JP2014085002A - 両シャフト同士のセレーション噛合部構造 - Google Patents

両シャフト同士のセレーション噛合部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】両シャフト同士のセレーション噛合部構造につき、寿命の向上を簡単な構成で達成する。
【解決手段】両シャフト同士のセレーション噛合部構造は、雄セレーション19が形成されたインナシャフト20と、インナシャフト20に外嵌され、雌セレーション21が形成された円筒形状のアウタシャフト22と、アウタシャフト22の切り割り26の両対向端部から突出する一対の突起27,28と、両突起27,28を締結する締結具31とを備える。締結具31の締結によるアウタシャフト22の弾性変形により相対的に接近する両歯部38,42の各一部分38a,42a同士をそれぞれ線接触させる一方、インナ、アウタシャフト20,22の間でトルク伝達するとき、軸心8周りでの両シャフト20,22同士の相対変位により相対的に接近する両歯部38,42の各他部分38b,42b同士をそれぞれ面接触させるよう、各歯部38,42を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のステアリング操作装置などにおいて、雄セレーションが形成されたインナシャフトと、このインナシャフトに外嵌されて上記雄セレーションと互いに噛合する雌セレーションが形成された円筒形状のアウタシャフトとが設けられ、締結具による締結により上記アウタシャフトの内径寸法が収縮させられて上記両シャフトが互いに固着されるようにした両シャフト同士のセレーション噛合部構造に関するものである。
上記両シャフト同士のセレーション噛合部構造には、従来、下記特許文献1,2に示されるものがある。これら公報のものによれば、車両のステアリング操作装置において、両シャフト同士のセレーション噛合部構造は、外周面に雄セレーションが形成されたインナシャフトと、このインナシャフトと同じ軸心上で上記インナシャフトに外嵌され、内周面に上記雄セレーションと互いに噛合する雌セレーションが形成された円筒形状のアウタシャフトと、このアウタシャフトの周方向の一部に形成された切り割りを挟んで対向する上記アウタシャフトの両対向端部からこのアウタシャフトの径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起と、これら両突起を互いに接近させるよう締結する締結具とを備えている。
上記構成において、両シャフトを互いに固着させる場合には、上記締結具により上記両突起を互いに接近させるようこれら両突起を締結するが、この場合、上記アウタシャフトは、上記軸心に沿った視線で見て、この軸心と上記両突起の中央域とを通る仮想線を基準とした径方向での左、右各側部がそれぞれ上記締結具がわに引張されて、内径寸法が収縮するよう弾性変形する。これにより、上記アウタシャフトの各歯部がこれらに隣接する上記インナシャフトの各歯部にそれぞれ圧接することとされ、この圧接による摩擦力によって上記両シャフトが互いに固着されるようになっている。そして、このように固着された両シャフトにより、いずれか一方のシャフトから他方のシャフトへのトルク伝達が可能とされる。
具体的には、車両を操向させようとしてステアリング操作装置のステアリングハンドルに右回り、もしくは左回りの操向トルクを与えると、このトルクは、互いに固着された上記両シャフトを介し操向車輪に伝達され、これにより、車両が所望方向の右方、もしくは左方に操向されることとなる。
特開2011−144821号公報 特開平6−221333号公報
ところで、上記したように、両シャフトを互いに固着させようとして締結具により両突起を締結するとき、上記アウタシャフトは弾性変形してその左、右各側部がそれぞれ上記締結具がわに引張されるが、この場合、上記左、右各側部のそれぞれ歯部のうち、上記締結具から遠くに離れて位置する歯部に比べて、上記締結具の近傍に位置する歯部の方がより大きく上記締結具がわに引張されがちとなる。
