JP2014074880A - カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、有機EL表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができるカラーフィルタ等を提供することを主目的とする。
【解決手段】透明基材と、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部と、上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部と、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とするカラーフィルタを提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができるカラーフィルタ、およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略す。)表示装置は、自己発色により視認性が高いこと、液晶表示装置と異なり全固体ディスプレイであるため耐衝撃性に優れていること、応答速度が速いこと、温度変化による影響が少ないこと、および視野角が大きいことなどの利点が注目されている。
有機EL表示装置は、陽極、発光層を含む有機EL層、および陰極の順に積層された積層構造を基本とする有機EL素子を有するものである。また、有機EL表示装置は、有機EL素子の発光層からの光の色によりカラー表示を行うことができるものであるが、より良好な発色のカラー表示を行うために、発光層と着色層を有するカラーフィルタとを組み合わせたものも広く採用されている。
このような有機EL表示装置においては、有機EL素子を駆動することにより表示を行うため、輝度の高い表示をより低い消費電力で行うことが求められている。
そこで近年では、赤色、緑色、および青色の3色の副画素に白色副画素を加えた4色の副画素を有する画素部を備えた有機EL表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。また、上述の有機EL表示装置においては、カラーフィルタとして、透明基材と、透明基材上に上記3色の副画素に対応するパターン状に設けられ、パターン状の着色層を有する着色部と、白色副画素に対応するパターン状に設けられ、白色光をそのまま透過させる透明層を有する白色部とを有するものを用いることが提案されている。
ところで、有機EL表示装置における有機EL素子の陽極または陰極の一方は、通常、金属電極層からなっている。そのため、有機EL表示装置においては、屋外で使用した場合に、外光が有機EL素子の金属電極層によって反射されることに起因してコントラストが低下する等の表示不良が生じるという問題がある。
上述した問題に対しては、例えば有機EL表示装置の観察者側に円偏光板を設けることにより、外光反射を防止する技術が提案されている。
しかしながら、円偏光板を用いた場合は、上述した外光反射による表示不良については抑制できるものの、有機EL表示装置の有機EL素子から発光される白色光等の光の透過が円偏光板により妨げられ、円偏光板を用いない場合の輝度に比べて50%以下の輝度しか得ることができないという問題がある。
特開2007−516564号公報
上記実情に鑑みて、本発明者らが鋭意研究を行った結果、上述した外光反射による表示不良は、有機EL表示装置の白色副画素における外光反射が主な原因であることを知見した。そこで、本発明者らは、カラーフィルタの白色部に、あえて外光を吸収することが可能な光吸収層を形成することで、有機EL表示装置において、上述した外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度での表示を実現させることを試みた。このような試みを行う中で、本発明者らは、さらに、白色部の透過スペクトルを調整し、反射光に含まれる緑色光の強度を他の色の光の強度よりも減衰させることで、観察者から反射光を認識されにくいものとすることができ、白色副画素においてより良好な白色表示を行うことができることを知見した。本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
本発明は、有機EL表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができるカラーフィルタ、およびこれを用いた有機EL表示装置を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部と、上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部と、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記白色部に光吸収層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができる。
また、本発明によれば、上記白色部の透過スペクトルが上述した波長域に極小値を有することにより、上記有機EL表示装置の白色副画素において良好な白色表示を行うことができる。
上記発明においては、上記白色部の380nm〜500nmの波長域の平均透過率と650nm〜780nmの波長域の平均透過率との差が、±30%の範囲内であることが好ましい。上述の各波長域の平均透過率の差を上述した範囲内とすることにより、500nm〜650nmの波長域以外の白色部の透過スペクトルをよりフラットにすることができ、本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置の白色副画素において反射光を観察者からより認識されにくいものとすることができる。
上記発明においては、上記着色部が、パターン状の青色着色層を有する青色着色部を含み、上記透明基材上の上記白色部の少なくとも一部には上記青色着色層と同一材料から構成される光調整層が形成されていてもよい。上記光吸収層および上記光調整層を併用して、本発明のカラーフィルタの白色部の平均透過率、および白色部の透過スペクトルを所望の値に調整することができる。
本発明は、透明基材、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、対向基材と、上記対向基材上に形成され、発光層を含む有機EL層を有する有機EL素子と、を有し、上記カラーフィルタおよび上記対向基材の間に上記有機EL素子が配置されていることを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、上述のカラーフィルタを有することにより、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができる有機EL表示装置とすることができる。
本発明は、透明基材、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、上記カラーフィルタの上記着色層上に形成され、発光層を含む有機EL層を有する有機EL素子と、を有することを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、上述のカラーフィルタを有することにより、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができる有機EL表示装置とすることができる。
本発明のカラーフィルタは、有機EL表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができるといった作用効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置を用いた表示方法の一例を説明する説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 従来の有機EL表示装置を用いた表示方法の一例を説明する説明図である。 従来の有機EL表示装置を用いた表示方法の他の例を説明する説明図である。 実施例1〜4および比較例のカラーフィルタの白色部の透過スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明のカラーフィルタ、および有機EL表示装置について説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部と、上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部と、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とするものである。
ここで、本発明における着色部および白色部とは、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合において、有機EL表示装置の画素部を構成する着色副画素、および白色副画素に対応するように配置される部分をいう。
また、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するとは、可視光域全域(380nm〜780nm)にわたって白色部の透過率を測定した場合に、500nm〜650nmの波長域において白色部の透過率が最小値となる波長を有することをいう。
また、以下の説明において、透過光とは、白色部を透過した発光層からの光を指し、白色部における透明基材および光吸収層の積層部分を一方の面から他方の面へと1回透過した発光層からの光をいう。
また、反射光とは、白色部を反射した外光を指し、白色部における透明基材および光吸収層の積層部分を一方の面から他方の面へと透過した後、金属等により反射されて再度上記積層部分を他方の面から、一方の面へと透過した、すなわち上記積層部分を2回透過した外光をいう。
また、以下の説明においては、着色部を発光層からの光が透過することにより得られる光を着色透過光と称し、着色部を反射した外光を着色反射光と称して説明する場合がある。
本発明のカラーフィルタについて図を用いて説明する。
図1および図2は本発明のカラーフィルタの一例および他の例を示す概略断面図である。図1および図2に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、透明基材1と、透明基材1上に設けられパターン状の着色層(図1および図2では赤色着色層2R、緑色着色層2G、および青色着色層2B)を有する着色部10C(図1および図2では赤色着色部10R、緑色着色部10G、および青色着色部10B)と、透明基材1上に設けられたパターン状の白色部10Wと、を有し、透明基材1上の白色部10Wには着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層3が形成されているものである。また、本発明のカラーフィルタ10は、白色部10Wの平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、白色部10Wの透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とする。
