JP2014077798A - 画像処理装置およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像データを取得し、当該画像データから、少なくとも3方向以上に分岐したエッジ分岐点を検出する画像処理装置、及びコンピュータプログラムであり、この構成により、スカムのような欠陥を、参照パターン画像を用いることなく検出することが可能となるため、高速且つ高精度にスカムの検出を行うことが可能となる。
【選択図】図10
Description
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
このように、上部輪郭データ2701と下部輪郭データ2702の間の間隔がある程度の大きさ及びばらつきを有する場合において、閾値を用いた判断を行うことによって原因がスカムの発生によるものなのか、パターン倒れのようなその他の要因によるものなのかを判断することが可能になる。
このように抽出した複数の輪郭線を用いることで、上述のようにスカム検出やパターン倒れの判別において、スカム検出の対象領域2704について上部輪郭データ2701と下部輪郭データ2702の間隔(誤差)2703を網羅的に計測することに加えて、各々の輪郭線に対して任意の輪郭線間の間隔を計測することも可能になる。
まず、SEM201によってSEM画像を取得したのちに(ステップ2901)、図10に示した手順によってパターンのエッジを1画素幅のエッジとして示す輪郭データを抽出する(ステップ2902)。次に設計データと輪郭データのパターンマッチングによって位置合わせをしたのち(ステップ2903)、側壁のエッジを探索して(ステップ2904)、パターンの溝部を特定する(ステップ2905)。なお、ここでステップ2903のマッチングを行ったのちに、ステップ2902の輪郭線化を行うようにしても良い。次に、特定したパターンの溝部の情報に基づいて、検査領域を設定する(ステップ2906)。ここで、検査領域については、図32に示すようにパターンの溝部を含むとなるように設定するのが望ましい。このように設定することによって、パターンの内側に発生する表面の荒れを検査対象から除外することができるからである。次に、エッジ分岐パターンと輪郭データのパターンマッチングを行い(ステップ2907)、エッジ分岐点を抽出する(ステップ2908)。そして、抽出したエッジ分岐点が検査領域内であるかどうかを判断し(ステップ2909)、領域内である場合には、パターンの外側に発生したスカムとして検査を行い(ステップ2910)、領域外である場合には、パターンの内側に発生した表面の荒れとして検査を行わないように設定する(ステップ2911)。以上の工程により、パターンの外側に発生したスカムと、パターンの内側に発生した表面の荒れの統計を求めることもできる。なお、このステップ2909の判断を省略し、予め検査領域のみを検査対象としてエッジ分岐点抽出を行うように条件を設定することもできる。
また、ステップ2906の検査領域を設定することなく全ての領域についてエッジ分岐点を抽出し、設計データ等とのマッチング処理によって得られたエッジ情報から特定されたパターンの溝部であるかどうかの識別情報を、抽出したエッジ分岐点に関する情報と関連付けて図16に示したデータベースの記憶部に記憶させ、統計処理を行うこともできる。このようにすることによって、パターンの表面荒れと、スカムとの発生数の関係を取得することができる。
本図に示される通り、配線パターンの溝部に発生するスカムについては、発生初期の段階ではパターンの底部に局所的に張り出したような形態をしており、隣り合うパターンから溝部において対向するようにスカムが発生した場合であっても、両者の間には間隔が存在している(危険度レベル1)。次の段階として、スカムの発生レベルが上記の場合よりも高くなり、お互いに縦−横方向、または高さ方向へ大きくなったことによって両者が接続し、さらには複数箇所において同様の現象が見られることがある(危険度レベル2−3)。そして、さらに発生レベルが高くなると、一定の幅、または高さを持ったスカムが形成される(危険度レベル4)。図38は、発生したスカムの幅、及び高さの度合いと、危険度のレベルとの関係を示す。ここでいう危険度とは、パターンのショートのしやすさや、除去の困難性の程度等を意味する。すなわち、発生レベルの低い段階における微小なスカムについては製造工程において除去が可能であるが、レベルが高くなるにつれて除去が困難になる。したがって、発生したスカムを定量的に評価することが求められる。
