JP2014098602A - 水中観測装置及び水中観測方法とそれを用いた燃料集合体の放射能測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水中観測装置100は、水封ハウジング4Aと、カメラ2A,2Bと、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bと、画像データ処理装置16Aを備え、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、緑色光のレーザ光源を有し、カメラ2A,2Bは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタ2aを有し、水封ハウジング4Aは、水中に沈められ、画像データ処理装置16Aが、光学ガラス3で構成された水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある観測対象物13の寸法、形状を計測する。
【選択図】図1
Description
レーザ変位計では、観測対象物の至近距離での寸法、形状の測定は精度良くできるが、高い放射能を有する観測対象物の至近位置は強度の高い放射線環境にあり、レーザ変位計が放射線に耐えられないという問題がある。放射線によるレーザ変位計の劣化を抑制するために離れた位置からレーザ変位計で測定することも考えられるが、離れた位置からでは気中にあっても計測精度が落ちてしまうという問題があり、水中では更に計測精度の低下に対する解決対策が難しくなる。
(1)CCDやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いたカメラや、半導体レーザ用いたプロジェクタやレーザ変位計を使用して、例えば、燃焼した燃料集合体等の強度の高い放射線を出す観測対象物の寸法、形状や外観を観測する場合、カメラ及びプロジェクタやレーザ変位計の耐放射線性を考慮して、放射線レベルが水の厚さで低下するようにカメラやプロジェクタや変位計の設置位置は観測対象物から所定の距離(以下、「放射線強度減衰距離」と称する)以上離す必要がある。
(2)レーザ変位計は、観測対象物から放射線強度減衰距離程度離すと、前記した観測精度の要求を満たさない。
(3)ゲージ法やレプリカ法では、燃料集合体に直接的に冶具等で作用することから、燃料集合体の健全性に影響をおよぼす可能性があることや作業効率が著しく悪いという問題がある。
(4)ステレオカメラ法では、まずカメラのタイプ選定が問題となる。CCDやCMOS等のイメージセンサを搭載したカメラでは、前記したように観測対象物から所定の距離離れた放射線が減衰し、イメージセンサの性能劣化が大きく進まない位置に設置する必要がある。単純にステレオカメラだけで精度を確保するためには、観測対象物の外観上の特徴を微妙な調光により際立たせる必要があることに加えて、水中でかつ離れた位置であることから、ステレオカメラ以外に照明光の設定及び照明の向きやその強度の調整をするとなると更に困難な問題である。
耐放射線性のカメラを使用すれば観測対象物の至近位置に配置することもできるが、耐放射線カメラは著しくコストが高く導入が難しい。
(5)光切断法では、カメラや光源としてのレーザプロジェクタを用いる。前記したように耐放射線カメラについては著しくコストが高く導入が難しいし、レーザプロジェクタの電子回路も耐放射線仕様とするとコストが高くなる。従って、カメラやレーザプロジェクタは観測対象物から所定の距離離れた放射線が減衰し、イメージセンサや半導体レーザやその周囲の電子回路の性能劣化が進まない位置に設置する必要がある。光切断法による水中の離れた位置での精度の良い観測を行う観測装置及び観測方法は確立していない。
(6)また、燃焼した燃料集合体の観測については、燃料集合体自身から放出される高エネルギの荷電粒子により水中ではチェレンコフ光を発することから、光学系を用いた観測においては、この影響について考慮する必要がある。
(7)水中で光学系を用いる場合の共通の問題として、水温分布の時間変化による光の屈折状態の変化(揺らぎ)が想定され、形状、寸法の計測の外観観測の精度に影響する。
(8)水中で光学系を用いる場合の共通の問題として、気中に比べて光の減衰が大きいこと、水の濁りにより光の散乱・吸収が大きくなることが問題として挙げられる。
(9)水中におけるレーザ光の減衰をカバーする方法としては、レーザプロジェクタの出力を増加させる方法が考えられるが、レーザの危険度も増し、安全対策及び使用上の規制対策が厳しくなる。
前記レーザプロジェクタは、緑色光のレーザ光源を有し、前記カメラは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを有し、前記水封ハウジングは、水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする。
以下に、本発明の実施形態に係る水中観測装置100について図を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態の水中観測装置の概略構成図である。ここでは、観測対象物13として、燃焼した燃料集合体を想定した場合を例に本実施形態における水中観測装置100について説明する。