なお、図1(a)、(b)においては光吸収層3が透明基材1上の白色部10Wにパターン状に形成されている例について示しており、図1(c)においては光吸収層3が白色部10Wを含む透明基材1上全面に形成されている例について示している。
また、図2(a)、(b)に例示するように、着色部10Cが、パターン状の青色着色層2Bを有する青色着色部10Bを含む場合は、透明基材1上の白色部10Wの少なくとも一部には青色着色層2Bと同一材料から構成される光調整層4が形成されていてもよい。
また、図1(a)、(b)および図2(a)、(b)に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、各着色部10R、10G、10Bおよび白色部10Wを区画する遮光部5を有していてもよい。また、後述する図4に例示するように、着色層2R、2G、2Bおよび光吸収層3上に保護層6が形成されていてもよい。
また、本発明のカラーフィルタは、有機EL表示装置に用いられるものである。このような有機EL表示装置について図を用いて説明する。
図3は、本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。また、図3は上記有機EL表示装置がトップエミッション型の有機EL表示装置である例について示している。図3に例示するように、上記有機EL表示装置100は、カラーフィルタ10と、対向基材20と、対向基材20上に形成された有機EL素子30とを有し、カラーフィルタ10および対向基材20の間に有機EL素子30が配置されているものである。また、有機EL素子30は、通常、対向基材20上に形成された第1電極層31aと、第1電極層31a上に形成され、発光層を含む有機EL層32と、有機EL層32上に形成された第2電極層31bとを有するものである。また、この場合、例えば第1電極層31aには金属電極層が用いられ、第2電極層31bには透明電極層が用いられる。また本発明においては、通常、カラーフィルタ10および対向基材20の間であって、カラーフィルタ10および対向基材20の外周に、シール材40が配置される。なお、カラーフィルタ10については、図1で説明した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、図示はしないが有機EL表示装置がトップエミッション型の有機EL表示装置である場合は、カラーフィルタの光吸収層側とは反対側と、有機EL素子とが対向するように配置されていてもよい。
また、図4は本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置の他の例を示す概略断面図である。図4は上記有機EL表示装置がボトムエミッション型の有機EL表示装置である例について示している。この場合、有機EL表示装置100は、カラーフィルタ10と、カラーフィルタ10の保護層6上に形成された有機EL素子30とを有する。有機EL素子30は、通常、カラーフィルタ10上に形成された第1電極層31aと、第1電極層31a上に形成された有機EL層32と、有機EL層32上に形成された第2電極層31bとを有するものである。またこの場合、第1電極層31aには例えば透明電極層が用いられ、第2電極31bには金属電極層が用いられる。図4に示すように、ボトムエミッション型の有機EL表示装置100においては、対向基材20を有していてもよい。この場合、対向基材20は封止基材として用いられ、例えばシール材40とともに用いることができる。
なお、図4において説明していない符号については、図1および図3で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記白色部に光吸収層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができる。
また、本発明によれば、上記白色部の透過スペクトルが上述した波長域に極小値を有することにより、上記有機EL表示装置の白色副画素において良好な白色表示を行うことができる。
より具体的には、本発明によれば、上記白色部に光吸収層が形成されているため、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、有機EL表示装置の内部に入射した外光の一部を光吸収層に吸収させることができることから、反射光の強度を減衰させることができ、上記外光反射による表示不良の発生を抑制することができる。また、白色部の平均透過率が上記範囲内であることにより、光吸収層が形成されている場合も、有機EL表示装置の白色副画素において有機EL表示装置の外部に出射される透過光の輝度の低下を抑制することが可能となる。
また、白色部の透過スペクトルが上述した波長域に極小値を有することにより、反射光に含まれる緑色光の強度をより低いものとすることができることから、反射光を観察者から認識されにくいものとすることが可能となる。よって、有機EL表示装置の白色副画素において良好な白色表示を行うことができる。
ここで、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合の作用効果について、従来のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合と比較して説明する。
まず、従来のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合について説明する。
図7、図8は、従来のカラーフィルタを使用した有機EL表示装置(従来の有機EL表示装置)を用いた表示方法の一例および他の例を説明する説明図である。なお、以下の説明においては、各副画素に対応する有機EL素子の発光層からの光が白色光である場合について説明する。
従来から、図7(a)、(b)に例示する白色副画素を有する有機EL表示装置100’においては、外光反射による表示不良が問題として挙げられている。本発明者らは、本発明を完成させるに際し、まず、上記表示不良は、有機EL表示装置100’の白色副画素における外光反射が主な原因であることを知見した。
すなわち、有機EL表示装置100’を屋外で使用した場合、図7(a)に例示するように、外光Lsは、観察者側に配置されたカラーフィルタ10’の赤色着色部10R、緑色着色部10G、および青色着色部10B等の着色部10Cおよび白色部10Wを透過して有機EL表示装置100’の内部に入射する。また、上記外光Lsは有機EL素子30の第1電極層31a(金属電極層)により反射されて、再度、カラーフィルタ10’の着色部10C、および白色部10Wを透過して有機EL表示装置100’の外部に赤色反射光Lr(R)、緑色反射光Lr(G)、青色反射光Lr(B)等の着色反射光および反射光Lr’として出射する。
一方、図7(b)に例示するように、白色光Lwは、観察者側に配置されたカラーフィルタ10’の上述した着色部10Cおよび白色部10Wを透過して有機EL表示装置100’の外部に赤色透過光Lt(R)、緑色透過光Lt(G)、青色透過光Lt(B)および透過光Lt’として出射する。
ここで、図7(a)、(b)に例示するように、従来の有機EL表示装置100’においては、カラーフィルタ10’として、パターン状の着色層(図7では赤色着色層2R、緑色着色層2G、および青色着色層2B)を有する着色部10Cと、白色光Lwをそのまま透過させる透明層7を有する白色部10Wとを有するものが用いられている。また、上述した透明層7は一般に外光Lsについてもそのまま透過させる性質を有するものである。そのため、図7(a)に例示するように、有機EL表示装置100’の白色副画素においては、有機EL表示装置100’の内部へ入射した外光Lsが、そのままの強度を保持して反射光Lr’として出射される。一方、有機EL表示装置100’の着色副画素においては、有機EL表示装置に入射した外光Lsは、上記着色層を2回透過する過程において一部の光が着色層に吸収されてから着色反射光として出射されるため、上述した白色副画素における反射光Lr’に比べて、非常に小さい強度の光となる。
そのため、図7(a)、(b)に例示するように、屋外で有機EL表示装置100’を使用した場合は、白色副画素においては透過光Lt’と強度の強い反射光Lr’とが出射されるのに対し、着色副画素においては着色透過光と上記反射光Lr’に対して非常に小さい強度の着色反射光とが出射されることから、反射光および着色反射光の強度の違いにより、白色副画素における輝度が相対的に高く、他の着色副画素の輝度が相対的に低くなるため、コントラストが低下する等の問題が生じる。
また、上記問題に対しては、図8(a)、(b)に例示するように、円偏光板50を有機EL表示装置100”の観察者側に配置することが提案されている。ここで、円偏光板50は、偏光フィルムと位相差フィルムとを積層させることにより形成されているものである。位相差フィルムは、位相差が光の波長の1/4になるよう制御されている。このような円偏光板50を用いた場合、図8(a)に例示するように、カラーフィルタ10’に入射した外光Lsは、はじめに偏光フィルムによって直線偏光となり、次に、位相差フィルムによって円偏光となる。その後、有機EL素子30の第1電極層31aによって反射される際に円偏光状態が反転する。その後、反射された光が再び位相差フィルムを通過すると、この光は、カラーフィルタ10’に入射した時に比べて90度傾いた直線偏光となる。従って、この直線偏光は、再び偏光フィルムに到達する際に吸収される。よって、上述のような特性を有する円偏光板50を設けることにより、図8(a)に例示するように、有機EL表示装置100”内に入射した外光Lsを反射光または着色反射光としてほとんど外部に出射させないようにすることが可能となる。しかしながら、円偏光板50を設けた場合は、図8(b)に例示するように、有機EL素子30の有機EL層32の発光層から発光される白色光Lwの強度も、円偏光板50を通る前後で1/2に減衰されてしまうため、赤色透過光Lt(R)”、緑色透過光Lt(G)”、青色透過光Lt(B)”、および透過光Lt”の強度が大幅に減衰し、有機EL表示装置100”の輝度が低下してしまうという問題が生じる。
一方、本発明のカラーフィルタは、光吸収層を用いることにより、上述した円偏光板を用いない場合における問題点、および円偏光板を用いた場合の問題点を以下のように解消することができる。
図5(a)、(b)は本発明のカラーフィルタ使用した有機EL表示装置(本発明の有機EL表示装置)を用いた表示方法の一例を示す説明図である。
