JP2014070588A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】よりコストを低減しながら、吐出冷媒の圧力損失を低減し且つ異音の発生を抑制できるスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮した冷媒を吐出する吐出口41が形成される圧縮機構15と、吐出口41から吐出された冷媒が流れる吐出冷媒経路47と、吐出冷媒経路47に位置し、圧縮機構15の吐出口41を開ける開状態と圧縮機構15の吐出口41を閉じる閉状態とを切り替える弁体71と、弁体71を挟んで吐出口41と反対側に形成される背圧室72と、を備える。吐出冷媒経路47には、その途中に、冷媒の流れ方向に直交する断面積が縮小する経路縮小部49が形成されている。また、吐出冷媒経路47には、経路縮小部49の近傍と背圧室72とを連通させる背圧室連通路81が接続されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
従来、スクロール圧縮機として、特許文献1(特開平4−241702号公報)や特許文献2(特開2004−353565号公報)に開示のように、運転停止時において吐出冷媒が流れる吐出空間から圧縮室への冷媒の逆流を防止するために、吐出逆止弁(吐出弁)を備えたものが提案されている。これらの圧縮機では、板状の吐出逆止弁が設けられており吐出口を開閉可能としている。
特許文献1及び2に開示の圧縮機では、吐出逆止弁は、基本的に、圧縮機の運転中、吐出冷媒の圧力で吐出口を開ける開状態となり、圧縮機が停止すると、その重力によって吐出口を閉じる閉状態となる。そして、この圧縮機では、吐出逆止弁は、圧縮機の運転中、吐出冷媒の流路を確保するために、フルリフト状態でいることが好ましく、停止時は、吐出口を完全に閉じ吐出冷媒が逆流しないようにすることが好ましい。
しかし、運転中の吐出逆止弁は、一周期中上下変動を行っており、その挙動は、運転条件、吐出口の径及び吐出逆止弁の重量に大きな影響を受ける。運転条件が圧縮機の設定固有圧縮比より小さい条件、いわゆる、過圧縮量が大となる条件(低圧縮比側)ほど、吐出逆止弁は弁座から浮上しやすくなり、逆に圧縮不足量が大となる条件(高圧縮比側)ほど、着座時間が長くなり浮上し難くなる。そして、吐出口は、その径が大きくなるほど、吐出逆止弁への圧力作用の影響が大きくなるため、吐出逆止弁の上下変動量が大きくなる。吐出逆止弁の重量は、重量化するほど、吐出逆止弁の上下変動量を小さくする働きをする。
従って、圧縮機効率を上げるには、吐出逆止弁を軽量化したり吐出口の径を大きくしたりすることで、運転中の吐出逆止弁を浮上しやすくすることが好ましいが、一方で、圧縮機効率にばかり目を向けると、吐出逆止弁の上下変動量が大きくなり、吐出逆止弁が弁座面、或いは、弁座面と吐出逆止弁を挟んだ反対側の面に衝突する速度が大きくなるため、チャタリングの際に、異音として認識されてしまう。さらに、この場合、吐出逆止弁は、フルリフト状態になりやすいため、吐出冷媒に混在する潤滑油の粘性によって、吐出逆止弁が弁座面と吐出逆止弁を挟んだ反対側の面に付着する現象が起きやすくなる。このため、いざ圧縮機を停止したときに、閉状態となるまでに多少時間がかかる現象、すなわち、停止時の吐出冷媒の逆流による圧縮機逆転現象を引き起こす懸念がある。
そこで、特許文献2に開示の圧縮機では、弁体の背面側に形成される背圧室と、背圧室に配置されるバネ部材と、背圧室に接続される複数(第1〜第3)の通路部及びシリンダ室と、連通路に設けられ背圧室の連絡先を切り換えるための切換機構(ピストン及びバネ部材)と、を備えている。この圧縮機では、切換機構によって背圧室に連通する第1通路部が、クランク室に連通する第2通路部及びオルダム室に連通する第3通路部のいずれかに連通するようになっている。この圧縮機では、運転中は、駆動軸の軸受部で発生する油膜圧力を受けてピストンが移動し、第1通路部が第3通路部に連通する。その結果、背圧室が低圧空間となり、弁体が背圧室に吸着されて開状態が保持されるため、チャタリングによる異音発生が抑制される。他方、停止した途端に、油膜圧力がなくなるため、バネの付勢力によってピストンが移動し、第1通路部が第2通路部に連通する。従って、背圧室が高圧空間となり弁体の上面及び下面にそれぞれ作用する圧力間における差圧がほとんどなくなり、重力によって弁体が下方に移動して吐出口を閉じる。
しかし、この圧縮機では、部品点数の増加や通路等の形成が複雑になり、コストがかかることが懸念される。
そこで、本発明の課題は、よりコストを低減しながら、吐出冷媒の圧力損失を低減し且つ異音の発生を抑制できるスクロール圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、圧縮機構と、吐出冷媒経路と、弁体と、背圧室と、を備える。圧縮機構は、圧縮した冷媒を吐出する吐出口が形成されている。吐出冷媒経路は、吐出口から吐出された冷媒が流れる経路である。弁体は、吐出冷媒経路に位置し、圧縮機構の吐出口を開ける開状態と圧縮機構の吐出口を閉じる閉状態とを切り替える。背圧室は、弁体を挟んで吐出口と反対側に形成される。吐出冷媒経路には、その途中に、冷媒の流れ方向に直交する断面積が縮小する経路縮小部が形成されている。また、吐出冷媒経路には、経路縮小部の近傍と背圧室とを連通させる背圧室連通路が接続されている。
本発明では、スクロール圧縮機の運転中に、経路縮小部において、冷媒圧力を低下させ、背圧室連通路の冷媒を吐出冷媒経路へと引き込むエジェクタ効果を生じさせることができる。これにより、背圧室連通路に連通する背圧室の冷媒圧力を下げることができ、吐出冷媒経路に位置する弁体を背圧室側へと引きつけやすくなる。すなわち、例えば、弁体が上下方向に移動する場合、スクロール圧縮機の運転中、弁体を、吐出冷媒経路において、フルリフト状態(全開状態)にすることができる。これにより、吐出口から吐出された冷媒の圧力損失を低減できる。他方、停止時には、弁体に作用する重力の他、吐出冷媒経路や背圧室連通路における冷媒が、多少なりとも背圧室連通路を逆流するので、その逆流した冷媒の流れを少なからず弁体を吐出口側へと移動させる力として作用させることができる。このように、本発明では、エジェクタ効果を生じさせることにより、弁体が吐出冷媒経路において中途半端な位置に位置することを抑制できるので、チャタリングを抑制でき、異音の発生を抑制できる。また、経路縮小部と背圧室に連通する背圧室連通路とを設けるだけで、このような効果を生じさせることができるので、コストも抑制できる。
本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機であって、蓋部材と、ハウジングと、をさらに備える。圧縮機構は、可動スクロールと、可動スクロールと噛み合い可動スクロールと共に冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロールと、を有している。固定スクロールは、上面に凹部空間が形成されている。蓋部材は、固定スクロールの凹部空間を上側から覆うように固定スクロールの上面に取り付けられる。ハウジングは、圧縮機構を載置する。また、ハウジングには、上下方向に貫通する貫通空間が形成される。吐出冷媒経路は、凹部空間と、貫通空間と、凹部空間と貫通空間とを連通させるように固定スクロールに形成される中間空間と、によって形成されている。吐出口は、凹部空間に開口するように固定スクロールに形成されている。背圧室は、凹部空間と連通するように、蓋部材の下面に凹設されている。背圧室連通路は、第1背圧室連通路と、第2背圧室連通路と、を有している。第1背圧室連通路は、蓋部材に形成され背圧室に連通する。第2背圧室連通路は、固定スクロールに形成され吐出冷媒経路における経路縮小部の近傍と第1背圧室連通路とを連通させる。弁体は、凹部空間において、全開状態のときに、その上面が蓋部材の下面に接触して背圧室を閉じる。他方、弁体は、閉状態のときに、その下面が固定スクロールに接触して背圧室を開ける。経路縮小部は、中間部に形成されている。
本発明では、背圧室連通路及び背圧室連通路に連通する背圧室における冷媒を、吐出冷媒経路における経路縮小部によって吐出冷媒経路へと流入させることにより、背圧室の冷媒圧力と吐出口付近における冷媒圧力とに、差を設けることができる。このように、本発明では、背圧室の冷媒圧力を低く維持することができるので、スクロール圧縮機の運転中、弁体を、蓋部材の下面に接触した全開状態に維持できる。よって、吐出口から吐出された冷媒の流路を十分に確保できるため、冷媒の圧力損失を低減できる。さらに、チャタリングを抑制できるので、異音の発生も抑制できる。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機であって、第1取付部材と、第2取付部材と、覆い部材と、吐出管と、背圧室連通路形成部材と、をさらに備える。圧縮機構は、可動スクロールと、可動スクロールと噛み合い可動スクロールと共に冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロールと、を有する。吐出口は、固定スクロールの上面に形成されている。第1取付部材は、上下方向に貫通し吐出口と連通する上下貫通空間が形成され、固定スクロールの上面に取り付けられる。第2取付部材は、第1取付部材の上面に取り付けられ、第1取付部材との間に間隙空間を形成する。覆い部材は、第1取付部材及び第2取付部材を上側から囲み、第1取付部材にその内面が密着する。吐出管は、吐出口から吐出された冷媒を外部へと吐出し覆い部材を貫通する。背圧室連通路形成部材は、背圧室連通路を形成する。吐出冷媒経路は、上下貫通空間と、間隙空間と、第1取付部材及び第2取付部材と覆い部材との間の吐出冷媒空間と、吐出管の内部空間とによって形成される。背圧室は、間隙空間に連通するように第2取付部材に形成される。弁体は、間隙空間において、全開状態のときに、その上面が第2取付部材の内面に接触して背圧室を閉じる一方、吐出口と共に上下貫通空間を開ける。他方、弁体は、閉状態のときに、その下面が第1取付部材の上面に接触して背圧室を開ける一方、吐出口と共に上下貫通空間を閉じる。経路縮小部は、吐出管に形成されている。背圧室連通路形成部材は、吐出冷媒空間に位置している。また、経路縮小部は、一端が第2取付部材に接続されて背圧室に開口し、他端が吐出管に接続されて経路縮小部の近傍に開口する。