そして、観測対象物13である燃料集合体は、使用済燃料貯蔵プールの側壁に設置されたチャンネル着脱機40(「FPM(Fuel Preparation Machine)40」とも称される)に載置されている。FPM40は、チャンネルボックスを被っていない状態の燃料加工工場から搬入された新燃料の燃料棒集合束に四角筒形状のチャンネルボックスを上から被せて、燃料集合体に組み立てる作業や、チャンネルボックスを被せて一旦燃料集合体として組み立てられたものを、何らかの事情により検査するためにチャンネルボックスを取り外して、燃料棒集合束の外観検査をするために用いられたりする。
また、燃焼した燃料集合体の軸方向の出力分布等を測定するためのガンマスキャンの際の燃料集合体の載置場所としても利用される。
FPM40の燃料昇降機制御操作盤47を作業員が操作することにより、燃料昇降機41に載置された燃料集合体を燃料昇降機41ごと上下動させたり、燃料昇降機41上で燃料集合体をその縦軸周りに任意の角度に旋回させたりすることができる。
燃料昇降機制御操作盤47からは後記する画像データ処理装置(画像データ処理手段)16Aへ昇降機位置信号として、上下位置信号と、回転角度位置信号が送信される。画像データ処理装置16Aは、昇降機位置信号を受信することによって、観測対象物13である燃料集合体の上下方向位置や、その周方向位置を認識することができる。
先ず、水中観測装置100の全体構成について説明する。
水中観測装置100は、支持装置(位置固定手段)63に取り付けられて、水中に沈めて使用される水封ハウジング4A、透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12、隔離体保持機構19と、支持装置63に取り付けられた水密筺体に格納された監視カメラ60、水密筺体に格納された放射線検出器61を備えている。また、支持装置63に必要に応じて水中照明器具を設けても良い。
また、水中観測装置100は、使用済燃料貯蔵プール際の作業床面に設置された後記するカメラ2A,2Bの露出時間や撮影タイミングを設定する同期トリガユニット15や、カメラ2A,2Bの撮影画像(カメラの画像)を取得して、そのデータを処理する画像データ処理装置(画像データ処理手段)16Aや、視野内水領域隔離体12内に透明水を供給するための透明水供給口9や、高圧水ノズル10A,10Bや、高圧ポンプ17Aや、ポンプ17Bや、透明水供給源18や、高圧ポンプ17A及びポンプ17Bを制御したり、その吐出側の流量調節弁V1,V2,V3の開度を制御したりする透明水供給制御装置90や、配管51,52、53や、配管51,52、53に設けられた圧力計S1,S3,S5や、流量計S2,S4,S6や、水中観測装置100全体を制御するメイン制御装置91A等を含んでいる。ここで、透明水供給口9、配管52、透明水供給制御装置90、流量調節弁V2、圧力計S3が特許請求の範囲に記載の「補助透明水供給手段」に対応する。
本実施形態における水中観測装置100は、観測対象物13から水中距離で1.8m程度離れた位置に配置されたカメラ2A,2Bからのカメラ画像(カメラの画像)を用いた光切断法による水中での寸法、形状計測精度が±1mm以内、±1°以内とすることを目標としている。
CCDやCMOS等のイメージセンサを用いたカメラ2A,2B、半導体レーザ用いた後記する緑色レーザプロジェクタ(レーザプロジェクタ)1A,1Bの耐放射線性が、これまでの実績値から集積線量で200Gyとし、これらの機器の最低寿命の要求を2000時間と設定すると、これらの機器の使用環境は0.1Gy/hとなる。この使用環境を満足するためには、放射線を放出する燃料を観測対象物13とする場合は、その放射線の強度から観測対象物13からの水中離隔距離は、燃料からの放射線を考慮すると1.8mの水中距離で0.1Gy/h以下に水により減衰させることができる。ここで、0.1Gy/hが特許請求の範囲に記載の「所定の制限値以下の吸収線量」に対応する。
水封ハウジング4Aは、例えば、ほぼ直方体の外形形状の水密筺体であり、その1面に透明な光学ガラス3で構成された水封窓が設けられている。水封ハウジング4A内には、例えば、上下に配置し、光学ガラス3を介して水封ハウジング4A外の映像を撮影可能なカメラ2A,2Bの2台が備えられている。
また、水封ハウジング4A内の、例えば、上下方向のほぼ中央には、光学ガラス3を介して光学ガラス3に対してほぼ垂直に水封ハウジング4A外に緑色のラインレーザ光を投射可能な緑色レーザプロジェクタ1A,1Bを、例えば、2台固定設置されている。
本実施形態では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bとカメラ2A,2Bの相対位置関係及び相対角度関係も予め決められて分かっており、そのデータが光切断法による寸法計測や形状計測におけるデータ処理に用いられる。これらのカメラ2A,2Bは、水封ハウジング4A内に固定設置されている。
光学フィルタ2aとしては、緑色光に対する透過性が高くて青色光より短波長側の可視光を減衰させるとともに、緑色光に対する透過性が高くて緑色光より長波長側の可視光や赤外線を減衰させるバンドパスフィルタとしても良いが、そうすると緑色光の透過性が低下するので青色光減衰光学フィルタ2aとすることが好ましい。
また、2台のカメラ2A,2B間で撮影タイミングの同期がとれており、同じ露出時間でないと、レーザキャリブレーション等で問題が発生する可能性があるため、同期トリガユニット15を設けている。
緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水封ハウジング4Aの外の、例えば、使用済燃料貯蔵プールの作業床面上に設置された図示しない所定の電源から電源供給を受け、メイン制御装置91Aからの制御により発光状態、発光停止の状態に制御される。本実施形態では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水平のラインレーザ光を投射するように構成されている。
また、光切断法に用いる緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、観測対象物13の寸法、形状、外観等の計測精度を確保するために、予め管理された高い平面度の緑色のラインレーザ光を投射できる機能(特許請求の範囲に記載の「ラインレーザ光を水中の観測対象物に投射するステップ」に対応する)を備えている。
次に、図1を参照しながら透明水ハウジング5と視野内水領域隔離体12の詳細な構造について説明する。
図1において、水封ハウジング4Aの背後(水封ハウジング4Aの光学ガラス3が設けられた側と反対側)及びその側面の四周を囲むように設けられ、水封ハウジング4Aの前方側(水封ハウジング4Aの光学ガラス3側)に延伸されるとともに、カメラ2A,2Bの視野を妨げないように開口部(開口窓)5aを有した有底のほぼ四角筒形状の透明水ハウジング5が、水封ハウジング4Aに取り付けられている。透明水ハウジング5は、例えば、透明なアクリル樹脂製で構成され、隔離体保持機構19(図2(a)参照)に示した隔離体保持機構19の左端部に固定され、隔離体保持機構19を介して支持装置63の取り付け部(図示省略)に固定されている。
視野内水領域隔離体12は、水封ハウジング4Aの前方側に徐々にその断面を拡径しながら延伸され、所定の長さ位置間隔でポリエチレン製の補強リング12b(図2(a)参照)が周方向に接着され、その補強リングは径方向外方側に延出された耳部を有している。耳部には、アルミニウム合金等の耐食性金属でその縁部が補強された吊り孔12aが設けられている。
次に、図1、図2を参照しながら隔離体保持機構19の詳細な構成の一例について説明する。図2は、実施形態における視野内水領域隔離体を保持するとともに、その伸縮長を設定する隔離体保持機構の一例の説明図であり、(a)は、全体概要説明図、(b)は、伸縮部の伸長状態の説明図、(c)は、伸縮部の縮小状態の説明図である。
隔離体保持機構19は、図1では、省略して透明水ハウジング5に固定されているように記載してあるが、実際は、図2(a)に示すように透明水ハウジング5を囲むように、例えば、アルミニウム合金等の耐食性があり、軽量な金属で、ほぼ四角筒を構成するように構成され、隔離体保持機構19の左端部が、図示省略するが支持装置63の前記した取り付け部に固定されている。
図2(a)では、伸縮接続部19dの前後のマスト部材19aが一軸のように簡略化して示されているが、後記するように、伸縮接続部19dの前方側(先端部12c側)のマスト部材19aは、伸縮接続部19dの後ろ側(透明水ハウジング5側)よりも径方向外側に位置するように構成されている。つまり、伸縮接続部19dの部分で隔離体保持機構19の長手方向に垂直な直方体断面は四方にやや面積の増大した直方体断面となっている。
ちなみに、図2(a)においては、図示を簡略化して先端の梁部材19bにその端が固定されたワイヤ83及びワイヤ83が挿通された吊り孔12aを隔離体保持機構19の上面だけに示しているが、実際には四周面それぞれに1組、計4組配してある。そして、ワイヤ83の他端をドラムに巻きつけ、ワイヤ83を伸縮させたり、所定の長さに保持したりするブレーキ付きワイヤ巻取り装置87(図1参照)も、伸縮接続部19dの根元部の四周面に各1個配置されている。
ワイヤ巻取り装置87(図1参照)は、メイン制御装置91A(図1参照)により、オペレータが操作入力装置91cを用いて操作することにより制御される。
次に、視野内水領域隔離体12の先端部12cの構成について図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態における視野内水領域隔離体の先端部の構造の一例の説明図であり、(a)は、水平断面図、(b)は、斜視図である。
視野内水領域隔離体12の先端部12cには、その外周をほぼ全体的に可撓性(柔軟性)があり、耐放射線性が高い樹脂製のチューブ環71が取り付けられ、それに可撓性のある樹脂製の配管53が接続している。チューブ環71は、柔軟性があり、観測対象物13の形状に沿ってほぼ変形することが可能である。ただし、図3(b)に示すようにチューブ環71の周方向一部分には、柔軟性が低い、つまり、硬い凹部71bが設けられており、この凹部71bは、例えば、平面に先端部12cが当接しても視野内水領域隔離体12の内部の水を積極的に外へ漏らすことが可能となっている。
そうすると、先端部12cは、観測対象物13から離れ、観測対象物13を移動させるか、又は隔離体保持機構19(図1参照)の支持装置63(図1参照)により隔離体保持機構19を動かすことにより観測対象物13の別の箇所に先端部12cの位置を相対的に移動させることができる。その後、再び透明水供給制御装置90が、メイン制御装置91Aから、観測対象物13に先端部12cを当接させる指示を受けたときは、流量調節弁V3を開いて、チューブ環71のノズル孔71aからの透明水を吐出させ、その反動で観測対象物13の新たな箇所に先端部12cが当接する。
