JP2014087761A - 乾燥室装置 - Google Patents

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和彦 河口
Ryuta Yokooji
龍太 横大路
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Abstract

【課題】 外部の湿気が侵入する事が少なく、露点を低く維持できるとともに、消費エネルギーの少ない乾燥室装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、除湿ロータ4を有する除湿機を有し、除湿機の吸着ゾーン7を出た乾燥空気を乾燥室17内に供給するとともに、乾燥室17内の空気を流量調節を行うダンパ21を介して除湿機の吸着ゾーン7及びパージゾーン5に戻し、パージゾーン5を通過した空気は除湿機の再生ゾーン6を通過後、除湿機の再生ゾーン3を通過させて外部に放出されるようにし、また外気は除湿機の吸着ゾーン2を通過して乾燥室17内還気とともに除湿機の吸着ゾーン7に入るようにし、さらに乾燥室17内の圧力を外部の圧力より僅かに高く、乾燥室17のどの部分も正圧となるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高い乾燥度を容易に維持でき、二酸化炭素濃度も低く維持できる乾燥室装置に関するものである。
シリカゲルやゼオライトなどの湿気吸着剤を担持したハニカムロータを用いた除湿機で乾燥空気をつくり、これを密閉した室内に送って乾燥した部屋(以下「乾燥室」という)は、リチウム電池(電極にリチウムを使う一次電池や二次電池)の製造や実験、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)或いは特定の薬品など、湿度を極端に嫌うものの生産や実験に用いられている。リチウム電池の実験や生産の場合には、露点がマイナス40度(以下の説明で、温度は全て摂氏を意味する。)以下の乾燥した空気が求められる。
このような乾燥室として、内部に人が入ることの出来るドライルーム(登録商標)と呼ばれるものと、人が入れる大きさではなく外部から手袋を介して手を挿入し、内部で操作を行うグローブボックスと呼ばれるものがある。
どちらのものも、外気が不用意に侵入すると、室内の空気の露点が簡単に上がってしまうと言う問題がある。このため、特許文献1に示すように、室内の圧力を外気圧より高くして、外気が内部に侵入しないようにしたものがあった。
また、リチウムは空気中の二酸化炭素によって炭酸リチウムになるため、リチウム電池の開発に伴う実験や、リチウム電池の量産を行う環境からは、二酸化炭素を除去する事が望ましい。このために、特許文献2に示されるように除湿を行いながら二酸化炭素を除去する装置を用いることが考えられる。
特開平11−094299号公報 特開2002−126438号公報
解決しようとする問題点は、室内へ湿気が侵入するのを防止できない点や、室内から二酸化炭素を除去しつつ室内の気圧を所望値にできない点である。
即ち、特許文献1に開示されたもののように、室内の圧力を外気よりも高くして外気が室内に侵入しないようにしても、室外から湿気が侵入するという問題がある。つまり、室内の圧力を外気よりも高くすると、その圧力を逃がすために、ドアや窓や、その他の部分に隙間が生じ、その隙間から室内空気が外に洩れる。もし隙間が生じないと、室内の圧力が上昇してしまうため、この隙間は必須である。そしてこの隙間によって、空気が内部から外部に流れるが、この空気の流れにも係らず、隙間の壁面に沿って湿気の拡散が生じ、外部から室内に湿気が侵入する。
別な表現をすると、湿気(水の分子)は湿度の高い方から低い方へ壁面に沿って移動するので、少しの隙間があっても侵入する。そしてこの隙間に湿気の移動方向と逆向きの空気の流れがあっても、その流れに逆らって湿気は移動するという問題があった。これは湿気が壁面に沿って移動するため、その移動方向と逆向きの空気の流れがあっても、その空気の流れでは湿気の移動を阻止できないことが原因である。この湿気の移動について一般に知られておらず、以下「逆拡散」と表現する。