本発明では、背圧室連通路及び背圧室連通路に連通する背圧室における冷媒を、吐出冷媒経路における経路縮小部によって吐出冷媒経路へと流入させることにより、背圧室の冷媒圧力と、吐出口付近における冷媒圧力とに、差を設けることができる。このように、本発明では、背圧室の冷媒圧力を低く維持することができるので、スクロール圧縮機の運転中、弁体を、第2取付部材の内面に接触した全開状態に維持できる。よって、吐出口から吐出された冷媒の流路を十分に確保できるため、冷媒の圧力損失を低減できる。さらに、チャタリングを抑制できるので、異音の発生も抑制できる。
本発明に係るスクロール圧縮機では、コストを低減しながら、吐出冷媒の圧力損失を低減し且つ異音の発生を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図。 圧縮機構を構成する固定スクロールの概略斜視図。 弁体の開状態を示すためのスクロール圧縮機の一部の縦断面図。 弁体の閉状態を示すためのスクロール圧縮機の一部の縦断面図。 変形例Aに係るスクロール圧縮機の縦断面図。 変形例Aに係る、第1取付部材、弁体及び第2取付部材の概略の分解斜視図。 変形例Aに係る弁体の開状態を示すスクロール圧縮機の一部の縦断面図。 変形例Aに係る弁体の閉状態を示すスクロール圧縮機の一部の縦断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態としてのスクロール圧縮機1について説明する。
(1)スクロール圧縮機の構成
図1は、本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機1の縦断面図である。以下の説明においては、図1に示す駆動モータ16の中心軸線O−Oに沿った方向を軸方向又は上下(縦)方向とする。また、中心軸線O−Oに直交する方向を径方向又は横(水平)方向とする。
スクロール圧縮機1は、冷媒を循環させることによって冷凍サイクルを行う冷媒回路において、冷媒を圧縮するために用いられる。スクロール圧縮機1は、高低圧ドーム型の圧縮機であって、互いに噛合する2つのスクロールの少なくとも一方のスクロールが自転することなく他方のスクロールに対して公転することにより、冷媒を圧縮する。スクロール圧縮機1は、図1に示されるように、主として、ケーシング10と、吸入管18と、吐出管19と、圧縮機構15と、ハウジング23と、弁体71と、背圧室72と、オルダム継手39と、駆動モータ16と、下部軸受60と、油分離板65と、シャフト17と、ガスガイド58と、を有している。スクロール圧縮機1は、ケーシング10の内部に、圧縮機構15、ハウジング23、弁体71、背圧室72、オルダム継手39、駆動モータ16、下部軸受60、油分離板65、シャフト17、及び、ガスガイド58が収容された密閉型構造を有している。また、スクロール圧縮機1は、ケーシング10に、吸入管18及び吐出管19が貫通して取り付けられるように構成されている。以下、スクロール圧縮機1の構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング、吸入管及び吐出管
ケーシング10は、軸方向に延びる縦型の円筒形状の容器であり、主として、略円筒状の筒状部11と、筒状部11の上端に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、筒状部11の下端に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。
ケーシング10の内部空間は、圧縮機構15の下方空間である高圧空間S1と、圧縮機構15の上方空間である低圧空間S2とに区画されている。ケーシング10の内部空間の底部には、潤滑油を貯留するための空間である油貯留空間Pが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機1の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
また、ケーシング10には、吸入管18及び吐出管19が接続されている。吸入管18は、上壁部12を貫通して取り付けられる管状部材であり、ケーシング10の外部から圧縮機構15における圧縮室40(後述する)へ、冷媒回路内を循環する冷媒を吸入させるための部材である。また、吸入管18は、固定スクロール24の主吸入孔(後述する、図示せず)に嵌入される吐出管19は、筒状部11に貫通して取り付けられる管状部材であり、高圧空間S1からケーシング10の外部へ、圧縮した冷媒を吐出するための部材である。
(1−2)圧縮機構
図2は、圧縮機構15を構成する固定スクロール24の概略斜視図である。
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒とした後に吐出する。図1に示すように、圧縮機構15は、シャフト17の上端部に連結されている。圧縮機構15は、主として、固定スクロール24と、可動スクロール26とを有している。
(1−2−1)固定スクロール
固定スクロール24は、円板形状の第1鏡板24aと、第1鏡板24aの下面に一体的に接続され第1鏡板24aの下面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第1ラップ24bとを有している。
固定スクロール24には、主吸入孔と、主吸入孔に隣接する補助吸入孔(図示せず)とが形成されている。主吸入孔により、吸入管18の内部空間と圧縮室40とが連通される。補助吸入孔により、低圧空間S2と圧縮室40とが連通される。
また、第1鏡板24aの中央部には、吐出口41が形成されている。吐出口41は、圧縮室40で圧縮した冷媒を吐出するための孔である。
また、第1鏡板24aの上面には、凹部空間S3(図1及び図2を参照)が形成されている。凹部空間S3は、第1鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる空間である。吐出口41は、この凹部空間S3に開口するように形成されている。固定スクロール24の上面には、凹部空間S3を上側から覆うように蓋部材44がボルト(図示せず)によって取り付けられている。そして、この凹部空間S3は、蓋部材44が覆い被せられることにより圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間として機能する。固定スクロール24と蓋部材44とは、ガスケット(図示せず)を介して密着させることによりシールされている。
また、固定スクロール24には、凹部空間S3とハウジング23の貫通空間S5(後述する)とを連通させる中間空間S4(図1及び図2を参照)が形成されている。図1に示すように、中間空間S4は、凹部空間S3と貫通空間S5とを連通させており、固定スクロール24の下面を貫通している。中間空間S4は、上方から下方に向かって中心軸線Oに対して傾斜するように冷媒が流れる第1中間空間S4aと、軸方向に冷媒が流れる第2中間空間S4bとから構成されるように、形成されている。
(1−2−2)可動スクロール
可動スクロール26は、主に、第2鏡板26aと、第2鏡板26aの上面に一体的に接続され第2鏡板26aの上面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第2ラップ26bと、第2鏡板26aの下面に形成された上端軸受26cと、第2鏡板26aの両端部に形成される溝部26dとから構成されている。第2鏡板26aには、給油細孔63が形成されている。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、上端軸受26cの内側の空間とを連通している。上端軸受26cは、軸受メタル26eを介して、シャフト17の偏心部17b(後述する)を軸支する。溝部26dには、オルダム継手39のキー部(図示せず)が嵌め込まれている。
以上のような構成を有する圧縮機構15では、固定スクロール24の第1ラップ24bと可動スクロール26の第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24a、第1ラップ24b、第2鏡板26a及び第2ラップ26bによって囲まれる空間である圧縮室40が形成されている。すなわち、固定スクロール24と可動スクロール26とは、共に圧縮室40を形成している。圧縮室40では、可動スクロール26の公転運動によって容積が減少されることにより、冷媒を圧縮する。
(1−3)ハウジング
ハウジング23は、ケーシング10の筒状部11の内周面に圧入され、その外周面がケーシング10の筒状部11の内周面に気密状に密着されている。このようにハウジング23の外周面とケーシング10の筒状部11の内周面とが密着されていることにより、上述した高圧空間S1と低圧空間S2とが区画されている。
ハウジング23には、上面中央部に凹設されたハウジング凹部31と、軸方向中央部から下方に延びる軸受部32と、が形成されている。ハウジング凹部31の内側空間には、可動スクロール26の上端軸受26cが位置している。ハウジング23には、軸受部32の下端面とハウジング凹部31の底面とを貫通する軸受孔33が形成されている。軸受孔33に、シャフト17が軸受メタル34を介して回転自在に挿入されている。
