JP2014071208A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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勝彦 村上
Kazuya Ota
和哉 太田
Jiro Inoue
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Hiroyuki Kondo
洋行 近藤
Tetsuya Oshino
哲也 押野
Takaaki Umemoto
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Abstract

【課題】極端紫外光のような露光光を用いる場合に、マスクに付着している異物が物体に転写されるのを抑制可能とする。
【解決手段】真空環境でEUV光によりレチクル及び投影光学系を介してウエハを露光する露光方法において、レチクルステージにレチクルを保持するステップ102と、その保持されたレチクルに露光光を照射するステップ120と、レチクルステージにレチクルを保持してから露光光を照射するまでの間に、レチクルのパターン面に電子ビームを照射して、パターン面と電子ビームとを相対走査するステップ108と、パターン面から発生する二次電子を検出してパターン面の検査を行うステップ106〜114と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、真空環境下でエネルギービームを用いて投影系を介して物体を露光する露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体デバイス等の各種電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのフォトリソグラフィ工程で、露光光として波長が100nm程度以下の極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光という)を用いる露光装置(以下、EUV露光装置という。)が使用されつつある。EUV光は通常の光学材料及び気体によって吸収されるため、EUV露光装置が備えるマスクとしてのレチクル及び主な光学部材はほぼ反射部材であり、露光本体部は真空チャンバ内に収容されている。
また、従来の波長が193nm程度以上の露光光を用いる露光装置(光露光機)では、レチクルのパターン面に塵等が付着し、この塵等の像が露光対象に転写されるのを防止するために、搬送中及び露光中のレチクルのパターン面は矩形の枠状の部材を介して張設された薄い保護膜(いわゆるペリクル)に覆われている。ところが、EUV光は保護膜で吸収されるため、EUV露光装置では、搬送中及び露光中のレチクルのパターン面には保護膜が設けられていない。そして、EUV露光装置において、レチクルは、レチクルカセットと露光本体部との間を搬送されている期間では個別にレチクルカセットに収容され、露光本体部にロードされる直前にレチクルカセットから取り出されていた(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2006/051896号パンフレット
EUV露光装置では、露光中のレチクルのパターン面には保護膜が設けられていないため、例えばロードされたレチクルのパターン面に異物が付着していると、この異物の像が露光対象物に転写される恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑み、EUV光のような光学部材及び気体で吸収されやすい露光光及びマスクを介して物体を露光する際に、マスクのパターン面に付着している異物がその物体に転写されるのを抑制可能とすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、真空環境でエネルギービームでマスクのパターンを照明し、そのエネルギービームでそのパターン及び投影系を介して物体を露光する露光方法が提供される。この露光方法は、その第1マスクステージに第1マスクを保持させることと、その第マスクステージに保持されたその第1マスクにそのエネルギービームを照射することと、その第1マスクステージにその第1マスクを保持してから、その第1マスクにそのエネルギービームを照射するまでの間に、その第1マスクのパターン面に電子ビーム源から電子ビームを照射することと、その第1マスクのそのパターン面から発生する発生エネルギーを検出し、該検出結果を用いてその第1マスクのそのパターン面の検査を行うことと、を含むものである。
また、第2の態様によれば、真空環境でエネルギービームでマスクのパターンを照明し、そのエネルギービームでそのパターン及び投影系を介して物体を露光する露光装置が提供される。この露光装置は、第1マスクを保持するマスクの保持位置とその第1マスクのパターンにそのエネルギービームが照明される照射位置との間で移動する第1マスクステージと、その第1マスクステージが、その保持位置とその照射位置との間にあるときに、その第1マスクのパターン面に電子ビームを照射する電子ビーム源と、その第1マスクのそのパターン面から発生する発生エネルギーを検出し、該検出結果を用いてその第1マスクのそのパターン面の検査を行う検査部と、を備えるものである。
また、第3の態様によれば、第1の態様の露光方法又は第2の態様の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、エネルギービームがEUV光のように光学部材及び気体で吸収されやすい露光光である場合に、そのエネルギービーム及びマスクを介して物体を露光する際に、マスクのパターン面に付着している異物がその物体に転写されるのを抑制可能である。
本発明の第1の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す断面図である。 (A)は図1中の異物の検出装置を示す拡大斜視図、(B)は検出装置の別の構成例を示す拡大斜視図である。 (A)は検出装置とレチクルとの相対移動機構を示す平面図、(B)は検出領域にレチクルのパターン領域を移動した状態を示す平面図、(C)は検出領域とパターン領域との相対移動方法の一例を示す図、(D)はその相対移動方法の他の例を示す図である。 レチクルの異物検出を含む露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は第1変形例の検出装置を示す図、(B)は図5(A)中の電子光学系ユニットを示す拡大断面図、(C)はその検出装置とレチクルとの相対移動機構の一例を示す平面図、(D)はその相対移動機構の他の例を示す平面図である。 (A)は第2変形例のレチクルステージの駆動機構を示す平面図、(B)はその変形例において、検出領域にレチクルのパターン領域を移動した状態を示す平面図、(C)はその検出領域とパターン領域との相対移動方法の一例を示す図、その変形例において、レチクルの走査露光時の状態を示す図である。 (A)は第2の実施形態のレチクルステージ系及び異物の検出装置を示す平面図、(B)は第1のレチクルの露光時に第2のレチクルの検査を行う状態を示す図である。 (A)は、図7(B)の状態からXステージを移動した状態を示す図、(B)は第2のレチクルの露光時に第1のレチクルの検査を行う状態を示す図である。 第2の実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は第3の実施形態のレチクルステージ系及び異物の検出装置を示す平面図、(B)は第2のレチクルの露光時に第1のレチクルの検査を行う状態を示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの要部の構成を概略的に示す断面図である。露光装置EXは、露光光(露光用の照明光又は露光ビーム)ELとして波長が100nm程度以下で3〜50nm程度の範囲内で例えば11nm又は13nm等のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置である。図1において、露光装置EXは、露光光ELをパルス発生するレーザプラズマ光源10、露光光ELでレチクルR(マスク)のパターン面Ra(ここでは下面)の照明領域27Rを照明する照明光学系ILS、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、及びレチクルRの照明領域27R内のパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布された半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)Wの表面に投影する投影光学系POを備えている。さらに、露光装置EXは、パターン面Raに電子ビームEB1を照射してパターン面Raの異物を検出可能な後述の検出装置52、検出された異物の処理を行う後述の異物処理部36、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む主制御装置31等を備えている。