このため、上記したように両突起を締結するときには、上記アウタシャフトの左、右各側部のそれぞれ歯部のうち、上記締結具に対し、より近傍に位置する左、右各歯部が、これらに隣接する上記インナシャフトの左、右各歯部に逸早く圧接しがちとなる。しかも、このような歯部同士の圧接は、一般に、面接触状態でなされる。
そして、上記した締結具による両突起の締結により、上記締結具の近傍の左、右各歯部がこれらに隣接する上記インナシャフトの左、右各歯部に逸早く圧接し、しかも、この圧接が面接触状態でなされた場合には、上記締結により上記アウタシャフトの左、右各側部に与えられる締結力は、そのほとんどが上記締結具の近傍で互いに圧接する左、右歯部組で担時されがちとなり、その分、上記締結力は他の歯部には大きくは負荷されないこととなる。
よって、上記したように締結具の締結により両シャフトを互いに固着させた場合には、上記インナシャフトの各歯部とアウタシャフトの各歯部とは、これら両シャフトの周方向の一部に存在するものだけが圧接し、この圧接部に上記締結による締結力が集中するよう負荷される。このため、上記両シャフト同士の固着には、その周方向で偏りが生じ、この結果、これら両シャフト同士の固着の強度が不十分になるおそれがある。
しかも、上記状態で互いに固着された両シャフトの間でトルク伝達がなされるとすると、このトルクに基づく伝達力は、上記両シャフトの周方向の一部だけで互いに圧接している歯部同士の圧接部に集中しがちとなる。このため、この圧接部の摩耗が早期に進行するおそれがあり、この結果、両シャフトの間でトルク伝達がなされるとき、上記締結具に緩みが発生したり、異音が発生したりするなど、上記両シャフト同士のセレーション噛合部構造に寿命上の問題点を生じるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両のステアリング操作装置などにおける両シャフト同士のセレーション噛合部構造につき、寿命の向上を簡単な構成で達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、外周面に雄セレーション19が形成されたインナシャフト20と、このインナシャフト20と同じ軸心8上で上記インナシャフト20に外嵌され、内周面に上記雄セレーション19と互いに噛合する雌セレーション21が形成された円筒形状のアウタシャフト22と、このアウタシャフト22の周方向の一部に形成された切り割り26を挟んで対向する上記アウタシャフト22の両対向端部からこのアウタシャフト22の径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起27,28と、これら両突起27,28を互いに接近させるよう締結する締結具31とを備えた両シャフト同士のセレーション噛合部構造において、
上記雄、雌セレーション19,21を構成する各歯部38,42のうち、上記締結具31の締結による上記アウタシャフト22の弾性変形により相対的に接近する両歯部38,42の各一部分38a,42a同士をそれぞれ線接触させる一方、上記インナ、アウタシャフト20,22の間でトルク伝達するとき、上記軸心8周りでの上記両シャフト20,22同士の相対変位により相対的に接近する両歯部38,42の各他部分38b,42b同士をそれぞれ面接触させるよう、上記各歯部38,42を形成したことを特徴とする両シャフト同士のセレーション噛合部構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、外周面に雄セレーションが形成されたインナシャフトと、このインナシャフトと同じ軸心上で上記インナシャフトに外嵌され、内周面に上記雄セレーションと互いに噛合する雌セレーションが形成された円筒形状のアウタシャフトと、このアウタシャフトの周方向の一部に形成された切り割りを挟んで対向する上記アウタシャフトの両対向端部からこのアウタシャフトの径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起と、これら両突起を互いに接近させるよう締結する締結具とを備えた両シャフト同士のセレーション噛合部構造において、
