JP2014070059A - 9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物、その製造法及びその用途 - Google Patents

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Shigeaki Numata
繁明 沼田
Shuji Yokoyama
修司 横山
Masamichi Ando
正倫 安藤
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Abstract

【課題】炭素、水素及び酸素原子のみからなるラジカル重合増感剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物及び当該化合物を含有するラジカル重合増感剤。

(Rは、アルキル基等を示し、X及びYはそれぞれ、水素原子等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物、その製造法及び9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤に関する。
現在、エネルギー線硬化樹脂がコーティング、インキ、電子材料などの分野で広く用いられている。エネルギー線硬化樹脂は、エネルギー線重合性組成物にエネルギー線、例えば紫外線や電子線などを照射することにより重合、硬化させることによって得られる。このエネルギー線で硬化させる技術は、例えば木工用塗料、金属などのコーティング材、スクリーン印刷やオフセット印刷用インキ、電子基板に用いられるドライフィルムレジスト、また、ホログラム材料、封止剤、オーバーコート材、光造形用樹脂、接着剤などさまざまな用途に用いられている。
そして、このエネルギー線重合性組成物は、主に重合性化合物とエネルギー照射により重合性化合物の重合を開始させる重合開始剤より構成されている。重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合があり、ラジカル重合が古くから最も広く用いられている。このラジカル重合では、ラジカル重合開始剤を用い、エネルギー線、主に紫外線を照射することにより、ラジカル重合開始剤よりラジカルを発生させ、重合性化合物の重合を開始させている。
ラジカル重合開始剤は、主に分子内開裂型と水素引抜き型に分類される。分子内開裂型のラジカル重合開始剤では、特定波長の光を吸収することで、特定の部位の結合が切断され、その切断された部位にラジカルが発生し、それが重合開始剤となり重合性化合物の重合が始まる。一方、水素引き抜き型の場合は、特定波長の光を吸収し励起状態になり、その励起種が周囲にある水素供与体から水素引き抜き反応を起こし、ラジカルが発生し、それが重合開始剤となり重合性化合物の重合が始まる。
水素引き抜き型ラジカル重合開始剤は、水素供与体が必要であり、ラジカル発生効率が悪く感度が低い等の問題がある。一方、分子内開裂型ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生効率は良好で感度が高いため広く用いられている。
よく用いられている分子内開裂型ラジカル重合開始剤として、アルキルフェノン系ラジカル重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系ラジカル重合開始剤、オキシムエステル系ラジカル重合開始剤が知られている。これらはカルボニル基に隣接した結合がα開裂して、ラジカル種を生成するタイプのものである。アルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤、アミノアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤等があり、具体的な化合物としては、例えば、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤としては、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、イルガキュアはビーエーエスエフ社の登録商標)等があり、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173、ダロキュアはビーエーエスエフ社の登録商標)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュア184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名イルガキュア2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名イルガキュア127)等があり、さらに、アミノアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907)あるいは2−ベンジルメチル2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369)等が知られている。さらに、アシルホスフィンオキサイド系ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名ルシリンTPO、ルシリンはビーエーエスエフ社の登録商標)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819)、オキシムエステル系ラジカル重合開始剤としては、(2E)−2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1−オン(商品名イルガキュアOXE−01)等が挙げられる(特許文献1)。
上記のラジカル重合開始剤の中で早くから開発された開始剤としてベンジルメチルケタール系、α−ヒドロキシアルキルフェノン系のラジカル重合開始剤があるが、これらのラジカル重合開始剤は、その吸収波長の関係でエネルギー線の照射源として高圧水銀ランプが主に用いられてきた。その後、より長波長の光を含むメタルハライドランプやガリウムドープドランプが用いられるようになり、それらの照射波長にあったアミノアルキルフェノン系やアシルホスフィンオキサイド系、さらにはオキシムエステル系のラジカル重合開始剤が開発されてきた。
一方、エネルギー線としてUV光を用いた重合反応において、近年、照射源としてLED(発光ダイオード)が用いられるようになってきた。LEDの特徴としては、水銀ランプと異なり、発熱が少なく、かつ長寿命なことから、近年LEDを用いたUV硬化技術の開発が加速している。このLEDの代表的なものとしては、紫外LED、青色LEDが知られている。特に、紫外LEDがUV硬化用照射源として、インクジェット用または半導体関連のレジスト用に開発が先行している。この紫外LEDの中心波長は395nmのものが一般的であり、中心波長が385nmのLEDや中心波長が375nmのLEDも開発されている。これらの波長に適合する重合開始剤としては、先にあげた重合開始剤の中でも、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907)あるいは2−ベンジルメチル2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名イルガキュア369)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名ルシリンTPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819)等が挙げられ、その中でも特にイルガキュア819が395nmの光に対して好感度であることが知られている(特許文献2)。