本実施形態では、露光光ELとしてEUV光が使用されているため、照明光学系ILS及び投影光学系POは、特定のフィルタ等(不図示)を除いて複数のミラー等の反射光学部材より構成され、レチクルRも反射型である。その反射光学部材は、例えば、低熱膨張ガラス(又は石英あるいは高耐熱性の金属等)よりなる部材の表面を所定の曲面又は平面に高精度に加工した後、その表面に例えばモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との多層膜(EUV光の反射膜)を形成して反射面としたものである。なお、その多層膜は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の物質と、Si、ベリリウム(Be)、4ホウ化炭素(B4C)等の物質とを組み合わせた他の多層膜でもよい。また、レチクルRは例えば低熱膨張ガラスの基板の表面に多層膜を形成して反射面(反射膜)とした後、その反射面の矩形又は正方形のパターン領域PAに、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、又はクロム(Cr)等のEUV光を吸収する材料よりなる吸収層によって転写用のパターンを形成したものである。
また、EUV光の気体による吸収を防止するため、露光装置EXのレーザプラズマ光源10、レチクルステージRST、投影光学系PO、及びウエハステージWSTを含む露光本体部は、全体として箱状の真空チャンバ1内に収容され、真空チャンバ1内の空間を真空排気するための大型の真空ポンプ32が備えられている。さらに、真空チャンバ1内に露光光ELの光路上の真空度をより高めるためにサブチャンバを設けてもよい。一例として、真空チャンバ1内の気圧は10-5Pa程度、真空チャンバ1内で投影光学系POを収容するサブチャンバ(不図示)内の気圧は10-5〜10-6Pa程度である。真空チャンバ1内はこのように高真空であるため、真空チャンバ1内では電子ビームもかなりの距離を減衰することなく到達可能である。
また、真空チャンバ1には、露光に使用されるレチクルの受け渡しを行う例えば多関節型の搬送ロボット4が設置されたロボットチャンバ2が、例えばシャッタ3で開閉される搬送口1aを介して連結されている。ロボットチャンバ2には、ロードロック室(不図示)を介して、複数のレチクルを保管するレチクルライブラリが設置されたレチクル保管室(不図示)が連結されている。ロボットチャンバ2内は真空チャンバ1内と同じく真空環境であり、レチクル保管室の内部は大気圧環境であり、ロードロック室で大気圧環境と真空環境との切り換えが行われる。露光に使用されるレチクルは、一例として、レチクルライブラリからロボットチャンバ2までは通気性のある小型の箱状のレチクルポッド内に収容されて搬送され、ロボットチャンバ2内でそのレチクルポッドから取り出されたレチクルが、搬送ロボット4によって真空チャンバ1内のレチクルステージRSTにロードされる。
以下、図1において、ウエハステージWSTが載置される面(真空チャンバ1の底面)の法線方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って説明する。本実施形態では、レチクルRに対する露光光ELの照明領域27Rは、図3(A)に示すように、X方向(非走査方向)に細長い円弧状であり、通常の露光時には、レチクルR及びウエハWは投影光学系POに対してY方向(走査方向)に同期して走査される。
先ず、レーザプラズマ光源10は、高出力のレーザ光源(不図示)と、このレーザ光源から真空チャンバ1の窓部材15を介して供給されるレーザ光を集光する集光レンズ12と、すず(Sn)等のターゲット液滴(droplet)を噴出するノズル14と、回転楕円面状の反射面を持つ集光ミラー13とを備えた、ドロプレットターゲット方式の光源である。レーザプラズマ光源10から例えば数kHzの周波数でパルス発光された露光光ELは、集光ミラー13の第2焦点に集光する。その第2焦点に集光した露光光ELは、凹面ミラー(コリメータ光学系)21を介してほぼ平行光束となり、それぞれ複数のミラーよりなる第1フライアイ光学系22及び第2フライアイ光学系23(オプティカルインテグレータ)で順次反射される。
図1において、第2フライアイ光学系23の反射面の近傍の実質的に面光源が形成される面(照明光学系ILSの瞳面)又はこの近傍の位置に、照明条件を通常照明、輪帯照明、2極照明、又は4極照明等に切り換える可変開口絞り(不図示)が配置されている。第2フライアイ光学系23で反射された露光光ELは、曲面ミラー24及び凹面ミラー25よりなるコンデンサ光学系を介して、レチクルRのパターン面Raの円弧状の照明領域27Rを下方から平均的に小さい入射角で均一な照度分布で照明する。凹面ミラー21、フライアイ光学系22,23、曲面ミラー24、及び凹面ミラー25を含んで照明光学系ILSが構成されている。なお、照明光学系ILSは図1の構成には限定されず、他の種々の構成が可能である。
また、照明領域27Rの形状を実質的に規定するために、照明領域27Rに入射する露光光ELの外側(−Y方向)のエッジ部を遮光するブラインドと、照明領域27Rで反射された露光光ELの外側(+Y方向)のエッジ部を遮光するブラインドと、照明領域27RのX方向の位置及び幅を規定する1対のブラインド(不図示)とを含むレチクルブラインド(可変視野絞り)26が設けられている。走査露光時のレチクルブラインド26のY方向の開閉動作は、主制御装置31の制御のもとにあるステージ制御部33によって制御される。
次に、レチクルRは、レチクルステージRSTの底面(下面)にレチクルホルダとしての静電チャックRHを介して吸着保持され、レチクルステージRSTは、真空チャンバ1内の天井部に配置されたレチクルベースRBのXY平面に平行なガイド面(下面)に沿って、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動系によって所定のギャップを隔てて保持されている。レチクルRのパターン面Raは、導通機構50によって、レチクルステージRSTの接地部(不図示)に接続され、この接地部が例えば可撓性を持つ信号ライン(不図示)を介して真空チャンバ1外で接地されている。このようにレチクルRのパターン面Raは接地されているため、後述のようにパターン面Raに電子ビームEB1が照射された場合でも、パターン面Raに電荷が蓄積されることが防止される。なお、パターン面Raに電子ビームEB1が照射される場合、パターン面Raをアノードとみなすことも可能である。
レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置、及びZ軸の回り(θz方向)の傾斜角等はレーザ干渉計(不図示)によって計測され、レチクルステージRST(レチクルR)の複数の位置でのZ位置は、例えばレチクルブラインド26の開口を通してパターン面Raに斜めに検出光を照射する斜入射方式のオートフォーカスセンサ(不図示)によって計測されている。ステージ制御部33は、そのレーザ干渉計及びオートフォーカスセンサの計測値並びに主制御装置31の制御情報に基づいて、上記の駆動系を制御して、レチクルステージRSTをレチクルベースRBのガイド面に沿ってY方向に所定の可動範囲内で駆動するとともに、X方向及びθz方向等にもある程度の範囲で駆動可能である。なお、レチクルステージRSTを覆うように真空チャンバ1内にパーティション(不図示)を設けてもよい。レチクルRのZ位置の変化に伴う投影像のデフォーカス量は、例えばウエハステージWST側でウエハWのZ位置を制御することで補正してもよい。
レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、物体面(第1面)のパターンの縮小像を像面(第2面)に形成する投影光学系POに向かう。投影光学系POは、一例として、6枚のミラーM1〜M6を不図示の鏡筒で保持することによって構成され、物体面(パターン面Ra)側に非テレセントリックで、像面(ウエハWの表面)側にほぼテレセントリックの反射光学系であり、投影倍率βは1/4倍等の縮小倍率である。レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、投影光学系POを介してウエハWの一つのショット領域(ダイ)の露光領域27W(照明領域27Rと共役な領域)に、レチクルRのパターン領域PA内のパターンの一部の縮小像を形成する。
投影光学系POにおいて、レチクルRからの露光光ELは、第1のミラーM1で上方(+Z方向)に反射され、続いて第2のミラーM2で下方に反射された後、第3のミラーM3で上方に反射され、第4のミラーM4で下方に反射される。次に第5のミラーM5で上方に反射された露光光ELは、第6のミラーM6で下方に反射されて、ウエハWの表面にレチクルRのパターンの一部の像を形成する。一例として、投影光学系POは、ミラーM1〜M6の光軸が共通に光軸AXと重なる共軸光学系であり、ミラーM2の反射面の近傍の瞳面又はこの近傍に開口絞り(不図示)が配置されている。なお、投影光学系POは共軸光学系でなくともよく、その構成は任意である。
