JP2014098432A - ステアリング装置及びベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトの共振に伴ってベルトから異音が発することを抑制できるステアリング装置及びベルトを提供する。
【解決手段】駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリとの間に掛装されるベルト20は、駆動プーリに設けられた駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部63を内周面70Aに有する長尺シート状の弾性部70と、弾性部70におけるベルト歯部63が設けられた内周面70Aとは反対側の外周面70Bに接着される弾性部80と、弾性部70の外周面70B側に弾性部80を介して設けられる鉄芯81とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動源の駆動力を駆動プーリと従動プーリの間に掛装されたベルトを通じて転舵軸に伝達するステアリング装置、及びこのステアリング装置に設けられるベルトに関する。
従来から、電動モータの回転を転舵軸に当該転舵軸の軸線方向に沿う往復動に変換して伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するステアリング装置が知られている。また、こうしたステアリング装置のうちには、モータの軸線が転舵軸と平行となるように配置された所謂ラックパラレル型のステアリング装置(以下、「RP型EPS装置」ともいう。)がある(例えば、特許文献1参照)。
このRP型EPS装置では、電動モータの駆動時に、電動モータの回転軸と一体回転する駆動プーリの回転力がベルトを通じて従動プーリに伝達されることにより、従動プーリが駆動プーリに連れ回るように回転する。そして、従動プーリの回転力は、ボールねじ機構を介して転舵軸の往復動に変換されて伝達される。また、このRP型EPS装置では、両プーリ及びベルトの双方に設けられた歯部同士が互いに噛み合うことにより、電動モータの駆動力がベルトを通じて確実に伝達される。
特開2012−153269号公報
ところで、上記のRP型EPS装置では、駆動プーリとベルトとの噛み合い周期に応じた振動数を有する振動が駆動プーリからベルトに伝達される。そして、ベルトに伝達される振動の振動数がベルトの固有振動数と一致した場合には、ベルトが共振して大きな振動を起こすことにより異音を発するという問題があった。
そこで、駆動プーリからベルトに伝達される振動の振動数がベルトの固有振動数に一致しないように、駆動プーリとベルトとの噛み合い周期を制御することが考えられる。しかしながら、駆動プーリとベルトとの噛み合い周期は、運転手によるステアリング操作の操舵角速度に依存するものであるため、この噛み合い周期を一律に制御することは困難となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルトの共振に伴ってベルトから異音が発することを抑制できるステアリング装置、及びこのステアリング装置に設けられるベルトを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決するステアリング装置は、駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、前記駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリと、前記両プーリの間に周回可能に掛装されるベルトと、を備え、前記駆動源から前記駆動プーリ及び前記ベルトを通じて前記従動プーリに伝達される駆動力を転舵軸に伝達するステアリング装置であって、前記ベルトは、前記駆動プーリに設けられた駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を第1の面に有する無端帯状の第1弾性体と、前記第1弾性体における前記ベルト歯部が設けられた前記第1の面とは反対側の第2の面に接着される第2弾性体と、前記第1弾性体の前記第2の面側に前記第2弾性体を介して設けられる錘体とを有することを要旨とする。
上記構成によれば、第2弾性体及び錘体が第1弾性体の振動を減衰させる減衰材を構成する。そのため、駆動プーリと第1弾性体との噛み合い周期が第1弾性体の固有振動数に一致して第1弾性体が共振を起こしたとしても、こうした第1弾性体の共振が減衰材によって減衰される。したがって、ベルトの共振に伴ってベルトから異音が発することを抑制できる。