上記雄、雌セレーションを構成する各歯部のうち、上記締結具の締結による上記アウタシャフトの弾性変形により相対的に接近する両歯部の各一部分同士をそれぞれ線接触させるようにしている。
このため、上記両シャフトを互いに固着させようとして、上記締結具により上記両突起を互いに接近させるよう締結したとすると、上記アウタシャフトは、上記軸心に沿った視線で見て、この軸心と上記両突起の中央域とを通る仮想線を基準とした径方向での左、右各側部がそれぞれ上記締結具がわに引張されてわずかに弾性変形し、上記アウタシャフトの各歯部と、これら各歯部に上記締結具がわで隣接して相対的に接近する上記インナシャフトの各歯部との各一部分同士がそれぞれ線接触することとなる。
そして、上記線接触した各一部分同士は、これら一部分同士が仮に上記両シャフトの周方向で対面して面接触している場合に比べ、上記アウタシャフトの左、右各側部が上記締結具がわに引張されるに伴い相対摺動し易くなり、かつ、上記線接触部を作用点として上記アウタシャフトの周方向の各部がわずかながら屈曲するよう弾性変形し易くなる。
よって、上記締結具による締結力は、上記インナシャフトの各歯部とアウタシャフトの各歯部との周方向各部の各圧接部に分散され、上記締結力が、従来の技術のように上記インナシャフトの各歯部とアウタシャフトの各歯部との圧接部のいずれかに偏って担時される、ということは防止される。この結果、上記両シャフト同士の固着は、その周方向各部で、より均等になされることから、これら両シャフト同士の固着の強度を十分に向上させることができる。
また、上記インナ、アウタシャフトの間でトルク伝達するとき、上記軸心周りでの上記両シャフト同士の相対変位により相対的に接近する両歯部の各他部分同士をそれぞれ面接触させるよう、上記各歯部を形成している。
このため、上記したように互いに固着された上記両シャフトの間でトルク伝達がなされるとき、上記仮想線を基準とした上記両シャフトの径方向でのほぼ半分では、上記した各歯部の一部分同士の線接触での圧接状態が維持される一方、上記両シャフトの残りのほぼ半分では、上記した各歯部の他部分同士の面接触での圧接状態が確保されて、トルク伝達がなされる。
よって、上記インナシャフトの各歯部とアウタシャフトの各歯部とは、上記両シャフトの周方向各部で全体的に圧接し、しかも、上記した両シャフトの径方向の残りのほぼ半分では面接触により圧接してトルク伝達が強度的に無理なく行われる。このため、上記周方向各部の一部だけが圧接することによりこの圧接部に上記トルクに基づく伝達力が集中的に負荷される、という不都合の発生は防止される。
即ち、上記発明によれば、締結具による締結により、両シャフト同士の固着の強度を十分に向上させることができ、かつ、このように固着させた両シャフトの間でトルク伝達がなされるとき、これら両シャフトの各歯部のうち、その周方向一部に上記トルクに基づく伝達力が集中的に負荷されることは防止される。よって、上記両シャフトの間でのトルク伝達時に、その周方向一部の歯部同士の圧接部が偏摩耗することは防止されて、上記両シャフト同士の雄、雌セレーションの噛合部についての寿命の向上が達成される。
また、上記した両シャフト同士を固着させる雄、雌セレーションの噛合部の寿命の向上は、これら各セレーションの各歯部同士の関連形状を工夫することにより達成できることから、上記した寿命の向上は簡単な構成によって安価に達成される。
図3のI−I線矢視断面図である。 車両のステアリング操作装置の斜視簡略図である。 自在継手の側面部分断面図である。 図1に相当する図で、作用説明図である。 図1に相当する図で、他の作用説明図である。 他の実施例を示し、図1の一部に相当する図である。
本発明の両シャフト同士のセレーション噛合部構造に関し、車両のステアリング操作装置などにおける両シャフト同士のセレーション噛合部構造につき、寿命の向上を簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、両シャフト同士のセレーション噛合部構造は、外周面に雄セレーションが形成されたインナシャフトと、このインナシャフトと同じ軸心上で上記インナシャフトに外嵌され、内周面に上記雄セレーションと互いに噛合する雌セレーションが形成された円筒形状のアウタシャフトと、このアウタシャフトの周方向の一部に形成された切り割りを挟んで対向する上記アウタシャフトの両対向端部からこのアウタシャフトの径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起と、これら両突起を互いに接近させるよう締結する締結具とを備える。