また、特許文献2に示すような装置によると、除湿ロータの再生空気を外部に放出する一方で、除湿空気を室内に供給するため、気圧を外部よりも僅かに正圧に保つことは極めて困難であった。つまり室内の圧力を所定の値に維持するには、圧力センサを設け、このセンサの出力に応じて、ブロアの運転を制御するのであるが、ブロアはモータやファンを有しており、回転物の慣性によって、制御に対する応答性が悪い。
本発明は除湿機を有し、除湿機の吸着ゾーンを出た乾燥空気を室内に供給するとともに、室内空気を流量調節ダンパを介して除湿機の吸着ゾーン及びパージゾーンに戻し、パージゾーンを通過した空気は除湿機の再生ゾーンを通過させて外部に放出されるようにし、また外気は室内還気とともに除湿機の吸着ゾーンに入るようにし、ブロアの回転を制御するのではなく、流量調節ダンパによって乾燥室内の気圧を外部よりも僅かに正圧に保つことを最も主要な特徴とする。ここで僅かな正圧とは、具体的な数値としては10Pa〜30Paである。この程度の正圧であると、乾燥室からの還気のための還気口付近でも負圧が発生せず、即ち乾燥室のどの部分でも負圧にならない範囲でできるだけ小さな圧力となる。つまり、どの部分でも負圧にならないように設定し、この状態で最も低い圧力となるように設定する。こうする事によって、ドアや窓の隙間を正圧によって押し広げながら空気が外に出ることがないようになる。以降、この程度の正圧を「僅かな正圧」と定義する。
本発明の乾燥室装置は、上記の構成によって室内に供給される空気量と、室内からの還気の量とが等しくなる。このため、室内空気が隙間などから排気されることがなく、排気に伴って開口された部分から外部の湿気が逆拡散によって入ることがないため、露点を低く維持できるという利点がある。つまり室内空気の圧が高いと、室内空気はドアや窓の隙間を押し広げながら外部へ洩れる。この押し広げによって生じる隙間をとおして、湿気の逆拡散が発生する。
また、室内還気を除湿した上で、再び室内に戻しているため外気との混合が少なく、外気に含まれる二酸化炭素が入ることが少ない。特に除湿機の除湿ロータとして、湿気とともに二酸化炭素の吸着作用を有する合成ゼオライトを用いると、湿気とともに二酸化炭素も吸着し、外部に放出できる。これによって、室内の二酸化炭素濃度が下がるという利点がある。室内に人が居る場合、酸素が減少するが、酸素は空気中に約20%もあり、人の代謝で失われる酸素は無視できる範囲である。
このように、室内の気圧を外部よりも僅かに正圧に保つ事によって、外部からの湿気の逆拡散を防止し、さらに二酸化炭素濃度も下げることができる。これによって、特にリチウム電池の実験や生産を行った場合に、リチウム電池に悪影響を与えることがない。
また、室内の気圧を外部よりも僅かに正圧に保つ事によって、室内の空気の還気出口付近の空気圧が負圧にならず、この負圧によって外部の空気が侵入してくることがない。よって除湿負荷を最小にすることができる。つまり乾燥室のどの部分でも負圧にならない範囲で、できるだけ低い正圧となるように還気通路に設けたダンパを制御するようにすることによって、外部からの湿気の侵入を防止することができる。
図1は本発明の乾燥室装置の実施例1を示したフロー図である。 図2は本発明の乾燥室装置の実施例2を示したフロー図である。
本発明は、除湿機を有し、除湿機の吸着ゾーンを出た乾燥空気を室内に供給するとともに、室内空気を流量調節ダンパを介して除湿機の吸着ゾーン及びパージゾーンに戻し、パージゾーンを通過した空気は除湿機の再生ゾーンを通過させて外部に放出されるようにし、また外気は除湿機の吸着ゾーンを通過して室内還気とともに除湿機の吸着ゾーンに入るようにし流量調節ダンパによって前記乾燥室内の圧力を僅かに正圧に保つことによって、逆拡散を防止し、室内の環境を低露点に維持するという目的を、現実的な手段によって実現した。
本発明の実施例1について図1に沿って以下のとおり説明する。4は除湿ロータであり、シリカゲルやゼオライトなどの湿気吸着剤が担持されたハニカム体である。また除湿ロータ4は、パージゾーン5、及び再生ゾーン6、吸着ゾーン7に分割され、分割比は1:1:3であり、各ゾーンを通過する風量比は1:1:4である。
8はフィルターであり、外気から塵埃を除去するものである。11はダンパであり、外気の空気量を調節するものである。12はプリクーラであり、外気を冷却するもので、冷凍機13から冷媒が供給されている。14はブロアで、その吸引力によって外気を、フィルター8、ダンパ11、プリクーラ12、吸着ゾーン7と通過させるものである。またブロア14の吐き出し側は2つに分岐され、一方は除湿ロータ4の吸着ゾーン7、他方はパージゾーン5へ空気を送る。