また、上記ステアリング装置において、前記両プーリの間に掛装される前記ベルトの張力の大きさが相対的に大きい場合には、前記両プーリの間に掛装される前記ベルトの張力の大きさが相対的に小さい場合と比較して、前記第2弾性体の硬度を高くするか、若しくは、前記錘体の重量を低くすることが好ましい。
一般に、両プーリ間に掛装されるベルトの張力の大きさが相対的に大きい場合には、第1弾性体において共振を起こす振動数となる固有振動数が高くなる。この点、上記構成によれば、第1弾性体の固有振動数が高くなると、第2弾性体の硬度を高くするか、若しくは、錘体の重量を低くする。すると、第2弾性体及び錘体が構成する減衰材の固有振動数は、第1弾性体の共振時に外部から第1弾性体に加わる振動の振動数となる第1弾性体の固有振動数に近づくように高くなる。その結果、第1弾性体の共振は、第2弾性体及び錘体が構成する減衰材によって好適に減衰されるため、ベルトの共振に伴ってベルトから異音が発することを更に抑制できる。
また、上記ステアリング装置において、前記錘体は、前記第1弾性体の長さ方向に伸縮するばね構造を有することが好ましい。
上記構成によれば、第1弾性体に対して第2弾性体を介して錘体が設けられた場合であっても、ベルトの伸縮性が錘体によって阻害されないため、ベルトを駆動プーリと従動プーリとの間に容易に掛装させることができる。
また、上記ステアリング装置において、前記錘体は、前記第1弾性体の長さ方向に伸縮するウェーブ構造を有することが好ましい。
上記構成によれば、第1弾性体に対して第2弾性体を介して錘体が連結された場合であっても、ベルトの伸縮性が錘体によって阻害されないため、ベルトを駆動プーリと従動プーリとの間に容易に掛装させることができる。
また、上記ステアリング装置において、前記第1弾性体には、当該第1弾性体の長さ方向に延在する芯線が設けられ、前記錘体は、前記芯線よりも伸縮性の高い材質によって構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1弾性体に対して第2弾性体を介して錘体が連結された場合であっても、ベルトの伸縮性が錘体によって阻害されないため、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを容易に掛装させることができる。
また、上記ステアリング装置において、前記錘体は、前記第2弾性体によって被覆されていることが好ましい。
上記構成によれば、錘体は、外部の衝撃から第2弾性体によって保護されるため、ベルトの耐久性を向上することができる。
また、上記課題を解決するベルトは、駆動源から駆動プーリを通じて従動プーリに伝達される駆動力を転舵軸に伝達するステアリング装置における前記両プーリの間に掛装されるベルトであって、前記駆動プーリに設けられた駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を第1の面に有する無端帯状の第1弾性体と、前記第1弾性体における前記ベルト歯部が設けられた前記第1の面とは反対側の第2の面に接着される第2弾性体と、前記第1弾性体の前記第2の面側に前記第2弾性体を介して設けられる錘体とを有することを要旨とする。
上記構成によれば、上記ステアリング装置の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、ベルトの共振に伴ってベルトから異音が発することを抑制できる。
実施形態のステアリング装置の模式図。 ステアリング装置の要部を模式的に示す断面図。 駆動プーリ及び従動プーリに掛装されているベルトの断面図。 ベルトの詳細な構造を示す断面図。 (a)は弾性部の硬度を上げる前後のベルトの第2層部の振動特性を示す相関図、(b)は鉄芯の重量を上げる前後のベルトの第2層部の振動特性を示す相関図。 別の実施形態のベルトの詳細な構造を示す断面図。
以下、ステアリング装置の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の回転を転舵輪12に伝達する操舵角伝達機構13と、ステアリングホイール11の操舵を補助するアシスト装置14とを備えている。また、ステアリング装置10は、車両の幅方向に延びるラックハウジング15と、該ラックハウジング15内で車両の幅方向に延びる転舵軸16とを備えている。なお、以下では、車両の幅方向を軸線方向とする転舵軸16に倣って、車両の幅方向を軸線方向Xともいう。
操舵角伝達機構13は、ステアリングホイール11とともに回転するステアリングシャフト17と、該ステアリングシャフト17の回転を転舵軸16の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構18とを備えている。すなわち、運転者によってステアリングホイール11が操舵されると、転舵軸16を軸線方向Xに移動させる操舵入力が操舵角伝達機構13を介して転舵軸16に入力される。