また、ウエハWは、静電チャック(不図示)を介してウエハステージWST上に吸着保持されている。ウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたガイド面上に配置されている。ウエハステージWSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値及び主制御装置31の制御情報に基づいて、ステージ制御部33により例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動系(不図示)を介してX方向及びY方向に所定の可動範囲で駆動され、必要に応じてθz方向等にも駆動される。
露光の際に、ウエハWのレジストから生じる気体が投影光学系PLのミラーM1〜M6に悪影響を与えないように、ウエハWを移動するウエハステージWSTはパーティション7の内部に配置されている。パーティション7には露光光ELを通過させる開口が形成され、パーティション7内の空間は、別の真空ポンプ(不図示)により真空排気されている。また、露光装置EXは、レチクルR及びウエハWのアライメントマークの位置をそれぞれ検出するためのレチクル及びウエハのアライメント系(不図示)を備えている。
ウエハW露光時の基本的な動作として、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動(ステップ移動)により、ウエハWの一つのショット領域が走査開始位置に移動する。そして、照明光学系ILSから露光光ELが照明領域27Rに照射され、レチクルRの照明領域27R内のパターンの投影光学系POによる像でウエハWの当該ショット領域の露光領域27Wを露光しつつ、ステージ制御部33がレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期駆動して、レチクルR及びウエハWを投影光学系POに対して投影倍率に応じた速度比でY方向に同期して移動することで、当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。そして、ステップ・アンド・スキャン方式でそのステップ移動と走査露光とを繰り返すことで、ウエハWの複数のショット領域に対して順次レチクルRのパターン領域PA内のパターンの像が露光される。
次に、本実施形態の異物の検出装置52及び異物処理部36につき詳細に説明する。本実施形態のように露光光ELがEUV光である場合、EUV光は、従来の光露光機においてレチクルのパターン面を保護するために設けられている保護膜(ペリクル)でも吸収されてしまう。そこで、本実施形態において、レチクルRのパターン面Raを覆う保護膜は設けられていない。この結果、例えばロボットチャンバ2から真空チャンバ1内に搬送されて来たレチクルRのパターン面Raには微小な塵等の異物が付着している恐れがある。さらに、レチクルRのパターンの像を例えば1ロットのウエハに露光している過程で、例えばレーザプラズマ光源10又はウエハのレジスト等から発生した微小な異物がパターン面Raに付着する恐れもある。
レチクルのパターン面に所定間隔を隔てて保護膜がある場合、その保護膜に微小な異物が付着していてもその像はウエハWの表面(ウエハ面)ではデフォーカスして実質的に問題にはならない。ところが、パターン面のパターン領域に直接付着した異物の像はそのままウエハ面に転写されてしまう。このため、保護膜が設けられていないレチクルのパターン領域に、転写されるパターンに影響するような大きさの異物が付着した場合、レチクルからのその異物を除去するか、レチクルを専用の洗浄機(不図示)で洗浄するか、又はレチクルを交換することが好ましい。
本実施形態の露光装置EXでウエハWに露光する回路パターンの最小線幅を例えば20nmとすると、最小線幅の例えば数分の1程度までの大きさの像となる異物は排除することが好ましい。一例として、投影光学系POの投影倍率βを1/4、ウエハ面での検出すべき異物の像の最小幅を20nmの1/4とすると、レチクルRのパターン面Raにおいて検出すべき異物の最小の幅dmin は、次のように20nmとなる。
dmin =20×(1/4)×(1/β)=20(nm) …(1)
通常の例えば可視光を検出光とする光学顕微鏡では、その解像度は線幅に換算して100nm程度より粗いため、EUV露光装置で用いられるレチクルの異物検出にはそのような光学顕微鏡は使用できない。そこで、本実施形態では、EUV露光装置用のレチクルRの異物検出を行うために、検出ビームとして電子ビームEB1を使用する検出装置52を使用する。検出装置52は、真空チャンバ1内のレチクルRが移動する領域の直下で、一例としてレチクルの搬送口1aとレチクルブラインド26(照明領域27R)との間に配置されている。なお、以下ではレチクルRのパターン面Raのパターン領域PA内の異物を検出する場合につき説明するが、パターン領域PA以外の領域でも同様に異物検出を行うことが可能である。
図2(A)に示すように、検出装置52は、電子ビームEB1を発生する電子銃52a、発生した電子ビームEB1を被検面(ここではレチクルRのパターン領域PA)に集束させる集束系52b、集束された電子ビームEB1を被検面の微小な例えば正方形の検出領域53内で2次元的に高速に走査する走査系52c、及び電子ビームEB1の照射により被検面から発生した二次電子SB1を検出する検出部52dを有する。検出部52dの検出信号は図1の信号処理部34に供給されている。このように、検出装置52は、走査型電子顕微鏡(SEM)型の異物の検出装置である。信号処理部34内の制御部は、検出装置52による検出領域53での電子ビームEB1の走査を制御するとともに、信号処理部34には、主制御装置31からレチクルステージRSTのX方向、Y方向の座標の情報も供給されている。
図3(A)〜(C)は、それぞれ図1のレチクルR及び検出装置52をレチクルベースRB側から見た平面図である。なお、レチクルステージRST、静電チャックRH、及びレチクルRは2点鎖線で表されている。図3(A)に示すように、検出装置52をレチクルステージRST(レチクルR)に対してX方向(非走査方向)に移動するための移動装置54が設けられている。一例として、移動装置54は、X軸に平行なガイド部54c、ガイド部54cの両端部を保持する保持部54a,54b、及びガイド部54cに沿って検出装置52をX方向に駆動するスライド部54dを有する。スライド部54dにはガイド部54cに対するX方向の位置を計測するエンコーダ及び駆動モータが組み込まれ、そのエンコーダの計測値に基づいて主制御装置31がその駆動モータを駆動することで、検出装置52をX方向に移動できる。レチクルRはレチクルステージRSTによって検出装置52に対して走査方向SD(Y方向)に相対移動可能である。検出装置52のX方向への移動とレチクルRのY方向への移動とを組み合わせることで、レチクルRのパターン領域PAの全面を検出装置52の検出領域53で走査できる。
信号処理部34には、移動装置54によって移動された検出装置52のX方向の位置の情報も供給されている。信号処理部34内の演算部は、検出装置52から供給される二次電子の検出信号、レチクルステージRSTの座標の情報、及び検出装置52のX方向の位置の情報を用いて、レチクルRのパターン領域PA内の二次電子の検出信号の分布を求めることができる。一例として、レチクルRのパターン領域PA内の異物が無い状態でのパターンから発生する二次電子の検出信号の分布(以下、基準パターンという。)の情報が、予め信号処理部34内の記憶部に記憶されている。信号処理部34内の判定部では、そのレチクルRのパターン領域PA内の二次電子の検出信号の分布とその基準パターンとを比較してパターン領域PA内の異物の分布及びその大きさを求める。
なお、検出装置52の代わりに、図2(B)に示すように、写像投影型電子顕微鏡方式の検出装置52Aを使用してもよい。図2(B)において、検出装置52Aは、電子ビームEB1を発生する電子銃52Aa、発生した電子ビームEB1を平行ビームに変換して被検面(パターン領域PA)の例えばX方向に細長い長方形の検出領域53Aに照射する集束系52Ab、検出領域53Aから発生する二次電子SB1を集束して拡大像を形成する結像系52Ac、及びその拡大像を撮像する2次元の撮像素子52Adを有する。撮像素子52Adの検出信号から検出領域53A内で発生する二次電子の検出信号の分布を計測できる。
図3(A)の検出装置52を検出装置52Aで置き換えた図3(D)に示すように、検出装置52Aも移動装置54でX方向に移動できる。この場合には、検出領域53AがX方向に細長いため、一例として検出領域53Aのパターン領域PAに対する相対的な移動の軌跡56Bで示すように、レチクルステージRSTによって検出領域53Aに対してレチクルRのパターン領域PAをY方向に移動する動作と、検出領域53AのX方向の幅分だけ移動装置54によって検出装置52AをX方向に移動する動作とを繰り返すことで、レチクルRのパターン領域PAの全面を検出領域53Aで効率的に走査できる。