しかしながら、これらの重合開始剤は分子構造中の構成元素として、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を含んでいることから、これらの原子を含む化合物は、生体に対する活性が高く、これらの重合開始剤は安全性に懸念が抱かれることが多い。
近年、より安全性の高い重合開始剤が求められるようになり、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる重合開始剤である、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173),1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュア184)、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651)等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系やベンジルメチルケタール系のラジカル重合開始剤が見直されるようになった。しかしながら、これらの炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるα−ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンジルメチルケタール系のラジカル重合開始剤は高圧水銀ランプに対してはある程度活性があるが、より長波長の範囲の光、すなわち波長が375nmから420nmまでの光を含むエネルギー線、例えば中心波長が395nmのLED光やガリウムドープドランプの発する光等に対しては活性が低いという問題があった。
そこで近年、このような欠点を補うため、波長が375nmから420nmまでの光を含むエネルギー線に感応し、かつ炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるラジカル重合開始剤として、アントラセン系誘導体が報告されている。例えば、9,10−ビス(アシルオキシ)アントラセン化合物、9、10―ビス(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物は、波長が375nmから420nmまでの光を含むエネルギー線に感応するラジカル重合開始剤として有用であることが報告されている(特許文献3)。しかしながら、これらの化合物の重合開始剤としての活性は、市販のイルガキュア907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)に比べて満足のいくものではなかった。
そこで、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる環境に優しいベンジルメチルケタール系、α−ヒドロキシアルキルフェノン系のラジカル重合開始剤が、波長が375nmから420nmまでの光を含むエネルギー線に感応可能となるようにするラジカル重合増感剤であり、かつ、それ自身も環境に優しい炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるラジカル重合増感剤が求められている。
このようなラジカル重合増感剤として、9,10−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]アントラセン化合物が報告されている(特許文献4)。しかしながら、9,10−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]アントラセン化合物は、ラジカル重合性化合物であるアクリレートモノマーに対する溶解度が小さく、ラジカル重合増感剤としての活性も十分ではなく、いまだ十分満足できる性能を有するものではなかった。
特開昭63−150303号公報 特開2000−016910号公報 特開2011−042743号公報 特開2007−099637号公報
本発明者らは、かかる状況に鑑み、これらの欠点を排除した技術を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、それ自身、窒素原子や硫黄原子さらにはリン原子を含有せず、環境に優しい炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなり、波長が375nmから420nmまでの光を含むエネルギー線に対して活性であり、かつ、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるラジカル重合開始剤を活性化するラジカル重合増感剤を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明では、下記一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物を提供する。
(一般式(1)において、Rは、炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
第2の発明では、下記一般式(2)で示される9−アントロン化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物とを塩基の存在下、反応させることを特徴とする第1の発明に記載の9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物の製造法を提供する。
(一般式(2)において、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
第3の発明では、下記一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤を提供する。
(一般式(1)において、Rは、炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
第4の発明では、第3発明に記載のラジカル重合増感剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系又はベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性組成物を提供する。
第5の発明では、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤が、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び/又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであることを特徴とする、第4発明に記載のラジカル重合性組成物を提供する。
第6の発明では、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤が、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンであることを特徴とする、第4発明に記載のラジカル重合性組成物を提供する。
第7発明では、第4乃至第6発明のいずれかひとつに記載のラジカル重合性組成物を、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射することにより重合させる重合方法を提供する。
