JP2014098565A - 電子デバイス、電子デバイスの製造方法、電子機器及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物理量センサー1は、機能部11、機能部11が固定されている支持部12、を有するセンサー基板10と、センサー基板10よりも熱膨張係数が小さくセンサー基板10を収容する凹状のパッケージベース21、を有するパッケージ20と、を備え、センサー基板10の支持部12は、両端に梁状の可撓部としての支持腕12a,12b,12c,12dを有し、支持腕12a,12b,12c,12dの先端は、パッケージ20のパッケージベース21の凹部の、互いに対向する内壁21a,21bのそれぞれに接触している状態で、パッケージベース21に固定されている。
【選択図】図1
Description
上記、圧電振動子は、振動片の一対の固定部に設けられている各電極リード部が、セラミックス基板に設けられている各導電性パターン上に、それぞれ半田付けなどにより固定されている。
このことから、上記圧電振動子は、振動片の電極リード部とセラミックス基板の導電性パターンとを、例えば、熱硬化性の接着剤を用いて固定する場合、振動片の電極リード部間が加熱により伸張し広がっている状態で、セラミックス基板の導電性パターン上に固定されることとなる。
この結果、上記圧電振動子は、常温に戻る際に、振動片の収縮作用により固定部同士を引き離す方向に引っ張られている状態となり、振動片の電極リード部間には、常に引張応力が生じていることとなる。
これにより、上記圧電振動子は、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の低下や、上記引張応力の経時的変化(応力緩和)に伴う周波数変動(周波数ドリフト)の発生など、性能が劣化する虞がある。
これにより、電子デバイスは、各可撓部の先端が容器の収容部に、例えば、熱硬化性の接着剤により固定されている場合、加熱による機能素子の伸びが、収容部の内壁によって拘束(抑制、制限)される。
この結果、電子デバイスは、常温に戻った際に、機能素子が支持部の両端同士を引き離す方向に引っ張られることが殆どなく、機能素子には、固定に伴う引張応力などの応力が殆ど生じないこととなる(残留応力が殆どない)。
また、電子デバイスは、梁状の可撓部の撓みにより、加熱による機能素子の伸びが吸収されることから、加熱時に生じる機能素子の熱応力を緩和できる。
これらにより、電子デバイスは、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の向上や、上記引張応力の経時的変化に伴う周波数変動の大幅低減など、性能を向上させることが可能となる。
これにより、電子デバイスは、収容部の内壁間の寸法ばらつきを吸収し、各支持腕の先端を常に収容部の内壁に接触させることができる。
これにより、電子デバイスは、容器の収容部の開口部側の内壁間を底部側よりも広くすることができることから、開口部と干渉させることなく、機能素子を収容部に容易に収容することができる。
これにより、電子デバイスは、可動部の変位を検出する物理量検出素子によって物理量の検出が可能となり、上記適用例のいずれかに記載の効果が反映された優れた性能の物理量センサーを提供することができる。
これにより、電子デバイスは、振動梁の特性によって物理量の変化を直線的に振動周波数(共振周波数)の変化に変換することができる。
この結果、電子デバイスは、他の物理量検出素子を用いる場合と比較して、物理量の検出精度が高い特性を有し、物理量センサーとしての検出精度を向上させることができる。
これにより、電子デバイスの製造方法は、加熱による支持腕の両先端間の伸びが、容器の内壁によって拘束(抑制)される。
この結果、電子デバイスの製造方法は、常温に戻った際に、機能素子の各支持腕が両先端同士を引き離す方向に引っ張られることが殆どなく、各支持腕の両先端間には、固定に伴う引張応力などの応力が殆ど生じないこととなる(残留応力が殆どない)。
また、電子デバイスの製造方法は、各支持腕の撓みにより、加熱による支持部の伸びが吸収されることから、加熱時に生じる支持部の熱応力を緩和できる。
加えて、電子デバイスの製造方法は、支持部の支持腕を撓ませることにより機能素子を収容部に収容することから、収容部の内壁間の寸法ばらつきを吸収し、各支持腕の先端を確実に収容部の内壁に接触させることができる。
これらにより、電子デバイスの製造方法は、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の向上や、上記引張応力の経時的変化に伴う周波数変動の大幅低減など、電子デバイスの性能を向上させることが可能となる。