上記雄、雌セレーションを構成する各歯部のうち、上記締結具の締結による上記アウタシャフトの弾性変形により相対的に接近する両歯部の各一部分同士をそれぞれ線接触させる一方、上記インナ、アウタシャフトの間でトルク伝達するとき、上記軸心周りでの上記両シャフト同士の相対変位により相対的に接近する両歯部の各他部分同士をそれぞれ面接触させるよう、上記各歯部を形成している。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1〜3において、図中符号1は、車両のステアリング操作装置を示し、矢印Frは、車両の進行方向の前方を示している。
上記ステアリング操作装置1は、車両の車体に支持され、軸心が車両の後上方に向かって延びるステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2の車体内部の車室がわの上端部に取り付けられるステアリングハンドル3と、上記ステアリングシャフト2の前下方で車体に支持され、車体の幅方向に延びてその長手方向に摺動可能にラックギヤ4を内容するギヤハウジング5と、このギヤハウジング5に支持され、上記ラックギヤ4と噛合するラックピニオン6とを備え、上記ラックギヤ4の各端部は車両の操向車輪と互いに連動するよう連結される。
また、上記ステアリング操作装置1は、上記ステアリングシャフト2の下端部と上記ラックピニオン6の入力軸との間に配置され、軸心8が前下方に向かって延びる中間シャフト9と、上記ステアリングシャフト2の下端部と上記中間シャフト9の上端部とを連結する上部自在継手10と、上記ラックピニオン6の入力軸と上記中間シャフト9の下端部とを連結する下部自在継手11とを備えている。
上記ステアリング操作装置1におけるステアリングハンドル3を右回りや左回りさせて操向操作すれば、このステアリングハンドル3への操作トルクは、上記ステアリングシャフト2、上部自在継手10、中間シャフト9、下部自在継手11、およびラックピニオン6等を順次介して操向車輪に伝達され、車両に所望の操向が得られるようになっている。
以下、上記下部自在継手11における両シャフト同士のセレーション噛合部構造につき、詳しく説明する。
上記自在継手11は、上記中間シャフト9の下端部に固着されるヨーク14と、上記ラックピニオン6の入力軸に固着される他のヨーク15と、これら両ヨーク14,15を連結する十字軸16とを有している。
具体的には、上記中間シャフト9の下端部は、外周面に雄セレーション19が形成されたインナシャフト20とされる。上記ヨーク14は、このヨーク14の一端部がわを構成し、上記軸心8上で上記インナシャフト20に外嵌され、内周面に上記雄セレーション19と互いに噛合する雌セレーション21が形成された円筒形状のアウタシャフト22と、上記ヨーク14の他端部がわを構成し、上記アウタシャフト22に一体的に形成されるヨーク本体23とを有している。
上記アウタシャフト22の周方向の一部には切り割り26が形成され、この切り割り26を挟んで対向する上記アウタシャフト22の両対向端部からこのアウタシャフト22の径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起27,28が形成される。
上記両突起27,28を互いに接近させるよう、これら両突起27,28を締結する締結具31が設けられる。この締結具31は、上記両突起27,28のうち、一方の突起27に形成され、上記両突起27,28がわから上記アウタシャフト22を径方向で見て、このアウタシャフト22の軸心8に直交する軸心32を有するボルト挿通孔33と、上記軸心32上で、他方の突起28に形成されるねじ孔34と、上記ボルト挿通孔33に挿通されて上記ねじ孔34に螺合されるボルト35とを有している。