第8発明では、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線の照射源が、中心波長が395nmの紫外LEDであることを特徴とする第7発明に記載の重合方法を提供する。
本発明の9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物は、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線に感応し、例えばダロキュア1173やイルガキュア184、651のような炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるα−ヒドロキシアルキルフェノン系又はベンジルメチルケタール系のラジカル重合開始剤を活性化するラジカル重合増感剤として有用であり、かつ当該ラジカル重合増感剤自身も炭素原子、水素原子、酸素原子のみからなる環境に優しい安全性の高い化合物である。
以下、本発明を詳細に記述する。
(化合物)
本発明は一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物である。
一般式(1)において、Rは、炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。
上記一般式(1)において、Rで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。アリル基としては、アリル基、メタリル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
X及びYで示されるアルキル基としては、直鎖でも分枝でも良く、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物の具体例としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、X及びYが共に水素原子である場合は、9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(i−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−ペンチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−ヘプチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、 9−(n−オクチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(メタリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(o−トリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(m−トリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(p−トリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(2−ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(1−ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
Xが水素原子であり、Yがアルキル基である場合は、1−メチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−メチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−メチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−メチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−メチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−メチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−メチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−メチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−エチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−エチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−エチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−エチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−エチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−エチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
X及びYが共にアルキル基である場合は、2,3−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジメチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
更に、1,2−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,3−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジエチル−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物において、X及びYで示される置換基がハロゲン原子の場合もラジカル重合増感剤としての効果はある。その場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
Xが水素原子であり、Yがハロゲン原子である場合の具体例としては、1−クロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−クロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−クロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−クロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−クロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−クロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−クロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−クロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1−フルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2−フルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、3−フルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、4−フルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
