンバの所定の最大体積と、前記単一の気密チャンバが受け入れることができるDLCO試験ガスの所定の体積とを設定するために調節可能である部材と、
    前記肺疾患診断デバイスと前記シミュレーションデバイスとの間に、前記ガスポートを介してガスを移送するように構成されたインターフェースと
    を含むシステム。
  14. 前記単一の気密チャンバがシリンダであり、前記移動可能な区画が、前記シリンダ内部のピストンである請求項13に記載のシステム。
  15. 前記単一の気密チャンバの内部に配設された前記部材が、前記ピストンに接続されたシャフトにカラーを含む請求項14に記載のシステム。
  16. 前記インターフェースが、エンドキャップを含む請求項13に記載のシステム。
  17. 前記エンドキャップに接続され、前記チャンバの内部でガスを混合するように構成された電動ファン
    をさらに含む請求項16に記載のシステム。
  18. 前記ピストンに接続されたプランジャをさらに含み、前記プランジャが、前記ピストンを往復運動させるように構成される、
    請求項14に記載のシステム。
  19. 前記カラーが、前記ピストンのシャフトに沿って移動可能に配設される請求項14に記載のシステム。
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