まず、反射光Lrに対する作用について図5(a)を用いて説明する。ここで、本発明においては、光吸収層3は、着色材を含有する樹脂から構成されていることから、光を吸収する機能を有するものである。よって、本発明のカラーフィルタ10を用いた有機EL表示装置100において、白色部10Wにおいては、外光Lsが光吸収層3および透明基材1の積層部分を2回透過する過程において、それぞれ一部の光が吸収されるため、反射光Lrは、もとの外光Lsに比べて減衰され、強度の小さい光となる。よって、有機EL表示装置100の白色副画素において観察される反射光Lrの強度を小さくすることができるため、上述した外光反射による表示不良を抑制することが可能となる。なお、上記有機EL表示装置100の着色部10Cにおける着色反射光の挙動については、上述した図7(a)で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、透過光に対する作用について図5(b)を用いて説明する。本発明においては、白色部10Wが光吸収層3を有していることにより、上記白色光Lwの一部は吸収されるものの、白色部10Wの平均透過率が上述した範囲内にあることにより、光吸収層3を透過することによる白色光Lwの強度の減衰については小さいものとすることができる。より具体的には、円偏光板を観察者側に配置した場合に比べて、白色光Lwの強度の減衰を小さいものとすることができる。
また、上述した光吸収層3を用いることにより、有機EL表示装置の着色副画素には円偏光板50を配置しなくてもよくなることから、赤色透過光Lt(R)、緑色透過光Lt(G)、および青色透過光Lt(B)の輝度を良好なものとすることができ、有機EL表示装置100全体の輝度を良好なものとすることができる。
なお、図5、図7、および図8において説明していない符号については、図1および図3等で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタは、さらに、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することにより、反射光に含まれる緑色光の強度をより低いものとすることができることから、有機EL表示装置の白色副画素において良好な白色表示を行うことが可能となる。
この理由については、以下のように考えられる。
白色部に光吸収層が形成されたカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合、有機EL表示装置の白色副画素においては、透過光と光吸収層により強度が減衰された反射光とが観察される。そのため、反射光が色みを有する場合には、白色副画素において所望の白色表示を行うことが困難となることが懸念される。反射光の色みは、白色部の透過特性により決定されることから、上記懸念を回避するためには、白色部の透過特性については、例えば可視光域における透過スペクトルをよりフラットとし、反射光の含まれる可視光域の各色の光の強度を均一なものとすることが好ましいとも考えられる。
しかしながら、人の眼は可視光域の光のなかでも緑色光を視感しやすい性質があることから、反射光の可視光域の各色の光の強度を均一なものとした場合も、観察者からは反射光に含まれる緑色光が認識されてしまう可能性がある。
これに対し、本発明のカラーフィルタは、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することから、反射光に含まれる緑色光の強度を他の色の光の強度に比べてより減衰させることができ、反射光を観察者からより観察されにくいものとすることができる。
また、本発明のカラーフィルタは、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することにより、上記有機EL表示装置における反射ムラについても抑制することが可能となる。この理由については以下のように考えられる。
ここで、上記反射ムラは、有機EL表示装置において表示面に対して斜め方向から一の副画素に入射した外光が、有機EL素子の金属電極層に反射され、異なる色の他の副画素から反射光として出射されることにより、観察者から、上記他の副画素の一部において2色の光が混色されて観察されるために生じる問題である。このような反射ムラは、着色副画素から入射した外光が白色副画素から反射光として出射される場合に特に観察されやすいものである。
上述したように、白色部に光吸収層が形成されている場合は、上述した反射ムラの原因となる反射光についても減衰させることが可能となることから、白色部における反射ムラを抑制することが可能となる。しかしながら、上述したように、緑色光については視感度が高いことから、白色部の透過特性をフラットとした場合は、緑色副画素から入射した外光が白色副画素から反射光として出射されることによる反射ムラについては十分に抑制することができないことが懸念される。
これに対し、本発明のカラーフィルタは、白色部の500nm〜650nmの波長域に極小値を有することから、反射光に含まれる緑色光の強度を他の色の光の強度に比べてより減衰させることができ、緑色副画素から入射した外光が白色副画素から反射光として出射されることによる反射ムラについても、十分に抑制することが可能となる。
なお、上述した説明においては、説明の容易のため、透明基材の平均透過率、および透過スペクトルによる影響については加味しない場合について説明したが、透明基材の透過特性が有機EL表示装置における上述した問題に影響する場合は、これらについても考慮して光吸収層を用いて白色部の平均透過率および透過スペクトルを調整することが可能となる。
以上説明したように、本発明のカラーフィルタは、基材上の白色部に光吸収層や必要に応じて光調整層が形成されていることから、白色部が所定の平均透過率、透過スペクトル等の透過特性を示すものとすることができる。換言すれば、本発明のカラーフィルタは、の白色部が所定の透過特性を示すように、光吸収層等を用いて調整できることを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタの詳細について説明する。
1.カラーフィルタの特性
本発明のカラーフィルタは、透明基材上の白色部に後述する光吸収層や必要に応じて光調整層が形成されていることにより、白色部が上述した透過特性を示すことを特徴とする。換言すれば、白色部が上述した透過特性を有するように、光吸収層を用いて調整することを特徴とする。より具体的には、白色部における透過特性の調整を、光吸収層等を構成する樹脂に含有される着色材の種類、および着色材の含有量等の光吸収層の組成および厚みを調整することにより行うことを特徴とする。
以下、光吸収層の組成および厚みの調整条件となる白色部の透過特性について説明する。
本発明のカラーフィルタは、白色部の平均透過率が、50%〜98%の範囲内であり、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とする。
ここで、上記白色部においては、着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されているため、従来の透明層を有する場合に比べて、白色部における外光の反射率を小さくすることができ、反射光の強度を減衰させることが可能となる。しかしながら、反射光の強度を減衰させることのみを目的とした場合は、白色部の平均透過率も小さくなるため、透過光の強度が弱くなり、良好な輝度で表示を行うことが困難となることが懸念される。
そこで、本発明においては上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であることを特徴とする。本発明においては、平均透過率を上記下限値以上とすることにより、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、良好な輝度での表示を行うことが可能となる。より具体的には円偏光板を使用した有機EL表示装置に比べて、高い輝度での表示を行うことが可能となる。また、平均透過率が上記上限値以下であれば、外光反射による表示不良を抑制できる程度に反射光の強度を減衰させることができる。
上記平均透過率としては、50%以上であればよく、60%以上であることがより好ましい。また上記平均透過率としては、98%以下であればよく、90%以下であることがより好ましく、80%以下であることがさらに好ましい。
上記平均透過率を上述した条件とすることにより、外光反射による表示不良をより好適に抑制することが可能となるからである。
なお、白色部の平均透過率とは、白色部の透過スペクトルを可視光域全域(380nm〜780nm)にわたって平均することにより得られる値である。また、上記白色部の平均透過率は、一般的な測定方法に求めることができ、例えば、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定することにより求めることができる。
また、本発明においては、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有する。白色部の透過スペクトルが上述の波長域に極小値を有することにより、反射光に含まれる緑色光の強度をより低いものとすることができることから、反射光を観察者から認識されにくいものとすることができる。これにより本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置の白色副画素において、良好な白色表示を行うことができる。
上記極小値を有する波長域としては、なかでも550nm〜650nmの波長域であることが好ましく、特に550nm〜620nmの波長域であることがより好ましい。
上述した波長域に極小値を有することにより、反射光に含まれる緑色光の強度をより減衰させることができ、反射光を観察者からより認識されにくいものとすることができる。
また、上記白色部の透過スペクトルとしては、上述した波長域に極小値を有していれば特に限定されないが、上述した波長域以外の波長域がフラットであることが好ましい。反射光に含まれる緑色光以外の色の光を同程度で減衰させることにより、反射光をより色みのないものとすることができ、観察者からより認識されにくいものとすることが可能となる。
具体的には、上記白色部の380nm〜500nmの波長域の平均透過率と650nm〜780nmの波長域の平均透過率との差が、±30%の範囲内、中でも±25%の範囲内、特に±20%の範囲内であることが好ましい。白色部の各波長域の平均透過率の差を上述した範囲内とすることにより、反射光をより色みのないものとすることができ、反射光を観察者からより認識されにくいものとすることができる。よって、本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置の白色副画素において、より良好な白色表示を行うことができる。