これにより、電子デバイスの製造方法は、容器の収容部の開口部側の内壁間を底部側よりも広くできることから、支持腕の先端を収容部の開口部と干渉させることなく、機能素子を収容部に容易に収容することができる。
最初に、電子デバイスの一例としての物理量センサーについて説明する。
図1は、第1実施形態の物理量センサーの概略構成を示す模式平断面図である。図1(a)は、リッド(蓋部)側から俯瞰した模式平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線での模式断面図である。図2は、図1(a)のB−B線での模式断面図である。
なお、図1(a)及び以下の各模式平面図では、説明の便宜上、リッドを省略してある。また、以下の各模式図において、分かり易くするために、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。また、図中のX軸、Y軸、Z軸は、互いに直交する座標軸である。
センサー基板10には、例えば、水晶の原石(ランバード)などから所定の角度で切り出された水晶基板が用いられ、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術により、外形形状が精度よく形成されている。
センサー基板10は、機能部11と、機能部11に固定されている支持部12と、を備えている。
支持部12の両端には梁状の可撓部を備え、パッケージ20の凹状の収容部としてのパッケージベース21の凹部の、互いに対向する内壁21a,21bのそれぞれに接触している状態で、パッケージベース21に固定されている。
支持腕12a,12b,12c,12dは、平面視で支持部12の両端を互いに結んだ第1方向としてのX軸方向と交差する方向(ここではY軸方向)に屈曲して延びている。
詳述すると、−Y側の支持部12の支持腕12a,12bは、+Y方向に屈曲して延び、+Y側の支持部12の支持腕12c,12dは、−Y方向に屈曲して延びている。つまり、支持腕12a,12bと支持腕12c,12dとは、先端が互いに向き合い近づく方向に延びている。
これにより、支持腕12a,12b,12c,12dは、X軸方向に撓んだ状態で先端がパッケージベース21の内壁21a,21bに接触していることとなる。
この状態で、支持腕12a,12b,12c,12dの先端は、例えば、熱硬化性の接合部材30でパッケージベース21に固定されている。
継ぎ手部14は、ベース部13(可動部15)の+Z側の主面13a及び−Z側の主面13bからのハーフエッチングによって、ベース部13と可動部15とを区切るように、ベース部13と可動部15とを結ぶ方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に沿って有底の溝部14aが形成されている。
溝部14aにより、継ぎ手部14のY軸方向に沿った断面形状(図2の形状)は、略H字状に形成されている。
センサー基板10は、可動部15が、主面13a(主面13b)と交差する方向としてのZ軸方向に加わる力(物理量)に応じて、継ぎ手部14を支点(回転軸)にして主面13aと交差するZ軸方向に変位(回動)可能となっている。
また、可動部15には、平面視で物理量検出素子40をX軸方向の両側から挟むようにして、質量部50が主面13a及び主面13bに2個ずつ搭載されている。
物理量検出素子40は、一対の振動梁41と一対の基部43,44とで二組の音叉を構成することから、双音叉素子とも呼ばれている。
物理量検出素子40は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、物理量検出部42と基部43,44とが一体で略平板状に形成されている。また、物理量検出素子40の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
なお、物理量検出素子40と、ベース部13及び可動部15の主面13aとの間には、可動部15の変位時に物理量検出素子40とベース部13及び可動部15とが互いに接触しないように、所定の隙間が設けられている。この隙間は、本実施形態では、接合部材45の厚さで管理されている。
具体的には、例えば、ベース部13及び可動部15と物理量検出素子40との間に、所定の隙間に相当する厚さに形成されたスペーサーを挟んだ状態で、ベース部13及び可動部15と物理量検出素子40とを接合部材45によって固定し、接合後スペーサーを除去することで、隙間を所定の範囲内に管理することができる。