X及びYが共に塩素原子である場合の具体例としては、1,2−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジクロロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
X及びYが共にフッ素原子である場合は、1,2−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,2−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,3−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,4−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,5−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,6−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,7−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、1,8−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,5−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,6−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(フェノキシカルボニルオキシ)アントラセン、2,7−ジフルオロ−9−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
これらの9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物のなかでも、XおよびYが共に水素原子又は共に炭素数1から8のアルキル基、又はXが水素原子でありYが炭素数1から8のアルキル基である化合物が環境に優しいと言う点で好ましく、特に、XおよびYが共に水素原子である9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン、9−(n−ブトキシカルボニルオキシ)アントラセンが合成の容易さ、ラジカル重合増感剤としての活性の高さからこのましい。
(製造法)
次に、一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物の製造法について述べる。本発明の一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物は、下記一般式(2)で示される9−アントロン化合物を溶媒中、塩基存在下ハロゲン化炭酸エステル化合物と反応させることにより得られる。
(一般式(2)において、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
上記一般式(2)で示される9−アントロン化合物の置換基X及びYの具体例は一般式(1)において示すものと同じである。
一般式(2)で示される9−アントロン化合物としては、例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、9−アントロン、1−メチル−9−アントロン、2−メチル−9−アントロン、3−メチル−9−アントロン、4−メチル−9−アントロン、2,3−ジエチル−9−アントロン、1,3−ジメチル−9−アントロン、1,4−ジメチル−9−アントロン、1,5−ジメチル−9−アントロン、1,6−ジメチル−9−アントロン、1,7−ジメチル−9−アントロン、1,8−ジメチル−9−アントロン、2,5−ジメチル−9−アントロン、2,6−ジメチル−9−アントロン、2,7−ジメチル−9−アントロン、1−エチル−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、3−エチル−9−アントロン、4−エチル−9−アントロン、1,2−ジエチル−9−アントロン、1,3−ジエチル−9−アントロン、1,4−ジエチル−9−アントロン、1,5−ジエチル−9−アントロン、1,6−ジエチル−9−アントロン、1,7−ジエチル−9−アントロン、1,8−ジエチル−9−アントロン、2,5−ジエチル−9−アントロン、2,6−ジエチル−9−アントロン、2,7−ジエチル−9−アントロン等が挙げられる。
また、ハロゲン原子を含む9−アントロン化合物としては、1−クロロ−9−アントロン、2−クロロ−9−アントロン、3−クロロ−9−アントロン、4−クロロ−9−アントロン、1,2−ジクロロ−9−アントロン、1,3−ジクロロ−9−アントロン、1,4−ジクロロ−9−アントロン、1,5−ジクロロ−9−アントロン、1,6−ジクロロ−9−アントロン、1,7−ジクロロ−9−アントロン、1,8−ジクロロ−9−アントロン、2,5−ジクロロ−9−アントロン、2,6−ジクロロ−9−アントロン、2,7−ジクロロ−9−アントロン、1−フルオロ−9−アントロン、2−フルオロ−9−アントロン、3−フルオロ−9−アントロン、4−フルオロ−9−アントロン、1,2−ジフルオロ−9−アントロン、1,3−ジフルオロ−9−アントロン、1,4−ジフルオロ−9−アントロン、1,5−ジフルオロ−9−アントロン、1,6−ジフルオロ−9−アントロン、1,7−ジフルオロ−9−アントロン、1,8−ジフルオロ−9−アントロン、2,5−ジフルオロ−9−アントロン、2,6−ジフルオロ−9−アントロン、2,7−ジフルオロ−9−アントロン等が挙げられる。
一般式(2)で示される9−アントロン化合物と反応し得るハロゲン化炭酸エステル化合物としては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸−n−プロピル、クロロ炭酸−i−プロピル、クロロ炭酸−n−ブチル、クロロ−炭酸−n−ペンチル、クロロ−炭酸−n−ヘキシル、クロロ−炭酸−n−ヘプチル、クロロ−炭酸−n−オクチル、クロロ炭酸アリル、クロロ炭酸メタリル、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸−p−トリル、クロロ炭酸−m−トリル、クロロ炭酸−o−トリル、クロロ炭酸−1−ナフチル、クロロ炭酸−2−ナフチル、ブロモ炭酸メチル、ブロモ炭酸エチル、ブロモ炭酸−n−プロピル、ブロモ炭酸−i−プロピル、ブロモ炭酸−n−ブチル、ブロモ炭酸アリル、ブロモ炭酸メタリル、ブロモ炭酸フェニル、ブロモ炭酸トリル、ブロモ炭酸ナフチル、フルオロ炭酸メチル、フルオロ炭酸エチル、フルオロ炭酸−n−プロピル、フルオロ炭酸−i−プロピル、フルオロ炭酸−n−ブチル、フルオロ炭酸アリル、フルオロ炭酸メタリル、フルオロ炭酸フェニル、フルオロ炭酸トリル、フルオロ炭酸ナフチル等が挙げられる。
9−アントロン化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物との反応において、脱ハロゲン化水素剤として塩基を使用する。塩基としては、無機塩基、有機塩基を用いることが出来る。
無機塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、ピペリジン、α―ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