また、上記白色部としては、上記白色部の380nm〜500nmおよび650nm〜780nmの波長域の平均透過率をαとし、500nm〜650nmの波長域の平均透過率をβとした場合、その差(α−β)としては、反射光に含まれる緑色光を低減することができるものであれば特に限定されないが、5%以上、なかでも7%以上、特に10%以上であることが好ましい。白色部の380nm〜500nmおよび650nm〜780nmの波長域の平均透過率と、500nm〜650nmの波長域の平均透過率との差が上述した値に満たない場合は、反射光に含まれる緑色光の強度を十分に減衰させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記差(α−β)が、30%以下、なかでも25%以下、特に20%以下であることが好ましい。白色部の380nm〜500nmおよび650nm〜780nmの波長域の平均透過率と、500nm〜650nmの波長域の平均透過率との差が上述した値を超える場合は、反射光に含まれる緑色光以外の光が観察されやすくなる可能性があるからである。
白色部の透過スペクトル等を調整する方法としては、具体的には、500nm〜650nmの波長域の光を吸収する着色材、より具体的には青色着色材を含有する樹脂層を白色部に設けることにより調整が行われる。
上記青色着色材を含有する樹脂層としては、例えば光吸収層が挙げられる。また、後述する着色部がパターン状の青色着色層を有する青色着色部を含む場合は、上記透明基材上の上記白色部の少なくとも一部に形成され上記青色着色層と同一材料から構成される光調整層が挙げられる。
2.カラーフィルタの構成
次に、本発明のカラーフィルタの構成について説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基材と、着色層と、光吸収層とを有するものである。
(1)光吸収層
本発明における光吸収層について説明する。
本発明における光吸収層は、上記透明基材上の上記白色部に形成されるものであり、着色材を含有する樹脂から構成されるものである。また、上記光吸収層は、カラーフィルタの白色部に上述した透過特性を付与するために設けられるものである。
上記光吸収層は、透明基材の一方の表面上に形成されていればよく、後述する着色層と同一側の表面上に形成されていてもよく、着色層側とは反対側の表面上に形成されていてもよいが、通常は、着色層と同一側の表面上に形成される。
上記透明基材上における光吸収層の形成位置としては、少なくとも白色部に形成されていれば特に限定されない。例えば、図1(a)、(b)に例示するように透明基材1上の白色部10Wに光吸収層3をパターン状に形成してもよく、図1(c)に例示するように白色部10Wを含む透明基材1全面上に光吸収層3を形成してもよい。図1(a)、(b)に例示するように本発明において透明基材1上の白色部10Wに光吸収層3がパターン状に形成されている場合は、光吸収層3の透過特性が着色部10Cに影響しないものとなるため、白色部10Wの特性をより最適なものとすることができる。一方、図1(c)に例示するように、白色部10Wを含む透明基材1上全面に光吸収層3が形成されている場合は、上述した反射ムラの原因となる反射光の強度をより減衰させることができるため、上記反射ムラをより好適に抑制することができる。
本発明において、白色部に所望の透過特性を付与する観点からは、上記光吸収層は透明基材上の白色部にパターン状に形成されていることが好ましい。
光吸収層をパターン状に形成する場合、光吸収層のパターン形状としては、白色部のパターン形状に合わせて適宜決定される。また、白色部のパターン形状としては、有機EL表示装置に用いられる画素部のパターン配列により適宜決定される。上記画素部のパターン配列としては、一般的な有機EL表示装置に用いられるものと同様とすることができ、具体的には、ストライプ配列、モザイク配列、ドット配列、ペンタイル配列等を挙げることができる。
また、光吸収層の厚みとしては、光吸収層の材料の組成等に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。本発明においては、後述する着色層と同等の厚みを有するように形成されることが好ましい。カラーフィルタの着色層および光吸収層上に他の構成を形成しやすくなるからである。
光吸収層の厚みとしては、具体的には、0.1μm〜10.0μmの範囲内、なかでも、0.5μm〜7.0μmの範囲内、特に1.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。
光吸収層は、着色材を含有する樹脂から構成されるものである。
上記樹脂としては、着色材を分散させて、白色部に所望の平均透過率および透過スペクトル等の透過特性を付与することが可能な光吸収層を形成することができるものであれば、特に限定されないが、透光性を有する感光性樹脂を好適に用いることができる。
透光性を有する感光性樹脂のタイプが特に限られることはなく、ネガ型感光性樹脂およびポジ型感光性樹脂のいずれも用いることができる。
用いられるネガ型感光性樹脂が特に限定されることはなく、一般的に使用されるネガ型感光性樹脂を用いることができる。例えば、架橋型樹脂をベースとした化学増幅型感光性樹脂、具体的にはポリビニルフェノールに架橋剤を加え、さらに酸発生剤を加えた化学増幅型感光性樹脂等が挙げられる。また、アクリル系ネガ型感光性樹脂として、紫外線照射によりラジカル成分を発生する光重合開始剤と、分子内にアクリル基を有し、発生したラジカルにより重合反応を起こして硬化する成分と、その後の現像により未露光部が溶解可能となる官能基(例えば、アルカリ溶液による現像の場合は酸性基をもつ成分)とを含有するものを用いることができる。上記のアクリル基を有する成分のうち、比較的低分子量の多官能アクリル分子としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、テトラメチルペンタトリアクリレート(TMPTA)等が挙げられる。また、高分子量の多官能アクリル分子としては、スチレン−アクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合体の一部のカルボン酸基部分にエポキシ基を介してアクリル基を導入したポリマーや、メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、用いられるポジ型感光性樹脂が特に限定されることはなく、一般的に使用されるポジ型感光性樹脂を用いることができる。具体的には、ノボラック樹脂をベース樹脂とした化学増幅型感光性樹脂等が挙げられる。
次に着色材について説明する。
本発明においては、光吸収層に着色材を含有させることにより、白色部の平均透過率が調整される。また、本発明においては、光吸収層に着色材を含有させることにより、白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの範囲内に極小値を有するように調整されることが好ましい。
また、本発明においては、1色の着色材を用いてもよく、2色以上の着色材を用いてもよい。
このような着色材としては、例えば、青色着色材、紫色着色材、赤色着色材を挙げることができる。
上記青色着色材としては、例えば青色フタロシアニンであることが好ましい。また、上記青色フタロシアニンとしては、C.I.ピグメントブルー(以下、PBと称する場合がある。)15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6が挙げられる。また、本発明においては青色着色材としてこれらのうち2種類の青色フタロシアニンを用いてもよい。
また、上記紫色着色材としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット(以下、PVと称する場合がある。)19、PV23、PV29、PV32等を挙げることができる。
また、赤色着色材としては、C.I.ピグメントレッド(以下、PRと称する場合がある。)177、PR254、PR122、PR209を挙げることができる。
本発明においては、上述した青色着色材、紫色着色材、赤色着色材以外の着色材を有していてもよい。このような着色材としては例えば黒色着色材等を挙げることができる。
上記着色材の含有量としては、光吸収層の透過光および反射光のスペクトル、平均透過率、厚み等に応じて適宜選択されるものであるが、着色材が上述した厚みを有する場合、樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10.0質量部の範囲内、なかでも0.5質量部〜7.0質量部の範囲内、特に1.0質量部〜5.0質量部の範囲内であることが好ましい。着色材の含有量が上記範囲に満たない場合または上記範囲を超える場合は、光吸収層を用いて白色部の透過特性を調整することが困難となる可能性があるからである。なお、着色材の含有量とは、着色材が複数添加されている場合、その全含有量をいう。
本発明においては、図1(b)に例示するように、着色部10Cが青色着色層2Bを有する青色着色部10Bを含む場合は、青色着色層2Bと同一材料を用いて光吸収層3を形成してもよい。この場合、光吸収層3は平均透過率が上述した範囲内となるように、青色着色層2Bよりも厚みを薄くして形成される。
上記光吸収層の形成方法としては、少なくとも基材上の白色部に光吸収層を形成することができれば特に限定されず、一般的な樹脂層の形成方法として公知の方法を用いることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)着色層
本発明における着色層は、透明基材上の着色部にパターン状に形成されるものである。
上記着色層のパターン形状としては、着色部のパターン形状に合わせて適宜決定される。また、着色部のパターン形状としては、有機EL表示装置に用いられる画素部のパターン配列により適宜決定される。上記画素部のパターン配列については「(1)光吸収層」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
また、上記着色層は、特定の波長域の光のみを選択的に透過させる層である。また、本発明においては、通常、着色層として赤色の波長域の光を選択的に透過させる赤色着色層、緑色の波長域の光を選択的に透過させる緑色着色層、および青色の波長域の光を選択的に透過させる青色着色層とを有する。なお、複数色の着色層が上記の赤色着色層、緑色着色層および青色着色層に限られることは無く、その他の色の着色層、例えば黄色着色層が含まれていてもよい。
上記着色層は、各色の顔料や染料等の着色材を感光性樹脂中に分散または溶解させることにより形成されるものである。
感光性樹脂については、上述した「(1)光吸収層」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
