JP2014091307A - 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服 - Google Patents

遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服 Download PDF

Info

Publication number
JP2014091307A
JP2014091307A JP2012244550A JP2012244550A JP2014091307A JP 2014091307 A JP2014091307 A JP 2014091307A JP 2012244550 A JP2012244550 A JP 2012244550A JP 2012244550 A JP2012244550 A JP 2012244550A JP 2014091307 A JP2014091307 A JP 2014091307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
fabric
fiber
woven fabric
inner layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012244550A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Izawa
一 伊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2012244550A priority Critical patent/JP2014091307A/ja
Publication of JP2014091307A publication Critical patent/JP2014091307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

【課題】遮熱性、快適性、電磁波遮蔽性に同時に優れた遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服を提供する。
【解決手段】外層及び内層の2層以上の布帛からなり、遮熱活動服に用いた際、内層が肌側に配される遮熱活動服用積層布帛であって、外層が、JIS L 1091 E法で測定したLOI値(限界酸素指数)が21以上の繊維で構成された布帛であり、内層が、JIS L 1091 E法でLOI値(限界酸素指数)が21以上、引張弾性率が80〜800cN/dtex熱伝導率が6.0Wm−1・K−1以下、比重が3.0g/cm以下の繊維で構成され、800〜3000nmにおける波長の電磁波の透過率が10%未満、目付が60〜500g/mであることを特徴とする遮熱活動服用積層布帛とする。また、該遮熱活動服用積層布帛を用いた遮熱活動服する。
【選択図】なし