詳述すると、引き出し電極46は、金属ワイヤー48を介して接続端子16と接続され、引き出し電極47は、金属ワイヤー48を介して接続端子17と接続されている。
なお、金属ワイヤー48には、金、アルミニウムなどの線材が用いられている。
なお、一対の振動梁41の励振電極、引き出し電極46,47、接続端子16,17、電極18a,18b,18c,18d、配線は、例えば、クロムを下地層とし、その上に金が積層された構成となっている。
質量部50は、可動部15の主面13a側と主面13b側とに2個ずつ取り付けられている。可動部15の主面13a側の2個の質量部50は、互いの間に物理量検出素子40を挟むようにして取り付けられている。また、可動部15の主面13b側の2個の質量部50は、主面13a側の2個の質量部50と、平面視で重なるように(互いの輪郭が一致するように)取り付けられている。
質量部50は、凸部51によりベース部13との間に隙間が設けられていることによって、ベース部13との間で、可動部15のストッパーとして機能する(詳細後述)。
パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体などのセラミックス系の絶縁性材料が用いられている。
リッド22には、パッケージベース21と同材料、または、コバール、42アロイなどの金属が用いられている。
具体的には、外部端子26は、内部端子24aと接続され、外部端子27は、内部端子24bと接続されている。この場合、内部端子24c,24dは、例えば、ダミー端子または予備端子となる。
内部端子24a,24b,24c,24d及び外部端子26,27は、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
封止部28は、パッケージベース21に形成されている外底面25側の孔径が内底面23側の孔径よりも大きい、例えば、段付きの貫通孔28aに、金/ゲルマニウム合金、ハンダなどからなる封止材28bを投入し、加熱溶融後、固化することでパッケージ20の内部を気密に封止する構成となっている。
この状態で、支持腕12a,12b,12c,12dの先端は、熱硬化性の接合部材30(例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された、エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系、ポリイミド樹脂系などの熱硬化性の導電性接着剤)を介して、パッケージベース21の段差部23a,23bに固定されている(取り付けられている)。
これにより、センサー基板10の電極18a,18b,18c,18dと、パッケージベース21の内部端子24a,24b,24c,24dとは、電気的に接続されていることとなる。
物理量センサー1は、リッド22の接合後、パッケージ20の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、封止部28の貫通孔28aに封止材28bが投入され、加熱溶融後、固化されることにより、パッケージ20の内部が気密に封止される。
なお、パッケージ20の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。また、パッケージ20は、パッケージベース21及びリッド22の両方に凹部を有していてもよい。
図3は、物理量センサーの動作について説明する模式断面図である。図3(a)は、可動部が紙面下方(−Z方向)に変位した状態を示す模式断面図であり、図3(b)は、可動部が紙面上方(+Z方向)に変位した状態を示す模式断面図である。
これにより、物理量センサー1は、例えば、巻き上げられた弦楽器の弦のように、物理量検出部42の一対の振動梁41の振動周波数(以下、共振周波数ともいう)が高くなる方に変化する。
これにより、物理量センサー1は、例えば、巻き戻された弦楽器の弦のように、物理量検出部42の一対の振動梁41の共振周波数が低くなる方に変化する。
これにより、物理量センサー1は、加速度+αに応じて−Z方向に変位する可動部15の変位を、所定の範囲内に規制することができる。
これにより、物理量センサー1は、加速度−αに応じて+Z方向に変位する可動部15の変位を、所定の範囲内に規制することができる。
これにより、物理量センサー1は、支持腕12a,12b,12c,12dの先端がパッケージベース21に、例えば、熱硬化性の接合部材30により固定されている場合、加熱によるセンサー基板10の伸びが、パッケージベース21の内壁21a,21bによって拘束(抑制)される。
この結果、物理量センサー1は、常温に戻った際に、センサー基板10が支持部12の両端同士を引き離す方向に引っ張られることが殆どなく、センサー基板10には、固定に伴う引張応力などの応力が殆ど生じないこととなる(残留応力が殆どない)。