このうち赤色着色層に用いられる着色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色層に用いられる着色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層に用いられる着色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
上記着色材の含有量としては、所望の着色表示を行うことができれば特に限定されない。
上記着色層の厚みについては、カラーフィルタの用途に応じ適宜選択することができる。具体的には、上述した光吸収層の厚みと同等とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)透明基材
本発明における透明基材は、上述した着色層、および光透過層を支持するものである。
上記透明基材の透明性としては、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、有機EL層からの発光を透過させて表示を行うことが可能な程度であれば特に限定されないが、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは、樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。また、樹脂フィルムにバリア層が形成されたものを用いてもよい。
透明基材の厚みについては、本発明のカラーフィルタの用途および透明基材を構成する材料等に応じて適宜決定することができる。
(4)その他の構成
本発明のカラーフィルタは上述した透明基材、着色層、および光吸収層を有していれば特に限定されず、他にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、例えば、光調整層、遮光部、保護層、TFT、電極を挙げることができる。
(a)光調整層
まず、本発明における光調整層について説明する。
上記光調整層は、上記着色部が、パターン状の青色着色層を有する青色着色部を含む場合に、上記透明基材上の上記白色部の少なくとも一部に形成され、上記青色着色層と同一材料から構成されるものである。
本発明における光調整層4は、図2(a)、(b)に例示するように、着色部10Cがパターン状の青色着色層2Bを有する青色着色部10Bを含む場合に、透明基材1上の白色部10Wの少なくとも一部に形成され、青色着色層2Bと同一材料から構成されるものである。上記光吸収層を有する場合は、光吸収層および光調整層を併用して、白色部の平均透過率、および白色部の透過スペクトルを所望の値に調整することができる。
このような光調整層4としては、図2(a)に例示するように、透明基材1上の白色部10Wの一部にパターン状に直接形成されたものであってよく、図2(b)に例示するように、光吸収層3上に積層させて形成されたものであってもよい。この場合、光調整層4は青色着色層2Bよりも薄い厚みで形成される。
また、本発明においては、上記光吸収層は、青色着色層と連続的に形成されていることが好ましい。光吸収層を簡便な方法で形成することが可能となるからである。
光吸収層のパターン形状、および厚み等については、カラーフィルタの用途等に応じて適宜選択される。
(b)遮光部
次に、本発明における遮光部について説明する。
本発明における遮光部は、透明基材上にパターン状に形成されるものである。
また、上記遮光部はそれぞれの着色部および白色部を画定するものである。
上記遮光部の開口部のパターン配列としては、有機EL表示装置の画素部のパターン配列により適宜選択される。
上記遮光部としては、例えば、クロム等の金属材料から構成されるもの、樹脂層中に遮光材料を分散させたもの、着色層と同一の材料からなる層を複数積層させたもの等を挙げることができる。
これらの遮光部に用いられる材料、厚み、およびその形成方法等については、公知のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)保護層
次に、本発明における保護層について説明する。本発明における保護層は、カラーフィルタにおいて、着色層および光吸収層を覆うように形成されるものである。また、本発明のカラーフィルタをボトムエミッション型の有機EL表示装置に用いる場合に、特に好適に用いられる。
また、上記保護層はカラーフィルタの色特性、上述した透過特性等を損なわないものであれば特に限定されず、一般的な透明樹脂を用いることができる。特に、光硬化性保護膜がチップ(着色部および白色部)(透明基材上に複数個形成されたカラーフィルタパターン)ごとにパターニングできるので好ましい。また、そのカラーフィルタパターンごとに保護層をパターニングできると、切断、パネル貼り合わせ時の工程不具合をなくすことが出来る。
保護層の厚み、および製造方法については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(d)TFT
次に、TFTについて説明する。本発明のカラーフィルタをボトムエミッション型の有機EL表示装置に用いる場合は、透明基材上にTFTを形成してもよい。TFTについては一般的な有機EL表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(e)電極
次に、電極について説明する。
本発明においては、カラーフィルタ上にCu、Ag、Cr、Au、Ta、Mo、Pt、MAM、APCなどから構成される金属電極層を設けてもよい。また、ITO、IZOなどから構成される透明電極を設けてもよい。
上記金属電極層は、遮光部上等のカラーフィルタにおいて表示に用いられない領域(非表示領域)に好適に設けることができる。
本発明のカラーフィルタ上に電極を設けることにより、有機EL表示装置に用いた場合において、有機EL素子への印加電圧効果による輝度低下を軽減することができ、有機EL表示装置の低消費電力化を図ることができる。
3.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、特に限定されず、一般的なカラーフィルタの製造方法と同様とすることができる。
図6は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す概略断面図である。図6は、フォトリソグラフィ法を用いてカラーフィルタを製造する例について示している。
図6(a)に例示するように、まず、透明基材1上に遮光部5をパターン状に形成する。次に、図6(b)に例示するように、着色材および樹脂を含有する光吸収層形成用塗工液を透明基材1上に塗布して光吸収層形成用層3’を形成する。続いて、図6(c)に例示するように、光吸収層形成用層3’をフォトマスク60等を用いて露光光Leを照射してパターン露光し、現像処理をすることで、図6(d)に例示するように、透明基材1上の白色部10Wにパターン状に光吸収層3を形成する。
次に、図示はしないが、着色材および樹脂を含有する着色層形成用塗工液を透明基材上に塗布して着色層形成用層を形成し、上記着色層形成用層をパターン露光し、現像処理して、図6(e)に例示するように透明基材1上の着色部10Cにパターン状に着色層2R、2G、2Bを形成する。
このような工程を行うことにより、図6(e)に例示するようにカラーフィルタ10を製造することができる。
なお、図6において説明していない符号については、図1等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記各塗工液に用いられる溶剤、添加剤等、上記塗工液の調整方法、および上記塗工液の塗布方法、露光条件、現像処理条件等については一般的なフォトリソグラフィ法によるカラーフィルタの製造方法に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、図6においてはフォトリソグラフィ法を用いてカラーフィルタを製造する方法について説明したが、例えば、インクジェット法、印刷法等を用いても本発明のカラーフィルタを製造することができる。
4.用途
本発明のカラーフィルタは、有機EL表示装置に用いられる。また、上述した有機EL表示装置のなかでも、携帯機器に用いられる有機EL表示装置に好適に用いることができる。
5.カラーフィルタ
上述したように、本発明のカラーフィルタは、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することにより、有機EL表示装置に用いた場合に白色副画素において良好な白色表示を行うことが可能となるが、例えば、次のような特徴を有するカラーフィルタも、同様の作用効果を奏し得ることが考えられる。
具体的には、透明基材と、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部と、上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部と、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の380nm〜500nmおよび650nm〜780nmの波長域の平均透過率と、500nm〜650nmの波長域の平均透過率との差が、上述した「1.カラーフィルタの特性」の項に記載された範囲であることを特徴とするカラーフィルタである。
また、このようなカラーフィルタにおけるより好ましい白色部の透過特性、およびカラーフィルタの構成、カラーフィルタの製造方法、および用途等については、上述のものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
B.有機EL表示装置
次に、本発明の有機EL表示装置について説明する。
本発明の有機EL表示装置は、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したカラーフィルタを有することを特徴とするものである。また、本発明の有機EL表示装置は、その構造の違いにより、2つの態様を有する。具体的には、有機EL表示装置の構造がトップエミッション型である態様(第1態様)と、ボトムエミッション型である態様(第2態様)との2つの態様を有する。
以下、各態様について説明する。
1.第1態様
本態様の有機EL表示装置は、トップエミッション型の有機EL表示装置である。
具体的には、本態様の有機EL表示装置は、透明基材、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、対向基材と、上記対向基材上に形成され、発光層を含む有機EL層を有する有機EL素子と、を有し、上記カラーフィルタおよび上記対向基材の間に上記有機EL素子が配置されていることを特徴とするものである。