また、ハウジング23は、ボルト等で固定することによって固定スクロール24をその上面に載置し、オルダム継手39を介して、固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟持している。また、ハウジング23の外周部には、上下方向に貫通する貫通空間S5が形成されている。貫通空間S5は、中間空間S4と高圧空間S1とを連通させている。また、貫通空間S5の冷媒流れ方向に直交する断面積は、第2中間空間S4bの冷媒流れ方向に直交する断面積と同じとなるように、形成されている。尚、冷媒流れ方向とは、図1の太線且つ点線の矢印で示す方向である。
本実施形態では、吐出口41から吐出された冷媒は、図1の矢印に示すように、凹部空間S3、中間空間S4(第1中間空間S4a及び第2中間空間S4b)、及び、貫通空間S5を順に流れて、高圧空間S1に排出されることになる。すなわち、固定スクロール24に形成される凹部空間S3及び中間空間S4と、ハウジング23に形成される貫通空間S5とは、吐出口41から吐出された冷媒が流れる吐出冷媒経路47を形成している。
(1−4)弁体
弁体71は、吐出口41から吐出された冷媒の逆流を防止するために設けられている円形状の平板部材である(図2を参照)。弁体71は、図1に示すように、吐出冷媒経路47を構成する凹部空間S3において、その下面が吐出口41と対向するように位置している。また、弁体71は、その横断面積が、吐出口41の横断面積よりも大きく構成されている。そして、弁体71は、吐出口41を開ける開状態(図1及び図3を参照)と、吐出口41を閉じる閉状態(図4を参照)とを切り替える。具体的には、弁体71は、吐出口41付近の冷媒圧力と、後述する背圧室72における冷媒圧力との間に生じる差圧によって開状態と閉状態とを切り替える。ここで、図3は、弁体71の開状態を示すためのスクロール圧縮機1の一部の縦断面図であり、図4は、弁体71の閉状態を示すためのスクロール圧縮機1の一部の縦断面図である。弁体71は、図3に示すように、全開状態においては、蓋部材44の下面44aに接触しており、図4に示すように、閉状態においては、固定スクロール24において凹部空間S3を形成する形成面であって吐出口41が開口する吐出面42aに接触している。尚、スクロール圧縮機1では、凹部空間S3において、吐出面42aであって吐出口41の周囲の面から上方に向かって延びる複数(本実施形態では、3つ)のガイド部73(図2を参照)が設けられている。ガイド部73は、弁体71を取り囲むように配置されており、弁体71を上下方向に案内する。
(1−5)背圧室
背圧室72は、弁体71を挟んで吐出口41と軸方向に反対側に位置するように、蓋部材44の下面に凹設される空間である。背圧室72は、凹部空間S3と連通している。
弁体71は、全開状態のときに、上述したように、吐出口41を開けると共に、その上面が蓋部材44の下面に接触して背圧室72を閉じている(図1及び図3を参照)。他方、弁体71は、閉状態のときに、吐出口41を閉じると共に、その下面が固定スクロール24の吐出面42aに接触して背圧室72を開けている(図4を参照)。
(1−6)オルダム継手
オルダム継手39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための環状の部材である。オルダム継手39は、キー部が可動スクロール26の溝部26dに嵌め込まれている。そして、これにより、可動スクロール26が、オルダム継手39を介してハウジング23に支持されている。
(1−7)駆動モータ
駆動モータ16は、図1に示すように、圧縮機構15に連結されるシャフト17に連結されており、シャフト17を介して圧縮機構15を駆動するブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、圧縮機構15の下方に配置されている。駆動モータ16は、主として、ケーシング10の筒状部11の内壁に固定されるステータ51と、このステータ51の径方向内側に回転自在に配置されるロータ52とを有している。ステータ51の内周面とロータ52の外周面との間には、僅かな間隙であるエアギャップが形成されている。
ステータ51は、導線が巻き付けられているコイル部(図示せず)と、コイル部の上方及び下方に形成されているコイルエンド53とを有している。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、且つ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が形成されている。このコアカット部は、筒状部11とステータ51との間に軸方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。ロータ52の中央部には、シャフト17(シャフト17の主軸部17a(後述する))が嵌めこまれている。
(1−8)下部軸受
下部軸受60は、駆動モータ16の下方に配設され、シャフト17(シャフト17の主軸部17a)の下部を軸支する軸受である。下部軸受60は、その外周面が、ケーシング10の筒状部11の内壁に気密状に接合されている。
(1−9)油分離板
油分離板65は、平板状の部材であり、下降する冷媒から潤滑油を分離する部材である。油分離板65は、下部軸受60の上端面に固定されている。
(1−10)シャフト
シャフト17は、内部に、軸方向に延びる給油孔61が形成される中空形状を有している。シャフト17は、その下端が、油貯留空間Pに貯留された潤滑油に浸かっており、給油孔61が、油貯留空間Pに連通している。また、給油孔61は、油室89に連通している。油室89は、シャフト17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される空間である。油室89は、第2鏡板26aの給油細孔63を介して、固定スクロール24と可動スクロール26との摺動部(本実施形態では、適宜、圧縮機構15の摺動部という)に連通している。また、油室89は、圧縮機構15の摺動部を介して圧縮室40及び低圧空間S2に連通している。
さらに、シャフト17には、その内部に、軸方向に延びる給油孔61から水平方向に分岐する第1給油横孔61a、第2給油横孔61b及び第3給油横孔61cが形成されている。第1給油横孔61aは、軸受メタル26eとシャフト17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。第2給油横孔61bは、軸受メタル34とシャフト17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。第3給油横孔61cは、下部軸受60とシャフト17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。
より具体的な構成について説明すると、シャフト17は、その軸芯がロータ52の回転中心と一致する主軸部17aと、シャフト17の上端部を構成する偏心部17bと、回転系(可動スクロール26、オルダム継手39、シャフト17及びロータ52)の質量バランスをとるバランスウェイト部17cと、を有している。
主軸部17aは、円筒形状を有しており、中心軸線O−O周りに回転する部分である。主軸部17aは、その上部が、軸受メタル34を介してハウジング23の軸受部32によって軸支され、その下部が、下部軸受60によって軸支されている。
偏心部17bは、円筒形状を有しており、主軸部17aの軸芯に対して偏心するように主軸部17aの上端に設けられている。偏心部17bは、その上端が、可動スクロール26の上端軸受26cの内側の空間に嵌め込まれており、軸受メタル26eを介して上端軸受26cに軸支されている。つまり、シャフト17の偏心部17bが可動スクロール26の上端軸受26cに嵌めこまれることによって、シャフト17が可動スクロール26に接続されている。
バランスウェイト部17cは、主軸部17aの外周面に密着して固定されている部分である。
以上のように、シャフト17は、圧縮機構15(具体的には、可動スクロール26)と、駆動モータ16(具体的には、ロータ52)とが連結されていることによって、駆動モータ16の駆動力を圧縮機構15に伝達している。具体的には、駆動モータ16に電流が流されると、まず、中心軸線O−Oを中心として上から視て反時計回りにロータ52が回転し、この回転駆動力がシャフト17に伝達されて、シャフト17が上から視て反時計回りに回転する。そして、シャフト17が回転することにより、シャフト17に連結される可動スクロール26(圧縮機構15)にロータ52(駆動モータ16)の回転駆動力が伝達されて、可動スクロール26が駆動している。このとき、可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転運動が禁止されるので、中心軸線O−O回りで、自転運動することなく偏心半径の公転運動を行う。
(1−11)ガスガイド
ガスガイド58は、貫通空間S5を流れる圧縮冷媒を高圧空間S1に導くための部材である。ガスガイド58は、ケーシング10の筒状部11に固定されており、筒状部11の内周面と共に、冷媒を高圧空間S1に導くための空間を形成する。
(2)経路縮小部及び背圧室連通路の構成、及び弁体の動作
上記のようなスクロール圧縮機では、弁体は、基本的に、スクロール圧縮機の運転中に開状態となり、スクロール圧縮機が停止すると閉状態となる。そして、このようなスクロール圧縮機では、弁体は、スクロール圧縮機の運転中は、吐出冷媒の流路を確保するために、蓋部材の下面に接触していることが好ましく、停止時は、吐出口を完全に閉じ吐出冷媒が逆流しないようにすることが好ましい。
