JP2014098602A - 水中観測装置及び水中観測方法とそれを用いた燃料集合体の放射能測定方法 - Google Patents

水中観測装置及び水中観測方法とそれを用いた燃料集合体の放射能測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】観測対象物が、水中環境であることに加えて強度の高い放射線を発するものである場合にも適用できる水中観測装置及び水中観測方法を提供する。
【解決手段】水中観測装置100は、水封ハウジング4Aと、カメラ2A,2Bと、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bと、画像データ処理装置16Aを備え、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、緑色光のレーザ光源を有し、カメラ2A,2Bは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタ2aを有し、水封ハウジング4Aは、水中に沈められ、画像データ処理装置16Aが、光学ガラス3で構成された水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある観測対象物13の寸法、形状を計測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中で物の形状、寸法を精度良く計測する水中観測装置及び水中観測方法の技術に関する。また、前記水中観測装置又は水中観測方法と組み合わせて使用する燃料集合体の放射能測定方法に関する。
例えば、原子力プラントの原子炉や燃料プール等には水中設置又は水中使用の機器や構造物が多々存在する。これらはプラントを管理する上で重要な機器や構造物が多く、適切な時期に適切な方法で点検や補修することが必要とされる。それらの機器や構造物の点検や補修を行う際には、多くの場合、対象とする機器や構造物の状態を特定するために寸法、形状、外観等の観察が必要となる。これらの観察には、計測精度と作業効率の両方とを確保することが求められる。
これらの機器や構造物の寸法、形状、外観等を精度良く観測することは、水中環境であることに加えて強度の高い放射線環境にあることが多いことから容易ではない。観測方法としては、超音波変位計を用いる方法、レーザ変位計を用いる方法、ステレオカメラ法、ゲージ法、レプリカ法、光切断法等が考えられる。
超音波変位計では、観測対象物の至近位置での距離測定はできるが、形状や外観の観測はできない。
レーザ変位計では、観測対象物の至近距離での寸法、形状の測定は精度良くできるが、高い放射能を有する観測対象物の至近位置は強度の高い放射線環境にあり、レーザ変位計が放射線に耐えられないという問題がある。放射線によるレーザ変位計の劣化を抑制するために離れた位置からレーザ変位計で測定することも考えられるが、離れた位置からでは気中にあっても計測精度が落ちてしまうという問題があり、水中では更に計測精度の低下に対する解決対策が難しくなる。
ステレオカメラ法では、カメラを観測対象物の至近に設置することである程度の精度で寸法、形状を測定することは可能である。しかし、カメラを高い放射能を有する観測対象物の至近位置に置くためには、コストの高い耐高放射線用のカメラが必要となることや観測対象物の特徴に応じて微妙な調光を行わないと精度の良い寸法、形状の測定はできない。
ゲージ法は直接的に観測対象物にゲージをセットして特定寸法観測部位の寸法範囲を確認するものであり、作業効率が著しく悪い。レプリカ法では、観測対象物の特定観測部位の型をとることで寸法、形状を確認する方法であるが、ゲージ法同様に作業効率が悪い。
光切断法による水中での寸法、形状計測は、特許文献1に記載のように、水中での溶接部計測等で観測対象物に近い位置での観測に用いられており、精度の良い計測が行われている。しかし、ステレオカメラ法同様にカメラを使用することから、観測対象物が高い放射能を有し、精度の良い計測を行う場合は課題が多く対応手段とその実現性が確立しておらず用いられていない。
燃焼した、つまり、炉心で核反応が進んだ燃料集合体のように特に強度の高い放射線を発する観測対象物について寸法、形状、外観を精度良く観察する場合、ゲージ法やレプリカ法のような非効率的な方法を除き、通常のカメラやレーザを用いた方法では、耐放射線性の問題からセンサ部を水遮蔽により放射線レベルが減衰した観測対象物から所定の距離を取った位置まで離す必要がある。例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを用いたカメラの耐放射線性を200Gy(集積線量)とし、燃料集合体から水中距離で0.5m位置の放射線強度を100Gy/hとすると、カメラは2時間程度で寿命となる。水中で位置を離した状態で精度を確保することは難しく従来は行われてこなかった。
特開2008−111780号公報
前記したように、例えば、燃焼した燃料集合体のような観測対象物に対し水中で寸法、形状や外観を観測する場合には、少なくとも±1mm以下、角度においては±1°以下程度の精度が要求される場合が多いが、以下のような問題がある。
(1)CCDやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いたカメラや、半導体レーザ用いたプロジェクタやレーザ変位計を使用して、例えば、燃焼した燃料集合体等の強度の高い放射線を出す観測対象物の寸法、形状や外観を観測する場合、カメラ及びプロジェクタやレーザ変位計の耐放射線性を考慮して、放射線レベルが水の厚さで低下するようにカメラやプロジェクタや変位計の設置位置は観測対象物から所定の距離(以下、「放射線強度減衰距離」と称する)以上離す必要がある。
(2)レーザ変位計は、観測対象物から放射線強度減衰距離程度離すと、前記した観測精度の要求を満たさない。
(3)ゲージ法やレプリカ法では、燃料集合体に直接的に冶具等で作用することから、燃料集合体の健全性に影響をおよぼす可能性があることや作業効率が著しく悪いという問題がある。
(4)ステレオカメラ法では、まずカメラのタイプ選定が問題となる。CCDやCMOS等のイメージセンサを搭載したカメラでは、前記したように観測対象物から所定の距離離れた放射線が減衰し、イメージセンサの性能劣化が大きく進まない位置に設置する必要がある。単純にステレオカメラだけで精度を確保するためには、観測対象物の外観上の特徴を微妙な調光により際立たせる必要があることに加えて、水中でかつ離れた位置であることから、ステレオカメラ以外に照明光の設定及び照明の向きやその強度の調整をするとなると更に困難な問題である。
耐放射線性のカメラを使用すれば観測対象物の至近位置に配置することもできるが、耐放射線カメラは著しくコストが高く導入が難しい。
(5)光切断法では、カメラや光源としてのレーザプロジェクタを用いる。前記したように耐放射線カメラについては著しくコストが高く導入が難しいし、レーザプロジェクタの電子回路も耐放射線仕様とするとコストが高くなる。従って、カメラやレーザプロジェクタは観測対象物から所定の距離離れた放射線が減衰し、イメージセンサや半導体レーザやその周囲の電子回路の性能劣化が進まない位置に設置する必要がある。光切断法による水中の離れた位置での精度の良い観測を行う観測装置及び観測方法は確立していない。
(6)また、燃焼した燃料集合体の観測については、燃料集合体自身から放出される高エネルギの荷電粒子により水中ではチェレンコフ光を発することから、光学系を用いた観測においては、この影響について考慮する必要がある。
(7)水中で光学系を用いる場合の共通の問題として、水温分布の時間変化による光の屈折状態の変化(揺らぎ)が想定され、形状、寸法の計測の外観観測の精度に影響する。
(8)水中で光学系を用いる場合の共通の問題として、気中に比べて光の減衰が大きいこと、水の濁りにより光の散乱・吸収が大きくなることが問題として挙げられる。
(9)水中におけるレーザ光の減衰をカバーする方法としては、レーザプロジェクタの出力を増加させる方法が考えられるが、レーザの危険度も増し、安全対策及び使用上の規制対策が厳しくなる。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、観測対象物が、水中環境であることに加えて強度の高い放射線を発するものである場合にも適用できる水中観測装置及び水中観測方法等を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、少なくとも1面に透明な水封窓を設けた水封ハウジングと、該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外の映像を撮影するカメラと、該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外側にラインレーザ光を投射するレーザプロジェクタと、前記レーザプロジェクタから観測対象物に投射された前記ラインレーザ光の反射光を前記カメラの画像として取得し、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測する画像データ処理手段と、を備え、
前記レーザプロジェクタは、緑色光のレーザ光源を有し、前記カメラは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを有し、前記水封ハウジングは、水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする。
本発明は、水中観測方法を含む。
本発明によれば、レーザプロジェクタにより投射される緑色のラインレーザ光は、赤色のラインレーザ光よりもより水中で長い距離にわたって吸収や散乱を受けずに観測対象物に到達し、その反射光が計測に利用するに十分な輝度でカメラに捉えることができる。
本発明によれば、観測対象物が、水中環境であることに加えて強度の高い放射線を発するものである場合にも適用できる水中観測装置及び水中観測方法等を提供することができる。