また、物理量センサー1は、残留応力を殆ど考えなくてもよいことから、センサー基板10の設計の自由度を広げることができる。
これらにより、物理量センサー1は、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の向上や、上記引張応力の経時的変化に伴う周波数変動の大幅低減など、性能を向上させることが可能となる。
そして、自由状態における一方の支持腕12a,12cの先端から、他方の支持腕12b,12dの先端までのX軸方向に沿った距離L1は、パッケージベース21の内壁21a,21b間のX軸方向に沿った距離L2よりも長くなっている。
この結果、物理量センサー1は、各支持腕12a,12b,12c,12dが撓んだ状態で、各支持腕12a,12b,12c,12dの先端の側面がパッケージベース21の内壁21a,21bに接触している(押し付けられている)。
これにより、物理量センサー1は、パッケージベース21の内壁21a,21b間の寸法ばらつき(加工ばらつき)を吸収し、各支持腕12a,12b,12c,12dの先端を常にパッケージベース21の内壁21a,21bに接触させることができる。
これにより、物理量センサー1は、各支持腕12a,12b,12c,12dの先端が、接合部材30の回りこみによって、パッケージベース21の段差部23a,23b(内部端子24a,24b,24c,24d)のみならず、内壁21a,21bへも固定されることから、段差部23a,23bのみに固定される場合と比較して、固定強度を向上させることができる。
これにより、物理量センサー1は、可動部15の変位を検出する物理量検出素子40によって物理量の検出が可能となり、電子デバイスとしての優れた性能の物理量センサーを提供することができる。
これにより、物理量センサー1は、振動梁41の特性によって物理量の変化を直線的に振動周波数(共振周波数)の変化に変換することができる。
この結果、物理量センサー1は、他の物理量検出素子を用いる場合と比較して、物理量の検出精度が高い特性を有し、物理量センサーとしての検出精度を向上させることができる。
図4は、物理量センサーの製造工程の一例を示すフローチャートであり、図5(a)、図5(b)、図6(c)、図6(d)、図7(e)、図7(f)は、主要製造工程を説明する模式断面図である。
まず、図5(a)に示すように、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、フォトリソグラフィー、ウエットエッチングなどの技術により、上述した構成のセンサー基板10を形成する。
ここで、センサー基板10は、図1(a)に示すように、支持腕12a,12cの先端から、支持腕12b,12dの先端までのX軸方向に沿った距離L1が、パッケージベース21の内壁21a,21b間のX軸方向に沿った距離L2よりも大きくなるように形成する。
なお、距離L1と距離L2との差は、センサー基板10及びパッケージベース21の寸法ばらつき(加工ばらつき)吸収分であり、加工精度の向上によりその差を小さくすることが好ましい。
ついで、物理量検出素子40の引き出し電極46,47と、センサー基板10のベース部13の接続端子16,17とを、ワイヤーボンディング技術を用いて金属ワイヤー48により接続する。
ついで、センサー基板10の可動部15の両主面13a,13bに、質量部50を図示しない接合材によって2個ずつ並べて取り付ける。このとき、質量部50の一部がベース部13と平面視で重なるように位置決めしておく。
ついで、図5(b)に示すように、上述したパッケージ20のパッケージベース21を準備する。なお、リッド22は、後工程でパッケージベース21に取り付ける。
ついで、図6(c)に示すように、パッケージベース21の段差部23a,23bに設けられている内部端子24a,24b,24c,24dに、例えば、図示しないディスペンサーなどの塗布装置を用いて、熱硬化性の接合部材30(導電性接着剤)を塗布する。
ついで、図6(d)に示すように、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dの先端を、図示しない治具などを用いて矢印C方向に撓ませた状態で、パッケージベース21の内壁21a,21bに沿わせながら矢印D方向に移動させて、センサー基板10を、パッケージベース21の段差部23a,23bに接合部材30を介して載置する。これにより、センサー基板10を、パッケージベース21に収容したこととなる。