そこで、次に、このように発生したスカムの幅、及び高さを評価する方法について説明する。図39は、複数のラインパターン間に発生したスカムの幅を寸法測定する手順の一例を示す。
まず、SEM201によってSEM画像を取得したのちに(ステップ3901)、輪郭線データを作成する(ステップ3902)。ここで、輪郭線データの作成には、上述の閾値処理や、設計データとの対応付け等を用いて行うことができる。図40の(a)の例では、複数のラインパターン4001の間にスカム4002、4003、4004が発生している。また、図40の(b)は、発生したスカムの幅を寸法測定する例を示す。次に、図15に示した手順によって複数種類のライブラリからテンプレートを読み出し(ステップ3903)、それぞれのテンプレートを用いたマッチング処理(ステップ3904)を行って、エッジ分岐点を検出する(ステップ3905)。次に、エッジ分岐点を構成する複数のエッジのうち、本来のパターンに起因しない、すなわちスカムに起因したエッジを含んだ領域について測長個所4005を設定する(ステップ3906)。このとき、好ましくはステップ3908にて作成するプロファイルのピークを最もシャープに取得可能な方向に測長個所4005を設定する。特に、当該スカムに起因するエッジに対して垂直となるように測長個所4005を設定することにより、後述するように高精度な測長結果を得ることができる。そして、設定した測長個所4005にてスカムに起因するエッジに対して垂直に電子線の走査を行って(ステップ3907)、検出される二次電子信号からプロファイルを作成し、スカム幅の寸法を測定する(ステップ3908、3909)。
上記のフローでは、スカムに起因するエッジを含む領域について測長個所を設定し、電子線を走査しているが、当該領域においてステップ3901にて予め取得したSEM画像の輝度情報に基づいて得られる信号からプロファイルを作成するようにしても良い。このとき、当該スカムに起因するエッジの方向に垂直となる方向に輝度分布を取得することが望ましい。
ここでは抽出したエッジ分岐点に対して画一的にスカムの幅を測長する手順を説明したが、当該分岐点が所定の条件を満たす場合に選択的に上記の手法を用いるようにしてもよい。例えば、複数のエッジ分岐点が抽出された場合に、当該テンプレートの有する特徴によって検出されたエッジ分岐点が1本の線で結ばれている、すなわち同一のスカムとして接続された状態にあるかを判断し、同一のスカムを形成していると判断されたものがある場合には、当該スカムに起因するエッジに対して垂直となるように測長個所4005を設定する。また、同一のスカムを形成していないと判断された場合には、スカム幅の寸法測定の非対象とすることができる。また、当該条件はこれに限定されるものではなく、状況に応じて種々の条件を設定できる。例えば上記のように同一のスカムを形成していない場合においても、例えば図18にて示した方法によってスカムの長さを測定した結果、危険度のレベルが高いと判断された場合にはスカム幅の寸法測定対象とするように判断の基準を設けることもできる。図40の(b)の矢印4006は、電子線の走査方向を示している。上記の手順により、評価対象とするスカムの寸法を選択的に測定することができる。
また図42に示されるように、検出される二次電子信号強度と、電子線の走査方向とスカムとがなす角度との間には一定の傾向(相対関係)があることが想定される。本図から、スカムのエッジに対して垂直な方向へ電子線走査を行うことで最も大きな信号強度を得ることができることがわかる。上記の例は、パターンのエッジ方向に対する電子線の走査方向と同様の傾向である。従って、信頼性の高いスカム幅の寸法測定を行うために、上述のように選択的に測長個所を設定することが望ましい。
図43に、測長個所の設定方法のバリエーションの例を示す。スカム4302の発生については上述の通り種々の形態があり、図40の(b)にて説明したような1方向に発生する例の他にも、例えば図43の(a)のようにパターン4301に対して斜めとなる方向に、かつ曲線を描くように変形して発生する場合や、図43の(b)のように隣接も対向もしていない場所に位置するパターン間にわたって発生する場合もある。このような場合、発生したスカムの複数の領域ごとに測長個所4303を設定し、どの領域においても常に垂直方向に電子線が走査されるようにすることもできる。また、1つの測長個所4303内においても、電子線の走査方向を調整することで常にスカムに対して垂直になるように走査することもできる。また、図43の(c)は発生した複数のスカム4302が接続状態にない場合を示す。このような場合においては、図39のステップ3906の判断によってスカム幅の寸法測定の非対象とし、測長個所4303を設けないこともできるが、例えば上述のようにスカム4302の長さが所定の条件よりも大きくなった場合には、当該スカムのみを測定対象として垂直方向に測長個所4303を設定できる。