Description

本発明は、軽量で快適性に優れた耐熱性と遮熱性の高い遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服に関するものである。
従来、消防士が消火作業時に着用する耐熱性防護服としては、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールなどの難燃性の有機繊維布帛などが使用されている。
近年、消防士の安全性や快適性を改良する目的から、(a)表地がメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維から構成され、(b)中間層が透湿防水性を有し、(c)遮熱層がメタ系アラミド繊維の不織布とメタ系アラミド繊維の織布からなる複合体、以上の(a)〜(c)からなる複合構造を有する難燃性及び遮熱性に優れた布帛を用いた防護服(特許文献1)などが提案されている。これらの布帛には、さらに火災により発生する輻射熱を防止する目的から、これらの難燃繊維からなる布帛に金属アルミニウム等をコーティングあるいは蒸着等により、表面加工したものが多く用いられている(例えば、特許文献1の請求項3〜4参照)。しかしながら、コーティング加工を施した布帛を防護服として用いる場合、その重量が非常に重くなるという欠点がある。さらに、空気層を作るという観点から遮熱性の向上には積層構造にすることが最も有用であるが、この積層構造によりごわつき感があり、防護服の重量が大幅に増加するのを抑えることは非常に難しい。
また、重量を大幅に増加させることなく遮熱性を向上させ、さらにごわつき感がなく着用感を向上させる目的で、起毛を利用した耐熱性積層構造体(特許文献2)なども提案されている。これは、遮熱性の向上という点で一定の効果はあるものの、体より発生する熱の蓄積も大きくなるため快適性を損ない、起毛レベルや重量を下げるとそのまま遮熱性も低下するという欠点を有している。
特開2000−212810号公報 特開2009−263809号公報
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解決し、遮熱性、快適性、電磁波遮蔽性に同時に優れた遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服を提供することにある。
上記課題に鑑み本発明者らが鋭意検討したところ、次のような構成にて遮熱性、快適性、電磁波遮蔽性のいずれにも優れた布帛を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、外層及び内層の2層以上の布帛からなり、遮熱活動服に用いた際、内層が肌側に配される遮熱活動服用積層布帛であって、外層が、JIS L 1091 E法で測定したLOI値(限界酸素指数)が21以上の繊維で構成された布帛であり、内層が、JIS L 1091 E法でLOI値(限界酸素指数)が21以上、引張弾性率が80〜800cN/dtex熱伝導率が6.0Wm−1・K−1以下、比重が3.0g/cm以下の繊維で構成され、800〜3000nmの波長の電磁波の透過率が10%未満、目付が60g/m以上300g/m以下であることを特徴とする遮熱活動服用積層布帛ある。
また、上記の遮熱活動服用積層布帛を用いた遮熱活動服である。
本発明によれば、軽量および快適性、そして高い遮熱性も同時に併せ持つ積層布帛、そしてそれを用いることにより消防服をはじめとする高温環境下での作業服等として有用な遮熱活動服を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の遮熱活動服用積層布帛は、外層及び内層の2層以上からなる積層布帛である。
本発明においては、外層を構成する繊維の限界酸素指数(LOI)が21以上であり、好ましくは24以上である。限界酸素指数とは燃焼継続するのに必要な雰囲気の酸素濃度(%)であり、21以上であると通常の空気中では燃焼が継続せずに自己消火することを意味し、高い耐熱性を発揮することができる。ここで、限界酸素指数(LOI)は、上記のように、JIS L1091(E法)に準拠して測定された値である。
このように、外層が限界酸素指数(LOI)21以上の繊維を用いることにより、高い耐熱性を発揮することができる。上記繊維としては、例えば、メタ型アラミド繊維、パラ型アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維、ポリクラール繊維、難燃アクリル繊維、難燃レーヨン繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃綿繊維、難燃ウール繊維などを挙げることができる。特に、本発明においては、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどのメタ系アラミド繊維や、織物や編物強度を向上させる目的でパラ系のアラミド繊維、すなわち、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、あるいは、これに第3成分を共重合した繊維などを用いることが有用である。ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体の一例として、下記式に示すコポリパラフェニレン・3.4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドが例示される。
Figure 2014091307
(ここで、m及びnは正の整数を表す。)
上述した繊維には、長繊維または短繊維を用いてもよい。また、上記繊維を2種類以上混繊または混紡して用いてもよい。
上記布帛は、織物、編物、不織布などの形態で用いてもよいが、特に織物が好ましい。また、織物としては、平織、綾織、朱子織など、どのような織組織であってもよい。また、織物、編物では、2種類の繊維を用い、交織、交編させてもよい。