15はアフタークーラであり、吸着ゾーン7を出て温度の上昇した乾燥空気を冷却するもので、冷凍機13から冷媒が供給されている。16はアフターヒータであり、アフタークーラ15によって冷却された空気を乾燥室17に、所望の温度で供給するために設けられている。
ここで、わざわざ冷却した空気を加熱するのは、無駄のように見えるが、次の理由による。つまり、冷媒を気化して空気を冷却するクーラーは、温度調節をするためには冷媒の流量をバルブで調整しなければならず、細かな調整が困難である。これに対し、ヒータとして電気ヒータを用いると、サイリスタを利用して電流を細かく断続する装置が一般に市販されており、温度調節を細かく行う事ができる。
18は再生ヒータであり、パージゾーン5を出た空気を加熱するもので、これにより再生ゾーン6に送られる空気の温度が上昇する。20は排気ブロアであり、再生ゾーン6を通過した空気を大気放出するものである。
以上のとおり、本発明の乾燥室装置は構成されており、乾燥室17内の空気の露点はマイナス40度程度に保たれる。除湿ロータ4は除湿ロータ4の湿気吸着剤として、二酸化炭素の吸着作用も持つ合成ゼオライトを用いると、乾燥室17内の二酸化炭素濃度が次第に下がって来る。つまり、乾燥室17内の空気は、ダンパ21、プリクーラ12、ブロア14、吸着ゾーン7、アフタークーラ15、アフターヒータ16を通して、再び乾燥室17内に戻って来る。よって、二酸化炭素は吸着ゾーンで吸着され、次第に外部に放出される。
乾燥室17内の圧力が所定値、つまり10Pa〜30Pa以上になった場合は、ダンパ21を開けると、プリクーラ12の出口側にブロア14の吸い込み口が連結されるとともにプリクーラ12の入口側にダンパ21が連結されているため、この部分は常に負圧であり、乾燥室17内の空気はダンパ21を介して吸い出され、乾燥室17内の圧力が下がる。逆に乾燥室17内の圧力が上記所定値より低くなった場合は、ダンパ21を閉じることで、ブロア14の吐き出し圧によって乾燥室17内の圧力が高くなる。
再生ゾーン6を通過する空気量を増加させたい場合は、ダンパ11の開放度を大きくし、逆の場合はダンパ11の開放度を小さくする。このようにして、乾燥室17内の圧力や再生ゾーン6を通過する空気量を調節することができる。乾燥室17内の空気の露点を調整することができる。
合成ゼオライトの二酸化炭素の吸着作用は、水分の吸着作用よりも一般に弱いのであるが、吸着ゾーン7に入って来る空気は、乾燥室17からの還気と外気を混合しプリクーラで凝縮除湿した空気で、湿度が低いために二酸化炭素の吸着が効果的に行われる。
また、上記のとおり乾燥室17内部の気圧をダンパ11及びダンパ21によって僅かに正圧に保つことができるため、乾燥室17から隙間をとおして排気されたり、外部の空気が侵入することがない。このため、空気の出入りによって隙間が広がることがなく、逆拡散による湿気の侵入がない。これによって、乾燥室17内の空気の露点が低く維持できるとともに、外部から侵入した湿気の排除にエネルギーを費やすことがなく、結果として省エネルギーとなる。
ここで、乾燥室17のドアが外開きである場合に乾燥室17に人が入るためにドアを開けると、乾燥室17内の圧力が短時間ではあるが、負圧になる可能性がある。この場合に外部の空気が隙間から入って来て、乾燥室17内の空気の露点が上昇する。しかし、乾燥室17内の圧力は、僅かに正圧に維持されており、外部からの空気の侵入が抑制される。
また、乾燥室17内の空気は、ダンパ21を介してブロア14に吸い込まれている。つまり乾燥室17の還気口の付近は負圧になる可能性があるが、上記の僅かな正圧によって、負圧にならないように維持される。これによって、還気口の付近に窓などがあっても、窓枠とガラスの間の隙間から外部の空気が侵入することがない。
なお、乾燥室17には緊急開放弁(図示せず)が設置されており、例えばダンパ21の故障などで乾燥室17内の圧力がマイナス5Pa以下になった場合、あるいは105Pa以上になった場合には、この弁が作動し、乾燥室17が開放される。