次に、図1に戻って視野内水領域隔離体12へ透明水を供給する構成について説明する。透明水ハウジング5の中に観測対象物13側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズル10A,10Bを、例えば、上下又は左右に2台配置する。高圧水ノズル10A,10Bは、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの投射するラインレーザ光の邪魔にならず、且つ、カメラ2A,2Bの視野内に入らないように配置する。高圧水ノズル10A,10Bの噴射パターンは、既存のサイクロンノズル等のコーン状が適している。
ちなみに、サイクロンノズルとは、所定の角度の開きを持った扇状の範囲内に高圧水を噴射するときに、前記扇状の範囲がサイクロンノズルの軸方向周囲に旋回するように高圧水を噴射するものである。
なお、図1では透明水ハウジング5内の上下方向に高圧水ノズル10A,10Bを配した例で説明したが、それに限定されるものではなく、透明水ハウジング5内の上下及び左右方向に高圧水ノズル10A,10B,10C,10D(図1中には、符号10C,10D記載してない)を4個配置しても良い。
前記した目的の制御のため、透明水供給制御装置90は、圧力計S3、流量計S4からの圧力と流量の信号に基づき予め設定された圧力と流量となるようにポンプ17Bの回転速度と流量調節弁V2の開度を制御し、透明水供給口9から吐出する透明水の流量を制御する。
高圧水ノズル10A,10B及び透明水供給口9は、透明水ハウジング5と観測対象物13間の水領域に透明水を供給し、観測対象物13の周辺に濁り水が存在する場合には、視野内水領域隔離体12の内側の水を透明水に置換し、その後は、濁り水が透明水ハウジング5と観測対象物13との間の水領域に入り込むことを阻止する。
よって、観測対象物13の周辺に濁り水がある場合にも、濁り水が水封ハウジング4Aと観測対象物13との間の水領域に入り込むことを効果的に阻止することができる。
次に、図4から図7を参照しながら、赤色のラインレーザ光を用いた比較例の水中観測装置101との作用効果の比較について説明する。図4は、比較例の赤色のラインレーザ光を用いた水中観測装置の概略構成図である。
図4に示す水中観測装置101では、図1に示した支持装置63や、画像データ処理装置16Aに対応する画像データ処理装置16B、メイン制御装置91A対応するメイン制御装置91Bを示すが、詳細な説明は本質的に本実施形態との比較に関係しないので省略する。
ちなみに、水封ハウジング4Bは、支持装置63の取り付け部に固定されている。記取り付け部は、メイン制御装置91Bにより駆動される、上下方向スライド移動機能、左右方向首振り機能、上下方向首振り機能を有する。
図4では、通常の光切断法で透明な水封ハウジング4B内に格納された、水中でカメラ2Cや赤色レーザプロジェクタ1Cから1.8m程度離れた位置にある観測対象物13である、例えば、燃料集合体を観測する場合における外光や赤色レーザプロジェクタ1Cから観測対象物13に当たる光の反射光をカメラ2Cで撮影するときの光成分の概念を示している。光切断法に用いる投射光(ライン光)源としては、レーザ光では最も普及している赤色レーザプロジェクタ1Cとした。
図4において、カメラ2Cにて感受される光成分は、赤色レーザプロジェクタ1Cから投射された赤色のラインレーザ光20の観測対象物13の表面での反射による赤色レーザ反射光25と、外乱光(赤色成分)21が入水し、減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(赤色成分)26と、外乱光(緑色成分)22が入水し減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(緑色成分)27と、外乱光(青色成分)23が入水し減衰した後観測対象物13表面で反射した外乱反射光(赤色成分)28と、観測対象物13が燃料集合体の場合ではチェレンコフ光24と、が挙げられる。破線で囲い、符号29を付して示した領域は、チェレンコフ光発生領域29を示す。
図6において、実線は、あるタイミングにおけるカメラ画像において、温度の揺らぎが無い場合に、本来赤色のラインレーザ光のライン幅の中心が位置すべき位置(図6において、「ライン中心位置」と表示)に対して、屈折のためカメラ画像で得られる線幅方向の輝度分布を示し、想像線(二点鎖線)は、別のタイミングにおけるカメラ画像において、ライン中心位置に対して、屈折のためカメラ画像で得られる線幅方向の輝度分布を示し手いる。
このため、本実施形態ではシグナル成分を増やすことが重要と考え、発明者等はレーザ光源の見直しを行った。この結果、緑色レーザで線幅と平面度を管理したものであれば出力クラス3Rでもシグナル成分は大幅に増加し適用可能であることを確認し、緑色レーザをレーザ光源として採用した。
蒸留水中にて撮影したと仮定した場合の、緑色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線の計算結果を細い二点鎖線で示し、赤色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線の計算結果を点線で示してある。
また、通常水の中にて撮影した、緑色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線を実験で求めたものを破線で示し、赤色光のレーザ照射ラインの輝度の減衰曲線を実験で求めたものを太実線で示してある。