特に、外層に用いられる布帛として、本発明において、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維は混紡して紡績糸の形態で使用するものが好ましく例示されるが、該パラ系のアラミド繊維の混合比率としては、布帛を構成する全繊維に対して5重量%以上が好ましいが、パラ系のアラミド繊維は、フィブリル化を起こしやすいため、混合比率を60重量%以下に抑えることが好ましい。
なお、外層(表地層)に用いる布帛は、目付が、好ましくは140〜500g/m、好ましくは160〜400g/m、さらに好ましくは200〜400g/mの範囲にあるものを使用することが望ましい。上記目付が140g/m未満の場合には、十分な耐熱性能が得られない恐れがあり、一方該目付けが500g/mを超える場合には、遮熱活動服にした場合の着用感が阻害されるので好ましくない。
一方、本発明においては、内層を構成する繊維の限界酸素指数(LOI)が21以上であり、好ましくは24以上である。これにより高い耐熱性を発揮することができる。
本発明においては、内層が、引張弾性率が80〜800cN/dtex、該布帛の熱伝導率が6.0W・m−1・k−1以下、好ましくは5.0W・m−1・k−1以下、かつ比重が3.0g/cm以下の繊維で構成された布帛であり、800〜3000nmの波長の電磁波の透過率が10%以下、目付が60〜500g/mであることが肝要である。これらの要件を同時に満たしたとき、初めて本発明の課題を達成することが可能となる。
すなわち、繊維の引張弾性率は、80〜800cN/dtexであり、好ましくは80〜460cN/dtex、より好ましくは120〜500cN/dtexである。引張弾性率が80cN/dtex未満の場合、遮熱活動服として使用する場合に、着用者の動きや姿勢によっては一部の部位で繊維が伸びて、布帛が薄くなり十分な遮熱効果が得られない場合がある。また、引張弾性率が800cN/dtexを超える場合、いわゆる「突っ張る」着用感を与える場合がある。紡績糸を用いることによりこれを避けることも可能な場合もあるが、いかなる糸や布帛としても十分な効果を発揮するには引張弾性率が800cN/dtex以下である必要がある。
また、繊維の熱伝導率が6.0W・m−1・k−1以下、好ましくは5.0W・m−1・k−1以下、かつ繊維の比重が3.0g/cm以下、好ましくは2.0g/cm以下である。これらを同時に満たさない場合、熱を繊維あるいは繊維近傍の空間に溜め込みすぎて繊維または布帛自体の熱が上がり過ぎる場合がある。また、熱が狭い範囲に溜まってその部位がやけどを負ってしまう危険がある。よって、熱が適度に集中せずに逃げる、すなわち加熱初期には一定レベルまでは熱を吸収し溜め込んでも、当該レベル以上では熱を溜めず周囲に拡げることが必要である。つまり、比熱は重量当たりの熱の容量であるが、本発明では、体積あたりの熱の容量が一定レベル以上であることが必要である。
さらに、布帛の800〜3000nmの波長の電磁波の透過率は10%以下、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下である。上記電磁波を吸収または反射することにより布帛の裏側、すなわち肌側に電磁波を透過させない必要がある。
本発明においては、布帛の目付は60〜500g/mであり、好ましくは80〜400g/m、より好ましくは100〜350g/mである。目付が60g/mより低いと電磁波の透過を十分に防ぐことができない場合がある。一方、目付が500g/mより高いと、熱を溜め込む傾向が顕著になり遮熱性を阻害し、軽量性の点からも好ましくない。本発明の目的を阻害しない範囲であれば、電磁波の透過を防ぐ観点から250g/mを超える目付を採用してもよい。
上記の内層に用いる布帛を構成する繊維には、上記LOI値等の条件を満たせば材料やその構成に限定を受けるものではない。電磁波の吸収や反射を向上させるために、金属やカーボンなどを練り込んだり、表面付着させたりしたものを用いることも可能である。上記繊維としては、炭素繊維を用いることもができるが、アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維、ポリクラール繊維、難燃アクリル繊維、難燃レーヨン繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃綿繊維、難燃ウール繊維などの有機高分子からなる繊維(以下、有機高分子繊維と称することがある)を好適に挙げることができる。
本発明においては、前記の電磁波吸収率と熱伝導率を同時に満足させるため、カーボン、金、銀、銅、アルミニウムなどの微粒子を、有機高分子繊維に含有させたり、有機高分子繊維の表面に付着させたりすることができる。この際、カーボン等は、これを含有する顔料または塗料として有機高分子繊維に含有または表面に付与等してもよい。これらの微粒子の有機高分子繊維の全重量に対する含有率または付着率は、微粒子の比重等にもよるが、好ましくは0.05〜60重量%、より好ましくは0.05〜40重量%である。また、カーボン微粒子の場合は、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05重量%以上5重量%未満である。さらに、アルミニウム微粒子の場合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
また、上記微粒子の数平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下である。
炭素繊維や金属繊維など、それ自体が上記のLOI値や熱伝導性等の要件を満たせば、微粒子を練り込んだりすることなく、そのまま用いることもできる。特に、内層を構成する繊維としては、炭素繊維や金属繊維の含有率が好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは100重量%からなる布帛を好ましい例として挙げることができる。