本態様の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図としては、上述した図3を挙げることができる。図3については、上述した「A.カラーフィルタ」の項目で説明したため、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上述のカラーフィルタを有することにより、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができる有機EL表示装置とすることができる。
以下、本態様の有機EL表示装置の詳細について説明する。
(1)カラーフィルタ
本態様におけるカラーフィルタについては、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)対向基材
次に、本態様における対向基材について説明する。
本態様における対向基材は、後述する有機EL素子が形成される。
本態様の有機EL表示装置は、カラーフィルタ側を発光面として用いることから、対向基材としては、透明性を有するものであってもよく、透明性を有さないものであってもよい。
対向基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは、樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。また、樹脂フィルムにバリア層が形成されたものを用いてもよい。
本態様の有機EL表示装置はトップエミッション型の有機EL表示装置であることから、対向基材上にはTFTが形成されていてもよい。
TFTとしては、有機EL表示装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
(3)有機EL素子
本態様に用いられる有機EL素子は、上記対向基材上に形成され、発光層を含む有機EL層を有するものである。また、上記有機EL素子は、通常、対向基材上に形成された第1電極層と、第1電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された第2電極層とを有し、必要に応じて絶縁層および隔壁等を有するものである。以下、有機EL素子の各構成について説明する。
(a)有機EL層
有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。
有機EL層を構成する層としては、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等が挙げられる。
以下、本態様に用いられる有機EL層の詳細について説明する。
(i)発光層
本態様に用いられる発光層は、少なくとも白色画素部に対応する発光層が白色光を発光するものが用いられる。具体的には、白色発光する白色発光層であってもよく、三原色をそれぞれ発光する赤色発光層、緑色発光層および青色発光層から構成され、白色光を発光する発光層であってもよい。
また、着色副画素に対応する発光層としては、上述した白色光を発光するものであってもよく、各着色副画素の色に対応する色の光を発光する発光層であってもよい。
発光層の種類については、有機EL表示装置の用途等に応じて適宜選択することができる。
発光層に用いられる発光材料としては、蛍光もしくは燐光を発するものであればよく、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等を挙げることができる。
色素系材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、あるいは、中心金属にAl、Zn、Be等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)を用いることができる。
高分子系材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、高分子系材料として、上記の色素系材料および金属錯体系材料を高分子化したものも用いることができる。
また、燐光材料としては、例えば、イリジウム錯体、プラチナ錯体、あるいは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au等のスピン軌道相互作用が大きい重金属を中心金属とする金属錯体等を用いることができる。具体的には、フェニルピリジンやチエニルピリジンなどを配位子とするイリジウム錯体、プラチナポルフィリン誘導体等が挙げられる。
これらの発光材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、発光材料には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的で、蛍光もしくは燐光を発するドーパントを添加してもよい。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子および正孔の再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜500nm程度にすることができる。
発光層の形成方法としては、上述の発光材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた発光層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよい。中でも、効率およびコストの面から、ウェットプロセスが好ましい。
発光層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
(ii)正孔注入輸送層
本態様においては、発光層と陽極との間に正孔注入輸送層が形成されていてもよい。
正孔注入輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入層であってもよく、正孔輸送機能を有する正孔輸送層であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
正孔注入輸送層に用いられる材料としては、発光層への正孔の注入、輸送を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレンおよびそれらの誘導体等の導電性高分子等を用いることができる。具体的には、ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔注入輸送層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
正孔注入輸送層の形成方法としては、上述の材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよく、材料の種類等に応じて適宜選択される。
(iii)電子注入輸送層
本態様においては、発光層と陰極との間に電子注入輸送層が形成されていてもよい。
電子注入輸送層は、電子注入機能を有する電子注入層であってもよく、電子輸送機能を有する電子輸送層であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、ストロンチウム、カルシウム、リチウム、セシウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化セシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の金属、合金、化合物、有機錯体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層にすることもできる。電子輸送性の有機材料としては、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)の誘導体等を挙げることができる。
電子注入輸送層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子注入輸送層の形成方法としては、上述の材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた電子注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよく、材料の種類等に応じて適宜選択される。
(b)第1電極層および第2電極層
本態様に用いられる第1電極層は対向基材上に形成されるものである。また、第1電極層は、対向基材上に一様に形成されていてもよくパターン状に形成されていてもよく、本態様の有機EL表示装置の用途や駆動方法に応じて適宜選択される。
また、本態様においては、第1電極層としては、後述する背面電極層が用いられる。
一方、本態様に用いられる第2電極層は、上述した有機EL層上に形成されるものである。また、上記第2電極層としては、有機EL表示装置において、カラーフィルタ側に配置されることから、通常、透明電極層が用いられる。
以下、本態様に用いられる透明電極層、および背面電極層について説明する。
(i)透明電極層
本態様に用いられる透明電極層は陽極および陰極のいずれであってもよい。
陽極は、抵抗が小さいことが好ましく、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陽極には、正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、Au、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、Cu、Mo、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属;これらの金属の酸化物;AlLi、AlCa、AlMg等のAl合金、MgAg等のMg合金、Ni合金、Cr合金、アルカリ金属の合金、アルカリ土類金属の合金等の合金;酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム等の無機酸化物;金属ドープされたポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体等の導電性高分子;α−Si、α−SiC;等が挙げられる。これらの導電性材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。
陰極は、抵抗が小さいことが好ましく、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陰極には、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Cs、Ba、Sr、Ca等のアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等が挙げられる。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、またはCVD法等を挙げることができる。