I(L)=I0e−cL ・・・・・・・(1)
ここで、I0は、L=0mの場合の光の強度である。
なお、この赤色レーザの消散係数は、蒸留水中における緑色レーザの消散係数の値の16倍の値であった。
図7に示すようにカメラ2A,2Bと観測対象物13との水中距離が2m位置におけるカメラ2A,2Bの受光強度は、赤色レーザ対緑色レーザの比が蒸留水の場合で、1:2であるのが、濁度が上昇して1度の通常水の場合なると1:10程度に大幅に変化することが分かった。すなわち、蒸留水と通常水での輝度の減衰曲線の差異は、濁度の影響が大きいと思われる。
図7に示すように、通常水中で緑色レーザは赤色レーザに比べて大幅に減衰し難いことが確認された。つまり、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bにより投射される緑色のラインレーザ光は、赤色のラインレーザ光よりもより水中で長い距離にわたって吸収や散乱を受けずに観測対象物に到達し、その反射光が計測に利用するに十分な輝度でカメラ2A,2Bに捉えることができる。
図11の点線の輝度分布から実線の輝度分布へ変化で示すようにノイズ成分は大幅に低減し、青色光減衰光学フィルタ2aが有効であることを確認できる。この結果、ダイナミックレンジはほぼ最大限に確保できる。
つまり、緑色のラインレーザ光を用い、カメラ2A,2Bは、緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタ2aを有するので、水中で観測対象物13等が高エネルギのガンマ線を放出して、水中でチェレンコフ光を生じさせる場合でも、光学フィルタ2aによりチェレンコフ光がカメラ画像のノイズとして入ることを減衰させる。その結果、観測対象物13に到達した緑色のラインレーザ光の反射光が計測に利用するに十分な輝度でカメラ2A,2Bに捉えることができる。
ちなみに、このとき燃料昇降機制御操作盤47から画像データ処理装置16Aへ送信された昇降機位置信号による観測対象物13である燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して、規格化画像を画像データ処理装置16Aのメモリに格納する。
その後、画像データ処理装置16Aのメモリに格納した規格化画像を用い、光切断法によりラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、観測対象物13の寸法、形状を解析し(特許請求の範囲に記載の「画像データ処理手段が、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記ラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測するステップ」に対応する)、その結果を燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して、制御装置本体91aに送信する。制御装置本体91aは、表示装置91bに観測対象物13の寸法、形状を表示するとともに、制御装置本体91a内の記憶装置に燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータを付して寸法、形状のデータを格納し、必要に応じ外部の装置にデータ出力する。
なお、燃料集合体の上下方向位置と周方向位置のデータは、観測対象物13の位置や観測方位のデータに対応する。
また、この場合、前記した水温分布の時間変化によるカメラ画像の揺らぎを低減する効果もあり、より鮮明なカメラ画像が得られ、複数毎のカメラ画像から規格化画像を得る必要が無くなる場合も生じる。
また、監視カメラ60により視野内水領域隔離体12、隔離体保持機構19を適切に観測対象物13に向けることができる。
その結果、観測対象物13が放射能を有するものであっても、又カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの使用環境が放射線場であっても、その観測対象物13等から放出される放射線が水によって減衰され所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離、つまり、カメラ2A,2Bや緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの半導体や電子回路が放射線によって性能劣化が進まない所定の水中距離を観測対象物13との間に確保でき、且つ、観測対象物13に向けて投射された緑色のラインレーザ光を撮影可能となる。
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。前記した実施形態では、図1に示すように透明水ハウジング5、透明水供給口9、高圧水ノズル10A,10B、視野内水領域隔離体12、高圧ポンプ17A、ポンプ17B、配管51,52,53、透明水供給制御装置90、流量調節弁V1,V2,V3、圧力計S1,S3,S5、流量計S2,S4,S6等を用いることにより、カメラ2A,2Bから観測対象物13までの水領域が透明水で満たされ構成としたが、それに限定されるものではない。
水が濁っていない場合は、カメラ2A,2Bを格納した水封ハウジング4Aの光学ガラス3から観測対象物13までの水領域が透明水で満たす構成をなくし、支持装置63の前記した取り付け部に水封ハウジング4Aを直接取り付けても良い。