このとき、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dの先端の側面は、パッケージベース21の内壁21a,21bに接触している(押し付けられている)。
ついで、加熱炉、乾燥機、恒温槽などの加熱装置に投入し、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dの先端がパッケージベース21の内壁21a,21bに接触している状態で、接合部材30、センサー基板10及びパッケージベース21を、例えば、約200℃〜約300℃で約1時間程度加熱し、加熱により硬化した接合部材30を介して、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dの先端をパッケージベース21に固定する(取り付ける)。
これにより、センサー基板10の電極18a,18b,18c,18dと、パッケージベース21の内部端子24a,24b,24c,24dとは、電気的に接続されていることとなる。
ついで、図7(e)に示すように、リッド22を接合部材29によってパッケージベース21に気密に接合する(取り付ける)。
ついで、図7(f)に示すように、リッド22が接合されたパッケージベース21を反転し、パッケージ20の内部が減圧された状態(例えば、真空チャンバー内などの真空度が高い状態)で、封止部28の貫通孔28aに球状の封止材28bを投入し、レーザービームや電子ビームを照射して加熱溶融後、封止材28bを固化することにより、貫通孔28aを閉塞し、パッケージ20の内部を気密に封止する。
なお、パッケージ20の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
上記各工程などを経ることにより、図1、図2に示すような物理量センサー1を得る。
この結果、物理量センサー1の製造方法は、常温に戻った際に、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dが、両先端同士(支持腕12a,12bの先端同士及び支持腕12c,12dの先端同士)を引き離す方向に引っ張られることが殆どなく、支持腕12a,12b,12c,12dの両先端間には、固定に伴う引張応力などの応力が殆ど生じないこととなる(残留応力が殆どない)。
加えて、物理量センサー1の製造方法は、支持部12の支持腕12a,12b,12c,12dを撓ませることによりセンサー基板10をパッケージベース21に収容することから、パッケージベース21の内壁21a,21b間の寸法ばらつき(加工ばらつき)を吸収し、支持腕12a,12b,12c,12dの先端を確実にパッケージベース21の内壁21a,21bに接触させることができる。
これらにより、物理量センサー1の製造方法は、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の向上や、上記引張応力の経時的変化に伴う周波数変動の大幅低減など、物理量センサー1の性能を向上させることが可能となる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図8は、第1実施形態の変形例の物理量センサーの概略構成を示す模式断面図である。
なお、第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、図8の断面位置は、図1(b)と同様である。
物理量センサー2は、パッケージベース21の開口部21cと底部(ここでは段差部23a,23b)とを繋ぐ内壁121a,121bの少なくとも一部が、段差部23a,23b側から開口部21c側(リッド22側)に向かうに連れて、パッケージベース21の内壁121a,121b間が広がる方向に傾斜または湾曲(ここでは傾斜)している。
具体的には、物理量センサー2は、開口部21c側の内壁121a,121b間の距離L3が、段差部23a,23b側の内壁121a,121b間の距離L2よりも長くなるように、内壁121a,121bの一部がパッケージベース21の外壁側に傾斜している。
この結果、物理量センサー2は、例えば、距離L3を自由状態のセンサー基板10の距離L1以上にしておくことにより、センサー基板10の支持腕12a,12b,12c,12dを予め撓ませることなく、センサー基板10をパッケージベース21に容易に収容することができる。
次に、電子デバイスの他の一例としての水晶振動子について説明する。
図9は、第2実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式平面図である。