実施形態の水中観測装置の概略構成図である。 実施形態における視野内水領域隔離体を保持するとともに、その伸縮長を設定する隔離体保持機構の一例の説明図であり、(a)は、全体概要説明図、(b)は、伸縮部の伸長状態の説明図、(c)は、伸縮部の縮小状態の説明図である。 実施形態における視野内水領域隔離体の先端部の構造の一例の説明図であり、(a)は、水平断面図、(b)は、斜視図である。 比較例の赤色のラインレーザ光を用いた水中観測装置の概略構成図である。 比較例の水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に得られたカメラの画像の説明図である。 図5に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。 投射するラインレーザ光が赤色光と緑色光とで比較した水中での減衰特性を示す説明図である。 実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合の参考例として、青色光減衰光学フィルタを付けないカメラの画像の説明図である。 図8に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。 実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に得られる青色光減衰光学フィルタを付けたカメラの画像の説明図である。 図10に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。 実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に、カメラの露出時間を長くし過ぎた場合に得られる画像の概念説明図である。 図12に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。 実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に、カメラの露出時間を適切にした場合に得られる画像の概念説明図である。 図14の状態において、観測対象物近傍の水温が時間的に変動して画像揺らぎがある場合に、複数回撮影したカメラの画像のA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の各輝度分布を示す説明図である。 図14の状態において、観測対象物近傍の水温が時間的に変動して画像揺らぎがある場合に、複数回撮影したカメラの画像のA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の各輝度分布に基づいて規格化して得られる画像のA部に関するライン光の線幅方向の各輝度分布を示す説明図である。 実施形態の第2の変形例の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第1の適用例の構成図である。 実施形態の水中観測装置により燃料集合体の曲がりを検出し、ガンマスキャン装置で得られた測定ガンマ線の軸方向分布の補正を行った場合の説明図である。 実施形態の第2の変形例の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第2の適用例の構成図である。
《実施形態》
以下に、本発明の実施形態に係る水中観測装置100について図を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態の水中観測装置の概略構成図である。ここでは、観測対象物13として、燃焼した燃料集合体を想定した場合を例に本実施形態における水中観測装置100について説明する。
(観測対象物の一例)
そして、観測対象物13である燃料集合体は、使用済燃料貯蔵プールの側壁に設置されたチャンネル着脱機40(「FPM(Fuel Preparation Machine)40」とも称される)に載置されている。FPM40は、チャンネルボックスを被っていない状態の燃料加工工場から搬入された新燃料の燃料棒集合束に四角筒形状のチャンネルボックスを上から被せて、燃料集合体に組み立てる作業や、チャンネルボックスを被せて一旦燃料集合体として組み立てられたものを、何らかの事情により検査するためにチャンネルボックスを取り外して、燃料棒集合束の外観検査をするために用いられたりする。
また、燃焼した燃料集合体の軸方向の出力分布等を測定するためのガンマスキャンの際の燃料集合体の載置場所としても利用される。
FPM40は、燃料昇降機41と、使用済燃料貯蔵プールの側壁に固定されて燃料昇降機41を上下動させる昇降ガイド42と、燃料昇降機制御操作盤47から構成されている。燃料昇降機41には、下部支持部41aと上部支持部41bとを有している。下部支持部41aは、燃料集合体の下部の下部タイプレートを受け入れた状態で燃料集合体をその縦軸周りに電動モータで旋回可能な旋回駆動部(図示せず)を有している。また、上部支持部41bは、燃料集合体を挿通可能とする四角筒形状の中空部を有し、燃料集合体をその縦軸周りに旋回可能に支承する構造をしている。
FPM40の燃料昇降機制御操作盤47を作業員が操作することにより、燃料昇降機41に載置された燃料集合体を燃料昇降機41ごと上下動させたり、燃料昇降機41上で燃料集合体をその縦軸周りに任意の角度に旋回させたりすることができる。
燃料昇降機制御操作盤47からは後記する画像データ処理装置(画像データ処理手段)16Aへ昇降機位置信号として、上下位置信号と、回転角度位置信号が送信される。画像データ処理装置16Aは、昇降機位置信号を受信することによって、観測対象物13である燃料集合体の上下方向位置や、その周方向位置を認識することができる。
プール水14は、通常は、炉心内の水と同じ純水で透明であるのが普通であるが、ここでは、何らかの理由によりプール水14が汚れて濁り水となった場合を想定する。
(水中観測装置100の全体構成)
先ず、水中観測装置100の全体構成について説明する。
水中観測装置100は、支持装置(位置固定手段)63に取り付けられて、水中に沈めて使用される水封ハウジング4A、透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12、隔離体保持機構19と、支持装置63に取り付けられた水密筺体に格納された監視カメラ60、水密筺体に格納された放射線検出器61を備えている。また、支持装置63に必要に応じて水中照明器具を設けても良い。
また、水中観測装置100は、使用済燃料貯蔵プール際の作業床面に設置された後記するカメラ2A,2Bの露出時間や撮影タイミングを設定する同期トリガユニット15や、カメラ2A,2Bの撮影画像(カメラの画像)を取得して、そのデータを処理する画像データ処理装置(画像データ処理手段)16Aや、視野内水領域隔離体12内に透明水を供給するための透明水供給口9や、高圧水ノズル10A,10Bや、高圧ポンプ17Aや、ポンプ17Bや、透明水供給源18や、高圧ポンプ17A及びポンプ17Bを制御したり、その吐出側の流量調節弁V1,V2,V3の開度を制御したりする透明水供給制御装置90や、配管51,52、53や、配管51,52、53に設けられた圧力計S1,S3,S5や、流量計S2,S4,S6や、水中観測装置100全体を制御するメイン制御装置91A等を含んでいる。ここで、透明水供給口9、配管52、透明水供給制御装置90、流量調節弁V2、圧力計S3が特許請求の範囲に記載の「補助透明水供給手段」に対応する。
本実施形態における水中観測装置100は、観測対象物13から水中距離で1.8m程度離れた位置に配置されたカメラ2A,2Bからのカメラ画像(カメラの画像)を用いた光切断法による水中での寸法、形状計測精度が±1mm以内、±1°以内とすることを目標としている。
ここで観測対象物13から水中距離で1.8m程度離れた位置を環境条件として想定するのは、以下の理由である。
CCDやCMOS等のイメージセンサを用いたカメラ2A,2B、半導体レーザ用いた後記する緑色レーザプロジェクタ(レーザプロジェクタ)1A,1Bの耐放射線性が、これまでの実績値から集積線量で200Gyとし、これらの機器の最低寿命の要求を2000時間と設定すると、これらの機器の使用環境は0.1Gy/hとなる。この使用環境を満足するためには、放射線を放出する燃料を観測対象物13とする場合は、その放射線の強度から観測対象物13からの水中離隔距離は、燃料からの放射線を考慮すると1.8mの水中距離で0.1Gy/h以下に水により減衰させることができる。ここで、0.1Gy/hが特許請求の範囲に記載の「所定の制限値以下の吸収線量」に対応する。
(水封ハウジング4A)
水封ハウジング4Aは、例えば、ほぼ直方体の外形形状の水密筺体であり、その1面に透明な光学ガラス3で構成された水封窓が設けられている。水封ハウジング4A内には、例えば、上下に配置し、光学ガラス3を介して水封ハウジング4A外の映像を撮影可能なカメラ2A,2Bの2台が備えられている。
(カメラ2A,2B)
また、水封ハウジング4A内の、例えば、上下方向のほぼ中央には、光学ガラス3を介して光学ガラス3に対してほぼ垂直に水封ハウジング4A外に緑色のラインレーザ光を投射可能な緑色レーザプロジェクタ1A,1Bを、例えば、2台固定設置されている。
本実施形態では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bとカメラ2A,2Bの相対位置関係及び相対角度関係も予め決められて分かっており、そのデータが光切断法による寸法計測や形状計測におけるデータ処理に用いられる。これらのカメラ2A,2Bは、水封ハウジング4A内に固定設置されている。
カメラ2A,2Bのそれぞれのレンズの先端には、緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタ2a(「青色光減衰光学フィルタ2a」とも称する)が取り付けられている。青色光減衰光学フィルタ2aをカメラ2A,2Bのそれぞれのレンズの先端に取り付けることにより、光学フィルタ2aは、水中で想定される外乱光(水中では青色等の単波長の成分が多い)やチェレンコフ光(紫外線域)を大きく減衰させるが、緑色光よりも長波長側の光に対しては高い透過性を備える。
光学フィルタ2aとしては、緑色光に対する透過性が高くて青色光より短波長側の可視光を減衰させるとともに、緑色光に対する透過性が高くて緑色光より長波長側の可視光や赤外線を減衰させるバンドパスフィルタとしても良いが、そうすると緑色光の透過性が低下するので青色光減衰光学フィルタ2aとすることが好ましい。
ちなみに、カメラ2A,2Bは、観測対象物13までの距離、被写界深度、画角、レーザ光に対する耐性(強さ)、映像分解能等の必要条件や、寸法、形状、外観の計測精度に影響する収差をできる限り少なくしたものを用い、観測対象物13のまでの距離、被写界深度、画角、レーザに対する耐性、映像分解能等の必要条件の適切な設定範囲を備えている。
本実施形態では、図1において、カメラ2A,2Bの2台構成としている。光切断法で必要なカメラは最低限1台であるが、(1)システムとして冗長性を持たせること、(2)カメラ2A,2B間のカメラ画像の相互チェックにより画像品質を確保すること、(3)光切断法で必要となる投射されるレーザ光とカメラとの関係をキャリブレーションする必要があるが、2台のカメラ2A,2Bを用意すれば2台のカメラ2A,2Bのみで、他の機器を必要としないでキャリブレーションができることから、利便性が高い。そこで、カメラ2A,2Bの2台構成が好ましい。このキャリブレーションを「レーザキャリブレーション」と称する。
また、2台のカメラ2A,2B間で撮影タイミングの同期がとれており、同じ露出時間でないと、レーザキャリブレーション等で問題が発生する可能性があるため、同期トリガユニット15を設けている。
(緑色レーザプロジェクタ1A,1B)
緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水封ハウジング4Aの外の、例えば、使用済燃料貯蔵プールの作業床面上に設置された図示しない所定の電源から電源供給を受け、メイン制御装置91Aからの制御により発光状態、発光停止の状態に制御される。本実施形態では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水平のラインレーザ光を投射するように構成されている。
緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、赤色レーザに比べて水中での透過性が大幅に高い緑色レーザを用いる。例えば、緑色光のレーザ光源としては、現在安価であるYAGレーザ(赤外線レーザ)を、波長変換素子を通して緑色レーザとするものを用いる。
また、光切断法に用いる緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、観測対象物13の寸法、形状、外観等の計測精度を確保するために、予め管理された高い平面度の緑色のラインレーザ光を投射できる機能(特許請求の範囲に記載の「ラインレーザ光を水中の観測対象物に投射するステップ」に対応する)を備えている。
なお、緑色レーザ光を直接出力する緑色半導体レーザも近年開発が進んでおり、コスト的に安くなれば、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの光源として緑色半導体レーザを用いることもできる。
図1において、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bを2台とし、2本の緑色のラインレーザ光を投射することで、観測対象物13を2断面で捉えることができ(特許請求の範囲に記載の「観測対象物のラインレーザ光の反射光をカメラにより前記カメラの画像として取得するステップ」に対応する)、燃料集合体のような面の組合せ形状の観測対象物13についての面の評価も可能としている。ラインレーザ光の本数や投射角度は観測対象物13に応じて決定すれば良い。
(透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12)
次に、図1を参照しながら透明水ハウジング5と視野内水領域隔離体12の詳細な構造について説明する。
図1において、水封ハウジング4Aの背後(水封ハウジング4Aの光学ガラス3が設けられた側と反対側)及びその側面の四周を囲むように設けられ、水封ハウジング4Aの前方側(水封ハウジング4Aの光学ガラス3側)に延伸されるとともに、カメラ2A,2Bの視野を妨げないように開口部(開口窓)5aを有した有底のほぼ四角筒形状の透明水ハウジング5が、水封ハウジング4Aに取り付けられている。透明水ハウジング5は、例えば、透明なアクリル樹脂製で構成され、隔離体保持機構19(図2(a)参照)に示した隔離体保持機構19の左端部に固定され、隔離体保持機構19を介して支持装置63の取り付け部(図示省略)に固定されている。
前記取り付け部は、メイン制御装置91Aにより駆動される、上下方向スライド移動機能、左右方向首振り機能、上下方向首振り機能を有し、隔離体保持機構19を所定の方向に向けることができ、その結果、隔離体保持機構19に保持された透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12を所定の方向に向けることができるようになっている。
透明水ハウジング5の開口部5aの先端には、観測対象物13までの水領域をカメラ2A,2Bの視野を妨げないように、例えば、透明のポリエチレン製で内面がほぼ四角筒形状の断面の視野内水領域隔離体12が、ほぼ水密に接続されている。ちなみに、透明水ハウジング5の開口部5a及び視野内水領域隔離体12の内寸法は、カメラ視野範囲7A,7B(図1参照)及び緑色レーザ光6A,6Bを遮らない寸法として構成されており、特に、視野内水領域隔離体12の内寸法は、先端部12cに向かって末拡がりの断面形状をしている。
なお、透明水ハウジング5の開口部5aと視野内水領域隔離体12との接続部は視野内水領域隔離体12を交換可能に取り付けることが可能な構造である。これは、視野内水領域隔離体12が薄膜でできているとともに、観測対象物13と何度も接触することで破損し易く、又、放射線損傷を受けて劣化して破損しやすくなるためである。
視野内水領域隔離体12は、水封ハウジング4Aの前方側に徐々にその断面を拡径しながら延伸され、所定の長さ位置間隔でポリエチレン製の補強リング12b(図2(a)参照)が周方向に接着され、その補強リングは径方向外方側に延出された耳部を有している。耳部には、アルミニウム合金等の耐食性金属でその縁部が補強された吊り孔12aが設けられている。
(隔離体保持機構19)
次に、図1、図2を参照しながら隔離体保持機構19の詳細な構成の一例について説明する。図2は、実施形態における視野内水領域隔離体を保持するとともに、その伸縮長を設定する隔離体保持機構の一例の説明図であり、(a)は、全体概要説明図、(b)は、伸縮部の伸長状態の説明図、(c)は、伸縮部の縮小状態の説明図である。
隔離体保持機構19は、図1では、省略して透明水ハウジング5に固定されているように記載してあるが、実際は、図2(a)に示すように透明水ハウジング5を囲むように、例えば、アルミニウム合金等の耐食性があり、軽量な金属で、ほぼ四角筒を構成するように構成され、隔離体保持機構19の左端部が、図示省略するが支持装置63の前記した取り付け部に固定されている。
隔離体保持機構19は、その長手方向に配置されたマスト部材19a、マスト部材19aに直角に交わる梁部材19bとでほぼ四角筒の形状を形成し、透明水ハウジング5より前方側(観測対象物13側)において、離散的に複数箇所に伸縮接続部19dでマスト部材19a,19aを互いに長手方向にスライド可能に接続している。
図2(a)では、伸縮接続部19dの前後のマスト部材19aが一軸のように簡略化して示されているが、後記するように、伸縮接続部19dの前方側(先端部12c側)のマスト部材19aは、伸縮接続部19dの後ろ側(透明水ハウジング5側)よりも径方向外側に位置するように構成されている。つまり、伸縮接続部19dの部分で隔離体保持機構19の長手方向に垂直な直方体断面は四方にやや面積の増大した直方体断面となっている。
隔離体保持機構19は、伸縮接続部19dを有しない部分では、マスト部材19aと梁部材19bに加えて隔離体保持機構19の撓みを抑制するトラス構造を構成するために、強度部材としての筋交い部材19cを四角筒の長手方向の四周面において、マスト部材19aと梁部材19b隅部同士を接続するように配置して固定接続してある。この結果、隔離体保持機構19は、長手方向を水平にしてもほとんど撓むことが無い。
なお、図2(a)では、伸縮接続部19dを有する部分の長手方向の長さと、伸縮接続部19dを有しない部分の長手方向の長さがほぼ同じに表示してあるが、伸縮接続部19dを有する部分の長手方向の長さは、最大に伸長したとき(図2(b)参照)でも、伸縮接続部19dを有しない部分の長手方向の長さより短いことが好ましい。そのような構成とすることで伸縮接続部19dを有する部分での重力による撓みを抑制できる。
伸縮接続部19dは、図2(b),(c)に示すようにL字形の2つのスライド部材80A,80Bが、2本のマスト部材19aが並行に挿通される孔をそれぞれ2個有し、一方のマスト部材19aの外周には、スライド部材80A,80B間でコイルバネ81が装着された構造である。そして、図2(b)は、伸縮接続部19dが最も短く縮小された状態を示し、L字型のスライド部材80A,80Bが長手方向で互いに当接することでこれ以上縮小しない。
スライド部材80A,80Bを挿通したマスト部材19aの一端にはストッパ円盤85が溶接され、マスト部材19a,19aそれぞれがスライド部材80A,80Bから抜けないようになっている。また、図2(b),(c)では図示省略してあるが、伸縮接続部19dのマスト部材19a,19aとスライド部材80A,80Bの孔は、互いに相対的に周方向の回転をしないで長手方向にのみスライドを許容するように、例えば、スプライン構造のような回り止め機能をしている。これによって、伸縮接続部19dにおいて、マスト部材19a,19a同士の断面方向の相対位置関係が変化しないようになっている。
そして、伸縮接続部19dにおけるマスト部材19a,19a同士の断面方向の相対位置関係は、伸縮接続部19dの前方側(先端部12c側)のマスト部材19aは、伸縮接続部19dの後ろ側(透明水ハウジング5側)よりも径方向外側に位置するように構成されている。つまり、少なくとも伸縮接続部19dの部分で隔離体保持機構19の長手方向に垂直な直方体断面は四方にやや面積の増大した直方体断面となっている。これに合わせて視野内水領域隔離体12の断面面積も伸縮接続部19dの部分で徐々に拡径したほぼ長方形断面とすることができ、カメラ2A,2Bの視野内に視野内水領域隔離体12の内周面が入らないように前方ほど拡径したほぼ長方形断面とすることができる。
図2(a)には、伸縮接続部19dが最も長くなった状態を示しており、この状態で、視野内水領域隔離体12の吊り孔12aが梁部材19bから延びた棒状部材またはワイヤや紐等の吊り部材19eに固定されている。ちなみに、吊り部材19eは、視野内水領域隔離体12を破損させない点からワイヤや紐等の可撓性の部材が好ましい。
ちなみに、図2(a)においては、図示を簡略化して先端の梁部材19bにその端が固定されたワイヤ83及びワイヤ83が挿通された吊り孔12aを隔離体保持機構19の上面だけに示しているが、実際には四周面それぞれに1組、計4組配してある。そして、ワイヤ83の他端をドラムに巻きつけ、ワイヤ83を伸縮させたり、所定の長さに保持したりするブレーキ付きワイヤ巻取り装置87(図1参照)も、伸縮接続部19dの根元部の四周面に各1個配置されている。
ワイヤ巻取り装置87(図1参照)は、メイン制御装置91A(図1参照)により、オペレータが操作入力装置91cを用いて操作することにより制御される。
ワイヤ83が、ワイヤ巻取り装置87により図2(a)の状態から巻き取られると、伸縮接続部19dが図2(b)の状態から図2(c)の状態になり、隔離体保持機構19の長手方向のながさが短く縮むとともに隔離体保持機構19の内周側に保持された視野内水領域隔離体12も長手方向に短く縮むこととなる。逆にワイヤ83が、ワイヤ巻取り装置87により短くなった状態から繰り出されると隔離体保持機構19も視野内水領域隔離体12も長手方向に延びることとなる。
ちなみに、視野内水領域隔離体12の先端部12cは、図2(a)に示すように、隔離体保持機構19の先端部よりも観測対象物13側に延伸した構造とされ、観測対象物13に隔離体保持機構19の先端が当たることなく先端部12cが観測対象物13に当接可能となっており、観測対象物13の表面形状に凹凸があっても、先端部12cが柔軟に観測対象物13の表面形状に適合して当接可能な構成となっている。