アシスト装置14は、ラックハウジング15の外側に配置された駆動源としてのモータ19と、該モータ19からベルト20を通じて駆動力が伝達されるボール螺子機構21とを備えている。アシスト装置14は、運転者によるステアリングホイール11の操舵に連動して、転舵軸16を軸線方向Xに移動させるアシスト力を出力することを可能としている。
また、転舵軸16の両端には、その軸端部に設けられたラックエンド22を介してタイロッド23が回動自在に連結されている。このタイロッド23の先端は、転舵輪12が組付けられた図示しないナックルに連結されている。すなわち、転舵軸16の両端部に装着されたラックエンド22は、転舵軸16と転舵輪12とを駆動連結している。
こうして、運転者がステアリングホイール11を操舵することで転舵軸16に入力される操舵入力と、操舵に連動してアシスト装置14が出力するアシスト力によって、転舵軸16は軸線方向Xに直線移動する。そして、転舵軸16の直線移動が、転舵軸16の両端に連結されたタイロッド23を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
図2に示すように、ラックハウジング15は、車両の幅方向の一方側端部(図2では左端部)付近を除く幅方向のほぼ全体に亘るように配置され、転舵軸16のほぼ全体を収容する第1ハウジング30と、車両の幅方向の一方側端部に配置され、転舵軸16の一方側端部の一部を収容する第2ハウジング31とを備えている。
第1ハウジング30は、転舵軸16の外径よりも大きな内径の転舵軸挿通孔32を有する円筒形状の第1本体部33を備え、その第1本体部33における第2ハウジング31側の端部には外向きのフランジ部34が形成されている。また、フランジ部34における転舵軸挿通孔32の上側となる部分からはモータ19を取り付け可能な板状の膨出部35が上方へ膨出するように一体形成されている。そして、この膨出部35には、転舵軸挿通孔32よりも内径が小さな円形の貫通孔36が転舵軸挿通孔32の上方となる位置で同軸方向に形成されている。
一方、第2ハウジング31は、第1ハウジング30の第1本体部33と同様の円筒形状をなす第2本体部38を備え、その第2本体部38における第1ハウジング30側の端部には、開口縁形状が第1ハウジング30における第2ハウジング31側の端部の輪郭形状と対応した形状をなす収容部39が形成されている。そして、両ハウジング30,31は、第1ハウジング30におけるフランジ部34及び膨出部35が形成された端部と第2ハウジング31における収容部39が形成された端部とを接合させた状態で図示しないボルトによって連結されている。
第1ハウジング30における膨出部35の貫通孔36には、モータ19の回転軸40及び図示しないロータ等からなるモータ本体を内側に収容するモータハウジング41の一部が挿入されている。具体的には、モータハウジング41の先端側(図2における左端側であって、モータ19の回転軸40のフロント側)には略円筒状の小径部42が形成され、この小径部42が貫通孔36を通じて収容部39の内側に挿入されている。小径部42における先端側部位42a(図2では左端側の部位)及び基端側部位42b(図2では右端側の部位)は、小径部42における他の部分(すなわち、軸線方向の中間部位)よりも内径及び外径が大きい。
モータハウジング41における小径部42の先端側部位42a及び基端側部位42bの内側には、ボールベアリングからなる軸受43,44がそれぞれ収容されている。そして、これらの軸受43,44には、モータ19の回転軸40に対して一体回転可能に連結された略円柱状をなす駆動プーリ46が回転可能に支持されている。なお、小径部42の中心軸線は、駆動プーリ46の回動軸線S1と一致し、駆動プーリ46の回動軸線S1は、転舵軸16の中心軸線と平行に延びている。また、小径部42の先端側部位42aの先端面は収容部39の内底面39aに対して接触している。
モータハウジング41における小径部42の基端側部位42bの外径は、貫通孔36の内径と同程度となっている。そして、小径部42の基端側部位42bは、膨出部35の貫通孔36に対して内側から嵌め込まれた状態で、図示しないボルトによってラックハウジング15に対して固定されている。
ボール螺子機構21は、転舵軸16の外径よりも大きな内径を有する略円筒状のボール螺子ナット50と、転舵軸16を中心とする径方向においてボール螺子ナット50の内周面と転舵軸16の外周面との間に配置される複数のボール51とを備えている。ボール螺子ナット50における軸線方向Xの一方側(図2では右側)の端部は、ボールベアリングからなる軸受52を介して第1ハウジング30の第1本体部33に対して回転可能に支持されている。なお、図2では図示を省略しているが、転舵軸16の軸線方向Xにおける一部には雌ねじ加工が施され、この雌ねじ加工が施された部位に対してボール51を介してボール螺子ナット50が螺合している。