水晶振動片210には、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板が用いられ、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術により、外形形状が精度よく形成されている。
水晶振動片210は、機能部としての振動部211と、振動部211に接続されている支持部212と、を備えている。
振動部211は、支持部212から紙面左右方向に延びる一対の振動腕215を有し、支持部212の一部を含んで音叉状に構成されている。
支持部212における振動腕215が延びる方向(紙面左右方向)と交差する方向(紙面上下方向)の両端は、パッケージ220の凹状の収容部としてのパッケージベース221の凹部の、互いに対向する内壁221a,221bのそれぞれに接触している状態で、パッケージベース221に固定されている。
支持腕212a,212bは、平面視で支持部212の両端を互いに結んだ第1方向としての紙面上下方向と交差する方向(紙面左右方向)に屈曲して、振動腕215側に延びている。
これにより、支持腕212a,212bは、紙面上下方向に撓んだ状態で、先端がパッケージベース221の内壁221a,221bに接触していることとなる。
この状態で、支持腕212a,212bの先端は、例えば、熱硬化性の接合部材30でパッケージベース221に固定されている。
パッケージ220の構成、材質などは、第1実施形態と殆ど同様なので、詳細な説明を省略する。
これにより、水晶振動子3は、支持腕212a,212bの先端がパッケージベース221に、例えば、熱硬化性の接合部材30により固定されている場合、加熱による水晶振動片210の伸びが、パッケージベース221の内壁221a,221bによって拘束(抑制)される。
この結果、水晶振動子3は、常温に戻った際に、水晶振動片210が支持部212の両端同士を引き離す方向に引っ張られることが殆どなく、水晶振動片210には、固定に伴う引張応力などの応力が殆ど生じないこととなる(残留応力が殆どない)。
また、水晶振動子3は、水晶振動片210の支持腕212a,212bの撓みにより、加熱による水晶振動片210の伸びが吸収されることから、加熱時に生じる水晶振動片210の熱応力を緩和できる。
これらにより、水晶振動子3は、例えば、外部からの衝撃に対する耐衝撃性の向上や、上記引張応力の経時的変化に伴う周波数変動の大幅低減など、性能を向上させることが可能となる。
そして、自由状態における支持腕212aの先端から、支持腕212bの先端までの距離L21は、パッケージベース221の内壁221a,221b間の距離L22よりも長くなっている。
この結果、水晶振動子3は、支持腕212a,212bが撓んだ状態で、支持腕212a,212bの先端の側面がパッケージベース221の内壁221a,221bに接触している(押し付けられている)。
これにより、水晶振動子3は、パッケージベース221の内壁221a,221b間の寸法ばらつきを吸収し、支持腕212a,212bの先端を常にパッケージベース221の内壁221a,221bに接触させることができる。
なお、内壁221a,221bは、第1実施形態の変形例と同様に、傾斜または湾曲していてもよい。
また、水晶振動片210は、図示の音叉型に限定されるものではなく、ATカット型などであってもよい。
次に、上述した電子デバイスを備えている電子機器について説明する。
図10は、電子デバイスを備えている電子機器の一例としての傾斜計を示す模式斜視図である。
傾斜計400は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計400は、外部からケーブル440を介して電源が供給され、または電源を内蔵し、図示しない駆動回路によって物理量センサー1(傾斜センサー)に駆動信号が送られている。
なお、傾斜計400は、物理量センサー1に代えて物理量センサー2を用いてもよい。これによれば、傾斜計400は、物理量センサー1を用いたときと同様の効果を奏することができる。
次に、上述した電子デバイスを備えている移動体について説明する。
図11は、電子デバイスを備えている移動体の一例としての自動車を示す模式斜視図である。
自動車500は、電子デバイスとしての水晶振動子3を、搭載されている各種電子制御式装置(例えば、電子制御式燃料噴射装置、電子制御式ABS装置、電子制御式一定速度走行装置など)の基準クロックを発生するタイミングデバイスとして用いている。また、自動車500は、電子デバイスとしての物理量センサー1または物理量センサー2を、搭載されているナビゲーション装置、姿勢制御装置などの姿勢検出センサーとして用いている。