本発明においては、布帛の形状は、不織布、織物、編物などであっても良いが、電磁波を吸収または反射し、肌側に電磁波を通過させない観点から、より密な布帛構造を取りうる、織物の形状が好ましい。該織物の構造としては平織物、綾織物、朱子織物などを採用でき、特に綾織物が好ましい。
以上の本発明の積層布帛には、上記の外層と内層の間に、中間層として、LOI値が25以上の繊維からなる布帛に透湿防水性フィルムを積層固着した布帛を配することも可能であり、これにより布帛構造体としての快適性を保持したまま外からの水の浸入を抑えることができ、放水などが行われる消防活動を行う消防隊員用の防火服としてより好適である。用いる布帛の目付は、50〜200g/mの範囲にあるものを使用することが好ましい。目付が50g/m未満の場合には、十分な遮熱性能が得られない恐れがあり、一方該目付けが200g/mを超える場合には、遮熱活動服にした場合の着用感が阻害されるので好ましくない。この布帛は、透湿防水性のあるポリテトラフルオロエチレン等からなる薄膜フィルムをラミネート加工されていることが好ましく、これにより透湿防水性や耐薬品性が向上し、着用者の汗の蒸散を促進することができ、着用者のヒートストレスを減少することができる。上記の中間層にラミネート加工する薄膜フィルムの単位面積あたりの目付は10〜50g/mの範囲とすることが好ましい。なお、このように中間層の布帛に薄膜フィルムをラミネート加工する場合でも、該加工を施した中間層の布帛の目付が前述した50〜200g/mの範囲にあることが好ましい。
また、本発明の積層布帛には、肌触りや着用性および耐久性などの実用性を考慮して、内層の更に内側、すなわち肌側に裏地層を追加することも可能である。該裏地層に用いる布帛の目付は、20〜200g/mの範囲にあるものを使用することが好ましい。
裏地層は、前述のメタ型アラミド繊維、パラ型アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維をはじめとする難燃性繊維などを素材とする、織物、編物、不織布などが用いられる。
本発明の積層布帛は、例えば、外層の布帛、内層の布帛、必要に応じてこの間に中間層の布帛を挟み、さらに必要に応じて内層のさらに内側に裏地層となる布帛を追加して、これらの布帛を重ねて公知の方法により縫製することにより製造することができる。また、本発明の積層布帛は、外層と、内層とを重ね合わせ、ファスナーを取付けてこれらの布帛を縫製し、ファスナーを外すことにより、これらの布帛を必要に応じて分離できるようにしてもよい。
本発明の遮熱活動服は、以上に説明した積層布帛を用いてなる。上記積層布帛を遮熱活動服とするには、公知の方法で縫製などして製造することができる。この際、上記と同様に外層と内層の布帛は相互に接合されている必要はなく、重ね合わせて縫合したものでよい。また、前述したように、内層の布帛はファスナーなどを使用して外層の布帛から取り外し可能としてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中の各物性は、下記の方法により測定した。
[測定方法]
(1)目付け
JIS L 1096に準拠した方法により測定した。
(2)厚み
JIS L 1096−90(織物)またはJIS L 1018−90(編物)に準拠した方法により、ディジマティック厚さ試験機を用いて測定を行った。
(3)限界酸素指数(LOI)
JIS L 1091(E法)に準拠した方法により測定した。
(4)繊維の熱伝導率
熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社製、型式:LaserPIT)を用いて、光交流法により対象繊維長手方向(繊維軸方向)の熱拡散率(α)を求めた。試験片は単繊維をバンドル化したものを用い、照射光 半導体レーザー、温度センサー E熱伝対(線径100μm、銀ペースト接着)、真空雰囲気下、25℃の条件で測定を実施することにより熱拡散率を測定した。
次いで、JIS K 7123法により測定した比熱容量(Cp)、そして密度勾配管法(N−ヘプタン/四塩化炭素、25℃)により測定した密度(ρ)より、熱伝導率(κ)を次式により計算した。
κ=αρCp
(5)比重
JIS K 7112(プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法)に準拠した方法により測定した。
(6)微粒子の数平均粒子径
微粒子の数平均粒子径は、繊維を切断し、断面を電子顕微鏡により倍率10万倍で観察した際の25μmの観察断面積当りの平均粒子分散面積S(μm)としたとき、下記式により計算される(Y)を分散平均相当径とした。
Y(nm)=2×√(S/π)
(7)遮熱性
ISO9151に準拠した方法により、規定の火炎に暴露し、温度上昇が24℃に達するまでの時間(HTI24)を測定した。この時間が長いほど、遮熱性能に優れている。
(8)快適性
ASTM F1868に準拠した方法により全熱損失量(THL)(単位W/m)を測定した。この値が大きいほど、遮熱活動服が快適性に優れていることを示す。
(9)800〜3000nmの波長の電波の透過率
日本化学繊維協会ガイドライン法に基づくKEC法にて測定した。
[微粒子]
各材料は、以下のとおりの方法、手順で準備した。
(1)カーボン微粒子(カーボンブラック)
カーボン粉末(大日精化(株)製「カーボンブラックFD−0721」を用いた。数平均粒子径は0.36μmであった。
(2)アルミニウム微粒子
住友化学工業株式会社製の結晶型がα型の酸化アルミニウム微粒子(AKP−30)を用いた。数平均粒子径は0.40μmであった。
[アラミド繊維および微粒子を含有するアラミド繊維の製造方法]