図1において、一例として検出装置52とレチクルブラインド26との間に異物処理部36が配置されている。異物処理部36は、一例として検出装置52によって検出されたレチクルRのパターン面Raの異物に対して、例えばYAGレーザ等のパルスレーザ光を照射してその異物を除去する。また、検出装置52用の移動装置54と同様の、異物処理部36をX方向に移動する移動装置(不図示)も設けられている。主制御装置31によって制御される制御部35が、その移動装置を駆動して異物処理部36のX方向の位置を制御するとともに、異物処理部36のレーザ照射を制御する。なお、異物処理部36としては、それ以外に例えばMEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)技術等で製造可能な微小なピンセット機構を用いて異物を除去する装置、又は静電吸着で異物を除去する装置、レチクルにガスや微粒子などを吹き付けて、異物を除去する装置等を使用できる。
次に、本実施形態の露光装置EXによるレチクルRの異物検出動作を含む露光方法の一例につき図4のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置31によって制御される。まず、図4のステップ102において、レチクルステージRSTにレチクルがロードされていない状態で、レチクルステージRSTを可動範囲内で最も+Y方向の搬送口1aの手前のレチクルのローディング位置A2(保持位置)に移動する。本実施形態では、ローディング位置A2はレチクルのアンローディング位置でもあるが、位置A2とアンローディング位置とが異なっていてもよい。また、ローディング位置A2は、ある目標位置の近傍の位置を含んでいる。
この動作と並行して、ロボットチャンバ2内でレチクルポッド(不図示)から取り出したレチクルRを搬送ロボット4の上端の位置A1で保持する。そして、搬送ロボット4によって搬送口1aを通してレチクルRをレチクルステージRSTの静電チャックRHの直下に移動し、静電チャックRHでレチクルRを保持し、導通機構50によってレチクルRのパターン面Raを接地する。その後、レチクルステージRSTを−Y方向(照明領域27Rの方向)に移動して、図3(B)に示すように、レチクルRのパターン領域PAの端部を検出装置52の検出領域53に移動する(ステップ104)。
そして、検出装置52から検出領域53への電子ビームEB1の照射を開始し、検出領域53内のパターンから発生する二次電子SB1の検出を開始する(ステップ106)。このように二次電子SB1を検出した状態で、例えば図3(C)の検出領域53のパターン領域PAに対する相対的な移動の軌跡56Aで示すように、移動装置54によって検出装置52をX方向に移動する動作と、検出領域53のY方向の幅分だけレチクルステージRSTによってレチクルRをY方向に移動する動作とを繰り返すことで、パターン領域PAと検出領域53とを相対移動する(ステップ108)。このようにレチクルRのパターン領域PAの全面が検出装置52の検出領域53で走査された後、検出装置52による異物検出動作を終了する。信号処理部34内の演算部では、検出装置52から供給された検出信号等を用いて、レチクルRのパターン領域PA内の二次電子の検出信号の分布を求める(ステップ110)。
次に、信号処理部34内の判定部は、二次電子の検出信号の分布と、予め記憶されている基準パターンとを比較し、一例として、検出信号の分布と基準パターンとの差分が予め定められているノイズレベルよりも大きい部分の大きさ及び位置を求める(ステップ112)。さらにその判定部は、一例として、その差分がノイズレベルよりも大きい部分のうちでその大きさが上記の最小の幅dmin 以上の部分を異物とみなし、この異物がある場合にはそのパターン領域PA内での位置を特定する。異物が無い場合には、異物が無いとの情報が主制御装置31に供給され、異物がある場合には、その異物の大きさ及び位置の情報が主制御装置31に供給される(ステップ114)。なお、異物があるかどうかを判定する別の方法として、検出された二次電子の検出信号の分布と、予め記憶されている基準パターンとの差分の分布のうち、差分の値が例えば実験的に定められている基準値を超えた部分を異物とみなしてもよい。
レチクルRのパターン領域PA内で異物が検出されなかった場合には、動作はステップ116に移行し、レチクルRのアライメントを行った後、レチクルステージRSTを駆動して、レチクルRのパターン領域PAを照明領域27R(この段階では露光光ELは照射されていない)の+Y方向(又は−Y方向でもよい)の手前の露光開始位置に移動する。なお、その露光開始位置も含めて、レチクルRに露光光ELが照射されてウエハWが走査露光される期間のレチクルステージRSTの位置を露光位置(走査露光中の移動範囲内の位置)A3とする。露光位置A3はレチクルRの照射位置でもあり、露光位置A3は、レチクルRが実際に露光光ELで照射されている位置の近傍の位置を含んでいる。そして、ウエハステージWSTに1ロットの先頭のレジストの塗布された未露光のウエハWをロードし、ウエハWのアライメントを行う(ステップ118)。その後、照明光学系ILSから照明領域27Rへの露光光ELの照射を開始し、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像を走査露光する(ステップ120)。その後、ウエハWをアンロードし(ステップ122)、次のウエハを露光する場合には(ステップ124)、ステップ118〜122の動作を繰り返す。
ステップ114でレチクルRのパターン領域PA内で異物が検出された場合、動作はステップ132に移行し、主制御装置31は異物処理部36によってその異物を処理させる。すなわち、レチクルステージRST及び異物処理部36の移動装置(不図示)を駆動して、異物処理部36のパルスレーザ光の照射領域に、レチクルRのパターン領域PA内の異物が検出された部分を移動し、その部分に異物処理部36からパルスレーザ光を照射する。この異物処理動作は検出された全部に異物について実行される。その後、パターン領域PA内で異物の除去処理が行われた位置を検出装置52の検出領域53に順次移動し、異物の再検出を行う(ステップ134)。そして、ステップ114で異物があると判定された部分の異物が除去されたかどうかを判定し(ステップ136)、異物が除去された場合にはステップ116に移行してウエハの露光を行う。一方、ステップ136で異物が除去されていなかった場合、主制御装置31は一例としてオペレータコールを行い、レチクルRの除去されていない異物の大きさ及び位置の情報をオペレータに伝える。この後、例えばレチクルRをレチクル保管室(不図示)等に戻してレチクルRの洗浄を行い、洗浄後のレチクルRがレチクルステージRSTにロードされ、ステップ104以降のレチクルの異物検出が行われる。なお、別の方法として、異物が残存していると判定されたレチクルRを同じパターンが形成された別のレチクルに交換し、ステップ104以降の異物検査を交換後のレチクルに対して実行してもよい。
この露光方法によれば、レチクルRをレチクルステージRSTにロードしてから露光開始までの間に、検出装置52を用いてレチクルRのパターン領域PAに異物があるかどうかを検査(判定)している。そして、異物がある場合には異物処理を行い、異物が除去されていない場合には、そのレチクルRを用いる露光を行わないため、ウエハWに対する不要なパターンの露光を防止できる。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、真空環境でEUV光よりなる露光光EL(エネルギービーム)でレチクルRのパターンを照明し、露光光ELでそのパターン及び投影光学系POを介してウエハWを露光する露光装置である。そして、露光装置EXは、レチクルRを保持するレチクルのローディング位置A2(保持位置)とレチクルRのパターンに露光光ELが照明される露光位置A3(照射位置)との間で移動するレチクルステージRSTと、レチクルステージRSTが位置A2と露光位置A3との間にあるときに、レチクルRのパターン面Raに電子ビームEB1を照射する電子銃52aと、パターン面Raと電子ビームEB1とをパターン面Raに沿った方向(X方向及びY方向)に相対走査する移動装置54及びレチクルステージRST(相対走査部)と、パターン面Raから発生する二次電子SB1(発生エネルギー)を検出し、この検出結果を用いてレチクルRのパターン面Raの異物の有無及び/又は分布等の検査を行う検出装置52及び信号処理部34(検査部)と、を備えている。
また、露光装置EXによる露光方法は、レチクルステージRSTにレチクルRを保持(ロード)するステップ102と、レチクルステージRSTに保持されたレチクルRに露光光ELを照射するステップ120と、レチクルステージRSTにレチクルRを保持してからレチクルRに露光光ELを照射するまでの間に、レチクルRのパターン面Raに電子銃52aから電子ビームEB1を照射して、パターン面Raと電子ビームEB1とをパターン面Raに沿った方向に相対走査するステップ108と、パターン面Raから発生する二次電子SB1を検出し、この検出結果を用いてレチクルRのパターン面Raの異物の有無等の検査を行うステップ106〜114と、を有する。
本実施形態によれば、EUV光のような光学部材及び気体で吸収されやすい露光光ELを用いて、保護膜の無いレチクルRを介してウエハWを露光する場合に、ウエハWの露光開始前に、真空環境で透過可能であり、かつEUV光と同等の解像度を持つ電子ビームEB1を用いてレチクルRのパターン面に付着している異物を検出している。従って、保護膜の無いレチクルRを使用する場合、異物が検出されたときには異物の除去、レチクルRの洗浄、又はレチクルRの交換等を行うことによって、ウエハWに不要なパターンが露光されるのを防止できる。