一般式(2)で示される9−アントロン化合物に対するハロゲン化炭酸エステル化合物の添加比率は1.0モル倍以上、2.0モル倍未満、好ましくは1.1モル倍以上、1.4モル倍未満である。1.0モル倍未満では、原料の9−アントロン化合物が未反応で残存し、生成物の純度が低下し、2.0モル倍以上では未反応ハロゲン化炭酸エステル化合物が大量に残存し、生成物の結晶性が低下し、収率が低下するので好ましくない。
ハロゲン化炭酸エステル化合物に対する塩基の添加比率は、通常1.0モル倍以上、1.5モル倍未満である。1.0モル倍未満であれば、未反応のハロゲン化炭酸エステルが残り、生成物が汚くなり、1.5モル倍以上であれば、生成物が溶液中溶けやすくなり、結晶化時の生成物の回収率が低下し好ましくない。
9−アントロン化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物との反応においては、通常、溶媒を使用する。塩基が有機塩基である場合は、溶媒としては、ハロゲン化炭酸エステル化合物と反応しなければ特に種類を選ばない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン系溶媒のような水非混和性溶媒、さらには、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒のような水混和性溶媒を用いることが出来る。
溶媒の使用量は、水混和性の溶媒を用いる場合は、9−アントロン化合物を溶解し得る量であればよい。具体的には、水混和性溶媒に対する9−アントロン化合物の仕込濃度は、通常5wt%以上、15wt%未満である。一方、水非混和性の溶媒を用いる場合は、ハロゲン化炭酸エステル化合物を溶解し得る量であれば良い。通常、水非混和性の溶媒に対するハロゲン化炭酸エステル化合物の濃度は5wt%以上、30wt%未満である。
一方、塩基が無機塩基である場合は、溶媒としては、水と水非混和性溶媒の二層系で反応させることが好ましい。水混和性の溶媒を使用するとハロゲン化炭酸エステル化合物が容易に加水分解され炭酸となるため、生成物の収率が大幅に低下し好ましくない。水非混和性の溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、メチルナフタレン、テトラリン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン系溶媒を使用することが出来る。
水非混和性溶媒の使用量は、ハロゲン化炭酸エステル化合物を溶解し得る量であれば良い。通常、水非混和性の溶媒に対するハロゲン化炭酸エステル化合物の濃度は5wt%以上、30wt%未満である。水の使用量は、無機塩基を溶解し得る量であれば良い。
反応温度は、好ましくは0℃以上、50℃未満、より好ましくは、10℃以上、30℃未満である。0℃未満では、溶媒の使用量にもよるが、9−アントロン化合物の溶媒に対する溶解度が低くなるため、9−アントロン化合物がスラリー状態となり、反応速度が低下する。一方、50℃以上だと、副反応が進行し、目的物の純度が低下し、好ましくない。
反応時間は、反応温度によるが、通常、30分以上、3時間未満である。
反応終了後、生成する有機塩基の塩酸塩又は無機塩を、水を加えて溶解させる。水混和性の溶媒の場合は、水を多量添加し、生成物の結晶を析出させる。一方、水非混和性の溶媒を用いる場合は、有機層を分離し、次いでアルコール等を加えた後濃縮し、生成物を得る。このようにして得られた9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物は、再結晶等によりさらに精製することもできる。
(ラジカル重合性組成物)
本発明の一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物はラジカル重合反応においてラジカル重合増感剤として作用する。当該ラジカル重合増感剤とラジカル重合開始剤及びラジカル重合性化合物とを混合することにより、ラジカル重合性組成物とすることができる。当該ラジカル重合性組成物は、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射することにより効率よく重合し、硬化する。
本発明で用いるラジカル重合開始剤としては、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなり環境にやさしいという点と本発明のラジカル重合増感剤の効果が顕著であるという点から波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線に対して吸光係数が小さいベンジルメチルケタール系、α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤等のラジカル重合開始剤が特に挙げられる。
具体的な化合物としては、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」ビーエーエスエフ社製)等が挙げられ、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名「ダロキュア1173」ビーエーエスエフ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」ビーエーエスエフ社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」ビーエーエスエフ社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−1−オン(商品名「イルガキュア127」ビーエーエスエフ社製)が挙げられる。
特に、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」ビーエーエスエフ社製)、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名「ダロキュア1173」ビーエーエスエフ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」ビーエーエスエフ社製)が好ましい。
また、アセトフェノン系ラジカル重合開始剤であるアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソプロポキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソブトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル系ラジカル重合開始剤であるベンジル、4,4’−ジメトキシベンジル、アントラキノン系ラジカル重合開始剤である2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−フェノキシアントラキノン、2−(フェニルチオ)アントラキノン、2−(ヒドロキシエチルチオ)アントラキノン等も用いることができる。
当該ラジカル重合開始剤に対するラジカル重合増感剤である本発明の9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物の添加量は、0.1重量倍以上、10重量倍未満が好ましく、より好ましくは0.5重量倍以上、2重量倍未満である。
