JP2014086373A - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硫化物と反応することがなく、かつ、成形工程において材料を乾燥させずにグリーンシート、印刷層、膜等の成形体を作製することが可能な全固体電池およびその製造方法を提供する。
【解決手段】全固体電池10は、正極層11と、負極層12と、正極層11と負極層12との間に介在する固体電解質層13とを備える。正極層11、負極層12、および、固体電解質層13からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む。
【選択図】図1
【解決手段】全固体電池10は、正極層11と、負極層12と、正極層11と負極層12との間に介在する固体電解質層13とを備える。正極層11、負極層12、および、固体電解質層13からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、全固体電池およびその製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子機器の開発に伴い、これらの電子機器のコードレス電源として二次電池の需要が大きくなっている。その中でも、エネルギー密度が高く、充放電可能なリチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われている。
また、携帯用電子機器の機能が多くなるに伴って、その消費電力が著しく増加している。この消費電力の増大に対応するために大容量のリチウムイオン二次電池が必要になってきている。
リチウムイオン二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウム等の金属酸化物、負極活物質として黒鉛等の炭素材料、電解質として、六フッ化リン酸リチウムを有機溶媒に溶解させたもの、すなわち、有機溶媒系電解液が一般に使用されている。このような構成の電池において、活物質量を増加させることにより内部エネルギーを増加させ、さらにエネルギー密度を高くし、出力電流を向上させる試みがなされている。また、電池を大型化すること、電池を車両に搭載することも期待されている。
しかし、上記の構成のリチウムイオン二次電池では、電解質に用いられる有機溶媒は可燃性物質であるため、電池が発火する等の危険性がある。このため、電池の安全性をさらに高めることが求められている。
そこで、リチウムイオン二次電池の安全性を高めるための一つの対策は、有機溶媒系電解液に代えて、固体電解質を用いることである。固体電解質としては、高分子、ゲル等の有機材料、ガラス、セラミックス等の無機材料を適用することが検討されている。その中でも、不燃性のガラスまたはセラミックスを主成分とする無機材料を固体電解質として用いる全固体二次電池が提案され、注目されている。
硫化物を固体電解質として用いる硫化物系固体電池を作製する場合、硫化物が反応性の高い材料であるので、材料を成形するために適用可能な樹脂、溶媒が限定される。そこで、硫化物系固体電池を作製する方法としては、粉体成形工法が一般的に採用されている。
たとえば、国際公開第WO2007/015409号(以下、特許文献1という)には、溶媒としてテトラヒドロフラン、塩化メチレンを用いて硫化物系固体電解質シートを作製することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたテトラヒドロフラン、塩化メチレンを溶媒として用いてグリーンシート、印刷層等の成形体を作製すると、これらの溶媒の沸点(テトラヒドロフラン:66℃、塩化メチレン:40℃)が低く、揮発しやすいために成形工程中に材料が乾燥する。これにより、たとえば、ペーストからスクリーン印刷によって印刷層を形成する場合には、スクリーン版に目詰まりが発生したり、ペーストの粘度が変化したりすることによって、塗布膜が変動するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、硫化物と反応することがなく、かつ、成形工程において材料を乾燥させずにグリーンシート、印刷層、膜等の成形体を作製することが可能な全固体電池およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、全固体電池の構成を種々検討した結果、限定された溶媒を用いると、硫化物と反応することがなく、かつ、成形工程において材料を乾燥させずにグリーンシート、印刷層、膜等の成形体を作製することができることを見出した。この知見に基づいて、本発明に従った全固体電池は、次のような特徴を備えている。
本発明に従った全固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを備える。正極層、負極層、および、固体電解質層からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む。
本発明の全固体電池において、単環式モノテルペンかつ三級アルコールである化合物は、テルピネオール、4‐テルピネオール、および、ジヒドロテルピネオールからなる群より選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
また、本発明の全固体電池において、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルである化合物は、酢酸テルピニル、酢酸メンチル、および、ジヒドロテルピネオールアセテートからなる群より選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の全固体電池において、固体電解質層は、硫化物固体電解質を含むことが好ましい。
本発明に従った全固体電池の製造方法は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを備えた全固体電池の製造方法であって、以下の工程を備える。
(A)正極層、負極層、および、固体電解質層からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層の材料として、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む固液混合物を作製する工程
(B)固液混合物から成形体を作製する工程