上記インナシャフト20の雄セレーション19の各歯部38は、上記軸心8周りの周方向に等ピッチで形成され、それぞれ上記軸心8と平行に延びる突条体とされる。上記歯部38の長手方向の各部断面は上記インナシャフト20の径方向外方に向かって一体的に突出する台形状とされる。
ここで、上記軸心8に沿った視線で見て(図1)、この軸心8と上記両突起27,28の中央域とを通る仮想線39を設定する。この仮想線39を基準とした上記インナシャフト20の径方向での左、右各側部20a,20bにおける各歯部38は、左右対称形とされる。
上記アウタシャフト22の雌セレーション21の各歯部42は、上記軸心8周りの周方向に等ピッチで形成され、それぞれ軸心8と平行に延びる突条体とされる。上記歯部42の長手方向の各部断面は上記アウタシャフト22の径方向内方に向かって一体的に突出する三角形状とされる。上記軸心8に沿った視線で見て(図1)、上記仮想線39を基準とした上記アウタシャフト22の径方向での左、右各側部22a,22bにおける各歯部42は、左右対称形とされる。
上記両シャフト20,22の軸心8周りの周方向で、上記インナシャフト20において互いに隣り合う両歯部38,38の間の溝部に上記アウタシャフト22の歯部42が入り込み、上記アウタシャフト22において隣り合う両歯部42,42の間の溝部に上記インナシャフト20の歯部38が入り込み、これにより、上記インナシャフト20の雄セレーション19とアウタシャフト22の雌セレーション21とが噛合している。
図1において、上記締結具31により上記両突起27,28を互いに接近させるよう、これら両突起27,28を締結したとする。すると、上記両突起27,28の互いの接近に伴い、上記アウタシャフト22は、上記仮想線39を基準とした上記左、右各側部22a,22bがそれぞれ上記締結具31がわに引張Aされて、内径寸法が収縮するよう弾性変形する。
すると、上記したように、アウタシャフト22の左、右各側部22a,22bが上記締結具31がわに引張Aされるに伴い、上記アウタシャフト22の左、右各側部22a,22bにおける各歯部42は、これら各歯部42よりも上記周方向で上記締結具31がわに隣接する上記インナシャフト20の一方の歯部38(a)に対し相対的に接近し、その一方、上記アウタシャフト22の各歯部42は、これら各歯部42よりも上記周方向で上記締結具31から遠いがわに隣接する上記インナシャフト20の他方の歯部38(b)に対し相対的に離反する。
そして、上記したように、アウタシャフト22の各歯部42がインナシャフト20の一方の歯部38(a)に相対的に接近するとき、上記アウタシャフト22の各歯部42の上記周方向での二つの面のうち、上記締結具31がわの面の一部分42aが、上記インナシャフト20の一方の歯部38(a)の頂部における二つの角部のうち、上記締結具31から遠いがわの角部である一部分38aに線接触するよう圧接させられる。
このため、上記両シャフト20,22を互いに固着させようとして、上記締結具31により上記両突起27,28を互いに接近させるよう締結したとすると、上記アウタシャフト22は、上記軸心8に沿った視線で見て(図1)、この軸心8と上記両突起27,28の中央域とを通る仮想線39を基準とした径方向での左、右各側部20a,22a,20b,22bがそれぞれ上記締結具31がわに引張されてわずかに弾性変形し、上記アウタシャフト22の各歯部42と、これら各歯部42に上記締結具31がわで隣接して相対的に接近する上記インナシャフト20の各歯部38との各一部分38a,42a同士がそれぞれ線接触することとなる。
そして、上記線接触した各一部分38a,42a同士は、これら一部分同士が仮に上記両シャフト20,22の周方向で対面して面接触している場合に比べ、上記アウタシャフト22の左、右各側部22a,22bが上記締結具31がわに引張Aされるに伴い、上記周方向で相対摺動し易くなり、かつ、上記線接触部を作用点として上記アウタシャフト22の周方向の各部がわずかながら屈曲するよう弾性変形し易くなる。