しかし、運転中の弁体は、一周期中上下変動を行っており、その挙動は、運転条件、吐出口の径及び弁体の重量に大きな影響を受ける。運転条件が低圧縮比側になるほど、弁体は浮上しやすくなり、逆に高圧縮比側になるほど、弁体は浮上し難くなる。そして、吐出口が大きくなるほど、弁体への圧力の作用の影響が大きくなるため、弁体の上下変動幅が大きくなり、弁体の重量は、重量化するほど、弁体の上下変動幅を小さくする。従って、圧縮機効率を上げるには、弁体を軽量化したり吐出口の径を大きくしたりすることで、運転中の弁体が浮上しやすくすることが好ましいが、一方で、圧縮機効率にばかり目を向けると、弁体の上下変動量が大きくなり、弁体が弁座として機能する弁座面、或いは、弁座面と吐出逆止弁を挟んだ反対側の面に衝突する速度が大きくなるため、チャタリングの際に、異音として認識されてしまう。さらに、この場合、弁体は、フルリフト状態になりやすいため、吐出冷媒に混在する潤滑油の粘性によって、弁体が弁座面と弁体を挟んだ反対側の面に付着する現象が起きやすくなる。このため、いざ圧縮機を停止したときに、閉状態となるまでに多少時間がかかる現象、すなわち、停止時の吐出冷媒の逆流による圧縮機逆転現象を引き起こす懸念がある。そこで、特許文献2に開示の圧縮機では、弁体の背面側に形成される背圧室と、背圧室に配置されるバネ部材と、背圧室に接続される複数(第1〜第3)の通路部及びシリンダ室と、連通路に設けられ背圧室の連絡先を切り換えるための切換機構(ピストン及びバネ部材)と、を設けることによって、吐出冷媒の圧力損失の低減や異音の発生を抑制している。しかし、この圧縮機では、部品点数の増加や通路等の形成が複雑になり、コストがかかることが懸念される。
そこで、本実施形態では、吐出冷媒経路47の途中に、冷媒の流れ方向に直交する断面積が縮小する経路縮小部49を形成しており、そして、背圧室72と吐出冷媒経路47における経路縮小部49の近傍部分とを連通させる背圧室連通路81を設けている。以下、これらの具体的な構成について説明し、その後に弁体71の動作について説明する。
(2−1)経路縮小部
本実施形態では、図1等に示すように、第2中間空間S4bの冷媒流れ方向に直交する断面積(ここでは、適宜、流路断面積という)を、第1中間空間S4aの冷媒流れ方向に直交する断面積よりも小さくしている。そして、固定スクロール24において、第1中間空間S4aの流路断面積を第2中間空間S4bの流路断面積へと縮小する部分が、経路縮小部49となっている。
ここでは、第2中間空間S4bの冷媒の流路断面積(冷媒流れ方向に直交する断面積)を、経路縮小部49によって第1中間空間S4aを流れる冷媒の流路断面積よりも小さくすることにより、第2中間空間S4bにおいて、冷媒の流速を上げている。すなわち、経路縮小部49は、吐出口41から吐出された冷媒の流速を上げる絞り部として機能している。このように、本実施形態では、吐出冷媒経路47が、吐出口41から吐出された冷媒が高圧空間S1に流入するまでの間に、冷媒流速を上げる部分を有している。尚、本実施形態では、上述したように、第2中間空間S4bの流路断面積と、貫通空間S5の流路断面積とを同じになるように形成しているが、貫通空間S5の流路断面積は、第2中間空間S4bの流路断面積よりも大きくてもよい。
(2−2)背圧室連通路
背圧室連通路81は、吐出冷媒経路47に接続される通路であり、第1背圧室連通路82と、第2背圧室連通路83と、を有している。
第1背圧室連通路82は、蓋部材44の内部に形成されており、背圧室72に連通している。第1背圧室連通路82は、背圧室72と連通し水平方向に延びる水平通路82aと、水平通路82aから下方向に分岐して蓋部材44の下面を貫通する上下通路82bと、から構成されている。
第2背圧室連通路83は、固定スクロール24に形成されている。第2背圧室連通路83は、第1背圧室連通路82と、吐出冷媒経路47における経路縮小部49の近傍部分(具体的には、第2中間空間S4b)と、を連通させている。具体的には、第2背圧室連通路83は、第1背圧室連通路82の上下通路82bに連通し中心軸線Oに対して傾斜するように延びる傾斜通路83aと、傾斜通路83aに連通し上下方向に延びる上下通路83bと、上下通路83bに連通し水平方向に延びる水平通路83cと、から構成されている。傾斜通路83aは、固定スクロール24の上面を貫通している。水平通路83cは、吐出冷媒経路47における経路縮小部49の近傍部分(第2中間空間S4b)に連通している。
以上のように、本実施形態では、吐出冷媒経路47に、冷媒流れ方向に直交する断面積を縮小する経路縮小部49が形成されている。よって、吐出口41から吐出されて吐出冷媒経路47(具体的には、凹部空間S3及び第1中間空間S4a)を流れる冷媒は、経路縮小部49を通過する際に、その流速が上がることになる。そして、これにより、第2中間空間S4bにおける冷媒の圧力が下がる。ここで、背圧室連通路81は、背圧室72と、吐出冷媒経路47における経路縮小部49の近傍部分である第2中間空間S4bとを連通させている。よって、第2中間空間S4bにおける冷媒の圧力が低下することによって、第2中間空間S4bに接続される背圧室連通路81に位置する冷媒が、吐出冷媒経路47(具体的には、第2中間空間S4b)に流入する現象が起こる(図3の太線且つ実線の矢印を参照)。すなわち、第2背圧室連通路83の水平通路83cの吐出冷媒経路47に臨む開口部分は、背圧室連通路81に位置する冷媒を吐出冷媒経路47へと導く導入口として機能している。このように、本実施形態では、スクロール圧縮機1の運転中に、吐出冷媒経路47の第2中間空間S4bにおいて冷媒圧力を低下させ、背圧室連通路81における冷媒を吐出冷媒経路47(第2中間空間S4b)へと引き込むエジェクタ効果を生じさせることができている。
そして、背圧室連通路81から吐出冷媒経路47(第2中間空間S4b)に引き込まれた冷媒は、吐出冷媒経路47において、第1中間空間S4aから流れてくる冷媒と合流され、貫通空間S5を介して高圧空間S1に流れることになる。
ここで、吐出口41は、可能な限り、その横断面積が大きくされることが望ましい。これにより、弁体71を、浮上しやすくし、容易に全開状態(フルリフト状態)にすることができるからである。そして、この結果、水平通路83cから第2中間空間S4bへと冷媒が引き続けられるので、背圧室72は、凹部空間S3や中間空間S4に比べて負圧の空間となる。
(2−3)弁体の動作
スクロール圧縮機1の停止状態においては、背圧室72における冷媒圧力と、吐出口41付近の冷媒圧力とが同等の圧力となっているので、弁体71は、重力の作用により、閉状態となっている(図4を参照)。そして、スクロール圧縮機1の運転を開始すると、弁体71は上方へと移動し即座に蓋部材44の下面44aに達し、該下面44aに対して衝突を繰り返しながらも最終的には全開状態(フルリフト状態)となる(図3を参照)。ここで、本実施形態では、吐出冷媒経路47に経路縮小部49を形成し且つ背圧室72と吐出冷媒経路47における経路縮小部49の近傍部分とを連通させる背圧室連通路81を設けているので、背圧室連通路81及び背圧室72における冷媒を、吐出冷媒経路47へと流入させることができる(図3の太線且つ実線の矢印を参照)。これにより、背圧室連通路81及び背圧室72における冷媒は、水平通路83cを介して吐出冷媒経路47へと引き続けられることになるので、背圧室72の冷媒圧力は、凹部空間S3や中間空間S4に比べて低い状態を維持することができるようになっている。そして、弁体71も、全開状態を維持することができるようになっている。
そして、スクロール圧縮機1を停止すると、背圧室72の冷媒圧力と吐出口41付近の冷媒圧力とが同等の圧力になっていき、弁体71は、重力の作用により、下方に移動して吐出口41を閉じる閉状態へと移行する(図4を参照)。一方で、スクロール圧縮機1を停止すると、それと同時に、高圧空間S2における冷媒が圧縮室40に向かって逆流する。ここで、本実施形態では、スクロール圧縮機1の停止後、背圧室連通路81を介して背圧室72にも冷媒が流入する(図4の太線の矢印を参照)。そして、背圧室72に冷媒が流入することにより、その冷媒流れ(動圧)が、少なからず弁体71を下方へと押す力として作用することになる。よって、高圧空間S2から逆流する冷媒が圧縮室40に入り込むのを素早く回避できるようになっている。
(3)スクロール圧縮機の動作
以下、スクロール圧縮機1内における基本的な冷媒及び潤滑油の流れについて説明する。
(3−1)冷媒の流れ
駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の回転駆動力は、上端軸受26cを介して可動スクロール26に伝達される。尚、シャフト17の可動スクロール26に接続される偏心部17bは、中心軸線O−Oに対して偏心している。また、可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止されている。これにより、可動スクロール26は自転を伴わない公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管18を介して低圧空間S2を満たすと共に、固定スクロール24の主吸入孔及び補助吸入孔を経由して、圧縮機構15の圧縮室40に吸入される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は固定スクロール24の外周部から中心部へ向かって移動しながら、その容積が徐々に減少される。その結果、圧縮室40内の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出口41から凹部空間S3へ吐出された後、中間空間S4及び貫通空間S5を経由して、高圧空間S1(具体的には、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間)へ排出される。尚、圧縮冷媒の一部は、ガスガイド58とケーシング10の筒状部11との間の空間を下方に向かって流れる。そして、この圧縮冷媒は、モータ冷却通路55を通ってさらに下降し、駆動モータ16の下方の空間に到達する。その後、この圧縮冷媒は、流れの向きを反転させて、モータ冷却通路55やエアギャップを上昇し、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間に再度流入する。そして、最終的に、圧縮冷媒は、吐出管19からケーシング10の外部に吐出される。