本発明の全固体電池の製造方法において、固液混合物は、スラリー、ペースト、および、コロイドからなる群より選ばれた一つの形態であればよい。
また、本発明の全固体電池の製造方法において、成形体は、グリーンシート、印刷層、および、膜からなる群より選ばれた一つの形態であればよい。
本発明によれば、正極層、負極層、および、固体電解質層からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層の材料が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含むと、これらの化合物は、硫化物と反応することがないとともに、沸点が高く、揮発し難いので、成形工程において材料を乾燥させずにグリーンシート、印刷層、膜等の成形体を作製することができる。したがって、シート成形工法、印刷工法により、全固体電池の積層体を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の一つの実施の形態としての全固体電池10は、正極層11と固体電解質層13と負極層12とからなる単電池で構成される。固体電解質層13の一方面に正極層11が配置され、固体電解質層13の一方面と反対側の他方面に負極層12が配置されている。いいかえれば、正極層11と負極層12とは、固体電解質層13を介して互いに対向する位置に設けられ、固体電解質層13は、正極層11と負極層12との間に介在する。なお、正極層11と負極層12のそれぞれは、固体電解質と電極活物質とを含み、固体電解質層13は固体電解質を含む。
上記のように構成された本発明の全固体電池10において、正極層11、負極層12、および、固体電解質層13からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む。
本発明に従った全固体電池10の製造方法においては、まず、正極層11、負極層12、および、固体電解質層13からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層の材料として、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む固液混合物を作製する。次に、固液混合物から成形体を作製する。なお、固液混合物は、スラリー、ペースト、および、コロイドからなる群より選ばれた一つの形態であればよい。また、成形体は、グリーンシート、印刷層、および、膜からなる群より選ばれた一つの形態であればよい。
単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物は、硫化物と反応することがないとともに、沸点が高く、揮発し難い。このため、上記の化合物を溶媒として用いると、適度な粘度を有するスラリー、ペースト、コロイド等の固液混合物を作製することができ、成形工程において材料を乾燥させずにグリーンシート、印刷層、膜等の成形体を作製することができる。なお、上記の化合物は、硫化物固体電解質と反応しないので、硫化物固体電解質を含む固体電解質層を備えた全固体電池の特性を劣化させることもない。また、シート工法または印刷工法によって全固体電池の積層体を形成することができるので、粉体成形工法に比べて製造コストを低減することができる。
単環式モノテルペンかつ三級アルコールである化合物は、テルピネオール(沸点:218℃)、4‐テルピネオール(沸点:210℃)、および、ジヒドロテルピネオール(沸点:200℃)からなる群より選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルである化合物は、酢酸テルピニル(沸点:220℃)、酢酸メンチル(沸点:230℃)、および、ジヒドロテルピネオールアセテート(沸点:220℃)からなる群より選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。特に、テルピネオール系の化合物は、比較的高い溶解性を有するので、樹脂の利用範囲が広がる。また、テルピネオール系の化合物は、汎用で安価であるので、製造コストを低減することができる。
本発明の全固体電池10においては、正極層11が正極活物質を含み、正極活物質が、硫黄と、リチウムと、マンガン、鉄、銅、および、ニッケルからなる群より選ばれた一種の元素とを含むことが好ましい。このように構成された正極層11を備えることにより、正極活物質を形成する化合物の結晶構造を強固にして、放電時のエネルギー密度を高くすることができ、すなわち、放電容量を高くすることができ、充放電時の抵抗を低減することができるので充放電サイクル特性を向上させることができる。この場合、正極活物質がLi2FeS2を含むことにより、放電時のエネルギー密度をさらに高くすることができ、充放電サイクル特性をさらに向上させることができる。正極活物質として、LiCoO2等のリチウム含有酸化物、LiFePO4等のリチウム含有リン酸化合物、特にLiMPO4(MはFe、Mn、Co等の遷移金属)で表されるオリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物を用いても、上記の作用効果を達成することができる。また、正極層11が導電剤として炭素材料を含むことにより、電子伝導度を高めることができる。
具体的には、正極層11は、たとえば、正極活物質としてのLi2FeS2等と、固体電解質としてイオン伝導性化合物であるLi2SとP2S5の混合物等とを含む。負極層12は、たとえば、負極活物質としての球状黒鉛等の炭素材料と、固体電解質としてイオン伝導性化合物であるLi2SとP2S5の混合物等とを含む。正極層11と負極層12との間に挟まれた固体電解質層13は、たとえば、固体電解質としてイオン伝導性化合物であるLi2SとP2S5の混合物等を含む。正極層11と負極層12と固体電解質層13は、それぞれ、原材料を含むスラリー、ペースト、コロイド等の固液混合物をグリーンシート、印刷層、膜等の成形体に成形することにより作製されたものである。なお、固体電解質は、構成元素としてリチウムと硫黄とを少なくとも含有すればよく、このような化合物として、Li2SとP2S5の混合物以外に、たとえば、Li2SとB2S3の混合物等をあげることができる。