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。前記した実施形態では視野内水領域隔離体12を隔離体保持機構19で伸縮可能に保持し、視野内水領域隔離体12を任意の方向に向ける構成としたが、それに限定されるものではない。
視野内水領域隔離体12の内周面に透明水の高圧水ノズル10A,10Bから噴流の一部当てることにより、視野内水領域隔離体12を直線に近い姿勢に自己保持させる構成としても良い。この場合、ワイヤ巻取り装置87は、透明水ハウジング5の外周面に固定され、ワイヤ83の先端は先端部12c近傍の吊り孔12aと固定される。ワイヤ巻取り装置87で視野内水領域隔離体12を最短長さに縮めることにより、水中観測装置100の支持装置63、透明水ハウジング5、視野内水領域隔離体12を、観測対象物13にたどり着けるまでの狭い開口部を通して設定する場合に支障とならないように小さくすることができる。ここで、吊り孔12a、ワイヤ83、ワイヤ巻取り装置87が特許請求の範囲に記載の「隔離体長制限機構」に対応する。
実施形態及び第1、第2の変形例では、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bは、水平方向に伸びるラインレーザ光を投射する構成としたが、それに限定されるものではない。緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの2台に限定されず、3台、4台とより多く設けて、一回の撮影画像でより多くの形状や寸法を計測するようにしても良い。
また、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの一方が、水平方向に伸びるラインレーザ光を投射し、他方が、垂直方向に伸びるラインレーザ光を投射するようにしても良い。
更に、これまでは、複数の緑色レーザプロジェクタ1A,1B,・・・は、カメラ2A,2Bに対して相対的に角度位置が固定としたがそれに限定されるものではない。
例えば、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの一方は水封ハウジング4Aに上下方向にカメラ2A,2Bの視野内で所定の限定された範囲で首振り可能に設置され、上下方向に回動させる上下方向回動駆動機構とその角度を検出する上下方向角度位置センサが設けられ、緑色レーザプロジェクタ1A,1Bの他方は水封ハウジング4Aに水平方向にカメラ2A,2Bの視野内で所定の限定された範囲で首振り可能に設置され、水平方向に回動させる水平方向回動駆動機構とその角度を検出する水平方向角度位置センサが設けられている。
次に、図17、図18を参照しながら実施形態又はその変形例を燃料集合体のガンマスキャンに適用した場合の第1の適用例について説明する。図17は、実施形態の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第1の適用例の構成図である。図18は、実施形態の第2の変形例の水中観測装置により燃料集合体とガンマスキャン装置とのアライメント寸法を検出し、ガンマスキャン装置で得られた測定ガンマ線の軸方向分布の補正を行った場合の説明図である。
図17には、前記した実施形態の水中観測装置100の第2の変形例(図17中、「水中観測装置100」と表示)をガンマスキャン装置44に組み合わせた適用例である。
信号処理装置46には、燃料昇降機制御操作盤47からの昇降機位置信号として、上下位置信号が入力される。信号処理装置46は、上下位置信号に対応付けして、ガンマ線測定値(実測値)とする。
図17に示す第1の適用例において、水中観測装置100では、図1におけるメイン制御装置91Aの代わりにメイン制御装置91Cとしているが、本質的にその構成は、メイン制御装置91Aと同じである。異なる点は、次の点である。
アライメント寸法としては捩じれ、曲がり、傾きが含まれるとしたが、捩じれのガンマ線測定値への影響については、予め実験的に、又は解析的にその影響度合いをデータとして信号処理装置46のデータベースに格納しており、所定の閾値内の捩じれまでは実測されたガンマ線測定値を補正せず、所定の閾値を超えたとき、その超えた量に応じて実測されたガンマ線測定値を補正する。ここで、「捩じれ、曲がり、傾き」が、特許請求の範囲に記載の「燃料集合体の変形量」に対応する。
このため、点線で示した実測のガンマ線測定値をアライメント寸法に応じて実線で示すように定量的に補正することでガンマ線測定値の誤差が低減できる。
(1)燃料集合体移動(使用済燃料貯蔵ラックからFPM40位置への燃料移送機48(図19参照)による燃料集合体の移動)
(2)燃料集合体載せ替え(燃料移送機48によるFPM40の燃料昇降機41上への燃料集合体を搭載)
(3)計測(燃料有効長の1ノードごとに所定時間停止後、燃料昇降機41を1ノード分昇降)
(4)燃料集合体載せ替え(FPM40から燃料移送機48へ燃料集合体を移動)
(5)燃料集合体移動(FPM40位置から元の使用済燃料貯蔵ラック位置への燃料移送機48による燃料集合体の移動)
また、ガンマスキャンの対象の燃料集合体からの熱により燃料集合体の近傍の水が温度揺らぎを生じる可能性があっても、複数毎のカメラ画像から規格化画像得たり、視野内水領域隔離体12により透明水を供給して燃料集合体の近傍の水が温度揺らぎをするのを抑制したりするので、水の屈折が抑制され、光切断法によるアライメント寸法がより正確に得られ、実測のガンマ線測定値を定量的に補正可能となる。