ボール螺子ナット50における軸受52が設けられた端部とは反対側の端部には、略円環状をなす従動プーリ53がボール螺子ナット50に対して一体回転可能に支持されている。従動プーリ53の外径は、駆動プーリ46の外径よりも大きい。また、従動プーリ53の回動軸線S2は、転舵軸16の中心軸線と一致している。そのため、従動プーリ53の回動軸線S2は、駆動プーリ46の回動軸線S1と平行に延びている。また、駆動プーリ46と従動プーリ53との間には、長尺シート状をなすベルト20が掛装されている。そして、ベルト20は、小径部42における先端側部位42aと基端側部位42bとの間の部分の下面に形成された挿通孔55を上下に挿通している。
そして、モータ19の駆動に伴って駆動プーリ46が回転すると、駆動プーリ46の回転力がベルト20を介して従動プーリ53に伝達される。すると、こうした従動プーリ53の回転がボール螺子ナット50に伝達され、ボール螺子ナット50を備えるボール螺子機構21により、従動プーリ53の回転力が転舵軸16を軸線方向Xに移動させるアシスト力に変換される。その結果、運転手によるステアリング操作に基づいた転舵軸16の軸線方向Xへの移動がアシスト装置14によって補助されることにより、転舵輪12の舵角が変更される。
次に、両プーリ46,53の間に掛装されるベルト20の構成について説明する。
図3に示すように、駆動プーリ46は、複数の駆動歯部61を有する歯付きプーリである。これらの駆動歯部61は、駆動プーリ46の回動軸線S1を中心とした周方向に間隔をおいて駆動プーリ46の外周面の全域に亘って設けられている。
従動プーリ53も同様に、複数の従動歯部62を有する歯付きプーリである。これらの従動歯部62は、従動プーリ53の回動軸線S2を中心とした周方向に間隔をおいて従動プーリ53の外周面の全域に亘って設けられている。
一方、ベルト20は、駆動プーリ46の駆動歯部61及び従動プーリ53の従動歯部62に噛み合うベルト歯部63を有する歯付きベルトである。そして、ベルト20は、駆動プーリ46の駆動歯部61及び従動プーリ53の従動歯部62に対してベルト歯部63を噛み合わせた状態で両プーリ46,53の間に掛装されることにより、両プーリ46,53の間を動力伝達可能に連結している。
図4に示すように、ベルト20は、複数(本実施形態では2つ)の無端帯状をなす第1層部20Aと第2層部20Bとが積層された環状の積層構造体であり、第1層部20Aの外周面と第2層部20Bの内周面とが対面するように積層されている。まず、第1層部20Aは、無端帯状の弾性体からなる第1弾性体としての弾性部70と、弾性部70の内側を弾性部70の長さ方向(周方向)の全域に亘って延在し、弾性部70の芯材となる無端状の芯線71とを有している。次に、第2層部20Bは、第1層部20Aの弾性部70よりも一回り大きい無端帯状の弾性体からなる第2弾性体としての弾性部80と、弾性部80の内側を弾性部80の長さ方向(周方向)の全域に亘って延在し、弾性部80の芯材となる無端状の錘体としての鉄芯81とを有している。
第1層部20Aの弾性部70は、耐油性の高い弾性体の一種であるエチレン−プロピレン−ジエンゴムによって構成されている。そして、その弾性部70の表裏両面のうち、第2層部20Bとは非対面となる第1の面としての内周面70Aには、駆動プーリ46の駆動歯部61及び従動プーリ53の従動歯部62に噛合可能なベルト歯部63が設けられている。なお、これらのベルト歯部63は、弾性部70の長さ方向(周方向)の全域に亘って設けられている。また、芯線71は、繊維方向の引張強度が高い繊維材料の一種であるガラス繊維によって構成され、弾性部70において第2層部20Bと対面する第2の面としての外周面70Bとベルト歯部63が設けられた内周面70Aとの間に配置されている。
第2層部20Bの弾性部80は、低温時であってもクラックが起こり難い弾性体の一種である水素添加ニトリルゴムによって構成されている。そして、弾性部80の内周面80Aの全域は、第1層部20Aの弾性部70の外周面70Bに接着されている。なお、この場合、両弾性部70,80において互いに対峙する端面に接着剤を塗布することによって両弾性部70,80を接着させてもよいし、両弾性部70,80において互いに対峙する面同士を溶剤によって溶解させた後に熱プレスすることによって両弾性部70,80を接着させてもよい。