また、固体電解質は、構成元素としてリチウムと硫黄に加えて、好ましくはリンをさらに含有すればよく、このような化合物として、Li2SとP2S5の混合物以外に、たとえば、Li7P3S11、Li3PS4やこれらのアニオンの一部が酸素置換されたもの等をあげることができる。固体電解質を構成する元素の組成比率は上述した比率に限定されるものではない。また、正極活物質は、構成元素としてリチウムと鉄と硫黄とを含有することがより好ましく、このような化合物として、Li2FeS2以外に、たとえば、Li2.33Fe0.67S2等の化合物をあげることができる。さらに、その他の正極活物質として、硫化リチウムチタン、硫化リチウムバナジウム等の化合物、LiCoO2等のリチウム含有酸化物、LiFePO4等のリチウム含有リン酸化合物、特にLiMPO4(MはFe、Mn、Co等の遷移金属)で表されるオリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物をあげることができる。正極活物質を構成する元素の組成比率は上述した比率に限定されるものではない。
なお、本発明の全固体電池10は、図1に示される電池要素を、たとえば、セラミックス製の容器に装入された形態で用いられてもよく、図1に示される形態のままで自立した形態で用いられてもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下、固体電解質層、正極層および負極層の材料としての各ペーストを作製するために用いられる溶媒の種類を変えて、全固体電池を作製した実施例と比較例1〜3について説明する。
(実施例)
<固体電解質ペーストの作製>
テルピネオール(沸点:218℃)を溶媒に用いてアクリル樹脂(ポリメタクリル酸エチル)を溶解した。この溶液に、硫化物固体電解質として7:3のモル比で混合されたLi2S粉末とP2S5粉末の混合物を分散させて固体電解質ペーストを作製した。硫化物固体電解質とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
<固体電解質ペーストの作製>
テルピネオール(沸点:218℃)を溶媒に用いてアクリル樹脂(ポリメタクリル酸エチル)を溶解した。この溶液に、硫化物固体電解質として7:3のモル比で混合されたLi2S粉末とP2S5粉末の混合物を分散させて固体電解質ペーストを作製した。硫化物固体電解質とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
<正極合材ペーストの作製>
正極活物質としてのLi2FeS2粉末と、硫化物固体電解質としての上記のLi2S粉末とP2S5粉末の混合物とを、ロッキングミルを用いて混合して正極合材を作製した。正極活物質と硫化物固体電解質は1:1の重量比で混合した。テルピネオールを溶媒に用いてアクリル樹脂を溶解した。この溶液に上記の正極合材を分散させて正極合材ペーストを作製した。混合比は、正極合材とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
正極活物質としてのLi2FeS2粉末と、硫化物固体電解質としての上記のLi2S粉末とP2S5粉末の混合物とを、ロッキングミルを用いて混合して正極合材を作製した。正極活物質と硫化物固体電解質は1:1の重量比で混合した。テルピネオールを溶媒に用いてアクリル樹脂を溶解した。この溶液に上記の正極合材を分散させて正極合材ペーストを作製した。混合比は、正極合材とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
<負極合材ペーストの作製>
負極活物質としてのグラファイト粉末と、硫化物固体電解質としての上記のLi2S粉末とP2S5粉末の混合物とを、ロッキングミルを用いて混合して負極合材を作製した。負極活物質と硫化物固体電解質は1:1の重量比で混合した。テルピネオールを溶媒に用いてアクリル樹脂を溶解した。この溶液に上記の負極合材を分散させて負極合材ペーストを作製した。混合比は、負極合材とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
負極活物質としてのグラファイト粉末と、硫化物固体電解質としての上記のLi2S粉末とP2S5粉末の混合物とを、ロッキングミルを用いて混合して負極合材を作製した。負極活物質と硫化物固体電解質は1:1の重量比で混合した。テルピネオールを溶媒に用いてアクリル樹脂を溶解した。この溶液に上記の負極合材を分散させて負極合材ペーストを作製した。混合比は、負極合材とアクリル樹脂は9:1の重量比で混合した。
<全固体電池の作製>
厚みが20μmのアルミニウム箔の表面上に、開口径が7mmの開口パターンを有するスクリーン印刷版を用いて、上記の正極合材ペーストを印刷した。得られた印刷層を60℃の温度で減圧下の雰囲気中にて1時間乾燥させて、厚みが約50μmの正極層11を形成した。
厚みが20μmのアルミニウム箔の表面上に、開口径が7mmの開口パターンを有するスクリーン印刷版を用いて、上記の正極合材ペーストを印刷した。得られた印刷層を60℃の温度で減圧下の雰囲気中にて1時間乾燥させて、厚みが約50μmの正極層11を形成した。
次に、開口径が9mmの開口パターンを有するスクリーン印刷版を用いて、上記の固体電解質ペーストを正極層11の上に印刷した。得られた印刷層を60℃の温度で減圧下の雰囲気中にて1時間乾燥させて、厚みが約50μmの固体電解質層13を形成した。
そして、開口径が7mmの開口パターンを有するスクリーン印刷版を用いて、上記の負極合材ペーストを固体電解質層13の上に印刷した。得られた印刷層を60℃の温度で減圧下の雰囲気中にて1時間乾燥させて、厚みが約50μmの負極層12を形成した。以上のようにして、アルミニウム箔の表面上に正極層11、固体電解質層13、および、負極層12からなる積層体を作製した。
次に電池評価用のセルとして、ダイ部分がポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなり、上下のパンチがステンレス鋼からなる直径が10mmの金型を用意した。上記で得られた積層体を直径が9mmの円柱状に打ち抜いたものを上記の金型に入れて、300MPaの圧力を加えた。このようにして全固体電池10を得た。
<充放電試験>
上記の全固体電池10に対して、13μA/cm2の定電流で電圧が4Vになるまで充電した。その後、13μA/cm2の定電流で電圧が0Vになるまで放電した。得られた充放電曲線を図2に示す。