前記したような隔離体保持機構19の構成により、後記するように視野内水領域隔離体12の内部に送り込まれる透明水の圧力により視野内水領域隔離体12が径方向外方に膨らんでも隔離体保持機構19によりその周面が保持され、断面形状をほぼ四角筒形状に保持できる。その結果、隔離体保持機構19が無い場合に視野内水領域隔離体12がほぼ円形断面形状となって、上下に配置されたカメラ2A,2Bの視野を狭めることを抑制できる。ここで、吊り孔12a、隔離体保持機構19、ワイヤ83、ワイヤ巻取り装置87が、特許請求の範囲に記載の「隔離体保持機構」に対応する。
(視野内水領域隔離体12の先端部12c)
次に、視野内水領域隔離体12の先端部12cの構成について図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態における視野内水領域隔離体の先端部の構造の一例の説明図であり、(a)は、水平断面図、(b)は、斜視図である。
視野内水領域隔離体12の先端部12cには、その外周をほぼ全体的に可撓性(柔軟性)があり、耐放射線性が高い樹脂製のチューブ環71が取り付けられ、それに可撓性のある樹脂製の配管53が接続している。チューブ環71は、柔軟性があり、観測対象物13の形状に沿ってほぼ変形することが可能である。ただし、図3(b)に示すようにチューブ環71の周方向一部分には、柔軟性が低い、つまり、硬い凹部71bが設けられており、この凹部71bは、例えば、平面に先端部12cが当接しても視野内水領域隔離体12の内部の水を積極的に外へ漏らすことが可能となっている。
図3(a),(b)に示すようにチューブ環71は、視野内水領域隔離体12の先端部12cの外周縁部に接着固定されている。チューブ環71は、その後ろ側(透明水ハウジング5側)に向いたノズル孔71aを有しており、透明水を配管53から供給されるとその反動で先端部12cが観測対象物13に当接し、視野内水領域隔離体12の外側の水が視野内水領域隔離体12内に入らないようにしている。
そのようにするため、透明水供給制御装置90が、メイン制御装置91Aから、観測対象物13に先端部12cを当接させるような指示を受けたときは、透明水供給制御装置90がポンプ17Bと流量調節弁V3の開度を制御して、透明水供給源18の透明水、例えば、浄水や清水を、配管52から分岐した配管53により、圧力計S5、流量計S6が適当な目標値になるようにしてチューブ環71に供給する。チューブ環71のノズル孔71aからの透明水の吐出の反動で、観測対象物13に先端部12cが当接する。
ちなみに、先端部12cを観測対象物13の現在の当接箇所から離して別の当接箇所に移動させる場合は、つまり、透明水供給制御装置90が、メイン制御装置91Aから、観測対象物13から先端部12cを離す指示を受けたときは、流量調節弁V3を閉じて、チューブ環71のノズル孔71aからの透明水の吐出を止める。
そうすると、先端部12cは、観測対象物13から離れ、観測対象物13を移動させるか、又は隔離体保持機構19(図1参照)の支持装置63(図1参照)により隔離体保持機構19を動かすことにより観測対象物13の別の箇所に先端部12cの位置を相対的に移動させることができる。その後、再び透明水供給制御装置90が、メイン制御装置91Aから、観測対象物13に先端部12cを当接させる指示を受けたときは、流量調節弁V3を開いて、チューブ環71のノズル孔71aからの透明水を吐出させ、その反動で観測対象物13の新たな箇所に先端部12cが当接する。
この結果、後記するように観測対象物13が濁り水の中に位置していたり、観測対象物13の近傍の水の温度変化のある対流現象が生じていたりする場合でも、視野内水領域隔離体12に供給される透明水によりカメラ2A,2Bに対する視野内の水領域が透明性を保ち、又温度揺らぎを防止できる。
(視野内水領域隔離体12への透明水の供給)
次に、図1に戻って視野内水領域隔離体12へ透明水を供給する構成について説明する。透明水ハウジング5の中に観測対象物13側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズル10A,10Bを、例えば、上下又は左右に2台配置する。高圧水ノズル10A,10Bは、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの投射するラインレーザ光の邪魔にならず、且つ、カメラ2A,2Bの視野内に入らないように配置する。高圧水ノズル10A,10Bの噴射パターンは、既存のサイクロンノズル等のコーン状が適している。
ちなみに、サイクロンノズルとは、所定の角度の開きを持った扇状の範囲内に高圧水を噴射するときに、前記扇状の範囲がサイクロンノズルの軸方向周囲に旋回するように高圧水を噴射するものである。
高圧水ノズル10A,10Bへの供給水は透明水供給源18の透明水を透明水供給制御装置90により制御された高圧ポンプ17Aにて昇圧したものを用いる。ちなみに、透明水供給制御装置90は、圧力計S1、流量計S2からの圧力と流量の信号に基づき予め設定された圧力と流量となるように高圧ポンプ17Aの回転速度と流量調節弁V1の開度を制御する。
なお、図1では透明水ハウジング5内の上下方向に高圧水ノズル10A,10Bを配した例で説明したが、それに限定されるものではなく、透明水ハウジング5内の上下及び左右方向に高圧水ノズル10A,10B,10C,10D(図1中には、符号10C,10D記載してない)を4個配置しても良い。
透明水ハウジング5内で観測対象物13に向かって高圧水ノズル10A,10Bよりも後方の位置に、配管52に接続された透明水供給口9を複数設ける。この複数の透明水供給口9は、高圧水ノズル10A,10Bからの高圧噴射により前方にジェットポンプ効果で送水される視野内水領域隔離体12内の透明水の背圧を確保するとともに、高圧水ノズル10A,10Bの透明水の視野内水領域隔離体12の先端部12cへの送水効率を高める。更に、視野内水領域隔離体12内の断面方向の流速分布を先端部12c側から透明水ハウジング5側に逆流する部分が無い程度に一様にするとともに、視野内水領域隔離体12内の圧力が視野内水領域隔離体12の外側の圧力よりも若干上回るように視野内水領域隔離体12の内外の差圧を発生させ、視野内水領域隔離体12の内側の透明水域の断面形状をカメラ2A,2Bの視野を妨げないように保持させる。
前記した目的の制御のため、透明水供給制御装置90は、圧力計S3、流量計S4からの圧力と流量の信号に基づき予め設定された圧力と流量となるようにポンプ17Bの回転速度と流量調節弁V2の開度を制御し、透明水供給口9から吐出する透明水の流量を制御する。
この結果、視野内水領域隔離体12内への少ない透明水供給流量で視野内水領域隔離体12内の観測対象物13近傍での透明水の速度分布に逆流部が存在しない程度まで均一にすることができる。
高圧水ノズル10A,10B及び透明水供給口9は、透明水ハウジング5と観測対象物13間の水領域に透明水を供給し、観測対象物13の周辺に濁り水が存在する場合には、視野内水領域隔離体12の内側の水を透明水に置換し、その後は、濁り水が透明水ハウジング5と観測対象物13との間の水領域に入り込むことを阻止する。
よって、観測対象物13の周辺に濁り水がある場合にも、濁り水が水封ハウジング4Aと観測対象物13との間の水領域に入り込むことを効果的に阻止することができる。
(比較例)
次に、図4から図7を参照しながら、赤色のラインレーザ光を用いた比較例の水中観測装置101との作用効果の比較について説明する。図4は、比較例の赤色のラインレーザ光を用いた水中観測装置の概略構成図である。
図4に示す水中観測装置101では、図1に示した支持装置63や、画像データ処理装置16Aに対応する画像データ処理装置16B、メイン制御装置91A対応するメイン制御装置91Bを示すが、詳細な説明は本質的に本実施形態との比較に関係しないので省略する。
ちなみに、水封ハウジング4Bは、支持装置63の取り付け部に固定されている。記取り付け部は、メイン制御装置91Bにより駆動される、上下方向スライド移動機能、左右方向首振り機能、上下方向首振り機能を有する。
図4では、通常の光切断法で透明な水封ハウジング4B内に格納された、水中でカメラ2Cや赤色レーザプロジェクタ1Cから1.8m程度離れた位置にある観測対象物13である、例えば、燃料集合体を観測する場合における外光や赤色レーザプロジェクタ1Cから観測対象物13に当たる光の反射光をカメラ2Cで撮影するときの光成分の概念を示している。光切断法に用いる投射光(ライン光)源としては、レーザ光では最も普及している赤色レーザプロジェクタ1Cとした。
ここで、外乱光は、太陽光や照明光であり、その光源により可視光のスペクトルはそれぞれ異なるものであるが、説明を簡単化させるために図4に示したように外乱光(赤色成分)21、外乱光(緑色成分)22、外乱光(青色成分)23にて例示してある。
図4において、カメラ2Cにて感受される光成分は、赤色レーザプロジェクタ1Cから投射された赤色のラインレーザ光20の観測対象物13の表面での反射による赤色レーザ反射光25と、外乱光(赤色成分)21が入水し、減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(赤色成分)26と、外乱光(緑色成分)22が入水し減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(緑色成分)27と、外乱光(青色成分)23が入水し減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(赤色成分)28と、観測対象物13が燃料集合体の場合ではチェレンコフ光24と、が挙げられる。破線で囲い、符号29を付して示した領域は、チェレンコフ光発生領域29を示す。
図4において、観測対象物13が燃焼した燃料集合体のように熱を帯びている場合、観測対象物13周辺の水領域には破線で示した水温分布変化領域30が生じる。このため、カメラ2Cに感受される光成分には、水温の違いで屈折率が時間の推移で変化することによるカメラ2Cのカメラ画像に揺らぎが生じる。
図4において、各光成分を表した矢印の長さは光の強さを概念的に表わしている。赤色レーザプロジェクタ1Cの出力クラスは大掛かりな安全措置を要しないJIS規格(JISC6802)で出力クラス3Rを想定している。
図4において、光切断法に必要な光成分をシグナル成分と称するとすると、シグナル成分は赤色レーザ反射光25であり、それ以外のチェレンコフ光24、外乱反射光(赤色成分)26、外乱反射光(緑色成分)27、外乱反射光(青色成分)28はノイズ成分である。図4の矢印にて示すようにシグナル成分(S)はノイズ成分(N)と大差なく、撮影されるカメラ画像はS/N比が小さく、ダイナミックレンジも小さいものである。
以上の図4を用いて説明したように、赤色レーザプロジェクタ1Cを用いた通常の光切断法では透明な水中であってもカメラ2Cで得られるカメラ画像はS/N比が小さく、ダイナミックレンジが小さい。また、カメラ画像の見掛け上の揺らぎもあり、精度の良い観測はできない。