(3−2)潤滑油の流れ
まず、駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の軸回転によって圧縮機構15が駆動し、高圧空間S1に圧縮冷媒が吐出されると、高圧空間S1の圧力が上昇する。ここで、シャフト17に形成される給油孔61は、油室89及び給油細孔63を介して低圧空間S2に連通している。これにより、給油孔61の上端部分と下端部分との間において、圧力差が発生する。その結果、給油孔61自体が差圧ポンプとして作用し、油貯留空間Pに貯留される潤滑油が給油孔61に吸引されて給油孔61を上昇する。
給油孔61を上昇して油室89まで達した潤滑油は、給油細孔63を経由して、圧縮機構15の摺動部に供給される。圧縮機構15の摺動部を潤滑した潤滑油は、圧縮冷媒と同じ経路を通って、圧縮室40から高圧空間S1へ吐出される。その後、潤滑油は、圧縮冷媒と共にモータ冷却通路55を下降した後に、一部が油分離板65に衝突する。このとき、油分離板65に付着した潤滑油は、高圧空間S1を落下して油貯留空間Pに貯留される。
一方、油貯留空間Pから吸引されて給油孔61を上昇する潤滑油の多くは、第1給油横孔61a、第2給油横孔61b及び第3給油横孔61cに分流される。第1給油横孔61aに分流される潤滑油及び油室89の潤滑油の一部は、シャフト17(偏心部17b)と軸受メタル26eとの摺動部を潤滑した後、高圧空間S1に流入し、油貯留空間Pに戻される。第2給油横孔61bに分流される潤滑油は、シャフト17(主軸部17a)の上部と軸受メタル34との摺動部に供給される。そして、その後、高圧空間S1に流入し、油貯留空間Pに戻される。また、第3給油横孔61bに分流される潤滑油は、シャフト17(主軸部17a)の下部と下部軸受60との摺動部を潤滑して高圧空間S1に漏れ出した後、高圧空間S1を油貯留空間Pまで落下する。
(4)特徴
以上のように、本実施形態では、背圧室連通路81及び背圧室連通路81に連通する背圧室72における冷媒を、吐出冷媒経路47における経路縮小部49によって吐出冷媒経路47(第2中間空間S4b)へと流入させることにより、背圧室72の冷媒圧力と、吐出口41付近における冷媒圧力との間で、差を設けることができる。
このように、本実施形態では、背圧室72の冷媒圧力を背圧室連通路81及び吐出冷媒経路47における経路縮小部49によってより低くすることができる。よって、スクロール圧縮機1の運転中、弁体71を、蓋部材44の下面44aに接触した状態に維持しやすくなる。本実施形態では、弁体71を、吐出冷媒経路47の凹部空間S3において、最も吐出口41から吐出された冷媒の流れを邪魔しない位置に位置させることができるので、吐出口41から吐出された冷媒の圧力損失を低減できる。よって、スクロール圧縮機1の効率を向上できる。
また、背圧室72の冷媒圧力を低くすることができることにより、スクロール圧縮機1の運転中、弁体71を、蓋部材44の下面44aに接触した状態に維持しやすくなる。よって、弁体71が開状態と閉状態とを繰り返すチャタリングの発生を抑制でき、弁体71と固定スクロール24(具体的には、固定スクロール24の吐出面42a)及び蓋部材44の下面44aとの接触による異音が発生することも抑制できる。
また、スクロール圧縮機1を停止した後は、背圧室連通路81を逆流した冷媒が背圧室72に流入することにより、その冷媒の流れが、少なからず弁体71を下方へと押す力として作用する。よって、スクロール圧縮機1の停止後、極力早く弁体71を閉状態へと切り替えることができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、本発明に係るスクロール圧縮機として、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機1を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、本発明に係る圧縮機として、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機1に代えて、低圧ドーム型のスクロール圧縮機101を採用してもよい。以下、スクロール圧縮機101について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、スクロール圧縮機101の縦断面図である。図6は、第1取付部材161、弁体171及び第2取付部材162の概略の分解斜視図である。図7は、弁体171の開状態を示すスクロール圧縮機101の一部の縦断面図である。図8は、弁体171の閉状態を示すスクロール圧縮機101の一部の縦断面図である。以下の説明においては、図5に示す駆動モータ116の中心軸線O−Oに沿った方向を軸方向又は上下(縦)方向とする。また、中心軸線O−Oに直交する方向を径方向及び横(水平)方向とする。
<スクロール圧縮機>
スクロール圧縮機101は、冷媒を循環させることによって冷凍サイクルを行う冷媒回路において、冷媒を圧縮するために用いられる。スクロール圧縮機101は、低圧ドーム型の圧縮機であって、互いに噛合する2つのスクロールの少なくとも一方のスクロールが自転することなく他方のスクロールに対して公転することにより、冷媒を圧縮する。スクロール圧縮機101は、図5に示されるように、主として、ケーシング110と、吸入管118と、吐出管119と、圧縮機構115と、ハウジング123と、第1取付部材161と、第2取付部材162と、弁体171と、背圧室172と、駆動モータ116と、下部軸受160と、シャフト117と、背圧室連通路形成部材180と、を有している。スクロール圧縮機101は、ケーシング110の内部に、圧縮機構115、ハウジング123、第1取付部材161、第2取付部材162、弁体171、背圧室172、駆動モータ116、下部軸受160、シャフト17、及び、背圧室連通路形成部材180が収容された密閉型構造を有している。また、スクロール圧縮機101は、ケーシング110に、吸入管118及び吐出管119が貫通して取り付けられるように構成されている。以下、スクロール圧縮機101の構成要素について説明する。
(a)ケーシング、吸入管及び吐出管
ケーシング110は、軸方向に延びる縦型の円筒形状の容器であり、主として、略円筒状の筒状部111と、筒状部111の上端に気密状に溶接される椀状の上壁部112(覆い部材に相当)と、筒状部111の下端に気密状に溶接される椀状の底壁部113とから構成される。
ケーシング10の内部空間は、圧縮機構115の上面に取り付けた第1取付部材161(後述する)の上方空間である高圧空間S11と、第1取付部材161の下方空間である低圧空間S12とに区画されている。すなわち、圧縮機構115を含み圧縮機構115より下方にある部材は、全て低圧空間S12に存在することになる。ケーシング110の内部空間の底部には、潤滑油を貯留するための空間である油貯留空間P1が形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機101の運転中において、圧縮機構115等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
また、ケーシング110には、吸入管118及び吐出管119が接続されている。吸入管18は、筒状部111を貫通して取り付けられる管状部材であり、ケーシング110の外部から圧縮機構115へ、冷媒回路内を循環する冷媒を吸入させるための部材である。吐出管119は、上壁部112に貫通して取り付けられる管状部材であり、ケーシング110の外部へ、圧縮室140(後述する)において圧縮されて吐出口141(後述する)から吐出された冷媒を吐出するための部材である。尚、吐出管119については、後にも説明する。
(b)圧縮機構
圧縮機構115は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒とした後に吐出する。圧縮機構115は、図5に示すように、シャフト117の上端部に連結されている。圧縮機構115は、主として、固定スクロール124と、可動スクロール126と、を有している。
(b−1)固定スクロール
固定スクロール124は、円板形状の第1鏡板124aと、第1鏡板124aの下面に一体的に接続され第1鏡板124aの下面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第1ラップ124bとを有している。固定スクロール124には、吸入孔(図示せず)が形成されている。吸入孔は、低圧空間S12と圧縮室140とを連通する孔であり、吸入管118から流れてきた冷媒を圧縮室140へと導く。
また、第1鏡板124aの上面中央部には、吐出口141が形成されている。吐出口141は、圧縮室140に開口しており、圧縮室140で圧縮した冷媒を吐出する。
(b−2)可動スクロール
可動スクロール126は、主に、第2鏡板126aと、第2鏡板126aの上面に一体的に接続され第2鏡板126aの上面に対して直交する渦巻形状(インボリュート状)の第2ラップ126bと、第2鏡板126aの下面に形成された上端軸受126cと、第2鏡板126aの両端部に形成される溝部(図示せず)とから構成されている。上端軸受126cは、軸受メタル(図示せず)を介して、シャフト117の偏心部117b(後述する)を軸支する。溝部には、オルダム継手(図示せず)の複数のキー部の一部(図示せず)が嵌め込まれている。ここで、オルダム継手は、可動スクロール126の自転運動を防止するための環状の部材である。オルダム継手は、ハウジング123の溝部(図示せず)にも複数のキー部の残りの部分が嵌め込まれている。そして、これにより、可動スクロール126が、オルダム継手を介してハウジング123に支持されている。また、第2鏡板126aには、給油用の孔(図示せず)が形成されている。