上記の全固体電池10に対して、13μA/cm2の定電流で電圧が4Vになるまで充電した。その後、13μA/cm2の定電流で電圧が0Vになるまで放電した。得られた充放電曲線を図2に示す。
図2に示すように、0.4mAhの放電容量を示す全固体電池10を得ることができた。このことから、テルピネオールを溶媒に用いて電池材料をペーストにして印刷することにより、全固体電池10を作製することができることがわかる。
(比較例1)
トルエン(沸点:110℃)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製した。
トルエン(沸点:110℃)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製した。
比較例1で得られたペーストは、放置すると、原料粉末が分離し始めた。さらに短時間で溶媒が揮発して、ペーストは印刷に適した粘度や流動性を失ってしまったので、印刷することができなかった。
(比較例2)
シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製、SS−3408、沸点:100℃以上)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製した。
シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製、SS−3408、沸点:100℃以上)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製した。
比較例2で得られたペーストは、短期間で溶媒が揮発しないが、放置すると、原料粉末が分離し始めた。このため、ペーストは印刷に適した粘度にならず、きれいに印刷できず、乾燥処理を行っても、シリコーンが乾燥せず、固まらなかった。
(比較例3)
N−メチルピロリドン(NMP)(沸点:220℃)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製し、全固体電池10を作製した。得られた全固体電池10に対して、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
N−メチルピロリドン(NMP)(沸点:220℃)を溶媒に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質ペースト、正極合材ペーストおよび負極合材ペーストを作製し、全固体電池10を作製した。得られた全固体電池10に対して、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
比較例3で得られたペーストは、溶媒としてのNMPにバインダーとしてのアクリル樹脂を溶解した溶液に、電池材料の粉末を加えた時点で溶液が青色に変色した。得られた全固体電池10は充放電挙動を示さなかった。これは、溶媒としてのNMPが電池材料、特に硫化物固体電解質と反応して劣化してしまったためである。つまり、硫化物固体電解質と反応しない溶媒でなければ、印刷により、電池を作製できないといえる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
本発明により、シート成形工法、印刷工法により、硫化物系固体電池を作製することができる。
10:全固体電池、11:正極層、12:負極層、13:固体電解質層。
Claims (7)
- 正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層とを備えた全固体電池であって、
前記正極層、前記負極層、および、前記固体電解質層からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層が、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む、全固体電池。 - 前記単環式モノテルペンかつ三級アルコールである化合物が、テルピネオール、4‐テルピネオール、および、ジヒドロテルピネオールからなる群より選ばれた少なくとも一種である、請求項1に記載の全固体電池。
- 前記単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルである化合物が、酢酸テルピニル、酢酸メンチル、および、ジヒドロテルピネオールアセテートからなる群より選ばれた少なくとも一種である、請求項1に記載の全固体電池。
- 前記固体電解質層が、硫化物固体電解質を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の全固体電池。
- 正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層とを備えた全固体電池の製造方法であって、
前記正極層、前記負極層、および、前記固体電解質層からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つの層の材料として、単環式モノテルペンかつ三級アルコール、または、単環式モノテルペンかつカルボン酸エステルのいずれかである化合物を含む固液混合物を作製する工程と、
前記固液混合物から成形体を作製する工程とを備えた、全固体電池の製造方法。 - 前記固液混合物が、スラリー、ペースト、および、コロイドからなる群より選ばれた一つの形態である、請求項5に記載の全固体電池の製造方法。
- 前記成形体が、グリーンシート、印刷層、および、膜からなる群より選ばれた一つの形態である、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法。
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US11623864B2 (en) | 2019-08-09 | 2023-04-11 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Method for producing solid electrolyte |
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2012
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