図5は、比較例の水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に得られたカメラの画像の説明図である。図6は、図5に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。図4では、赤色レーザプロジェクタ1Cは1台のみしか記載していないが、図5では、図1の本実施形態のように赤色レーザプロジェクタ1Cが2台上下に配置された場合でカメラ2Cのカメラ画像を示してある。図5に示すようにカメラ画像にはノイズが多く、シグナル成分が弱いためシグナル成分が良く確認できない状態である。また、図6のラインレーザ光の線幅方向の輝度分布でも分かるように、ダイナミックレンジ(=A/B)が小さ過ぎて光切断法の画像処理ができない状況である。
図6において、実線は、あるタイミングにおけるカメラ画像において、温度の揺らぎが無い場合に、本来赤色のラインレーザ光のライン幅の中心が位置すべき位置(図6において、「ライン中心位置」と表示)に対して、屈折のためカメラ画像で得られる線幅方向の輝度分布を示し、想像線(二点鎖線)は、別のタイミングにおけるカメラ画像において、ライン中心位置に対して、屈折のためカメラ画像で得られる線幅方向の輝度分布を示し手いる。
(実施形態の作用効果)
このため、本実施形態ではシグナル成分を増やすことが重要と考え、発明者等はレーザ光源の見直しを行った。この結果、緑色レーザで線幅と平面度を管理したものであれば出力クラス3Rでもシグナル成分は大幅に増加し適用可能であることを確認し、緑色レーザをレーザ光源として採用した。
図7は、投射するラインレーザ光が赤色光と緑色光とで比較した水中での減衰特性を示す説明図である。これは、実施形態に記載のカメラ2A,2Bのカメラにて撮影されるラインレーザ光の反射光の輝度を、蒸留水に対しては計算により、蒸留水ではない通常存在する透明度の高い水(以下、「通常水」と称する)に対しては実験によって求めたものである。
蒸留水中にて撮影したと仮定した場合の、緑色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線の計算結果を細い二点鎖線で示し、赤色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線の計算結果を点線で示してある。
また、通常水の中にて撮影した、緑色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線を実験で求めたものを破線で示し、赤色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線を実験で求めたものを太実線で示してある。
水中で光が減衰することは一般的に知られているが、この光の減衰は、水による光の吸収と散乱によるものであり吸収係数aと散乱係数bとで表すと、ある距離L(単位:m)を通過する間の光の減衰は、光の消散係数c(=a+b)により、次式(1)で表される。
I(L)=I−cL ・・・・・・・(1)
ここで、Iは、L=0mの場合の光の強度である。
図7の計算においては、蒸留水中の消散係数cは、Hulburt(1945年)による測定結果を用いた。観測対象物13での表面散乱係数は前記した4本の減衰曲線とも同じ0.4を仮定し、レーザ光の出力は20mWと規格化した。レーザ光の出力は20mWという値は、JIS規格で出力クラス3Rの上限の出力に相当し、出力クラス3Rは、直接のビーム内観察は危険であるとされているが、危険度は低く、製品の安全対策、及び使用者の規制対策が出力クラス3B以上に比べて緩和されている出力クラスである。つまり、使用に当たっての特別な安全対策が必要なく、廉価に運用ができるレーザ光の強度である。また、観測対象物13で反射後、レーザ光は拡散するため、その影響についても考慮している。
ちなみに、赤色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線については、赤色レーザの減衰が大きいのでカメラ画像による輝度を得るために、観測対象物までの水中距離2m位置における、80mW(クラス3B)の赤色レーザの光源強度と20mWの緑色レーザの光源強度との実測輝度比から消散係数を求めて、赤色レーザの光源強度を20mWに規格化して減衰曲線を得た。
なお、この赤色レーザの消散係数は、蒸留水中における緑色レーザの消散係数の値の16倍の値であった。
図7のデータ取得実験に利用した日本FAシステム株式会社の商品モデル「IDS:UI−5490SE−M」のカメラにて1mm以内程度の測定精度が得られる画像処理を可能とするダイナミックレンジが確保できる撮影輝度レベルとして、発明者等は実測した画像の1/10程度の輝度が必要であると考え、一点鎖線で示した「画像処理可能輝度」を図7に示してある。必要測定精度が小さくなれば、それに応じ、「画像処理可能輝度」のレベルも低下する。
ところで、水中に懸濁質が含まれている場合、懸濁質による光の散乱効果が大きくなる。水道水の水質基準では、濁度2以下であり、「通常水」の濁度としては、水道水における現実的な濁度1とする。
図7に示すようにカメラ2A,2Bと観測対象物13との水中距離が2m位置におけるカメラ2A,2Bの受光強度は、赤色レーザ対緑色レーザの比が蒸留水の場合で、1:2であるのが、濁度が上昇して1度の通常水の場合なると1:10程度に大幅に変化することが分かった。すなわち、蒸留水と通常水での輝度の減衰曲線の差異は、濁度の影響が大きいと思われる。
図7に示すように、通常水中で緑色レーザは赤色レーザに比べて大幅に減衰し難いことが確認された。つまり、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bにより投射される緑色のラインレーザ光は、赤色のラインレーザ光よりもより水中で長い距離にわたって吸収や散乱を受けずに観測対象物に到達し、その反射光が計測に利用するに十分な輝度でカメラ2A,2Bに捉えることができる。
次に、図8、図9を参照して、比較例の図4の状態における赤色レーザプロジェクタ1Cを緑色レーザプロジェクタ1Aに代えた場合のカメラ画像について説明する。図8は、実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合の参考例として、青色光減衰光学フィルタを付けないカメラの画像の説明図である。図9は、図8に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。図8では、図1の本実施形態のように緑色レーザプロジェクタ1A,1Bが2台上下に配置された場合でカメラ2Cのカメラ画像を示してある。
比較例の図4の状態における赤色レーザプロジェクタ1C,1Cを緑色レーザプロジェクタ1A,1Bに代えると、カメラ画像のイメージは図8、線幅方向の輝度(階調)分布は図9に示す状態となり、シグナル成分は大幅に増加した。しかし、図8及び図9に示すように、ノイズ成分は依然として高く、精度の良い観測をするためにはノイズ成分を低減しダイナミックレンジの拡大を図る必要がある。また、画像処理では線幅方向の重心位置を求める必要があるが、図9の輝度分布では温度揺らぎによる見掛け上の分布を示しているため、求めた重心位置も見掛け位置となり実際のライン中心位置とずれてしまうことがを確認された。ちなみに、図9において実線と二点鎖線の輝度分布は撮影タイミングが異なり、屈折により実際のライン中心位置とずれてしまうことを示している。
ノイズ成分を低減するには、シグナル成分である緑色光のみを透過させれば良い。しかし、このタイプのフィルタでは緑色光の透過率も低下してしまいシグナル低下を伴うことが分かった。そこで、本々水中では赤色光の減衰が大きく赤色光のノイズ成分が少ないことを利用し、青色よりも波長の短い光成分のみを減衰させるタイプのフィルタで緑色光の透過率の高い光学フィルタ2a(青色光減衰光学フィルタ)の適用を考えた。
図4の状態から、赤色レーザプロジェクタ1C,1Cを緑色レーザプロジェクタ1A,1Bに代え、カメラレンズの先端に選定した光学フィルタ2aを取り付けて撮影した結果のカメラ画像について図10、図11を参照して説明する。図10は、実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に得られる青色光減衰光学フィルタを付けたカメラの画像の説明図である。図11は、図10に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。
図11の点線の輝度分布から実線の輝度分布へ変化で示すようにノイズ成分は大幅に低減し、青色光減衰光学フィルタ2aが有効であることを確認できる。この結果、ダイナミックレンジはほぼ最大限に確保できる。
緑色レーザプロジェクタ1A,1Bとカメラ2A,2Bのレンズに装着された光学フィルタ2aを併用することにより、カメラ2A,2Bのイメージセンサに入射する光成分は、青色及び青色よりも短波長側の成分は光学フィルタ2aにより大幅にカットされる。また、緑色よりも長波長側の成分の中でも赤色及び赤色よりも長波長側の成分は水中で大きく減衰されていることから入射成分の割合は少ない。一方、観察に使用する緑色成分は赤色成分に比べて水中での減衰が少ないことと、光学フィルタ2aでの透過率が高いことから入射成分の割合は大きくなる。結果として、カメラ2A,2Bにて感受する光成分は、観測に使用する緑色レーザの成分(シグナル成分)が支配的となり、それ以外の成分(ノイズ成分)は僅かとなり、シグナル/ノイズ比(S/N比)が大きくなり、ダイナミックレンジも拡大する。
つまり、緑色のラインレーザ光を用い、カメラ2A,2Bは、緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタ2aを有するので、水中で観測対象物13等が高エネルギのガンマ線を放出して、水中でチェレンコフ光を生じさせる場合でも、光学フィルタ2aによりチェレンコフ光がカメラ画像のノイズとして入ることを減衰させる。その結果、観測対象物13に到達した緑色のラインレーザ光の反射光が計測に利用するに十分な輝度でカメラ2A,2Bに捉えることができる。
しかしながら、この状態では、水の温度揺らぎによる輝度重心位置とライン中心位置の一致性は依然として悪い。
水の温度揺らぎによる輝度重心位置とライン中心位置の一致性を高めるためには、基本的には水の温度揺らぎの変動周期程度に比べて長い時間の露出をカメラ2A,2Bにて行えば良いと考えられる。図12は、実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に、カメラの露出時間を長くし過ぎた場合に得られる画像の概念説明図である。図13は、図12に示すA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の輝度分布を示す説明図である。カメラ2A,2Bの露出時間を長くすると現実的にはカメラ2A,2Bの最大輝度で飽和してしまうことから、図12及び図13に示すようなカメラ画像となり、水の温度揺らぎによる輝度重心位置とライン中心位置の一致性を高まるが、ダイナミックレンジが低下することにより一致性は十分ではない。