次に、図19を参照しながら実施形態又はその変形例を燃料集合体のガンマスキャンに適用した場合の第2の適用例について説明する。図19は、実施形態の第2の変形例の水中観測装置をガンマスキャン装置に組み合わせて用いた場合の第2の適用例の構成図である。
燃料集合体のガンマスキャンを実施する際、従来及び第1の適用例ともに燃料集合体はFPM40に載せた状態で燃料集合体を上下させながら計測を行う。
従来は、燃料集合体とガンマスキャン装置44間のアライメント寸法はできる限り一定に保つためFPM40を使用したものであるが、燃料集合体を使用済燃料集合体の貯蔵ラックから燃料移送機で吊上げた後、FPM40上に慎重に載せ替える作業を要した。また、測定後はその逆の作業も必要となり、燃料集合体1体当たりのガンマスキャン作業に時間を要した。
(1)燃料集合体移動(使用済燃料貯蔵ラックからガンマスキャンの計測位置への燃料移送機48(図19参照)による燃料集合体の移動)
(2)計測(燃料有効長の1ノードごとに所定時間停止後、掴み具装置48aを1ノード分昇降)
(3)燃料集合体移動(ガンマスキャンの計測位置から元の使用済燃料貯蔵ラック位置への燃料移送機48による燃料集合体の移動)
1C 赤色レーザプロジェクタ
2A,2B,2C カメラ
2a 光学フィルタ
3 光学ガラス(水封窓)
4A 水封ハウジング
5 透明水ハウジング(水中観測補助装置)
5a 開口部(開口窓)
6A,6B 緑色レーザ光
7A,7B カメラ視野範囲
9 透明水供給口(補助透明水供給手段、水中観測補助装置)
10A,10B 高圧水ノズル(水中観測補助装置)
11 透明水の噴流域
12 視野内水領域隔離体(水中観測補助装置)
12a 吊り孔
13 観測対象物(燃料集合体)
14 プール水(濁り水)
15 同期トリガユニット
16A 画像データ処理装置(画像データ処理手段)
17A 高圧ポンプ
17B ポンプ
18 透明水供給源
19 隔離体保持機構(水中観測補助装置)
20 赤色レーザ光
21 外乱光(赤色光成分)
22 外乱光(緑色光成分)
23 外乱光(青色光成分)
24 チェレンコフ光
25 赤色レーザ反射光
26 外乱反射光(赤色光成分)
27 外乱反射光(緑色光成分)
28 外乱反射光(青色光成分)
29 チェレンコフ光発生領域
30 水温分布変化領域
40 チャンネル着脱機(FPM)
41 燃料昇降機
41a 下部支持部
41b 上部支持部
42 昇降ガイド
43 ガンマ線検出器
44 ガンマスキャン装置
44a コリメータ
45 ガンマ線計測範囲
46 信号処理装置
47 燃料昇降機制御操作盤
48 燃料移送装置
48a 掴み具装置
49 燃料移送装置制御盤
60 監視カメラ
61 放射線検出器(信号生成装置)
63 支持装置(位置固定手段、水中観測補助装置)
64 支持装置
83 ワイヤ(隔離体保持機構、隔離体長制限機構、水中観測補助装置)
87 ワイヤ巻取り装置(隔離体保持機構、隔離体長制限機構、水中観測補助装置)
90 透明水供給制御装置
91A,91C メイン制御装置
91a 制御装置本体
91b 表示装置
91c 操作入力装置
100 水中観測装置
Claims (9)
- 少なくとも1面に透明な水封窓を設けた水封ハウジングと、
該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外の映像を撮影するカメラと、
該水封ハウジング内に配置され、内側から前記水封窓を通して外側にラインレーザ光を投射するレーザプロジェクタと、
前記レーザプロジェクタから観測対象物に投射された前記ラインレーザ光の反射光を前記カメラの画像として取得し、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測する画像データ処理手段と、
を備え、
前記レーザプロジェクタは、緑色光のレーザ光源を有し、
前記カメラは、そのレンズの先端に取り付けられた緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを有し、
前記水封ハウジングは、水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする水中観測装置。 - 前記特定水中環境とは、高放射線強度を有する観測対象物とする水中環境であり、
前記水封窓から所定距離以上離れた位置とは、少なくとも前記観測対象物からの放射線の強度が前記カメラに達するまでに水により減衰され、所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離の位置であることを特徴とする請求項1に記載の水中観測装置。 - 前記画像データ処理手段は、前記取得されたカメラの画像の輝度に応じて前記カメラによる撮影の露出時間を決定し、前記カメラで連射した複数画像を重ね合わせて規格化して、その後に光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水中観測装置。
- 前記カメラの視野を妨げないように開口窓を有し、前記水封ハウジングの周り囲むように設けられた透明水ハウジングと、
該透明水ハウジングの前記開口窓の先端に設けられ、前記透明水ハウジングの前記開口窓と前記観測対象物の近傍との間の水領域の水が、前記透明水ハウジングの外域の水と直接混合されない状態に隔離する伸縮可能な視野内水領域隔離体と、
該視野内水領域隔離体を保持するとともに、その伸縮長を前記観測対象物との距離に応じて設定する隔離体保持機構と、