また、本実施形態では、レチクルRのパターン領域PAに異物が検出された場合に、異物処理部36によってその異物の除去処理を行っているため、その異物が除去された場合にはレチクルRを用いて露光を行うことができる。なお、パターン領域PAに異物が検出された場合、オンボディでの異物処理を行うことなく、レチクルRの洗浄又はレチクルRの別のレチクルとの交換等を行うようにしてもよい。この場合には異物処理部36は設ける必要がない。
また、本実施形態では、レチクルRをレチクルステージRSTにロードした後でレチクルRの異物検出を行っている。さらに、例えば所定枚数(例えば1ロット)のウエハに対する露光が終了する毎に、検出装置52によってレチクルRのパターン領域PAの異物の検出を行い、異物が検出された場合には、異物除去処理、レチクルRの洗浄、又は交換等を行うようにしてもよい。これによって、露光中にレチクルRに異物が付着した場合でも、ウエハにその異物の像が露光されるのを抑制できる。
また、本実施形態において、検出装置52(又は52A)を例えばX方向及び/又はY方向に複数個配置し、これら複数の検出装置52(又は52A)を用いて並行してレチクルRの異物検査を行うようにしてもよい。これによって、異物検査時間を短縮できる。
次に、上記の実施形態の第1変形例につき図5(A)〜(D)を参照して説明する。なお、図5(A)、(C)、(D)において、図3(A)〜(C)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5(A)は、この第1変形例においてレチクルRのパターン面の異物検査を行う検出装置52B、及び検出装置52BをレチクルRに対してX方向(非走査方向)に移動する移動装置54Aを示す。図5(A)において、検出装置52Bは、平板状の基板59、基板59のレチクルRのパターン面に対向する表面に、X方向に周期p1で固定された複数の検出ユニット58、及び信号処理装置(不図示)を有する。複数の検出ユニット58は、ほぼレチクルRのパターン領域PAのX方向の幅の全面を覆うことが可能なように配列されている。
検出ユニット58は、図5(B)の拡大図で示すように、電子ビームEB1を発生するエミッタ部58b、エミッタ部58bから射出された電子ビームEB1をアノードとして作用する被検面(ここではレチクルRのパターン領域PA)の検出点58aに集束する複数段の輪帯状のゲート電極58c、及び検出点58aから発生する二次電子SB1を検出する輪帯状の検出電極58dを有する。また、複数段のゲート電極58cに電圧を印加する電源部58e及び検出ユニット58毎に検出電極58dの電流を増幅する増幅部58fが設けられており、増幅部58fで得られる検出信号が信号処理部(不図示)に供給される。検出ユニット58の高さは例えば1mm程度より小さくでき、検出ユニット58から被検面までのワーキングディスタンス(WD)は例えば1mm程度より小さくできる。このような複数の小型の電子顕微鏡を並列に配置した構成の検出装置52Bは、例えばMEMS技術を用いて製造できる。
また、図5(A)において、移動装置54Aは、X軸に平行なガイド部54Aa、及びガイド部54Aaに沿って検出装置52BをX方向に幅p1以上の可動範囲60A(図5(C)参照)内で駆動するスライド部54Abを有する。スライド部54Abにはエンコーダが組み込まれている。
この変形例の検出装置52B及び移動装置54Aを用いてレチクルRのパターン領域PAの異物を検出する場合、図5(C)に示すように、全部の検出ユニット58からパターン領域PAの対応する検出点58aに電子ビームEB1を照射し、検出点58aからの二次電子SB1を検出する。この状態で、移動装置54Aによって検出ユニット58の配列ピッチ(p1)分だけ検出装置52BをX方向に移動する動作と、電子ビームEB1の集束領域のY方向の幅分だけレチクルステージRSTによってレチクルRを走査方向SD(Y方向)に移動する動作とを繰り返すことで、複数の検出点58aの相対的な移動の軌跡56Cで示すように、レチクルRのパターン領域PAの全面を複数の検出点58aで効率的に走査できる。この走査によってパターン領域PAの異物検査を行うことができる。
なお、レチクルステージRSTは、レチクルRを保持した状態でレチクルベースRBに対してある程度の可動範囲60B内でX方向(非走査方向)に移動可能である。そこで、検出ユニット58の配列ピッチp1がそのX方向の可動範囲60Bより小さい場合には、図5(D)に示すように、移動装置54Aを設けることなく、検出装置52BとレチクルRのパターン領域PAとのX方向の相対移動をレチクルステージRSTで行うようにしてもよい。これによって、異物検出機構が簡素化できる。
次に、上記の実施形態では、レチクルステージRSTのX方向の可動範囲は狭いが、図6(A)〜(D)の第2変形例で示すように、レチクルステージRSTのX方向の可動範囲を部分的に広くしてもよい。なお、図6(A)〜(D)において、図3(A)〜(C)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6(A)は、この第2変形例のレチクルステージRSTの駆動機構の概略構成を示す。図6(A)において、レチクルステージRSTを駆動する例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータの多数のコイル(不図示)が組み込まれたレチクルベースRBAは、レチクルRの走査露光のみに使用される第1部分RBAaのX方向の幅は上記の実施形態と同じであり、レチクルRの異物検査及び走査露光の両方に使用される第2部分RBAbのX方向の幅は、第1部分RBAaの幅に比べて±X方向に互いに同じ可動範囲60C及び60Bだけ広く設定されている。この例では、検出装置52のX方向の位置は、ほぼ照明領域27Rの中央の位置と同じであり、検出装置52をX方向に移動する移動装置は設けられていない。さらに、可動範囲60B,60Cの合計は、レチクルRのパターン領域PAのX方向の幅の長さとほぼ同じである。
この変形例において、検出装置52でパターン領域PAの異物を検出する場合には、レチクルベースRBAの第2部分RBAb内でレチクルステージRSTを走査方向SD及びX方向に駆動して、一例として、図6(B)に示すように、レチクルRのパターン領域PAの端部を検出装置52の検出領域53に移動する。そして、検出装置52からの電子ビームEB1の照射及び二次電子SB1の検出を開始して、検出領域53のパターン領域PAに対する相対的な移動の軌跡56Dで示すように、レチクルステージRSTをX方向及びY方向に移動して、検出領域53でパターン領域PAの全面を走査する(図6(C)参照)。この動作で得られる検出信号を用いてパターン領域PAに対する異物の有無を検査できる。その後、照明領域27Rに対してレチクルRのパターン領域PAをY方向に移動して走査露光を行うときには、図6(D)に示すように、レチクルベースRBAの第1部分RBAa及び第2部分RBAbでレチクルステージRST(露光位置A3にある)をY方向に往復移動する。
この変形例によれば、検出装置52用の移動装置を設けることなく、レチクルステージRSTを移動するのみで、検出装置52によってレチクルRのパターン領域PA(パターン面)の異物検査を行うことができる。また、この変形例では、レチクルステージRSTにレチクルRがロードされるローディング位置A2(図6(A)参照)に対して、検出装置52によってレチクルRの異物検査を行う場合のレチクルステージRSTの位置はX方向(非走査方向)に大きく位置ずれしていることがある。
また、上記の実施形態及びその変形例ではレチクルRのパターン面から発生する二次電子を検出しているが、検出対象は任意である。例えばレチクルRのパターン面に電子ビームを照射したときに、そのパターン面から発生する反射電子、散乱電子、X線(例えば特性X線)、又は蛍光等(X線以外の波長域の光を含む)を検出し、この検出信号から異物の有無、異物の組成、及び/又は大きさ等を検査してもよい。
また、異物の検出装置52等の代わりに、被検面に電子ビームを照射して被検面から発生するX線からエネルギー分散X線分光法(energy dispersive X-ray spectrometry: EDS又はEDX)を用いて、被検面のパーティクルの組成を検査・分析する検査装置を使用してもよい。
さらに、異物の検出装置52等の代わりに、被検面から発生するX線から波長分散X線分光法(wavelength dispersive X-ray spectrometry: WDS又はWDX)を用いて被検面のパーティクルの組成を検査・分析する検査装置を使用してもよい。
また、上記の実施形態では、ステップ106〜114でレチクルRに異物が検出された場合、ステップ132〜136でその異物の処理を行っている。別の方法として、レチクルRに異物が検出された場合には、単にパターン領域PA内でのその異物の位置(又はさらにその大きさ)を信号処理部34内の記憶部に記憶しておいてもよい。この場合、例えば1枚又は所定の複数枚のウエハの露光後に、再度、レチクルRの異物検査を行い、前回検出された位置で再び異物が検出されたときに、露光動作を停止して、レチクルRの洗浄又は交換等を行うようにしてもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき図7(A)〜図9を参照して説明する。本実施形態はいわゆるツインレチクルステージを用いる点が第1の実施形態と異なっている。以下、図7(A)〜図8(B)において、図3(A)〜(C)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を簡略化又は省略する。