このため、本実施形態では、ダイナミックレンジを確保しつつ水の温度揺らぎによる輝度重心位置とライン中心位置の一致性を高める方法を図14から図16を参照しながら説明する。図14は、実施形態における緑色のラインレーザ光を用いた水中観測装置による光切断法で計測を行った場合に、カメラの露出時間を適切にした場合に得られる画像の概念説明図である。図15は、図14の状態において、観測対象物近傍の水温が時間的に変動して画像揺らぎがある場合に、複数回撮影したカメラの画像のA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の各輝度分布を示す説明図である。図16は、図14の状態において、観測対象物近傍の水温が時間的に変動して画像揺らぎがある場合に、複数回撮影したカメラの画像のA部に投射されたラインレーザ光の線幅方向の各輝度分布に基づいて規格化して得られる画像のA部に関するライン光の線幅方向の各輝度分布を示す説明図である。
具体的には、画像データ処理装置16Aのソフトが露出最適化モード機能と、測定モード機能とを有する。メイン制御装置91Aの操作入力装置91cがオペレータによる露出最適化モードの実行の入力指令を受けると、制御装置本体91aを介して画像データ処理装置16Aにシグナル成分が飽和しない程度の露出時間を設定するためのカメラ2A,2Bによるカメラ画像を、露出時間を変化させて複数取得する。複数の露出時間を変化したカメラ画像の輝度分布に基づいて、輝度が飽和しない余裕のある露出時間を、例えば、内外挿計算により算出し、最適な露出時間を設定する。
そして、メイン制御装置91Aの操作入力装置91cがオペレータによる測定モード実行の入力指令を受けると、制御装置本体91aを介して画像データ処理装置16Aに前記設定された最適な露出時間をカメラ2A,2Bに送信させる指令が入力される。その後、測定モードの観測対象物13の寸法及び形状の計測、外観観察の一連のカメラ2A,2Bによるカメラ画像を取得においては、前記設定された最適な露出時間により、カメラ2A,2Bが動作する。このとき、カメラ2A,2Bは、画像データ処理装置16Aから同期トリガユニット15を介して送信される撮影タイミング信号により予め決められた複数の枚数だけ同期撮影し、カメラ画像を画像データ処理装置16Aに送信する。
カメラ画像を画像データ処理装置16Aは、得られた複数回のカメラ画像の画像データを重ね合せ一つの規格化画像として、画像データ処理装置16Aのメモリに格納し、この規格化画像を光切断法における画像処理のベースデータとする。この規格化処理によりダイナミックレンジを確保しつつ、水の温度揺らぎによる輝度重心位置と実際のライン中心位置の一致性が大幅に高まる。ここで「得られた複数回のカメラ画像の画像データを重ね合せ一つの規格化画像として」が、特許請求の範囲に記載の「カメラで連射した複数画像を重ね合わせて規格化して」に対応する。
ちなみに、このとき燃料昇降機制御操作盤47から画像データ処理装置16Aへ送信された昇降機位置信号による観測対象物13である燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して、規格化画像を画像データ処理装置16Aのメモリに格納する。
その後、画像データ処理装置16Aのメモリに格納した規格化画像を用い、光切断法によりラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、観測対象物13の寸法、形状を解析し(特許請求の範囲に記載の「画像データ処理手段が、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記ラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測するステップ」に対応する)、その結果を燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して、制御装置本体91aに送信する。制御装置本体91aは、表示装置91bに観測対象物13の寸法、形状を表示するとともに、制御装置本体91a内の記憶装置に燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して寸法、形状のデータを格納し、必要に応じ外部の装置にデータ出力する。
なお、燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータは、観測対象物13の位置や観測方位のデータに対応する。
以上のように本実施形態の水中観測装置100によれば、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bからの緑色のラインレーザ光を用い、カメラ2A,2Bのレンズには青色光減衰光学フィルタ2aを装着しているので、透明な水中の1.8m程度離れた位置でも十分に観測対象物13に照射された緑色のラインレーザ光を画像としてS/N比も良好に撮影することができる。例えば、燃料集合体のような角柱形状の観測対象物13に関する寸法を±1mm以内、角度を±1°以内で観測することができる結果を実験により得られた。
観測対象物13のおかれている水環境に濁りがある場合、カメラ画像中のシグナル成分はノイズ成分に埋もれてしまうことから観測はできなくなる。この場合、透明水ハウジング5、透明水供給口9、高圧水ノズル10A,10B、視野内水領域隔離体12、高圧ポンプ17A、ポンプ17B、配管51,52,53、透明水供給制御装置90、流量調節弁V1,V2,V3、圧力計S1,S3,S5、流量計S2,S4,S6等を用いることにより、カメラ2A,2Bから観測対象物13までの水領域が透明水で満たされ、カメラ2A,2Bの良好な視界は確保され観測が可能となる。
また、この場合、前記した水温分布の時間変化によるカメラ画像の揺らぎを低減する効果もあり、より鮮明なカメラ画像が得られ、複数毎のカメラ画像から規格化画像を得る必要が無くなる場合も生じる。
本実施形態では、観測対象物13を燃焼した燃料集合体としたが、これ以外の水中の観測対象物13に対しても適用可能である。
また、本実施形態においては、監視カメラ60、放射線検出器61を支持装置63に設けたので、カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの単位時間当たりの放射線吸収線量を検出し、カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bが0.1Gy/h以下となるように1.8mの観測対象物13との水中距離に限定されること無く、測定精度が満足できる範囲で支持装置63の固定場所を変更することが可能になる。
また、監視カメラ60により視野内水領域隔離体12、隔離体保持機構19を適切に観測対象物13に向けることができる。
その結果、観測対象物13が放射能を有するものであっても、又カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの使用環境が放射線場であっても、その観測対象物13等から放出される放射線が水によって減衰され所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離、つまり、カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの半導体や電子回路が放射線によって性能劣化が進まない所定の水中距離を観測対象物13との間に確保でき、且つ、観測対象物13に向けて投射された緑色のラインレーザ光を撮影可能となる。
《第1の変形例》
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。前記した実施形態では、図1に示すように透明水ハウジング5、透明水供給口9、高圧水ノズル10A,10B、視野内水領域隔離体12、高圧ポンプ17A、ポンプ17B、配管51,52,53、透明水供給制御装置90、流量調節弁V1,V2,V3、圧力計S1,S3,S5、流量計S2,S4,S6等を用いることにより、カメラ2A,2Bから観測対象物13までの水領域が透明水で満たされ構成としたが、それに限定されるものではない。
水が濁っていない場合は、カメラ2A,2Bを格納した水封ハウジング4Aの光学ガラス3から観測対象物13までの水領域が透明水で満たす構成をなくし、支持装置63の前記した取り付け部に水封ハウジング4Aを直接取り付けても良い。
《第2の変形例》
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。前記した実施形態では視野内水領域隔離体12を隔離体保持機構19で伸縮可能に保持し、視野内水領域隔離体12を任意の方向に向ける構成としたが、それに限定されるものではない。
視野内水領域隔離体12の内周面に透明水の高圧水ノズル10A,10Bから噴流の一部当てることにより、視野内水領域隔離体12を直線に近い姿勢に自己保持させる構成としても良い。この場合、ワイヤ巻取り装置87は、透明水ハウジング5の外周面に固定され、ワイヤ83の先端は先端部12c近傍の吊り孔12aと固定される。ワイヤ巻取り装置87で視野内水領域隔離体12を最短長さに縮めることにより、水中観測装置100の支持装置63、透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12を、観測対象物13にたどり着けるまでの狭い開口部を通して設定する場合に支障とならないように小さくすることができる。ここで、吊り孔12a、ワイヤ83、ワイヤ巻取り装置87が特許請求の範囲に記載の「隔離体長制限機構」に対応する。
《第3の変形例》
実施形態及び第1、第2の変形例では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水平方向に伸びるラインレーザ光を投射する構成としたが、それに限定されるものではない。緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの2台に限定されず、3台、4台とより多く設けて、一回の撮影画像でより多くの形状や寸法を計測するようにしても良い。
また、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの一方が、水平方向に伸びるラインレーザ光を投射し、他方が、垂直方向に伸びるラインレーザ光を投射するようにしても良い。
《第4の変形例》
更に、これまでは、複数の緑色レーザプロジェクタ1A,1B,・・・は、カメラ2A,2Bに対して相対的に角度位置が固定としたがそれに限定されるものではない。
例えば、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの一方は水封ハウジング4Aに上下方向にカメラ2A,2Bの視野内で所定の限定された範囲で首振り可能に設置され、上下方向に回動させる上下方向回動駆動機構とその角度を検出する上下方向角度位置センサが設けられ、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの他方は水封ハウジング4Aに水平方向にカメラ2A,2Bの視野内で所定の限定された範囲で首振り可能に設置され、水平方向に回動させる水平方向回動駆動機構とその角度を検出する水平方向角度位置センサが設けられている。