前記透明水ハウジングの中に前記観測対象物側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズルと、
該高圧水ノズルに高圧の透明水を供給する高圧ポンプと、
前記透明水ハウジング内であって、前記観測対象物に向かって前記高圧水ノズルよりも後方の位置に設けられ、前記高圧水ノズルの背圧を確保するとともに送水効率を高め、前記視野内水領域隔離体内の断面方向の流速分布が逆流する部分が無い程度に透明水を噴出する補助透明水供給手段と、
前記高圧ポンプと補助透明水供給手段に前記透明水を供給する透明水供給源と、
少なくとも前記透明水ハウジングを位置固定する位置固定手段と、
を更に備え、
前記カメラから前記観測対象物の近傍までの間の水領域の濁りと、水の温度揺らぎを抑制することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水中観測装置。 - ラインレーザ光を水中の観測対象物に投射するステップと、該観測対象物のラインレーザ光の反射光をカメラにより前記カメラの画像として取得するステップと、画像データ処理手段が、前記取得されたカメラの画像を用い、光切断法により前記ラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測するステップと、を備え、
前記ラインレーザ光として緑色レーザプロジェクタからの緑色光が用いられ、
前記カメラのレンズの先端には緑色光に対する透過性が高く青色光より短波長側の可視光を減衰させる光学フィルタを取り付けられ、
前記緑色レーザプロジェクタ及び前記カメラは、1面に光学ガラス製の水封窓を設けた水封ハウジング内に、設置されるとともに、前記緑色レーザプロジェクタが、前記水封ハウジングの内側から前記水封窓を通して外側に前記緑色のラインレーザ光を投射し、前記カメラが、前記水封ハウジングの内側から前記水封窓を通して前記観測対象物の前記緑色のラインレーザ光の反射光を前記カメラの画像として取得し、
前記水封ハウジングは、水中に沈められ、特定水中環境水中に沈められ、前記画像データ処理手段が、前記水封窓から所定距離以上離れた位置にある特定水中環境にある前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする水中観測方法。 - 前記特定水中環境とは、チェレンコフ光が前記カメラに入射する水中環境であり、
前記水封窓から所定距離以上離れた位置とは、少なくとも前記観測対象物からの放射線が前記カメラに達するまでに水により減衰され、所定の制限値以下の吸収線量となる水中距離であることを特徴とする請求項5に記載の水中観測方法。 - 前記画像データ処理手段は、前記取得されたカメラの画像の輝度に応じて前記カメラによる撮影の露出時間を決定し、前記カメラで連射した複数画像を重ね合わせて規格化して、その後に光切断法により前記緑色のラインレーザ光の投射面を三次元化処理し、前記観測対象物の寸法、形状を計測することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の水中観測方法。
- 前記カメラの視野を妨げないように開口窓を設け、前記水封ハウジングの周り囲むように設けた透明水ハウジングと、
該透明水ハウジングの前記開口窓の先端に設けられ、前記透明水ハウジングの前記開口窓と前記観測対象物の近傍との間の水領域の水が、前記透明水ハウジングの外域の水と直接混合されない状態に隔離する伸縮可能な視野内水領域隔離体と、
該視野内水領域隔離体の伸縮長を前記観測対象物との距離に応じて設定する隔離体長制限機構と、
透明水ハウジングの中に前記観測対象物側に向かって透明水をコーン状に高圧噴射させる高圧水ノズルと、
該高圧水ノズルに高圧の透明水を供給する高圧ポンプと、
前記透明水ハウジング内であって、前記観測対象物に向かって前記高圧水ノズルよりも後方の位置に設けられ、前記高圧水ノズルの背圧を確保するとともに送水効率を高め、前記視野内水領域隔離体内の断面方向の流速分布が逆流する部分が無い程度に透明水を噴出する補助透明水供給手段と、
前記高圧ポンプと補助透明水供給手段に前記透明水を供給する透明水供給源と、
少なくとも前記透明水ハウジングを位置固定する位置固定手段と、
を備える水中観測補助装置を用いて、
前記カメラから前記観測対象物の近傍までの間の水領域の濁りと、水の温度揺らぎを抑制することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の水中観測方法。 - 請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の水中観測方法を用いて、燃料集合体の変形量を計測し、
前記燃料集合体から放出される放射線を制限するコリメータ、該コリメータを通過した前記放射線を検出する放射線検出器、及び、前記放射線の入射によって前記放射線検出器からの放射線検出信号を生成する信号生成装置をケーシング内に配置して構成される放射線測定装置からの前記放射線検出信号に基づいてターゲット核種を定量するデータ解析装置を備えた燃料集合体放射能測定装置において、
前記計測された燃料集合体の変形量に基づいて、前記データ解析装置は、ターゲット核種の定量結果を補正することを特徴とする燃料集合体放射能測定方法。
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