ラジカル重合増感剤の作用機構は明らかでないが、紫外LED領域の光を吸収して、9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物が励起され、励起種がラジカル重合開始剤にエネルギーを与え、当該ラジカル重合開始剤の開裂によりラジカル種の発生を促進するためと考えられる。
本発明で用いるラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等、又はこれらのオリゴマーが挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、アクリレート基がひとつである単官能アクリレートでもアクリレート基が複数ある二官能アクリレートあるいは多官能アクリレートでもよい。単官能アクリレートとしてアクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、イソステアリルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニルフェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート等が挙げられ、二官能アクリレートとして、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられ、多官能アクリレートとして、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。さらには、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート等も使用可能である。
同様に、(メタ)クリレート化合物としては、単官能メタクリレートとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリデシルメタクリレート等が挙げられ、二官能メタクリレートとして、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート等が挙げられ、多官能メタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、単独で用いても、二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のラジカル重合増感剤及びラジカル重合開始剤の合計の添加量はラジカル重合性化合物に対して0.01重量%以上3.0重量%未満が好ましく、さらに好ましくは0.05重量%以上1.0重量%未満である。ラジカル重合増感剤及びラジカル重合開始剤の合計の添加量が0.01重量%未満だと、光硬化速度が遅くなってしまい、一方、ラジカル重合増感剤及びラジカル重合開始剤の合計の添加量が3.0重量%以上だと、光硬化物の物性が悪化するため好ましくない。
(重合方法)
本発明のラジカル重合性組成物の重合はフィルム状で行うことも出来るし、塊状に硬化させることも可能である。フィルム状に重合させる場合は、当該ラジカル重合性組成物を液状にし、たとえばポリエステルフィルムまたはタックフィルムなどの基材上に、たとえばバーコーターなどを用いてラジカル重合性組成物を塗布し、エネルギー線を照射して重合させる。
(塗布)
フィルム状に重合させる場合に用いられる基材としてはフィルム、紙、アルミ箔、金属等が主に用いられるが特に限定されない。基材としてのフィルムに用いられる素材としてはポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が用いられる。当該基材フィルムの膜厚は通常100μ未満の膜厚のものを使用する。ラジカル重合性組成物を塗布して得られる塗膜の膜厚を調整するために使用するバーコーターは特に指定しないが、膜厚が1μ以上100μ未満に調整できるバーコーターを使用する。一方、スピンコーティング法やスクリーン印刷法により、さらに薄い膜厚あるいは厚い膜厚にして塗布することもできる。
(雰囲気)
また、フィルム状に重合させるときは、酸素存在下では酸素阻害のためフィルム表面のべたつきがなかなか取れず、ラジカル重合開始剤等の大量添加が必要となる。よって酸素非存在下で重合させることが望ましい。そのような重合方法としては、窒素ガス、ヘリウムガス等の雰囲気で行うことが挙げられる。また、タックフィルムまたはポリエチレンフィルム等で、塗布したラジカル重合性組成物を覆った後に、光重合させる方法も有効である。
(照射源)
このようにして調製したラジカル重合性組成物からなる塗膜に、波長が375nmから420nmまでの範囲の光を含むエネルギー線を1〜2000mW/cm程度の強さで光照射することにより、光硬化物を得ることができる。用いる照射源としては395nmの光を中心波長とする紫外LED、385nm光を中心波長とする紫外LED及び375nmの光を中心波長とする紫外LEDが好ましいが、波長が375nmから420nmの間に発光スペクトルを持つランプであれば使用可能であり、フュージョン社製のD−バルブ、V−バルブ等の無電極ランプや、キセノンランプ、ブラックライト、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びガリウムドープドランプ等も使用可能である。また、太陽光によっても硬化させることができる。
(タック・フリー・テスト)
本発明のラジカル重合性組成物が光硬化したかどうかを判定する方法としては、タック・フリー・テスト(指触テスト)を用いた。すなわち、ラジカル重合性組成物に光を照射すると、硬化して表面のタック(べたつき)がなくなるため、光を照射してからタック(べたつき)がなくなるまでの時間を測定することにより、光硬化時間を測定した。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。特記しない限り、すべての部および百分率は重量%である。
本発明により得られた化合物の構造確認は、下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K00
64に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spect orometer
(合成実施例1)9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付の100mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、アセトン14g、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、クロロ炭酸メチル1.13g(12.0ミリモル)仕込んだ。得られたスラリーを氷水で冷やし、該スラリーにトリエチルアミン1.20g(12.0ミリモル)をアセトン3gに溶解した溶液を添加した。析出した塩基の塩酸塩をそのまま氷水で冷やしながら2時間攪拌した。反応液スラリーに水6gを加え、トリエチルアミンの塩酸塩を溶解し、次いで吸引濾過し、メタノール洗いをした後、乾燥し、9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンの薄黄色の粉末2.18g(8.7ミリモル)得た。原料9−アントロンに対する単離収率は86.5モル%であった。
(1)融点:198−199℃
(2)IR(KBr,cm−1):3060,2960,1760,1620,1440,1250,1160,1015,939,890,845,740,543.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.00(s,3H),7.46−7.59(m,4H),8.00−8.08(m,4H),8.40(s,1H).