さらに、設計データを用いて、予めパターンの位置に関する情報、例えば、近接しているパターンが存在するか等の情報を予め取得しておき、スカムを検出した場合に、スカムの発生位置から、当該予め把握している近接パターンを含むように測長個所4302を設定し、電子線を走査することもできる。図33にて説明したように、スカムは近接するパターンに接続する可能性があるため、このように、設計データから得られるパターンの位置関係に基づいて測長個所4302を設けることで、エッジ分岐点の抽出によっては一部分のみのスカムを検出し、当該スカムに連続する部分については検出することができなかった場合においても、実際に存在している状態のスカムを高精度に検出することが可能になる。
図45を用いて、スカムのSEM画像から輪郭データを抽出し、高さを評価する手順の一例について説明する。なお、当該手順は上述の手法によって検出したスカムに対して寸法や幅の測定など種々の評価と併せて適用可能である。例えば、検出したスカムが一定の幅を有していると判断された場合にのみ選択的に行うことができる。まず、SEM画像を取得したのちに(ステップ4501)、図10に示した手順によってパターンのエッジを1画素のエッジとして示す輪郭データを抽出する(ステップ4502)。次に、上述のライブラリからエッジ分岐点パターンであるテンプレートを読み出して(ステップ4503)、マッチング処理を行い(ステップ4504)、エッジ分岐点を抽出してスカムの検出を行う(ステップ4505)。そして、SEM画像において、当該検出したスカムを含む領域のラインプロファイルを作成する(ステップ4506)。当該プロファイルの作成においては、スカムが検出された領域において再度測長個所を設定して画像を取得しても良いし、既に取得した画像から作成されるプロファイルのうち、スカムの検出領域の部分のみを選択的に用いるようにしても良い。次に、図44Aにて説明したように、予め定めた所定数の閾値ごとに輪郭線を抽出し(ステップ4507)、所定数の閾値の輪郭線を全て抽出する(ステップ4508)。このとき、当該所定数の閾値について、プロファイルの高さが一定の間隔となるように設定することで、得られる複数の輪郭線は等高線となる。このとき、どのような条件においても常に一定の基準によってプロファイルの高さを評価するために、画像のコントラスト/ブライトネスの自動調整等、プロファイルの形態に影響を及ぼす操作を行わないようにすることが望ましい。
そして次に、例えば、スカムの下部輪郭データから、上部輪郭データまでの間に所定の本数以上の輪郭データが形成されている場合には(ステップ4509)、ある程度の高さをもった危険度の高いスカムであるとして判定し、検査対象とし(ステップ4510)、それ以外の場合には非検査対象とすることができる(ステップ4511)。
まず、SE像とBSE像をそれぞれ取得する(ステップ3501、3502)。ここで、BSE像の取得の際には、パターンに対して平行となる図34中の矢印3401にて示す方向に反射される電子を検出する検出器を用いることが望ましい。BSEは、SEよりも高いエネルギーを有した信号電子であるため、このように所望の位置に設定した検出器を用いた検出が可能となる。特に、上述の配線パターンの溝部に発生したスカムにおいては、パターンに対して垂直な方向に反射される電子よりも、平行な方向に反射される電子の検出量の方がスカムの程度をより反映したものであるため、このような方向に反射される反射電子を選択的に検出する。次に、両画像に対して上述の手法を用いて輪郭データを抽出する(ステップ3503、3504)。ここで、SE像については設計データとのマッチング処理によって位置合わせをし(ステップ3505)、側壁のエッジの探索を行って(ステップ3506)パターンの溝部を特定する(ステップ3507)。次に、SE像とBSE像とを重ね合わせ、焦点及びコントラスト等について調整を行って合成画像を取得する(ステップ3508)。次に、合成して得られた画像に対して検査領域を設定し(ステップ3509)、エッジ分岐パターンとのマッチングによって(ステップ3510)エッジ分岐点を抽出後(ステップ3511)、スカムを検出する(ステップ3512)。