乾燥室17に送られる空気のうち、循環でなく外部からの空気はパージゾーン5を通過する空気量、すなわち再生ゾーン6を通過する空気量と等しくなる。乾燥室17内に居る人の数が増えると、酸素の要求量が増加するとともに、湿気の放出も増加する。この場合は、ブロア20の出力を増加して、パージゾーン5を通過する風量を増やすことで外気の導入量が増加して酸素の供給が増加し、除湿ロータ4の再生も進むため、乾燥室17内の湿度も維持される。
本発明の実施例2について図2に沿って以下のとおり説明する。ここで、上記の実施例1と同じ構成物については同じ番号を付与し、重複した説明を省略する。実施例1のものに対し実施例2のものは、前段の除湿装置が追加され、より低露点の空気が供給できるようになっている。
1は第1の除湿ロータであり、シリカゲルやゼオライトなどの湿気吸着剤が担持されたハニカム体である。また除湿ロータ1は、吸着ゾーン2及び再生ゾーン3に分割され、分割比及び風量比は1:1である。4は第2の除湿ロータであり、これもシリカゲルやゼオライトなどの湿気吸着剤が担持されたハニカム体である。また除湿ロータ4は、パージゾーン5、及び再生ゾーン6、吸着ゾーン7に分割され、分割比及び風量比は1:1:6である。
8はフィルターであり、外気から塵埃を除去するものである。9はプリクーラであり、冷凍機10からの冷媒によって外気を冷却するものである。11はダンパであり、吸着ゾーン7を出る空気量を調節するものである。12はプリクーラ(インタークーラ)であり、吸着ゾーン2を出て温度の上昇した乾燥空気を冷却するもので、冷凍機13から冷媒が供給されている。
14はブロアで、その吸引力によって外気を、フィルター8、プリクーラ9、吸着ゾーン2、ダンパ11、プリクーラ(インタークーラ)12、吸着ゾーン7と通過させるものである。またブロア14の吐き出し側は2つに分岐され、一方は除湿ロータ4の吸着ゾーン7、他方はパージゾーン5へ空気を送る。
15はアフタークーラであり、吸着ゾーン7を出て温度の上昇した乾燥空気を冷却するもので、冷凍機13から冷媒が供給されている。16はアフターヒータであり、アフタークーラ15によって冷却された空気を乾燥室17に、所望の温度で供給するために設けられている。
ここで、わざわざ冷却した空気を加熱するのは、無駄のように見えるが、次の理由による。つまり、冷媒を気化して空気を冷却するクーラーは、温度調節をするためには冷媒の流量をバルブで調整しなければならず、細かな調整が困難である。これに対し、ヒータとして電気ヒータを用いると、サイリスタを利用して電流を細かく断続する装置が一般に市販されており、温度調節を細かく行う事ができる。
18は再生ヒータであり、パージゾーン5を出た空気を加熱するもので、これにより再生ゾーン6に送られる空気の温度が上昇する。再生ゾーン6を出た空気は、脱着熱によって温度が下がり、また湿度が上昇する。この空気は、再生ヒータ19によって加熱され、温度の上昇した空気は相対湿度が下がって、前段除湿機の除湿ロータ1の再生ゾーン3へと送られる。
再生ゾーン3に送られた空気によって、除湿ロータ1に吸着された湿気は脱着される。再生ゾーン3を出て、温度が下がり湿度の上昇した空気は、ブロア20によって外部に放出される。
21はダンパであり、乾燥室17からの還気をプリクーラ12の前に戻す空気量を調節するものである。このダンパ21を調整して、乾燥室の圧力を僅かに正圧に保つ。ここで、乾燥室がクリーンルーム内にある場合は、そのクリーンルームの室内圧よりわずかに高くする。
なお、上記のとおり実施例2の除湿機は前段と後段との2段に構成されている。よって前段除湿機の吸着ゾーン2を出た空気の露点をそれほど低くする必要がなく、むしろ再生空気の温度が低くても除湿が効果的に行え、省エネルギーにするため、前段除湿機の除湿ロータ1の吸着ゾーン2と再生ゾーン3の分割比及び風量比は1:1としている。また、後段除湿機は吸着ゾーン7出口空気の露点を低くする必要があり、後段除湿機の除湿ロータ4のパージゾーン5、再生ゾーン6、吸着ゾーン7の風量比は1:1:6であり、露点温度を低くしている。実験の結果、乾燥室17内の空気の露点はマイナス80度程度に保たれる。
乾燥室17内の圧力が外部より高くなった場合は、ダンパ21を開けると、プリクーラ(インタークーラ)12の出口側にブロア14の吸い込み口が連結されるとともにプリクーラ(インタークーラ)12の入口側にダンパ21が連結されているため、この部分は常に負圧であり、乾燥室17内の空気はダンパ21を介して吸い出される。逆に乾燥室17内の圧力が外部より低くなった場合は、ダンパ21を閉じることで、ブロア14の吐き出し圧によって乾燥室17内の圧力が高くなる。