(合成実施例2)9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付の100mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、アセトン18g、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、クロロ炭酸エチル1.30g(12.0ミリモル)仕込んだ。得られた薄黄色のスラリーを氷水で冷やし、該スラリーにトリエチルアミン1.20g(12.0ミリモル)をアセトン3gに溶解した溶液を添加した。析出した塩基の塩酸塩をそのまま氷水で冷やしながら2時間攪拌した。反応液スラリーに水10gを加え、トリエチルアミンの塩酸塩を溶解し、次いで吸引濾過し、メタノール洗いした後、乾燥し、9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンの薄黄色の粉末2.31g(8.7ミリモル)を得た。原料9−アントロンに対する単離収率は87モル%であった。
(1)融点:128−129℃
(2)IR(KBr,cm−1):3055,2960,1752,1622,1468,1446,1374,1363,1240,1160,1092,1018,962,893,844,790,780,742,610,588,543.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.47(t,J=8Hz,3H),4.42(q,J=8Hz,2H),7.45−7.56(m,4H),7.99−8.08(m,4H),8.39(s,1H).
(合成実施例3)9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付の100mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、アセトン18g、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、クロロ炭酸−n−プロピル1.47g(12.0ミリモル)仕込んだ。得られた薄黄色のスラリーを氷水で冷やし、該スラリーにトリエチルアミン1.20g(12.0ミリモル)をアセトン3gに溶解した溶液を添加した。析出した塩基の塩酸塩をそのまま氷水で冷やしながら2時間攪拌した。反応液スラリーに水8gを加え、トリエチルアミンの塩酸塩を溶解し、次いで吸引濾過し、メタノール洗いした後、乾燥し、9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンの白色の粉末2.50g(8.93ミリモル)を得た。原料9−アントロンに対する単離収率は89、3モル%であった。
(1)融点:65−66℃
(2)IR(KBr,cm−1):3065,2970,1768,1628,1466,1450,1396,1352,1316,1236,1172,1052,1010,940,883,841,780,738,608,593,547.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.05(t,J=8Hz,3H),1.79−1.90(m,2H),4.32(t,J=8Hz,2H),7.48−7.56(m,4H),7.98−8.08(m,4H),8.38(s,1H).
(合成実施例4)9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付の200mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下アセトン18gl、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、クロロ炭酸−i−プロピル1.47g(12.0ミリモル)仕込んだ。得られた薄黄色のスラリーを氷水で冷やし、該スラリーにトリエチルアミン1.2g(12.0ミリモル)をアセトン3gに溶解した溶液を添加した。析出した塩基の塩酸塩をそのまま氷水で冷やしながら2時間攪拌した。反応スラリーに水14gを加え、吸引濾過し、メタノール洗いして乾燥し、9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶を1.83g(6.5ミリモル)得た。原料9−アントロンに対する収率は65ル%であった。
(1)融点:113−114℃
(2)IR(KBr,cm−1 ):3070,2990,1762,1630,1448,1242,1174,1160,1092,992,918,897,790,733,550.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.47(d,J=8Hz,6H),5.02−5.11(m,1H),7.54−7.63(m,2H),7.97−8.06(m,2H),8.37(s,1H).
(合成実施例5)9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付の100mlの三口フラスコに、窒素雰囲気下、アセトン18g、9−アントロン1.94g(10。0ミリモル)、クロロ炭酸アリル1.56g(13ミリモル)仕込んだ。 得られた薄黄色のスラリーを氷水で冷やし、該スラリーにトリエチルアミン1.3g(13ミリモル)をアセトン2gに溶解した溶液を添加した。析出した塩基の塩酸塩をそのまま氷水で冷やしながら2時間攪拌した。反応液スラリーに水10gを加え、トリエチルアミンの塩酸塩を溶解し、次いで吸引濾過し、メタノール洗いした後、乾燥し、9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンの白色の粉末1.08g(4.0ミリモル)を得た。原料9−アントロンに対する単離収率は40モル%であった。
(1)融点:66−67℃
(2)IR(KBr,cm−1):3060,1770,1625,1460,1442,1357,1232,1130,1120,1016,982,940,895,842,778,730,610,541.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.85(d,J=8Hz,2H),5.39(d、J=9Hz,1H),5.50(d,J=17Hz,1H),5.99−6.16(m,1H),7.42−7.58(m,4H),7.99−8.11(m,4H),8.39(s,1H).