以上の手順によれば、SE像と、BSE像との重ね合わせにより、SE像のみを用いた場合よりも正確にスカムを検出することが容易となる。さらに、両者の合成画像を適切に取得することによって、スカムの検出とパターンの寸法計測の両方を1枚の画像に基づいて効率良く行うことが可能になる。また、上記の手順において、BSE像を取得する際には、電子線の走査方向を、パターンに対して平行となる方向に設定することにより、パターンのエッジに対して相対的にスカムに起因したBSEを多く検出することもできる。
上記記載は実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の精神と添付の請求の範囲の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明らかである。
202 電子線
203 試料
204 二次電子検出器
205 反射電子検出器1
206 反射電子検出器2
207 A/D変換器
208 メモリ
209 CPU
210 画像処理ハードウェア
211 表示装置
212 レシピ作成装置
301,302,303 回路パターン
304,305 スカム
306,307,308,309 エッジ分岐点
400 座標情報
401,402 回路パターン
500 画像データの検査座標
501 評価エリア
503 擬似輪郭
3101 パターン
3102 パターンの表面の荒れ
3201 設計データ
3202 SEM画像
3203 スカム
3401,3601,4301,4405 パターン
3402 溝部
3403 パターンに平行な方向を示す矢印
3601 パターン
3602 洗浄液
4001 パターン
4002,4003,4004 スカム
4005,4303 測長個所
4006 電子線の走査方向
4007,4008 スカムの輝度プロファイル
4101 スカムの輪郭線データ
4102,4103,4104 電子線の走査方向及び形成されるプロファイル
4302 スカム
Claims (10)
- 画像からパターンの形状を検査する検査部を備えた画像処理装置において、当該検査部はパターン上部に相当するエッジとパターン下部に相当するエッジを画像に含まれるパターンの傾斜部に対応するピーク信号に基づき検出し、当該パターン上部に相当するエッジとパターン下部に相当するエッジの間隔値を検査データとすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1において、前記検査部は、計測された少なくとも2点以上のエッジの間隔値の統計量を検査データとすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項2において、前記検査部の前記統計量は、間隔値の最大、または平均、または分散に基づく数値であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項2において、前記検査部は前記統計量に対して所定の閾値を用いた判定処理を行い、パターン形状の良品、不良品の判定をすることを特徴とする画像処理装置。
- 画像からパターンの形状を検査する検査部を備えた画像処理装置において、当該検査部はパターンの傾斜部に対応するピーク信号に基づき、パターンのエッジを検出し、前記エッジによって形成される評価領域を画像に設定し、前記評価領域内の前記画像信号のばらつきに関する統計量を算出し、前記統計量を検査データとすることを特徴とする画像処理装置。
- 画像からパターンの形状を検査する検査部を備えた画像処理装置において、当該検査部は設計データやシミュレーションデータと前記画像とのパターンマッチング結果に基づき、評価領域を画像に設定し、前記評価領域内の前記画像信号のばらつきに関する統計量を算出し、前記統計量を検査データとすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項5において、前記統計量は画像信号の分散に基づく数値であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項6において、前記統計量は画像信号の分散に基づく数値であることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項5において、前記検査部は前記統計量に対して所定の閾値を用いた判定処理を行い、パターン形状の良品、不良品の判定をすることを特徴とする画像処理装置。
- 請求項6において、前記検査部は前記統計量に対して所定の閾値を用いた判定処理を行い、パターン形状の良品、不良品の判定をすることを特徴とする画像処理装置。
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