再生ゾーン4及び再生ゾーン3を通過する空気量を増加させたい場合は、ダンパ11の開放度を大きくし、逆の場合はダンパ11の開放度を小さくする。このようにして、乾燥室17内の圧力や再生ゾーン6及び再生ゾーン3を通過する空気量を調節することができる。
合成ゼオライトの二酸化炭素の吸着作用は、水分の吸着作用よりも一般に弱いのであるが、吸着ゾーン7に入って来る空気は、乾燥室17からの還気と、除湿ロータ1の吸着ゾーン2を通過した空気の混合であり、湿度が低いために二酸化炭素の吸着が効果的に行われる。
また、上記のとおり乾燥室17内部の気圧をダンパ11及びダンパ21によって僅かに正圧に保つことができるため、乾燥室17から隙間をとおして排気されたり、外部の空気が侵入することがない。このため、空気の出入りによって隙間が広がることがなく、逆拡散による湿気の侵入がない。これによって、乾燥室17内の空気の露点が低く維持できるとともに、外部から侵入した湿気の排除にエネルギーを費やすことがなく、結果として省エネルギーとなる。以下、逆拡散について計算式を用いて説明する。つまり、乾燥室17内の圧力を極めて高くし、隙間から流出する乾燥空気の流速を極めて高くすると逆拡散が生じないのではないかとの仮説を立てることができる。この場合に、どの程度の流速であれば逆拡散が生じないか、計算によって求める。
先ず、乾燥室17外(z=z1)と乾燥室17内(z=z2)の間を隔てる厚さ(z2-z1)の空隙内を、空気(成分A)が(-v)[m/s]の速度で乾燥室17内から乾燥室17外へ吹き出しているとする。(乾燥室17外から乾燥室17内への方向を正とするとv自身は負の値である)。この流れに逆らって水分(B)が乾燥室17外(モル分率xB1)から乾燥室17内(モル分率xB2)へ拡散する速度NBz[mol/m2.s]を求める。
全モル濃度をc[mol/m3]、拡散係数をD[m2/s]とするとき、固定座標を横切る拡散速度Nzは、Fickの法則より、数1及び数2のようになる。ここで数1は空気Aの拡散速度を表し、数2は水分の拡散速度を表す。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
空気と水分の拡散速度の和は、厳密に言えば、混合物の分子数平均の速度v*を用いて数3で表すことができる。
Figure 2014087761
ところが、溶質のモル分率xBが低い時には、分子数平均の速度v*は、質量平均の速度(いわゆる通常の風速)vで近似され、数4のようになる。
Figure 2014087761
数4を数1に代入すると、数1は下記の数5のように表すことができる。
Figure 2014087761
上記の数5は書き換えると、数6のように典型的な線形微分方程数となる。
Figure 2014087761
数6の各項に数7積分因子をかけて整理すると、次の数8のようになる。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
この数8を積分すると、数9のようになる。
Figure 2014087761
これは即ち数10で表すことができる。
Figure 2014087761
この数10に数11及び数12の境界条件を代入すると、数13及び数14のようになる。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
Figure 2014087761
Figure 2014087761
ここで拡散速度を求めると、数15のようになる。
Figure 2014087761
ここで、Peは数16のように定義される。これはべクレー数或いはベクレ数(Peclet number)と呼ばれる無次元パラメータである。
Figure 2014087761
べクレー数は、流速(-v)で運ばれる対流速度と、分子拡散速度の相対的重要性を表す。同様に水分(溶質)Bの拡散速度は数17・数18で表すことができる。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
数17の右辺は分子拡散の寄与、数18は対流の寄与を表す。流速=0の純粋な分子拡散では、数19のようになる。
Figure 2014087761