図7(A)は、本実施形態のEUV光を露光光として用いる露光装置EXAのレチクルステージ及び異物の検出装置を示す。露光装置EXAは、図1の真空チャンバ1と同様の真空チャンバ(不図示)の天井部に配置されたレチクルベースRBBを備えている。レチクルベースRBBは、図1のレチクルベースRBと比べてX方向(非走査方向)の幅がほぼ3倍である。図7(A)〜図8(B)は、レチクルベースRBB側からレチクルステージ等を見た平面図である。なお、レチクルベースRBBはその一部のみが2点鎖線で表され、レチクルステージ等も2点鎖線で表されている。
図7(A)において、露光装置EXAは、レチクルベースRBBのガイド面(下面)に例えば磁気浮上型アクチュエータによって所定間隔を隔てて、かつX方向に駆動可能に支持されたXステージRBX、及びXステージRBXのガイド面(下面)に例えば磁気浮上型アクチュエータによって所定間隔を隔てて、かつ互いに平行にY方向(走査方向)に駆動可能な状態で、X方向に離れて支持された第1及び第2のレチクルステージRSTA,RSTBを備えている。レチクルベースRBB及びXステージRBXのガイド面はそれぞれXY面に平行である。レチクルステージRSTA,RSTBはXステージRBXに対してX方向及びθz方向にもある程度の範囲で駆動可能である。レチクルステージRSTA,RSTBの構成はそれぞれ図1のレチクルステージRSTと同様であり、レチクルステージRSTA,RSTBの下面にそれぞれ静電チャックRHA,RHBを介して第1及び第2のレチクルRA,RBが吸着保持されている。レチクルステージRSTA,RSTBには、レチクルRA,RBを接地する導通機構(不図示)が設けられている。本実施形態では、レチクルRA,RBのパターン領域PAA,PABには互いに異なるパターン(それぞれ符号A,Bで表されている)が形成されている。
XステージRBXはレチクルベースRBBに対してX方向の幅がほぼ2/3である。XステージRBXのレチクルベースRBBに対するX方向の可動範囲は、レチクルステージRSTA,RSTBのX方向の中心の間隔をわずかに超える程度でよい。また、レチクルベースRBBに対するXステージRBXのX方向、Y方向の位置等を計測するレーザ干渉計(不図示)、及びXステージRBXに対するレチクルステージRSTA,RSTBのX方向、Y方向の位置等を個別に計測するレーザ干渉計(不図示)が設けられている。これらのレーザ干渉計の計測値及び主制御装置(不図示)からの制御情報に基づいて、ステージ制御部(不図示)がXステージRBX及びレチクルステージRSTA,RSTBの動作を制御する。
また、露光装置EXAは、図1の照明光学系ILSと同様に、EUV光よりなる露光光で照明領域27Rを照明する照明光学系(不図示)を備えている。図7(A)においては、レチクルステージRSTA,RSTBはそれぞれXステージRBXに対してY方向の可動範囲内で+Y方向の端部のレチクルのローディング位置A2A,A2Bにある。一例として、位置A2A,A2Bはレチクルのアンローディング位置でもある。また、図7(A)では、照明領域27Rに対してレチクルRAのパターン領域PAAは+Y方向(−Y方向でもよい)に離れた位置にある。
露光装置EXAは、照明領域27Rに対して+X方向及び−X方向に配置され、被検面の検出領域53E,53Fに電子ビームを照射して異物検出を行う第1及び第2の検出装置52E,52F、及び検出装置52E,52FをX方向に移動するスライド部54Ed,54Fdを含む第1及び第2の移動装置54E,54Fを備えている。一例として、検出装置52E,52Fとしては、図1のSEM型の検出装置52が使用できる。なお、検出装置52E,52Fとしては、図2(B)の写像投影型の検出装置52A、又は図5(A)のアレイ型の検出装置52B等の任意の装置が使用可能である。移動装置54E,54Fは図3(A)の移動装置54と同様の構成である。露光装置EXAのこれ以外の構成は第1の実施形態の露光装置EXと同様である。
次に、本実施形態の露光装置EXAによるレチクルRA,RBの異物検出動作を含む露光方法の一例につき図9のフローチャートを参照して説明する。一例として、ウエハに対してレチクルRA,RBのパターンの像を二重露光するものとする。まず、図9のステップ140において、図7(A)のローディング位置A2A,A2BにあるレチクルステージRSTA,RSTBに、不図示の搬送ロボットによって静電チャックRHA,RHBを介してレチクルRA,RBがロードされる。そして、レチクルRAのパターン領域PAAが照明領域27Rに対して+Y方向の露光開始位置に来るように、XステージRBXが駆動される(ステップ142)。その後、レチクルRAを用いたウエハの露光(ステップ144,146)と、レチクルRBの異物検出及び異物処理(ステップ148〜154)とが並行に実行される。
すなわち、ステップ144では、不図示のウエハステージにレジストが塗布された不図示のウエハがロードされる。その後、レチクルステージRSTAをY方向に駆動して、照明領域27Rに対してレチクルRAのパターン領域PAAを矢印A6で示す−Y方向及び矢印A7(図7(B)参照)で示す+Y方向に交互に走査し、不図示のウエハステージを同期して移動することで、ウエハの全部のショット領域にレチクルRAのパターンの像が露光される(ステップ146)。その後、動作はステップ156に移行する。
一方、ステップ148では、移動装置54Fによる検出装置52Fの矢印A4で示すX方向への移動と、レチクルステージRSTBによるレチクルRBの矢印A5で示すY方向への移動とによって、例えば図7(B)の検出領域53Fの相対的な移動の軌跡56Eで示すように、レチクルRBのパターン領域PABの全面を検出装置52Fの検出領域53Fで走査して、発生する二次電子を検出することでパターン領域PABの異物検出を行う。そして、ステップ150,152で、図4のステップ112,114と同様に、二次電子の検出信号の分布と予め記憶されているレチクルRBの二次電子の検出信号の分布(第2基準パターン)とを比較して、パターン領域PABに異物があるかどうかを判定する。異物がない場合にはステップ156に移行し、異物がある場合にはステップ154においてステップ132〜138と同様に異物処理を行う。
そして、ステップ156では、XステージRBXを+X方向に駆動して、図8(A)に示すように、レチクルRBのパターン領域PABを照明領域27Rに対して+Y方向の露光開始位置に移動する。その後、レチクルRBを用いたウエハの露光(ステップ158,160)と、レチクルRAの異物検出及び異物処理(ステップ162〜168)とが並行に実行される。すなわち、ステップ158で、レチクルステージRSTBをY方向に駆動して、照明領域27Rに対してレチクルRBのパターン領域PABを矢印A8で示す−Y方向及び矢印A9(図8(B)参照)で示す+Y方向に交互に走査し、不図示のウエハステージを同期して移動することで、ウエハの全部のショット領域にレチクルRBのパターンの像が二重露光される。露光済みのウエハはアンロードされ(ステップ160)、動作はステップ170に移行する。露光済みのウエハには、現像及びパターン形成が行われる。
一方、ステップ162では、移動装置54E及びレチクルステージRSTAの駆動によって、例えば図8(B)の検出領域53Eの相対的な移動の軌跡56Fで示すように、レチクルRAのパターン領域PAAの全面を検出装置52Eの検出領域53Eで走査して、パターン領域PAAから発生する二次電子の検出(異物検出)を行う。そして、ステップ164,166,168で、ステップ150〜154と同様に、二次電子の検出信号の分布とレチクルRに対応した第1基準パターンとの比較による異物の有無の判定、及び異物がある場合の異物処理を行う。その後、ステップ170で次のウエハに対する露光(ステップ144〜168の動作)が行われる。
この実施形態の露光方法によれば、ツインレチクルステージ構成の露光装置EXAにおいて、一方のレチクルステージRSTA(又はRSTB)でレチクルRA(又はRB)を用いてウエハを露光しているときに、他方の待機中のレチクルステージRSTB(又はRSTA)のレチクルRB(又はRA)のパターン領域の異物検査を行っている。従って、異物検査のための露光工程のスループットの低下を抑制できる。さらに、例えば第2のレチクルRBのパターン領域PABに異物が検出された場合には、このレチクルRBの異物除去処理、洗浄又は交換等を行うことによって、レチクルRBを用いた露光を防止でき、ウエハに不要なパターンが露光されることを防止できる。さらに、例えば第2のレチクルRBを用いた露光中に第1のレチクルRAのパターン領域PAAに異物が検出された場合には、このレチクルRAの洗浄又は交換等を行うことによって、その後のウエハに対するレチクルRAを用いた露光を防止でき、最終的に製造される半導体デバイス等の歩留まりを高く維持できる。