上下方向回動駆動機構、水平方向回動駆動機構は、画像データ処理装置16Aによって駆動され、上下方向角度位置センサ及び水平方向角度位置センサのそれぞれの角度位置信号は画像データ処理装置16Aに入力される。そして、観測対象物13に対して視野内水領域隔離体12が所定の一箇所に当接した状態で、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bを所定の角度間隔でスキャンし、その上下方向角度位置、水平方向角度位置毎にカメラ2A,2Bでカメラ画像を得て、画像データ処理装置16Aにおいて光切断法によりラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、観測対象物13の寸法、形状を解析するようにしても良い。
この第4の変形例によれば、視野内水領域隔離体12の移動回数を減じて、効率的に光切断法によりラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、観測対象物13の寸法、形状を解析することができる。
《水中観測装置100のガンマスキャンへの第1の適用例》
次に、図17、図18を参照しながら実施形態又はその変形例を燃料集合体のガンマスキャンに適用した場合の第1の適用例について説明する。図17は、実施形態の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第1の適用例の構成図である。図18は、実施形態の第2の変形例の水中観測装置により燃料集合体とガンマスキャン装置とのアライメント寸法を検出し、ガンマスキャン装置で得られた測定ガンマ線の軸方向分布の補正を行った場合の説明図である。
図17には、前記した実施形態の水中観測装置100の第2の変形例(図17中、「水中観測装置100」と表示)をガンマスキャン装置44に組み合わせた適用例である。
ガンマスキャンにおけるガンマ線測定値は、ガンマスキャン装置44と燃料集合体のアライメント寸法により影響を受ける。このため、水中観測装置100の第2の変形例(以下、単に「水中観測装置100」と称する)をガンマスキャン装置44に搭載し、燃料集合体から放出されるガンマ線と燃料集合体のアライメント寸法とを同時に測定する。
燃料集合体のガンマスキャンを実施する場合、これまでは観測対象物13である燃料集合体をFPM40の燃料昇降機41に載せ、燃料集合体を昇降させながら行う。ここで、昇降に伴う燃料集合体とガンマスキャン装置44間のアライメント寸法は、ガンマスキャン装置44や、FPM40が一定位置にあっても、燃料集合体にFPM40の燃料昇降機41上での傾き、曲り、捩れ等があり、一定とはならない。ちなみに、燃料集合体と燃料昇降機41の上部支持部41bとの間には多少のガタが許容されており、どうしても燃料集合体は燃料昇降機41上で傾く。アライメント寸法の燃料集合体軸方向の変化は、ガンマ線の測定誤差となるため管理が必要である。
そのため、これまでのガンマスキャンにおいては、燃料集合体の一方の対角方向から測定したら、燃料集合体を180度旋回させて燃料集合体の他方の対角方向から測定し、両方の同じ高さ位置のガンマ線測定値の平均値をとって、アライメント寸法による影響が少なくなるような配慮がなされる。しかし、燃料集合体の軸方向に2回測定することになり、測定時間を要することとアライメント寸法の影響が定量化されていないという問題があった。
第1の適用例において、ガンマスキャン装置44は、例えば、特開2012−98046号公報に記載されている「燃料集合体放射能測定装置1」の構成をしており、ここでは簡単に概略構成を記載するに留める。ガンマスキャン装置44は、有底のほぼ角筒形状のコリメータ44a、コリメータ44aの低部側(開口部側と反対側)に配置されたガンマ線検出器43、ガンマ線検出器43からのガンマ線検出信号(放射線検出信号)を処理する信号処理装置46等から主に構成されている。ガンマ線検出器43には、コリメータ44aにより、後記する1ノード分のガンマ線計測範囲45に限定されたガンマ線が入射する。ここで、ガンマ線検出器43は、ガンマ線を検出する放射線検出器と、放射線検出器からのガンマ線検出信号を増幅したり信号波形を整形したりして、放射線検出信号を生成する信号生成装置を含んでいる。ガンマ線検出器43は、ガンマ線検出信号を信号処理装置46に送信する。信号処理装置46は、ガンマ線検出信号を波高分析して特定のエネルギのガンマ線を弁別して計数することにより、当該ノードに含まれる特定の核種(ターゲット核種)の濃度を定量する。その特定の核種の濃度の定量結果をガンマ線測定値(実測値)とする。
信号処理装置46には、燃料昇降機制御操作盤47からの昇降機位置信号として、上下位置信号が入力される。信号処理装置46は、上下位置信号に対応付けして、ガンマ線測定値(実測値)とする。
図17では、水中観測装置100の支持装置63が使用済燃料貯蔵プールの側壁に固定され下方に透明水ハウジング5を固定保持している。そして、支持装置63にガンマスキャン装置44の支持装置64が固定されている。
図17に示す第1の適用例において、水中観測装置100では、図1におけるメイン制御装置91Aの代わりにメイン制御装置91Cとしているが、本質的にその構成は、メイン制御装置91Aと同じである。異なる点は、次の点である。
(1)本適用例では、視野内水領域隔離体12の先端部12cは、燃料集合体の有効長(燃料ペレットが充填されている領域)を24ノード(図18参照)に分割したとき、その1ノード分をカメラ2A,2Bの視野とできるように設定されている。これにより、当該ノードのアライメント寸法を画像データ処理装置16Aにより解析取得することができる。(2)画像データ処理装置16Aにより解析取得された当該ノードのアライメント寸法は、信号処理装置46に入力される。(3)信号処理装置46により解析された実測のガンマ線測定値とそのアライメント寸法に応じたガンマ線補正結果は、制御装置本体91aに送信され、表示装置91bに表示されたり、制御装置本体91aの記憶装置に外部へ出力可能に格納されたりする。
信号処理装置46では、当該ノードのアライメント寸法に従って、ガンマ線検出器43から入力された1ノード分のガンマ線測定値を補正する。
アライメント寸法としては捩じれ、曲がり、傾きが含まれるとしたが、捩じれのガンマ線測定値への影響については、予め実験的に、又は解析的にその影響度合いをデータとして信号処理装置46のデータベースに格納しており、所定の閾値内の捩じれまでは実測されたガンマ線測定値を補正せず、所定の閾値を超えたとき、その超えた量に応じて実測されたガンマ線測定値を補正する。ここで、「捩じれ、曲がり、傾き」が、特許請求の範囲に記載の「燃料集合体の変形量」に対応する。
また、アライメント寸法における曲がり、傾きは、燃料集合体と放射線検出器61との間の水中距離の変化となるため、燃料集合体から放射線検出器61までの水中距離が基準値の距離よりも短ければ、水によるガンマ線の吸収が減少し、逆に燃料集合体から放射線検出器61までの水中距離が基準値の距離よりも長ければ、水によるガンマ線の吸収が増加する。そこで、図18に示すようにアライメント位置信号の例として、基準値からの水中距離の偏差とし、負側が基準値よりも水中距離が長いことを示し、正側が基準値よりも水中距離が短いことを示している。
このため、点線で示した実測のガンマ線測定値をアライメント寸法に応じて実線で示すように定量的に補正することでガンマ線測定値の誤差が低減できる。
本適用例における作業フローは以下のようになる。
(1)燃料集合体移動(使用済燃料貯蔵ラックからFPM40位置への燃料移送機48(図19参照)による燃料集合体の移動)
(2)燃料集合体載せ替え(燃料移送機48によるFPM40の燃料昇降機41上への燃料集合体を搭載)
(3)計測(燃料有効長の1ノードごとに所定時間停止後、燃料昇降機41を1ノード分昇降)
(4)燃料集合体載せ替え(FPM40から燃料移送機48へ燃料集合体を移動)
(5)燃料集合体移動(FPM40位置から元の使用済燃料貯蔵ラック位置への燃料移送機48による燃料集合体の移動)
この結果、燃料集合体を180度回転させることなく一方の対角方向に対して、燃料集合体の軸方向にガンマ線を測定するだけで、燃料集合体のガンマスキャンを完了でき、時間的に効率的である。
また、ガンマスキャンの対象の燃料集合体からの熱により燃料集合体の近傍の水が温度揺らぎを生じる可能性があっても、複数毎のカメラ画像から規格化画像得たり、視野内水領域隔離体12により透明水を供給して燃料集合体の近傍の水が温度揺らぎをするのを抑制したりするので、水の屈折が抑制され、光切断法によるアライメント寸法がより正確に得られ、実測のガンマ線測定値を定量的に補正可能となる。
《水中観測装置100のガンマスキャンへの第2の適用例》
次に、図19を参照しながら実施形態又はその変形例を燃料集合体のガンマスキャンに適用した場合の第2の適用例について説明する。図19は、実施形態の第2の変形例の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第2の適用例の構成図である。
燃料集合体のガンマスキャンを実施する際、従来及び第1の適用例ともに燃料集合体はFPM40に載せた状態で燃料集合体を上下させながら計測を行う。
従来は、燃料集合体とガンマスキャン装置44間のアライメント寸法はできる限り一定に保つためFPM40を使用したものであるが、燃料集合体を使用済燃料集合体の貯蔵ラックから燃料移送機で吊上げた後、FPM40上に慎重に載せ替える作業を要した。また、測定後はその逆の作業も必要となり、燃料集合体1体当たりのガンマスキャン作業に時間を要した。
そこで、図19に示すように観測対象物13である燃料集合体を燃料移送機48の掴み具装置48aで吊り下げた状態で、例えば、水中観測装置100(実施形態の第2の変形例)により燃料集合体とガンマスキャン装置44間のアライメント寸法を測定する。燃料移送機48を制御する燃料移送装置制御盤49からは、信号処理装置46に上下方向位置信号を送信する。
ちなみに、本適用例のガンマスキャン装置44におけるガンマ線検出器43と信号処理装置46は、特開2012−98046号公報に記載されている図1及び図4における「燃料集合体放射能測定装置1」における「放射線信号発生装置3」と「信号処理装置10」とに対応している。ガンマ線検出器43は、ガンマ線検出信号を短い時間パルス信号のガンマ線検出信号として出力し、信号処理装置46は、ガンマ線検出信号を波高分析して特定のエネルギのガンマ線を弁別して計数することにより、当該ノードに含まれる特定の核種(ターゲット核種)の濃度を高速に定量する。その特定の核種の濃度の定量結果をガンマ線測定値(実測値)とする。その結果、高速でのガンマ線検出とその信号処理が可能であり、燃料集合体が揺れていてもそのゆっくりした揺れの一瞬のほぼ停止状態に対応したターゲット核種の同定が可能である。そして、信号処理装置46は、アライメント寸法に応じて基準距離におけるガンマ線測定値(実測値)を補正してガンマ線補正結果を得る。
本適用例における作業フローは以下のようになる。