この値と、水分の拡散速度との比を、拡散速度比Yとして定義すると、これは数20・数21のように表すことができる。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
数15を数12、数13に代入して、モル分比XAに対して整理すると、数22・数23のように空隙内でのモル分率の空間分布が得られる。
Figure 2014087761
Figure 2014087761
ここでZは無次元空間座標で定義され、数24のようになる。ここでZ=0が乾燥室17の外側、Z=1が乾燥室17の内側を示す。
Figure 2014087761
純分子拡散の速度に対する逆拡散の比は数20のYで定義され、この値はペクレー数Peのみの関数となる。Peが0.5以下では、分子拡散支配でYの値は1に近く、流速vの影響は殆ど現れない。一方、Peが5以上ではYは急激に低下し、流速vの効果が顕著となる。したがって、Peが5以上となるように流速vを設定することにより、乾燥室17外からの逆拡散を防止することができる。
つまり、乾燥室17のあらゆる隙間でPeが5以上となるように流速vを設定することにより、乾燥室17外からの逆拡散を防止することができる。このため乾燥室17内の圧力を高くすることによって逆拡散を防止すると、多量の乾燥空気が隙間から流出し、エネルギーの無駄であることが分かる。よって本発明では、乾燥室17の窓やドアの気密を保持するパッキングが乾燥室17内の圧力で外に向かって変形する直前の圧力とし、パッキングの気密が維持できる程度の正圧としている。
上記の実施例1のものを採用するか、実施例2のものを採用するかは、コストや乾燥室17内の湿度負荷、及び求められる乾燥室内露点温度によって決定する。つまり、乾燥室17内に作業者が多数いる場合や乾燥室内露点温度を低くする場合には、除湿能力の高い実施例2のものを採用する。逆に湿度負荷が小さい場合は、よりコストの低い実施例1のものを採用するとよい。
乾燥空気を供給して室内の環境をマイナス露点に維持した乾燥室装置に適用でき、その中で湿度を嫌う製品の製造や、開発実験を行うことができる。
1 除湿ロータ
2 吸着ゾーン
3 再生ゾーン
4 除湿ロータ
5 パージゾーン
6 再生ゾーン
7 吸着ゾーン
8 フィルター
9 プリクーラ
10 冷凍機
11 ダンパ
12 プリクーラ
13 冷凍機
14 ブロア
15 アフタークーラ
16 アフターヒータ
17 乾燥室
18 再生ヒータ
19 再生ヒータ
20 ブロア
21 ダンパ

Claims (5)

  1. 除湿機を有し、除湿機の吸着ゾーンを出た乾燥空気を室内に供給するとともに、室内空気を流量調節ダンパを介して除湿機の吸着ゾーン及びパージゾーンに戻し、パージゾーンを通過した空気を除湿機の再生ゾーンを通過させて外部に放出されるようにし、また外気は室内還気とともに除湿機の吸着ゾーンに入るようにし、前記流量調節ダンパによって前記乾燥室内の気圧を、前記乾燥室のどの部分も正圧であって、かつできるだけ低い圧力になるように維持するようにしたことを特徴とする乾燥室装置。
  2. 除湿ロータは、パージゾーン、及び再生ゾーン、吸着ゾーンに分割され、風量比は1:1:4であることを特徴とする請求項1記載の乾燥室装置。
  3. 前段の除湿機と後段の除湿機を有し、後段の除湿機の吸着ゾーンを出た乾燥空気を室内に供給するとともに、室内空気を流量調節ダンパを介して後段の除湿機の吸着ゾーン及びパージゾーンに戻し、パージゾーンを通過した空気は2後段の除湿機の再生ゾーンを通過後、前段の除湿機の再生ゾーンを通過させて外部に放出されるようにし、また外気は前段の除湿機の吸着ゾーンを通過して室内還気とともに後段の除湿機の吸着ゾーンに入るようにし、前記流量調節ダンパによって前記乾燥室内の気圧を前記乾燥室のどの部分も正圧であって、かつできるだけ低い圧力になるように維持するようにしたことを特徴とする乾燥室装置。
  4. 後段の除湿機の吸着ゾーンを通過した空気の流量を調整するダンパを設けたことを特徴とする請求項3記載の乾燥室装置。
  5. 前段の除湿機の除湿ロータは、吸着ゾーン及び再生ゾーンに分割され、風量比は1:1であり、第2の除湿ロータは、パージゾーン、及び再生ゾーン、吸着ゾーンに分割され、風量比は1:1:6であることを特徴とする請求項3記載の乾燥室装置。
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