なお、本実施形態では、第1のレチクルRAを用いて露光を行うときに、第2のレチクルRBの異物検出を行っている。これとは別に、第1のレチクルRAを用いて露光を行う前に、予め図8(A)の状態にして、第2のレチクルRBを用いた露光を行うことなく、第1のレチクルRAの異物検査を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では第1及び第2のレチクルRA,RBを用いてウエハに二重露光を行っている。しかしながら、必ずしも二重露光を行う必要はなく、例えばレチクルRA,RBを用いてウエハの異なるレイヤに対する露光を行うようにしてもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態につき図10(A)、(B)を参照して説明する。本実施形態は2つのレチクルがいわゆるタンデム配置されたレチクルステージを用いる点が第1の実施形態と異なっている。以下、図10(A)、(B)において、図3(A)〜(C)及び図7(A)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を簡略化又は省略する。
図10(A)は、本実施形態のEUV光を露光光として用いる露光装置EXBのレチクルステージ及び異物の検出装置を示す。露光装置EXBは、図1の真空チャンバ1と同様の真空チャンバ(不図示)の天井部に配置されたY方向(走査方向)に細長いレチクルベースRBCを備えている。図10(A)、(B)は、レチクルベースRBC側からレチクルステージ等を見た平面図である。なお、レチクルベースRBC及びレチクルステージ等は2点鎖線で表されている。
図10(A)において、露光装置EXBは、レチクルベースRBCのガイド面(下面)に例えば磁気浮上型アクチュエータによって所定間隔を隔てて支持され、かつY方向に図1のレチクルステージRSTの2倍程度の可動範囲で駆動可能で、レチクルステージRSTに比べてY方向の長さがほぼ2倍のレチクルステージRSTCを備えている。レチクルステージRSTCはレチクルベースRBCに対してX方向及びθz方向にもある程度の範囲で駆動可能である。レチクルステージRSTCの下面にそれぞれ静電チャックRHA,RHBを介してY方向に隣接して第1及び第2のレチクルRA,RBが吸着保持されている。レチクルステージRSTCには、レチクルRA,RBを接地する導通機構(不図示)が設けられている。
また、露光装置EXBは、図1の照明光学系ILSと同様に、EUV光よりなる露光光で照明領域27Rを照明する照明光学系(不図示)を備えている。本実施形態では、照明領域27RのX方向の中心と、レチクルステージRSTCに保持されたレチクルRA,RBのX方向の中心とはX方向の位置がほぼ同じである。
露光装置EXBは、照明領域27Rに対して−Y方向及び+Y方向に配置され、被検面の検出領域53E,53Fに電子ビームを照射して異物検出を行う第1及び第2の検出装置52E,52F、及び検出装置52E,52FをX方向に移動する第1及び第2の移動装置54E,54Fを備えている。露光装置EXBのこれ以外の構成は第1の実施形態の露光装置EXと同様である。
本実施形態の露光装置EXBによるレチクルRA,RBの異物検出動作を含む露光方法の一例につき説明する。本実施形態においても、ウエハに対してレチクルRA,RBのパターンの像を二重露光することが可能である。まず、レチクルステージRSTCを例えばY方向の可動範囲内で+Y方向の端部のローディング位置(不図示)に移動して、不図示の搬送ロボットによって静電チャックRHA,RHBを介してレチクルRA,RBをロードする。そして、例えばレチクルRBのパターンを不図示のウエハに露光する場合、図10(A)に示すように、レチクルステージRSTCを−Y方向に駆動して、照明領域27Rに対して−Y方向側にレチクルRBのパターン領域PABを移動する。この状態では、検出装置52Eの検出領域53EがレチクルRAのパターン領域PAAに対して+Y方向側に位置している。
この後、照明領域27Rに露光光を照射し、レチクルステージRSTCを駆動して、照明領域27Rに対してレチクルRBを+Y方向に移動する動作と、図10(B)に示すように、照明領域27Rに対してレチクルRBを−Y方向に移動する動作とを繰り返すことで、不図示のウエハの複数のショット領域に順次レチクルRBのパターンの像が露光される。この動作と並行して、検出装置52Eから検出領域53Eに電子ビームを照射して、二次電子を検出しながら、検出領域53EがレチクルRAのパターン領域PAAをY方向に一度走査する毎に、移動装置54Eによって検出装置52Eを検出領域53EのX方向の幅分だけX方向に移動する。この動作を繰り返すことで、検出領域53Eの相対的な移動の軌跡56Fで示すように、レチクルRAのパターン領域PAAの全面が検出装置52Eの検出領域53Eで走査されて、パターン領域PAAの全面で異物検出を行うことができる。異物が検出された場合には、異物除去、又はレチクルRAの洗浄、交換等が行われる。
一方、レチクルRAのパターンを不図示のウエハに露光する場合には、レチクルRAのパターン領域PAAを照明領域27Rに対してY方向に往復移動する動作と並行して、移動装置54Fによって次第に検出装置52FをX方向に移動していくことで、レチクルRBのパターン領域PABの全面を検出装置52Fの検出領域53Fで走査して、パターン領域PABの全面で異物検出を行うことができる。異物が検出された場合には、異物除去、又はレチクルRBの洗浄、交換等が行われる。
この実施形態の露光方法によれば、レチクルRA,RBがタンデム配置されたレチクルステージRSTCを用いる露光装置EXBにおいて、一方のレチクルRB(又はRA)のパターンの像をウエハに露光しているときに、他方の待機中のレチクルRA(又はRB)のパターン領域の異物検査を行っている。従って、例えばレチクルRAのパターン領域PAAに異物が検出された場合には、このレチクルRAの異物除去、洗浄又は交換等を行うことによって、ウエハに不要なパターンが露光されることを防止できる。さらに、例えばレチクルRAを用いた露光中にレチクルRBのパターン領域PABに異物が検出された場合には、このレチクルRBの異物除去、洗浄又は交換等を行うことによって、その後のウエハに対する不要なパターンの露光を防止でき、最終的に製造される半導体デバイス等の歩留まりを高く維持できる。
また、上記の実施形態の露光装置EX〜EXB又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い替えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、レチクルの異物の像がウエハWに露光されるのを抑制できるため、レチクルのパターンを高精度に露光でき、製造される電子デバイスの歩留まりを向上できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
なお、上記の実施形態では、露光光としてレーザプラズマ光源で発生したX線(EUV光)を使用しているが、露光光としては例えば放電プラズマ光源やシンクロトロン放射光(Synchrotron Radiation)よりなるX線を使用することもできる。
また、上記の実施形態では露光光としてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例である。例えば、4枚等のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmのVUV光源、例えばAr2 レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚等のミラーを有する投影光学系を備えた露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、マスクを用いる走査露光型の電子ビーム露光装置において、マスクの異物検査を行う場合にも適用できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX,EXA,EXB…露光装置、ILS…照明光学系、RST,RSTA,RSTB…レチクルステージ、R,RA,RB…レチクル、PA,PAA,PAB…パターン領域、PO…投影光学系、W…ウエハ、1…真空チャンバ、10…レーザプラズマ光源、27R…照明領域、31…主制御装置、34…信号処理部、36…異物処理部、52,52A,52B…異物の検出装置、54,54A…移動装置

Claims (30)

  1. 真空環境でエネルギービームでマスクのパターンを照明し、前記エネルギービームで前記パターン及び投影系を介して物体を露光する露光方法において、
    前記第1マスクステージに第1マスクを保持させることと、
    前記第1マスクステージに保持された前記第1マスクに前記エネルギービームを照射することと、
    前記第1マスクステージに前記第1マスクを保持してから、前記第1マスクに前記エネルギービームを照射するまでの間に、前記第1マスクのパターン面に電子ビーム源から電子ビームを照射することと、