以上のような構成を有する圧縮機構115では、固定スクロール124の第1ラップ124bと可動スクロール126の第2ラップ126bとが噛み合うことにより、第1鏡板124a、第1ラップ124b、第2鏡板126a及び第2ラップ126bによって囲まれる空間である圧縮室140が形成されている。すなわち、固定スクロール124と可動スクロール126とは、共に圧縮室140を形成している。圧縮室140では、可動スクロール126の公転運動によって容積が減少されることにより、冷媒を圧縮する。
(c)ハウジング
ハウジング123は、ケーシング110の筒状部111の内周面に圧入され、その外周面がケーシング110の筒状部111の内周面に装着されている。
ハウジング123には、上面中央部に凹設されたハウジング凹部131と、軸方向中央部から下方に延びる軸受部132と、が形成されている。ハウジング凹部131の内側空間には、可動スクロール126の上端軸受126cが位置している。ハウジング123には、軸受部132の下端面とハウジング凹部131の底面とを貫通する軸受孔133が形成されている。軸受孔133に、シャフト117が軸受メタル(図示せず)を介して回転自在に挿入されている。
また、ハウジング123は、ボルト等で固定することによって固定スクロール124をその上面に載置し、オルダム継手を介して、固定スクロール124と共に可動スクロール126を挟持している。
(d)第1取付部材
第1取付部材161は、図5や図6に示すように、円板状の部材であり、固定スクロール124の上面に取り付けられている。第1取付部材161は、その外周面がケーシング110の上壁部112の内周面に密着されている。そして、これにより、上述した高圧空間S11と低圧空間S12とが区画されている。ケーシング110の内部空間を上下方向に仕切っている。第1取付部材161には、その中央部に、上下方向に貫通し吐出口141と連通する上下貫通空間S13が形成されている。尚、本変形例の場合は、この上下貫通空間S13が、弁体171の挙動を規定する吐出口としての機能も兼ねている。
(e)第2取付部材
第2取付部材162は、第1取付部材161の上面にボルト163(図6を参照)によって取り付けられる部材であり、図6に示すように、主として、長板状の弁押さえ部162aと、弁押さえ部162aの下面から下方に延びて第1取付部材161の上面に接触する角柱状の複数(本実施形態では、2つ)の弁ガイド部162bと、が、一体成形されることにより構成されている。弁押さえ部162aは、水平配置されている。弁押さえ部162aは、その下面が、弁体171の上方向への移動を規制する機能を有している。弁押さえ部162aには、図1に示すように、その下面に、背圧室172が凹設されている。背圧室172の横断面積は、弁体171の横断面積よりも小さく形成されている。背圧室172については、後に詳述する。また、弁押さえ部162aには、背圧室172と連通するように弁押さえ部162aの上面を貫通する貫通孔173が形成されている。この貫通孔173は、背圧室連通路形成部材180を背圧室172に貫通させるための孔である。弁ガイド部162bは、弁体171を上下方向に案内する部材であり、弁押さえ部162aの下面において、長手方向の一端部であって短手方向の略中央部から下方に延びている。2つの弁ガイド部162bは、弁体171を取り囲むように配置されている。弁ガイド部162bは、弁押さえ部162aの長手方向に対応する方向の長さが、弁押さえ部162aの長手方向の長さよりも短い。また、弁ガイド部162bは、弁押さえ部162aの短手方向に対応する方向の長さが、弁押さえ部162aの短手方向の長さよりも短い。よって、第2取付部材162の弁押さえ部162aの下面と、第1取付部材161の上面との間には、背圧室172に連通する間隙空間S14が形成されている。そして、この間隙空間S14を通じて、吐出冷媒空間S15に、吐出口141から吐出された高圧冷媒が流出される。ここで、吐出冷媒空間S15とは、高圧空間S11のうち、ケーシング110の内部における第1取付部材161及び第2取付部材162の上面と、第1取付部材161や第2取付部材162を上側から囲む覆い部材としての上壁部112の内面とで形成される空間である。
このように、本実施形態では、吐出口141から吐出された冷媒は、第1取付部材161の上下貫通空間S13、第1取付部材161と第2取付部材162とによって形成される間隙空間S14、及び吐出冷媒空間S15を介して、吐出管119の内部空間S16へと流れていく(図5の太線の矢印を参照)。すなわち、上下貫通空間S13、間隙空間S14、吐出冷媒空間S15及び吐出管119の内部空間S16は、吐出口141から吐出された冷媒が流れる吐出冷媒経路147を形成している。
(f)弁体
弁体171は、吐出口141から吐出された冷媒の逆流を防止するために設けられている平板部材である(図6を参照)。弁体171は、図6に示すように、長手方向の両端からそれぞれ内側に窪む凹部171aが形成されている。凹部171aは、その形成面によって形成される空間に、第2取付部材162の弁ガイド部162bが嵌まるように構成されている。このように、弁体171に、弁ガイド部162bに嵌まる凹部171aを形成することによって、弁ガイド部162bを、簡易に、弁体171を、ずれを抑制しながら上下方向に移動させることができるようになっている。尚、本変形例では、弁体171に凹部171aを形成しているが、これに限られるものではなく、凹部171aを形成していなくても、弁ガイド部162bが弁体171の横方向の移動を規制できるので、弁体171は上下方向に移動できるようになっている。
弁体171は、図5に示すように、吐出冷媒経路147を構成する間隙空間S14において、その下面が吐出口141と対向するように位置している。また、弁体171は、その横断面積が、上下貫通空間S13の横断面積よりも大きく構成されている。そして、弁体171は、吐出口141と共に上下貫通空間S13を開ける開状態(図5及び図7を参照)と、吐出口141と共に上下貫通空間S13を閉じる閉状態(図8を参照)とを切り替える。具体的には、弁体171は、吐出口141付近の冷媒圧力と、背圧室172における冷媒圧力との間に生じる差圧によって開状態と閉状態とを切り替える。弁体171は、図5及び図7に示すように、全開状態において、第2取付部材162の内面(具体的には、弁押さえ部162aの下面)に接触しており、図8に示すように、閉状態において、第1取付部材161の上面に接触している。
(g)背圧室
背圧室172は、弁体171を挟んで吐出口141と軸方向に反対側に位置するように、上述の通り、第2取付部材162の下面に凹設される空間である。背圧室172は、間隙空間S14と連通している。
弁体171は、全開状態のときに、上述したように、吐出口141及び上下貫通空間S13を開けると共に、その上面が第2取付部材162の内面(弁押さえ部162aの下面)に接触して背圧室172を閉じている(図5及び図7を参照)。他方、弁体171は、閉状態のときに、吐出口141及び上下貫通空間S13を閉じると共に、その下面が第1取付部材161の上面に接触して背圧室72を開けている(図8を参照)。
(h)駆動モータ
駆動モータ116は、圧縮機構115に連結されるシャフト117に連結されており、シャフト117を介して圧縮機構115を駆動するブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、圧縮機構115の下方に配置されている。駆動モータ116は、主として、ケーシング110の筒状部111の内壁に固定されるステータ151と、このステータ151の径方向内側に回転自在に配置されるロータ152とを有している。ステータ151の内周面とロータ152の外周面との間には、僅かな間隙であるエアギャップが形成されている。
ステータ151は、導線が巻き付けられているコイル部(図示せず)と、コイル部の上方及び下方に形成されているコイルエンド153とを有している。また、ステータ151の外周面には、ステータ151の上端面から下端面に亘り、且つ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が形成されている。このコアカット部は、筒状部111とステータ151との間に軸方向に延びるモータ冷却通路155を形成する。ロータ152の中央部には、シャフト117(シャフト17の主軸部17a(後述する))が嵌めこまれている。
(i)下部軸受
下部軸受160は、駆動モータ116の下方に配設され、シャフト117(シャフト117の主軸部117a)の下部を軸支する軸受である。下部軸受160は、その外周面が、ケーシング110の筒状部111の内壁に気密状に接合されている。
(j)シャフト
シャフト117は、内部に、軸方向や径方向に延びる給油孔(図示せず)が形成される中空形状を有している。シャフト117は、その下端が、油貯留空間P1に貯留された潤滑油に浸かっており、上記給油孔が、油貯留空間P1に連通している。
シャフト117は、その軸芯がロータ152の回転中心と一致する主軸部117aと、シャフト117の上端部を構成する偏心部117bと、回転系(可動スクロール126、オルダム継手、シャフト117及びロータ152)の質量バランスをとるために、主軸部117aの外周面に密着して固定されているバランスウェイト部117cと、を有している。
主軸部117aは、円筒形状を有しており、中心軸線O−O周りに回転する部分である。主軸部117aは、その上部が、ハウジング123の軸受部132によって軸支され、その下部が、下部軸受160によって軸支されている。