よって、上記締結具31による締結力は、上記インナシャフト20の各歯部38とアウタシャフト22の各歯部42との周方向各部の各圧接部に分散され、上記締結力が、従来の技術のように上記インナシャフト20の各歯部38とアウタシャフト22の各歯部42との圧接部のいずれかに偏って担時される、ということは防止される。この結果、上記両シャフト20,22同士の固着は、その周方向各部で、より均等になされることから、これら両シャフト20,22同士の固着の強度を十分に向上させることができる。
ここで、前記したように、締結具31による締結により、アウタシャフト22の左、右各側部22a,22bが上記締結具31がわに引張Aされる場合、上記アウタシャフト22の各歯部42は上記インナシャフト20の他方の歯部38(b)に対し相対的に離反する。この場合、上記アウタシャフト22の各歯部42の上記周方向での二つの面のうち、上記締結具31から遠いがわの平坦面である他部分42bと、上記インナシャフト20の他方の歯部38(b)の上記締結具31がわの平坦面である他部分38bとは、ほぼ0に近い値のわずかな隙間で離間し互いに平行に対面する。
図4において、車両を右回りに操向させようとして、上記ステアリング操作装置1のステアリングハンドル3に右回りの操向トルクを与えたとする。すると、上記ステアリングハンドル3に連動して上記中間シャフト9の下端部のインナシャフト20がその軸心8周りで右回りに回動Bする。また、このインナシャフト20の回動Bに連動するよう、互いに噛合した上記雄、雌セレーション19,21を介し上記ヨーク14のアウタシャフト22も右回りに回動Bしようとする。この際、上記トルクに基づく上記インナシャフト20の弾性変形により、このインナシャフト20はその軸心8周りで上記アウタシャフト22に対し上記回動B方向と順方向でわずかに相対変位する。
そして、上記した両シャフト20,22の相対変位の際、上記両シャフト20,22の右半分である各右側部20b,22bにおいては、上記インナシャフト20の各歯部38とアウタシャフト22の各歯部42とは、上記一部分38a,42a同士が相対的に接近しがちとなることから、更に圧接して線接触が維持される一方、上記他部分38b,42b同士は相対的に離反しがちとなって、極めてわずかな隙間で離間し、互いに平行な対面状態とされる。
一方、上記した両シャフト20,22の相対変位の際、上記両シャフト20,22の左半分である各左側部20a,22aにおいては、上記インナシャフト20の各歯部38とアウタシャフト22の各歯部42とは、上記他部分38b,42b同士が相対的に接近し、面接触して圧接する一方、上記一部分38a,42a同士は相対的に離反して、極めてわずかな隙間で離間させられる。
なお、上記両シャフト20,22の間でのトルク伝達時において、インナシャフト20に対しその軸心8周りで上記回動B方向とは逆方向に上記アウタシャフト22が相対変位した場合も、上記と同様の作用が生じる。
図5は、車両を左回りに操向させようとして、ステアリング操作装置1のステアリングハンドル3に左回りの操向トルクを与えた場合を示し、この場合、インナシャフト20はその軸心8周りで左回りに回動Cする。
上記構成に関連する他の構成や作用は、前記図4で示したインナシャフト20の右回りの回動Bと、雄、雌セレーション19,21とを左右で反転させて、符号BをCに書き換えることにより得られるものと同様である。よって、その説明を省略する。
上記構成によれば、インナ、アウタシャフト20,22の間でトルク伝達するとき、上記軸心8周りでの上記両シャフト20,22同士の相対変位により相対的に接近する両歯部38,42の各他部分38b,42b同士をそれぞれ面接触させるよう、上記雄、雌セレーション19,21の各歯部38,42を形成している。
このため、上記したように互いに固着された上記両シャフト20,22の間でトルク伝達がなされるとき、上記仮想線39を基準とした上記両シャフト20,22の径方向でのほぼ半分では、上記した各歯部38,42の一部分38a,42a同士の線接触での圧接状態が維持される一方、上記両シャフト20,22の残りのほぼ半分では、上記した各歯部38,42の他部分38b,42b同士の面接触での圧接状態が確保されて、トルク伝達がなされる。