これらによれば、自動車500は、上述した電子デバイスを備えていることから、上記各実施形態及び変形例で説明した効果が反映され、優れた性能を発揮することができる。
Claims (11)
- 機能部、前記機能部が固定され両端に梁状の可撓部を備えている支持部、を有している機能素子と、
前記機能素子よりも熱膨張係数が小さく前記機能素子を収容する凹状の収容部、を有している容器と、を備え、
各前記可撓部の先端は、前記容器の前記収容部の互いに対向している内壁のそれぞれに接触している状態で、前記収容部に固定されていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1に記載の電子デバイスにおいて、
前記支持部は、前記両端に前記可撓部としての支持腕を有し、
各前記支持腕は、平面視で前記支持部の前記両端を互いに結んだ第1方向と交差する方向に屈曲して延び、
自由状態における一方の前記支持腕の先端から、他方の前記支持腕の先端までの前記第1方向に沿った距離が、前記収容部の各前記支持腕を収容する部分における前記内壁間の前記第1方向に沿った距離よりも長く、
各前記支持腕は、撓んだ状態で前記先端が前記内壁に接触していることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1または請求項2に記載の電子デバイスにおいて、
前記容器は、前記収容部と、該収容部の開口部を覆う蓋部と、を備え、
前記収容部の前記開口部と底部とを繋ぐ前記内壁の少なくとも一部は、前記底部側から前記開口部側に向かうに連れて、前記収容部の前記内壁間が広がる方向に傾斜または湾曲していることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、
前記支持部は、複数設けられていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、
前記機能部は振動部であり、前記機能素子は、振動片であることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電子デバイスにおいて、
前記機能部は、前記支持部に接続されているベース部と、該ベース部に継ぎ手部を介して接続されている板状の可動部と、を備え、
前記機能素子には、前記ベース部と前記可動部とに物理量検出素子が掛け渡され、
前記可動部は、該可動部の主面と交差する方向に加わる物理量に応じて、前記継ぎ手部を支点にして前記主面と交差する方向に変位可能に構成されていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項6に記載の電子デバイスにおいて、
前記物理量検出素子は、前記ベース部と前記可動部とを結ぶ方向に沿って延びる少なくとも1つの振動梁を有する物理量検出部と、該物理量検出部の両端に接続されている一対の基部と、を備え、
一方の前記基部が前記ベース部に固定され、他方の前記基部が前記可動部に固定されていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
- 機能部、前記機能部が固定されている支持部、を有している機能素子と、
前記機能素子よりも熱膨張係数が小さく前記機能素子を収容する凹状の収容部、を有している容器と、を備え、
前記機能素子の支持部は、両端に可撓性を有している支持腕を有し、
各前記支持腕は、平面視で前記支持部の前記両端を互いに結んだ第1方向と交差する方向に屈曲して延び、
自由状態における一方の前記支持腕の先端から、他方の前記支持腕の先端までの前記第1方向に沿った距離が、前記容器の前記収容部の各前記先端を収容する部分における内壁間の前記第1方向に沿った距離よりも長い電子デバイスの製造方法であって、
前記支持腕を撓ませて、前記機能素子を前記容器の前記収容部に収容する工程と、
前記支持腕の前記先端を前記内壁に接触した状態で、前記機能素子及び前記収容部を加熱し、接合部材を介して前記収容部に固定する工程と、
を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。 - 請求項10に記載の電子デバイスの製造方法において、
前記容器は、前記収容部と、該収容部の開口部を覆う蓋部と、を備え、
前記収容部の前記開口部と底部とを繋ぐ前記内壁の少なくとも一部は、前記底部側から前記開口部側に向かうに連れて、前記収容部の前記内壁間が広がる方向に傾斜または湾曲していることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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