    前記第1マスクの前記パターン面から発生する発生エネルギーを検出し、該検出結果を用いて前記第1マスクの前記パターン面の検査を行うことと、
    を含む露光方法。
  2. 前記電子ビームを照射することは、前記パターン面と前記電子ビームとを前記パターン面に沿った方向に相対走査することを含む請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記パターン面の検査を行うことは、前記パターン面に付着している異物を検査することを含む請求項1又は請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記電子ビームを照射することは、前記第1マスクが前記第1マスクステージに保持された状態で前記電子ビームを照射することを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記パターン面の検査を行うことは、前記第1マスクステージを停止させた状態で、前記第1マスクに前記電子ビームを照射することを含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記パターン面の検査を行うことは、前記第1マスクステージに前記第1マスクを保持させる保持位置と、前記第1マスクに前記エネルギービームを照射する照射位置との間で、前記第1マスクの検査を行うことを含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 前記第1マスクの前記パターン面と前記電子ビームとを相対走査することは、前記電子ビームを前記パターン面に沿って少なくとも一次元的に走査することを含む請求項2に記載の露光方法。
  8. 前記第1マスクの前記パターン面と前記電子ビームとを相対走査することは、前記第1マスクステージを前記走査方向に移動して前記電子ビームに対して前記第1マスクを前記走査方向に移動することを含む請求項2又は請求項7に記載の露光方法。
  9. 前記第1マスクの前記パターン面と前記電子ビームとを相対走査することは、前記電子ビーム源を前記走査方向に交差する方向に移動することを含む請求項2、請求項7、又は請求項8に記載の露光方法。
  10. 前記パターン面の検査を行うことは、前記第1マスクステージが前記照射位置よりも前記走査方向に離れて設けられる前記保持位置に配置されるときに、前記第1マスクステージのマスク保持部に対向する位置よりも前記走査方向に交差する非走査方向に離れた位置から前記電子ビームを照射することを含み、
    前記第1マスクの前記パターン面に前記電子ビーム源から前記電子ビームを照射する前に、前記第1マスクステージを前記非走査方向に移動することを含む請求項6に記載の露光方法。
  11. 前記パターン面の検査を行うことは、前記第1マスクステージが前記照射位置よりも前記走査方向に離れて設けられる前記保持位置に配置されるときに、前記第1マスクステージのマスク保持部に対向する位置よりも前記走査方向に交差する非走査方向に離れた位置から前記電子ビームを照射することを含み、
    前記第1マスクの前記パターン面に前記電子ビーム源から前記電子ビームを照射する前に、前記電子ビーム源を前記非走査方向に移動することを含む請求項6又は請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記第1マスクステージに保持された前記第1マスクの前記パターン面と前記電子ビームとを相対走査するときに、前記エネルギービームで、前記第1マスクステージに対して前記非走査方向に離れて配置された第2マスクステージに保持された第2マスクのパターンの一部及び前記投影系を介して前記物体を露光することと、
    前記第1マスクステージと前記第2マスクステージとを前記走査方向に交差する非走査方向に移動して、前記第1マスクステージを前記第1マスクに対して前記エネルギービームが照射可能な位置に移動することと、
    を含む請求項2、及び請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の露光方法。
  13. 前記第1マスクの前記パターン面の検査結果に応じた処理を行うことを含む請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の露光方法。
  14. 前記第1マスクの前記パターン面の検査によって異物が検出されたときに、前記異物を除去することを含む請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の露光方法。
  15. 前記エネルギービームはEUV光である請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の露光方法。
  16. 前記発生エネルギーは電子線及びX線の少なくとも一方を含む請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の露光方法。
  17. 真空環境でエネルギービームでマスクのパターンを照明し、前記エネルギービームで前記パターン及び投影系を介して物体を露光する露光装置において、
    第1マスクを保持するマスクの保持位置と前記第1マスクのパターンに前記エネルギービームが照明される照射位置との間で移動する第1マスクステージと、
    前記第1マスクステージが、前記保持位置と前記照射位置との間にあるときに、前記第1マスクのパターン面に電子ビームを照射する電子ビーム源と、
    前記第1マスクの前記パターン面から発生する発生エネルギーを検出し、該検出結果を用いて前記第1マスクの前記パターン面の検査を行う検査部と、
    を備える露光装置。
  18. 前記パターン面と前記電子ビームとを前記パターン面に沿った方向に相対走査する相対走査部をさらに備える請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記検査部は、前記パターン面に付着している異物を検査する請求項17又は請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記電子ビーム源は、前記第1マスクが前記第1マスクステージに保持された状態で前記電子ビームを照射する請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の露光装置。
  21. 前記電子ビーム源は、前記第1マスクステージが停止した状態で、前記第1マスクに前記電子ビームを照射する請求項17から請求項20のいずれか一項に記載の露光装置。
  22. 前記相対走査部は、前記電子ビームを前記パターン面に沿って少なくとも一次元的に走査する電子ビーム走査系を含む請求項18に記載の露光装置。
  23. 前記相対走査部は、前記第1マスクステージを前記走査方向に移動して前記電子ビームに対して前記第1マスクを前記走査方向に移動する第1制御部を含む請求項18又は請求項22に記載の露光装置。
  24. 前記相対走査部は、前記電子ビーム源を前記走査方向に交差する方向に移動する第2制御部を含む請求項18、請求項22、又は請求項23に記載の露光装置。
  25. 前記第1マスクステージに対して前記非走査方向に離れて配置されて第2マスクを保持して前記走査方向に移動する第2マスクステージと、
    前記第1マスクステージと前記第2マスクステージとを前記非走査方向に移動して、前記第1マスクステージを前記照射位置に移動する第3制御部と、を備え、
    前記相対走査部が、前記第1マスクステージに保持された前記第1マスクの前記パターン面と前記電子ビームとを相対走査するときに、
    前記エネルギービームで、第2マスクステージに保持された第2マスクのパターンの一部及び前記投影系を介して前記物体を露光する請求項18、及び請求項22から請求項24のいずれか一項に記載の露光装置。
  26. 前記マスクの前記パターン面の検査によって異物が検出されたときに、前記異物を除去する異物処理装置を備える請求項17から請求項25のいずれか一項に記載の露光装置。
  27. 前記エネルギービームはEUV光である請求項17から請求項26のいずれか一項に記載の露光装置。
  28. 前記発生エネルギーは電子ビーム及びX線の少なくとも一方を含む請求項17から請求項27のいずれか一項に記載の露光装置。
  29. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
  30. 請求項17から請求項28のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016180976A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 ネオ セミテック. カンパニー リミテッドNEO SEMITECH. Co., Ltd フォトマスク検査装置および検査方法
JP2021118259A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 日本電子株式会社 露光装置

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