(評価実施例1)9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)100重量部、ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン1.0重量部、ラジカル重合増感剤として合成実施例1と同様の方法で得られた9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを0.5重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製したラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、酸素を遮断し、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.5W/cm)を照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
(評価実施例2)9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例2と同様の方法で得られた9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例1と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム3.5秒で硬化した。
(評価実施例3)9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例3と同様の方法で得られた9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例1と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.0秒で硬化した。
(評価実施例4)9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例4と同様の方法で得られた9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例1と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.2秒で硬化した。
(評価実施例5)9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例5と同様の方法で得られた9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例1と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.5秒で硬化した。
(評価実施例6)9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部、ラジカル重合増感剤として合成実施例1と同様の方法で得られた9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを0.5重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製したラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、酸素を遮断し、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.5W/cm)を照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4秒であった。
(評価実施例7)9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例2と同様の方法で得られた9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例6と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム3秒で硬化した。
(評価実施例8)9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例3と同様の方法で得られた9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例6と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2秒で硬化した。
(評価実施例9)9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例4と同様の方法で得られた9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例6と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.5秒で硬化した。
(評価実施例10)9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例5と同様の方法で得られた9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例6と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.5秒で硬化した。
(評価実施例11)9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.3重量部、ラジカル重合増感剤として合成実施例1と同様の方法で得られた9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを0.5重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製したラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、酸素を遮断し、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.5W/cm)を照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
(評価実施例12)9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例2と同様の方法で得られた9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例11と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム3.5秒で硬化した。
(評価実施例13)9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例3と同様の方法で得られた9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例11と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.0秒で硬化した。
(評価実施例14)9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例4と同様の方法で得られた9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例11と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.2秒で硬化した。
(評価実施例15)9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤として用いたラジカル重合性組成物の光硬化(ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセンを合成実施例5と同様の方法で得られた9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセンに変えたこと以外は評価実施例11と全く同じようにして、ラジカル重合性組成物を調製した。紫外LED光を照射したところ、タックフリータイム2.5秒で硬化した。
(評価比較例1)ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(メトキシカルボニルオキシアントラセン)を添加しないこと以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは36秒であった。
(評価比較例2)ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(メトキシカルボニルオキシアントラセン)を添加しないこと以外は、評価実施例6と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは23秒であった。
(評価比較例3)ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(メトキシカルボニルオキシアントラセン)を添加しないこと以外は、評価実施例11と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは11秒であった。
(評価比較例4)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(メトキシカルボニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは90秒であった。
(評価比較例5)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(エトキシカルボニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、評価実施例2と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは80秒であった。
(評価比較例6)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、評価実施例3と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは30秒であった。
(評価比較例7)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(i−プロポキシカルボニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、評価実施例4と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは42秒であった。
(評価比較例8)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(アリルオキシカルボニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、評価実施例5と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、バーコーターでフィルムに塗布後、紫外LEDを照射した。タックフリータイムは18秒であった。
評価実施例1〜15及び評価比較例1〜8の結果を表1にまとめた。
評価実施例1〜5と評価比較例1、評価実施例6〜10と評価比較例2、評価実施例11〜15と評価比較例3を比べることにより明らかなように、9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物はα−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤であるダロキュア1173、イルガキュア184、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤であるイルガキュア651に対して、395nmのLED光を照射した際に、増感効果があることがわかる。一方、評価比較例4〜8のラジカル重合開始剤を用いない例からわかるように、本発明の化合物は、硬化速度は十分ではないがラジカル重合開始剤としての効果もある。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物。

    (一般式(1)において、Rは、炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
  2. 下記一般式(2)で示される9−アントロン化合物とハロゲン化炭酸エステル化合物とを塩基の存在下反応させることを特徴とする、請求項1に記載の9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物の製造法。

    (一般式(2)において、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
  3. 下記一般式(1)で示される9−(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤。

    (一般式(1)において、Rは、炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1から8のアルキル基のうちのいずれかを示す。)
  4. 請求項3に記載のラジカル重合増感剤と、α−ヒドロキシアルキルフェノン系又はベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性組成物。
  5. α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤が、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び/又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであることを特徴とする、請求項4に記載のラジカル重合性組成物。
  6. ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤が、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンであることを特徴とする、請求項4に記載のラジカル重合性組成物。
  7. 請求項4乃至6のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物を、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射することにより重合させる重合方法。
  8. 波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線の照射源が、中心波長が395nmの紫外LEDであることを特徴とする、請求項7に記載の重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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