また、鉄芯81は、比較的比重の重い金属の一種である鉄を主な構成材料とし、螺旋状に巻かれることにより長さ方向に伸縮自在なコイルばね構造を有している。この場合、鉄芯81の伸縮方向は第1層部20Aの弾性部70の長さ方向と一致している。また、鉄芯81は、弾性部80において第1層部20Aの弾性部70に対して接着可能に対面する内周面80Aと、第1層部20Aとは非対面となる外周面80Bとの間に配置されている。すなわち、鉄芯81は、第1層部20Aの弾性部70の外周面70B側に第2層部20Bの弾性部80を介して設けられ、鉄芯81と第1層部20Aの弾性部70との間には第2層部20Bの弾性部80の一部が介在している。なお、鉄芯81は、第2層部20Bの弾性部80の内側に埋設され、鉄芯81の外表面は第2層部20Bの弾性部80によって被覆されている。
次に、上記のように構成されたステアリング装置10の作用について説明する。
さて、本実施形態では、運転手によるステアリングホイール11の操舵に連動して、ステアリングホイール11の操舵角速度に応じた回転速度でモータ19の回転軸40が回動すると、回転軸40に駆動連結された駆動プーリ46が回転軸40と同一の回転速度で回動する。すると、駆動プーリ46の駆動歯部61とベルト20のベルト歯部63との噛み合い周期に応じた振動数の振動が駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される。そして、駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動の振動数がベルト20の第1層部20Aの固有振動数と一致した場合には、ベルト20の第1層部20Aが共振して大きな振動を起こすことにより異音を発する。
この点、本実施形態では、ベルト20の第1層部20Aが共振して大きな振動を起こすと、このベルト20の第1層部20Aの振動が第1層部20Aから第2層部20Bに伝達される。すると、第2層部20Bにおいては、ベルト20の第1層部20Aの振動が弾性部80を介して鉄芯81に伝達される。そして、鉄芯81は、第1層部20Aの弾性部70との間に介在する第2層部20Bの弾性部80の一部を弾性変形させつつ第1層部20Aに対して振動する。その結果、ベルト20の第1層部20Aの振動エネルギーの一部が鉄芯81の振動エネルギーに変換されることにより、ベルト20の第1層部20Aの振動が減衰される。
すなわち、本実施形態では、ベルト20の第2層部20Bは、ベルト20の第1層部20Aに生じる振動を減衰させる減衰材を構成している。そのため、駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動の振動数がベルト20の第1層部20Aの固有振動数と一致してベルト20の第1層部20Aが共振したとしても、共振時におけるベルト20の第1層部20Aの振動が第2層部20Bによって減衰される。したがって、ベルト20の第1層部20Aが共振時における振動に伴って異音を発することが抑制される。
ところで、両プーリ46,53の間に掛装されるベルト20の第1層部20Aの張力の大きさとベルト20の第1層部20Aの固有振動数は一定の相関関係を有している。具体的には、ベルト20の第1層部20Aの張力の大きさが大きくなるに連れて、ベルト20の第1層部20Aの固有振動数が高くなる傾向を有している。そのため、ベルト20の第1層部20Aの張力の大きさが相対的に大きい場合には、ベルト20の第1層部20Aの張力の大きさが相対的に小さい場合と比較して、駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動によってベルト20の第1層部20Aが共振を起こす際のベルト20の第1層部20Aの振動数が高くなる。
また、一般には、ベルト20の第1層部20Aから第2層部20Bへの振動エネルギーの変換は、駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動の振動数と、ベルト20の第2層部20Bの固有振動数が近接した場合に特に起こり易い。すなわち、駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動の振動数と、ベルト20の第2層部20Bの固有振動数が近接した場合に、ベルト20の第1層部20Aの振動が第2層部20Bによって特に大きく減衰される。
図5(a)に実線で示すように、ベルト20の第2層部20Bにおける振動数と振動の大きさの相関を示す振動特性は、以下のようになる。すなわち、ベルト20の第2層部20Bの振動の大きさは、ベルト20の第2層部20Bに伝達される振動の振動数がベルト20の第2層部20Bの固有振動数fnと一致する場合に特に大きいピークを示している。その一方で、ベルト20の第2層部20Bに伝達される振動の振動数がベルト20の第2層部20Bの固有振動数fnから離れるに連れて次第に小さくなる傾向を有している。