(ii)背面電極層
本態様における背面電極層としては、反射性を有する電極層が用いられ、通常、金属電極層が用いられる。
背面電極層は陽極および陰極のいずれであってもよい。
なお、陽極および陰極の材料については上記透明電極層の項に記載し、背面電極層の形成方法については上記透明電極層の形成方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(c)絶縁層
本態様に用いられる有機EL素子においては、第1電極層(背面電極層上)に絶縁層がパターン状に形成されていてもよい。絶縁層は、画素を画定するように形成されるものである。絶縁層のパターンとしては、画素の配列に応じて適宜選択されるものであり、例えば格子状にすることができる。
また、本態様においては対向基材上に第1電極層(背面電極層)がパターン状に形成されている場合、第1電極層(背面電極層)の開口部に絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、第1電極層(背面電極層)と第2電極層(透明電極層)とが直接接触することを防ぐために設けられるものである。
絶縁層の材料としては、有機EL素子における一般的な絶縁層の材料を用いることができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、無機材料等を挙げることができる。
絶縁層の厚みとしては、画素を画定し、透明電極層および背面電極層を絶縁することができれば特に限定されるものではない。
絶縁層の形成方法としては、有機EL素子における一般的な絶縁層の形成方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。
(d)隔壁
本態様に用いられる有機EL素子においては、絶縁層上に隔壁がパターン状に形成されていてもよい。隔壁は、透明電極層のパターンを画定するように形成されるものである。
隔壁が形成されている場合には、メタルマスク等を用いなくとも透明電極層をパターン状に形成することが可能になる。
隔壁のパターンとしては、透明電極層のパターンに応じて適宜選択される。
隔壁の材料としては、有機EL素子における一般的な隔壁の材料を用いることができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
また、発光層をパターン状に形成するに際して、隔壁には表面エネルギーを変化させる表面処理を予め行ってもよい。
隔壁の高さとしては、透明電極層のパターンを画定し、隣接する透明電極層同士を絶縁することができれば特に限定されるものではない。
隔壁の形成方法としては、有機EL素子における一般的な隔壁の形成方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。
(4)その他の構成
本態様の有機EL表示装置は、上述したカラーフィルタ、対向基材、および有機EL素子を有するものであれば特に限定されない。
本態様においては、通常、カラーフィルタおよび対向基材の間であって、カラーフィルタおよび対向基材の外周に、シール材が配置される。シール材は、カラーフィルタおよび対向基材を接着し、有機EL素子を封止するために設けられるものである。
シール材に用いられる材料としては、カラーフィルタおよび対向基材を接着し、有機EL素子が大気中の水分等と接触するのを抑制することができるものであればよく、有機EL素子に一般的に用いられるものを使用することができる。
また、本態様の有機EL表示装置がシール材を有する場合、本態様の有機EL表示装置のカラーフィルタおよび対向基材の間の空間は不活性ガスで充填されていてもよい。不活性ガスとしては、有機EL素子に用いられる一般的なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスが挙げられる。また、カラーフィルタおよび対向基材の間の空間は真空とされていてもよい。
また、本態様の有機EL表示装置は、上述したシール材の代わりに、例えば、カラーフィルタおよび対向基材の間に接着剤を充填して形成された接着剤層を用いて封止がなされていてもよい。接着剤層に用いられる接着剤については、一般的な有機EL表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(5)有機EL表示装置
本態様の有機EL表示装置は、特に携帯機器に好ましく使用される。
本態様の有機EL表示装置の駆動方法としては、パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスのいずれも適用することができる。
本態様の有機EL表示装置の製造方法としては、一般的な有機EL表示装置の製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.第2態様
本態様の有機EL表示装置は、ボトムエミッション型の有機EL表示装置である。
具体的には、本態様の有機EL表示装置は、透明基材、上記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および上記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、上記透明基材上の上記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、上記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、上記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、上記カラーフィルタの上記着色層上に形成され、発光層を含む有機EL層を有する有機EL素子と、を有することを特徴とするものである。
本態様の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図としては、上述した図4を挙げることができる。図4については、上述した「A.カラーフィルタ」の項目で説明したため、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上述のカラーフィルタを有することにより、外光反射による表示不良を抑制しつつ、良好な輝度で表示を行うことができ、白色副画素において良好な白色表示を行うことができる有機EL表示装置とすることができる。
以下、本態様の有機EL表示装置の詳細について説明する。
(1)カラーフィルタ
本態様に用いられるカラーフィルタについては、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。また、本態様においては、カラーフィルタの着色層上に後述する有機EL素子が形成されることから、着色層上に形成された保護層を有していることが好ましい。
(2)有機EL素子
本態様に用いられる有機EL素子は、上記カラーフィルタの着色層上に形成され、発光層を含む有機EL層を有するものである。また、上記有機EL素子は、通常、カラーフィルタの着色層上に形成された第1電極層と、第1電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された第2電極層とを有し、必要に応じて絶縁層、隔壁等を有するものである。
本態様においては、上記有機EL素子が着色層上に直接形成されてもよく、例えば着色層上に形成された保護層等の他の層を介して形成されてもよい。
本態様に用いられる有機EL素子においては、通常、第1電極層として上述した透明電極層が用いられ、第2電極層として上述した背面電極層が用いられる。
有機EL素子について、上記の点以外については、上述した「1.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他
本態様の有機EL表示装置は、上述したカラーフィルタと、有機EL素子とを有するものであれば特に限定されない。本態様においては、必要に応じて、有機EL表示装置が対向基材を有していてもよい。本態様において対向基材を有する場合、対向基材は封止基材として用いられ、カラーフィルタの着色層および有機EL素子側表面と対向するように配置される。また、カラーフィルタおよび対向基材の間には、上述したシール材、または接着剤層等が配置される。対向基材、シール材、および接着剤層については、上述した「1.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の有機EL表示装置について、上述した点以外は、「1.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) …16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
…24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) …4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
…4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル …52質量部
(遮光部の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料(三菱化学社製 #2600) …20質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 111)
…16質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) …64質量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光部用組成物を得た。
<遮光部用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 …50質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル …30質量部
上記遮光部用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光部形成用層を形成した。
当該遮光部形成用層を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光部を形成した。
(赤色の着色層の形成)
下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により所定の色座標となるよう塗布して、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。