よって、上記インナシャフト20の各歯部38とアウタシャフト22の各歯部42とは、上記両シャフト20,22の周方向各部で全体的に圧接し、しかも、上記した両シャフト20,22の径方向の残りのほぼ半分では面接触により圧接してトルク伝達が強度的に無理なく行われる。このため、上記周方向各部の一部だけが圧接することによりこの圧接部に上記トルクに基づく伝達力が集中的に負荷される、という不都合の発生は防止される。
即ち、上記構成によれば、締結具31による締結により、両シャフト20,22同士の固着の強度を十分に向上させることができ、かつ、このように固着させた両シャフト20,22の間でトルク伝達がなされるとき、これら両シャフト20,22の各歯部38,42のうち、その周方向一部に上記トルクに基づく伝達力が集中的に負荷されることは防止される。よって、上記両シャフト20,22のの間でのトルク伝達時に、その周方向一部の歯部38,42同士の圧接部が偏摩耗することは防止されて、上記両シャフト20,22同士の雄、雌セレーション19,21の噛合部についての寿命の向上が達成される。
また、上記した両シャフト20,22同士を固着させる雄、雌セレーション19,21の噛合部の寿命の向上は、これら各セレーション19,21の各歯部38,42同士の関連形状を工夫することにより達成できることから、上記した寿命の向上は簡単な構成によって安価に達成される。
図6(a)は、他の実施例を示し、上記アウタシャフト22の雌セレーション21において、隣り合う両歯部42,42の間は、上記インナシャフト20の歯部38の頂面に近接するよう延びる平坦面とされる。
図6(b)は、更に他の実施例を示し、上記インナシャフト20の歯部38は、前記実施例における歯部38の頂部の二つの角部のうち、上記締結具31から遠いがわの角部が面取りされて、それぞれ径方向外方に突出する三角形状とされる。
なお、以上は図示の例によるが、上記各歯部38,42の形状は、それぞれ上記した各形状のいずれを選択してもよい。また、上記したセレーション噛合部の構成は、上記上部自在継手10に適用してもよく、車両のエンジンがわから駆動車輪に動力を伝達するアクスル軸用の自在継手に適用してもよい。
8 軸心
9 中間シャフト
11 自在継手
14 ヨーク
19 雄セレーション
20 インナシャフト
20a 側部
20b 側部
21 雌セレーション
22 アウタシャフト
22a 側部
22b 側部
26 切り割り
27 突起
28 突起
31 締結具
38 歯部
38a 一部分
38b 他部分
39 仮想線
42 歯部
42a 一部分
42b 他部分
A 引張
B 回動
C 回動

Claims (1)

  1. 外周面に雄セレーションが形成されたインナシャフトと、このインナシャフトと同じ軸心上で上記インナシャフトに外嵌され、内周面に上記雄セレーションと互いに噛合する雌セレーションが形成された円筒形状のアウタシャフトと、このアウタシャフトの周方向の一部に形成された切り割りを挟んで対向する上記アウタシャフトの両対向端部からこのアウタシャフトの径方向外方に向かってそれぞれ一体的に突出する一対の突起と、これら両突起を互いに接近させるよう締結する締結具とを備えた両シャフト同士のセレーション噛合部構造において、
    上記雄、雌セレーションを構成する各歯部のうち、上記締結具の締結による上記アウタシャフトの弾性変形により相対的に接近する両歯部の各一部分同士をそれぞれ線接触させる一方、上記インナ、アウタシャフトの間でトルク伝達するとき、上記軸心周りでの上記両シャフト同士の相対変位により相対的に接近する両歯部の各他部分同士をそれぞれ面接触させるよう、上記各歯部を形成したことを特徴とする両シャフト同士のセレーション噛合部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104061248A (zh) * 2014-06-23 2014-09-24 无锡市崇安区科技创业服务中心 一种齿配合轴固定装置

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