ここで、図5(a)に二点鎖線で示すように、弾性部80の硬度を高くした場合のベルト20の第2層部20Bの振動特性では、ベルト20の第2層部20Bの振動の大きさが特に高いピークを示す振動数となるベルト20の第2層部20Bの固有振動数fn’は、弾性部80の硬度を高くする前と比較して高くなる。
また、図5(b)に二点鎖線で示すように、鉄芯81の重量を低くした場合のベルト20の第2層部20Bの振動特性では、ベルト20の第2層部20Bの振動の大きさが特に高いピークを示す振動数となるベルト20の第2層部20Bの固有振動数fn’’は、鉄芯81の重量を低くする前と比較して高くなる。
そして、本実施形態では、両プーリ46,53の間に掛装されるベルト20の第1層部20Aの張力の大きさが大きくなり、共振時におけるベルト20の第1層部20Aの振動数が相対的に高くなった場合、ベルト20の第2層部20Bを構成する弾性部80の硬度を高くするか、若しくは、ベルト20の第2層部20Bを構成する鉄芯81の重量を低くする。
すると、ベルト20の第1層部20Aの共振時において駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに伝達される振動の振動数(即ち、ベルト20の第1層部20Aの固有振動数)が高くなったことに併せて、ベルト20の第2層部20Bの固有振動数も高くなり、双方の振動数が近接する。その結果、ベルト20の第1層部20Aから第2層部20Bへの振動エネルギーの変換が効率よく行われるため、共振時におけるベルト20の第1層部20Aの振動が第2層部20Bによって特に大きく減衰される。したがって、ベルト20の第1層部20Aが共振時における振動に伴って異音を発することが更に抑制される。
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)弾性部80及び鉄芯81によって構成されるベルト20の第2層部20Bがベルト20の第1層部20Aの振動を減衰させる減衰材として機能する。そのため、駆動プーリ46とベルト20との噛み合い周期がベルト20の第1層部20Aの固有振動数fnに一致してベルト20の第1層部20Aが共振を起こしたとしても、こうしたベルト20の第1層部20Aの共振がベルト20の第2層部20Bによって減衰される。したがって、ベルト20の第1層部20Aの共振に伴ってベルト20の第1層部20Aから異音が発することを抑制できる。
(2)ベルト20の第1層部20Aの張力の大きさが大きくなることに伴って、ベルト20の第1層部20Aの固有振動数が高くなると、ベルト20の第2層部20Bを構成する弾性部80の硬度を高くするか、若しくは、ベルト20の第2層部20Bを構成する鉄芯81の重量を低くする。すると、弾性部80及び鉄芯81が構成するベルト20の第2層部20Bの固有振動数は、ベルト20の第1層部20Aの共振時に駆動プーリ46からベルト20の第1層部20Aに加わる振動の振動数となるベルト20の第1層部20Aの固有振動数に近づくように高くなる。その結果、ベルト20の第1層部20Aの共振は、弾性部80及び鉄芯81が構成するベルト20の第2層部20Bによって好適に減衰されるため、ベルト20の第1層部20Aの共振に伴ってベルト20の第1層部20Aから異音が発することを更に抑制できる。
(3)鉄芯81は、ベルト20の長さ方向に伸縮するコイルばね構造を有している。したがって、ベルト20に対して弾性部80を介して鉄芯81が設けられた場合であっても、ベルト20の伸縮性が鉄芯81によって阻害されないため、ベルト20を駆動プーリ46と従動プーリ53との間に容易に掛装させることができる。
(4)鉄芯81の外表面は弾性部80によって被覆されている。したがって、鉄芯81は、外部の衝撃から弾性部80によって保護されるため、ベルト20の耐久性を向上することができる。
(5)ベルト20におけるベルト歯部63を有する弾性部70の材質として、耐油性の高い弾性体が採用されている。そのため、例えば、ボール螺子機構21において潤滑油として用いられるグリス等が飛散してベルト20のベルト歯部63に付着したとしても、ベルト歯部63が膨潤することが抑制される。したがって、ベルト20のベルト歯部63と駆動プーリ46の駆動歯部61との噛み合い状態を良好に維持することができる。