(1)燃料集合体移動(使用済燃料貯蔵ラックからガンマスキャンの計測位置への燃料移送機48(図19参照)による燃料集合体の移動)
(2)計測(燃料有効長の1ノードごとに所定時間停止後、掴み具装置48aを1ノード分昇降)
(3)燃料集合体移動(ガンマスキャンの計測位置から元の使用済燃料貯蔵ラック位置への燃料移送機48による燃料集合体の移動)
その結果、第1の適用例に効果に加え、燃料移送機48に燃料集合体を吊り下げた状態のままでのガンマスキャンが可能となるため、ガンマスキャン実施時に燃料集合体はFPM40への載せ替える必要がなく、ガンマスキャン作業の効率向上が図れる。
なお、前記した第1及び第2の適用例において、水中観測装置として実施形態の第2の変形例の水中観測装置100を例示して説明したがそれに限定されるものではなく、実施形態の水中観測装置100、実施形態の第1の変形例の水中観測装置100を用いても良い。
1A,1B 緑色レーザプロジェクタ(レーザプロジェクタ)
1C 赤色レーザプロジェクタ
2A,2B,2C カメラ
2a 光学フィルタ
3 光学ガラス(水封窓)
4A 水封ハウジング
5 透明水ハウジング(水中観測補助装置)
5a 開口部(開口窓)
6A,6B 緑色レーザ光
7A,7B カメラ視野範囲
9 透明水供給口(補助透明水供給手段、水中観測補助装置)
10A,10B 高圧水ノズル(水中観測補助装置)
11 透明水の噴流域
12 視野内水領域隔離体(水中観測補助装置)
12a 吊り孔
13 観測対象物(燃料集合体)
14 プール水(濁り水)
15 同期トリガユニット
16A 画像データ処理装置(画像データ処理手段)
17A 高圧ポンプ
17B ポンプ
18 透明水供給源
19 隔離体保持機構(水中観測補助装置)
20 赤色レーザ光
21 外乱光(赤色光成分)
22 外乱光(緑色光成分)
23 外乱光(青色光成分)
24 チェレンコフ光
25 赤色レーザ反射光
26 外乱反射光(赤色光成分)
27 外乱反射光(緑色光成分)
28 外乱反射光(青色光成分)
29 チェレンコフ光発生領域
30 水温分布変化領域
40 チャンネル着脱機(FPM)
41 燃料昇降機
41a 下部支持部
41b 上部支持部
42 昇降ガイド
43 ガンマ線検出器
44 ガンマスキャン装置
44a コリメータ
45 ガンマ線計測範囲
46 信号処理装置
47 燃料昇降機制御操作盤
48 燃料移送装置
48a 掴み具装置
49 燃料移送装置制御盤
60 監視カメラ
61 放射線検出器(信号生成装置)
63 支持装置(位置固定手段、水中観測補助装置)
64 支持装置
83 ワイヤ(隔離体保持機構、隔離体長制限機構、水中観測補助装置)
87 ワイヤ巻取り装置(隔離体保持機構、隔離体長制限機構、水中観測補助装置)
90 透明水供給制御装置
91A,91C メイン制御装置
91a 制御装置本体
91b 表示装置
91c 操作入力装置
100 水中観測装置

Claims (9)

  1. 少なくとも1面に透明な水封窓を設けた水封ハウジングと、
    該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外の映像を撮影するカメラと、
    該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外側にラインレーザ光を投射するレーザプロジェクタと、
    前記レーザプロジェクタから観測対象物に投射された前記ラインレーザ光の反射光を前記カメラの画像として取得し、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測する画像データ処理手段と、
    を備え、
    前記レーザプロジェクタは、緑色光のレーザ光源を有し、
    前記カメラは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを有し、
    前記水封ハウジングは、水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする水中観測装置。
  2. 前記特定水中環境とは、高放射線強度を有する観測対象物とする水中環境であり、
    前記水封窓から所定距離以上離れた位置とは、少なくとも前記観測対象物からの放射線の強度が前記カメラに達するまでに水により減衰され、所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離の位置であることを特徴とする請求項1に記載の水中観測装置。
  3. 前記画像データ処理手段は、前記取得されたカメラの画像の輝度に応じて前記カメラによる撮影の露出時間を決定し、前記カメラで連射した複数画像を重ね合わせて規格化して、その後に光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水中観測装置。
  4. 前記カメラの視野を妨げないように開口窓を有し、前記水封ハウジングの周り囲むように設けられた透明水ハウジングと、
    該透明水ハウジングの前記開口窓の先端に設けられ、前記透明水ハウジングの前記開口窓と前記観測対象物の近傍との間の水領域の水が、前記透明水ハウジングの外域の水と直接混合されない状態に隔離する伸縮可能な視野内水領域隔離体と、
    該視野内水領域隔離体を保持するとともに、その伸縮長を前記観測対象物との距離に応じて設定する隔離体保持機構と、
    前記透明水ハウジングの中に前記観測対象物側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズルと、
    該高圧水ノズルに高圧の透明水を供給する高圧ポンプと、
    前記透明水ハウジング内であって、前記観測対象物に向かって前記高圧水ノズルよりも後方の位置に設けられ、前記高圧水ノズルの背圧を確保するとともに送水効率を高め、前記視野内水領域隔離体内の断面方向の流速分布が逆流する部分が無い程度に透明水を噴出する補助透明水供給手段と、
    前記高圧ポンプと補助透明水供給手段に前記透明水を供給する透明水供給源と、
    少なくとも前記透明水ハウジングを位置固定する位置固定手段と、
    を更に備え、
    前記カメラから前記観測対象物の近傍までの間の水領域の濁りと、水の温度揺らぎを抑制することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水中観測装置。
  5. ラインレーザ光を水中の観測対象物に投射するステップと、該観測対象物のラインレーザ光の反射光をカメラにより前記カメラの画像として取得するステップと、画像データ処理手段が、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記ラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測するステップと、を備え、
    前記ラインレーザ光として緑色レーザプロジェクタからの緑色光が用いられ、
    前記カメラのレンズの先端には緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを取り付けられ、
    前記緑色レーザプロジェクタ及び前記カメラは、1面に光学ガラス製の水封窓を設けた水封ハウジング内に、設置されるとともに、前記緑色レーザプロジェクタが、前記水封ハウジングの内側から前記水封窓を通して外側に前記緑色のラインレーザ光を投射し、前記カメラが、前記水封ハウジングの内側から前記水封窓を通して前記観測対象物の前記緑色のラインレーザ光の反射光を前記カメラの画像として取得し、
    前記水封ハウジングは、水中に沈められ、特定水中環境水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする水中観測方法。
  6. 前記特定水中環境とは、チェレンコフ光が前記カメラに入射する水中環境であり、
    前記水封窓から所定距離以上離れた位置とは、少なくとも前記観測対象物からの放射線が前記カメラに達するまでに水により減衰され、所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離であることを特徴とする請求項5に記載の水中観測方法。
  7. 前記画像データ処理手段は、前記取得されたカメラの画像の輝度に応じて前記カメラによる撮影の露出時間を決定し、前記カメラで連射した複数画像を重ね合わせて規格化して、その後に光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の水中観測方法。
  8. 前記カメラの視野を妨げないように開口窓を設け、前記水封ハウジングの周り囲むように設けた透明水ハウジングと、
    該透明水ハウジングの前記開口窓の先端に設けられ、前記透明水ハウジングの前記開口窓と前記観測対象物の近傍との間の水領域の水が、前記透明水ハウジングの外域の水と直接混合されない状態に隔離する伸縮可能な視野内水領域隔離体と、
    該視野内水領域隔離体の伸縮長を前記観測対象物との距離に応じて設定する隔離体長制限機構と、
    透明水ハウジングの中に前記観測対象物側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズルと、
    該高圧水ノズルに高圧の透明水を供給する高圧ポンプと、
    前記透明水ハウジング内であって、前記観測対象物に向かって前記高圧水ノズルよりも後方の位置に設けられ、前記高圧水ノズルの背圧を確保するとともに送水効率を高め、前記視野内水領域隔離体内の断面方向の流速分布が逆流する部分が無い程度に透明水を噴出する補助透明水供給手段と、
    前記高圧ポンプと補助透明水供給手段に前記透明水を供給する透明水供給源と、
    少なくとも前記透明水ハウジングを位置固定する位置固定手段と、
    を備える水中観測補助装置を用いて、
    前記カメラから前記観測対象物の近傍までの間の水領域の濁りと、水の温度揺らぎを抑制することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の水中観測方法。
  9. 請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の水中観測方法を用いて、燃料集合体の変形量を計測し、
    前記燃料集合体から放出される放射線を制限するコリメータ、該コリメータを通過した前記放射線を検出する放射線検出器、及び、前記放射線の入射によって前記放射線検出器からの放射線検出信号を生成する信号生成装置をケーシング内に配置して構成される放射線測定装置からの前記放射線検出信号に基づいてターゲット核種を定量するデータ解析装置を備えた燃料集合体放射能測定装置において、
    前記計測された燃料集合体の変形量に基づいて、前記データ解析装置は、ターゲット核種の定量結果を補正することを特徴とする燃料集合体放射能測定方法。
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