次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を170℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して表示用領域の赤色画素と非表示用領域となる額縁部形成領域全体に赤色の着色層からなるパターン(以下、レリーフパターンともいう)を形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177 …3質量部
・C.I.ピグメントレッド254 …4質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
(緑色の着色層の形成)
次に、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、赤色のレリーフパターンが形成された側上に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を所定の色座標となるように塗布して、表示用領域の緑色画素に緑色の着色層からなるパターン(レリーフパターンともいう)を形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58 …7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 …1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
(青色の着色層の形成)
更に、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色のレリーフパターンが形成された側上に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を所定の色座標となるように塗布して、表示用領域の青色画素に青色の着色層からなるパターン(レリーフパターンともいう)を形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー1 …5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
(光吸収層の形成)
更に、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色のレリーフパターンが形成された側上に、下記組成の光吸収層用樹脂組成物を所定の透過特性となるように塗布して、表示用領域の白色部に光吸収層からなるパターン(レリーフパターンともいう)を形成した。
<光吸収層用樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 …1.5質量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 …1.5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …1質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …29質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
以上の工程を行うことにより、カラーフィルタを得た。
得られたカラーフィルタに光学弾性樹脂を塗布し、真空中でOLED光源と貼り合わせて表示装置を得た。
[実施例2]
下記の光吸収層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして表示装置を作製した。
<光吸収層用樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 …1.5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …0.5質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …31質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[実施例3]
下記の光吸収層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして表示装置を作製した。
<光吸収層用樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 …2.0質量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 …1.0質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …0.5質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …31質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[実施例4]
下記の光吸収層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして表示装置を作製した。
<光吸収層用樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド254 …1.5質量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 …1.5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …0.5質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …31質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[比較例]
下記の光吸収層用樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして表示装置を作製した。
<光吸収層用樹脂組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 …10質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …40質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル …50質量部
[評価]
実施例1〜4および比較例のカラーフィルタの白色部の平均透過率、380nm〜500nmの波長域の平均透過率(T1)、500nm〜650nmの波長域の平均透過率(T2)、650nm〜780nmの波長域の平均透過率(T3)、ならびに、380nm〜500nmの波長域および650nm〜780nmの波長域の平均透過率(T4)の平均透過率、および380nm〜780nmの透過スペクトルを顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した。結果を表1および表2に示す。
また、実施例1〜4および比較例のカラーフィルタの白色部の透過スペクトルのグラフを図9に示す。
Figure 2014074880
Figure 2014074880
得られた表示装置をD65光源下で目視評価した。結果を表2に示す。反射光により視認性が低下する場合は×、視認性が低下しない場合は○とした。
1 … 透明基材
2R … 赤色着色層
2G … 緑色着色層
2B … 青色着色層
3 … 光吸収層
4 … 光調整層
10 … カラーフィルタ
10C … 着色部
10R … 赤色着色部
10G … 緑色着色部
10B … 青色着色部
10W … 白色部
20 … 対向基材
30 … 有機EL素子
32 … 有機EL層
100 … 有機EL表示装置

Claims (5)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部と、
    前記透明基材上に設けられたパターン状の白色部と、
    を有し、
    前記透明基材上の前記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、
    前記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、
    前記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記白色部の380nm〜500nmの波長域の平均透過率と650nm〜780nmの波長域の平均透過率との差が、±30%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記着色部が、パターン状の青色着色層を有する青色着色部を含み、前記透明基材上の前記白色部の少なくとも一部には前記青色着色層と同一材料から構成される光調整層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 透明基材、前記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および前記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、前記透明基材上の前記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、前記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、前記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、
    対向基材と、
    前記対向基材上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    を有し、
    前記カラーフィルタおよび前記対向基材の間に前記有機エレクトロルミネッセンス素子が配置されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 透明基材、前記透明基材上に設けられパターン状の着色層を有する着色部、および前記透明基材上に設けられたパターン状の白色部、を有し、前記透明基材上の前記白色部には着色材を含有する樹脂から構成される光吸収層が形成されており、前記白色部の平均透過率が50%〜98%の範囲内であり、前記白色部の透過スペクトルが500nm〜650nmの波長域に極小値を有するカラーフィルタと、
    前記カラーフィルタの前記着色層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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