ポリマー溶液(ドープ)の調製と、カーボンブラック、アルミニウムのブレンド製糸は以下の方法によった。
窒素を内部にフローしている錨形攪拌翼を有する混合槽に水分率約20ppmのN−メチル−2−ピロリドン(以降NMPと称す)2,051gを投入し、パラフェニレンジアミン2,764gと3,4’−ジアミノジフェニルエーテル5,114gとを精秤して投入し溶解させた。このジアミン溶液にその温度が30℃、攪拌回転数が64回/分の状態においてテレフタル酸クロライド10,320gを精秤して投入した。溶液の温度が反応熱によって53℃まで上昇したのち60分間加熱して85℃とした。85℃でさらに15分間攪拌を続けて溶液の粘度上昇が終了したことをもって重合反応終了とした。
この後、水酸化カルシウム22.5重量%を含有するNMPスラリー16.8kgを投入し、20分間攪拌を続けてpH5.4としたドープを目開き30μmのフィルターで濾過してポリマー濃度6重量%のポリマー溶液(以降ドープと称す)調製を完了した。その後、アルミニウム微粒子(または、金、銀、銅などの微粒子)をこのポリマー液に添加して再度30分間攪拌を続けて微粒子を分散させた。
得られた微粒子入りポリマー溶液を、計量ポンプを経てパック・紡糸ノズルより吐出後、ドライジェット紡糸で引き取り、凝固・乾燥・熱延伸・仕上げ油剤付与を経て製品を巻取り、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーンを得た。
カーボンブラックの繊維への添加の場合は、カーボンブラックのブレンド製糸紡糸ヘッドへ送液中の上記のドープに対して、カーボンブラックのNMPスラリーを10〜20kg/cmの圧力で定量圧入し、直ちにダイナミックミキシングを施し引き続いてスタティックミキサー20段以上による十分な混合作用を与えた後、計量ポンプを経てパック・紡糸ノズルより吐出後、ドライジェット紡糸で引き取り、凝固・乾燥・熱延伸・仕上げ油剤付与を経て製品を巻取り、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーンを得た。
[外層、内層、中間層、裏地層]
(1)織物1〜5(内層)
炭素繊維ヤーン(東邦テナックス製、商標名「テナックス」、総繊度670dtex、引張弾性率1240cN/dtex、熱伝導率3.8Wm−1・K−1)を経糸および緯糸に用い、レピア織機により、表1に記載の目付110〜310g/mの綾織物を作成した。なお、目付の変更は、経糸、緯糸の打ち込み本数を変更し、織密度を調整することによって行った。
(2)織物6〜13(内層)
前記のアラミド繊維および微粒子を含有するアラミド繊維の製造方法に従い、表1に記載の含有率となるようカーボンまたはアルミニウム微粒子を含有させたコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーン(総繊度1670dtex、引張弾性率520cN/dtex)を作成した。なお、織物11は、カーボンをブレンドしなかった。得られた繊維を用い、レピア織機により製織し、表1に記載の目付210g/mおよび160g/mの綾織物を作成した。目付の変更は、経糸、緯糸の打ち込み本数を変更し、織密度を調整することによって行った。
(3)織物A、織物B(外層)
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人製、商標名「コーネックス」、平均単繊維繊度2.2dtex、引張弾性率83cN/dtex、繊維長51mm)とコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人製、商標名「テクノーラ」、単繊維繊度1.5dtex、引張弾性率83cN/dtex、繊維長51mm)とを混合重量比率が90:10となる割合で混合した混紡糸を用いて40番手双糸の紡績糸を製紡し、これを用いて平織リップストップに織成した織物を公知の方法で作成し、精練処理し、布帛表面にある糊剤、油剤を除去した。この布帛を外層として用いた。織物Aは目付が380g/m、織物Bは目付が280g/mであった。
(4)織物C(中間層)
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人製、商標名「コーネックス」、平均単繊維繊度2.2dtex、引張弾性率83cN/dtex、繊維長51mm)とコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人製、商標名「テクノーラ」、平均単繊維繊度1.7dtex、引張弾性率520cN/dtex、繊維長51mm)とを混合重量比率が90:10となる割合で混紡し40番手の紡績糸とし、これを織成した織布(目付75g/m、繊維のLOI値25)に、ポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(ジャパンゴアテックス製、目付35g/m)をラミネートしたものを使用した。
(5)織物D(裏地層)
コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーン(帝人株式会社製、商標名「テクノーラ」、平均単繊維繊度0.83dtex、総繊度830dtexのマルチフィラメントヤーン)を用い、目付80g/mの平織物を作成した。
[実施例1〜11、比較例1〜4]
以上のようにして得られた、織物A、Bを外層に、織物1〜13を内層に、実施例9、10では織物Cを中間層に、実施例10、11では織物Dを裏地層(追加裏地)に用い、各布帛を表1の構成となるように積層して積層布帛を得た。得られた積層布帛の評価結果を表1に示す。
Figure 2014091307
本発明の遮熱活動用積層布帛は、軽量と快適性そして高い遮熱性や電磁波遮蔽性も併せ持ち、該積層布帛を用いることにより消防服をはじめとする高温環境下での作業服など、遮熱活動服の用途に有用である。