(6)ベルト20の第1層部20Aの弾性部70においてベルト歯部63が設けられた内周面70Aとは反対側の外周面70Bに接着される第2層部20Bの弾性部80として、低温時であってもクラックが起こり難い弾性体が採用されている。そのため、低温時において、ベルト20の第1層部20Aの弾性部70にクラックが生じることによりベルト20の第1層部20Aの弾性部70の保形性が低下したとしても、ベルト20の第1層部20Aの弾性部70がベルト20の第2層部20Bの弾性部80によって外側から保持される。したがって、ベルト20の第1層部20Aの弾性部70の形状が信頼性良く維持されるため、ベルト20を駆動プーリ46と従動プーリ53との間に良好に掛装させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、鉄芯81が弾性部80に完全に埋設されることなく、鉄芯81の表面の一部が弾性部80から露出した構成としてもよい。
・上記実施形態において、ベルト20の第2層部20Bの芯材として、鉄芯81に代えて、ベルト20の第1層部20Aの芯材であるガラス繊維よりも伸縮性の高い材質からなる芯材を採用してもよい。
・上記実施形態において、図6に示すように、鉄芯81は、ベルト20の長さ方向に伸縮するウェーブ構造を有する構成としてもよい。
・上記実施形態において、ベルト20の第2層部20Bの芯材の材質として、鉄以外の他の金属を採用してもよい。また、ベルト20の第2層部20Bの芯材の材質は、金属に限定されず、ベルト20の第1層部20Aの共振時における振動を減衰させ得る程度の比較的比重の重い材質であれば任意の材質を採用することができる。
10…ステアリング装置、16…転舵軸、19…駆動源としてのモータ、20…ベルト、46…駆動プーリ、53…従動プーリ、61…駆動歯部、63…ベルト歯部、70…第1弾性体としての弾性部、70A…第1の面としての内周面、70B…第2の面としての外周面、71…芯線、80…第2弾性体としての弾性部、81…錘体としての鉄芯、S1,S2…回動軸線。

Claims (7)

  1. 駆動源から伝達される駆動力に基づいて回動する駆動プーリと、前記駆動プーリの回動軸線と平行に延びる回動軸線を中心として回動する従動プーリと、前記両プーリの間に周回可能に掛装されるベルトと、を備え、前記駆動源から前記駆動プーリ及び前記ベルトを通じて前記従動プーリに伝達される駆動力を転舵軸に伝達するステアリング装置であって、
    前記ベルトは、
    前記駆動プーリに設けられた駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を第1の面に有する無端帯状の第1弾性体と、
    前記第1弾性体における前記ベルト歯部が設けられた前記第1の面とは反対側の第2の面に接着される第2弾性体と、
    前記第1弾性体の前記第2の面側に前記第2弾性体を介して設けられる錘体と
    を有することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記両プーリの間に掛装される前記ベルトの張力の大きさが相対的に大きい場合には、前記両プーリの間に掛装される前記ベルトの張力の大きさが相対的に小さい場合と比較して、前記第2弾性体の硬度を高くするか、若しくは、前記錘体の重量を低くすることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記錘体は、前記第1弾性体の長さ方向に伸縮するばね構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記錘体は、前記第1弾性体の長さ方向に伸縮するウェーブ構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置。
  5. 前記第1弾性体には、当該第1弾性体の長さ方向に延在する芯線が設けられ、
    前記錘体は、前記芯線よりも伸縮性の高い材質によって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のステアリング装置。
  6. 前記錘体は、前記第2弾性体によって被覆されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のステアリング装置。
  7. 駆動源から駆動プーリを通じて従動プーリに伝達される駆動力を転舵軸に伝達するステアリング装置における前記両プーリの間に掛装されるベルトであって、
    前記駆動プーリに設けられた駆動歯部に対して噛合可能なベルト歯部を第1の面に有する無端帯状の第1弾性体と、
    前記第1弾性体における前記ベルト歯部が設けられた前記第1の面とは反対側の第2の面に接着される第2弾性体と、
    前記第1弾性体の前記第2の面側に前記第2弾性体を介して設けられる錘体と
    を有することを特徴とするベルト。
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