偏心部117bは、円筒形状を有しており、主軸部117aの軸芯に対して偏心するように主軸部117aの上端に設けられている。偏心部117bは、その上端が、可動スクロール126の上端軸受126cの内側の空間に嵌め込まれており、上端軸受26cに軸支されている。つまり、シャフト117の偏心部117bが可動スクロール126の上端軸受126cに嵌めこまれることによって、シャフト117が可動スクロール126に接続されている。
以上のように、シャフト117は、圧縮機構115(具体的には、可動スクロール126)と、駆動モータ116(具体的には、ロータ152)とが連結されていることによって、駆動モータ116の駆動力を圧縮機構115に伝達している。具体的には、駆動モータ116に電流が流されると、まず、中心軸線O−Oを中心として上から視て反時計回りにロータ152が回転し、この回転駆動力がシャフト117に伝達されて、シャフト117が上から視て反時計回りに回転する。そして、シャフト117が回転することにより、シャフト117に連結される可動スクロール126(圧縮機構115)にロータ152(駆動モータ116)の回転駆動力が伝達されて、可動スクロール126が駆動している。このとき、可動スクロール126は、オルダム継手によって自転運動が禁止されるので、中心軸線O−O回りで、自転運動することなく偏心半径の公転運動を行う。
次に、吐出管119及び背圧室連通路形成部材180の詳細構成について説明し、その後に、弁体171の動作について説明する。
<吐出管及び背圧室連通路形成部材の構成>
(a)吐出管の構成
吐出管119は、主として、管状の第1吐出部191と、その内径が第1吐出部191の内径よりも大きい管状の第2吐出部192と、から構成されている。第1吐出部191は、一端部がケーシング110の筒状部111に水平方向に貫通し、他端部が、冷媒回路を構成する機器(図示せず)に直接接続される。第2吐出部192は、ケーシング110の筒状部111に水平方向に貫通している。第2吐出部192は、その内径が第1吐出部191の外径と同じであり、その内周面が、第1吐出部191の一端部の外周面に溶接等により密着されている。また、第2吐出部192は、冷媒導入部193と、経路縮小部194と、筒状部195と、を有しており、これらが一体成形されて構成されている。
冷媒導入部193は、吐出冷媒空間S15における冷媒を吐出管119の内部空間S16へと導く筒状の導入部分である。経路縮小部194は、冷媒導入部193の冷媒流れ方向下流側に連結される筒状部分であり、冷媒流れ方向上流側から下流側に向かうにつれて、第2吐出部192における内部空間の縦断面積(冷媒流れ方向に直交する断面積)を縮小する。経路縮小部194は、冷媒流れ方向の下流端194aにおける内側空間の縦断面積が、吐出管119全体の内部空間S16の縦断面積において最も小さくなるように、構成されている。すなわち、経路縮小部194は、吐出口141から吐出された冷媒の流速を上げる絞り部として機能している。ここで、吐出管119の内部空間S16における経路縮小部194の内側空間、すなわち、冷媒流れ方向に直交する断面積が縮小される空間を、経路縮小空間S16aという。筒状部195は、経路縮小部194の冷媒流れ方向下流側に連結される。筒状部195は、その内周面に第1吐出部191が密着されている。筒状部195には、その外周面に、背圧室連通路形成部材180の一端部を貫通させる貫通孔195aが形成されている。貫通孔195aは、吐出冷媒経路147を構成する吐出管119の内部空間S16における経路縮小部194の近傍部分、すなわち、経路縮小空間S16aの近傍部分に形成されている。
(b)背圧室連通路形成部材の構成
背圧室連通路形成部材180は、管状部材であり、一端部が貫通孔173を介して第2取付部材162に接続されることにより、一端が背圧室172に開口している。また、背圧室連通路形成部材180は、他端部が、貫通孔195aを介して吐出管119の筒状部195に接続されることにより、他端が、吐出管119の内部空間S16に開口している。ここで、貫通孔195aは、吐出管119の内部空間S16における経路縮小空間S16aの近傍に形成されているので、背圧室連通路形成部材180の上記他端は、吐出管119の内部空間S16における経路縮小空間S16aの近傍に開口していることになる。このように、背圧室連通路形成部材180は、その内側空間が、背圧室172と、吐出冷媒経路147を構成する吐出管119の内部空間S16(具体的には、経路縮小空間S16aの近傍)と、を連通させる背圧室連通路181を形成している。
以上のように、本変形例では、吐出冷媒経路147(具体的には、吐出管119の内部空間S16)に、冷媒流れ方向に直交する断面積を縮小する経路縮小部194によって経路縮小空間S16aが形成されている。よって、吐出口141から吐出されて吐出冷媒経路147(具体的には、上下貫通空間S13、間隙空間S14及び吐出冷媒空間S15)を流れて吐出管119の内部空間S16に流入した冷媒は、経路縮小空間S16aを通過する際に、その流速が上がることになる。そして、経路縮小空間S16aによって冷媒の流速が上がることによって、その部位における冷媒の圧力が下がる。ここで、背圧室連通路181は、背圧室172と、吐出冷媒経路147における経路縮小空間S16aの近傍部分とを連通させている。よって、経路縮小空間S16aにおける冷媒の圧力が低下することによって、この近傍に接続される背圧室連通路181に位置する冷媒が、吐出冷媒経路147(具体的には、吐出管119の筒状部195の内側空間)に流入する現象が起こる(図7の点線の矢印を参照)。すなわち、吐出管119に形成される貫通孔195aは、背圧室連通路181に位置する冷媒を吐出冷媒経路147へと導く導入口として機能している。このように、本変形例では、スクロール圧縮機101の運転中に、吐出冷媒経路147の経路縮小部194において冷媒圧力を低下させ、背圧室連通路181における冷媒を吐出冷媒経路147へと引き込むエジェクタ効果を生じさせることができている。
そして、背圧室連通路181から吐出冷媒経路147(吐出管119の筒状部195の内側空間)に引き込まれた冷媒は、吐出冷媒経路147において、経路縮小空間S16aを通過する冷媒と合流され、ケーシング110の外部へ吐出されることになる。
ここで、吐出口141及び貫通空間13の横断面積は、可能な限り大きくすることが望ましい。弁体171を、浮上しやすくし、容易に全開状態(フルリフト状態)にすることができるからである。そして、この結果、貫通孔195aを介して吐出管119の筒状部195の内側空間へと冷媒が引き続けられるので、背圧室172は、間隙空間S14の圧力に比べて負圧の空間となる。
<弁体の動作>
スクロール圧縮機101の停止状態においては、背圧室172における冷媒圧力と、上下貫通空間S13付近における冷媒圧力とが同等の圧力となっているので、弁体171は、重力の作用により、閉状態となっている(図8を参照)。そして、スクロール圧縮機101の運転を開始すると、弁体171は浮上し、即座に弁押さえ162aの下面に接触し、衝突を繰り返しながらも最終的に全開状態(フルリフト状態)となる(図1及び図7を参照)。ここで、本変形例では、吐出冷媒経路147に経路縮小空間S16aを形成し且つ背圧室172と吐出冷媒経路147における経路縮小空間S16aの近傍部分とを連通させる背圧室連通路181を設けているので、背圧室連通路181及び背圧室172における冷媒を、吐出冷媒経路147へと流入させることができる(図7の太線且つ実線の矢印を参照)。これにより、背圧室172における冷媒は、貫通孔195aを介して吐出管119の筒状部195の内側空間へと引き続けられるので、背圧室172の圧力は、間隙空間S14に比べて低い圧力を維持することができるようになっている。そして、弁体171も、全開状態を維持することができるようになっている。
そして、スクロール圧縮機101を停止すると、背圧室172の冷媒圧力と、上下貫通空間S13付近の冷媒圧力とが同等の圧力になっていき、弁体171は、重力の作用により、下方に移動して吐出口141及び上下貫通空間S13を閉じる閉状態へと移行する(図8を参照)。一方で、スクロール圧縮機101を停止すると、それと同時に、高圧空間S11における冷媒が圧縮室140に向かって逆流する。ここで、本変形例では、スクロール圧縮機101の停止後、背圧室連通路181を介して背圧室172にも冷媒が流入する(図8の太線の矢印を参照)。そして、冷媒が背圧室172に流入することにより、その冷媒流れ(動圧)が、少なからず弁体171を下方へと押す力として作用することになる。よって、高圧空間S11から逆流する冷媒が圧縮室140に入り込むのを素早く回避できるようになっている。
<スクロール圧縮機の動作>
(a)冷媒の流れ
駆動モータ116が駆動されることによって、ロータ152が回転する。これにより、ロータ152に固定されているシャフト117が、軸回転運動を行う。シャフト117の回転駆動力は、上端軸受126cを介して可動スクロール126に伝達される。尚、シャフト117の可動スクロール126に接続される偏心部117bは、中心軸線O−Oに対して偏心している。また、可動スクロール126は、オルダム継手によって自転が防止されている。これにより、可動スクロール126は自転を伴わない公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管118を介して低圧空間S12を満たした後、吸入孔を介して圧縮室140に吸入される。可動スクロール126の公転運動により、圧縮室140は固定スクロール124の外周部から中心部へ向かって移動しながら、その容積が徐々に減少される。その結果、圧縮室140内の冷媒は圧縮されて高温高圧の圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出口141から上方に吐出され、上下貫通空間S13、間隙空間S14及び吐出冷媒空間S15を経由して、吐出管119の内部空間S16に流入する。そして、吐出管119の内部空間S16によって、ケーシング110の外部に吐出される。