Claims (7)

  1. 外層及び内層の2層以上の布帛からなり、遮熱活動服に用いた際、内層が肌側に配される遮熱活動服用積層布帛であって、外層が、JIS L 1091 E法で測定したLOI値(限界酸素指数)が21以上の繊維で構成された布帛であり、内層が、JIS L 1091 E法でLOI値(限界酸素指数)が21以上、引張弾性率が80〜800cN/dtex熱伝導率が6.0Wm−1・K−1以下、比重が3.0g/cm以下の繊維で構成され、800〜3000nmにおける波長の電磁波の透過率が10%未満、目付が60〜500g/mであることを特徴とする遮熱活動服用積層布帛。
  2. 内層の布帛を構成する繊維が、炭素繊維からなる請求項1記載の遮熱活動服用積層布帛。
  3. 内層の布帛を構成する繊維が、有機高分子からなり、ガーボン微粒子、または、カーボンを含む顔料または塗料を該繊維の全重量を基準として0.05重量%以上含むまたは付与された請求項1記載の遮熱活動服用積層布帛。
  4. 内層の布帛を構成する繊維が、有機高分子からなり、アルミニウム微粒子を該繊維の全重量を基準として1重量%以上含む請求項1に記載の遮熱活動服用積層布帛。
  5. 外層及び内層の間に中間層を有し、該中間層がJIS L 1091 E法でLOI値(限界酸素指数)が25以上の繊維からなる布帛に透湿防水性フィルムを積層固着した布帛である請求項1〜4いずれかに記載の遮熱活動服用積層布帛。
  6. 遮熱活動服に用いた際、内層よりさらに肌側に配される、裏地層を有する請求項1〜5いずれかに記載の遮熱活動服用積層布帛。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の遮熱活動服用積層布帛を用いた遮熱活動服。
JP2012244550A 2012-11-06 2012-11-06 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服 Pending JP2014091307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012244550A JP2014091307A (ja) 2012-11-06 2012-11-06 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012244550A JP2014091307A (ja) 2012-11-06 2012-11-06 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014091307A true JP2014091307A (ja) 2014-05-19