尚、吸入管118を介してケーシング110の内部に流入した冷媒の一部は、モータ冷却通路55を通って下降し、駆動モータ16の下方の空間に到達する。その後、この冷媒は、流れの向きを反転させて、モータ冷却通路155やエアギャップを上昇し、再度、圧縮機構115と駆動モータ116との軸方向における間の空間に流入している。
(b)潤滑油の流れ
シャフト117の軸回転によって圧縮機構115が駆動すると、油貯留空間P1に貯留される潤滑油が軸方向に延びる給油孔を軸方向に上昇する。
給油孔を軸方向に上昇する潤滑油は、可動スクロール126に形成される給油用の孔を経由して、圧縮機構115の摺動部に供給される。また、給油孔を軸方向に上昇する潤滑油は、一部が径方向に延びる給油孔にも分岐され、シャフト117(偏心部117b)と上端軸受126cとの摺動部を潤滑したり、シャフト117(主軸部117a)の上部とハウジング123の軸受部132との摺動部を潤滑したり、シャフト117(主軸部117a)の下部と下部軸受160との摺動部を潤滑したりする。そして、各摺動部を潤滑した潤滑油は、油貯留空間P1に落下していく。
<特徴>
以上のように、本変形例では、背圧室連通路181及び背圧室連通路181に連通する背圧室172における冷媒を、吐出冷媒経路147における経路縮小部194によって吐出冷媒経路147へと流入させることにより、背圧室172の冷媒圧力と、吐出口141付近における冷媒圧力との間に、差を設けることができる。
このように、本実施形態では、背圧室172の冷媒圧力を背圧室連通路181及び吐出冷媒経路147における経路縮小部194によってより低くすることができる。よって、スクロール圧縮機101の運転中、弁体171を、第2取付部材162の内面に接触した状態に維持しやすくなる。本変形例では、弁体171を、吐出冷媒経路147の間隙空間S14において、最も吐出口141から吐出された冷媒の流れを邪魔しない位置に位置させることができるので、吐出口141から吐出された冷媒の圧力損失を低減できる。よって、スクロール圧縮機101の効率を向上できる。
また、背圧室172の冷媒圧力を低くすることができることにより、スクロール圧縮機101の運転中、弁体171を、第2取付部材162の内面に接触した状態に維持しやすくなる。よって、弁体171が開状態と閉状態とを繰り返すチャタリングの発生を抑制でき、弁体171と第1取付部材161の上面及び第2取付部材162の内面との接触による異音が発生することも抑制できる。
また、スクロール圧縮機101を停止した後は、背圧室連通路181を逆流した冷媒が背圧室172に流入することにより、その冷媒の流れが、少なからず弁体171を下方へと押す力として作用する。よって、スクロール圧縮機101の停止後、極力早く弁体171を閉状態へと切り替えることができる。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、経路縮小部49は、固定スクロール24の中間空間S4に形成されていると説明したが、これに限られるものではない。例えば、中間空間S4の全体における冷媒流れ方向に直交する断面積を変えずに、ハウジング23の貫通空間S5の冷媒流れ方向に直交する断面積を、中間空間S4の冷媒流れ方向に直交する断面積よりも縮小してもよい。すなわち、経路縮小部49は、ハウジング23の貫通空間S5に形成されてもよい。この場合、背圧室連通路は、第1背圧室連通路82及び第2背圧室連通路83の他に、第3背圧室連通路(図示せず)が形成されることになる。第3背圧室連通路は、第2背圧室連通路83に連通するように、ハウジング23に形成される。具体的には、第3背圧室連通路は、第2背圧室連通路83に連通し上下方向に延びる上下通路と、この上下通路に連通し水平方向に延びる水平通路とから構成される。この水平通路は、吐出冷媒経路47における経路縮小空間としての貫通空間S5に連通する。
この場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、圧縮した冷媒を吐出する吐出口を開閉する弁体、が設けられるスクロール圧縮機に種々適用することが可能である。
1,101 スクロール圧縮機
15,115 圧縮機構
23,123 ハウジング
24,124 固定スクロール
26,126 可動スクロール
40,140 圧縮室
41,141 吐出口
44 蓋部材
47,147 吐出冷媒経路
49,194 経路縮小部
71,171 弁体
72,172 背圧室
81,181 背圧室連通路
82 第1背圧室連通路
83,84 第2背圧室連通路
161 第1取付部材
162 第2取付部材
180 背圧室連通路形成部材
181 背圧室連通路
S3 凹部空間
S4 中間空間
S5 貫通空間
S13 上下貫通空間
S14 間隙空間
S15 吐出冷媒空間
S16 吐出管の内部空間
特開平4−241702号公報 特開2004−353565号公報

Claims (3)

  1. 圧縮した冷媒を吐出する吐出口(41,141)が形成される圧縮機構(15,115)と、
    前記吐出口から吐出された冷媒が流れる吐出冷媒経路(47,147)と、
    前記吐出冷媒経路に位置し、前記圧縮機構の前記吐出口を開ける開状態と前記圧縮機構の前記吐出口を閉じる閉状態とを切り替える弁体(71,171)と、
    前記弁体を挟んで前記吐出口と反対側に形成される背圧室(72,172)と、
    を備え、
    前記吐出冷媒経路には、その途中に、冷媒の流れ方向に直交する断面積が縮小する経路縮小部(49,194)が形成されており、前記経路縮小部の近傍と前記背圧室とを連通させる背圧室連通路(81,181)が接続されている、
    スクロール圧縮機(1,101)。
  2. 前記圧縮機構(15)は、可動スクロール(26)と、前記可動スクロールと噛み合い前記可動スクロールと共に冷媒を圧縮する圧縮室(40)を形成し上面に凹部空間(S3)が形成される固定スクロール(24)と、を有し、
    前記固定スクロールの前記凹部空間を上側から覆うように前記固定スクロールの上面に取り付けられる蓋部材(44)と、前記圧縮機構を載置するハウジング(23)と、をさらに備え、
    前記ハウジングには、上下方向に貫通する貫通空間(S5)が形成され、
    前記吐出冷媒経路は、前記凹部空間と、前記貫通空間と、前記凹部空間と前記貫通空間とを連通させるように前記固定スクロールに形成される中間空間(S4)と、によって形成され、
    前記吐出口は、前記凹部空間に開口するように前記固定スクロールに形成され、
    前記背圧室は、前記凹部空間と連通するように、前記蓋部材の下面に凹設され、
    前記背圧室連通路は、前記蓋部材に形成され前記背圧室に連通する第1背圧室連通路(82)と、前記固定スクロールに形成され前記吐出冷媒経路における前記経路縮小部の近傍と前記第1背圧室連通路とを連通させる第2背圧室連通路(83,84)と、を有し、
    前記弁体は、前記凹部空間において、全開状態のときに、その上面が前記蓋部材の下面に接触して前記背圧室を閉じ、前記閉状態のときに、その下面が前記固定スクロールに接触して前記背圧室を開け、
    前記経路縮小部(49)は、前記中間空間に形成されている、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機(1)。
  3. 前記圧縮機構(115)は、可動スクロール(126)と、前記可動スクロールと噛み合い前記可動スクロールと共に冷媒を圧縮する圧縮室(140)を形成する固定スクロール(124)と、を有し、
    前記吐出口(141)は、前記固定スクロールの上面に形成され、
    上下方向に貫通し前記吐出口と連通する上下貫通空間(S13)が形成され前記固定スクロールの上面に取り付けられる第1取付部材(161)と、前記第1取付部材の上面に取り付けられ、前記第1取付部材との間に間隙空間(S14)を形成する第2取付部材(162)と、前記第1取付部材及び前記第2取付部材を上側から囲み、前記第1取付部材にその内面が密着する覆い部材(112)と、前記吐出口から吐出された冷媒を外部へと吐出し前記覆い部材を貫通する吐出管(119)と、前記背圧室連通路(181)を形成する背圧室連通路形成部材(180)と、をさらに備え、
    前記吐出冷媒経路は、前記上下貫通空間と、前記間隙空間と、前記第1取付部材及び前記第2取付部材と前記覆い部材との間の吐出冷媒空間(S15)と、前記吐出管の内部空間(S16)とによって形成され、
    前記背圧室(172)は、前記間隙空間に連通するように前記第2取付部材に形成され、
    前記弁体(171)は、前記間隙空間において、全開状態のときに、その上面が前記第2取付部材の内面に接触して前記背圧室を閉じる一方、前記吐出口と共に前記上下貫通空間を開け、前記閉状態のときに、その下面が前記第1取付部材の上面に接触して前記背圧室を開ける一方、前記吐出口と共に前記上下貫通空間を閉じ、
    前記経路縮小部(194)は、前記吐出管に形成されており、
    前記背圧室連通路形成部材は、前記吐出冷媒空間に位置し、一端が前記第2取付部材に接続されて前記背圧室に開口し、他端が前記吐出管に接続されて前記経路縮小部の近傍に開口する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機(101)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113982940A (zh) * 2021-09-10 2022-01-28 苏州中成新能源科技股份有限公司 高效润滑油路结构

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