Family

ID=50935736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012244550A Pending JP2014091307A (ja) 2012-11-06 2012-11-06 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014091307A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018021275A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 帝人株式会社 積層布帛および繊維製品
WO2019026439A1 (ja) 2017-07-31 2019-02-07 帝人株式会社 深部体温推定システム、ヒートストレス警報システム、及び、深部体温推定方法
GB2571264A (en) * 2018-02-16 2019-08-28 Heathcoat Fabrics Ltd Breathable, heat-reflecting textile articles

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01272821A (ja) * 1988-04-25 1989-10-31 Asahi Chem Ind Co Ltd 耐屈曲性改良ポリオキシメチレン超延伸線条体
WO2011087125A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 帝人テクノプロダクツ株式会社 防護服用積層布帛およびそれを用いた防護服
JP2011246836A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd トリコットストレッチ編地

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01272821A (ja) * 1988-04-25 1989-10-31 Asahi Chem Ind Co Ltd 耐屈曲性改良ポリオキシメチレン超延伸線条体
WO2011087125A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 帝人テクノプロダクツ株式会社 防護服用積層布帛およびそれを用いた防護服
JP2011246836A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd トリコットストレッチ編地

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018021275A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 帝人株式会社 積層布帛および繊維製品
WO2019026439A1 (ja) 2017-07-31 2019-02-07 帝人株式会社 深部体温推定システム、ヒートストレス警報システム、及び、深部体温推定方法
GB2571264A (en) * 2018-02-16 2019-08-28 Heathcoat Fabrics Ltd Breathable, heat-reflecting textile articles

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5620412B2 (ja) 防護服用積層布帛およびそれを用いた防護服
EP2644759B1 (en) Flame resistant fabric and garments made therefrom
US10030326B2 (en) Lightweight, dual hazard fabrics
JP6388659B2 (ja) 布帛および繊維製品
JP6282272B2 (ja) 耐洗熱特性および快適性のための繊維混合物
US8732863B2 (en) Fiber blends for garments with high thermal, abrasion resistance, and moisture management properties
US20160237594A1 (en) Flame Resistant Fiber Blends and Flame Resistant Yarns, Fabrics, and Garments Formed Thereof
US8793814B1 (en) Flame resistant fabric made from a fiber blend
JP6170814B2 (ja) 布帛および繊維製品
JP5400459B2 (ja) 耐熱性防護服
JP4690806B2 (ja) 耐熱性布帛、およびこれを用いた耐熱性防護服
JP2014091307A (ja) 遮熱活動服用積層布帛およびそれを用いた遮熱活動服
WO2021100387A1 (ja) 布帛および防護製品
JP5400530B2 (ja) 耐熱性防護服
JP2009263809A (ja) 耐熱性積層構造体およびそれからなる耐熱性防護服
JP5390347B2 (ja) 軽量耐熱防護服
JP2014091890A (ja) 遮熱活動防護服用布帛およびそれを用いた遮熱活動防護服
JP2007092209A (ja) 耐熱性布帛及びそれからなる耐熱性防護服
JP7465694B2 (ja) 防護用生地およびフード
JP7505946B2 (ja) 耐熱性防護服
JP2021147716A (ja) 耐熱布帛および繊維製品
JP2020026598A (ja) 織物および防護製品
JP2004315992A (ja) 耐熱性布帛及びその製造方法、並びにそれからなる耐熱性防護服

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161115